JP6268067B2 - 露光装置、画像形成装置、及び露光装置の製造方法 - Google Patents

露光装置、画像形成装置、及び露光装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、露光装置、露光装置を備えた画像形成装置、及び露光装置の製造方法に関する。
プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、複合機などのような電子写真方式を採用した画像形成装置に用いられる露光装置としてLEDプリントヘッド(LEDヘッド)が用いられる。LEDプリントヘッドは、複数の発光素子としての複数のLEDを配列したLEDアレイと、LEDアレイから出射された光を被照射面に正立等倍像として結像させるロッドレンズアレイとを備えている。ロッドレンズアレイを用いる場合、ロッドレンズアレイの光軸方向(厚み方向)における中心位置(「ロッドレンズアレイ厚み中点」とも言う)と被照射面としての感光体ドラムの表面との間の距離、及び、ロッドレンズアレイ厚み中点とLEDアレイの発光面との間の距離の各々が、ロッドレンズアレイに固有の共役長TCの半分の距離TC/2となるように位置決めすることで、そのロッドレンズアレイを用いた場合における最も高い解像度の結像が得られることが知られている。しかしながら、ロッドレンズアレイ厚み中点と被照射面との間の距離及びロッドレンズアレイ厚み中点とLEDアレイの発光面との間の距離の両方を正確にTC/2とするように、各構成を正確に位置決めすること、及び、このように位置決めされた状態を維持し続けることは困難である。
そこで、ロッドレンズアレイ厚み中点と被照射面との間の距離と、ロッドレンズアレイ厚み中点とLEDアレイの発光面との間の距離とを、互いに等しい距離に設定することにより、被照射面における解像度の変動を抑制する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平6ー8516号公報
しかしながら、画像形成装置においては、感光体ドラムの回転による被照射面の位置の変動、感光体ドラムの表面に付着する現像剤の影響、及び、感光体ドラムの表面の摩耗などによる被照射面の状態の経時的な変化などにより、ロッドレンズアレイ厚み中点と被照射面との間の距離が変動する場合がある。このため、ロッドレンズアレイ厚み中点と被照射面との間の距離と、ロッドレンズアレイ厚み中点とLEDアレイの発光面との間の距離とが、互いに等しくなるように位置決めした場合であっても、被照射面における結像特性が大きく変動することがあり、印字品質が不安定になる場合がある。また、ロッドレンズアレイの長手方向に配列されている個々のロッドレンズの特性バラツキなどにより、LEDアレイの長手方向に対応する感光体ドラムの長手方向の各位置において、結像特性にばらつきが生じる場合がある。
そこで、本発明の目的は、被照射面における結像特性の変動を小さくすることができ、且つ、被照射面の長手方向の各位置における結像特性のばらつきを小さくすることができる露光装置及びその製造方法、並びに、時間が経過しても安定的に高い印字品質を維持することができ、且つ、長手方向の印字品質のばらつきが小さい画像形成装置を提供することである。
本発明に係る露光装置の製造方法は、発光素子アレイを有する発光素子アレイ基板と、前記発光素子アレイの発光面から出射された光を被照射面に結像させるロッドレンズアレイと、前記発光素子アレイ基板と前記ロッドレンズアレイとを支持する支持部材とを有する露光装置を製造する、露光装置の製造方法であって、
前記ロッドレンズアレイを前記支持部材に固定するステップと、
前記支持部材に対する前記発光素子アレイの前記発光面の位置を決定する処理を、前記発光素子アレイの長手方向の複数の発光面位置において実行するステップと、
前記複数の発光面位置を前記決定された各々の位置に対応させて、前記複数の発光面位置の各々において前記発光素子アレイ基板を前記ロッドレンズアレイに対して接近又は離間させて前記発光素子アレイ基板を変形させるステップと、
変形した前記発光素子アレイ基板を前記支持部材に固定するステップと、
を有し、
前記発光素子アレイの前記発光面の位置は、前記被照射面と前記ロッドレンズアレイの光軸方向における中点との間の第1の距離の設定値に対する前記第1の距離の変動に応じて発生する、前記被照射面における結像特性の変動が最小となる位置に決定され
前記ロッドレンズアレイを前記支持部材に固定する前記ステップでは、前記第1の距離の設定値と前記支持部材の基準位置から前記ロッドレンズアレイの前記中点までの前記光軸方向の第2の距離の設定値とを決定し、前記第1の距離の設定値と前記第2の距離の設定値とに対応させて前記ロッドレンズアレイを前記支持部材に固定し、
前記支持部材に対する前記発光素子アレイの前記発光面の位置を決定する処理を、前記発光素子アレイの長手方向の複数の発光面位置において実行する前記ステップでは、前記発光素子アレイの前記発光面と前記基準位置との間の第3の距離の設定値を決定する処理を、前記発光素子アレイの長手方向の複数の発光面位置において実行し、
前記発光素子アレイ基板を変形させるステップでは、前記複数の発光面位置の各々における前記第3の距離の設定値に対応させて、前記発光素子アレイ基板を変形させ、
前記第1の距離の設定値、前記第2の距離の設定値、及び前記複数の発光面位置の各々における前記第3の距離の設定値は、前記第1の距離の設定値に対する前記第1の距離の変動に応じて発生する、前記被照射面における前記結像特性の変動が、最小となる値に決定されることを特徴とする。
本発明に係る露光装置は、発光素子アレイを有する発光素子アレイ基板と、前記発光素子アレイの発光面から出射された光を被照射面に結像させるロッドレンズアレイと、前記発光素子アレイ基板と前記ロッドレンズアレイとを支持する支持部材とを有する露光装置であって、
前記支持部材に対する前記発光素子アレイの前記発光面の位置として、前記発光素子アレイの長手方向の複数の発光面位置において決定された各々の位置に対応させて、前記複数の発光面位置の各々において前記発光素子アレイ基板を前記ロッドレンズアレイに対して接近又は離間させて前記発光素子アレイ基板が変形しており、
変形した前記発光素子アレイ基板が前記支持部材に固定されており、
前記発光素子アレイの前記発光面の位置は、前記被照射面と前記ロッドレンズアレイの光軸方向における中点との間の第1の距離の設定値に対する前記第1の距離の変動に応じて発生する、前記被照射面における結像特性の変動が最小となる位置に決定されており、
前記ロッドレンズアレイは、前記第1の距離の設定値と前記支持部材の基準位置から前記ロッドレンズアレイの前記中点までの前記光軸方向の第2の距離の設定値とに対応させて、前記支持部材に固定されており、
前記発光素子アレイの前記発光面と前記基準位置との間の第3の距離の設定値は、前記発光素子アレイの長手方向の複数の発光面位置において決定されており、
前記複数の発光面位置の各々における前記第3の距離の設定値に対応させて、前記発光素子アレイ基板が変形されており、
前記第1の距離の設定値、前記第2の距離の設定値、及び前記複数の発光面位置の各々における前記第3の距離の設定値は、前記第1の距離の設定値に対する前記第1の距離の変動に応じて発生する、前記被照射面における前記結像特性の変動が、最小となる値に決定されていることを特徴とする。
本発明によれば、被照射面における結像特性の変動を小さくすることができ、且つ、被照射面の長手方向の各位置における結像特性のばらつきを小さくすることができる露光装置及びその製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、時間が経過しても安定的に高い印字品質を維持することができ、且つ、長手方向の印字品質のばらつきが小さい画像形成装置を提供することができる。
露光装置としてのLEDプリントヘッドの基本構成を概略的に示す短手方向(y方向)の断面図である。 (a)及び(b)は、LEDプリントヘッドの結像特性を示す楕円曲線であるMTF等高線をΔW−ΔV平面に示す図及びLEDプリントヘッドのMTF特性曲線を示す図ある。 (a)及び(b)は、本発明の実施の形態1に係るLEDプリントヘッドの製造方法を示す長手方向の概略断面図及び短手方向の概略断面図である。 実施の形態1に係るLEDプリントヘッドの製造方法に使用される位置決め装置の構成を概略的に示す図である。 (a)〜(c)は、実施の形態1に係るLEDプリントヘッドの製造方法を概略的に示すフローチャートである。 実施の形態1に係るLEDプリントヘッドの製造方法によって製造されるLEDプリントヘッドの結像特性を示す楕円曲線であるMTF等高線をWV平面に示す図である。 (a)及び(b)は、本発明の実施の形態2に係るLEDプリントヘッドの製造方法を示す長手方向の概略断面図及び短手方向の概略断面図である。 (a)〜(c)は、実施の形態2に係るLEDプリントヘッドの製造方法を概略的に示すフローチャートである。 実施の形態2に係るLEDプリントヘッドの製造方法を概略的に示すフローチャートである。 実施の形態2に係るLEDプリントヘッドの製造方法を説明するためのMTF等高線をWV平面に示す図である。 (a)及び(b)は、本発明の実施の形態3に係るLEDプリントヘッドの製造方法を示す長手方向の概略断面図及び短手方向の概略断面図である。 (a)及び(b)は、実施の形態3に係るLEDプリントヘッドの製造方法によって製造されるLEDプリントヘッドの結像特性を示す楕円曲線であるMTF等高線をWV平面に示す図及びMTF特性曲線を示す図である。 (a)及び(b)は、実施の形態3に係るLEDプリントヘッドの製造方法におけるロッドレンズアレイの変形工程を示す断面図である。 実施の形態3に係るLEDプリントヘッドの製造方法におけるLEDアレイ基板の変形工程を示す断面図である。 (a)及び(b)は、実施の形態3に係るLEDプリントヘッドの製造方法を示す長手方向の概略断面図及び短手方向の概略断面図である。 (a)及び(b)は、本発明の実施の形態4に係るLEDプリントヘッドの製造方法に使用される位置決め装置の構成を概略的に示す長手方向の断面図及び短手方向の断面図である。 実施の形態4に係るLEDプリントヘッドの製造方法を概略的に示すフローチャートである。 図17に示される第1工程を示すフローチャートである。 実施の形態4に係るLEDプリントヘッドの製造方法を説明するためのMTF等高線をWV平面に示す図である。 (a)及び(b)は、実施の形態4に係るLEDプリントヘッドの製造方法の変形工程を示す長手方向の断面図である。 (a)及び(b)は、本発明の実施の形態5に係るLEDプリントヘッドの製造方法に使用される位置決め装置の構造を示す短手方向の断面図である。 (a)及び(b)は、実施の形態5に係るLEDプリントヘッドの製造方法に使用される位置決め装置の構造を示す平面図及び長手方向の側面図である。 実施の形態6に係る画像形成装置の縦断面形状を示す概略構成図である。
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。各図には、xyz直交座標系を示す。x軸は、発光素子アレイとしてのLEDアレイの長手方向に平行な座標軸である。y軸は、LEDアレイの短手方向に平行な座標軸である。z軸は、LEDアレイの厚み方向に平行な座標軸である。x軸に平行な方向であるx方向は、発光素子アレイ基板としてのLEDアレイ基板の長手方向、及び、ロッドレンズアレイの長手方向を示す。y軸に平行な方向であるy方向は、LEDアレイ基板の短手方向、及び、ロッドレンズアレイの短手方向を示す。z軸に平行な方向であるz方向は、LEDアレイ基板の厚み方向、ロッドレンズアレイの厚み方向、及びロッドレンズアレイの光軸方向を示す。
また、各図には、z軸に平行であり、互いに反対方向を向く、W軸とV軸を示す。W軸は、LEDアレイ基板とロッドレンズアレイを支持する支持部材の基準位置としての基準面上の点Oを原点として+z方向を向く座標軸である。V軸は、前記支持部材の基準面上の点Oを原点として−z方向を向く座標軸である。支持部材の基準面は、例えば、支持部材と感光体ドラムとの距離を決めるスペーサの当接面である。ただし、原点Oのz方向の位置は、予め決められた位置であれば、ロッドレンズアレイの厚み方向の中点(「ロッドレンズアレイ厚み中点」とも言う)などのような他の位置であってもよい。
さらに、各図には、第1の基準線(中点基準線)A1、第2の基準線(発光点位置基準線)B1、及び第3の基準線(被照射点基準線)C1を示す。第1の基準線A1は、ロッドレンズアレイの厚み中点を通り、x方向に平行な直線である。第2の基準線B1は、LEDアレイの発光面を通り、x方向に平行な直線である。第3の基準線C1は、感光体ドラムの表面である被照射面を通り、x方向に平行な直線である。
《本発明の原理の説明》
最初に、本発明の原理を説明する。図1は、露光装置としてのLEDプリントヘッド10の基本構成を示す断面図である。また、図2(a)及び(b)は、LEDプリントヘッド10の結像特性を楕円曲線で示す図、及び、LEDプリントヘッド10の変調伝達関数(MTF)を示すMTF特性曲線を示す図ある。
図1において、W1は、ロッドレンズアレイ30の厚み方向(z方向)の中点(ロッドレンズアレイ厚み中点)31(第1の基準線A1)と被照射面としての感光体ドラム50の被照射面51(第3の基準線C1)との間の距離を示す。V1は、ロッドレンズアレイ厚み中点31とLEDアレイ基板20のLEDアレイ22の発光面22a(第2の基準線B1)との間の距離を示す。図1に示されるように、LEDプリントヘッド10は、主要な構成として、基板21とLEDアレイ22とを有するLEDアレイ基板20と、LEDアレイ22から出射される光を収束させて被照射面としての感光体ドラム50の表面51に、収束した光を照射するロッドレンズアレイ30と、これらが固定される支持部材(例えば、後述する図3における構成140)とを備える。ロッドレンズアレイ30の一例としては、中心から周辺にかけて放射状の屈折率分布を有するロッドレンズを配列した構造のセルフォックレンズアレイ(SLA)がある。セルフォックレンズアレイは、日本板硝子株式会社の登録商標である。
LEDプリントヘッド10は、電子写真方式を採用する画像形成装置に搭載される場合、感光体ドラム50の表面である被照射面に対向して設置される。LEDアレイ22から出射された光は、ロッドレンズアレイ30により収束され、感光体ドラム50の被照射面51に正立等倍像が結像される。
ロッドレンズアレイ30は、被照射面51において最も解像度の高い像を形成する固有値である共役長TCを有している。ロッドレンズアレイ30を介してLEDアレイ22の発光面22aと感光体ドラム50の被照射面51との間の距離が共役長と等しくなる位置であって、且つ、ロッドレンズアレイ厚み中点31と被照射面51との間の距離と、ロッドレンズアレイ厚み中点31とLEDアレイ22の発光面22aとの間の距離とが互いに等しくなるように位置決めされると、感光体ドラム50の被照射面51に結像する像の解像度が最も高くなることが知られている。
発光素子としてのLEDアレイの共役位置は、ロッドレンズアレイ厚み中点31からの距離がTC/2となる位置Vtcと、ロッドレンズアレイ厚み中点31からの距離がTC/2となる位置Wtcとである。図1に示される例では、ロッドレンズアレイ厚み中点31とLEDアレイ22の発光面22aとの間の距離をV1とし、ロッドレンズアレイ厚み中点31と被照射面51との間の距離をW1とすると、距離V1と距離W1とが等しくなるように、LEDアレイ基板20とロッドレンズアレイ30と感光体ドラム50とが配置される。このとき、ロッドレンズアレイ厚み中点31から被照射面51までの距離W1は、
W1=Wtc+ΔWであり、
ロッドレンズアレイ厚み中点31から発光面22aまでの距離V1は、
V1=Vtc+ΔVである。
さらに、図1に示される例では、共役長TCからΔTCだけずれた位置に、LEDアレイ22の発光面22aと感光体ドラム50の被照射面51とが位置するように、ロッドレンズアレイ30を間にして互いに反対側に、LEDアレイ基板20と感光体ドラム50とが配置されており、さらに、距離Wtcと距離Vtcとは等しい。したがって、
ΔW=W1−Wtc=ΔTC/2
ΔV=V1−Vtc=ΔTC/2
と表すことができる。すなわち、図1に示される例では、被照射面51は、共役位置WtcからΔTC/2だけずれた位置になるように構成され、LEDアレイ22の発光面22aは、共役位置VtcからΔTC/2だけずれた位置なるように、構成される。
被照射面51に結像した像の解像度を示す指標としてMTFが知られている。図2(a)は、ロッドレンズアレイ厚み中点31と被照射面51との間の距離W及びロッドレンズアレイ厚み中点31とLEDアレイ22の発光面22aとの間の距離Vの関係に基づくMTF分布を、ΔW−ΔV座標系に表している。
図1に示される光学系において、被照射面側の共役位置Wtcからの被照射面51の位置のずれ量ΔWと発光面側の共役位置Vtcからの発光面22aの位置のずれ量ΔVとの両方を変化させて被照射面に結像した光の解像度を計測すると、図2(a)に示されるような、楕円比が略一定である互いに相似な複数の楕円に近似できるMTF等高線(MTF分布)により解像度を表すことができることが、一般的に知られている。図2(a)に示されるように、図1に示される光学系は、横軸を共役位置Wtcからの被照射面の位置のずれ量ΔWとし、縦軸を共役位置Vtcからの発光素子の発光面の位置のずれ量ΔVとした2次元座標系において、傾きθ、楕円比が略一定である互いに相似な複数の楕円に近似できるMTF分布を有する。MTF分布は、MTF等高線の中央に近づくほど(すなわち、W及びVが共役位置に近づくほど)、MTFが高くなる。例えば、ΔW=ΔV=0のとき、すなわち、図1に示される光学系において、W1=V1=TC/2であって、且つ、W1とV1との和が共役長TCに等しいとき、被照射面におけるMTFが最大となる。
図2(a)のグラフに示される原点P0は、ΔW=ΔV=0の点であり、図1に示されるW1とV1との和が共役長TCに等しい場合を示しており、このとき、被照射面におけるMTFが最大となる。点P1は、ΔW=ΔW1且つΔV=ΔV1の位置であって、直線ΔV=ΔV1の直線と、MTF分布における、あるMTF等高線E1との接点である。すなわち、点P1は、MTF等高線E1において傾きがゼロとなる点であって、f(ΔW,ΔV)を、ΔW及びΔVを独立変数とするMTFの値についての関数(MTF=f(ΔW,ΔV))であるとすると、点P1は、ΔWを変数としてMTFを偏微分したときの偏微分値が0となる点である。
点P2は、ΔW=ΔW2,ΔV=ΔV1の位置である。θ=45度のとき、点P2は、直線t1上に位置し、このとき、ΔW2=ΔV1である。点P1と点P2とを比較すると、点P2は、MTF分布におけるMTF等高線E1よりも外側に位置しているので、MTF等高線E1上に位置する点P1は、点P2よりもMTFが高い場合を示している。
図2(b)は、ロッドレンズアレイ厚み中点31とLEDアレイの発光面22aとの間の距離Vを所定の距離に一定に維持した状態における、被照射面側の共役位置Wtcからの被照射面の位置のずれ量ΔWとMTFとの関係を示す図である。図2(b)における点P1′及びP2′は、図2(a)における点P1及びP2にそれぞれ対応する。図2(b)の例は、ロッドレンズアレイ厚み中点31とLEDアレイの発光面22aとの間の距離が共役長TCの1/2となる位置Vtcから所定の距離(ΔV1)だけずれた位置に維持した状態おける、ロッドレンズアレイ厚み中点31と被照射面51との間の距離の変動ΔWとMTFの変動との関係を示している。図2(b)において、横軸(ΔW)は、原点から正の方向に向かうにつれて増加する共役位置Wtcからの被照射面の位置のずれ量を示し、縦軸(MTF軸)は、原点から正の方向に向かうにつれてMTFが高くなることを示している。図2(b)に示されるように、任意のV1(すなわち、Vtc+ΔV)における、ロッドレンズアレイ厚み中点31と被照射面51との間の距離W1(すなわち、Wtc+ΔW)の変動に応じて発生するMTFの変動は、図2(b)に示される曲線(「MTF特性曲線」という)によって近似されて表される。
図2(a)に示される点P1のΔWをΔW1とすると、図2(b)に示されるように、ΔW1は、MTF特性曲線の極大値をとる。点P1は、MTF等高線E1における極値であり、MTF等高線E1の傾きがゼロとなる位置である。したがって、点P1の近傍では、MTF等高線E1の傾きが緩やかであるので、ΔWがΔW1から変動した場合であっても、MTFの変動(変動率)は小さい。よって、MTF特性曲線の極値に対応するΔWの位置が、MTFの変動(変動率)を最小にすることができる位置であることがわかる。すなわち、図1に示されるLEDプリントヘッド10において、被照射面51の位置が、共役位置であるWtcからずれた位置になるように感光体ドラム50及びロッドレンズアレイ30が設置された場合であっても、W1=Wtc+ΔW1となるように、感光体ドラム50及びロッドレンズアレイ30が設置されていれば、V1=Vtc+ΔV1となるように、LEDアレイ22及びロッドレンズアレイ30を設置することにより、MTFの変動を低減でき、安定した解像度を得ることができる。
比較のために図2(a)に示される点P2について検討する。点P2のΔWをΔW2とすると、図2(b)に示されるように、ΔW=ΔW2におけるMTFの値は、ΔW=ΔW1のときのMTFの値よりも小さくなる。さらに、点P2′の位置の場合、MTF特性曲線の傾きが大きいため、ΔW=ΔW2近傍であるとき、ΔWがΔW2から変動すると、被照射面における解像度の変動が急峻となる。したがって、図2(a)及び(b)に示される例では、点P2の位置よりも点P1の位置の方が、被照射面における解像度が高く、且つ、被照射面における解像度の変動が低減されるといえる。
以上に説明したように、感光体ドラム50の被照射面51、ロッドレンズアレイ30、及びLEDアレイ22の発光面22aの各々が、ロッドレンズアレイ30に固有の共役長TCに基づいた位置からずれた位置に設置された場合に、点P1(点P1′)位置に対応させて(又は、この位置を満たすように)、被照射面51、ロッドレンズアレイ30、及び発光面22aを設置することにより、ロッドレンズアレイ厚み中点31と被照射面51との間の距離W1の変動が生じた場合であっても、被照射面51における解像度の変動を抑制することができる。
また、図2(a)に示される点P0に対応する(又は、この点を満たす)位置に、被照射面51、ロッドレンズアレイ30、及び発光面22aが設置された場合に、最も解像度が高くなるが、共役長は、ロッドレンズアレイ30によって個体差があるため、必ずしも、点P0に対応する(又は、この点を満たす)位置に、被照射面51、ロッドレンズアレイ30、及び発光面22aの各々を設置できるとは限らない。本発明では、例えば、点P1(点P1′)位置に被照射面51、ロッドレンズアレイ30、及び発光面22aを設置することにより、ロッドレンズアレイ厚み中点31と被照射面51との間の距離W1の変動が生じた場合であっても、被照射面において安定した解像度が得られるLEDプリントヘッド10を構成することができる。
なお、上記の説明は、ΔW>0、且つ、ΔV>0の場合、すなわち、W1−Wtc>0、且つ、V1−Vtc>0の場合を例として説明したが、ΔW<0、且つ、ΔV<0の場合、すなわち、W1−Wtc<0、且つ、V1−Vtc<0の場合においても、同様の説明が当てはまる。例えば、図2(a)に示される点P3は、ΔW=ΔW3,ΔV=ΔV3の位置であって、直線ΔV=ΔV3の直線と、MTF分布におけるあるMTF等高線E2との接点である。すなわち、点P3は、MTF等高線E2において傾きがゼロとなる点であって、偏微分値が0となる点である。したがって、ΔW<0、且つ、ΔV<0の場合、図2(a)に示される例(ΔV=ΔV3)では、点P3(ΔW=ΔW3)が、MTFの変動を最小にすることができる位置である。
以上に説明したように、本発明が採用している原理は、被照射面51(第2の基準線B1)とロッドレンズアレイ厚み中点31(第1の基準線A1)との間の第1の距離の設定値(例えば、Wtc+ΔW1)と、LEDアレイの発光面22a(第2の基準線B1)とロッドレンズアレイ厚み中点31(第1の基準線)との間の第2の距離の設定値(例えば、Vtc+ΔV1)を決定する処理を行うときに、第1の距離の設定値及び第2の距離の設定値を、第1の距離の設定値に対する第1の距離の変動量(ΔW)に応じて発生する被照射面51(第2の基準線B1)における結像特性の変動量(MTF)が最小となる値(図2(a)における直線t2上の値)に決定している。このように設定した場合には、被照射面51とロッドレンズアレイ厚み中点31(第1の基準線A1)との間の第1の距離が、第1の距離の設定値からずれた場合、及び、LEDアレイの発光面22aとロッドレンズアレイ厚み中点31(第1の基準線A1)との間の第2の距離が、第2の距離の設定値からずれた場合であっても、結像特性の変動量(変動率)を小さくすることができる。
以下に説明する実施の形態1及び2においては、上記本発明の原理を、LEDプリントヘッドのLEDアレイの長手方向の複数の位置において適用するために、LEDアレイ基板を長手方向に変形させる例を説明する。また、実施の形態3から5においては、上記本発明の原理をLEDプリントヘッドのLEDアレイの長手方向及びロッドレンズアレイの長手方向の複数の位置において適用するために、ロッドレンズアレイを長手方向に変形させるとともに、LEDアレイ基板を長手方向に変形させる例を説明する。また、実施の形態6においては、実施の形態1から5のいずれかのLEDプリントヘッドを露光装置として使用した画像形成装置を説明する。
《実施の形態1》
実施の形態1に係る露光装置であるLEDプリントヘッド100の製造方法は、LEDアレイ122を有するLEDアレイ基板121と、LEDアレイ122の発光面122aから出射された光を被照射面151に結像させるロッドレンズアレイ130と、LEDアレイ基板121とロッドレンズアレイ130とを支持する支持部材140とを有する装置の製造方法である。この製造方法は、ロッドレンズアレイ130を支持部材140に固定するステップと、支持部材140に対するLEDアレイ122の発光面122aの位置を決定する処理を、LEDアレイ122の長手方向の複数の発光面位置において実行するステップと、複数の発光面位置を前記決定された各々の位置に対応させて、複数の発光面位置の各々においてLEDアレイ基板121をロッドレンズアレイ130に対して接近又は離間させてLEDアレイ基板121を変形させるステップと、変形したLEDアレイ基板121を支持部材140に固定するステップとを有する。さらに、実施の形態1に係る製造方法では、LEDアレイ122の発光面122aの位置は、被照射面151とロッドレンズアレイ130の光軸方向における中点との間の第1の距離の設定値に対する第1の距離の変動に応じて発生する、被照射面151における結像特性の変動が最小となる位置に決定される。
次に、図3(a)及び(b)に基づいてより詳細に説明する。図3(a)及び(b)は、実施の形態1に係るLEDプリントヘッド100の製造方法を示す長手方向の概略断面図及び短手方向の概略断面図である。実施の形態1に係るLEDプリントヘッド100は、発光素子アレイとしてのLEDアレイ122を有するLEDアレイ基板120と、LEDアレイ122の発光面122aから出射された光を被照射面151に結像させるロッドレンズアレイ130と、LEDアレイ基板120とロッドレンズアレイ130とを支持する支持部材140とを有する。LEDプリントヘッド100の製造方法は、
(1) 被照射面151とロッドレンズアレイ130の光軸方向における中点(ロッドレンズアレイ厚み中点)131との間の第1の距離(W1)の設定値と支持部材140の基準位置としての基準面141からロッドレンズアレイ厚み中点131までの光軸方向の第2の距離(D1)の設定値とを決定し、第1の距離(W1)の設定値と第2の距離(D1)の設定値とに対応させて(又は、これらを満たすように)ロッドレンズアレイ130を支持部材140に固定するステップと、
(2) 発光素子アレイ122の発光面122aと基準面141との間の第3の距離(V1(x))の設定値を決定する処理を、発光素子アレイ122の長手方向(x方向)の複数の発光面位置(発光点位置)において実行するステップと、
(3) 複数の発光面位置の各々における第3の距離(V1(x))の設定値に対応させて(又は、これを満たすように)、複数の発光面位置の各々において発光素子アレイ基板120をロッドレンズアレイ130に対して接近又は離間させて発光素子アレイ基板120を変形させるステップと、
(4) 変形した発光素子アレイ基板120を支持部材140に固定するステップとを有する。
(5) 第1の距離(W1)の設定値、第2の距離(D1)の設定値、及び複数の発光面位置の各々における第3の距離(V1(x))の設定値は、第1の距離の設定値に対する第1の距離の変動(例えば、感光体ドラムの回転に伴う変動、経時的な変動など)に応じて発生する、被照射面151における結像特性(例えば、MTF)の変動量(変動率)が、最小となる値に決定される。
なお、支持部材140の基準面141が、ロッドレンズアレイ厚み中点131に一致する場合には、第2の距離(D1)の設定値は、値0となる。第2の距離(D1)の設定値が既知の値である場合には、基準面141からロッドレンズアレイ厚み中点131までの光軸方向の第2の距離(D1)の設定値を決定する処理は、予め記憶されている値を取得する処理になる。また、発光面位置の代わりに、発光素子アレイ基板の裏面位置を用いることも可能である。
LEDアレイ基板120は、複数の発光素子としての複数のLEDを含むLEDアレイ122と、LEDアレイ122が一体的に搭載されている基板(COB:Chip On Board)121とを有している。LEDアレイ基板120は、その長手方向(x方向)に平行な方向に配列された複数のLEDの各々の発光制御を行うためのドライバICを備えてもよい。ただし、ドライバICは、LEDアレイ基板120とは異なる基板に備えてもよい。基板121は、外力を受けて長手方向に変形可能な材料で構成されるプリント配線基板である。基板121上には、複数のLEDアレイチップが配列され、例えば、ダイスボンドにより基板121に固定される。基板121の変形によって、基板121に搭載されているLEDアレイも変形する。また、基板121上には、複数の電極パッドが形成されており、LEDアレイ122を備えたチップ上に形成された複数のパッドとワイヤボンディングにより電気的に接続されている。ただし、LEDアレイ基板120の構造は、上記例に限定されず、他の構造のものを採用してもよい。
ロッドレンズアレイ130は、LEDアレイ122の複数のLEDの発光面から出射された光を収束させる複数の正立等倍結像レンズを配列したものであり、ロッドレンズアレイ130の光軸方向(z方向)の厚み(ロッドレンズアレイの配列方向と垂直であり、単一のロッドレンズの光軸方向と平行な方向の厚み)は、D3である。
支持部材140は、例えば、鋼板などからなる。LEDアレイ基板120の基板121は、接着剤162で支持部材140に接着固定され、ロッドレンズアレイ130は、接着剤161で支持部材140に接着固定される。支持部材140の両側には、搭載面である基準面141がある。
図3(a)及び(b)においては、左側の基準面141の中心部分の所定位置をx軸の原点(x=0)とする。ただし、原点の位置は、他の位置であってもよい。LEDアレイ基板120は、被照射面(感光体ドラム150の表面)151を示す第3の基準線C1において、x方向における結像位置分布の尤度が最もが高くなるように(後述する図4のLEDアクチュエータ702aによって加えられる外力によって)変形された状態で、支持部材140に固定される。LEDプリントヘッド基準線R1からの距離をx方向の分布関数として書くと、LEDアレイ基板120の最尤位置分布はV0(x)で表される。LEDアレイ122の発光面122aの最尤位置基準線(第2の基準線B1)は、LEDアレイ基板120の最尤位置分布V0(x)の平均位置の線を示す。
ロッドレンズアレイ厚み中点131の分布の尤度が最大となる線(第1の基準線A1)を、基準面141から距離D1隔てられた位置にした状態で、ロッドレンズアレイ130と支持部材140は、接着剤161により接着固定される。図3(a)には、ロッドレンズアレイ厚み中点131の基準面141からの距離をD1として示したが、より正確には、ロッドレンズアレイ厚み中点131の基準面141からの距離の分布は、xに応じて変動する値であり、D1(x)と表すことができる。
支持部材140の開口部143とロッドレンズアレイ130の外壁面との間の隙間、及び、支持部材140とLEDアレイ基板120の外周部との間の隙間は、封止材などにより封止される。以上に説明したように、LEDプリントヘッド100は、LEDアレイ基板120と、ロッドレンズアレイ130と、支持部材140とで構成される。
被照射点基準線としての第3の基準線C1は、長手方向断面における感光体ドラム150の外周面の最も下となる点の長手方向分布の尤度が最大となる線である。支持部材140の両端部と支持部材140を支える画像形成装置の本体構造(フレーム)との間には、付勢部材としてのコイルバネ142が配置されている。コイルバネ142は、LEDプリントヘッド100を感光体ドラム150に向けて付勢し、スペーサ152の当接面を支持部材140の基準面141に押し当てることで、基準面141と被照射点基準線C1との間の距離W0を一定に保つことができる。
実施の形態1において、図3(a)における距離W0のx方向の分布W0(x)は、
W0(x)=W0−D1(x)であり、
V0のx方向分布は、
V0(x)=V0(x)+D1(x)
である。なお、D1(x)の符号は、図4におけるW軸方向を正とする。
図4は、図3(a)及び(b)で示されるLEDプリントヘッド100のLEDアレイ基板120の位置決め及び変形を行うための位置決め装置700の構成を示す図である。図4において、図3(a)及び(b)に示される構成と同一の構成には、図3(a)及び(b)において用いられた符号と同じ符号を付す。図4に示されるLEDプリントヘッド100において、図3(a)及び(b)のLEDプリントヘッド100と異なる点は、LEDアレイ基板120と支持部材140との間の接着剤による接着固定が未だ行われていない点である。
図4では、LEDプリントヘッド基準線R1と支持部材140の基準面141とが交差する位置を原点(x=0、W=0、V=0)として、図4における上方向をW軸、図4における下方向をV軸として定義する。LEDアレイ基板120の発光面122aのV軸上の座標を変数Vfで示し、このx方向の分布を発光点位置分布Vf(x)で示し、Vf(x)によって決まる結像位置分布のW軸上の座標をWf(x)で示す。
LEDアレイ基板120の位置変位ユニット702は、x方向に配列された複数のLEDアクチュエータ702aを有する。複数のLEDアクチュエータ702aは、LEDアレイ基板120の位置をV軸に平行な方向に移動させる機能と、複数のLEDアクチュエータ702aの個々の独立した動作によりLEDアレイ基板120の発光点位置分布Vf(x)を変位させる機能とを有する。LEDアレイ基板120の位置変位ユニット702の動作により、LEDアレイ基板120のx方向分布を変形させることができる。また、LEDアクチュエータ702aの先端部分には、真空吸着孔があり、真空吸着によってLEDアレイ基板120を固定することができる。LEDアレイ基板120の位置変位ユニット702は、制御部707と電気的に接続されており、制御部707からの制御信号に基づいて動作する。
LEDプリントヘッド100を画像形成装置に固定するために、LEDプリントヘッド固定手段701が備えられている。LEDプリントヘッド固定手段701の当接面が、支持部材140の基準面141に固定される。LEDプリントヘッド100を画像形成装置としてのプリンタに搭載した後、コイルバネ142によって押し当てを行うこともできる。測定手段703は、CCD又はフォトセンサなどであり、ロッドレンズアレイ130により収束された発光面122aからの光分布を任意の観測位置において測定することができる。可動を行わない測定により観測される光分布は、あるW軸上の位置における、図4が描かれている紙面に垂直な方向に広がるxy平面上の分布である。測定手段703は、制御部707と接続されており、制御部707からの制御信号に基づいて動作する。測定手段703をx方向の移動させる可動ユニット704は、制御部707からの制御信号に基づいて測定手段703の位置をx方向に移動させる。さらに、測定手段703のW方向の可動ユニット705は、制御部707からの制御信号に基づいて測定手段703の位置をW軸方向に可動させる。LED制御部706は、LEDアレイ基板120のLEDアレイの発光パターンを制御する回路であり、LEDアレイ基板120及び制御部707と電気的に接続されている。制御部707は、演算処理を行い、位置決め装置700の各構成に対して制御信号を与える。
位置決め装置700を用いたLEDプリントヘッド100の製造方法を、図3、図4、図5(a)〜(c)のフローチャート、及び図6を用いて説明する。図6は、図4における位置決め装置700のW軸を横軸にとり、V軸を縦軸にとった2次元直交座標系(WV平面)にMTF特性曲線とMTFの偏微分値から得られる近似直線を示す図である。図6に示される点及び直線は、実施の形態1におけるフローチャート(図5(a)〜(c))に示される方法により求められる。図5(a)〜(c)のフローチャートでは、x方向の分布として各点や直線を導出しているが、図6においては、煩雑さを避けるため、ある発光点のx座標における点及び近似直線を記載している。図6におけるV軸上における共役長位置VbとW軸上における共役長位置Wbの組は、最適結像位置を与える位置であり、Vb+Wbが共役長TCとなる。
図5(a)〜(c)は、実施の形態1に係るLEDプリントヘッド100の製造方法を示すフローチャートである。図5(a)に示されるように、ステップS11の準備ステップでは、ロッドレンズアレイ130と支持部材140の接着固定を行うことにより、ロッドレンズアレイ厚み中点131と基準面141との間の距離D1が固定される。距離D1が固定されると、被照射点基準線(第3の基準線C1)がW軸上の座標W0で決まる。その後、画像形成装置に、ロッドレンズアレイ130が固定された支持部材140の取り付けを行い、LEDアレイ基板120を、LEDアレイ基板用の位置変位ユニット702に取り付ける。準備段階(初期段階)では、LEDアレイ122の発光面122aの位置分布Vf(x)は、定数Vf0で等しくなるように、複数のLEDアクチュエータ702aのV軸方向の位置を調整する。
次に、図5(a)のステップS12の近似直線群導出ステップにおいて、MTFの変数Wによる偏微分値、すなわち、(δ/δW)MTFを導出して、(δ/δW)MTFの近似直線を得る。
次に、図5(a)のステップS13の固定位置決定ステップにおいて、LEDアレイ基板120の最尤位置分布V0(x)を求め、その結果に基づいて、LEDアレイ基板120を変形させる。LEDアレイ基板120上の発光面(発光点)の位置を複数のLEDアクチュエータ702aによりLEDアレイ基板120の最尤位置分布V0(x)に揃えるステップである。このステップは、具体的には、図5(c)に示すサブルーチンにより実施される。
次に、図5(a)のステップS14の固定ステップにおいて、LEDアレイ基板120を支持部材140に接着剤162によって固定する。
図5(b)に示される近似直線群(δ/δW)MTF(x)の導出処理を説明する。図5(b)のステップS121では、V軸上の位置であるVt1に発光点位置分布Vf(x)を揃えた状態で、発光点のMTFが最大となるW位置の探索(測定)をx方向に配列されたLEDアレイ122の複数の発光点に対して行い、得られた結像位置分布をWt1(x)とし、ある発光点のx座標における結像位置をWt1とする。
図5(b)のステップS122では、同様に、Vt1とは異なるV軸上の位置であるVt2に発光点位置分布Vf(x)を揃えた状態で、発光点のMTFが最大となるW位置の探索をx方向に配列されたすべての発光点に対して行い、得られた結像位置分布をWt2(x)とし、ある発光点のx座標における当該結像位置をWt2とする。Vt1及びVt2は、Vt1≠Vt2であり適切な値であれば任意に決めることができる。MTFが最大となるW位置の探索の方法は、まず、あるW位置に測定手段703を固定し、x方向走査を行い、すべての発光点のx方向のMTF分布を測定する。次に、W位置を所定距離分だけシフトさせ、同様の測定により、x方向MTF分布を測定する。この動作を繰り返すことで、x方向のMTF分布のW軸方向分布が測定される。このx方向のMTF分布のW軸方向分布における各x座標でのMTFを最大とするW座標を算出し、x分布として示すことで、Wtn(x)が得られる。
図5(b)のステップS123では、実行した探索で、あるVのときにMTFが最大となるWを探索した結果得られた点群(Wt2(x),Vt2)、及び、点群(Wt1(x),Vt1)を用いて、複数の発光点のx座標に対する近似直線群(δ/δW)MTF(x)を求める。MTFが最大となるWを探索した結果の近似直線であるため、この近似直線上では、W変動に対するMTFの変動が最小となる。
図5(c)の固定位置決定処理を説明する。図5(c)のステップS131では、近似直線群(δ/δW)MTF(x)に、被照射点基準線C1のW座標であるW0をそれぞれ代入することで、LEDアレイ基板120の最尤位置分布V0(x)を算出する。図5(c)のステップS132では、複数のアクチュエータ702aを変位させることによってLEDアレイ基板120を変形させ、LEDアレイ基板120の位置分布Vf(x)を、ステップS12で得られたLEDアレイ基板120の最尤位置分布V0(x)に揃える。
従来は、ロッドレンズアレイの接着位置がΔWずれた場合であっても、W=Vとなるように、ロッドレンズアレイ130、LEDアレイ基板120、及び感光体ドラム150を組み立てることが望ましいと考えられていた。すなわち、V軸上における共役長位置VbからΔVずらした位置、すなわち、図6上でVcの位置で接着を行うと最もMTF変動が少ないと考えられていた。しかし、Vcの位置でWを変化させた場合、MTF変化の極値となるW位置は、Wcとなる。ここで、W0がプリンタ搭載時のW位置となるため、ΔFだけ、MTF変動の最小位置からずれることになる。
これに対し、実施の形態1により求められたV0において、Wを変化させた場合、MTF変化の極値となるW位置は、W0に一致する。したがって、実施の形態1によるV1は、W変動に対するMTF変動が最小となる接着位置であるといえる。したがって、共役長からずれた位置で、ロッドレンズアレイ130が組み立てられた場合であっても、感光体ドラム150とロッドレンズアレイ130との間の距離が変動しても、結像特性の変動量を最小にすることができる。
また、実施の形態1においては、TC、Wb、Wc、図6のMTF特性曲線の楕円の長軸に重なる中心線の傾きθなどのロッドレンズアレイの結像特性を決めるパラメータを意識することなく、位置決めを行うことができる。
また、実施の形態1においては、複数のアクチュエータ702aによってLEDアレイ基板120の複数の点におけるV位置分布を制御することができるので、LEDプリントヘッド100の長手方向全域に渡って、上記の効果を得ることができる。
さらに、実施の形態1においては、ロッドレンズアレイ130における光学特性のばらつきもLEDアレイ基板120の最尤位置分布V0(x)によって補正される。
また、実施の形態1においては、複数のアクチュエータ702aによってLEDアレイ基板120のV位置分布を制御するので、LEDアレイ基板120を機械的平坦に補強するような部材を用いる必要がないため、部品点数を削減し、コストを低減できる。
実施の形態1で、近似直線群(δ/δW)MTF(x)を求める方法として、1例を挙げたが、これは発明の範囲を限定するものではない。
《実施の形態2》
実施の形態2では、W変動に対するMTF変動が最小であって、より最適結像位置に近い位置での組立を可能にするLEDプリントヘッド及びその製造方法を説明する。
図7(a)及び(b)は、本発明の実施の形態2に係る露光装置としてのLEDプリントヘッド100と感光体ドラム150を概略的に示す長手方向(x方向)の断面図及び短手方向(y方向)の断面図である。図7(a)及び(b)において、図3に示される構成と同一又は対応する構成には、図3に示される符号と同じ符号を付す。図7(a)及び(b)を用いて、LEDプリントヘッド100の構造、及び、LEDプリントヘッド100に対向させて配置された感光体ドラム150との位置関係を説明する。
LEDアレイ基板120は、発光面122a上の発光点の位置分布が、LEDアレイ基板120の最適な位置分布Vb0(x)となるように変形された状態で、支持部材140に接着剤162で接着固定されている。支持部材140の両端部には、付勢部材として、コイルバネ142が配置されている。コイルバネ142が、LEDプリントヘッド100を感光体ドラム150に向けて付勢し、調節機構153の基準面141によってスペーサ152を感光体ドラム150に押し当てることで、基準面141と被照射点基準線C1との間の距離である最適結像位置分布の最尤位置W1を一定に保つことができる。ロッドレンズアレイ厚み中点131を基準としたW0のx方向の分布は、
W0(x)=W1−D1(x)であり、
ロッドレンズアレイ厚み中点131を基準としたV0のx方向分布は、
Vb0(x)=V1(x)+D1(x)である。
D1(x)の符号は、実施の形態1の場合と同様に、図7におけるW軸方向を正とする。W0(x)は、あるx位置におけるロッドレンズアレイ厚み中点131から被照射点基準線C1までの距離分布であり、Vb0(x)は、あるx位置におけるロッドレンズアレイ厚み中点131を原点としたときのLEDアレイ基板120の最尤位置までの距離分布である。
位置決め装置700の構成は、実施の形態1における位置決め装置700と基本的には同じであるが、実施の形態2のLEDプリントヘッド固定手段701は、実施の形態1とは異なり、調節機構153を調節する機能を有する。これにより、最適結像位置分布の最尤位置W1を一定に保ったまま、距離分布D1(x)を可変することができる。
D1(x)を変化させた場合、被照射点基準線C1に対するロッドレンズアレイ厚み中点131が変化する。ここで、ロッドレンズアレイ厚み中点131を原点とするV0(x)は、図10で示されるV軸上の座標であるため、D1(x)の変化によって変化することはない。また、V0(x)によって決まる値であるロッドレンズアレイ厚み中点131を原点とする結像位置分布Wf(x)もD1(x)の変化によって変化することはない。よって、D1(x)の変化によって変化するのは、Vb0(x)及びW0(x)である。
実施の形態2による製造方法を、図4、図7から図10を用いて説明する。図8(a)〜(c)及び図9は、実施の形態2によるLEDプリントヘッドの製造方法を示すフローチャートである。図10は、図4における位置決め装置700のW軸を横軸にとり、V軸を縦軸にとったWV平面を示すものである。図中に示される点及び直線は、実施の形態2におけるフローチャートの方法により求められるものであり、WV平面上におけるそれぞれの位置関係を示している。図8(a)〜(c)のフローチャートでは、x方向の分布として各点及び直線を導出するが、図10においては、煩雑さを避けるため、ある発光点のx座標における点及び近似直線を記載している。図10におけるV軸上における共役長位置VbとW軸上における共役長位置Wbの組は、最適結像位置を与える位置でありVb+Wbが共役長TCとなる。
図8(a)〜(c)及び図9のフローチャートは、本発明による製造方法の処理の全体の流れを示すものである。図8(a)のステップS21は、図5(a)のステップS11と同様の処理を行う。図8(a)のステップS22では、最適結像位置分布Wb(x)を4点法により導出する。ステップS22では、最適結像位置分布の最尤位置W1を算出する。ステップS22では、図8(b)に示されるサブルーチンの処理を行う。
図8(b)のステップS221では、最適結像位置分布の最尤位置W1を調節する。このステップでは、近似直線群(δ/δW)MTF(x)及び近似直線群(δ/δV)MTF(x)を導出する。ステップS222で、2種類の近似直線群のそれぞれの交点である最適結像位置分布Wb(x)を算出する。図8(b)のステップS223では、最適結像位置分布Wb(x)におけるW軸上での尤度が最も高い位置を算出し、その位置が、最適結像位置分布の最尤位置W1と一致するように調節機構253を調節する。
次に、2種類の近似直線群を導出する。ステップS221の具体的な方法を、図8(c)に示す。ここでは、2つの近似直線を求めるための4つの点を探索することにより、近似直線群(δ/δW)MTF(x)及び近似直線群(δ/δV)MTF(x)を導出する。ステップS2211では、V軸上の位置である任意のVt1に発光点位置分布Vf(x)を揃えた状態で、発光点のMTFが最大となるW位置の探索(測定)をx方向に配列されたすべての発光点に対して行い、得られた結像位置分布をWt1(x)とし、ある発光点のx座標における当該結像位置をWt1とする。
ステップS2212では、同様に、Vt1とは異なるV軸上の位置であるVt2に発光点位置分布Vf(x)を揃えた状態で、発光点のMTFが最大となるW位置の探索(測定)をx方向に配列されたすべての発光点に対して行い、得られた結像位置分布をWt2(x)とし、ある発光点のx座標における当該結像位置をWt2とする。
ステップS2213では、発光点位置分布Vf(x)をある一定の値にし、測定手段703をW軸上の位置であるWs1に固定し、x方向のMTF分布の測定を行い、これをV軸方向へ変化させながら繰り返し行う。得られた結果から、MTFが最大となるそれぞれのV位置を発光点位置分布Vs1(x)とし、ある発光点のx座標における当該発光点位置をVs1とする。
ステップS2214では、発光点位置分布Vf(x)を、ある一定の値にし、測定手段703をW軸上の位置であるWs2に固定し、x方向のMTF分布の測定を行い、これをV軸方向へ変化させながら繰り返し測定を行う。得られた測定結果から、MTFが最大となるそれぞれのV位置を、発光点位置分布Vs2(x)とし、ある発光点のx座標における当該発光点位置をVs2とする。ここで、Zt1、Zt2、Ws1及びWs2は、Zt1≠Zt2且つWs1≠Ws2であり適切な値であれば任意に決めることができる。
ステップS2215では、探索で、あるVのときにMTFが最大となるWを探索した結果得られた点群(Wt2(x),Vt2)、及び、点群(Wt1(x),Vt1)を用いて、すべての発光点のx座標に対する近似直線群(δ/δW)MTF(x)を求める。MTFが最大となるWを探索した結果得られた近似直線であるため、この近似直線上では、W変動に対するMTFの変動が最小でとなる。
また、同様に、行われた探索で、あるWのときにMTFが最大となるVを探索した結果、得られた点群(Ws2,Vt2(x))、及び、点群(Wt1,Vt1(x))を用いて、すべての発光点のx座標に対する近似直線群(δ/δV)MTF(x)を求める。MTFが最大となる距離Vを探索した結果得られた近似直線であるため、この近似直線上では、V変動に対するMTFの変動が最小でとなる。
図8(a)の固定位置決定(LEDアレイ基板120の変形)のステップS23では、LEDアレイ基板120上の発光点の位置を複数のLEDアクチュエータ702aによりLEDアレイ基板120の最適な最尤位置分布Vb0(x)に揃える。具体的には、図9(a)に示すサブルーチンにより実施される。
図9のステップS231では、固定位置決定(LEDアレイ基板の変形)では、この近似直線群(δ/δW)MTF(x)に、最適結像位置分布の最尤位置W1をそれぞれ代入することで、LEDアレイ基板120の最適な最尤位置分布Vb0(x)を算出する。
図9のステップS232では、複数のアクチュエータ702aを変位させることによってLEDアレイ基板120を変形させ、LEDアレイ基板120の位置分布Vf(x)を、ステップS231で得られたLEDアレイ基板120の最適な最尤位置分布Vb0(x)に揃えることで接着固定位置として決定する。
図8(a)のステップS24の固定処理では、ステップS23で決定されたV位置分布において、接着剤によりLEDアレイ基板120と支持部材140との接着固定を行う。
実施の形態2によれば、調節機構153により、D1(x)を変化させることができるので、ロッドレンズアレイ130と支持部材140との接着精度に依存しないLEDプリントヘッドを提供することができる。また、最適結像位置分布の最尤位置W1を求めることができることに加えて、調節機構153により、W1が、結像位置分布の尤度の最大位置とすることができる。
なお、本発明は、上記内容に限定されず、種々の利用形態や変形が可能である。この利用形態の変形例としては、例えば、次のようなものがある。実施の形態2で、近似直線群(δ/δW)MTF(x)及び近似直線群(δ/δV)MTF(x)を求める方法として、1例を挙げたが、これは発明の範囲を限定するものではない。
LEDアクチュエータ702aの個数によって、補正できる近似関数の次数が変わる。k個(kは2以上の整数)のアクチュエータの場合、(k−1)次関数で近似できる。近似式により得られた位置と実測ポイントの位置との差分を計算して、LEDアクチュエータ702aの変位量に換算することで、歪み補正ができる。LEDアクチュエータ702aの個数が多いほどより精度の高い結像位置の歪み補正が可能である。
また、実施の形態2の調節機構153には、偏心カム又はネジなどの位置を正確に調節できる機構であれば、他の機構であってもよい。
また、実施の形態2において、調節機構153による調節をLEDアレイ基板120の変形及び接着固定の前に行ったが、LEDアレイ基板120の変形及び接着固定の後にも行うこともできる。これにより、LEDアレイ基板120の変形の誤差や接着誤差を修正することができる。
また、調節機構153による調節をLEDアレイ基板120の変形及び接着固定の後に行う場合は、LEDアレイ基板の変形及び接着固定の前の調節動作を省略してもよい。
《実施の形態3》
図11(a)及び(b)は、参考例のLEDプリントヘッド300の構造の一例を示す長手方向の概略断面図及び短手方向の概略断面図である。LEDプリントヘッド300は、配列された複数のLED、すなわち、LEDアレイ322と、これを搭載する基板321とからなるLEDアレイ基板320を有している。また、LEDプリントヘッド300は、LEDアレイ322から出射される光を収束させる光学系としてのロッドレンズアレイ330と、LEDアレイ基板320とロッドレンズアレイ330とが固定される支持部材140とを有している。LEDプリントヘッド300は、外部から入射する光を遮る遮光部材と、外部からの異物の侵入を防止する防塵部材とを備えてもよい。ロッドレンズアレイ330は、複数のロッドレンズが配列された構造のロッドレンズの集合体である。LEDアレイ322から出射された光がロッドレンズアレイ330により収束され、被照射面351を露光することにより、感光体ドラム350の表面に静電潜像が形成される。
ロッドレンズアレイ330の厚み方向の中点(ロッドレンズアレイ厚み中点)331と被照射面351の間の距離をW1(=W0−D1)、及びロッドレンズアレイ厚み中点331とLEDアレイの発光面322aの間の距離をV1(=V0+D1)とすると、距離W1及びV1を共にロッドレンズアレイ330の共役長TCの半分TC/2に位置決めすると、最も解像度の高い像が得られる。このときのLEDアレイ322は、最適発光点位置に配置されており、このときの被照射面351は、最適結像位置に配置されている。
距離W1及びV1は、ロッドレンズアレイ厚み中点331からの距離であるが、実際の製造の際にロッドレンズアレイ厚み中点331を、画像形成装置の組み立てに際しての基準位置として直接参照することは容易ではない。したがって、実際の製造に際しては、ロッドレンズアレイ330に組み付けられた支持部材340により形成される機械平面である基準位置としての搭載面(基準面)341を基準とする方法を採用することが望ましい。また、LEDアレイ322の発光面322aも同様の理由で、例えば、LEDアレイ基板320の厚みD2を含む距離、すなわち、LEDアレイ基板320を構成する基板321の下部の機械平面321aを基準位置として用いることが望ましい。支持部材340の基準面341から被照射面351までの距離W0と、基準面341からLEDアレイ基板320の機械平面321aまでの距離V2(=V0+D2)をパラメータとして、位置決めを行うことが望ましい。画像形成装置にLEDプリントヘッド300を搭載する際には、支持部材340の基準面341は、感光体ドラム350の被照射面351から所定の距離に設置される。この距離は、画像形成装置における位置固定部材としてのスペーサ352などを用いて一定に保たれる。また、画像形成装置において、LEDプリントヘッド300の値W及び値Vの位置決め精度は、高画質化のために高精度が要求される。
図11(a)及び(b)に示されるLEDプリントヘッド300の一般的な組み立て方法を説明する。まず、ロッドレンズアレイ330を支持部材340に接着固定する。D1は、ロッドレンズアレイ厚み中点331から基準面341までの距離であって、ロッドレンズアレイ330のTC長に応じて設定される。次に、LEDアレイ基板320の位置決めを行う。最後に、LEDアレイ基板320を接着剤により支持部材340に固定し、LEDアレイ基板320とロッドレンズアレイ330と支持部材340とによって囲われる空間に、異物が侵入しないようにするために、防塵用のシリコンなどの封止材により封止される。
図11(a)及び(b)に示されるLEDプリントヘッド300では、値W(値W0、又は、値W1とD1)は、ロッドレンズアレイ330を支持部材340に接着固定する前に決定されるが、支持部材340の基準面341とスペーサ352との間に、支持部材340の基準面341と被照射面351との距離を調節するための調節機構を備えてもよい。調節機構としては偏心カムを、支持部材340の基準面341とスペーサ352との間に介在させ、偏芯カムを回転させることによって値Wを調節する機構がある。
しかし、LEDプリントヘッドの調節機構を用いても、ロッドレンズアレイ330の配列方向の全域において、W=TC/2となるような値W(以下「Wb」とする)且つV=TC/2となるようなV(以下「Vb」とする)に位置決めを行うことは因難である。これは、ロッドレンズアレイ330の厚みD3及び屈折率分布などの光軸方向の光学特性には、ロッドレンズアレイ330毎に、ばらつきがあるためである。
被照射面351に結像した像の解像度を示す指標であるMTFは、LEDプリントヘッド300の解像度の高さを示し、被照射面351に形成される静電潜像のコントラストを示す。一般的な光量分布を例にして説明すると、光量の最大値をImaxとし、光量の最小値をIminとしたときに、MTFは次式で求められる。
MTF={(Imax−Imin)/(Imax+Imin)}×100(%)
横軸をW、縦軸をVとし、それぞれを独立に走査しながらMTF分布を実際に測定すると、WV2次元座標系には、図12(a)に示されるような同心状且つ楕円比一定の楕円に近似できる分布となることが一般的に知られている。図12(a)に示される楕円の中心371に近づくほどMTFが高くなる。中心371の点(Wb,Vb)は、図12(a)に示されるすべての楕円の中心371であり、この点において、ロッドレンズアレイ330に対する感光体ドラム350の表面の位置が最適結像位置であり、ロッドレンズアレイ330に対するLEDアレイの発光面322aの位置が最適発光点位置である。図12(b)に示されるように、値W又は値Vを走査したときに得られるMTF特性曲線は、ある極値372を持った曲線である。図12(a)における直線373は、値Wを走査してMTFを測定した場合における極値Vの座標を表した直線であり、直線374は、値Vを走査してMTFを測定した場合における極値Wの座標を表した直線である。図12(b)は、点(Wb,Vb)が、LEDアレイ配列方向(x方向)に、例えば、図12(a)のように分布している場合を示す。
図13(a)において、曲線381は、ロッドレンズアレイ330の長手方向における最適結像位置であるWbの分布(x方向分布)を示し、曲線382は、ロッドレンズアレイ330の長手方向における最適発光点位置であるVbの分布(x方向分布)を示す。あるx座標の位置383の共役長に比べ、別のx座標の位置384の共役長が大きく、位置384における結像位置は、位置383における結像位置よりもロッドレンズアレイ330から遠い位置である。仮に、図13(b)に示されるようにロッドレンズアレイ330を、Wbが基準面と平行且つW0と一致するように変形させると、ロッドレンズアレイ330の変形量に応じてVbの分布も変化する。その結果、ロッドレンズアレイ330の長手方向におけるWbの分布(x方向分布)は直線391のようになるが、ロッドレンズアレイ330の長手方向におけるVbの分布(x方向分布)は曲線392ように変動量が大きい。このように、曲線392で示される最適発光点位置は、図13(a)に示されるロッドレンズアレイ330の変形前に比べて、大きな曲率の曲線となり、最適発光点位置の偏差が大きい場所が生じる。したがって、ロッドレンズアレイ330だけを変形させた場合には、解像度の向上がなされるとは限らない。よって、以下に説明する実施の形態3から5においては、図14に示されるように、ロッドレンズアレイ330を長手方向に変形させ、且つ、LEDアレイ基板320を長手方向に変形させる場合を説明する。
図15(a)及び(b)は、実施の形態3に係るLEDプリントヘッド300の製造方法を示す長手方向の概略断面図及び短手方向の概略断面図である。実施の形態3に係るLEDプリントヘッド300は、発光素子アレイとしてのLEDアレイ322を有するLEDアレイ基板320と、LEDアレイ322の発光面322aから出射された光を被照射面351に結像させるロッドレンズアレイ330と、LEDアレイ基板320とロッドレンズアレイ330とを支持する支持部材340とを有する。LEDプリントヘッドの製造方法は、
(1) 被照射面351とロッドレンズアレイ厚み中点331との間の第1の距離(W1=W0−D1)の設定値を決定する処理を、ロッドレンズアレイ330の長手方向の複数の位置において実行し、支持部材340の基準面341からロッドレンズアレイ厚み中点331までの光軸方向の第2の距離(D1)の設定値を決定する処理を実行するステップと、
(2) ロッドレンズアレイ330の長手方向の複数の位置において、第1の距離(W1)の設定値に対応させて(又は、これを満たすように)、ロッドレンズアレイ330を被照射面351に対して接近又は離間させてロッドレンズアレイ330を変形させるステップと、
(3) 第2の距離(D1)の設定値に対応させて(又は、これを満たすように)、変形したロッドレンズアレイ330を支持部材340に固定するステップと、
(4) LEDアレイ322の発光面322aと基準面341との間の第3の距離(V0(x))の設定値を決定する処理を、LEDアレイ322の長手方向の複数の発光面位置において実行するステップと、
(5) 複数の発光面322a位置の各々における第3の距離(V0(x))の設定値に対応させて(又は、これを満たすように)、複数の発光面位置の各々においてLEDアレイ基板320をロッドレンズアレイ330に対して接近又は離間させてLEDアレイ基板320を変形させるステップと、
(6) 変形したLEDアレイ基板320を支持部材340に固定するステップと、
を有している。
また、実施の形態3に係る製造方法においては、長手方向の複数の位置の各々における第1の距離(W1)の設定値、第2の距離(D1)の設定値、及び複数の発光面位置の各々における第3の距離(V0(x))の設定値は、第1の距離(W1)の設定値に対する第1の距離の変動に応じて発生する、被照射面351における結像特性(MTF)の変動量(変動率)が、最小となる値に決定される。
なお、支持部材340の基準面341が、ロッドレンズアレイ厚み中点331に一致する場合には、第2の距離(D1)の設定値は、値0となる。第2の距離(D1)の設定値が既知の値である場合には、基準面341からロッドレンズアレイ厚み中点331までの光軸方向の第2の距離(D1)の設定値を決定する処理は、予め記憶されている値を取得する処理になる。また、発光面位置の代わりに、発光素子アレイ基板320の裏面321a位置を用いることも可能である。
なお、LEDアレイ基板320は、基板321上に、LEDアレイ322の他に、LED駆動素子としてのドライバICを備えてもよい。基板321は、ガラスエポキシ製の配線プリント基板とすることができ、ドライバICとLEDアレイ322とはそれぞれ電気的に接続されている。また、LEDアレイ基板320の背面に、LEDプリントヘッド制御回路と接続し、ドライバICに電源電圧と発光パターンを制御する信号を入力するためのケーブルコネクタが備えられてもよい。
支持部材340は、断面形状がコの字状の鋼板からなり、両端上面に感光体ドラム350とLEDアレイ基板320との間の距離を決定する搭載面としての基準面341が設けられている。図15(a)においては、LEDプリントヘッド300の基準面341と感光体ドラム350の被照射面351との間の距離W0に決定している。
距離W0の決定方法の一例を説明する、搭載面としての基準面341両端にスペーサ352を設置し、スペーサ352の先端部を感光体ドラム350の表面に接触させ、支持部材340の下部をコイルバネ342によって感光体ドラム350に向けて押し付ける。さらに、両側の基準面341には、位置決め穴が開口しており、スペーサ352を位置決め穴に係合させてx方向の位置を決定している。支持部材340には、ロッドレンズアレイ330を搭載するための開口部343が長手方向に沿って形成されている。ロッドレンズアレイ330は開口部343に挿入され、最適結像点のx方向分布がW0に略一定となるように変形した状態で接着剤などにより固定されている。LEDアレイ基板320は、支持部材340内に挿入され、x方向分布Vb(x)に略一致するようにV軸方向に変形させ、接着剤などにより支持部材340に固定されている。
実施の形態3に係るLEDプリントヘッド300は、ケーブルコネクタ323と基板321を介し、駆動電力と発光パターンの信号をドライバICに入力すると、パターンに応じてLEDアレイ322のLEDが発光し、ロッドレンズアレイ330を通過することにより集光し、帯電した感光体ドラム350の表面を露光することで静電潜像を形成する。
実施の形態3により製造されたLEDプリントヘッド300は、被照射面351の長手方向の全域にわたって、解像度の高い静電潜像が得られるように、位置決めが行われている。したがって、このLEDプリントヘッド300を画像形成装置に搭載した際、本発明を適用しない従来の画像形成装置にくらべ、スジ状の汚れ、画像の濃度ムラなどの発生を抑制することができる。
《実施の形態4》
実施の形態4においては、位置決め装置(アライメント装置)800の構成と、その動作を説明する。図16(a)及び(b)に示されるように、LEDアレイ基板320の位置変位ユニット802は、複数のLEDアクチュエータ802aを有する。複数のLEDアクチュエータ802aは、LEDアレイ基板320の位置をV軸方向に移動させる機能と、複数のLEDアクチュエータ802aの個々の独立した動作によりLEDアレイ基板320の発光点位置分布Vf(x)を変更する機能を有する。LEDアレイ基板320の位置変位ユニット802の動作により、LEDアレイ基板320のx方向分布を変形させることができる。位置変位ユニット802は、LEDプリントヘッド300の支持部材340の基準面に接触させ、位置固定を行う基準プレートを有する。基準プレートには位置決めピンが搭載されており、LEDプリントヘッド300のx軸と画像形成装置のx軸を一致させる。基準プレートのLEDプリントヘッド当接面がxy平面に平行な面であるとすると、装置基準面及びLEDプリントヘッド基準面はxy平面に平行な面である。LEDアレイ基板320の変形機構には、LEDアレイ基板320の裏面に当接させるn(≧3)個の吸着ポストがx方向に配列されている。n個の吸着ポストは、LEDアレイ基板420の基準面と垂直であり、基準面に対向して設置される。それぞれの吸着ポストには、駆動軸が設置されており、それぞれ独立に動作可能である。これらを吸着ポストのx座標(x1,x2,…,xn)に対応してV1,V2,…,Vn可動軸と言う。
また、LEDアクチュエータ802aの先端部分には、真空吸着孔があり、真空吸着孔によりLEDアレイ基板320を固定することができる。LEDアレイ基板320の位置変位ユニット802は、制御部807と電気的に接続されている。また、位置決め装置800は、LEDプリントヘッドの照度分布を測定するための手段として用いるCCDカメラ803を備えている。CCDカメラ803には、x方向の可動軸805と、xy平面に垂直な方向(z方向)の可動軸804とを有する。xy平面に垂直方向の可動軸804は、LEDプリントヘッド300のW軸に一致する。以下、このW軸を「W可動軸」と言う。これらの可動軸により、xyz空間の照度分布を測定可能であり、MTFなどの結像特性を求めることができる。
位置決め装置800は、ロッドレンズアレイを装置に固定し、その変形を行うロッドレンズアレイ変形機構808を備えている。ロッドレンズアレイ変形機構808には、ロッドレンズアレイを側面から真空吸着する複数の真空吸着板を有し、複数の真空吸着板はx方向に配列されている。複数の真空吸着板の各々は、互いに独立した可動軸に接続されており、それぞれ独立に位置調節が可能である。ロッドレンズアレイ変形機構808は、xy平面に対して垂直にロッドレンズアレイ330を変位させることができる。この可動軸を真空吸着板のx座標(x1,x2,…,xn)に対応してdW1可動軸、dW2可動軸、…、dWn可動軸と言う。図16(a)及び(b)は、n=7の場合の例である。dW1可動軸、dW2可動軸、…、dWn可動軸の正方向は、W軸の正方向と同じである。
全ての可動軸、CCDカメラ803、LED制御部806は、制御部807に接続されており、LEDプリントヘッド300を点灯させた状態でCCDカメラ803の撮影を行い、画像処理によって得られた測定結果に応じて各軸の動作を決定することができる。なお、CCDカメラ803より得られる結像特性は、MTFに限らず、結像した像の面積などのMTFに対応する特性を示す他の値を用いてもよい。
図17は、実施の形態4に係るLEDプリントヘッドの製造方法を示すフローチャートである。準備工程S41では、位置決め装置800に支持部材340、LEDアレイ基板320、及びロッドレンズアレイ330を配置する。
第1工程S42では、x方向に対するWb及びVbの分布Wb(x)及びVb(x)をそれぞれ求める。これを求める方法は、様々であるが、以下の例では、WV空間において得られる結像特性に対して、Wによる微分、Vによる微分がそれぞれ直線となり、Wb及びVbは、その交点となる性質を利用する。具体的な方法は、図18のフローチャート及び図19のWV平面のMTF分布を用いて説明する。
図18におけるステップS421では、測定を行うx座標にCCDカメラ803を移動する。図19は、当該x座標のMTF分布を示す。
次のステップS422〜S424では、当該x座標でのW方向微分直線1001を求める。ステップS422は、V1可動軸、…,Vn可動軸をすべてある座標V1に固定し、W軸を移動させながらCCDカメラ803で撮影を行うことにより、MTFが極値を示すW位置(W1)を求め、図19の点1002を得る。ステップS423では、V1,…,VnをステップS423とは別の座標V2に固定し、MTFが極値を示すW位置(W2)を求め、図19の点1003を得る。ステップ424では、下記のように直線1001を示す直線を求める。
W=S×V+T
=(V2−V1)/(W2−W1)
=(W2×V1−W1×V2)/(W2−W1)
ステップS435〜S437では、当該x座標でのz方向微分直線1004を求める。ステップS435は、W可動軸(可動軸804)をある座標W3に固定し、V1可動軸,…,Vn可動軸を移動させながらCCDカメラ803の撮影を行うことにより、MTFが極値を示すV位置(V3)を求め、点1005を得る。ステップS426では、W座標をステップS425とは別の座標W4に固定し、MTFが極値を示すV座標(V4)を求め、点1006を得る。ステップS427では、下記のように直線1004を示す1次関数式を求める。
W=S×V+T
=(V4−V3)/(W4−W3)
=(W4×V3−W4×V3)/(W4−W3)
ステップS428では、ステップS422〜S427で得られた2本の直線1001,1004の交点1007を求める。既に説明したとおり、この交点1007が当該x座標のWb,Vbである。
Wb=(T−T)/(S−S
Vb=(S×T−T×S)/(S−S
x座標を変えながらステップS421〜S428を繰り返すことで、Wb(x)、Vb(x)を求められる。
第2工程S43では、まず、第1工程S42によりカメラ毎に求められたWb(x)に応じてロッドレンズアレイ330を変形させる。具体的には、変形後のWbのx方向分布が、W(x)=W0の直線に対し最も尤度が高くなるようにする。例えば、Wb(x)のW0からの差分の2乗和が最小となるように(最小二乗法を用いて)、dW1可動軸,…,dWn可動軸の移動量ΔW1,…,ΔWnを決定する。
次に、LEDアレイ基板320を変形させるためのV1,…,Vn軸の移動座標を求める。可動軸が変位すると、その変位に対応してVb座標も変位する。一般には、ロッドレンズアレイ330の変形後に第1工程と同様の手法を用いて、再度Vb(x)の測定を行うが、再度の測定を行わずに、Vb及びdW1可動軸,…,dWn可動軸の移動量に応じて予測値を算出してもよい。
図20(a)及び(b)は、第2工程S43によってロッドレンズアレイ330及びLEDアレイ基板320を変形させる前後の図である。
第3工程S44は、第2工程S43で変形させたロッドレンズアレイ330及びLEDアレイ基板320を支持部材340に接着剤などで固定し、ロッドレンズアレイ変形機構808と位置変位ユニット802を退避する。
実施の形態4の製造方法により、実施の形態3に係るLEDプリントヘッド300を製造することができる。
《実施の形態5》
実施の形態4では、ロッドレンズアレイ変形機構808の真空吸着板がロッドレンズアレイ330の側面を固定しているが、ロッドレンズアレイ変形機構808による変形量が大きい場合には、真空吸着板による吸着のみでは固定強度が不足する場合があり得る。実施の形態5においては、実施の形態4における位置決め装置800の真空吸着板に加えて、ロッドレンズアレイ330を厚み方向に挟み込むツメ810を、ロッドレンズアレイ330の両側面に備え、ロッドレンズアレイ330をから挟み込むように固定する(図21(a))。ただし、ツメ810は、LEDアレイ322から出射されロッドレンズアレイ330を通過して被照射面に向かう光を遮らない形状に形成される。
この位置決め装置800に適するLEDプリントヘッドの構造は、基本的には、実施の形態3及び4の構成と同様であるが、実施の形態3及び4のロッドレンズアレイ330を挿入する支持部材340の開口部344の形状が異なる。具体的には、図22(a)及び(b)のように、ツメ810の挿入部分のみ開口部344を広くしている。
実施の形態5の第3工程後、ロッドレンズアレイ変形機構808を退避するとき(図21(b)、ツメ810を開いた状態でW軸方向に移動する。この動作を行うために、LEDプリントヘッド300は、ツメ810の幅よりも広い幅を持つ開口部344が必要である。しかしながら、開口部344を広くし過ぎると、接着位置において開口部344の端部とロッドレンズアレイ330との間の距離が大きくなり、接着剤による接着が難しくなる。したがって、開口部344を、長手方向に、接着を行う領域と、ロッドレンズアレイ330の変形を行う領域とに分け、前者の領域では、開口部344の幅を狭くし、後者の領域では、開口部344の幅を広くする。
実施の形態5に係るLEDプリントヘッド300の構造と位置決め装置800によれば、ロッドレンズアレイ変形機構808のロッドレンズアレイ330を支持する強度が増す。dW1可動軸,…,dWn可動軸の必要変位量が大きくても、ツメ810が外れることなくロッドレンズアレイ330を変形させることができる。
《実施の形態6》
実施の形態6においては、本発明が適用された露光装置としてのLEDプリントヘッドを静電潜像形成用の露光用光源装置として備えた画像形成装置を説明する。図23は、実施の形態6に係る画像形成装置1の縦断面形状を示す概略構成図である。画像形成装置1は、例えば、電子写真方式を採用するカラープリンタである。図23に示されるように、画像形成装置601は、主要な構成として、用紙などの記録媒体P上に現像剤像(トナー像)を形成する画像形成部610K,610Y,610M,610Cと、記録媒体Pを供給する媒体供給部(給紙部)630と、記録媒体Pを搬送する媒体搬送部640と、転写ローラ(転写装置)650と、トナー像を記録媒体P上に定着させる定着器660と、記録媒体Pを画像形成装置601の外部に排出する媒体排出部(排紙部)670とを有する。なお、画像形成部の数は、3以下又は5以上であってもよい。また、画像形成装置601は、露光装置を有する装置であれば、複写機、ファクシミリ装置、多機能周辺装置(MFP)などのような装置にも適用可能である。
媒体供給部630は、媒体カセット(用紙カセット)631と、媒体カセット631内に積載された記録媒体Pを1枚ずつ繰り出す給紙ローラ(ホッピングローラ)632と、媒体カセット631から繰り出された記録媒体Pを搬送するローラ633とローラ対634を有する。画像形成部610K,610Y,610M,610Cは、記録媒体P上にブラック(K)色のトナー像、イエロー(Y)色のトナー像、マゼンタ(M)色のトナー像、及びシアン(C)色のトナー像をそれぞれ形成する。画像形成部610K,610Y,610M,610Cは、媒体搬送路に沿って媒体搬送方向の上流側から下流側に向けて並んで配置されている。画像形成部610K,610Y,610M,610Cは、着脱自在に形成された各色用の画像形成ユニット612K,612Y,612M,612Cをそれぞれ有している。画像形成ユニット612K,612Y,612M,612Cは、トナーの色が異なる点以外は、互いに基本的に同一の構造を有する。また、画像形成部610K,610Y,610M,610Cは、各色用の露光装置611K,611Y,611M,611Cをそれぞれ有している。露光装置611K,611Y,611M,611Cは、上記実施の形態1から5のいずれかで説明した露光装置である。露光装置611K,611Y,611M,611Cには、各色の画像データに基づく駆動信号がそれぞれ入力され、入力された駆動信号に応じた露光用の光を感光体ドラム613に照射する。
画像形成ユニット612K,612Y,612M,612Cの各々は、回転可能に支持された像担持体としての感光体ドラム613と、感光体ドラム13の表面を一様に帯電させる帯電部材としての帯電ローラ614と、露光装置611K,611Y,611M,611Cによる露光によって感光体ドラム613の表面に静電潜像を形成した後に、感光体ドラム613の表面にトナーを供給する現像装置615と、クリーニングブレード616とを有する。現像装置615は、トナー収容部651と、新しいトナーを補充するトナーカートリッジ653とを有する。また、現像装置615は、現像ローラ654と、現像ローラ654にトナーを供給する供給ローラ655と、現像ローラ654の表面のトナー層の厚さを規制するトナー規制部材としての現像ブレード656と、トナー収容部652内に収容されているトナーの量(すなわち、トナーの残量)に対応する信号を現像剤量検出部657とを有する。
媒体搬送部640は、記録媒体Pを静電吸着して搬送する搬送ベルト(転写ベルト)643と、駆動部により回転されて搬送ベルト643を駆動するドライブローラ(駆動ローラ)641と、ドライブローラ641と対を成して搬送ベルト643を張架するテンションローラ(従動ローラ)642と、搬送ベルト643上に残留したトナーを掻き取ってクリーニングする転写ベルトクリーニングブレード644と、転写ベルトクリーニングブレード644により掻き取られることで回収されたトナーを収容する廃棄トナータンク645とを有する。転写ローラ650は、搬送ベルト643を挟んで画像形成ユニット612K,612Y,612M,612Cの各々の感光体ドラム613に対向して配置されている。転写ローラ650によって、画像形成ユニット612K,612Y,612M,612Cの各々の感光体ドラム613の表面に形成されたトナー像は、媒体搬送路に沿って矢印方向に搬送される記録媒体Pの上面に順に転写されて、複数のトナー像が重ねられたカラー画像が形成される。定着器660は、互いに圧接し合う一対のローラ661,662を有する。ローラ661は、加熱ヒータを内蔵するヒートローラであり、ローラ662は、ローラ661に向けて押し付けられる加圧ローラである。転写ローラ650によって未定着のトナー像を有する記録媒体Pは、定着器660の一対のローラ661,662間を通過し、トナー像は、加熱及び加圧されて記録媒体P上に定着される。媒体排出部670は、互いに圧接し合って対向する一対のローラから成る搬送ローラ対671を有する。
実施の形態6に係る画像形成装置1の露光装置は、実施の形態1から5のいずれかのLEDプリントヘッドであるので、画像形成装置1によって記録媒体に画像を形成する際の印刷品質を高めることができる。
《変形例》
上記説明では、画像形成装置がプリンタである場合を説明したが、画像形成装置は、複写機、ファクシミリ装置、複合機などの、他の種類の画像形成装置であってもよい。
また、上記説明では、発光素子がLEDである場合を説明したが、発光素子は有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子などのような他の発光素子であってもよい。
また、上記実施の形態においては、位置決めを行う際に使用する基準位置としては、ロッドレンズアレイ厚み中点に関する第1基準位置と、LEDアレイ発光面に関する第2基準位置と、被照射面に関する第3基準位置との、3つの基準位置を用いている。第1基準位置としては、上記説明のように、支持部材の基準面を用いているが、支持部材の基準面とロッドレンズアレイ厚み中点との間隔は既知であるので、第1基準位置として、ロッドレンズアレイ厚み中点(第1の基準線A1)をそのまま用いることも可能である。また、第2基準位置としては、上記説明のように、LEDアレイを備えた基板の底面である基準面を用いてもよいが、基板の底面とLEDアレイの発光面との間の距離は既知であるので、第2基準位置として、LEDアレイの発光面(第2の基準線B1)を用いてもよい。
100,300 LEDプリントヘッド(露光装置)、 120,320 LEDアレイ基板、 121,321 基板、 122,322 LEDアレイ(発光素子アレイ)、 122a,322a 発光面、 130,330 ロッドレンズアレイ、 131,331 トッドレンズアレイ厚み中点、 140,340 支持部材、 141,341 搭載面(基準面、基準位置)、 142,342 コイルバネ、 150,350 感光体ドラム(像担持体)、 151,351 被照射面、 152,352 スペーサ、 161,361 接着剤、 162,362 接着剤、 601 画像形成装置、 700,800 位置決め装置。

Claims (13)

  1. 発光素子アレイを有する発光素子アレイ基板と、前記発光素子アレイの発光面から出射された光を被照射面に結像させるロッドレンズアレイと、前記発光素子アレイ基板と前記ロッドレンズアレイとを支持する支持部材とを有する露光装置を製造する、露光装置の製造方法であって、
    前記ロッドレンズアレイを前記支持部材に固定するステップと、
    前記支持部材に対する前記発光素子アレイの前記発光面の位置を決定する処理を、前記発光素子アレイの長手方向の複数の発光面位置において実行するステップと、
    前記複数の発光面位置を前記決定された各々の位置に対応させて、前記複数の発光面位置の各々において前記発光素子アレイ基板を前記ロッドレンズアレイに対して接近又は離間させて前記発光素子アレイ基板を変形させるステップと、
    変形した前記発光素子アレイ基板を前記支持部材に固定するステップと、
    を有し、
    前記発光素子アレイの前記発光面の位置は、前記被照射面と前記ロッドレンズアレイの光軸方向における中点との間の第1の距離の設定値に対する前記第1の距離の変動に応じて発生する、前記被照射面における結像特性の変動が最小となる位置に決定され、
    前記ロッドレンズアレイを前記支持部材に固定する前記ステップでは、前記第1の距離の設定値と前記支持部材の基準位置から前記ロッドレンズアレイの前記中点までの前記光軸方向の第2の距離の設定値とを決定し、前記第1の距離の設定値と前記第2の距離の設定値とに対応させて前記ロッドレンズアレイを前記支持部材に固定し、
    前記支持部材に対する前記発光素子アレイの前記発光面の位置を決定する処理を、前記発光素子アレイの長手方向の複数の発光面位置において実行する前記ステップでは、前記発光素子アレイの前記発光面と前記基準位置との間の第3の距離の設定値を決定する処理を、前記発光素子アレイの長手方向の複数の発光面位置において実行し、
    前記発光素子アレイ基板を変形させるステップでは、前記複数の発光面位置の各々における前記第3の距離の設定値に対応させて、前記発光素子アレイ基板を変形させ、
    前記第1の距離の設定値、前記第2の距離の設定値、及び前記複数の発光面位置の各々における前記第3の距離の設定値は、前記第1の距離の設定値に対する前記第1の距離の変動に応じて発生する、前記被照射面における前記結像特性の変動が、最小となる値に決定され、
    前記第3の距離の設定値を決定する前記処理において、
    前記発光面の任意の第1の位置において第1の解像度を測定し、前記第1の解像度が最大となる前記被照射面の第2の位置を求め、
    前記発光面の前記第1の位置とは異なる任意の第3の位置において第2の解像度を測定し、前記第2の解像度が最大となる前記被照射面の第4の位置を求め、
    前記基準位置から前記被照射面に向かう方向の前記被照射面の位置を示す座標軸を横軸とし、前記基準位置から前記発光面に向かう方向の前記発光面の位置を示す座標軸を縦軸とする2次元直交座標系において、前記第1から第4の位置に対応する点を用いて近似直線を求め、
    前記近似直線により、前記第3の距離の設定値を求める
    ことを特徴とする露光装置の製造方法。
  2. 発光素子アレイを有する発光素子アレイ基板と、前記発光素子アレイの発光面から出射された光を被照射面に結像させるロッドレンズアレイと、前記発光素子アレイ基板と前記ロッドレンズアレイとを支持する支持部材とを有する露光装置を製造する、露光装置の製造方法であって、
    前記ロッドレンズアレイを前記支持部材に固定するステップと、
    前記支持部材に対する前記発光素子アレイの前記発光面の位置を決定する処理を、前記発光素子アレイの長手方向の複数の発光面位置において実行するステップと、
    前記複数の発光面位置を前記決定された各々の位置に対応させて、前記複数の発光面位置の各々において前記発光素子アレイ基板を前記ロッドレンズアレイに対して接近又は離間させて前記発光素子アレイ基板を変形させるステップと、
    変形した前記発光素子アレイ基板を前記支持部材に固定するステップと、
    を有し、
    前記発光素子アレイの前記発光面の位置は、前記被照射面と前記ロッドレンズアレイの光軸方向における中点との間の第1の距離の設定値に対する前記第1の距離の変動に応じて発生する、前記被照射面における結像特性の変動が最小となる位置に決定され、
    前記ロッドレンズアレイを前記支持部材に固定する前記ステップでは、前記第1の距離の設定値と前記支持部材の基準位置から前記ロッドレンズアレイの前記中点までの前記光軸方向の第2の距離の設定値とを決定し、前記第1の距離の設定値と前記第2の距離の設定値とに対応させて前記ロッドレンズアレイを前記支持部材に固定し、
    前記支持部材に対する前記発光素子アレイの前記発光面の位置を決定する処理を、前記発光素子アレイの長手方向の複数の発光面位置において実行する前記ステップでは、前記発光素子アレイの前記発光面と前記基準位置との間の第3の距離の設定値を決定する処理を、前記発光素子アレイの長手方向の複数の発光面位置において実行し、
    前記発光素子アレイ基板を変形させるステップでは、前記複数の発光面位置の各々における前記第3の距離の設定値に対応させて、前記発光素子アレイ基板を変形させ、
    前記第1の距離の設定値、前記第2の距離の設定値、及び前記複数の発光面位置の各々における前記第3の距離の設定値は、前記第1の距離の設定値に対する前記第1の距離の変動に応じて発生する、前記被照射面における前記結像特性の変動が、最小となる値に決定され、
    前記第1の距離の設定値と前記第3の距離の設定値とを決定する前記処理において、
    前記発光面の任意の第1の位置において第1の解像度を測定し、前記第1の解像度が最大となる前記被照射面の第2の位置を求め、
    前記発光面の前記第1の位置とは異なる任意の第3の位置において第2の解像度を測定し、前記第2の解像度が最大となる前記被照射面の第4の位置を求め、
    前記被照射面の任意の第5の位置において第3の解像度を測定し、前記第3の解像度が最大となる前記発光面の第6の位置を求め、
    前記被照射面の前記第5の位置とは異なる任意の第7の位置において第4の解像度を測定し、前記第4の解像度が最大となる前記発光面の第8の位置を求め、
    前記基準位置から前記被照射面に向かう方向の前記被照射面の位置を示す座標軸を横軸とし、前記基準位置から前記発光面に向かう方向の前記発光面の位置を示す座標軸を縦軸とする2次元直交座標系において、前記第1から第4の位置に対応する前記2次元直交座標系における点を用いて第1の近似直線を求め、
    前記第5から第8の位置に対応する前記2次元直交座標系における点を用いて第2の近似直線を求め、
    前記第1の近似直線と前記第2の近似直線との交点から求められる前記発光面の位置を前記第3の距離の設定値とし、
    前記第3の距離の設定値において第5の解像度を測定し、前記第5の解像度が最大となる前記被照射面の位置を前記第1の距離の設定値とする
    ことを特徴とする露光装置の製造方法。
  3. 発光素子アレイを有する発光素子アレイ基板と、前記発光素子アレイの発光面から出射された光を被照射面に結像させるロッドレンズアレイと、前記発光素子アレイ基板と前記ロッドレンズアレイとを支持する支持部材とを有する露光装置を製造する、露光装置の製造方法であって、
    前記支持部材に対する前記ロッドレンズアレイの位置を決定する処理を、前記発光素子アレイの長手方向の複数の発光面位置において実行するステップと、
    決定された前記ロッドレンズアレイの位置に対応させて、前記ロッドレンズアレイを前記支持部材に固定するステップと、
    前記支持部材に対する前記発光素子アレイの前記発光面の位置を決定する処理を、前記発光素子アレイの長手方向の複数の発光面位置において実行するステップと、
    前記複数の発光面位置を前記決定された各々の位置に対応させて、前記複数の発光面位置の各々において前記発光素子アレイ基板を前記ロッドレンズアレイに対して接近又は離間させて前記発光素子アレイ基板を変形させるステップと、
    変形した前記発光素子アレイ基板を前記支持部材に固定するステップと、
    を有し、
    前記発光素子アレイの前記発光面の位置及び前記支持部材に対する前記ロッドレンズアレイの位置は、前記被照射面と前記ロッドレンズアレイの光軸方向における中点との間の第1の距離の設定値に対する前記第1の距離の変動に応じて発生する、前記被照射面における結像特性の変動が最小となる位置に決定される
    ことを特徴とする露光装置の製造方法。
  4. 前記支持部材に対する前記ロッドレンズアレイの位置を決定する処理は、前記被照射面と前記ロッドレンズアレイの光軸方向における中点との間の第1の距離の設定値を決定する処理を、前記ロッドレンズアレイの長手方向の複数の位置において実行し、前記支持部材の基準位置から前記ロッドレンズアレイの前記中点までの前記光軸方向の第2の距離の設定値を決定する処理を含み、
    前記発光素子アレイの前記発光面と前記基準位置との間の第3の距離の設定値を決定する処理を、前記発光素子アレイの長手方向の複数の発光面位置において実行するステップと、
    前記複数の発光面位置の各々における前記第3の距離の設定値に対応させて、前記複数の発光面位置の各々において前記発光素子アレイ基板を前記ロッドレンズアレイに対して接近又は離間させて前記発光素子アレイ基板を変形させるステップと、
    変形した前記発光素子アレイ基板を前記支持部材に固定するステップと、
    をさらに有し、
    前記発光素子アレイの前記発光面の位置及び前記支持部材に対する前記ロッドレンズアレイの位置は、前記被照射面と前記ロッドレンズアレイの光軸方向における中点との間の第1の距離の設定値に対する前記第1の距離の変動に応じて発生する、前記被照射面における結像特性の変動が最小となる位置に決定される
    ことを特徴とする請求項に記載の露光装置の製造方法。
  5. 前記被照射面と前記ロッドレンズアレイの光軸方向における中点との間の第1の距離の設定値と前記支持部材の基準位置から前記ロッドレンズアレイの前記中点までの前記光軸方向の第2の距離の設定値として決定された値に従う位置に前記ロッドレンズアレイが前記支持部材に固定されており、
    前記発光素子アレイの前記発光面と前記基準位置との間の第3の距離の設定値を決定する処理を、前記発光素子アレイの長手方向の複数の発光面位置において実行した結果得られた第3の距離の設定値に対応させて、前記複数の発光面位置の各々において前記発光素子アレイ基板を前記ロッドレンズアレイに対して接近又は離間させて変形された前記発光素子アレイ基板が前記支持部材に固定されており、
    前記第1の距離の設定値、前記第2の距離の設定値、及び前記複数の発光面位置の各々における前記第3の距離の設定値は、前記第1の距離の設定値に対する前記第1の距離の変動に応じて発生する、前記被照射面における結像特性の変動が最小となる値に決定される
    ことを特徴とする請求項に記載の露光装置の製造方法。
  6. 前記ロッドレンズアレイと前記発光素子アレイ基板とが固定された前記支持部材を、画像形成装置内の像担持体に対向する位置に固定するステップをさらに有することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の露光装置の製造方法。
  7. 前記ロッドレンズアレイと前記被照射面との間に介在する調節機構によって、前記ロッドレンズアレイと前記像担持体との間の距離を調節するステップをさらに有することを特徴とする請求項に記載の露光装置の製造方法。
  8. 発光素子アレイを有する発光素子アレイ基板と、
    前記発光素子アレイの発光面から出射された光を被照射面に結像させるロッドレンズアレイと、
    前記発光素子アレイ基板と前記ロッドレンズアレイとを支持する支持部材と
    を有する露光装置であって、
    前記支持部材に対する前記発光素子アレイの前記発光面の位置として、前記発光素子アレイの長手方向の複数の発光面位置において決定された各々の位置に対応させて、前記複数の発光面位置の各々において前記発光素子アレイ基板を前記ロッドレンズアレイに対して接近又は離間させて前記発光素子アレイ基板が変形しており、
    変形した前記発光素子アレイ基板が前記支持部材に固定されており、
    前記発光素子アレイの前記発光面の位置は、前記被照射面と前記ロッドレンズアレイの光軸方向における中点との間の第1の距離の設定値に対する前記第1の距離の変動に応じて発生する、前記被照射面における結像特性の変動が最小となる位置に決定されており、
    前記ロッドレンズアレイは、前記第1の距離の設定値と前記支持部材の基準位置から前記ロッドレンズアレイの前記中点までの前記光軸方向の第2の距離の設定値とに対応させて、前記支持部材に固定されており、
    前記発光素子アレイの前記発光面と前記基準位置との間の第3の距離の設定値は、前記発光素子アレイの長手方向の複数の発光面位置において決定されており、
    前記複数の発光面位置の各々における前記第3の距離の設定値に対応させて、前記発光素子アレイ基板が変形されており、
    前記第1の距離の設定値、前記第2の距離の設定値、及び前記複数の発光面位置の各々における前記第3の距離の設定値は、前記第1の距離の設定値に対する前記第1の距離の変動に応じて発生する、前記被照射面における前記結像特性の変動が、最小となる値に決定されており、
    前記支持部材に対する前記ロッドレンズアレイの位置は、前記発光素子アレイの長手方向の複数の発光面位置において決定されており、
    前記発光素子アレイの前記発光面の位置及び前記支持部材に対する前記ロッドレンズアレイの位置は、前記被照射面と前記ロッドレンズアレイの光軸方向における中点との間の第1の距離の設定値に対する前記第1の距離の変動に応じて発生する、前記被照射面における結像特性の変動が最小となる位置に決定されている
    ことを特徴とする露光装置。
  9. 前記支持部材に対する前記ロッドレンズアレイの位置の決定は、前記被照射面(151)と前記ロッドレンズアレイの光軸方向における中点との間の第1の距離の設定値を、前記ロッドレンズアレイの長手方向の複数の位置における決定であり、
    前記支持部材の基準位置から前記ロッドレンズアレイの前記中点までの前記光軸方向の第2の距離の設定値が決定されており、
    前記発光素子アレイの前記発光面と前記基準位置との間の第3の距離の設定値が、前記発光素子アレイの長手方向の複数の発光面位置において決定されており、
    前記複数の発光面位置の各々における前記第3の距離の設定値に対応させて、前記複数の発光面位置の各々において前記発光素子アレイ基板を前記ロッドレンズアレイに対して接近又は離間させて前記発光素子アレイ基板は変形しており、
    前記発光素子アレイの前記発光面の位置及び前記支持部材に対する前記ロッドレンズアレイの位置は、前記被照射面と前記ロッドレンズアレイの光軸方向における中点との間の第1の距離の設定値に対する前記第1の距離の変動に応じて発生する、前記被照射面における結像特性の変動が最小となる位置に決定されている
    ことを特徴とする請求項に記載の露光装置。
  10. 前記複数の位置の各々における前記第1の距離の設定値、前記第2の距離の設定値、及び前記複数の発光面位置の各々における前記第3の距離の設定値は、前記第1の距離の設定値に対する前記第1の距離の変動に応じて発生する、前記被照射面における結像特性の変動が最小となる値に決定されている
    ことを特徴とする請求項に記載の露光装置。
  11. 前記支持部材は、前記ロッドレンズアレイが挿入される開口部を有し、
    前記開口部は、前記ロッドレンズアレイとの接着部分で前記ロッドレンズアレイの側面に近い第1間隔を持ち、前記ロッドレンズアレイを支持するツメ部分で前記第1間隔よりも広い第2間隔を持つ
    ことを特徴とする請求項又は10に記載の露光装置。
  12. 前記支持部材と前記被照射面との間隔を調節する調節機構をさらに有することを特徴とする請求項から11のいずれか1項に記載の露光装置。
  13. 像担持体に光を照射する光書込みヘッドとして、請求項から12のいずれか1項に記載の露光装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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