JP3296623B2 - 光プリントヘッド - Google Patents

光プリントヘッド

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JP3296623B2
JP3296623B2 JP10943193A JP10943193A JP3296623B2 JP 3296623 B2 JP3296623 B2 JP 3296623B2 JP 10943193 A JP10943193 A JP 10943193A JP 10943193 A JP10943193 A JP 10943193A JP 3296623 B2 JP3296623 B2 JP 3296623B2
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Tottori Sanyo Electric Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は発光ダイオードを整列さ
せてなる光プリントヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、複数の発光ダイオードを整列
させた光プリントヘッドが開発されている。その中で例
えば本出願人が特願平4−267336号にて出願した
光プリントヘッドを図5の断面図に示す。この図に於
て、放熱体41の載置面42上に基台43と基板44が
固定されている。表面に複数の発光領域が形成された複
数の発光ダイオード45が基板44に固定されている。
載置面42に略直交して支持部46が形成され、発光ダ
イオード45の上方に位置する様に、支持部46の凸部
47と嵌合してレンズアレイ48が配置されている。
【0003】しかして上述の光プリントヘッドの結像特
性は図6の通りである。この図に於て、横軸は整列した
発光ダイオード45の整列番号を示し、縦軸はMTF
(変調伝達率%)を示す。例えば1個の発光ダイオード
45に形成された128個の発光領域を1個置きに点灯
させた場合に、ある1個の点灯された発光領域の輝度の
最大値と隣りの点灯されない発光領域の輝度の最小値を
各々MAX(cd/m2)とMIN(cd/m2)とすれ
ば、MTFは次式から求められる。
【0004】MTF=(MAX−MIN)/(MAX+
MIN)×100 1個の発光ダイオード45につき、64個のMTFを測
定し、そのMTFの中で最大のものと最大のものを各々
最大MTF、最小MTFとして図6の実線と破線で示し
ている。この図に於て、最小MTFが50%未満のもの
があり、コントラストが悪く結像がぼやけていることに
なり、最大MTFと最小MTFの差が約20%あり、結
像の輝度ばらつきが大きいという欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者が上述の欠点
の原因を究明した所、第1に載置面42上に基台43と
基板44と発光ダイオード45が各々接着剤を介して固
定されているので、載置面42の長尺方向に於ける発光
ダイオード45の発光領域の高さがばらつくためであ
る。第2の原因は発光ダイオード45の発光領域の平均
的高さ(ばらつきの平均値)を基準として、レンズアレ
イ48の中心までの高さをレンズアレイ48の共振長の
半分の位置に設けているためである。故に本発明はかか
る欠点を鑑みて、レンズアレイの中心位置を適正に求め
ることにより、結像特性の良い光プリントヘッドを提供
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の課題を解
決するために、載置面が形成された放熱体と、その載置
面上に配置された長尺な基板と、表面に複数の発光領域
が形成されかつ基板の長尺方向に整列して配置された複
数の発光ダイオードと、高さを調整する手段を備えかつ
載置面上に配置された支持体と、発光ダイオードの上方
に位置しかつ支持体に固定されたレンズアレイを設け
る。そして、発光ダイオードの発光領域の平均的高さか
らレンズアレイの中心までの距離をレンズアレイの共振
長の半分の長さより0.05mm以上かつ0.15mm
以下だけ長く設けるものである。
【0007】
【作用】本発明は上述の様に、発光ダイオードの発光領
域の平均的高さからレンズアレイの中心までの距離がレ
ンズアレイの共振長Cの半分の長さより0.05mm以
上かつ0.15mm以下だけ長く設けられている。故に
焦点深度(像がはっきりと結ばれる像面の許容範囲)が
深くなるので、発光領域の高さがばらついても、その平
均的高さに於けるMTF値からばらついた時のMTF値
の落込み量は少なくなるから、良好な結像特性が得られ
る。
【0008】
【実施例】本発明の実施例を図1と図2に従い説明す
る。図1は本実施例に係る光プリントヘッドの断面図、
図2は図1のAA断面図である。これらの図に於て、放
熱体1は例えばアルミニウムの押出し材等の熱伝導率の
高い材質からなり、表面に載置面2が形成され、好まし
くは切削等により載置面2は平滑に仕上げられ、長手方
向に反りがない様に形成されている。放熱体1の裏面側
には好ましくはフィン部3が形成され、放熱性が高めら
れている。放熱体1には所定の位置に、ビス固定用のネ
ジ孔4、5、6が形成されている。
【0009】基台7は例えばニッケル鉄合金(42Ni
−Fe)等からなり、長さが約923mmで幅が約22mm
で厚さが約0.8mmであり、プリンタの主走査長さを持
つ長尺なものである。基台7は放熱体1の載置面2上に
接着剤を介して載置され、ビスにてネジ孔4に於て固定
されている。
【0010】基板8は例えばセラミック混合樹脂等から
なり、表面に導電パターン(図示せず)が形成され、そ
の大きさは長さが約227mmで幅が約13.5mmで厚さ
が1mmの長尺のものである。4個の基板8が各々近接し
て基台7上に接着剤を介して固定されている。
【0011】発光ダイオード9は例えばGaAsからな
る半導体基板上にGaAsPからなるエピタキシャル層
が形成されたものであり、表面に1列又は千鳥配置の2
〜3列に整列された発光領域とそれにオーミック接触さ
れた個別電極(共に図示せず)が形成され、裏面に共通
電極(図示せず)が形成されたものである。1個の発光
ダイオード9の表面には、例えば約62.5μmのピッ
チで128個の発光領域が整列しており、その大きさは
長さが約8mmで幅が約2mmで厚さが約0.35mmであ
る。複数の発光ダイオード9が各々近接して基板8の長
尺方向に整列する様に、基板8の導電パターン上に銀ペ
ースト等の導電性接着剤を介して固定されている。
【0012】また発光ダイオード9を通電することによ
り発生した熱を、基板8と基台7と放熱体1を介して放
熱し、かつ各々熱膨張係数の異なる基板8と放熱体1間
で熱応力による歪みを防止している。しかしこの歪みが
小さければ基台7を設けなくても良い。
【0013】集積回路素子10は基板8の導電パターン
上に絶縁性接着剤を介して固定され1方がワイヤボンド
等により発光ダイオード9に配線され、他方が基板8上
の導電パターンに配線されている。中継基板11はエポ
キシ樹脂等からなる樹脂基台12上に導電パターンを有
する樹脂基板13が設けられたものであり、その導電パ
ターンと基板8の導電パターンが電気的接続をなされて
いる。
【0014】支持体14は例えばアルミニウムの押出し
材からなる長さが約923mmの長尺のものであり、断面
が略L字状であり、その側面15は望しくは切削により
平滑に仕上げられ底面16と角度90°になる様に形成
されている。側面15には凹部17、18、19、20
が形成され、その側面15の下部に突出部21が形成さ
れている。
【0015】支持体14の高さを調整する手段22は例
えばスペーサ23であり、スペーサ23は例えば、裏面
に接着剤の付いたポリエステルフィルム等からなり、そ
の大きさは長さが約923mmで幅が約5mmのものであ
り、厚さが約50〜500μmの中から50μm置きのも
のを選択できる様にされている。
【0016】レンズアレイ24は例えば日本板硝子株式
会社製の短焦点ロッドレンズアレイ(型番SLA−2
0)であり、その大きさは長さが約923mmで幅が約4
mmで高さBが8.3〜8.5mmの長尺のものである。レ
ンズアレイ24の共振長C、すなわち光源と感光面まで
の基準距離は18mmである。この様に共振長Cを18mm
に維持するために、各々のレンズアレイ24の高さBが
調節されるので高さBがばらつく。レンズアレイ24の
底面が支持体14の突出部21に当接し、支持体14の
側面15に塗布された接着剤によりレンズアレイ24の
側面は支持体14の側面15に固定されている。
【0017】基台7の厚さか約0.8mmで基板8の厚さ
が約1mmで発光ダイオード9の厚さが約0.35mmであ
り、それらの部材間に設けられる接着剤の厚さを加え
て、放熱体1の載置面2から発光ダイオード9の表面の
発光領域までの高さの平均値Dは2.26mmである。し
かし上述の各々の部材の厚さのばらつきと各部材を載置
する時の接着剤の沈み量のばらつきにより、上述の値D
は±0.2mmばらつく。この発光ダイオード9の発光領
域の高さDを基準として、レンズアレイ24の中心Eの
高さFが次式により決定される。
【0018】(C/2+0.05)mm≦F≦(C/2+
0.15)mm、すなわち9.05≦F≦9.15(式
1)となる様に、レンズアレイ24の高さ位置は調整さ
れている。具体的には載置面2からレンズアレイ24の
上面までの距離をGとすれば、G=D+F+B/2だか
らF=G−B/2−D=G−B/2−2.26となる。
これを式1に代入すると、次式が得られる。
【0019】 9.05≦G−B/2−2.26≦9.15 故に、B/2+11.31≦G≦B/2+11.41 (式2) すなわち、個々にばらつくレンズアレイ24の高さBが
測定され、支持体14の底面16に選択された厚さのス
ペーサ23が取付けられ、支持体14がビスにより放熱
体1のネジ孔5に所定のトルクで固定され、距離Gが測
定され、Gの値が式2を満足する事が確認される。この
様にして、支持体14とレンズアレイ24の高さ調整が
なされている。また高さを調整する手段22は上述のス
ペーサ23に限られることなく、支持体14又は放熱体
1に高さ調整用のボルトを設けても良い。
【0020】他の支持体25は例えばアルミニウムの押
出し材からなる長さが約923mmの長尺のものであり、
その側面26の上部には凹部27が形成されている。そ
の底面28には長尺の溝部29が形成され、底面28が
中継基板11の樹脂基板13と当接する様に、他の支持
体25はビスにより放熱体1のネジ孔6に固定されてい
る。押え具30はシリコンゴム等からなり、他の支持体
25の溝部29と樹脂基板13の間に固定されている。
他の支持体25の側面26とレンズアレイ24の側面に
は約0.2mmの隙間が設けられている。封止剤31はシ
リコン樹脂等からなり、支持体14の凹部17と他の支
持体25の凹部27とレンズアレイ24の上面の周囲を
覆う様に設けられ、トナー等が発光ダイオード9の周辺
に侵入することを防止されている。
【0021】また放熱体1の両端近くには取付孔32、
33が形成されている。これらの部材により本実施例の
光プリントヘッド34が構成されている。この光プリン
トヘッド34を用いたプリンタ等に於て、光プリントヘ
ッド34のレンズアレイ24の上方に感光ドラム35が
配置されている。発光ダイオード9の発光領域の平均的
高さを基準として、感光ドラム35と感光面36の高さ
Hがレンズアレイの中心の高さFに対してH≒2×Fを
満足する様に、感光面36の位置が維持されている。そ
のために、プリンタに設けられた固定部(図示せず)と
光プリントヘッド34の放熱体1に形成された取付孔3
2、33との間にボルトが固定されている。
【0022】次に本実施例に係る光プリントヘッド34
の結像特性を図3に従い説明する。横軸は整列した各発
光ダイオード9の整列番号を示し、縦軸はMTF(%)
を示す。MTFの測定方法は従来の技術で述べた内容と
全く同じである。この図に於て、最小MTFが全て50
%であり、コントラストが良く結像の輪郭が明瞭である
ことが判かる。また最大MTFと最小MTFの差がほぼ
10%以内であり、結像の輝度ばらつきが小さいことが
判かる。
【0023】更に本光プリントヘッド34に於ける、発
光領域の高さのばらつきに対するMTF特性を図4に従
い説明する。放熱体1の載置面2から発光ダイオード9
の発光領域までの高さの平均値Dは2.26mmであり、
図4の横軸のばらつき(mm)は載置面2から各々の発光
ダイオード9の発光領域までの高さから平均値(2.2
6mm)を引いたものを示す。縦軸はMTF(%)を示
す。
【0024】特性I、J、K、L、Mは、発光ダイオー
ド9の発光領域の平均的高さからレンズアレイ14の中
心Eまでの距離Fが、9.0と9.04と9.05と
9.15と9.16mmのものをそれぞれ示す。但しこれ
らは全て共振長Cが18mmのレンズアレイ14を用いて
おり、発光ダイオード9の発光領域の平均的高さから感
光面36までの高さHはH≒2×Fになる様に設定され
ている。この図から判る様に特性Iから特性Mに行く
程、すなわち距離Fが大きくなる程、MTFの最大値は
下がる。また距離Fが大きくなる程、発光領域の高さの
ばらつきが0に於けるMTFと、発光領域の高さのばら
つきが±0.2mmに於けるMTFとの落込み量が小さく
なることが判かる。
【0025】この様に、特性I、Jでは発光領域の高さ
のばらつきが±0.2mm付近では、MTFが50%より低
くなり結像がぼやけることになる。そして特性Mでは発
光領域の高さのばらつきが0であっても、MTFが50
%より低くなる。これに対して特性K、Lは発光領域の
高さのばらつきが−0.2〜+0.2mmの範囲に於て5
0%以上のMTFを確保できる。すなわち距離Fが共振
長Cに対して次式を満たすならば、MTFは50%以上
になる。
【0026】(C/2+0.05)mm≦F≦(C/2+
0.15)mm、
【0027】
【発明の効果】本発明は上述の様に、発光ダイオードの
発光領域の平均的高さからレンズアレイの中心までの距
離Fをレンズアレイの共振長Cの半分より0.05mm
以上かつ0.15mm以下だけ長くしている。故に焦点深
度(像がはっきりと結ばれる像面の許容範囲)が深くな
るので、発光領域の高さがばらついても、その平均的高
さに於けるMTFからばらついた時のMTFの落込み量
は少なくなるから、良好な結像が得られる。すなわち、
MTFの最小規格を満足しやすくなる。実際にプリンタ
で印刷されたパターンを人間の目で見る場合に、全体で
の印字のバラツキが小さい。この2点で良好な印字品質
が得られることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る光プリントヘッドの断面図であ
る。
【図2】図1のAA断面図である。
【図3】本実施例に係る光プリントヘッドの結像特性で
ある。
【図4】本実施例に係る光プリントヘッドに於ける、発
光領域の高さのばらつきに対するMTF特性である。
【図5】従来の光プリントヘッドの断面図である。
【図6】従来の光プリントヘッドの結像特性である。
【符号の説明】
1 放熱体 2 載置面 8 基板 9 発光ダイオード 14 支持体 22 高さ調整手段 24 レンズアレイ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/44 B41J 2/45 B41J 2/455

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】載置面が形成された放熱体と、その載置面
    上に配置された長尺な基板と、表面に複数の発光領域が
    形成されかつ基板の長尺方向に整列して配置された複数
    の発光ダイオードと、前記載置面上に配置された支持体
    と、前記支持体の高さを調整する手段を備え、前記発光
    ダイオードの上方に位置しかつ前記支持体に固定された
    レンズアレイを具備し、前記発光ダイオードの発光領域
    の平均的高さから前記レンズアレイの中心までの距離が
    前記レンズアレイの共振長の半分の長さより0.05m
    m以上かつ0.15mm以下だけ長い事を特徴とする光
    プリントヘッド。
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