JP6266556B2 - 積層フィルム及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、積層フィルム及びその製造方法に関する。
レターデーション(Re)が波長の1/4である1/4波長板は、反射型液晶表示装置、光ディスク用ピックアップ及び防眩フィルムに利用される等、種々の用途を有する。一方、Reが波長の1/2である1/2波長板も、液晶プロジェクターに利用される等、種々の用途を有する。上記1/4波長板及び1/2波長板は、種々の用途において、可視光領域の全ての入射光に対して、その機能が充分に発揮されることが望まれる。
特許文献1には、簡易な工程により製造可能であり、かつ、可視光全域の入射光に対して均一な位相差特性を与える広帯域の位相差板、特に広帯域λ/2板及び広帯域円偏光板、並びに上記位相差板を利用した表示の明るさが改善された反射型液晶表示装置を提供することを目的として、固有複屈折値が正である材料と負である材料とを含有してなり、波長450nm、550nm及び650nmにおけるレターデーション値を各々Re(450)、Re(550)及びRe(650)としたとき、Re(450)<Re(550)<Re(650)であることを特徴とする位相差板が記載されている。
特開2002−40258号公報
特許文献1では、固有複屈折率が正の材料と、固有複屈折率が負の材料とを使用することで、レターデーションの波長分散特性にすぐれたフィルムが提供された。しかし、特許文献1に記載のフィルムでは、固有複屈折率が正の材料と、固有複屈折率が負の材料との接着性に劣ることを見出した。
本発明の目的は、レターデーションの逆波長分散性に優れ、層間の接着性に優れた積層フィルム及びその製造方法を提供することである。
本発明の上記課題は、以下の<1>又は<7>に記載の手段により達成された。好ましい実施態様である<2>〜<6>と共に以下に記載する。
<1> 環状オレフィン系樹脂を含有する組成物から形成された第一層と、スチレン化合物に由来する構成単位と、シトラコン酸無水物に由来する構成単位とを含む共重合樹脂を含有する組成物から形成された第二層と、を有することを特徴とする、積層フィルム、
<2> 上記共重合樹脂のスチレン化合物に由来する構成単位の含有量が50〜85モル%であり、シトラコン酸無水物に由来する構成単位の含有量が10〜25モル%である、<1>に記載の積層フィルム、
<3> 上記環状オレフィン系樹脂が、下記式I〜式IIIのいずれかで表される構成単位を有する、<1>又は<2>に記載の積層フィルム、
Figure 0006266556
式I〜式III中、Rb1〜Rb12はそれぞれ独立に、水素原子又は1価の置換基を表す。
<4> 上記積層フィルムの表面粗さRaが0.4μm以下である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の積層フィルム、
<5> 上記積層フィルムが、光学フィルム用である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の積層フィルム、
<6> 上記積層フィルムが、位相差フィルムである、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の積層フィルム、
<7> 第一の組成物と、第二の組成物を共押し出しする工程、及び、共押し出しされた組成物を、挟圧装置を構成する第一挟圧面と、第二挟圧面との間を通過させて連続的に挟圧する工程を含み、第一の組成物が、環状オレフィン系樹脂を含み、第二の組成物が、スチレン化合物に由来する構成単位と、シトラコン酸無水物に由来する構成単位と、を含む共重合樹脂を含むことを特徴とする、積層フィルムの製造方法。
本発明によれば、レターデーションの逆波長分散性に優れ、層間の接着性に優れた積層フィルム及びその製造方法を提供することができる。
本発明に好適に使用される共押し出し機の一例を示す概略図である。 本発明に好適に使用される共押し出し機のダイスの一例を示す断面概略図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
また、本発明において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
また、本発明において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本発明では、ポリマー成分の分子量については、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とした場合のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量又は数平均分子量である。
1.積層フィルム
本発明の積層フィルムは、環状オレフィン系樹脂を含有する組成物から形成された第一層と、スチレン化合物に由来する構成単位と、シトラコン酸無水物に由来する構成単位とを含む共重合樹脂(以下、特定共重合樹脂ともいう。)を含有する組成物から形成された第二層と、を有することを特徴とする。
以下の説明において、第一層を形成するための、環状オレフィン系樹脂を含有する組成物を、第一の組成物(以下、本発明の第一の組成物ともいう。)という。また、第二層を形成するための、特定共重合樹脂を含有する組成物を、第二の組成物(以下、本発明の第二の組成物ともいう。)という。
本発明者は鋭意検討した結果、特許文献1に記載の光学フィルムでは、固有複屈折率が正の材料と、固有複屈折率が負の材料との層間接着性が不十分であることを見出した。
本発明者は鋭意検討した結果、環状オレフィン系樹脂を含有する第一層と、スチレン化合物に由来する構成単位と、シトラコン酸無水物に由来する構成単位とを含む共重合樹脂を含有する第二層とを含む積層フィルムとすることにより、逆波長分散性に優れ、かつ、高い層間接着性が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。ここで、逆波長分散性とは、波長が大きくなるほど、複屈折が大きくなることを意味する。
詳細な発明の効果の発現機構は不明であるが、第二層が含有する共重合樹脂が、シトラコン酸無水物に由来する構成単位を含むことにより、環状オレフィン系樹脂を含有する第一層との接着性が向上したものと推定している。
以下、本発明の積層フィルムの第一層を形成するための第一の組成物、及び、第二層を形成するための第二の組成物について説明する。
(第一の組成物)
本発明において、第一層を形成するための第一の組成物は、環状オレフィン系樹脂を含有する。なお、本発明において、第一の組成物が、環状オレフィン系樹脂のみからなる場合を排除するものではない。
<環状オレフィン系樹脂>
本発明の積層フィルムは、環状オレフィン系樹脂を含有する組成物から形成された第一層を有する。環状オレフィン系樹脂は、固有複屈折率が正である。
環状オレフィン系樹脂としては、例えば、付加重合型環状オレフィン樹脂(COC)、及び、開環重合型環状オレフィン樹脂(COP)等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、これらの環状オレフィン系樹脂のTgは100〜200℃が好ましく、120〜190℃であることがより好ましく、125〜185℃であることが更に好ましい。なお、環状オレフィン系樹脂は重合した後、ペレット化して使用することが好ましい。
樹脂のガラス転移温度は、TA Instruments製2920型DSC(Differential scanning calorimetry、示差走査熱量計)を使用し、JIS K−7121−1987に従って測定される。以下の説明においても同様である。
開環重合型シクロオレフィン樹脂(COP)としては、例えば、特開2010−164538号公報の段落0032〜0069に記載のものや、特許第4492116号公報の段落0016〜0022に記載のものを使用することができる。
付加重合型シクロオレフィン樹脂(COC)としては、例えば、特許第3723616号公報の段落0014〜0060に記載のものや、特許第3683631号公報の段落0015〜0062に記載のもの、特許第3377833号公報の段落0008〜0093に記載のものを使用することができる。
本発明において、環状オレフィン系樹脂としては、下記のノルボルネン及びその誘導体(以下、これらをノルボルネン系モノマーと総称する。)に由来する単量体単位を有する環状オレフィン系樹脂が好ましい。環状オレフィン系樹脂は、下記の飽和ノルボルネン樹脂−A、又は、飽和ノルボルネン樹脂−Bであることが好ましい。
これらの飽和ノルボルネン樹脂は、いずれも後述する溶液製膜法、溶融製膜法により製膜することができるが、飽和ノルボルネン樹脂−Aは溶融製膜法により製膜することが好ましく、飽和ノルボルネン樹脂−Bは、溶液製膜法及び溶融製膜法により製膜することが好ましい。
〔飽和ノルボルネン樹脂−A〕
飽和ノルボルネン樹脂−Aとして、(1)ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体に対して、必要に応じてマレイン酸付加、シクロペンタジエン付加のようなポリマー変性を行い、その後更に水素添加して得られた樹脂、(2)ノルボルネン系モノマーを付加型重合させて得られた樹脂、(3)ノルボルネン系モノマーとエチレンやα−オレフィンなどのオレフィン系モノマーとを付加型共重合させて得られた樹脂などを挙げることができる。重合方法及び水素添加方法は、常法により行うことができる。
ノルボルネン系モノマーとしては、例えば、ノルボルネン、そのアルキル及び/又はアルキリデン置換体(例えば、5−メチル−2−ノルボルネン、5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン等)、並びに、これらのハロゲン等の極性基置換体;ジシクロペンタジエン、2,3−ジヒドロジシクロペンタジエン等;ジメタノオクタヒドロナフタレン、そのアルキル及び/又はアルキリデン置換体、並びに、これらのハロゲン等の極性基置換体(例えば、6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチリデン−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−クロロ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−シアノ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−ピリジル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−メトキシカルボニル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン等);シクロペンタジエンとテトラヒドロインデン等との付加物;シクロペンタジエンの3〜4量体(例えば、4,9:5,8−ジメタノ−3a,4,4a,5,8,8a,9,9a−オクタヒドロ−1H−ベンゾインデン、4,11:5,10:6,9−トリメタノ−3a,4,4a,5,5a,6,9,9a,10,10a,11,11a−ドデカヒドロ−1H−シクロペンタアントラセン)等が挙げられる。これらのノルボルネン系モノマーは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
飽和ノルボルネン樹脂−Aの市販品としては、ZEONOR 1420R(日本ゼオン(株)製)、TOPAS #6013(ポリプラスチックス(株)製)などが挙げられる。
〔飽和ノルボルネン樹脂−B〕
飽和ノルボルネン樹脂−Bとして、下記式I〜式IIIで表されるものが挙げられる。これらのうち、下記式Iで表されるものが特に好ましい。
Figure 0006266556
式I〜式III中、Rb1〜Rb12は、各々独立に水素原子又は1価の置換基(好ましくは有機基)を示す。
上記の置換基としては、特許第5009512号公報の段落0036に記載されたものを例示することができる。これらの中でも、1価の置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、シリル基、アリール基、アルコキシ基及びアリールオキシ基が好ましく、メチル基、トリメチルシリル基、フェニル基、又は、メトキシ基がより好ましい。
式I〜式III中、Rb1〜Rb12が1価の置換基(好ましくは有機基)である場合、これらのうち少なくとも1つは極性基であることが好ましい。
極性基としては、カルボキシル基、水酸基、アルコキシカルボニル基、アリロキシカルボニル基、アミノ基、アミド基、シアノ基などが挙げられ、これら極性基はメチレン基などの連結基を介して結合していてもよい。また、カルボニル基、エーテル基、シリルエーテル基、チオエーテル基、イミノ基など極性を有する2価の有機基が連結基となって結合している炭化水素基なども極性基として挙げられる。また、上記極性基としては、特許第5009512号公報の段落0037に記載されたものを例示することができる。
中でも、極性基として、カルボキシ基、カルボキシアルキル基(アルキル基の炭素数は1〜20であることが好ましく、1〜12であることがより好ましく、1〜6であることが更に好ましい。)、カルボキシアリール基(アリール基の炭素数は6〜20であることが好ましく、6〜14であることがより好ましく、6〜10であることが更に好ましい。)が好ましい。
これらの飽和ノルボルネン樹脂の重量平均分子量は、5,000〜1,000,000であることが好ましく、8,000〜200,000であることがより好ましい。
本発明で用いることができる飽和ノルボルネン樹脂としては、例えば、特開昭60−168708号公報、特開昭62−252406号公報、特開昭62−252407号公報、特開平2−133413号公報、特開昭63−145324号公報、特開昭63−264626号公報、特開平1−240517号公報、特公昭57−8815号公報などに記載されている樹脂などを挙げることができる。
これらの樹脂の中でも、ノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加して得られる水添重合体が特に好ましい。
本発明では、飽和ノルボルネン樹脂として、下記式IVで表される少なくとも1種のテトラシクロドデセン誘導体を単独で、又は、当該テトラシクロドデセン誘導体と、これと共重合可能な不飽和環状化合物とをメタセシス重合して得られる重合体を水素添加して得られる水添重合体を用いることもできる。
Figure 0006266556
式IV中、Rb13〜Rb16は、各々独立に水素原子又は1価の置換基(好ましくは有機基)を示し、これらのうち少なくとも1つは極性基であることが好ましい。ここでいう置換基と極性基の具体例と好ましい範囲については、式I〜式IIIについて説明したのと同一である。
上記式IVで表されるテトラシクロドデセン誘導体において、Rb13〜Rb16のうち少なくとも1つが極性基であることにより、後述するフェノール系熱安定剤やチオール系熱安定剤との相溶性に優れ、ダイラインの発生がより抑制されるので好ましい。更に、この極性基が−(CH2nCOOR(ここで、Rは水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基、nは0〜10の整数を示す。)で表される基であることが、最終的に得られる水添重合体(偏光フィルムの基材)が高いガラス転移温度を有するものとなるので好ましい。特に、この−(CH2nCOORで表される極性置換基は、式IVのテトラシクロドデセン誘導体の1分子あたりに1個含有されることが吸水率を低下させる点から好ましい。上記極性置換基において、Rで示される炭化水素基の炭素数が多くなるほど得られる水添重合体の吸湿性が小さくなる点では好ましいが、得られる水添重合体のガラス転移温度とのバランスの点から、当該炭化水素基は、炭素数1〜4の鎖状アルキル基又は炭素数5以上の(多)環状アルキル基であることが好ましく、特にメチル基、エチル基、シクロヘキシル基であることが好ましい。
更に、−(CH2nCOORで表される基が結合した炭素原子に、炭素数1〜10の炭化水素基が置換基として結合されている式IVのテトラシクロドデセン誘導体は、得られる水添重合体の吸湿性が低いものとなるので好ましい。特に、この置換基がメチル基又はエチル基である式IVのテトラシクロドデセン誘導体は、その合成が容易な点で好ましい。具体的には、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ〔4,4,0,12,5,17,10〕ドデカ−3−エンが好ましい。これらのテトラシクロドデセン誘導体、及び、これと共重合可能な不飽和環状化合物の混合物は、例えば特開平4−77520号公報第4頁右上欄12行〜第6頁右下欄第6行に記載された方法によってメタセシス重合、水素添加することができる。
これらのノルボルネン系樹脂は、クロロホルム中、30℃で測定される固有粘度(ηinh)が、0.1〜1.5dl/gであることが好ましく、より好ましくは0.4〜1.2dl/gである。また、水添重合体の水素添加率は、60MHz、1H−NMRで測定した値が50%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上、更に好ましくは98%以上である。水素添加率が高いほど、得られる飽和ノルボルネンフィルムは、熱や光に対する安定性が優れたものとなる。上記水添重合体中に含まれるゲル含有量は5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは1質量%以下である。
飽和ノルボルネン樹脂−Bの市販品としては、ARTON R5000(JSR(株)製)などが挙げられる。
〔その他の開環重合可能なシクロオレフィン類〕
本発明においては、開環重合可能な他のシクロオレフィン類を併用することができる。このようなシクロオレフィンの具体例としては、例えば、シクロペンテン、シクロオクテン、5,6−ジヒドロジシクロペンタジエンなどのごとき反応性の二重結合を1個有する化合物が例示される。これらの開環重合可能なシクロオレフィン類の含有量は、上記ノルボルネン系モノマーに対して0モル%〜50モル%であることが好ましく、0.1モル%〜30モル%であることがより好ましく、0.3モル%〜10モル%であることが更に好ましい。
環状オレフィン系樹脂は、エチレン単位とノルボルネン単位を含む環状オレフィン共重合体であってもよい。エチレン単位は、−CH2CH2−で表される繰り返し単位である。エチレン単位が、上述したノルボルネン単位とビニル重合することによって、環状オレフィン共重合体が得られる。ノルボルネン単位とエチレン単位の共重合モル比率が、80:20〜20:80であることが好ましく、80:20〜50:50であることが好ましく、80:20〜60:40であることがより好ましい。
なお、環状オレフィン共重合体は、エチレン単位とノルボルネン単位以外にも他の共重合可能なビニルモノマーからなる繰り返し単位を少量含有していてもよい。他のビニルモノマーとしては、具体的に、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンのような炭素数3〜18のα−オレフィン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3−メチルシクロヘキセン、シクロオクテンのようなシクロオレフィン等を挙げることができる。このようなビニルモノマーは単独であるいは2種類以上組み合わせて用いてもよく、またその繰り返し単位が全体の10モル%以下であることが好ましく、5モル%以下であることがより好ましい。
本発明の第一層及び第一の組成物における環状オレフィン系樹脂の含有量は、固形分全量に対して、50〜100質量%であることが好ましく、60〜100質量%であることがより好ましく、70〜100質量%であることが更に好ましい。
<その他添加剤>
本発明の積層フィルムは、第一層が上記環状オレフィン系樹脂以外の材料を含有していてもよいが、上記環状オレフィン系樹脂の1種又は2種以上を主成分(組成物中の全材料中、最も含有割合の高い材料を意味し、当該樹脂を2種以上含有する態様では、それらの合計の含有割合が、他の材料それぞれの含有割合より高いことを意味する。)として含有していることが好ましい。上記環状オレフィン系樹脂以外の材料としては、種々の添加剤が挙げられ、その例には、安定化剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、可塑剤、微粒子、及び光学調整剤が含まれる。
以下、それぞれの添加剤について説明する。
〔安定化剤〕
本発明において、第一層及び第一の組成物は、安定化剤の少なくとも1種を含有していてもよい。安定化剤は、上記環状オレフィン系樹脂を加熱溶融する前に、又は、加熱溶融時に添加することが好ましい。安定化剤は、フィルム構成材料の酸化防止、分解して発生した酸の捕捉、光又は熱によるラジカル種基因の分解反応を抑制又は禁止する等の作用がある。安定化剤は、解明されていない分解反応などを含む種々の分解反応によって、着色や分子量低下等の変質及び揮発成分の生成等が引き起こされるのを抑制するのに有用である。樹脂を製膜するための溶融温度においても安定化剤自身が分解せずに機能することが求められる。安定化剤の代表的な例には、フェノール系安定化剤、亜リン酸系安定化剤(フォスファイト系)、チオエーテル系安定化剤、アミン系安定化剤、エポキシ系安定化剤、ラクトン系安定化剤、アミン系安定化剤、金属不活性化剤(スズ系安定化剤)などが含まれる。これらは、特開平3−199201号公報、特開平5−1907073号公報、特開平5−194789号公報、特開平5−271471号公報、特開平6−107854号公報などに記載があり、本発明ではフェノール系や亜リン酸系安定化剤の少なくとも一方以上を用いることが好ましい。フェノール系安定化剤の中でも、特に分子量500以上のフェノール系安定化剤を添加することが好ましい。好ましいフェノール系安定化剤としては、ヒンダードフェノール系安定化剤が挙げられる。
これらの素材は、市販品として容易に入手可能であり、下記のメーカーから販売されている。チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社から、Irganox 1076、Irganox 1010、Irganox 3113、Irganox 245、Irganox 1135、Irganox 1330、Irganox 259、Irganox 565、Irganox 1035、Irganox 1098、Irganox 1425WL、として入手することができる。また、旭電化工業(株)から、アデカスタブ AO−50、アデカスタブ AO−60、アデカスタブ AO−20、アデカスタブ AO−70、アデカスタブ AO−80として入手できる。更に、住友化学(株)から、スミライザーBP−76、スミライザーBP−101、スミライザーGA−80、として入手できる。また、シプロ化成(株)からシーノックス326M、シーノックス336B、としても入手することが可能である。
また、上記の亜リン酸系安定化剤としては、特開2004−182979号公報の[0023]〜[0039]に記載の化合物をより好ましく用いることができる。亜リン酸エステル系安定化剤の具体例としては、特開昭51−70316号公報、特開平10−306175号公報、特開昭57−78431号公報、特開昭54−157159号公報、特開昭55−13765号公報に記載の化合物を挙げることができる。更に、その他の安定化剤としては、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)17頁〜22頁に詳細に記載されている素材を好ましく用いることができる。
上記亜リン酸エステル系安定化剤は、高温での安定性を保つために高分子量であることが有用であり、好ましくは分子量500以上であり、より好ましくは分子量550以上であり、特に好ましくは分子量600以上である。更に、少なくとも一置換基は芳香族性エステル基であることが好ましい。また、亜リン酸エステル系安定化剤は、トリエステルであることが好ましく、リン酸、モノエステルやジエステルの不純物の混入がないことが好ましい。これらの不純物が存在する場合は、その含有量が5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは3質量%以下であり、特に好ましくは2質量%以下である。これらは、特開2004−182979号公報の[0023]〜[0039]に記載の化合物などを挙げることが、更に、特開昭51−70316号公報、特開平10−306175号公報、特開昭57−78431号公報、特開昭54−157159号公報、特開昭55−13765号公報に記載の化合物も挙げることができる。亜リン酸エステル系安定化剤の好ましい具体例として下記の化合物を挙げることができるが、本発明で用いることができる亜リン酸エステル系安定化剤はこれらに限定されるものではない。
これらは、旭電化工業(株)からアデカスタブ1178、同2112、同PEP−8、同PEP−24G、PEP−36G、同HP−10として、またクラリアント社からSandostab P−EPQとして市販されており、入手可能である。更に、フェノールと亜リン酸エステルを同一分子内に有する安定化剤も好ましく用いられる。これらの化合物については、更に特開平10−273494号公報に詳細に記載されており、その化合物例は、上記安定化剤の例に含まれるが、これらに限定されるものではない。代表的な市販品として、住友化学(株)から、スミライザーGPがある。これらは、住友化学(株)から、スミライザーTPL、同TPM、同TPS、同TDPとして市販されている。旭電化工業(株)から、アデカスタブAO-412Sとしても入手可能である。
上記安定化剤は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択される。好ましくは、環状オレフィン系樹脂の質量に対して、安定化剤の添加量は0.001〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.005〜3質量%であり、更に好ましくは0.01〜0.8質量%である。
〔紫外線吸収剤〕
本発明の積層フィルムにおいて、第一層及び第一の組成物、1種又は2種以上の紫外線吸収剤を含有していてもよい。紫外線吸収剤は、劣化防止の観点から、波長380nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ、透明性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましい。例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物などが挙げられる。特に好ましい紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系化合物やベンゾフェノン系化合物である。中でも、ベンゾトリアゾール系化合物は、セルロース混合エステルに対する不要な着色が少ないことから好ましい。これらは、特開昭60−235852号、特開平3−199201号、同5−1907073号、同5−194789号、同5−271471号、同6−107854号、同6−118233号、同6−148430号、同7−11056号、同7−11055号、同7−11056号、同8−29619号、同8−239509号、特開2000−204173号の各公報に記載がある。
紫外線吸収剤の添加量は、環状オレフィン系樹脂に対して0.01〜2質量%であることが好ましく、0.01〜1.5質量%であることがより好ましい。
〔光安定化剤〕
本発明の積層フィルムにおいて、第一層及び第一の組成物は、1種又は2種以上の光安定化剤を含有していてもよい。光安定化剤としては、ヒンダードアミン光安定化剤(HALS)化合物が挙げられ、より具体的には、米国特許第4、619、956号明細書の第5〜11欄及び米国特許第4、839、405号明細書の第3〜5欄に記載されているように、2、2、6、6−テトラアルキルピペリジン化合物、又はそれらの酸付加塩もしくはそれらと金属化合物との錯体が含まれる。これらは、旭電化工業(株)からアデカスタブLA−57、同LA−52、同LA−67、同LA−62、同LA−77として、また、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社からTINUVIN 765、同144として市販されている。
これらのヒンダードアミン系光安定化剤は、それぞれ単独で、又は、2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらヒンダードアミン系光安定化剤は、勿論、可塑剤、安定化剤、紫外線吸収剤等の添加剤と併用してもよいし、これら添加剤の分子構造の一部に導入されていてもよい。その配合量は、本発明の効果を損なわない範囲で決定され、環状オレフィン系樹脂100質量部に対して、0.01〜20質量部程度であることが好ましく、より好ましくは0.02〜15質量部程度、更に好ましくは0.05〜10質量部程度である。光安定化剤は、第一の組成物の溶融物を調製するいずれの段階で添加してもよく、例えば、溶融物調製工程の最後に添加してもよい。
〔可塑剤〕
本発明の積層フィルムにおいて、第一層及び第一の組成物は、可塑剤を含有していてもよい。可塑剤の添加は、機械的性質向上、柔軟性を付与、耐吸水性付与、水分透過率低減等のフィルム改質の観点において好ましい。また、本発明の積層フィルムを溶融製膜法で製造する場合は、用いる環状オレフィン系樹のガラス転移温度よりも、可塑剤の添加によりフィルム構成材料の溶融温度を低下させることを目的として、又は、無添加の環状オレフィン系樹脂よりも同じ加熱温度において粘度を低下させることを目的として、添加されるであろう。本発明の積層フィルムには、例えばリン酸エステル誘導体、カルボン酸エステル誘導体から選択される可塑剤が好ましく用いられる。また、特開2003−12859号に記載の重量平均分子量が500〜10,000であるエチレン性不飽和モノマーを重合して得られるポリマー、アクリル系ポリマー、芳香環を側鎖に有するアクリル系ポリマー又はシクロヘキシル基を側鎖に有するアクリル系ポリマーなども好ましく用いられる。
可塑剤の含有量は特に限定されないが、環状オレフィン系樹脂100質量部に対して、1〜20質量部であることが好ましく、5〜20質量部であることがより好ましく、5〜15質量部であることが更に好ましい。
〔微粒子〕
本発明の積層フィルムにおいて、第一層及び第一の組成物は、微粒子を含有していてもよい。微粒子としては、無機化合物の微粒子や有機化合物の微粒子が挙げられ、いずれでもよい。本発明において、微粒子の平均一次粒子サイズは、ヘイズを低く抑えるという観点から5nm〜3μmであることが好ましく、5nm〜2.5μmであることがより好ましく、10nm〜2.0μmであることが更に好ましい。ここで、微粒子の平均一次粒子サイズは、透過型電子顕微鏡(倍率50万〜100万倍)で観察し、粒子100個の一次粒子サイズの平均値を求めることにより決定する。微粒子の添加量は、第一の組成物の全固形分に対して0.005〜1.0質量%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.8質量%であり、更に好ましくは0.02〜0.4質量%である。
〔光学調整剤〕
本発明の積層フィルムにおいて、第一層及び第一の組成物は、光学調整剤を含有していてもよい。光学調整剤としてはレターデーション調整剤を挙げることができ、例えば、特開2001−166144号、特開2003−344655号、特開2003−248117号、特開2003−66230号各公報記載のものを使用することができる。光学調整剤を添加することによって、面内のレターデーション(Re)、厚み方向のレターデーション(Rth)を制御することができる。好ましい添加量は第一の組成物の全固形分に対して0〜10質量%であり、より好ましくは0〜8質量%であり、更に好ましくは0〜6質量%である。
(第二の組成物)
本発明において、第二層を形成するための第二の組成物は、スチレン化合物に由来する構成単位と、シトラコン酸無水物に由来する構成単位とを含む共重合樹脂(特定共重合樹脂)を含有する。なお、本発明において、第二の組成物が、特定共重合樹脂のみからなる場合を排除するものではない。
<特定共重合樹脂>
本発明の積層フィルムは、スチレン化合物に由来する構成単位と、シトラコン酸無水物に由来する構成単位とを含む共重合樹脂(特定共重合樹脂)を含有する組成物(第二の組成物)から形成された第二層を有する。すなわち、本発明の第二の組成物は、特定共重合樹脂を含有する。特定共重合樹脂は、固有複屈折率が負である。
本発明において、「スチレン化合物」とは、「スチレン又はその誘導体」の意味である。
スチレン化合物としては、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、α,p−ジメチルスチレン、p−エチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、1,1−ジフェニルエチレンが例示される。これらの中でも、スチレン化合物としては、スチレン、α−メチルスチレンが好ましく、スチレンがより好ましい。なお、スチレン化合物は1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
特定共重合樹脂におけるスチレン化合物に由来する構成単位の含有量は、全構成単位の50〜85モル%であることが好ましく、50〜80モル%であることがより好ましく、60〜80モル%であることが更に好ましく、70〜80モル%であることが特に好ましい。スチレン化合物に由来する構成単位の含有量が上記範囲内であると、逆波長分散性に優れるので好ましい。
特定共重合樹脂におけるシトラコン酸無水物に由来する構成単位の含有量は、全構成単位の10〜25モル%であることが好ましく、10〜20モル%であることがより好ましく、12〜17モル%であること更に好ましく、12〜15モル%であることが特に好ましい。
シトラコン酸無水物に由来する構成単位の含有量が上記範囲内であると、環状オレフィン系樹脂との密着性に優れるので好ましい。
特定共重合樹脂は、スチレン化合物に由来する構成単位と、シトラコン酸無水物に由来する構成単位とを有していれば特に限定されないが、その他の構成単位を有することが好ましい。
その他の構成単位は、エチレン性不飽和化合物に由来する構成単位であれば特に限定されないが、(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸の誘導体が好ましい。上記(メタ)アクリル酸の誘導体としては、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステルを挙げることができる。上記メタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、メタクリル酸メチル等を挙げることができる。上記アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸2−エチルヘキシル等を挙げることができる。
その他の(メタ)アクリル酸の誘導体として、例えば、下記式B−1で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0006266556
上記式B−1中、Rb1及びRb2はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基を示す。1価の有機基としては、具体的には、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基が挙げられる。
本発明において、その他の構成単位としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシエキシル及び(メタ)アクリル酸2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチルに由来する構成単位が好ましく、熱安定性に優れる点で(メタ)アクリル酸メチル(以下MMAともいう。)に由来する構成単位がより好ましい。
特定共重合樹脂におけるその他の構成単位の含有量は、5〜30モル%であることが好ましく、5〜20モル%であることがより好ましく、5〜15モル%であることが更に好ましい。
特定共重合樹脂中のスチレン化合物に由来する構成単位の含有量、及び、シトラコン酸無水物に由来する構成単位の含有量は、以下の方法により決定することができる。
具体的には、フロンティア・ラボ(株)製PY−2020D(ダブルショット・パイロライザ(熱分解装置))、及び、(株)島津製作所製GC−2010/GCMS−Q2010Plusにて、樹脂に含まれる成分を定性分析した。次に、Bruker BioSpin社製AVANCE III 400HD(核磁気共鳴装置)を用いて、1H NMR法及び13C NMR法にて、組成比を定量分析した。
本発明において、特定共重合樹脂は、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよく、また、グラフト共重合体であってもよく、特に限定されない。
本発明において、特定共重合樹脂の重量平均分子量は、10,000〜500,000であることが好ましく、30,000〜300,000であることがより好ましく、50,000〜200,000であることが更に好ましい。特定共重合樹脂の重量平均分子量が上記範囲内であると、フィルム化した際に、適切な力学強度が得られるので好ましい。
本発明において、特定共重合樹脂のガラス転移温度Tgは、100〜150℃であることが好ましく、120〜140℃であることがより好ましく、125〜135℃であることが更に好ましい。特定共重合樹脂のガラス転移温度が上記範囲内であると、波長分散性の経時劣化が抑えられるので好ましい。
また、第一層の含有する環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度をTg1、第二層が含有する特定共重合樹脂のガラス転移温度をTg2としたとき、Tg1とTg2との差の絶対値(|Tg1−Tg2|)は、0〜20℃であることが好ましく、0〜15℃であることがより好ましく、0〜10℃であることが更に好ましい。ガラス転移温度の差が少ないと、第一層と第二層の接着性がより優れた積層フィルムが得られるので好ましい。
特定共重合樹脂の製造方法としては特に限定されないが、スチレン化合物、無水シトラコン酸、及び、その他のエチレン性不飽和化合物(好ましくは(メタ)アクリル酸エステル)を常法に従って、触媒の存在下でラジカル重合する方法が例示される。
特定共重合樹脂としては、上市されている製品を使用してもよく、例えば、レジスファイR−100、レジスファイR−200、レジスファイR−300(以上、電気化学工業(株)製)が例示される。
特定共重合樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
特定共重合樹脂の含有量は、第二層及び第二の組成物の固形分全量に対して、50〜100質量%であることが好ましく、60〜100質量%であることがより好ましく、70〜100質量%であることが更に好ましい。
<その他添加剤>
本発明の積層フィルムは、第二層が上記特定共重合樹脂以外の材料を含有していてもよいが、上記特定共重合樹脂の1種又は2種以上を主成分(組成物中の全材料中、最も含有割合の高い材料を意味し、当該樹脂を2種以上含有する態様では、それらの合計の含有割合が、他の材料それぞれの含有割合より高いことを意味する。)として含有していることが好ましい。上記特定共重合樹脂以外の材料としては、種々の添加剤が挙げられ、その例には、安定化剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、可塑剤、微粒子、及び光学調整剤が含まれる。これらの添加剤としては、第一層及び第一の組成物で上述した各種の添加剤が例示され、その好ましい態様も同様である。なお、上記の第一層及び第一の組成物で記載した各種の添加剤において「環状オレフィン系樹脂」は、「特定共重合樹脂」に読み替えるものとする。
(積層フィルム)
本発明の積層フィルムは、環状オレフィン系樹脂を含有する組成物から形成された第一層と、スチレン化合物に由来する構成単位と、シトラコン酸無水物に由来する構成単位とを含む共重合樹脂を含有する組成物から形成された第二層とを少なくとも有する。本発明の積層フィルムは、第一層と第二層とを一層ずつ有する態様に限定されるものではなく、第一層、第二層、第一層を積層した三層構成としてもよく、第二層、第一層、第二層を積層した三層構成にしてもよい。更に、第一層、第二層、第一層、第二層を積層した四層構成としてもよい。
積層フィルムの膜厚は、適宜選択すればよく、特に限定されないが、例えば、光学フィルム用途では、電子部材の薄手化の観点から、1〜300μmであることが好ましく、1〜150μmであることがより好ましく、1〜80μmであることが更に好ましい。
積層フィルムにおける、第一層と第二層との膜厚の比は、第一層:第二層=1:0.01〜1:100であることが好ましく、1:0.1〜1:10であることがより好ましく、1:0.2〜1:5であることが更に好ましい。
なお、積層フィルムが三層以上の構成である場合、第一層の合計膜厚と、第二層の合計膜厚との膜厚の比が、上記の範囲となることが好ましい。
本発明の積層フィルムは、光学フィルム用として使用することが好ましい。光学フィルムとしては、円偏光板、λ/2板、反射板、位相差フィルム等が例示される。本発明の積層フィルムは、位相差フィルムとして使用することがより好ましく、円偏光板(λ/4板)、λ/2板等の位相差板として特に好適に使用される。
円偏光板は、パソコン、AV(Audio/Visual、音響映像)機器、携帯型情報通信機器、ゲームやシミュレーション機器、車載用のナビゲーションシステム等、種々の分野の表示装置に用いられ、反射型液晶表示装置に利用可能である。
また、λ/2板は、プロジェクター用のPBS(Polarizing Beam Splitter、偏光ビームスプリッター)等に利用可能である。
本発明の積層フィルムは、偏光板と積層することによって、円偏光板、λ/2板等として好適に使用される。偏光板の透過軸と、積層フィルムの遅相軸とが交差していることが好ましく、30°〜60°の角度をなして交差していることがより好ましく、40°〜50°が更に好ましく、43°〜47°が特に好ましい。
<偏光板>
上記偏光板としては、特に制限はなく、従来公知のものを好適に使用することができ、例えば、ヨウ素系偏光板、二色性染料を用いる染料系偏光板、ポリエン系偏光板などが好適に挙げられる。これらの偏光板のうち、上記ヨウ素系偏光板及び上記染料系偏光板は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを延伸し、これにヨウ素あるいは二色性染料を吸着することによって製造できる。この場合、上記偏光板の偏光軸は、フィルムの延伸方向に垂直な方向となる。
上記偏光板は、保護層を有していてもよい。上記保護層は、光学的等方性が高い材料からなることが好ましく、そのような材料としては、例えば、セルロースエスエル、特にトリアセチルセルロースが好ましい。
<反射型液晶表示装置>
反射型液晶表示装置は、反射板、液晶セル及び偏光板をこの順に積層してなり、上記反射板と上記偏光板との間に本発明の積層フィルムを有することが好ましい。反射板と、液層セルと、本発明の積層フィルムと、偏光板とをこの順で積層していていもよく、反射板と、本発明の積層フィルムと、液層セルと、偏光板とをこの順で積層していてもよい。また、反射型液晶表示装置は、必要に応じて更にその他の部材等を有していてもよい。なお、上記反射型液晶表示装置において、上記積層フィルムと、上記偏光板とが積層されている場合、この積層物が円偏光板に相当する。
〔反射板〕
上記反射板としては、特に制限はなく、従来公知のものを好適に使用することができる。上記反射板は、一般に後述する液晶セルの裏側透明基板の外側に配置される。
〔液晶セル〕
液晶セルとしては、特に制限はなく、従来公知のものを好適に使用することができ、例えば、表側透明基板と裏側透明基板との間に、TN型液晶層が充填されて構成されているものが好適に挙げられる。この場合、上記表側透明基板の内側と、上記裏側透明基板の内側とには、ITO(インジウム錫酸化物)の導電膜からなる電極層が形成されている。なお、本発明においては、液晶層として上記TN型液晶層のみならず、STN型液晶層を採用してもよい。
液晶セルの駆動は、マトリックス駆動であっても、セグメント駆動であってもよく、マトリックス駆動の場合、単純マトリックス駆動方式であってもよいし、アクティブマトリックス駆動方式であってもよい。
〔偏光板〕
偏光板としては、特に制限はなく、従来公知のものを好適に使用することができ、上述したものが挙げられる。偏光板は、本発明の積層フィルムと共に、上記液晶セルの表側透明基板の外側に配置されることが好ましい。
以上の反射型液晶表示装置は、白黒表示用のものであるが、本発明においては更に、上記表側透明基板と本発明の積層フィルムとの間にカラーフィルター層を配置し、表側透明基板上にカラーフィルター層を形成することにより、カラー表示用のものとしてもよい。
以下、反射型液晶表示装置の白黒表示機能について説明する。電極層に電圧を印加しない状態(白表示)において、偏光板に光が入射されると、この入射光は、偏光板によって偏光軸方向の直線偏光となる。この直線偏光は、本発明の積層フィルムによって円偏光に変換され、液晶セルに入射する。この円偏光は、液晶層の液晶性分子により、偏光軸と平行の直線偏光として反射板に到達し、反射板で反射されて再び液晶セルに入射する。入射した直線偏光は、再び上記液晶層により、円偏光となり、積層フィルムを経て、再び偏光軸と平行の直線偏光に変換され、上記偏光板を透過して、白表示となる。
次に、電極層に液晶飽和電圧より高い電圧を印加した状態(黒表示)においては、偏光板を透過した直線偏光は、本発明の積層フィルムにより円偏光に変換される。そして、この円偏光はそのまま反射板によって反射され、液晶セルをそのまま透過し、本発明の位相差板を透過する。すなわち、偏光板に再び到達するまでに、直線偏光は上記反射板を挟んで、本発明の積層フィルムを2回透過するので、直線偏光の位相差が90°ずれ、上記反射板からの反射光は偏光板を透過せず、黒表示となる。
反射型液晶表示装置においては、広帯域の本発明の積層フィルムによって、可視光領域ほぼ全域の直線偏光が円偏光に変換される。その結果、液晶セルに入射する光の波長分散性に起因する着色及びコントラストの低下が軽減され、高コントラストな表示が可能となる。
本発明の積層フィルムはレターデーションの逆波長分散性に優れる。レターデーションの逆波長分散性とは、波長が大きくなるほど、複屈折が大きくなるという特性である。
すなわち、本発明の積層フィルムは、波長λnmにおけるレターデーションをRe(λ)としたとき、可視光波長の全域にわたって、Re(λ)/λを一定とし、広帯域にわたって均一な位相差特性を有する積層フィルムであることが好ましい。なお、後述する延伸条件を制御することで、積層フィルムの特性を制御することができる。
本発明の積層フィルムを、円偏光板の位相差フィルムとして使用する場合には、波長450nm〜650nmの範囲において、Re(λ)/λが、0.2〜0.3であることが好ましく、0.23〜0.27であることがより好ましく、0.24〜0.26であることが更に好ましい。
また、本発明の積層フィルムを、λ/2板の位相差フィルムとして使用する場合には、波長450nm〜650nmの範囲において、Re(λ)/λが0.40〜0.60であることが好ましく、0.46〜0.54であることがより好ましく、0.48〜0.52であることが更に好ましい。
また、本発明の積層フィルムは、波長450nmにおけるレターデーションをRe(450)、波長550nmにおけるレターデーションをRe(550)としたとき、Re(450)/Re(550)が0.95以下であることが好ましく、0.90以下であることがより好ましく、0.85以下であることが更に好ましい。
本発明の積層フィルムは、表面粗さRaが0.4μm以下であることが好ましい。表面粗さが0.4μm以下であると、ヘイズが減少し、透明性に優れた位相差フィルムが得られるので好ましい。なお、表面粗さRaの好ましい範囲は、積層フィルムの少なくとも一方の面が上記範囲内であればよいが、両面が上記の表面粗さRaの範囲であることが好ましい。
ここで、表面粗さRaは、フィルムを10×10cmにサンプリングし、レーザー干渉計F601(フジノン(株)製)を用い、JIS B 0601−2013に従って、Ra値を求めた。
表面粗さRaは、0.2μm以下であることがより好ましく、0.1μm以下であることが更に好ましい。
後述する挟圧する工程を行うことによって、表面粗さRaの小さな積層フィルムが得られる。
2.積層フィルムの製造方法
本発明の積層フィルムの製造方法は特に限定されず、種々の方法で製造することができる。例えば、環状オレフィン系樹脂を溶媒に溶解した塗布液として、第一の組成物を調製し、同様に、特定共重合樹脂を溶媒に溶解した塗布液として、第二の組成物を調製し、上記塗布液を支持体(又は、仮支持体)上に順次塗布(又は、同時に重層塗布)し、その後、乾燥することによって製膜化して作製してもよい。また、共押し出しを利用して作製することもできる。
これらの中でも、本発明の積層フィルムの製造方法は、第一の組成物と、第二の組成物を共押し出しする工程を含むことが好ましく、共押し出しされた組成物を、挟圧装置を構成する第一挟圧面と、第二挟圧面との間を通過させて連続的に挟圧する工程を更に含むことがより好ましい。
また、共押し出しされた組成物、又は、共押し出し後、更に挟圧された組成物を、延伸する工程を有することが好ましい。
(共押し出しする工程)
上記の共押し出しする工程では、例えば、押し出し機中に、第一の組成物及び第2の組成物をそれぞれ格納し、加熱及び加圧して、それぞれ流動状態とし、ダイからそれぞれ連続的に押し出す方法が例示される。
引き続き、共押し出しされた組成物を、ニップロールのニップ部に連続的に挿通させて、圧着させることが好ましい。
なお、三層構成の積層フィルムを形成する場合には、押し出し機中に、三層目を構成するための第一の組成物又は第二の組成物を格納し、共押し出しにより三層構造とすることが好ましい。
本発明の積層フィルムの製造方法は、第一の組成物及び第二の組成物を押し出し機に入れ、組成物を溶融し、ダイに連続的に送り、ダイよりシート状に共押し出しされた溶融樹脂をキャスティングドラム上で冷却固化し、未延伸の積層フィルムを得ることが好ましい。必要に応じて、押し出し機の出口で濾過を行ったり、また、押し出し機とダイの間にギアポンプを設けて、ギアポンプから一定量の樹脂を供給することが好ましい。
押し出し機の種類として、一般的には設備コストの比較的安い単軸押し出し機が用いられることが多く、フルフライト、マドック、ダルメージ等のスクリュータイプがあるが、フルフライトタイプが好ましい。また、スクリューセグメントを変更することにより、途中でベント口を設けて不要な揮発成分を脱揮させながら押し出しができる二軸押し出し機を用いることが可能である。二軸押し出し機には大きく分類して同方向と異方向のタイプがありどちらも用いることが可能であるが、滞留部分が発生しにくくセルフクリーニング性能の高い同方向回転のタイプが好ましい。
樹脂組成物中の異物濾過のためや異物によるギアポンプ損傷を避けるために、押し出し機出口にフィルター濾材を設けるいわゆるブレーカープレート式の濾過を行ってもよい。また、更に異物濾過をするために、ギアポンプ通過後にいわゆるリーフ型ディスクフィルターを組み込んだ濾過装置を設けてもよい。濾過は、濾過部を1カ所設けて行うことができ、また複数カ所設けて行う多段濾過でもよい。フィルター濾材の濾過精度は3〜15μmが用いられる。耐圧、フィルターライフの適性を確保するために装填枚数にて調整することが可能である。濾材の種類は、高温高圧下で使用される点から鉄鋼材料を用いることが好ましく、鉄鋼材料の中でも特にステンレス鋼、スチールなどを用いることが好ましく、腐食の点から特にステンレス鋼を用いることが望ましい。濾材の構成としては、線材を編んだものの他に、例えば金属長繊維あるいは金属粉末を焼結し形成する焼結濾材が使用でき、濾過精度、フィルターライフの点から焼結濾材が好ましい。
本発明においては、固形粒状物の量を調節する手段の一つとして、フィルターを用いてもよい。固形粒状物は軟らかく、変形可能なため、固形粒状物の直径よりも小さいフィルター濾過精度のものを使用してもある一定量通り抜ける。そのため一般的に用いられる濾過精度3〜15μmのものを用いることができる。
押し出し機とダイの間にギアポンプを設けて、ギアポンプから一定量の樹脂を供給することが好ましい。この回転数に変動を与えることで、吐出圧変動を付与できる。ギアポンプとは、ドライブギアとドリブンギアとからなる一対のギアが互いに噛み合った状態で収容され、ドライブギアを駆動して両ギアを噛み合い回転させることにより、ハウジングに形成された吸引口から溶融状態の樹脂をキャビティ内に吸引し、同じくハウジングに形成された吐出口からその樹脂を一定量吐出するものである。
図1は、本発明に好適に使用される共押し出し機の一例を示す概略図である。
図1に示す共押し出し機20のダイス22には、押し出し機24、26の2台が取り付けられ、押し出し機24及び押し出し機26に格納された樹脂ホッパーが、ダイス22内部で合流する構造となっている。押し出し機26には、2つの開口部があり、ダイス22内部では、押し出し機24から押し出された樹脂ホッパー1を中心として、押し出し機26の2つの開口部から押し出された樹脂ホッパー2が樹脂ホッパー1の両側から合流する構造となっている。ダイス22の内部構造を図2に示した。また、ダイス22の下部には、ロール28、30、32が配置され、ダイス22から押し出された積層フィルム34の厚みを調整可能に構成されている。
なお、図1及び図2では、3層の積層フィルムが得られるが、押し出し機26の開口部を1つにすることによって、2層の積層フィルムが得られる。
ダイは、一般的に用いられるTダイ、フィッシュテールダイ、ハンガーコートダイのいずれのタイプを用いてもよい。また、ダイの直前に樹脂温度の均一性アップのためのスタティックミキサーを入れてもよい。
上記方法にて、ダイよりシート上に押し出された溶融樹脂をキャスティングドラム上で冷却固化し、未延伸フィルムを得る。この時、静電印加法、エアナイフ法、エアーチャンバー法、バキュームノズル法、タッチロール法等の方法を用い、キャスティングドラムと溶融押し出ししたシートの密着を上げることが好ましい。このような密着向上法は、溶融押し出しシートの全面に実施してもよく、一部に実施してもよい。特にエッジピニングと呼ばれる、フィルムの両端部のみを密着させる方法が取られることも多いが、これに限定されるものではない。
キャスティングドラムは複数本用いて徐冷することがより好ましい。特に一般的には3本の冷却ロールを用いることが比較的よく行われているが、この限りではない。ロールの直径は50mm〜5,000mmが好ましく、複数本あるロールの間隔は、面間で0.3mm〜1000mmが好ましい。
キャスティングドラムの温度は、本発明の積層フィルムの表層に用いられた、環状オレフィン系樹脂及び特定共重合樹脂が有するガラス転移温度のうち、最低のガラス転移温度をTgminとしたとき、Tgmin−70℃〜Tgmin+20℃が好ましく、Tgmin−50℃〜Tgmin+10℃がより好ましく、Tgmin−30℃〜Tgmin+5℃が更に好ましい。
(挟圧する工程)
また、挟圧装置を構成する第一の挟圧面と、第二の挟圧面との間を通過させて連続的に挟圧する、いわゆるタッチロール法を用いる場合、タッチロール表面は、ゴム、テフロン(登録商標)等の樹脂でもよく、金属ロールでもよい。更に、金属ロールの厚みを薄くすることでタッチしたときの圧力によりロール表面が若干くぼみ、圧着面積が広くなるフレキシブルロールと呼ばれるようなロールを用いてもよい。タッチロール法については、特開平11−235747号公報の記載が参照される。
本発明の積層フィルムの製造方法は、挟圧する工程を有することが好ましく、上記工程を有することにより、第一層と第二層との接着性をより高めることができ、更に、表面粗さRaの小さな積層フィルムが得られるので好ましい。
通過する溶融樹脂にかける圧力が0.1〜500MPaであることが好ましく、より好ましくは0.25〜250MPaであり、更に好ましくは0.5〜100MPaである。ここで規定する圧力とは、挟圧面を押付けている力をフィルムと挟圧面間の接触面積で割った値である。ロール間の圧力は、圧力測定フィルム(富士フイルム(株)製、中圧用プレスケール等)を常温で5m/分の速度で、2つのロールに通すことで測定することができる。
タッチロール温度は、本発明の積層フィルムの表層に用いられた、環状オレフィン系樹脂及び特定共重合樹脂が有するガラス転移温度のうち、最低のガラス転移温度をTgminとしたとき、Tgmin−70℃〜Tgmin+20℃が好ましく、Tgmin−50℃〜Tgmin+10℃がより好ましく、Tgmin−30℃〜Tgmin+5℃が更に好ましい。
(その他の工程)
本発明では、必要に応じて延伸処理を行ってもよく、具体的には、キャストドラム上に押し出されたキャストフィルム(未延伸原反)を機械的流れ方向に延伸する縦(MD)一軸延伸、又は、機械流れ方向に直行する方向に延伸する横(TD)一軸延伸(テンター延伸)が好ましい。なお、若干であれば、厚み方向制御のため、二軸延伸を行ってもよい。
延伸処理により、レターデーションを所望の範囲に調整することが好ましい。なお、延伸処理を経ることなく、レターデーションが所望の範囲であれば、延伸処理を施すことなく、そのままで使用してもよい。
縦延伸は、通常2対以上のニップロールを設置し、その間を加熱した原反を通しながら、出口側ニップロールの周速を入口側より速くすることで達成できる。この時、表裏に温度差を付与することが好ましい。
また、縦延伸の前に原反を予熱することが好ましい。環状オレフィン系樹脂及び特定共重合樹脂が有するガラス転移温度のうち、最高のガラス転移温度をTgmaxとしたとき、予熱温度はTgmax−50℃〜Tgmax+30℃が好ましく、Tgmax−40℃〜Tgmax+15℃がより好ましく、Tgmax−30℃〜Tgmax℃が更に好ましい。このような予熱は、加熱ロールと接触させてもよく、放射熱源(赤外線(IR)ヒーター、ハロゲンヒーター等)を用いてもよく、熱風を吹き込んでもよい。
縦延伸はTgmax−10℃〜Tgmax+50℃で行うことが好ましく、Tgmax℃〜Tgmax+40℃がより好ましく、Tgmax℃〜Tgmax+30℃が更に好ましい。延伸倍率は所望の位相差板を得られるように調整すればよい。
縦延伸後、冷却することが好ましく、冷却温度は、Tgmax−50℃〜Tgmax℃が好ましく、Tgmax−45℃〜Tgmax−5℃がより好ましく、Tgmax−40℃〜Tgmax−10℃が更に好ましい。このような冷却は、冷却ロールに接触させてもよく、冷風を吹き付けてもよい。
横延伸はテンターを用いて行うことが好ましい。すなわち、積層フィルムの両端をクリップで把持しながら熱処理ゾーンを搬送し、クリップを幅方向に拡げることで行うことができる。
好ましい延伸温度はTgmax−10℃〜Tgmax+50℃であり、より好ましくはTgmax℃〜Tgmax+40℃、更に好ましくはTgmax℃〜Tgmax+30℃である。延伸倍率は1.1〜5.5倍が好ましく、より好ましくは1.3〜3倍である。
延伸工程においては、延伸処理後に、フィルムに熱処理を行うことが好ましい。
熱処理とは、好ましくはTgmax+10℃〜Tgmax+50℃程度(より好ましくはTgmax+15℃〜Tgmax+30℃)で、好ましくは1〜60秒間(より好ましくは2〜30秒間)の熱処理をフィルムに施すことをいう。熱固定は、横延伸に引き続き、テンター内でチャックに把持した状態で行うことが好ましく、この際チャック間隔は横延伸終了時の幅で行っても、更に拡げても、あるいは幅を縮めて行ってもよい。
上記の延伸処理において、環状オレフィン系樹脂及び特定共重合樹脂の延伸方向は一致するので、二層の遅相軸を必然的に直交させることができる。従って、従来の積層型位相差板の作製に必要であった、延伸フィルムのチップ切り取り時や、チップ貼合時の微妙かつ煩雑な角度合わせ等の操作を経ることなく、簡易な工程による製造が可能となる。すなわち、本発明の積層フィルムは、広帯域(可視光域)の光に対して均一な位相差特性を与えることができると共に、作製に際して共押し出し等を利用することにより、積層体であるにもかかわらず、簡易な工程により、低コストに形成可能である。
本発明において、積層フィルムの密着性向上等を目的として、表面処理を行ってもよい。表面処理としては、コロナ放電処理、紫外線処理、グロー放電処理、大気圧プラズマ処理、火炎処理等(以下、処理等という。)が挙げられる。
コロナ放電処理の放電周波数は50Hz〜5,000kHzが好ましく、5kHz〜数100kHzがより好ましい。被処理物の処理強度に関しては、通常のポリエステル、ポリオレフィン等のプラスチックフィルムに対する濡れ性改良の観点では、0.001KV・A・分/m2〜5KV・A・分/m2が好ましく、0.01KV・A・分/m2〜1KV・A・分/m2がより好ましい。電極と誘電体ロールのギャップクリアランスは0.5〜2.5mmが好ましく、1.0〜2.0mmがより好ましい。
紫外線処理としては、従来知られている方法、例えば、特公昭43−2603号公報、特公昭43−2604号公報、特公昭45−3828号公報、特開平6−82961号公報等に記載された方法を用いることができる。
その他の処理等の詳細は、特許第3123872号、特許第4958824号等の各公報に記載された方法を用いることができる。
また、製造された積層フィルムの表面に塗布してもよく、これにより易接着層、樹脂層、導電層、ハードコート層、帯電防止層等の機能層を付与できる。
製膜後、延伸後に両端をトリミングし、巻き取ることが好ましい。トリミングされた部分は、粉砕処理された後、又は、必要に応じて造粒処理等を行った後、同じ品種のフィルム用原料として、又は、異なる品種のフィルム用原料として再利用してもよい。トリミングカッターはロータリーカッター、シャー刃、ナイフ等のいずれのタイプを用いてもよい。材質についても、炭素鋼、ステンレス鋼のいずれを用いてもよい。一般的には、超硬刃、セラミック刃を用いると刃物の寿命が長く、好ましい。
また、巻き取り前に、少なくとも片面にラミフィルム(ラミネートフィルム)を付けることも、傷防止の観点から好ましい。好ましい巻き取り張力は1kg/m幅〜50kg/m幅であり、より好ましくは2kg/m幅〜40kg/m幅であり、更に好ましくは3kg/m幅〜20kg/m幅である。巻き取り張力が1kg/m幅以上であれば、フィルムを均一に巻き取りやすく、巻き取り張力が50kg/m幅以下であれば、フィルムが堅巻きになることがなく、巻き外観を美しく保つことができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
実施例及び比較例で使用した成分は以下の通りである。
(環状オレフィン系樹脂)
・R−5000:ARTON R−5000、JSR(株)製、環状オレフィン樹脂(有機基を有する。)、Tg=136℃
・Zeonor 1420R:日本ゼオン(株)製、環状オレフィン樹脂(有機基を有さない。)、Tg=136℃
(共重合樹脂)
・レジスファイR−100:電気化学工業(株)製、変性スチレン樹脂、Tg=128℃、スチレンユニット:シトラコン酸無水物ユニット:メタクリル酸ユニット=65:16:19(モル比)
・レジスファイR−200:電気化学工業(株)製、変性スチレン樹脂、Tg=132℃、スチレンユニット:シトラコン酸無水物ユニット:メタクリル酸ユニット=57:18:25(モル比)
・レジスファイR−300:電気化学工業(株)製、変性スチレン樹脂、Tg=130℃、スチレンユニット:シトラコン酸無水物ユニット:メタクリル酸ユニット=77:15:10(モル比)
・ダイラークD332:ノバケミカル社製、変性スチレン樹脂、Tg=131℃、スチレンユニット:無水マレイン酸ユニット=75:25(モル比)
・HF77:エーアンドエムスチレン社、スチレン樹脂、Tg=90℃
・デルペット80N:旭化成(株)製、メタクリル樹脂、Tg=100℃
(実施例1)
<フィルムの作製>
第一の樹脂(第一の組成物)として、極性基を有する環状オレフィン樹脂ARTON R5000(Tg=136℃)のペレットを用い、第二の樹脂(第二の組成物)として、シトラコン酸無水物に由来する構成単位を含む、変性スチレン樹脂 レジスファイR−100(Tg=128℃)のペレットを用い、100℃において2時間以上乾燥し、260℃で溶融し、各々2軸混練押し出し機を用い混練し押し出しした。このとき押し出し機とダイの間にスクリーンフィルター、ギアポンプ、リーフディスクフィルターをこの順に配置し、これらをメルト配管で連結し、幅450mm、リップギャップ1mmの2種2層の共押し出しダイから、第一の樹脂と第二の樹脂の厚みが1:1となるように、共押し出しした。
また、レジスファイR−100のペレットを、熱分解GC−MS、1H NMR法及び13C NMR法にて、その組成比を分析し、表1に載せた。
この後、ガラス転移温度128、123℃、113℃に設定した3連のキャストロール上にキャストした。
固化したメルトをキャストドラムから剥ぎ取り、巻き取り直前に両端(全幅の各5%)をトリミングした後、両端に幅10mm、高さ50μmの厚みだし加工(熱間ナーリング)をつけた後、30m/分で幅2.0m、長さ500mの、厚み100μmの未延伸フィルムを得た。
得られた積層フィルムを、周速の異なる2対のニップロールの間に通し、141℃で、2倍、縦方向に一軸延伸を行い、第一の樹脂層が25μm、第二の樹脂層が25μmの、トータル厚み50μmの積層延伸フィルムを得た。
<評価>
〔層間剥離強度〕
実施例1で得られた積層フィルムを100mm巾×150mm長にカットして、サンプル片を1枚準備した。このサンプル片を、100mm巾×150mm長にカットしたEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)シート(Hangzhou First PV Material Co., Ltd製のEVAシート:F806)、100mm巾×150mm長にカットしたPEN(ポリエチレンナフタレート)フィルム(帝人(株)製、テオネックスQ51)の順に配置した。真空ラミネータ(日清紡(株)製の真空ラミネート機PVL0505S)を用いて、120℃で5分間の真空引き後、10分間加圧して、サンプル片の一端から100mmの部分はEVAシートと未接着で、残りの50mmの部分にEVAシートが接着された接着評価用試料を得た。なお、サンプル片のEVAシートと貼り合わせる側(EVAシートと接触する側)は、サンプル片のうち、環状オレフィン系樹脂を含有する組成物から形成された第一層側とした。
得られた接着評価用試料を巾15mmにカットした後、PENフィルム側のEVA未接着部分を180度に曲げ、テンシロン(ORIENTEC製、RTC−1210A)の上クリップに、積層フィルム側を下クリップに挟み、剥離角度180°、引っ張り速度30mm/分で引っ張り試験を行い、接着力を測定した。EVAシートと接着層界面で剥離する等して、積層フィルムと接着層間の剥離力が測定できない場合は、積層フィルムにカッターで切れ込みを入れることにより、積層フィルムの第一の樹脂層と第二の樹脂層で層間剥離が起こるようにし、層間の接着力を測定し、結果を表1に示した。
なお、層間剥離強度は、0.5N/cm以上であることが好ましく、1N/cm以上であることがより好ましく、5N/cm以上であることが更に好ましい。
〔フィルムのレターデーション〕
得られた実施例1の延伸フィルム中央部の互いに2mm以上離れた任意の10点の位置でサンプリングを行い、25℃・相対湿度60%に5時間以上調湿後、自動複屈折計(KOBRA−21ADH:王子計測器(株)製)を用いて、25℃・相対湿度60%において、波長450nm及び550nmにおける正面レターデーション値Re(450)とRe(550)を測定し、表1に載せた。
Re(450)/Re(550)は、0.95以下が好ましく、0.90以下がより好ましく、0.85以下が更に好ましい。
〔フィルムの表面粗さ〕
フィルムを10×10cmにサンプリングし、レーザー干渉計F601(フジノン(株)製)を用いて、JIS B 0601−2013に従って、Ra値を求め、結果を表1に示した。フィルムの表面粗さが小さいことが好ましく、0.4μm以下であることがより好ましく、0.2μm以下であることが更に好ましく、0.1μm以下であることが特に好ましい。表面粗さが小さいと、表面のヘイズが下がり、透明性がより向上するので好ましい。
なお、得られた積層フィルムは、両面で同じ表面粗さRaを示した。
(実施例2及び3)
第二の樹脂として、シトラコン酸無水物を含む、変性スチレン樹脂を、表1記載の樹脂に変更した以外は、実施例1と同様にして、積層フィルムを作製し、評価した。
(実施例4〜9)
第二の樹脂として、シトラコン酸無水物を含む、変性スチレン樹脂を、表1記載の樹脂に変更し、また、ダイ吐出後に、最上流側のキャストロールに、特開平11−235747の実施例1に記載の、128℃に調温したタッチロールを接触させて製膜した以外は、実施例1と同様にして、積層フィルムを作製した。なお、フィルムにかかるタッチロールの圧力は、プレスケール(富士フイルム(株)製)をメルトのない状態で、2つのロールに挟みこむことで測定し、表1に示した。
(実施例10〜15、及び、比較例1〜9)
第一の樹脂及び第二の樹脂を、表1記載の樹脂に変更した以外は、実施例1と同様にして、積層フィルムを作製し、評価した。
Figure 0006266556
なお、表1中、Stはスチレンを表し、Ciはシトラコン酸無水物を表し、Acはメタクリル酸メチルを表し、MAは無水マレイン酸を表す。組成の欄は、各構成単位のモル比を表す。
本発明のフィルムは、特に層間剥離強度が高く、更に、Re(450)/Re(550)が小さいため、優れた逆分散特性を示すことが分かる。また、表面粗さも小さいため、例えば、偏光板と貼り合わせた場合に、優れた接着性や、透明性を示すことが分かる。
(偏光板の作製)
作製した実施例1のフィルムを用いて偏光板を作製した。具体的には、まず、延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光フィルムを作製した。この偏光フィルムを用いて、80μmのTACフィルム(富士フイルム(株)製)と、実施例1のフィルムで貼合わせた。得られた偏光板は、優れた広帯域円偏光板としての性能を確認することができた。
(有機EL用反射防止フィルム)
特開平9−127885号公報に従って、実施例1のフィルムと直線偏光板を、遅相軸と吸収軸の角度が45度になるように張り合わせ、反射防止フィルムを作成した。その反射防止フィルムを、有機EL表示装置に組み込み、左右上下の特性に優れた反射防止機能を確認した。
(実施例101)
実施例1において、2種3層の共押し出しダイを用いて、第一の樹脂/第二の樹脂/第一の樹脂が厚みの比が1:2:1となるように、共押し出しした。実施例1のフィルムと、同等の層間剥離強度、Re(450)/Re(550)、表面粗さが得られ、更に、積層フィルムのソリが少ないことが確認できた。また、偏光板、有機EL用反射防止フィルムとして応用すると、優れた性能を示すことを確認した。
20 共押し出し機
22 ダイス
24、26 押し出し機
28、30、32 ロール
34 積層フィルム

Claims (7)

  1. 環状オレフィン系樹脂を含有する組成物から形成された第一層と、
    スチレン化合物に由来する構成単位と、シトラコン酸無水物に由来する構成単位とを含む共重合樹脂を含有する組成物から形成された第二層と、を有することを特徴とする、
    積層フィルム。
  2. 前記共重合樹脂のスチレン化合物に由来する構成単位の含有量が50〜85モル%であり、シトラコン酸無水物に由来する構成単位の含有量が10〜25モル%である、請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 前記環状オレフィン系樹脂が、下記式I〜式IIIのいずれかで表される構成単位を有する、請求項1又は2に記載の積層フィルム。
    Figure 0006266556
    式I〜式III中、Rb1〜Rb12はそれぞれ独立に、水素原子又は1価の置換基を表す。
  4. 前記積層フィルムの表面粗さRaが0.4μm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  5. 前記積層フィルムが、光学フィルム用である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  6. 前記積層フィルムが、位相差フィルムである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  7. 第一の組成物と、第二の組成物を共押し出しする工程、及び、
    共押し出しされた組成物を、挟圧装置を構成する第一挟圧面と、第二挟圧面との間を通過させて連続的に挟圧する工程を含み、
    第一の組成物が、環状オレフィン系樹脂を含み、
    第二の組成物が、スチレン化合物に由来する構成単位と、シトラコン酸無水物に由来する構成単位と、を含む共重合樹脂を含むことを特徴とする、
    積層フィルムの製造方法。
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