JP4586553B2 - 位相差フィルム、及び位相差フィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
該延伸フィルムからなる位相差フィルムには、ポリカーボネート系樹脂フィルムを始めとして種々のものが利用されてきたが、その中でも、透明性に優れ、STN型等のLCDに対する視野角補償に効果が大きいポリスチレン系樹脂フィルムが注目されている(引用文献1)。
ところが、ポリスチレン系樹脂フィルムは機械的強度に劣るために、延伸処理を施すと容易に破断してしまい、製造効率に劣るといった欠点が指摘されていた。
この問題を解消するため、ポリスチレン系樹脂等の固有複屈折値が負の材料からなる層と、ポリノルボルネン系樹脂等の固有複屈折値が正の材料からなる層とを積層した積層フィルムを共延伸することにより位相差フィルムを得る手法が提案されている(引用文献2、3)。
(1)ポリスチレン系樹脂からなるフィルム(A層)の両面に、ポリノルボルネン系樹脂からなるフィルム(B層)が積層された位相差フィルムであって、
ポリスチレン系樹脂及びポリノルボルネン系樹脂のガラス転移温度をそれぞれTg(A)(℃)及びTg(B)(℃)としたとき、Tg(A)>Tg(B)+20℃、且つ、80℃≦Tg(B)≦120℃であり、
ポリノルボルネン系樹脂のメルトフローレート(JIS K7210に準じて、温度280℃、荷重21.18N(条件S)で測定)が5〜50g/10分であることを特徴とする位相差フィルム、
(2)波長400〜700nmの光で測定したA層の正面方向のレターデーション及びB層の正面方向のレターデーションをそれぞれRe(A) 及びRe(B)としたとき、|Re(A)|>|Re(B)|、且つ、|Re(B)|が40nm以下であり、係数Nzが0以下であることを特徴とする(1)記載の位相差フィルム、
(3)波長400〜700nmの光で測定したA層の正面方向のレターデーションRe(A)が112nm〜115nmであることを特徴とする(1)又は(2)記載の位相差フィルム、
(4)(1)〜(3)のいずれか一項に記載の位相差フィルムの製造方法であって、
ポリスチレン系樹脂とポリノルボルネン系樹脂とを共押出しして、ポリスチレン系樹脂からなるa層の両面にポリノルボルネン系樹脂からなるb層が積層された積層フィルムを製膜し、
製膜された積層フィルムを共延伸することを特徴とする、位相差フィルムの製造方法、
を提供するものである。
付加重合触媒としては、例えば、チタン、ジルコニウム、バナジウムなどの金属の化合物と有機アルミニウム化合物からなる触媒などを用いることができる。
また、実施例及び比較例において、測定及び評価は下記の方法で行った。
(1)メルトフローレート
JIS K7210(温度280℃、荷重21.18N(条件S))に基づいて、(株)東洋精機製作所製 メルトインデクサ F-B01により測定する。
(2)ガラス転移温度
JIS K 7121に基づいて示差走査熱量分析法(DSC)により測定する。
(3)正面方向のレターデーションRe
自動複屈折計[王子計測機器(株)製、KOBRA-21ADH]を用いて測定する。なお、A層のReと、B層のReについては、フィルムからA層及びB層を分離して測定する。
(4)厚み方向のレターデーションRth
上記(3)と同様にして、自動複屈折計[王子計測機器(株) 製、KOBRA-21ADH]を用いて測定する。
(5)NZ係数
自動複屈折計[王子計測機器(株) 製、KOBRA-21ADH]を用いて測定する。
(6)液晶表示装置の視野角特性
フィルムをインプレーンスイッチング(IPS)モードの液晶表示装置に組み込んだ後、正面方向からと極角60°以内の画面上下の斜め方向からの黒表示時の画面表示特性を目視により観察する。なお、極角とは、液晶表示画面を観察する際に、正面方向から傾けてみたときの角度をいう。
ノルボルネン開環重合体水素化物[ガラス転移温度100℃、メルトフローレート10g/10分]からなるB層、スチレン-無水マレイン酸共重合体[ガラス転移温度130℃]からなるA層を有する、b層(50μm)-a層(50μm)-b層(50μm)の積層フィルムC1を共押出成形により得た。
積層フィルムC1を、延伸温度136℃、延伸速度7.5m/分、延伸倍率2.4倍でテンター横延伸し、厚さ75μmの位相差フィルムD1を得た。
得られた位相差フィルムD1の中央部から試験片を切り出し、位相差フィルム(試験片)の遅相軸と偏光板[サンリッツ社製、HLC2-5618]の吸収軸とが垂直になるように積層した光学素子E1を、市販のインプレーンスィッチング(IPS)モードの液晶表示装置の視認側の偏光板と置き換え、評価を行った。この際、位相差フィルムの遅相軸とバックライト側偏光板の吸収軸とを平行にし、位相差フィルムが液晶セル側に配置されるように光学素子E1を組み込んだ。評価結果を表1及び表2に示す。
B層として、ノルボルネン開環重合体水素化物[ガラス転移温度100℃、メルトフローレート30g/10分]を用いる以外は、実施例1と同様にして、b層(50μm)-a層(50μm)-b層(50μm)の積層フィルムC2を共押出成形により得た。さらに、実施例1と同様にして、横延伸を行い位相差フィルムD2を得た。加えて、実施例1と同様にして、位相差フィルムD2と偏光板とを積層して光学素子E2を作製した。さらに光学素子E2をIPSモードの液晶表示装置に組み込んで評価を行った。評価結果を表1及び表2に示す。
B層として、ノルボルネン開環重合体水素化物[ガラス転移温度100℃、メルトフローレート70g/10分]を用いる以外は、実施例1と同様にして、b層(50μm)-a層(50μm)-b層(50μm)の積層フィルムC3を共押出成形により得た。さらに、実施例1と同様にして、横延伸を行おうと試みたが、積層フィルムC3のb層の樹脂が延伸設備に粘着してしまい製膜できなかった。
B層として、ノルボルネン開環重合体水素化物[ガラス転移温度140℃、メルトフローレート30g/10分]を用いる以外は、実施例1と同様にして、b層(50μm)-a層(50μm)-b層(50μm)の積層フィルムC4を共押出成形により得た。さらに、実施例1と同様にして、横延伸を行い位相差フィルムD4を得た。加えて、実施例1と同様にして、位相差フィルムD4と偏光板とを積層して光学素子E4を作製した。さらに光学素子E4をIPSモードの液晶表示装置に組み込んで評価を行った。評価結果を表1及び表2に示す。
B層として、ノルボルネン開環重合体水素化物[ガラス転移温度100℃、メルトフローレート2g/10分]を用いる以外は、実施例1と同様にして、b層(50μm)-a層(50μm)-b層(50μm)の積層フィルムC5を共押出成形により得た。さらに、実施例1と同様にして、横延伸を行い位相差フィルムD5を得た。加えて、実施例1と同様にして、位相差フィルムD5と偏光板とを積層して光学素子E5を作製した。さらに光学素子E5をIPSモードの液晶表示装置に組み込んで評価を行った。評価結果を表1及び表2に示す。
B層として、ノルボルネン開環重合体水素化物[ガラス転移温度140℃、メルトフローレート70g/10分]を用いる以外は、実施例1と同様にして、b層(50μm)-a層(50μm)-b層(50μm)の積層フィルムC6を共押出成形により得た。さらに、実施例1と同様にして、横延伸を行おうと試みたが、積層フィルムC6のb層の樹脂が延伸設備に粘着してしまい製膜できなかった。
実施例1及び実施例2から、本発明の位相差フィルムは、フィルムに破断や焼け等が生じることもなく安定的に製膜され、フィルムのReのばらつきやRthのばらつきが小さいことがわかる。さらに、本発明の位相差フィルムを、液晶表示装置に使用して表示性能を確認すると、画面においての部分的な色相変化も全く見られない上に、斜めから観察した場合にも良好な表示を確認でき、表示特性が良好であることがわかる。
Claims (4)
- ポリスチレン系樹脂からなるフィルム(A層)の両面に、ポリノルボルネン系樹脂からなるフィルム(B層)が積層された位相差フィルムであって、
ポリスチレン系樹脂及びポリノルボルネン系樹脂のガラス転移温度をそれぞれTg(A)(℃)及びTg(B)(℃)としたとき、Tg(A)>Tg(B)+20℃、且つ、80℃≦Tg(B)≦120℃であり、
ポリノルボルネン系樹脂のメルトフローレート(JIS K7210に準じて、温度280℃、荷重21.18N(条件S)で測定)が5〜50g/10分であることを特徴とする位相差フィルム。 - 波長400〜700nmの光で測定したA層の正面方向のレターデーション及びB層の正面方向のレターデーションをそれぞれRe(A)及びRe(B)としたとき、|Re(A)|>|Re(B)|、且つ、|Re(B)|が40nm以下であり、係数Nzが0以下であることを特徴とする請求項1記載の位相差フィルム。
- 波長400〜700nmの光で測定したA層の正面方向のレターデーションRe(A)が112nm〜115nmであることを特徴とする請求項1又は2記載の位相差フィルム。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の位相差フィルムの製造方法であって、
ポリスチレン系樹脂とポリノルボルネン系樹脂とを共押出しして、ポリスチレン系樹脂からなるa層の両面にポリノルボルネン系樹脂からなるb層が積層された積層フィルムを製膜し、
製膜された積層フィルムを共延伸することを特徴とする、位相差フィルムの製造方法。
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