JP2017058487A - 位相差フィルム - Google Patents

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Masaki Shimizu
正樹 清水
江里口 真男
Masao Eriguchi
真男 江里口
孝行 渡辺
Takayuki Watanabe
孝行 渡辺
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Abstract

【課題】優れた複屈折並びに面内位相差ならびに透明性を有する位相差フィルムの提供。
【解決手段】下記(i)(ii)(iii)を各々満たす環状オレフィン共重合体(P)を延伸してなる位相差フィルム。(i)下記一般式(A)で表される繰り返し単位と、下記一般式(B)で表される1種または2種以上の繰り返し単位と、を含む。
Figure 2017058487

(ii)分子量分布Mw/Mnが3.0〜1.0の範囲にある。(iii)ガラス転移温度が110℃〜175℃の範囲にある。
【選択図】なし

Description

本発明は位相差フィルムに関する。さらに詳しくは、エチレン単位とノルボルネン単位からなる環状オレフィン共重合体を用いた位相差フィルムに関する。
近年、液晶表示装置は、携帯電話、パソコンモニターといった小型、中型のもの、テレビ用の大型のものに用いられている。しかし、液晶の色補償、視野角の拡大、コントラストの向上等の表示品位の改善が必要である。
また、液晶表示装置の画像表示面に、直接または他の部材を挟んで、所望機能積層体が設けられているものもあり、たとえば液晶ディスプレイの表面にタッチパネルセンサ積層した液晶表示装置の場合、透明導電層を多層光学膜と組み合わせた透明導電性フィルムや(例えば、特開2014−096241)、二軸延伸のポリエステル、アクリル樹脂及び環状ポリオレフィンからなる基材上に、接着層、高屈折率層、低屈折率層及び透明導電性薄膜層をこの順に積層した積層フィルムが開示されている(例えば、特開2014−096241号)
しかし、機能層が光透過性基材に積層されているため、基材と機能層との屈折率差で機能層表面反射光と、機能層と光透過性基材の界面反射光が干渉し、虹色の干渉縞が発生する。そのため、基材と機能層との屈折率界面をぼやかし、基材と機能層間の界面反射率を低下させ、干渉縞の発生を防止する方法(特開2003−131007)や、液晶表示装置液晶の色補償、視野角の拡大、コントラストの向上といった表示品位の改善のためポリマーフィルム内に複屈折が発現した位相差フィルムを用いる方法がとられている。
最近このような位相差フィルムに関して、脂環族構造を入れて耐熱性を高め非晶性にしたポリオレフィンが用いられてきており、透明性が高く、またセルロースエステルフィルムのように吸水率が高くはないため寸法安定性に優れるという特徴がある。
さらにPETフィルムのような芳香族成分を含まないため光弾性定数が極めて低いという特徴があり、液晶表示装置に所望の機能を積層させたタッチパネル等への応用にも注目されるようになってきている。
環状オレフィン重合体は、構造上大きく2つに分類することが出来る。一つは環状オレフィンを開環重合した後、生成した主鎖の二重結合を水素添加することにより得られる樹脂(日本ゼオン(株)商品名ZEONEX(登録商標)、ZEONOR(登録商標)、JSR(株)商品名ARTON(登録商標))がすでに上市されている。もう一つは環状オレフィンをエチレンとビニル型共重合させて得られる環状オレフィン−エチレン共重合体(三井化学(株)商品名APEL(登録商標)、ポリプラスチック(株)TOPAS(登録商標))がある。
このうち前者の水添タイプのものについては位相差フィルムとしての検討が数多くなされている(特開平4−245202号公報、特許第3273046号公報、特開平6−59121号公報、特開平8−43812号公報、特許第3470567号公報および特開2003−306557号公報参照)。
一方、後者の環状オレフィンとエチレンの共重合体に関しては相差フィルムとしての検討は、立体規則性を有するエチレン単位とノルボルネン単位からなる樹脂を用い検討した例(特許第4493660号公報参照)がある。
開環重合して水添するタイプの樹脂を用いた報告例の中では望ましい樹脂として熱可塑性ポリオレフィン、環状ポリオレフィン等の総称としてここでいうビニル型共重合体の樹脂も併記されていることが多いが、それらを一つ一つ実際に比較検討したものは見あたらない。
後者の環状オレフィンとエチレンの共重合体を用いた例ではフィルムの複屈折発現条件に関しては、特定の立体構造と、成膜時の温度、延伸倍率と温度の制御には言及しているものの、複屈折の発現性に大きく関与する分子量分布や成形中にガラス転移温度以上で置かれる時間等には何ら言及されていない。
環状オレフィン共重合体はガラス転移温度が高く割れやすいが、複屈折を得るためフィルムを一軸延伸すると延伸方向とその垂直方向で割れやすさに差が生じ取扱性が悪くなる。二軸方向に延伸すれば改善するものの環状オレフィン共重合体は総じて芳香族系ポリマー等と比べ複屈折が発現しにくいため得られる複屈折の大きさは制限されまた、非結晶性のためガラス転移温度以上になると加熱により印可された歪は緩和されるため複屈折をフィルムに固定するためには条件以外に分子量分布の大小により最大延伸倍率が大きく異なるためフィルムを延伸しても複屈折が発現しにくい樹脂の場合、所望の位相差フィルムを得るためにフィルムを厚くせねばならず、薄さ、軽さが求められる表示装置部材としては相応しくない。
特開平4−245202号公報 特許第3273046号公報 特開平6−59121号公報 特開平8−43812号公報 特許第3470567号公報 特開2003−306557号公報 特許第4493660号公報
本発明は上記背景を鑑みてなされたものであって、環状オレフィン共重合体からなり、優れた複屈折並びに面内位相差ならびに透明性を有する位相差フィルムの提供を目的とする。
[1]
下記(i)(ii)(iii)を各々満たす環状オレフィン共重合体(P)を延伸してなる位相差フィルム。
(i)下記一般式(A)で表される繰り返し単位と、下記一般式(B)で表される1種または2種以上の繰り返し単位と、を含む
Figure 2017058487

(一般式(B)において、R01およびR02は互いに独立に、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
(ii)分子量分布Mw/Mnが3.0〜1.0の範囲にある
(iii)ガラス転移温度が110℃〜175℃の範囲にある
[2]
[1]に記載の位相差フィルムであって、膜厚dが30〜100μmの範囲にあり、下記式(1)により示される550nmの波長で測定したフィルムの面内位相差(Re)が50〜600nmである位相差フィルム。
Re=(ny−nx)×d ・・・(1)
[3]
波長550nmにおける下記式(2)によって定義される膜厚方向の位相差Rthが50nm〜400nmであり、かつ前式(1)で定義される面内位相差Re(550)が140nm以下の範囲にあり、かつ膜厚dが30〜100μmである[1]ないし[2]記載の位相差フィルム。
Rth={(nx+ny)/2−nz}×d ・・・(2)
また本発明は、上記(i)(ii)(iii)を各々満たす環状オレフィン共重合体(P)からなる未配向フィルムを延伸することによる位相差フィルムの製造方法に関する。
本発明によれば、環状オレフィン共重合体からなり、優れた複屈折、面内位相差ならびに透明性を有する位相差フィルムを提供できる。
本発明の位相差フィルムは、環状オレフィン共重合体を公知の方法で製膜し未配向フィルムを得た後に、フィルムを延伸し製造する。
上記未延伸フィルムは、例えば溶液キャスト法、溶融押出法、熱プレス法、カレンダー法等いずれでも得ることが可能である。なかでも溶融押出法が生産性、経済性の面、また溶媒フリーという環境面からも好ましい。
溶融押出法では、Tダイを用いて樹脂を押出し冷却ロールに送る方法が一般的に用いられる。押出時の温度としては、共重合体の溶融粘度、熱安定性等を勘案して決められるが、本発明の共重合体では210℃から280℃の範囲で行うことが好ましい。210℃未満では共重合体の溶融粘度が高くなりすぎ、また300℃を超えると共重合体の分解による発泡や、高温酸化劣化による着色、黒点の発生や、架橋ゲル化しフィルムの透明性、均質性が損なわれることがある。
また、Tダイから押出した樹脂は冷却ロール上で固化しフィルムとしての形状が決定されるが、冷却ロール温度が低すぎるとロールへの密着性不良により外観不良や延伸性の悪化が起こり、高すぎると均一性の不良が懸念されるため、冷却ロール温度はガラス転移温度以上が望ましい。
未延伸フィルムの厚みは延伸後の位相差フィルムの厚みにより決定されるが、厚すぎると冷却むらによりフィルムに不均一な歪が印可され均一の延伸ができにくい、生産性が悪化する等の問題が起きやすいため50μm〜400μ好ましくは80μm〜250μmが望ましい。
こうして得られた未延伸フィルムを延伸して配向させることにより、本発明の位相差フィルムを得ることができる。延伸方法は特に限定されず2本あるいは複数のロール間で延伸する縦一軸延伸、テンターを用いる横一軸延伸、それらを組み合わせた同時二軸延伸、逐次二軸延伸など公知の方法を用いることで配向フィルムを得ることができる。二軸延伸を行う場合はMD方向とTD方向の延伸倍率を等倍にせず、一方向に配向を大きくしたフィルムとすることが好ましい。また連続で行うことが生産性の点で好ましいが、バッチ式で行ってもよい。
延伸温度はフィルムの温度が共重合体のガラス転移温度(Tg)に対して、Tg〜(Tg+30℃)の範囲内であり、好ましくは(Tg+10℃)〜(Tg+20℃)の範囲内である。延伸倍率は目的とする位相差値により決められるが、また、フィルムの使用形態により厚さの薄いフィルムで所望の特性の位相差フィルムを得る必要があり、縦、横それぞれ、1.05〜4.0倍、より好ましくは1.2〜4.0倍もっとも好ましくは3.0〜4.0倍である。なお延伸倍率の異なる二軸延伸の場合、高い方の倍率が上記範囲であることが好ましい。
フィルムの幅方向が遅相軸の位相差フィルムは、未延伸フィルムをテンターで横一軸延伸させた横一軸配向フィルム、縦延伸後、横延伸して遅相軸を横配向した二軸配向フィルムが挙げられる。またフィルムの進行方向が遅相軸の位相差フィルムは、未延伸フィルムを縦1軸延伸した縦一軸配向フィルム、縦延伸後に横延伸、または横延伸後に縦延伸して最終的に遅相軸を縦配向にした二軸配向フィルムが挙げられる。また、液晶表示装置へ貼り付ける偏光板は液晶表示装置の大きさに合わせ45度の角度で打ち抜かれ、表裏で偏光方向が互いに直交するように貼り付けられる場合があり、特開2010−173261に開示されているように遅相軸が成膜方向に対して角度を有するよう延伸してもよい。
本発明で得られる位相差フィルムは
波長550nmのフィルム面内位相差Re(550)が下記式(1a)の範囲にあり
50nm<Re(550)<600nm ・・・(1a)
膜厚が20〜150μmである位相差フィルムが挙げられる。ここで位相差Reを下記式(1)で定義する。
Re=(nx−ny)×d ・・・(1)
ここで、nxはフィルム面内の遅相軸(最も屈折率が高い軸)の屈折率のことであり、nyはフィルム面内でnxと垂直方向の屈折率であり、dはフィルムの厚さである。
これらのフィルムは1/4λ板、1/2λ板、λ板等に好適に用いることが望ましく、Re(550)は100〜400nmがより好ましく、120〜600nmがさらに好ましい。波長1/4λ板に適用する場合、Re(550)は140nm以下が好ましく、120〜140nmがさらに好ましい。
また厚さは30〜100μmがより好ましく、さらに好ましくは延伸後の厚さが40〜60μmである。
また別の好ましい位相差フィルムとして、波長550nmにおける下記式(2)によって定義される膜厚方向の位相差:
Rth={(nx+ny)/2−nz}×d ・・・(2)
が下記式(2a)の範囲にあり、
50nm<Rth(550)<400nm ・・・(2a)
かつ膜厚が30〜100μmである位相差フィルムも挙げられる。
上記式中、nx、nyはフィルム面内のx軸、y軸の、nzはx軸およびy軸に垂直な厚み方向の屈折率であり、dはフィルムの厚さである。
フィルムの膜厚方向に複屈折を有しているため、垂直配向(VA)モード液晶表示装置の光学補償に適しているだけでなく正面からだけでなく斜めから見たコントラストや色調が良好で、広い視野角が必要なカーナビゲーション用等に用いられる得られる位相差フィルムとしても好適に用いることができる。
本発明で使用する環状オレフィン共重合体(P)は、
下記一般式(A)で表される繰り返し単位と、
下記一般式(B)で表される1種または2種以上の繰り返し単位と、
を含む。
Figure 2017058487
(一般式(B)において、R01およびR02は互いに独立に、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
一般式(A)はエチレンに由来する繰り返し単位を表す。
一般式(B)はノルボルネン繰返し単位を表し、このような単位を与えるノルボルネン化合物としては、例えばビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンおよび6−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンを挙げることができる。このうち、R01及びR02が共に水素原子であるビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンが好ましい。
繰り返し単位(A)(B)の比はモル比で(A)/(B)=60/40〜40/60が好ましい。
環状オレフィン共重合体は、上記繰り返し単位(A)、(B)以外にも本発明の目的を損わない範囲で他の共重合可能なビニルモノマーからなる繰り返し単位を少量含有していてもよい。
ビニルモノマーとして具体的には、(B)と異なる環状オレフィンをあげることができる。環状オレフィンとしてテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン(テトラシクロドデセン)を用いることが好ましい。
ビニルモノマーとして他に、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンの如き炭素数3〜18のα−オレフィン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3−メチルシクロヘキセン、シクロオクテンの如きシクロオレフィン等を挙げることができる。
この中で炭素数3〜18のα−オレフィンは共重合の際の分子量調節剤として用いることができ、中でも1−ヘキセンが好適に用いられる。かかるその他のビニルモノマーは単独であるいは2種類以上組み合わせて用いてもよく、またその繰り返し単位が共重合体全体に占める割合は10モル%以下が好ましく、より好ましくは5モル%以下である。
一般にエチレン−ノルボルネン共重合体は、重合方法、用いる触媒、組成等によるが、いずれの場合においてもノルボルネン単位の連鎖部位がある程度存在している。ビニル重合タイプのノルボルネン単位の2連鎖部位(以下、NNダイアド)における立体規則性についてはメソ型とラセモ型の2通りの立体異性体があることが知られているが、特許4493660号公報に記載の通り、メソ型2連鎖部位とラセモ型2連鎖部位の存在比率が、メソ型2連鎖部位/ラセモ型2連鎖部位の比で通常4以上であることが好ましく、さらにはこの比が6以上であるあることが好ましい。比率の上限については特に制限はなく、高いほど複屈折の発現性には好ましい。
環状オレフィン共重合体(P)の分子量分布Mw/Mnが広すぎると均一な延伸が行いにくいため、Mw/Mnの値は3.0〜1.0、好ましくは2.0〜1.5がのぞましい。また、溶融押出法で、Tダイを用いて樹脂を押出して位相差フィルムを得る場合は、非晶性フィルムの場合ガラス転移温度(Tg)以上になると加熱で印可した歪等が緩和するため、寸法安定性が得られない。一方、位相差フィルムにはその使用環境から耐熱性が要求されるためフィルムの使用環境温度以上のTgの共重合体を使用することが必要であり、一般に90℃〜180℃、好ましくは110℃〜175℃が適している。しかし、Tgが高すぎるとTダイと冷却ロール間で急冷されるため、冷却ロールをTg以上の高温にしなければ均一に冷却が行えず、フィルムが歪を持ち均一延伸が難しくなることがある。このためTgは110℃〜150℃が望ましい。
また、ある特定された繰り返し単位A、Bを持つ高Tgを有する環状オレフィン共重合体に、屈折率のほぼ等しい別の特定された繰り返し単位A’、B’を持つ低Tgを有する環状オレフィン共重合体を同比率あるいは異なる比率で混合して使用し靱性等の改善を行うこともできる。
以下に実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるのではない。
実施例、比較例で行った物性測定は以下の方法で行った。
(1)ペレットの分子量分布はゲル浸透クロマトグラフ(GPC2000型 Waters社製)を用い測定した。
(2)フィルムの全光線透過率およびヘイズ値は濁度計(NDH5000SP型 日本電色工業製)を用いて測定
した。
(3)フィルムの面内位相差値Reはリタデーション測定装置(RETS−100型 大塚電子(株)製)を使用し、光線波長550nmで測定した。面内位相差値Reは、入射光線がフィルム面に垂直な状態で測定したものである。
[実施例1]
環状オレフィン共重合体として、一般式(B)において、R01およびR02が共に水素原子であるエチレンノルボルネン共重合樹脂・ポリプラスチック株式会社製のTOPAS COC(商品名)グレード6013S04(Tg=138℃)のペレットの分子量分布測定を行い、分子量分布Mw/Mn=1.86を得た。該ペレットを単軸溶融押出機(サーモプラスチック工業製 フルフライトスクリュー L/D=27 圧縮比=2.9)を用いて、幅300mmのTダイから溶融押し出しし、キャストローラーで成形、冷却し連続的に巻き取り製膜した。製膜条件としてシリンダー温度220℃、Tダイ温度220℃、冷却ローラー温度90℃、製膜速度0.8 m/分で行った。このフィルムを短冊状に切り出し、成膜方向端をチャックで固定し、横方向は自由としバッチ式の一軸延伸装置を用いて表に示す条件で延伸を行いった(縦一軸延伸)。延伸前後のフィルム中央部分の膜厚、ヘイズ値、位相差Re(550)を測定した結果を表1に示す。
[実施例2]
環状オレフィン共重合体としてエチレンノルボルネン共重合樹脂であるポリプラスチック株式会社製のTOPAS COC(商品名)グレード6013M07(Tg=142℃)のペレットの分子量分布測定を行い、分子量分布Mw/Mn=2.79を得た。
実施例1で実施した方法に従い、シリンダー温度230℃、Tダイ温度230℃、冷却ローラー温度90℃、製膜速度 0.8m/分で溶融押出によるフィルム製膜を行い、得られたフィルムを実施例1で使用したバッチ式の一軸延伸装置により延伸を行った。延伸前後のフィルム中央部分の膜厚、ヘイズ値、位相差Re(550)を測定した結果を表1に示す。
[実施例3]
環状オレフィン共重合体としてエチレンノルボルネン共重合樹脂であるポリプラスチック株式会社製のTOPAS COC(商品名)グレード6017S(Tg=173℃)のペレットの分子量分布測定を行い、分子量分布Mw/Mn=1.78を得た。
実施例1で実施した方法に従い、シリンダー温度240℃、Tダイ温度240℃、冷却ローラー温度90℃、製膜速度 0.8m/分で溶融押出によるフィルム製膜を行い、得られたフィルムを実施例1で使用したバッチ式の一軸延伸装置により延伸を行った。延伸前後のフィルム中央部分の膜厚、ヘイズ値、位相差Re(550)を測定した結果を表1に示す。
[比較例1]
環状オレフィン共重合体として三井化学株式会社製のAPEL(商品名)グレード6013T(Tg=120℃)のペレットの分子量分布測定を行い、分子量分布Mw/Mn=4.60を得た。
実施例1で実施した方法に従い、シリンダー温度220℃、Tダイ温度220℃、冷却ローラー温度80℃、製膜速度 0.8m/分で溶融押出によるフィルム製膜を行い、得られたフィルムを実施例1で使用したバッチ式の一軸延伸装置により延伸を行った。延伸前後のフィルム中央部分の膜厚、ヘイズ値、位相差Re(550)を測定した結果を表1に示す。
[比較例2]
環状オレフィン共重合体として三井化学製のAPEL(商品名)ペレット(a)グレード6013T(Tg=120℃)と(b)グレード8008T(Tg=63℃)とを、重量比で(a)/(b)=90/10で混合し、
それらを実施例1で実施した方法に従い、シリンダー温度220℃、Tダイ温度220℃、冷却ローラー温度70 ℃、製膜速度1.0 m/分で溶融押出によるフィルム製膜を行い、得られた無延伸フィルムのフィルム中央部分の膜厚、ヘイズ値を測定した結果を表1に示す。
また、グレード8008Tを実施例1と同様に分子量分布を測定し、分子量分布Mw/Mn=2.30を得た。
[比較例3]
環状オレフィン共重合体として三井化学製のAPEL(商品名)ペレット(a)グレード6013T(Tg=120℃)と(b)グレード8008T(Tg=63℃)とを、重量比で(a)/(b)=50/50で混合し、
それらを比較例2−1で実施した方法に従いフィルム製膜を行い、得られた無延伸フィルムのフィルム中央部分の膜厚、ヘイズ値を測定した結果を表1に示す。
[比較例4]
環状オレフィン共重合体としてともにエチレンノルボルネン共重合樹脂であるポリプラスチック株式会社製のTOPAS COC(商品名)ペレット(a)グレード6013S04(Tg=138℃)とグレード8007F(Tg=70℃)とを重量比で(a)/(b)=80/20で混合し、
それらを実施例1で実施した方法に従い、シリンダー温度220℃、Tダイ温度220℃、冷却ローラー温度70℃、製膜速度1.0m/分で溶融押出によるフィルム製膜を行い、得られた無延伸フィルムのフィルム中央部分の膜厚、ヘイズ値を測定した結果を表1に示す。
Figure 2017058487
以上のとおり、エチレン−環状オレフィン共重合体の中でも、モノマー種、ガラス転移温度、分子量分布が本発明の範囲である実施例の共重合体を用いることで優れた位相差フィルムを得ることができる。

Claims (3)

  1. 下記(i)(ii)(iii)を各々満たす環状オレフィン共重合体(P)を延伸してなる位相差フィルム。
    (i)下記一般式(A)で表される繰り返し単位と、下記一般式(B)で表される1種または2種以上の繰り返し単位と、を含む
    Figure 2017058487

    (一般式(B)において、R01およびR02は互いに独立に、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
    (ii)分子量分布Mw/Mnが3.0〜1.0の範囲にある
    (iii)ガラス転移温度が110℃〜175℃の範囲にある
  2. 請求項1に記載の位相差フィルムであって、膜厚dが30〜100μmの範囲にあり、下記式(1)により示される550nmの波長で測定したフィルムの面内位相差(Re)が50〜600nmである位相差フィルム。
    Re=(ny−nx)×d ・・・(1)
  3. 波長550nmにおける下記式(2)によって定義される膜厚方向の位相差Rthが50nm〜400nmであり、かつ前式(1)で定義される面内位相差Re(550)が140nm以下の範囲にあり、かつ膜厚dが30〜100μmである請求項1ないし2記載の位相差フィルム。
    Rth={(nx+ny)/2−nz}×d ・・・(2)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019151723A (ja) * 2018-03-02 2019-09-12 三井化学株式会社 環状オレフィン系樹脂を含む成形用材料および成形体
WO2021153478A1 (ja) * 2020-01-29 2021-08-05 住友化学株式会社 オレフィン系共重合体、および、フィルム

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