JP2017058487A - 位相差フィルム - Google Patents
位相差フィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017058487A JP2017058487A JP2015182519A JP2015182519A JP2017058487A JP 2017058487 A JP2017058487 A JP 2017058487A JP 2015182519 A JP2015182519 A JP 2015182519A JP 2015182519 A JP2015182519 A JP 2015182519A JP 2017058487 A JP2017058487 A JP 2017058487A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- retardation film
- stretching
- retardation
- cyclic olefin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Polarising Elements (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
Abstract
Description
また、液晶表示装置の画像表示面に、直接または他の部材を挟んで、所望機能積層体が設けられているものもあり、たとえば液晶ディスプレイの表面にタッチパネルセンサ積層した液晶表示装置の場合、透明導電層を多層光学膜と組み合わせた透明導電性フィルムや(例えば、特開2014−096241)、二軸延伸のポリエステル、アクリル樹脂及び環状ポリオレフィンからなる基材上に、接着層、高屈折率層、低屈折率層及び透明導電性薄膜層をこの順に積層した積層フィルムが開示されている(例えば、特開2014−096241号)
最近このような位相差フィルムに関して、脂環族構造を入れて耐熱性を高め非晶性にしたポリオレフィンが用いられてきており、透明性が高く、またセルロースエステルフィルムのように吸水率が高くはないため寸法安定性に優れるという特徴がある。
さらにPETフィルムのような芳香族成分を含まないため光弾性定数が極めて低いという特徴があり、液晶表示装置に所望の機能を積層させたタッチパネル等への応用にも注目されるようになってきている。
一方、後者の環状オレフィンとエチレンの共重合体に関しては相差フィルムとしての検討は、立体規則性を有するエチレン単位とノルボルネン単位からなる樹脂を用い検討した例(特許第4493660号公報参照)がある。
開環重合して水添するタイプの樹脂を用いた報告例の中では望ましい樹脂として熱可塑性ポリオレフィン、環状ポリオレフィン等の総称としてここでいうビニル型共重合体の樹脂も併記されていることが多いが、それらを一つ一つ実際に比較検討したものは見あたらない。
後者の環状オレフィンとエチレンの共重合体を用いた例ではフィルムの複屈折発現条件に関しては、特定の立体構造と、成膜時の温度、延伸倍率と温度の制御には言及しているものの、複屈折の発現性に大きく関与する分子量分布や成形中にガラス転移温度以上で置かれる時間等には何ら言及されていない。
下記(i)(ii)(iii)を各々満たす環状オレフィン共重合体(P)を延伸してなる位相差フィルム。
(i)下記一般式(A)で表される繰り返し単位と、下記一般式(B)で表される1種または2種以上の繰り返し単位と、を含む
(一般式(B)において、R01およびR02は互いに独立に、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
(ii)分子量分布Mw/Mnが3.0〜1.0の範囲にある
(iii)ガラス転移温度が110℃〜175℃の範囲にある
[1]に記載の位相差フィルムであって、膜厚dが30〜100μmの範囲にあり、下記式(1)により示される550nmの波長で測定したフィルムの面内位相差(Re)が50〜600nmである位相差フィルム。
Re=(ny−nx)×d ・・・(1)
波長550nmにおける下記式(2)によって定義される膜厚方向の位相差Rthが50nm〜400nmであり、かつ前式(1)で定義される面内位相差Re(550)が140nm以下の範囲にあり、かつ膜厚dが30〜100μmである[1]ないし[2]記載の位相差フィルム。
Rth={(nx+ny)/2−nz}×d ・・・(2)
また本発明は、上記(i)(ii)(iii)を各々満たす環状オレフィン共重合体(P)からなる未配向フィルムを延伸することによる位相差フィルムの製造方法に関する。
溶融押出法では、Tダイを用いて樹脂を押出し冷却ロールに送る方法が一般的に用いられる。押出時の温度としては、共重合体の溶融粘度、熱安定性等を勘案して決められるが、本発明の共重合体では210℃から280℃の範囲で行うことが好ましい。210℃未満では共重合体の溶融粘度が高くなりすぎ、また300℃を超えると共重合体の分解による発泡や、高温酸化劣化による着色、黒点の発生や、架橋ゲル化しフィルムの透明性、均質性が損なわれることがある。
未延伸フィルムの厚みは延伸後の位相差フィルムの厚みにより決定されるが、厚すぎると冷却むらによりフィルムに不均一な歪が印可され均一の延伸ができにくい、生産性が悪化する等の問題が起きやすいため50μm〜400μ好ましくは80μm〜250μmが望ましい。
波長550nmのフィルム面内位相差Re(550)が下記式(1a)の範囲にあり
50nm<Re(550)<600nm ・・・(1a)
膜厚が20〜150μmである位相差フィルムが挙げられる。ここで位相差Reを下記式(1)で定義する。
Re=(nx−ny)×d ・・・(1)
ここで、nxはフィルム面内の遅相軸(最も屈折率が高い軸)の屈折率のことであり、nyはフィルム面内でnxと垂直方向の屈折率であり、dはフィルムの厚さである。
また厚さは30〜100μmがより好ましく、さらに好ましくは延伸後の厚さが40〜60μmである。
Rth={(nx+ny)/2−nz}×d ・・・(2)
が下記式(2a)の範囲にあり、
50nm<Rth(550)<400nm ・・・(2a)
かつ膜厚が30〜100μmである位相差フィルムも挙げられる。
下記一般式(A)で表される繰り返し単位と、
下記一般式(B)で表される1種または2種以上の繰り返し単位と、
を含む。
一般式(A)はエチレンに由来する繰り返し単位を表す。
一般式(B)はノルボルネン繰返し単位を表し、このような単位を与えるノルボルネン化合物としては、例えばビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンおよび6−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンを挙げることができる。このうち、R01及びR02が共に水素原子であるビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンが好ましい。
繰り返し単位(A)(B)の比はモル比で(A)/(B)=60/40〜40/60が好ましい。
ビニルモノマーとして具体的には、(B)と異なる環状オレフィンをあげることができる。環状オレフィンとしてテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン(テトラシクロドデセン)を用いることが好ましい。
この中で炭素数3〜18のα−オレフィンは共重合の際の分子量調節剤として用いることができ、中でも1−ヘキセンが好適に用いられる。かかるその他のビニルモノマーは単独であるいは2種類以上組み合わせて用いてもよく、またその繰り返し単位が共重合体全体に占める割合は10モル%以下が好ましく、より好ましくは5モル%以下である。
(1)ペレットの分子量分布はゲル浸透クロマトグラフ(GPC2000型 Waters社製)を用い測定した。
(2)フィルムの全光線透過率およびヘイズ値は濁度計(NDH5000SP型 日本電色工業製)を用いて測定
した。
(3)フィルムの面内位相差値Reはリタデーション測定装置(RETS−100型 大塚電子(株)製)を使用し、光線波長550nmで測定した。面内位相差値Reは、入射光線がフィルム面に垂直な状態で測定したものである。
環状オレフィン共重合体として、一般式(B)において、R01およびR02が共に水素原子であるエチレンノルボルネン共重合樹脂・ポリプラスチック株式会社製のTOPAS COC(商品名)グレード6013S04(Tg=138℃)のペレットの分子量分布測定を行い、分子量分布Mw/Mn=1.86を得た。該ペレットを単軸溶融押出機(サーモプラスチック工業製 フルフライトスクリュー L/D=27 圧縮比=2.9)を用いて、幅300mmのTダイから溶融押し出しし、キャストローラーで成形、冷却し連続的に巻き取り製膜した。製膜条件としてシリンダー温度220℃、Tダイ温度220℃、冷却ローラー温度90℃、製膜速度0.8 m/分で行った。このフィルムを短冊状に切り出し、成膜方向端をチャックで固定し、横方向は自由としバッチ式の一軸延伸装置を用いて表に示す条件で延伸を行いった(縦一軸延伸)。延伸前後のフィルム中央部分の膜厚、ヘイズ値、位相差Re(550)を測定した結果を表1に示す。
環状オレフィン共重合体としてエチレンノルボルネン共重合樹脂であるポリプラスチック株式会社製のTOPAS COC(商品名)グレード6013M07(Tg=142℃)のペレットの分子量分布測定を行い、分子量分布Mw/Mn=2.79を得た。
実施例1で実施した方法に従い、シリンダー温度230℃、Tダイ温度230℃、冷却ローラー温度90℃、製膜速度 0.8m/分で溶融押出によるフィルム製膜を行い、得られたフィルムを実施例1で使用したバッチ式の一軸延伸装置により延伸を行った。延伸前後のフィルム中央部分の膜厚、ヘイズ値、位相差Re(550)を測定した結果を表1に示す。
環状オレフィン共重合体としてエチレンノルボルネン共重合樹脂であるポリプラスチック株式会社製のTOPAS COC(商品名)グレード6017S(Tg=173℃)のペレットの分子量分布測定を行い、分子量分布Mw/Mn=1.78を得た。
実施例1で実施した方法に従い、シリンダー温度240℃、Tダイ温度240℃、冷却ローラー温度90℃、製膜速度 0.8m/分で溶融押出によるフィルム製膜を行い、得られたフィルムを実施例1で使用したバッチ式の一軸延伸装置により延伸を行った。延伸前後のフィルム中央部分の膜厚、ヘイズ値、位相差Re(550)を測定した結果を表1に示す。
環状オレフィン共重合体として三井化学株式会社製のAPEL(商品名)グレード6013T(Tg=120℃)のペレットの分子量分布測定を行い、分子量分布Mw/Mn=4.60を得た。
実施例1で実施した方法に従い、シリンダー温度220℃、Tダイ温度220℃、冷却ローラー温度80℃、製膜速度 0.8m/分で溶融押出によるフィルム製膜を行い、得られたフィルムを実施例1で使用したバッチ式の一軸延伸装置により延伸を行った。延伸前後のフィルム中央部分の膜厚、ヘイズ値、位相差Re(550)を測定した結果を表1に示す。
環状オレフィン共重合体として三井化学製のAPEL(商品名)ペレット(a)グレード6013T(Tg=120℃)と(b)グレード8008T(Tg=63℃)とを、重量比で(a)/(b)=90/10で混合し、
それらを実施例1で実施した方法に従い、シリンダー温度220℃、Tダイ温度220℃、冷却ローラー温度70 ℃、製膜速度1.0 m/分で溶融押出によるフィルム製膜を行い、得られた無延伸フィルムのフィルム中央部分の膜厚、ヘイズ値を測定した結果を表1に示す。
また、グレード8008Tを実施例1と同様に分子量分布を測定し、分子量分布Mw/Mn=2.30を得た。
環状オレフィン共重合体として三井化学製のAPEL(商品名)ペレット(a)グレード6013T(Tg=120℃)と(b)グレード8008T(Tg=63℃)とを、重量比で(a)/(b)=50/50で混合し、
それらを比較例2−1で実施した方法に従いフィルム製膜を行い、得られた無延伸フィルムのフィルム中央部分の膜厚、ヘイズ値を測定した結果を表1に示す。
環状オレフィン共重合体としてともにエチレンノルボルネン共重合樹脂であるポリプラスチック株式会社製のTOPAS COC(商品名)ペレット(a)グレード6013S04(Tg=138℃)とグレード8007F(Tg=70℃)とを重量比で(a)/(b)=80/20で混合し、
それらを実施例1で実施した方法に従い、シリンダー温度220℃、Tダイ温度220℃、冷却ローラー温度70℃、製膜速度1.0m/分で溶融押出によるフィルム製膜を行い、得られた無延伸フィルムのフィルム中央部分の膜厚、ヘイズ値を測定した結果を表1に示す。
Claims (3)
- 請求項1に記載の位相差フィルムであって、膜厚dが30〜100μmの範囲にあり、下記式(1)により示される550nmの波長で測定したフィルムの面内位相差(Re)が50〜600nmである位相差フィルム。
Re=(ny−nx)×d ・・・(1) - 波長550nmにおける下記式(2)によって定義される膜厚方向の位相差Rthが50nm〜400nmであり、かつ前式(1)で定義される面内位相差Re(550)が140nm以下の範囲にあり、かつ膜厚dが30〜100μmである請求項1ないし2記載の位相差フィルム。
Rth={(nx+ny)/2−nz}×d ・・・(2)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015182519A JP2017058487A (ja) | 2015-09-16 | 2015-09-16 | 位相差フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015182519A JP2017058487A (ja) | 2015-09-16 | 2015-09-16 | 位相差フィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017058487A true JP2017058487A (ja) | 2017-03-23 |
Family
ID=58390160
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015182519A Pending JP2017058487A (ja) | 2015-09-16 | 2015-09-16 | 位相差フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017058487A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019151723A (ja) * | 2018-03-02 | 2019-09-12 | 三井化学株式会社 | 環状オレフィン系樹脂を含む成形用材料および成形体 |
WO2021153478A1 (ja) * | 2020-01-29 | 2021-08-05 | 住友化学株式会社 | オレフィン系共重合体、および、フィルム |
-
2015
- 2015-09-16 JP JP2015182519A patent/JP2017058487A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019151723A (ja) * | 2018-03-02 | 2019-09-12 | 三井化学株式会社 | 環状オレフィン系樹脂を含む成形用材料および成形体 |
WO2021153478A1 (ja) * | 2020-01-29 | 2021-08-05 | 住友化学株式会社 | オレフィン系共重合体、および、フィルム |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4493660B2 (ja) | 位相差フィルム | |
KR101354361B1 (ko) | 적층 편광 필름, 위상차 필름, 및 액정 표시 장치 | |
KR101088664B1 (ko) | 복굴절 필름의 제조방법, 및 그것을 사용한 광학 필름,액정 패널, 액정 표시 장치, 화상 표시 장치 | |
TWI445743B (zh) | 光學補償薄膜 | |
TWI668474B (zh) | 長條圓偏光板、長條廣帶域λ/4板、有機電激發光顯示裝置及液晶顯示裝置 | |
JP2007010863A (ja) | 位相差フィルム及びその製造方法 | |
CN101395502B (zh) | 层叠偏光膜、相位差膜和液晶显示装置 | |
JP2009134257A (ja) | 位相差フィルム、およびそれを用いた楕円偏光板 | |
JP2018010176A (ja) | 位相差フィルムおよび位相差フィルムの製造方法 | |
JP6459269B2 (ja) | 光学積層体、および偏光子保護フィルム | |
JPWO2006033414A1 (ja) | 光学補償フィルムおよびそれを用いた表示素子 | |
JP2003131036A (ja) | 光学フィルム、その製造方法及び偏光板 | |
JP2008039808A (ja) | 位相差フィルムの製造方法、位相差フィルム、複合偏光板及び偏光板 | |
JP2007232874A (ja) | 積層偏光フィルム、位相差フィルム、および液晶表示装置 | |
JP2017058487A (ja) | 位相差フィルム | |
JP4586326B2 (ja) | 光学積層体及びその製造方法 | |
JP2010076128A (ja) | 光学フィルム | |
JP4586553B2 (ja) | 位相差フィルム、及び位相差フィルムの製造方法 | |
US7638205B2 (en) | Optical laminate film and method for producing same | |
JP2006285136A (ja) | 位相差フィルムの製造方法、位相差フィルム、複合偏光板及び偏光板 | |
JP2012123182A (ja) | 光学フィルム及びこれを備えた偏光板並びに液晶表示装置 | |
JP2004126026A (ja) | 光学フィルム及び位相差フィルム | |
JP2011203642A (ja) | 偏光板およびそれを用いた液晶パネル、液晶表示装置、偏光板セット | |
JP5333898B2 (ja) | 位相差フィルムの製造方法 | |
JP2005309339A (ja) | 光学補償フィルム及び偏光板の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180615 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20180615 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190417 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190514 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20191112 |