JP6459269B2 - 光学積層体、および偏光子保護フィルム - Google Patents

光学積層体、および偏光子保護フィルム Download PDF

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Description

本発明は、液晶表示装置等に用いられる光学積層体に関し、特に、紫外線吸収性、耐熱性、および色味に優れると共に、比較的簡便に製造できる偏光板保護フィルムに関する。
従来、液晶表示装置等に用いられる偏光板は、ポリビニルアルコール等からなる偏光子と、この偏光子の両面にそれぞれ設けられる偏光板保護フィルムとを備えて構成される。偏光板保護フィルムとしては、一般的には、トリアセチルセルロース(TAC)や、脂環式オレフィン樹脂、アクリル樹脂等の樹脂が用いられる。これらの樹脂は、各種の観点から使い分けがなされるが、耐湿熱性の観点から、脂環式オレフィン樹脂が用いられる場合がある。他方、各偏光板を構成する偏光板保護フィルムにおいて、特に、液晶表示装置の最前面となる偏光板保護フィルムや、バックライト光源側となる偏光板保護フィルムでは、紫外線により偏光子や液晶セルが劣化するのを防止するために、紫外線吸収性能が求められる場合がある。さらに、液晶表示装置の薄型化に伴って、偏光板および偏光板保護フィルムの更なる薄膜化も求められている。
偏光板保護フィルムに紫外線吸収性能を持たせる手法としては、所定の紫外線吸収剤を含む樹脂組成物を用いて形成された偏光板保護フィルムを用いることが考えられる。例えば、特許文献1には、脂環式オレフィン樹脂からなる3層の偏光板保護フィルムであって、その中間層に特定の紫外線吸収剤を0.5〜2.5重量%添加したことが開示されている。
特開2005−181615号公報
しかしながら、近年の携帯電話等の携帯式電子装置、個人情報末端(パーソナル・デジタル・アシスタント)等のモバイル機器においては、屋外で使用されることもあるため、液晶表示装置に用いられる偏光板保護フィルムは、より一層高い紫外線吸収能が求められている。紫外線吸収能を高めるためには、樹脂組成物中に含ませる紫外線吸収剤の量を多くしたフィルムを使用するか、樹脂組成物中に紫外線吸収剤を含むフィルムの厚さを厚くすることが考えられる。ところが、樹脂組成物中の紫外線吸収剤の濃度が高くしようとすると、樹脂組成物中での紫外線吸収剤の分散が困難になるという問題があった。また、樹脂組成物中に紫外線吸収剤を含むフィルムの厚さを厚くすると、液晶表示装置の全体の厚さが厚くなり、モバイル機器に使用する偏光板保護フィルムとしては不適となる可能性もあった。
本発明の目的は、液晶表示装置に使用したときに表示むらや着色が少なく、紫外線吸収能の高い光学積層体を提供することである。
本発明によれば、以下の〔1〕〜〔3〕の発明が提供される。
〔1〕中間層の両側に表面層が積層されてなる光学積層体であって、
各層の樹脂成分が脂環式構造を有する重合体樹脂であり、
前記光学積層体の波長380nmにおける光線透過率が1%以下で、
前記表面層の厚さが7μm以上で、
前記中間層の層厚み/前記表面層の層厚み(表面層2層の合計値)の比が、0.9以上2.1以下で、
中間層の紫外線吸収剤の含有量が5重量%以上10重量%以下であることを特徴とする光学積層体。
〔2〕共押出によって得られる〔1〕記載の光学積層体。
〔3〕偏光子保護フィルムとして用いられる〔1〕または〔2〕に記載の光学積層体。
本発明によれば、長期間使用後の紫外線透過率の変化が面内で均一とすることができるので、本発明の光学積層体を光学部材、特に偏光板保護フィルムとして液晶表示装置に実装すると、液晶表示装置の表示むらや着色を小さくすることができる。
本発明に使用する脂環式構造を有する重合体樹脂は、主鎖及び/又は側鎖に脂環式構造を有するものであり、機械強度、耐熱性などの観点から、主鎖に脂環式構造を含有するものが好ましい。
脂環式構造としては、飽和脂環炭化水素(シクロアルカン)構造、不飽和脂環炭化水素(シクロアルケン)構造などが挙げられるが、機械強度、耐熱性などの観点から、シクロアルカン構造やシクロアルケン構造が好ましく、中でもシクロアルカン構造が最も好ましい。脂環式構造を構成する炭素原子数には、格別な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、機械強度、耐熱性、及び光学積層体の成形性の特性が高度にバランスされ、好適である。本発明に使用される脂環式構造を有する重合体樹脂中の脂環式構造を含有してなる繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択すればよいが、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上、もっとも好ましくは90重量%以上である。脂環式構造を有する重合体中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合がこの範囲にあると光学積層体の透明性および耐熱性の観点から好ましい。
脂環式構造を有する重合体樹脂は、具体的には、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)環状共役ジエン系重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素重合体、及びこれらの水素化物などが挙げられる。これらの中でも、透明性や成形性の観点から、ノルボルネン系重合体がより好ましい。
ノルボルネン系重合体としては、具体的にはノルボルネン系モノマーの開環重合体、ノルボルネン系モノマーと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環共重合体、及びそれらの水素化物、ノルボルネン系モノマーの付加重合体、ノルボルネン系モノマーと共重合可能なその他のモノマーとの付加共重合体などが挙げられる。これらの中でも、透明性の観点から、ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体水素化物が最も好ましい。
上記の脂環式構造を有する重合体樹脂は、例えば特開2002−321302号公報などに開示されている公知の重合体から選ばれる。
本発明に使用する脂環式構造を有する重合体樹脂に好適に用いられるノルボルネン系重合体の中でも、繰り返し単位として、X:ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4−ジイル−エチレン構造と、Y:トリシクロ[4.3.0.12,5]デカン−7,9−ジイル−エチレン構造とを有し、これらの繰り返し単位の含有量が、ノルボルネン系重合体の繰り返し単位全体に対して90重量%以上であり、かつ、Xの含有割合とYの含有割合との比が、X:Yの重量比で100:0〜40:60であるものが好ましい。このような樹脂を用いることにより、長期的に寸法変化がなく、光学特性の安定性に優れる光学積層体を得ることができる。
ポリマーとしてXの構造を繰り返し単位として有するモノマーとしては、ノルボルネン環に五員環が結合した構造を有するノルボルネン系単量体が挙げられ、より具体的には、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)及びその誘導体(環に置換基を有するもの)、7,8−ベンゾトリシクロ[4.3.0.10,5]デカ−3−エン(慣用名:メタノテトラヒドロフルオレン)、及びその誘導体が挙げられる。
また、ポリマーとしてYの構造を繰り返し単位として有するモノマーとしては、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]デカ−3,7−ジエン(慣用名:テトラシクロドデセン)及びその誘導体(環に置換基を有するもの)が挙げられる。
このようなノルボルネン系重合体を得る手段としては、具体的にはa)ポリマーとして前記Xの構造を繰り返し単位として有することができるモノマーと、ポリマーとして前記Yの構造を繰り返し単位として有することができるモノマーとの共重合比でコントロールして重合し、必要に応じてポリマー中の不飽和結合を水素化する方法や、b)前記Xの構造を繰り返し単位として有するポリマーと、前記Yの構造を繰り返し単位として有するポリマーとのブレンド比でコントロールする方法が挙げられる。
本発明において、使用する脂環式構造を有する重合体樹脂の分子量は、溶媒としてシクロヘキサン(重合体樹脂が溶解しない場合はトルエン)を用いたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(以下、「GPC」と略す。)で測定したポリイソプレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常5,000〜100,000、好ましくは8,000〜80,000、より好ましくは10,000〜50,000である。重量平均分子量がこのような範囲にあるときに、光学積層体の機械的強度及び成形加工性が高度にバランスされ好適である。
脂環式構造を有する重合体樹脂の分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))は特に制限されないが、通常1.0〜10.0、好ましくは1.0〜4.0、より好ましくは1.2〜3.5の範囲である。
脂環式構造を有する重合体樹脂は、その分子量2,000以下の樹脂成分(すなわち、オリゴマー成分)の含有量が5重量%以下、好ましくは3重量%以下、より好ましくは2重量%以下である。オリゴマー成分の量が多いと光学積層体を製造する際に、中間層と表面層それぞれに微細な凹凸が発生したり、各層において厚さむらが生じたりして面精度が悪くなる可能性がある。
オリゴマー成分の量を低減するためには、重合触媒や水素化触媒の選択;重合反応や水素化反応などの反応条件;樹脂を成形用材料としてペレット化する工程における温度条件;などを最適化すればよい。オリゴマーの成分量は、シクロヘキサン(重合体樹脂が溶解しない場合はトルエン)を用いたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによって測定することができる。
本発明の光学積層体は、波長380nmにおける光線透過率が1%以下で、好ましくは0.5%以下である。380nmに光線透過率が、1%以下であることによって、偏光子に対する紫外線の影響を少なくすることができる。上記光線透過率は、JIS K0115に準拠して、分光光度計を用いて測定することができる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、アクリロニトリル系紫外線吸収剤等公知のものが使用可能である。中でも、紫外線吸収剤としては、2,2´−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、2−(2´−ヒドロキシ−3´−tert−ブチル−5´−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2,2´−ジヒドロキシ−4,4´−ジメトキシベンゾフェノン、2,2´,4,4´−テトラヒドロキシベンゾフェノン等が好適に用いられる。これらの中でも、特に2,2´−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)が好ましい。
上記紫外線吸収剤を含有させる方法としては、紫外線吸収剤を予め脂環式構造を有する重合体樹脂中に配合する方法;紫外線吸収剤を高濃度に含有するマスターバッチを用いる方法;溶融押出成形時に直接供給する方法などが挙げられ、いずれの方法が採用されてもよい。
本発明の光学積層体は、中間層の両側に表面層が積層された3層積層体からなり、該中間層には紫外線吸収剤が5〜10重量%含有されてなり、かつこの中間層における紫外線吸収剤の濃度のばらつきが全面で±0.1%以内である。
紫外線吸収剤の含有量が5〜10重量%であることにより、偏光板の色調を悪化させること無く紫外線を効率的に遮断することができ、長期使用時の偏光度の低下を防ぐことができる。
中間層の紫外線吸収剤の含有量は、5重量%以上、好ましくは6.5重量%以上であり、10重量%以下、好ましくは9.5重量%以下である。
中間層の紫外線吸収剤の含有量が5重量%未満であると、380nmにおける光線透過率が大きくなり、偏光板保護フィルムとして使用した場合に、紫外線の影響を受けて偏光子の偏光度が低下してしまう可能性がある。逆に紫外線吸収剤の含有量が10重量%を超えると、可視光域の光線透過率が小さくなり光学積層体の黄色味が強くなりすぎてしまう、樹脂組成物中に分散するのが困難であるという問題がある。
中間層における紫外線吸収剤の濃度のばらつきが全面で±0.1重量%以内であることにより初期フィルムの色調ムラがなく、また、長期使用後の紫外線による劣化が均一に起こり、液晶表示装置に実装したときの色調ムラが起こりにくくなる。
中間層における紫外線吸収剤の濃度のばらつきが全面で±0.1重量%を超えると色調のムラがはっきりと視認でき、色調不良となる。また、長期使用後には紫外線による劣化が不均一となり、色調不良がさらにひどくなる。
中間層における紫外線吸収剤の濃度のばらつきは以下の手順で測定する。まず分光光度計により光学積層体の紫外線透過率を測定する。次に、接触式厚み計により光学積層体の厚さを測定する。次いで、測定部の断面を光学顕微鏡により観察し、表面層と中間層の厚さの比を求め、中間層の厚さを求める。そして、紫外線透過率と厚さから紫外線吸収剤の濃度を下記式[1]から算出する。
式[1]:C=−log(0.01T)/K/L
式[1]において、Cは紫外線吸収剤の濃度(重量%)、Tは光線透過率(%)、Kは吸光係数(−)、Lは光学積層体の厚さ(μm)である。以上の操作を光学積層体の縦方向及び横方向で一定間隔毎に行い、これらの測定値の算術平均値をとりこれを平均濃度Caveとする。そして、測定した濃度Cの内最大値をCmax、最小値をCminとして以下の式から算出する。
濃度のばらつき(%)=(Cmin−Cave)/Cave×100、又は(Cmax−Cave)/Cave×100
ここで前記Cmin−Cave、Cmax−Caveの絶対値が異なる場合は、絶対値の大きいほうをとる。
光学積層体の中間層における紫外線吸収剤の濃度のばらつきを全面で±0.1重量%とするための手段としては、(1)乾燥させた脂環式構造を有する重合体樹脂と、紫外線吸収剤とを混合させる。次いで、その混合物を押出機に接続されたホッパーへ投入し、単軸押出機へ供給して溶融押出する;(2)乾燥機付きホッパーに脂環式構造を有する重合体樹脂を投入する。また別の投入口から紫外線吸収剤を投入する。前記脂環式構造を有する重合体樹脂及び紫外線吸収剤をそれぞれフィーダーで計量しながら二軸押出機へ供給して溶融押出する方法;が挙げられる。
本発明において、中間層の厚さは20μm以上、好ましくは30μm以上、さらに好ましくは45μm以上であることが好ましい。中間層の厚さの上限は、70μm以下、好ましくは、60μm以下、さらに好ましくは50μm以下である。中間層の厚さは、厚ければ厚いほど、紫外線吸収能が高まるが、モバイル機器への使用を考慮すると偏光板全体が厚くなり、実用が難しくなる。一方、中間層を薄くするためには、樹脂組成物中に分散する紫外線吸収剤量を多くする必要があり、前記のように紫外線吸収剤の分散が困難となる可能性がある。要求される紫外線吸収能と、モバイル機器への使用を考慮して、中間層の厚さと樹脂組成物中に含まれる紫外線吸収剤量のバランスをとることが非常に重要である。
本発明において、中間層の厚さのばらつきが全面で±5μm以内であることが好ましい。中間層の厚さのばらつきが全面で±5μm以内であることにより、色調のばらつきが小さくなる。また、長期使用後の色調変化も均一となるため、長期使用後の色調ムラも起こらない。
中間層の厚さは、市販の接触式厚さ計を用いて、総厚を測定し、厚さ測定部分を切断し断面を光学顕微鏡で観察して、中間層と表面層との厚さ比を求めて、その比率より中間層の厚さを計算する。以上の操作を光学積層体の横方向及び縦方向において一定間隔毎に行う。
中間層の厚さのばらつきは、上記で測定した測定値の算術平均値を基準厚さTaveとし、測定した厚さTの内最大値をTmax、最小値をTminとして以下の式から算出する。
厚さのばらつき(μm)=Tmin−Tave、及びTmax−Tave
ここで前記Tmin−Tave、及びTmax−Taveの絶対値が異なる場合は、絶対値の大きいほうをとる。
本発明において、表面層には紫外線吸収剤を含有しないことが好ましく、表面層の厚さは7μm以上、好ましくは10μm以上、さらに好ましくは16μm以上である。表面層の厚さの上限は、30μm以下、好ましくは20μm以下である。偏光板全体の厚さを厚くしないためには、表面層は薄いことが好ましいが、薄いことによって偏光板保護フィルム表面上に凹凸構造由来のフィッシュアイ等の異物が観察される可能性も高くなる。中間層における紫外線吸収能と厚さのバランスと共に、表面層の厚さも考慮することによって、異物由来の表示ムラの低減も実現することができる。
本発明において、光学積層体全体の面内位相差Re及び厚さ方向の位相差Rthは10nm以下であることが好ましく、5nm以下であることがさらに好ましい。前記Reが10nmを超えると、光学積層体全体の面内の遅相軸を偏光膜の透過軸または吸収軸と一致させなければならず、一致しないと光漏れが起こるおそれがある。ただし、本発明の光学積層体を公知の延伸方法で延伸処理して、位相差板とすることもできる。
面内の位相差Reは、光学積層体の面内の主屈折率をNx、Nyとし、光学積層体の厚さをd(nm)とすると、Re=|Nx−Ny|×dで求めることができる。
厚さ方向の位相差Rthは、光学積層体全体の面内の主屈折率をNx、Ny、厚さ方向の屈折率をNzとし、光学積層体の厚さをd(nm)とすると、Rth=[{(Nx+Ny)/2}−Nz]×dで求めることができる。
なお、光学積層体の面内位相差Re及び厚さ方向の位相差Rthは、市販の自動複屈折計を用いて測定することができる。
本発明においては、光学積層体の表面層及び中間層のどの層にも、紫外線吸収剤以外の他の配合剤を含有させてもよい。
他の配合剤としては、格別限定はないが、無機微粒子;酸化防止剤、熱安定剤、近赤外線吸収剤等の安定剤;滑剤、可塑剤等の樹脂改質剤;染料や顔料等の着色剤;帯電防止剤等が挙げられる。これらの配合剤は、単独で、あるいは2種以上を組み合せて用いることができ、その配合量は本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択される。
本発明の光学積層体の厚さは、40μm以上、好ましくは50μm以上、より好ましくは60μm以上である。厚みの上限は130μm以下、好ましくは80μm以下である。光学積層体がこの厚みの範囲内であることによって、偏光子保護フィルムとして十分な機能と実用性を兼ね備えることができる。
本発明の光学積層体を得る方法としては、共押出Tダイ法、共押出インフレーション法、共押出ラミネーション法等の共押出による成形方法、ドライラミネーション等のフィルムラネーション成形方法、及び中間層を構成するフィルムに対して表面層を構成する樹脂溶液をコーティングするようなコーティング成形方法などの公知の方法が適宜利用され得る。中でも、製造効率や、フィルム中に溶剤などの揮発性成分を残留させないという観点から、共押出による成形方法が好ましい。
共押出する方法の中でも、共押出Tダイ法が好ましい。さらに共押出Tダイ法にはフィードブロック方式、マルチマニホールド方式が挙げられる。
光学積層体を得る方法として、共押出Tダイ法を採用する場合、Tダイを有する押出機における脂環式構造を有する重合体の溶融温度は、脂環式構造を有する重合体のガラス転移温度よりも80〜180℃高い温度にすることが好ましく、ガラス転移温度よりも100〜150℃高い温度にすることがより好ましい。押出機での溶融温度が過度に低いと脂環式構造を有する重合体の流動性が不足するおそれがあり、逆に溶融温度が過度に高いと樹脂が劣化する可能性がある。
押出し温度は、使用する脂環式構造を有する重合体樹脂に応じて適宜選択すればよい。押出し機内の温度で、樹脂投入口はTg〜(Tg+100)℃、押出し機出口は(Tg+50)〜(Tg+170)℃、ダイス温度は(Tg+50)℃〜(Tg+170)℃とするのが好ましい。ここでTgは押出す樹脂のガラス転移温度である。
光学積層体を得る方法として溶融押出法を用いる場合には、ダイスの開口部から押出されたシート状の溶融樹脂を冷却ドラムに密着させる。溶融樹脂を冷却ドラムに密着させる方法としては、特に制限されず、例えば、エアナイフ方式、バキュームボックス方式、静電密着方式などが挙げられる。
冷却ドラムの数は特に制限されないが、通常は2本以上である。また、冷却ドラムの配置方法としては、例えば、直線型、Z型、L型などが挙げられるが特に制限されない。またダイスの開口部から押出された溶融樹脂の冷却ドラムへの通し方も特に制限されない。
本発明においては、冷却ドラムの温度により、押出されたシート状の脂環式構造を有する重合体樹脂の冷却ドラムへの密着具合が変化する。冷却ドラムの温度を上げると密着はよくなるが、温度を上げすぎるとシート状の脂環式構造を有する重合体樹脂が冷却ドラムから剥がれずに、ドラムに巻きつく不具合が発生する恐れがある。そのため、冷却ドラム温度は、好ましくはダイスから押し出す非晶性の熱可塑性樹脂のガラス転移温度をTg(℃)とすると、(Tg+30)℃以下、さらに好ましくは(Tg−5)℃〜(Tg−45)℃の範囲にする。そうすることにより滑りやキズなどの不具合を防止することができる。
本発明の光学積層体は、液晶表示装置などの表示装置に用いられる部材、例えば、偏光板保護フィルム、位相差フィルム、輝度向上フィルム、透明導電フィルム、タッチパネル用基板、液晶基板、光拡散シート、プリズムシートなどにも用いることができる。中でも、偏光板保護フィルムに好適である。
本発明の光学積層体を偏光板保護フィルムとして用いる場合は、偏光板の片面又は両面に、適当な接着剤を介してこれを積層する。偏光板は、ポリビニルアルコール系フィルムに、ヨウ素などをドープした後、延伸加工することにより得られる。接着層としては、アクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルや合成ゴムなどの適当なポリマーをベースポリマーとする粘着剤などが用いられる。
本発明の光学積層体には、他の層を積層してもよい。他の層としては、反射防止層、ハードコート層、プライマー層;アンカー層;SiOx(x=1.5〜2.0)超微粒子の3次元骨格からなる高均質透明多孔体層(屈折率1.25〜1.46);粘着剤層;防汚層;などが挙げられる。
本発明を、実施例を示しながら、さらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
なお部及び%は特に断りのない限り重量基準である。
本実施例における波長380nmにおける光線透過率は、JIS K0115(吸光光度分析通則)に準拠して、分光光度計(日本分光社製、紫外可視近赤外分光光度計「V−570」)を用いて測定した。
(実施例1)
脂環式構造を含有する重合体樹脂(日本ゼオン社製、ガラス転移温度123℃)100部と、紫外線吸収剤(「LA31」、ADEKA社製、2,2´−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、融点:195℃)5.5部とを、二軸押出機により混合し、次いで、その混合物を単軸押出機に供給して溶融押出して、樹脂組成物J1を得た。樹脂組成物J1における紫外線吸収剤の濃度は5.2重量%である。
上記樹脂組成物J1を目開き3μmのリーフディスク形状のポリマーフィルターを設置したダブルフライト型50mm単軸押出機(スクリュー有効長さLとスクリュー径Dとの比L/D=28)に装填されたホッパーへ投入し、押出機出口温度260℃、押出機のギヤポンプの回転数12rpmで、溶融樹脂をフィードブロックを介して、ダイスリップの表面粗さRaが0.1μmである単層ダイに供給した。一方、前記脂環式構造を含有する重合体樹脂を目開き3μmのリーフディスク形状のポリマーフィルターを設置した50mmの単軸押出機(L/D=30)1台に導入し、押出機出口温度260℃、押出機のギヤポンプの回転数6rpmで溶融樹脂をフィードブロックを介して、ダイスリップの表面粗さRaが0.1μmである単層ダイに供給した。そして、溶融状態の脂環式構造を含有する重合体樹脂、樹脂組成物1、及び脂環式構造を含有する重合体樹脂を260℃で吐出させ、100℃に温度調整された冷却ロールにキャストし、その後、50℃に温度調整された冷却ロールに通して、脂環式構造を含有する重合体樹脂からなる層(12μm)−樹脂組成物J1からなる層(46μm)−脂環式構造を含有する重合体樹脂からなる層(12μm)の2種3層からなる光学積層体1を共押出成形により得た。またエアギャップ量を50mmとし、溶融状態のフィルムを冷却ロールにキャストする方法としてエッジピニングを採用した。この光学積層体1の両端50mmずつをトリミングして幅1300mmとした。この光学積層体1の波長380nmにおける光線透過率は、0.04%であった。目視にてフィルム上の異物を確認したが、フィッシュアイ等は観察されなかった。

Claims (3)

  1. 中間層の両側に表面層が積層されてなる光学積層体であって、
    各層の樹脂成分が脂環式構造を有する重合体樹脂であり、
    前記光学積層体の波長380nmにおける光線透過率が1%以下で、
    前記表面層の厚さが7μm以上で、
    前記中間層の層厚み/前記表面層の層厚み(表面層2層の合計値)の比が、0.9以上2.1以下で、
    中間層の紫外線吸収剤の含有量が5重量%以上10重量%以下であることを特徴とする光学積層体。
  2. 共押出によって得られる請求項1記載の光学積層体。
  3. 偏光子保護フィルムとして用いられる請求項1または2に記載の光学積層体。
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