JP2018052081A - 成形材料及び成形材料の製造方法、並びに光学積層体及び光学積層体の製造方法 - Google Patents

成形材料及び成形材料の製造方法、並びに光学積層体及び光学積層体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】成形材料に含まれる、目開き1mmのふるい下の粒子量を低減する。【解決手段】脂環式構造を含有する重合体を含む樹脂組成物からなるペレットを複数含み、ペレットの切断面に長さ0.3mm以上である突起を有するペレットの割合が25%以下である、成形材料。前記成形材料は、下記工程を含む製造方法:脂環式構造を含有する重合体を含む樹脂組成物をストランド状に押し出して押出物を得る工程、前記押出物を冷却して固化物を得る工程、及び前記固化物を(Tg−60)℃以上(Tg+5)℃以下の温度で切断して成形材料を得る工程により製造され得る。ただし前記脂環式構造を含有する重合体のガラス転移温度をTg(℃)とする。【選択図】なし

Description

本発明は、成形材料及び成形材料の製造方法、並びに成形材料を用いた光学積層体及びその製造方法に関する。
成形材料の原料である樹脂は、合成された後、必要に応じて各種添加剤が添加され、通常輸送等に有利な形態であるペレットに加工される。
特許文献1には、微粒子の含量が20ppm以下である、環状オレフィン系樹脂(「脂環式構造を含有する重合体」ということもある)のペレットを含む成形材料が記載されている。
特開2003−025326号公報
脂環式構造を含有する重合体を含む樹脂組成物は、通常ペレットの形態に加工された後、高い透明性などの優れた特性を活かして、例えばフィルムに加工される。
脂環式構造を含有する重合体を含む樹脂組成物をフィルムに加工した場合、フィルムにフィッシュアイ(FE)と呼ばれる欠陥が発生する場合があった。フィルムの品質向上のためには、フィッシュアイの発生率をなるべく少なくすることが好ましい。
本発明者らは、フィッシュアイの発生率が、フィルムの成形材料に含まれる、ペレット以外の粒子量に関係することを見出した。したがって、フィッシュアイの発生率を低減するために、成形材料に含まれるペレット以外の粒子量を低減することが望まれている。
本発明者らは、鋭意研究した結果、所定の長さ以上の突起を有するペレットの割合が所定値以下である場合に、成形材料に含まれる所定の粒子量を低減することができ、成形材料を用いて製造される光学積層体に発生する異物数を減少させることができることを見出した。
すなわち、本発明は下記の通りである。
[1] 脂環式構造を含有する重合体を含む樹脂組成物からなるペレットを複数含み、ペレットの切断面に長さ0.3mm以上である突起を有するペレットの割合が25%以下である、成形材料。
[2] 500kgに含まれる目開き1mmのふるい下の粒子が5ppm以下である、[1]に記載の成形材料。
[3] 前記樹脂組成物が、5重量%以上20重量%以下の紫外線吸収剤をさらに含む、[1]又は[2〕に記載の成形材料。
[4] 脂環式構造を含有する重合体を含む樹脂組成物からなるペレットを複数含み、ペレットの切断面に長さ0.3mm以上である突起を有するペレットの割合が25%以下である成形材料の製造方法であって、下記工程を含む製造方法:
脂環式構造を含有する重合体を含む樹脂組成物をストランド状に押し出して押出物を得る工程、
前記押出物を冷却して固化物を得る工程、及び
前記固化物を(Tg−60)℃以上(Tg+5)℃以下の温度で切断して成形材料を得る工程、ただし前記脂環式構造を含有する重合体のガラス転移温度をTg(℃)とする。
[5] 切断が回転式カッターを用いて行われる、[4]に記載の製造方法。
[6] 前記樹脂組成物が紫外線吸収剤をさらに含む、[4]又は[5]に記載の製造方法。
[7] 第一外側層と、中間層と、第二外側層とを、この順に備える光学積層体であって、
前記中間層は、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の成形材料の成形体であり、
前記光学積層体の厚みが、20μm以上50μm以下である、
光学積層体。
[8] 前記中間層における、紫外線吸収剤の含有割合が5重量%以上20重量%以下であり、
前記第一外側層及び前記第二外側層は、紫外線吸収剤を含まない、
[7]に記載の光学積層体。
[9] 目視にて検出される径100μm以上の異物の数が、5個/m以下であり、且つ、
目視にて検出される径50μm以上100μm未満の異物の数が、20個/m以下である、[7]又は[8]に記載の光学積層体。
[10] [7]〜[9]のいずれか一項に記載の光学積層体の製造方法であって、
第一外側層が、樹脂(B)からなる層であり、
第二外側層が、樹脂(B’)からなる層であり、
前記製造方法が、前記成形材料、前記樹脂(B)及び前記樹脂(B’)を共押出することを含む、[7]〜[9]のいずれか一項に記載の光学積層体の製造方法。
本発明によれば、成形材料に含まれる、目開き1mmのふるい下の粒子量を低減することができ、成形材料を用いて製造される光学積層体に発生する異物数を減少させることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る光学積層体を模式的に示す断面図である。
以下、本発明について実施形態及び例示物を示して詳細に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施形態及び例示物に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
[1.成形材料]
本発明の成形材料は、脂環式構造を含有する重合体を含む樹脂組成物からなるペレットを複数含み、長さ0.3mm以上である突起を有するペレットの割合が25%以下である。
[1.1.脂環式構造を含有する重合体]
脂環式構造を含有する重合体は、その重合体の構造単位が脂環式構造を含有する重合体である。脂環式構造を含有する重合体は、通常、耐湿熱性に優れる。そのため、脂環式構造を含有する重合体を用いることにより、光学積層体の耐湿熱性を良好にできる。
脂環式構造を含有する重合体は、主鎖に脂環式構造を有していてもよく、側鎖に脂環式構造を有していてもよい。中でも、機械的強度及び耐熱性の観点から、主鎖に脂環式構造を含有する重合体が好ましい。
脂環式構造としては、例えば、飽和脂環式炭化水素(シクロアルカン)構造、不飽和脂環式炭化水素(シクロアルケン、シクロアルキン)構造などが挙げられる。中でも、機械強度及び耐熱性の観点から、シクロアルカン構造及びシクロアルケン構造が好ましく、中でもシクロアルカン構造が特に好ましい。
脂環式構造を構成する炭素原子数は、一つの脂環式構造あたり、好ましくは4個以上、より好ましくは5個以上であり、好ましくは30個以下、より好ましくは20個以下、特に好ましくは15個以下の範囲である。脂環式構造を構成する炭素原子数をこの範囲にすることにより、脂環式構造を含有する重合体を含む樹脂組成物(A)の機械強度、耐熱性及び成形性が高度にバランスされる。
脂環式構造を含有する重合体において、脂環式構造を有する構造単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択しうる。脂環式構造を含有する重合体における脂環式構造を有する構造単位の割合は、好ましくは55重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。脂環式構造を含有する重合体における脂環式構造を有する構造単位の割合がこの範囲にあると、脂環式構造を含有する重合体を含む樹脂組成物(A)の透明性及び耐熱性が良好となる。
脂環式構造を含有する重合体としては、例えば、ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体、環状共役ジエン系重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体、及びこれらの水素化物が挙げられる。これらの中でも、透明性及び成形性が良好であるので、ノルボルネン系重合体がより好ましい。
ノルボルネン系重合体の例としては、ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体及びその水素添加物;ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体及びその水素添加物が挙げられる。また、ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体の例としては、ノルボルネン構造を有する1種類の単量体の開環単独重合体、ノルボルネン構造を有する2種類以上の単量体の開環共重合体、並びに、ノルボルネン構造を有する単量体及びこれと共重合しうる任意の単量体との開環共重合体が挙げられる。さらに、ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体の例としては、ノルボルネン構造を有する1種類の単量体の付加単独重合体、ノルボルネン構造を有する2種類以上の単量体の付加共重合体、並びに、ノルボルネン構造を有する単量体及びこれと共重合しうる任意の単量体との付加共重合体が挙げられる。これらの中で、ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体の水素添加物は、成形性、耐熱性、低吸湿性、寸法安定性及び軽量性の観点から、特に好適である。
ノルボルネン構造を有する単量体としては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、7,8−ベンゾトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン(慣用名:メタノテトラヒドロフルオレン)、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)、およびこれらの化合物の誘導体(例えば、環に置換基を有するもの)などを挙げることができる。ここで、置換基としては、例えばアルキル基、アルキレン基、極性基などを挙げることができる。これらの置換基は、同一または相異なって、複数個が環に結合していてもよい。ノルボルネン構造を有する単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
極性基の種類としては、例えば、ヘテロ原子、またはヘテロ原子を有する原子団などが挙げられる。ヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、ハロゲン原子などが挙げられる。極性基の具体例としては、カルボキシル基、カルボニルオキシカルボニル基、エポキシ基、ヒドロキシル基、オキシ基、エステル基、シラノール基、シリル基、アミノ基、ニトリル基、スルホン酸基などが挙げられる。
ノルボルネン構造を有する単量体と開環共重合可能な単量体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等のモノ環状オレフィン類及びその誘導体;シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン等の環状共役ジエン及びその誘導体;などが挙げられる。ノルボルネン構造を有する単量体と開環共重合可能な単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体は、例えば、単量体を開環重合触媒の存在下に重合又は共重合することにより製造しうる。
ノルボルネン構造を有する単量体と付加共重合可能な単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン等の炭素原子数2〜20のα−オレフィン及びこれらの誘導体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン等のシクロオレフィン及びこれらの誘導体;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン等の非共役ジエン;などが挙げられる。これらの中でも、α−オレフィンが好ましく、エチレンがより好ましい。また、ノルボルネン構造を有する単量体と付加共重合可能な単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体は、例えば、単量体を付加重合触媒の存在下に重合又は共重合することにより製造しうる。
上述した開環重合体及び付加重合体の水素添加物は、例えば、開環重合体及び付加重合体の溶液において、ニッケル、パラジウム等の遷移金属を含む水素添加触媒の存在下で、炭素−炭素不飽和結合を、好ましくは90%以上水素添加することによって製造しうる。
ノルボルネン系重合体の中でも、構造単位として、X:ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4−ジイル−エチレン構造と、Y:トリシクロ[4.3.0.12,5]デカン−7,9−ジイル−エチレン構造とを有し、これらの構造単位の量が、ノルボルネン系重合体の構造単位全体に対して90重量%以上であり、かつ、Xの割合とYの割合との比が、X:Yの重量比で100:0〜40:60であるものが好ましい。
脂環式構造を含有する重合体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは10,000以上、より好ましくは15,000以上、特に好ましくは20,000以上であり、好ましくは100,000以下、より好ましくは80,000以下、特に好ましくは50,000以下である。
脂環式構造を含有する重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.5以上、特に好ましくは1.8以上であり、好ましくは3.5以下、より好ましくは3.0以下、特に好ましくは2.7以下である。ここで、Mnは、数平均分子量を表す。
前記の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、溶媒としてシクロヘキサンを用いたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより、ポリイソプレンまたはポリスチレン換算の重量平均分子量として測定しうる。但し、前記のゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーでは、試料がシクロヘキサンに溶解しない場合には、溶媒としてトルエンを用いてもよい。
脂環式構造を含有する重合体のガラス転移温度は、好ましくは100℃以上、より好ましくは110℃以上、特に好ましくは120℃以上であり、好ましくは190℃以下、より好ましくは180℃以下、特に好ましくは170℃以下である。
[1.2.樹脂組成物]
樹脂組成物は、脂環式構造を含有する重合体を含んでいればよく、脂環式構造を含有する重合体以外に任意の成分を含んでいてもよい。
任意の成分としては、例えば、脂環式構造を含有する重合体以外の熱可塑性樹脂、及び、紫外線吸収剤、可塑剤、酸化防止剤などの添加剤が挙げられる。
脂環式構造を含有する重合体以外の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリフェニレンサルファイド等のポリアリーレンサルファイド;ポリビニルアルコール;ポリカーボネート;ポリアリレート;セルロースエステル重合体;ポリエーテルスルホン;ポリスルホン;ポリアリルサルホン;ポリ塩化ビニル;棒状液晶ポリマーなどが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、アクリロニトリル系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、アゾメチン系紫外線吸収剤、インドール系紫外線吸収剤、ナフタルイミド系紫外線吸収剤、フタロシアニン系紫外線吸収剤が挙げられる。
可塑剤としては、例えば、フタル酸系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、脂肪酸エステル系可塑剤、多価アルコールエーテル・エステル系可塑剤、ヒドロキシカルボン酸エステル系可塑剤、及びエポキシ系可塑剤が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、及びリン系酸化防止剤が挙げられる。
樹脂組成物は、好ましくは紫外線吸収剤を含む。樹脂組成物が紫外線吸収剤を含む場合、紫外性吸収剤の含有量は、樹脂組成物に対して、好ましくは5重量%以上であり、より好ましくは7重量%以上であり、さらに好ましくは9重量%以上であり、好ましくは20重量%以下であり、より好ましくは18重量%以下であり、さらに好ましくは16重量%以下である。
[1.3.ペレット]
ペレットは、通常、ストランド状に押し出された樹脂組成物を切断することにより形成される。ペレットの形状は、通常、切断面を底面とする柱状であり、例えば、円柱状、楕円柱状、角柱状(例、四角柱状)であってよい。
成形材料に含まれるペレットの大きさには特に限定はないが、ペレットが柱状である場合、底面の径は、通常2.2mm以上、通常2.6mm以下であり、ペレットの長さは通常3.0mm以上、通常5.0mm以下である。
成形材料に含まれるペレットのうち、切断面に長さ0.3mm以上である突起を有するペレットの割合が25%以下である。
ここで、突起の長さとは、ペレット断面を顕微鏡により観察した場合の、突起に外接する直方形の長辺の長さである。
突起の形状には特に限定はないが、例えば、薄片状、リボン状、針状であってよい。
突起はペレットの切断面上に存在する。
成形材料に含まれるあるペレットが、切断面に長さ0.3mm以上である突起を有する場合、そのペレットは該突起を一つのみ有していてもよいし、二つ以上有していてもよい。
成形材料に含まれるペレット中の、切断面に長さ0.3mm以上である突起を有するペレットの割合(%)としては、成形材料から30個のペレットを無作為に選び、30個のペレット中の、切断面に長さ0.3mm以上である突起を有するペレットの割合(%)を用いてよい。
成形材料に含まれるペレットのうち、切断面に長さ0.3mm以上である突起を有するペレットの割合は、好ましくは20%以下であり、より好ましくは15%以下であり、さらに好ましくは10%以下であり、さらにより好ましくは5%以下である。長さ0.3mm以上である突起を有するペレットの割合は、少ないほど好ましい。
[1.4.成形材料に含まれる粒子]
本発明の成形材料は、成形材料500kgに含まれる目開き1mmのふるい下の粒子が、好ましくは成形材料500kgに対して5ppm以下であり、より好ましくは4ppm以下であり、さらに好ましくは3ppm以下であり、さらにより好ましくは2ppm以下である。成形材料500kgに含まれる目開き1mmのふるい下の粒子は、少ないほど好ましく、成形材料500kgに対して0ppmであってもよい。
成形材料の分級は、公知の装置を用いて行うことができ、例えば、ブロースルー式ふるい機(例、東洋ハイテック製「ハイボルター」)、振動式ふるい機などに、目開き1mmのふるいを装着して行うことができる。
目開き1mmのふるい下の粒子の形状については特に限定はなく、例えば、薄片状、リボン状、針状であってよい。また粒子の材質についても特に限定はない。粒子は通常、脂環式構造を含有する重合体を含む樹脂組成物からなる。
[2.成形材料の製造方法]
上述した成形材料を製造する方法に限定はないが、例えば、下記工程を含む製造方法により製造することができる。
工程(1):脂環式構造を含有する重合体を含む樹脂組成物をストランド状に押し出して押出物を得る工程、
工程(2):前記押出物を冷却して固化物を得る工程、及び
工程(3):前記固化物を(Tg−60)℃以上(Tg+5)℃以下の温度で切断して成形材料を得る工程、ただし前記脂環式構造を含有する重合体のガラス転移温度をTg(℃)とする。
[2.1.工程(1)]
工程(1)における、脂環式構造を含有する重合体を含む樹脂組成物については、[1.成形材料]において既に説明した樹脂組成物と同様である。樹脂組成物は、紫外線吸収剤を含んでいてもよく、好ましくは紫外線吸収剤を含み、さらに好ましくは5重量%以上20重量%以下の紫外線吸収剤を含む。
工程(1)では、樹脂組成物をストランド状に押し出して押出物を得る。ストランド状とは、押し出し方向の長さが、押し出し方向と直交する方向の長さ以上である形状をいう。押出物はストランド状であればよく、押出物の断面の形状には限定がない。押出物の断面の形状は、例えば、多角形(例、四角形)、円形、楕円形であってよい。
樹脂組成物をストランド状に押し出す装置としては、公知の押出機を用いることができ、押出機としては、例えば、一軸押出機及び二軸押出機が挙げられ、二軸押出機が好ましい。
[2.2.工程(2)]
工程(2)では、工程(1)で得られた押出物を冷却して固化物を得る。冷却の方法に限定はなく、空気による冷却であっても、水による冷却であってもよい。冷却温度に限定はなく、樹脂組成物のガラス転移温度などに応じて設定してよいが、例えば、50℃以上、55℃以上、60℃以上であってよく、70℃以下、75℃以下、80℃以下であってよい。
[2.3.工程(3)]
工程(3)では、工程(2)で得られた固化物を、(Tg−60)℃以上(Tg+5)℃以下の温度で切断して成形材料を得る。ここで、(Tg−60)℃以上(Tg+5)℃以下の温度であることは、固化物の温度を測定することにより確認できるが、固化物を切断する器具又は器具近傍の温度を測定することにより確認してもよい。好ましくは、固化物は、固化物の温度が(Tg−60)℃以上(Tg+5)℃以下である状態で切断して成形材料を得る。固化物の温度は、例えば、赤外線放射温度計により測定し得る。
固化物を切断する際の温度は、好ましくは(Tg−60)℃以上であり、より好ましくは(Tg−55)℃以上であり、さらに好ましくは(Tg−50)以上であり、好ましくは(Tg+5)℃以下であり、より好ましくは(Tg+0)℃以下であり、さらに好ましくは(Tg−5)℃以下である。上記固化物を切断する際の好ましい温度は、好ましくは固化物の温度である。
固化物を(Tg−60)℃以上(Tg+5)℃以下の温度で切断することにより、切断面に長さ0.3mm以上である突起を有するペレットが発生することを抑制することができ、その結果成形材料に含まれる、目開き1mmのふるい下の粒子量を低減することができる。
切断は、好ましくは回転式カッターを用いて行われる。
工程(3)は、公知の装置で行うことができ、例えば、ペレタイザー(例、技研工機社製「ストランドカッター」)で行うことができる。
[2.4.任意の工程]
成形材料の製造方法は、上記工程(1)〜(3)以外に、必要に応じて任意の工程を含んでいてもよい。
任意の工程としては、例えば、ストランド状に押し出された押出物を移送する工程、成形材料を移送する工程、成形材料を脱水する工程、成形材料を乾燥する工程、成形材料を選別する工程、成形材料を計量する工程が挙げられる。
[3.成形材料の用途]
本発明の成形材料は、任意の成形物を製造するために使用することができるが、特にフィルム、シートを製造するために使用することができる。本発明の成形材料をフィルムとした場合には、フィッシュアイの発生を抑制し得るので、本発明の成形材料は、光学部材(例えば、光学積層体)の製造のために有用である。
[3.1.光学積層体の概要]
また本発明は、光学積層体を提供する。
本発明の光学積層体は、第一外側層と、中間層と、第二外側層とを、この順に備え、前記中間層は、成形材料の成形体であり、厚みが、20μm以上50μm以下である。
図1は、本発明の一実施形態に係る光学積層体100を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、光学積層体100は、第一外側層110と、第二外側層120と、前記の第一外側層110及び第二外側層120の間に設けられた中間層130とを備える。よって、光学積層体100は、第一外側層110、中間層130及び第二外側層120を、この順に備える。通常、第一外側層110と中間層130とは、間に他の層を介することなく直接に接しており、中間層130と第二外側層120とは、間に他の層を介することなく直接に接している。
光学積層体100は、第一外側層110および第二外側層120と、前記記載の成形材料の成形体である中間層130で構成される。本実施形態では、中間層130は、5重量%以上20重量%以下の紫外線吸収剤を含む樹脂組成物からなる成形材料の成形体であり、中間層130は、紫外線吸収剤の含有割合が5重量%以上20重量%以下である。しかし、中間層は紫外線吸収剤を含んでいなくともよい。
第1外側層または第2外側層の材料には特に限定はないが、第1外側層または第2外側層は、脂環式構造を含有する重合体を含む樹脂組成物からなることが好ましく、脂環式構造を含有する重合体を含む樹脂組成物からなるペレットを複数含み、ペレットの切断面に長さ0.3mm以上である突起を有するペレットの割合が25%以下である、成形材料の成形体であることがさらに好ましい。
また、第1外側層または第2外側層は、紫外線吸収剤を含んでいてもよいが、紫外線吸収剤を含まないことが好ましい。
このような光学積層体100は、脂環式構造を含有する重合体を含むので、優れた耐熱性及び耐湿性を発揮できる。また、光学積層体100は、紫外線吸収剤を含有する樹脂組成物からなる成形材料の成形体である中間層130を備えるため、当該光学積層体100を透過する紫外線を弱めることができる。さらに、光学積層体100は、中間層130の両側に第一外側層110及び第二外側層120を備えるので、紫外線吸収剤のブリードアウトを抑制できる。
光学積層体の厚みは、好ましくは20μm以上、より好ましくは22.0μm以上、特に好ましくは24.0μm以上であり、好ましくは50μm以下、より好ましくは48.0μm以下、特に好ましくは46.0μm以下である。光学積層体の厚みが、前記範囲の下限値以上であることにより、光学積層体の機械的強度を高くでき、前記範囲の上限値以下であることにより、光学積層体の軽量化及び省スペース化を実現できる。
中間層の厚みは、好ましくは8.0μm以上、より好ましくは10.0μm以上、特に好ましくは12.0μm以上であり、好ましくは30.0μm以下、より好ましくは28.0μm以下、特に好ましくは26.0μm以下である。中間層の厚みが、前記範囲の下限値以上であることにより、紫外線の透過を妨げる光学積層体の能力を特に高めることができ、前記範囲の上限値以下であることにより、光学積層体の厚みを薄くして、光学積層体の軽量化及び省スペース化を実現できる。
第一外側層および第二外側層の厚みは、好ましくは6.0μm以上、より好ましくは7.0μm以上、特に好ましくは8.0μm以上であり、好ましくは15.0μm以下、より好ましくは14.0m以下、特に好ましくは13.0μm以下である。第一外側層の厚みが、前記範囲の下限値以上であることにより、中間層が紫外線吸収剤を含む場合、紫外線吸収剤のフィルム外へのブリードアウトを効果的に抑制できるとともに、目視により検出される異物の数を効果的に小さくでき、前記範囲の上限値以下であることにより、光学積層体の厚みを薄くして、光学積層体の軽量化及び省スペース化を実現できる。
光学積層体に含まれる中間層、第一外側層及び第二外側層等の層の厚みは、次の方法で測定しうる。
光学積層体をエポキシ樹脂で包埋して、試料片を用意する。この試料片を、ミクロトームを用いて厚み0.05μmにスライスする。その後、スライスにより現れた断面を、顕微鏡を用いて観察することで、光学積層体に含まれる各層の厚みを測定しうる。
[3.2.光学積層体の物性]
光学積層体は、波長380nmにおける光線透過率が小さいことが好ましい。波長380nmにおける光線透過率が小さい光学積層体は、中間層が紫外線吸収剤を含むことにより実現できる。光学積層体の波長380nmにおける具体的な光線透過率は、好ましくは10%以下、より好ましくは8%以下、特に好ましくは5%以下である。波長380nmにおいてこのように低い光線透過率を有する光学積層体は、紫外線を遮断する能力に優れる。そのため、この光学積層体を偏光子保護フィルムとして用いた場合に、偏光子の偏光度の低下を抑制したり、偏光子の着色を抑制したりできる。
さらに、光学積層体は、波長280nm〜370nmにおける光線透過率が小さいことが好ましい。光学積層体の波長280nm〜370nmにおける具体的な光線透過率は、好ましくは1.5%以下、より好ましくは1%以下である。これにより、光学積層体が紫外線を遮断する能力を更に高めることができる。
上述したように、成形材料に含まれる、ペレット以外の粒子量を低減させることによって、光学積層体は目視にて検出される異物の数を小さくできる。具体的には、光学積層体において目視にて検出される径100μm以上の異物の数は、好ましくは5個/m以下、より好ましくは3個/m以下、特に好ましくは1個/m以下である。また、光学積層体において目視にて検出される径50μm以上100μm未満の異物の数は、好ましくは20個/m以下、より好ましくは15個/m以下、特に好ましくは5個/m以下である。目視にて検出される異物の数を前記のように小さくできるので、光学積層体を偏光子保護フィルムとして用いた場合、偏光板の不良箇所を少なくでき、偏光板の歩留まりを向上させることができる。
目視による異物の検出は、次の検出方法によって行いうる。
光学積層体を、黒板上に設置し、蛍光灯で照らす。蛍光灯から発せられて、光学積層体で反射した反射光を目視で観察して、異物を検出しうる。この際、異物の径は、ルーペを用いて測定しうる。
光学積層体は、光学部材としての機能を安定して発揮させる観点から、高い全光線透過率を有することが好ましい。光学積層体の具体的な全光線透過率は、好ましくは85%〜100%、より好ましくは87%〜100%、特に好ましくは90%〜100%である。全光線透過率は、JIS K0115に準拠して、分光光度計を用いて測定しうる。
光学積層体は、光学積層体を組み込んだ表示装置の画像鮮明性を高める観点から、ヘイズが小さいことが好ましい。光学積層体の具体的なヘイズは、好ましくは1%以下、より好ましくは0.8%以下、特に好ましくは0.5%以下である。ヘイズは、JIS K7361−1997に準拠して、濁度計を用いて測定しうる。
光学積層体は、面内レターデーションを実質的に有さない光学等方性のフィルムであってもよく、用途に応じた大きさの面内レターデーションを有する光学異方性のフィルムであってもよい。例えば、光学積層体が光学等方性のフィルムである場合、光学積層体の具体的な面内レターデーションは、好ましくは0nm〜20nm、より好ましくは0nm〜10nm、特に好ましくは0nm〜5nmとしうる。また、例えば、光学積層体が1/4波長板として機能しうる光学異方性のフィルムである場合、光学積層体の具体的な面内レターデーションは、好ましくは80nm以上、より好ましくは85nm以上、特に好ましくは90nm以上、且つ、好ましくは180nm以下、より好ましくは160nm以下、特に好ましくは150nm以下としうる。
光学積層体の遅相軸の方向は、任意である。例えば光学積層体が長尺のフィルムである場合、この光学積層体の遅相軸の方向は、光学積層体の幅方向に対して遅相軸がなす配向角θが、用途に応じた所望の角度となるように設定しうる。例えば、光学積層体が1/4波長板として機能しうる光学異方性のフィルムである場合、前記の配向角θは、好ましくは40°以上、より好ましくは43°以上、特に好ましくは44°以上であり、好ましくは50°以下、より好ましくは47°以下、特に好ましくは46°以下である。光学積層体を偏光子保護フィルムとして用いて偏光板を製造する場合には、通常、長尺の偏光子と長尺の光学積層体とを、長手方向を平行にして貼り合わせる。また、偏光子の透過軸は、通常、偏光子の長手方向に平行又は垂直である。したがって、前記のように光学積層体が前記の配向角θを有する場合には、偏光子の透過軸と光学積層体の遅相軸とが45°±5°の角度をなすように、容易に貼り合わせることができる。このようにして製造された偏光板では、偏光子を透過した直線偏光は、光学積層体によって円偏光に変換されうる。よって、この偏光板を液晶表示装置に設ければ、偏光サングラスを着用した場合でも画像の明るさを良好にできる液晶表示装置を容易に実現できる。
光学積層体が含む揮発性成分の量は、好ましくは0.1重量%以下、より好ましくは0.05重量%以下、さらに好ましくは0.02重量%以下である。揮発性成分の量を前記範囲にすることにより、光学積層体の寸法安定性が向上し、レターデーション等の光学特性の経時変化を小さくすることができる。さらには、光学積層体を備える偏光板及び液晶表示装置の劣化を抑制でき、長期的に液晶表示装置の表示を安定で良好に保つことができる。ここで、揮発性成分は、分子量200以下の物質である。揮発性成分としては、例えば、残留単量体及び溶媒などが挙げられる。揮発性成分の量は、分子量200以下の物質の合計として、ガスクロマトグラフィーにより分析することにより定量しうる。
光学積層体の飽和吸水率は、好ましくは0.05%以下、より好ましくは0.03%以下、特に好ましくは0.01%以下であり、理想的にはゼロ%である。光学積層体の飽和吸水率をこのように低くすることにより、光学積層体の光学特性の継時的な変化を抑制することができる。
光学積層体の飽和吸水率は、JIS K7209に従い、下記の手順で測定しうる。
光学積層体を50℃で24時間乾燥し、デシケータ中で放冷する。次いで、乾燥した光学積層体の質量(M1)を測定する。
この光学積層体を、温度23℃、相対湿度50%の室内で24時間水に浸漬し光学積層体を水で飽和させる。その後、水から光学積層体を取り出し、24時間浸漬後の光学積層体の質量(M2)を測定する。
これらの質量の測定値から、次式により、光学積層体の飽和吸水率を求めうる。
飽和吸水率(%)=[(M2−M1)/M1]×100(%)
[3.3.光学積層体の製造方法]
光学積層体の製造方法に制限は無い。光学積層体は、例えば、樹脂(B)、上述の成形材料(ここで、上述の本発明の成形材料を成形材料(A)と称する)及び樹脂(B’)をフィルム状に成形する工程を含む製造方法により、製造しうる。
樹脂(B)または樹脂(B’)として、それぞれ、脂環式構造を含有する重合体を含む樹脂組成物からなるペレットを複数含み、ペレットの切断面に長さ0.3mm以上である突起を有するペレットの割合が25%以下である、成形材料を用いてもよい。
樹脂(B)、成形材料(A)及び樹脂(B’)の成形方法としては、例えば、共押出法及び共流延法などが挙げられる。これらの成形方法の中でも、共押出法は、製造効率に優れ、光学積層体中に揮発性成分を残留させ難いので、好ましい。
共押出法を用いた光学積層体の製造方法は、樹脂(B)、成形材料(A)及び樹脂(B’)を共押し出しする工程を含む。共押出法においては、樹脂(B)、成形材料(A)及び樹脂(B’)は、それぞれ溶融状態で層状に押し出され、第一外側層、中間層及び第二外側層を形成する。この際、樹脂の押出方法としては、例えば、共押出Tダイ法、共押出インフレーション法、共押出ラミネーション法等が挙げられる。中でも、共押出Tダイ法が好ましい。共押出Tダイ法には、フィードブロック方式及びマルチマニホールド方式があり、厚みのばらつきを少なくできる点で、マルチマニホールド方式が特に好ましい。
共押出法において、押し出される樹脂(B)、成形材料(A)及び樹脂(B’)の溶融温度は、好ましくはTg+80℃以上、より好ましくはTg+100℃以上であり、好ましくはTg+180℃以下、より好ましくはTg+150℃以下である。ここで「Tg」は、樹脂(B)、成形材料(A)及び樹脂(B’)に含まれる脂環式構造を含有する重合体のガラス転移温度のうち、最も高い温度を表す。また、前記の溶融温度は、例えば共押出Tダイ法においては、Tダイを有する押出機における樹脂(B)、成形材料(A)及び樹脂(B’)の溶融温度を表す。押し出される樹脂(B)、成形材料(A)及び樹脂(B’)の溶融温度が、前記範囲の下限値以上であることより、樹脂の流動性を十分に高めて成形性を良好にでき、また、上限値以下であることにより、樹脂の劣化を抑制できる。
押出温度は、樹脂(B)、成形材料(A)及び樹脂(B’)に応じて適切に選択しうる。例えば、押出機内における樹脂の温度は、樹脂投入口ではTg〜(Tg+100℃)、押出機出口では(Tg+50℃)〜(Tg+170℃)、ダイス温度は(Tg+50℃)〜(Tg+170℃)℃としうる。
さらに、ダイのダイスリップの算術平均粗さRaは、好ましくは0μm〜1.0μm、より好ましくは0μm〜0.7μm、特に好ましくは0μm〜0.5μmである。ダイスリップの算術平均粗さを前記範囲に収めることにより、光学積層体のスジ状の欠陥を抑制することが容易となる。
ここで、算術平均粗さRaは、表面粗さ計を用い、JIS B0601:1994に基づき測定しうる。
共押出法では、通常、ダイスリップから押し出されたフィルム状の溶融樹脂を冷却ロールに密着させて冷却し、硬化させる。この際、溶融樹脂を冷却ロールに密着させる方法としては、例えば、エアナイフ方式、バキュームボックス方式、静電密着方式などが挙げられる。
前記のように樹脂(B)、成形材料(A)及び樹脂(B’)をフィルム状に成形することにより、樹脂(B)からなる第一外側層と、成形材料(A)の成形体である中間層と、樹脂(B’)からなる第二外側層とをこの順に備える光学積層体が得られる。
また、光学積層体の製造方法は、延伸工程を含んでいてもよい。上述したように樹脂を成形して得られた光学積層体に延伸処理を施すことにより、この光学積層体に所望の光学特性を発現させることができる。以下の説明において、「延伸前積層体」とは、延伸処理を施される前の光学積層体をいい、「延伸積層体」とは、延伸処理を施された光学積層体をいう。
延伸は、一方向のみに延伸処理を行う一軸延伸処理を行ってもよく、異なる2方向に延伸処理を行う二軸延伸処理を行ってもよい。また、二軸延伸処理では、2方向に同時に延伸処理を行う同時二軸延伸処理を行ってもよく、ある方向に延伸処理を行った後で別の方向に延伸処理を行う逐次二軸延伸処理を行ってもよい。さらに、延伸は、延伸前積層体の長手方向に延伸処理を行う縦延伸処理、延伸前積層体の幅方向に延伸処理を行う横延伸処理、延伸前積層体の幅方向に平行でもなく垂直でもない斜め方向に延伸処理を行う斜め延伸処理のいずれを行ってもよく、これらを組み合わせて行ってもよい。これらの延伸処理の中でも、斜め延伸処理が好ましい。
延伸温度及び延伸倍率は、延伸によって発現させたい光学特性に応じて任意に設定しうる。具体的な範囲を挙げると、延伸温度は、好ましくはTg−30℃以上、より好ましくはTg−10℃以上であり、好ましくはTg+60℃以下、より好ましくはTg+50℃以下である。また、延伸倍率は、好ましくは1.01倍〜30倍、好ましくは1.01倍〜10倍、より好ましくは1.01倍〜5倍である。
また、光学積層体の製造方法は、前述した工程に加えて、更に任意の工程を含んでいてもよい。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例に限定されるものでは無く、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。以下の説明において、量を表す「%」及び「部」は、別に断らない限り重量基準である。また、以下に説明する操作は、別に断らない限り、常温及び常圧の条件において行った。
以下の説明において、別に断らない限り、「DCP」とは「トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン」を示し、「TCD」とは「テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン」を示し、「MTF」とは「テトラシクロ[9.2.1.02,10.03,8]テトラデカ−3,5,7,12−テトラエン」を示す。
[測定方法]
[切断時のストランド(固化物)温度]
ペレタイザーに投入される直前のストランド(固化物)の温度を、赤外線放射温度計(HORIBA製「IT−550S」)により測定した。
[突起を有するペレットの割合]
成形材料からペレット30個を無作為に選び、各ペレットの断面を顕微鏡(OLYMPUS製「BX51」)により倍率50倍として観察した。ペレットの切断面に突起が存在する場合は、突起に外接する直方形を設定し、該直方形の長辺の長さを測定し、突起の長さとした。
ペレットの切断面に突起が存在しないペレットの個数と、突起が存在するが長さが0.3mm未満であるペレットの個数との合計を求め、ペレット30個中の、ペレットの切断面に長さ0.3mm以上である突起を有するペレットの割合(%)を算出した。
[目開き1mmのふるい下の粒子の含有率]
成形材料500kgを、目開き1mm(16メッシュ)のフィルター(1枚)が装着されたブロースルー式高性能ふるい機(東洋ハイテック製「ハイボルター」)を用いて分級した。該フィルター1枚を通過した粒子を集めて重量を測定し、成形材料500kg中の、目開き1mmのふるい下粒子の含有率(ppm)を算出した。
〔面内レターデーションの測定方法〕
光学積層体の波長550nmにおける面内レターデーションReは、ポラリメーター(Axiometric社製「Axoscan」)を用いて測定した。
〔光線透過率の測定方法〕
光学積層体の波長380nmにおける光線透過率は、JIS K 0115(吸光光度分析通則)に準拠して、分光光度計(日本分光社製の紫外可視近赤外分光光度計「V−570」)を用いて測定した。
〔異物の検出方法〕
光学積層体を、黒板上に設置し、蛍光灯で照らした。蛍光灯から発せられて、光学積層体で反射した反射光を目視で観察し、異物を検出した。また、検出された異物の径をルーペを用いて測定し、径100μm以上の異物と、径50μm以上100μm未満の異物に分類した。
[製造例1:樹脂組成物(J1)の製造]
(開環重合)
窒素で置換した反応器に、DCP、TCD及びMTFの混合物(DCP/TCD/MTF=55/40/5重量比)7部、並びに、シクロヘキサン1600部を加えた。前記のDCP、TCD及びMTFの混合物の量は、重合に使用するモノマー全量に対して重量1%である。
さらに、反応器に、トリ−i−ブチルアルミニウム0.55部、イソブチルアルコール0.21部、反応調整剤としてジイソプロピルエーテル0.84部、及び、分子量調節剤として1−ヘキセン3.24部を添加した。
ここに、濃度0.65%の六塩化タングステンのシクロヘキサン溶液24.1部を添加して、55℃で10分間攪拌した。
次いで、反応系を55℃に保持しながら、DCP、TCD及びMTFの混合物(DCP/TCD/MTF=55/40/5重量比)693部と、濃度0.65%の六塩化タングステンのシクロヘキサン溶液48.9部とを、それぞれ系内に150分かけて連続的に滴下した。
その後、30分間反応を継続し、重合を終了した。これにより、シクロヘキサン中に開環重合体を含む開環重合反応液を得た。重合終了後、ガスクロマトグラフィーにより測定したモノマーの重合転化率は、重合終了時で100%であった。
(水素添加)
得られた開環重合反応液を耐圧性の水素化反応器に移送した。この反応器に、ケイソウ土担持ニッケル触媒(日揮化学社製「T8400RL」、ニッケル担持率57%)1.4部、及び、シクロヘキサン167部を加え、180℃、水素圧4.6MPaで6時間、水素添加反応させた。この水素添加反応により、開環重合体の水素添加物を含む反応溶液を得た。この反応溶液から、ラジオライト#500を濾過床として、圧力0.25MPaで加圧濾過(石川島播磨重工社製、製品名「フンダフィルター」)によって水素化触媒を除去し、無色透明な溶液を得た。
次いで、前記水素添加物100部あたり0.5部の酸化防止剤(ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガノックス1010」)を、得られた溶液に添加して、溶解させた。次いで、この溶液を、フィルター(キュノーフィルター社製「ゼータープラスフィルター30H」、孔径0.5μm〜1μm)にて順次濾過し、さらに別の金属ファイバー製フィルター(ニチダイ社製、孔径0.4μm)にて濾過して、溶液から微小な固形分を除去した。開環重合体の水素添加物の水素添加率は、99.9%であった。
次いで、上記の濾過により得られた溶液を、円筒型濃縮乾燥器(日立製作所社製)を用いて、温度270℃、圧力1kPa以下で処理することにより、溶液から、溶媒であるシクロヘキサン及びその他の揮発成分を除去した。そして、濃縮機に直結したダイスから、溶液に含まれていた固形分を溶融状態でストランド状に押し出した押出物を、ダイス下に設置した水槽を通過させて冷却し、脂環式構造を含有する重合体としての開環重合体の水素添加物を含む、樹脂組成物(J1)のストランド(固化物)を得た。冷却したストランド(固化物)を、回転式カッターを備えたペレタイザー(技研工機社製「ストランドカッター」)により、切断時のストランド(固化物)の温度を85℃としてペレット状に切断することによって、樹脂組成物(J1)のペレットを含む成形材料(S1)を得た。ペレットに含まれる開環重合体の水素添加物の重量平均分子量(Mw)は38,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.5、ガラス転移温度Tgは126℃であった。樹脂組成物(J1)のペレットは乾燥させて、樹脂組成物(J2)の製造に用いた。得られた成形材料(S1)の、切断面に長さ0.3mm以上の突起を有するペレットの割合は10%、成形材料500kg中の、目開き1mmのふるい下粒子の含有率は1.5ppmであった。
[製造例2:樹脂組成物(J2)の製造]
乾燥させた樹脂組成物(J1)(ガラス転移温度は126℃である。)のペレット100部と、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(ADEKA社製「LA−31」)7.0部とを、二軸押出機により混練し、樹脂組成物(J2)を得た。樹脂組成物(J2)における紫外線吸収剤の含有量は7.0重量%である。樹脂組成物(J2)からは、後述するように成形材料(S2−1)〜(S2−5)を製造した。
[製造例3:樹脂組成物(J3)の製造]
(開環重合)
窒素雰囲気下、脱水したシクロヘキサン500部、1−ヘキセン0.82部、ジブチルエーテル0.15部、及びトリイソブチルアルミニウム0.30部を室温で反応器に入れ混合した後、反応系を45℃に保ちながら、MTF60部、TCD40部及び六塩化タングステン0.7%トルエン溶液40部を2時間かけて反応系内に連続的に添加し重合した。重合溶液にブチルグリシジルエーテル1.06部及びイソプロピルアルコール0.52部を加えて重合触媒を不活性化し重合反応を停止させ、開環重合体を含有する反応溶液を得た。
(水素添加)
次いで、得られた開環重合体を含有する反応溶液100部に対して、シクロヘキサン270部を加え、さらに水素化触媒としてニッケル−アルミナ触媒(日揮化学社製)5部を加え、水素により4.9MPaに加圧して撹拌しながら温度200℃まで加温した後、4時間反応させ、開環重合体の水素添加物を20%含有する反応溶液を得た。この反応溶液から、ラジオライト#500を濾過床として、圧力0.25MPaで加圧濾過(石川島播磨重工社製、製品名「フンダフィルター」)によって水素化触媒を除去し、開環重合体の水素添加物を含む、無色透明な溶液を得た。
次いで、前記水素添加物100部あたり0.5部の酸化防止剤(ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガノックス1010」)を、得られた溶液に添加して、溶解させた。次いで、この溶液を、フィルター(キュノーフィルター社製「ゼータープラスフィルター30H」、孔径0.5μm〜1μm)にて順次濾過し、さらに別の金属ファイバー製フィルター(ニチダイ社製、孔径0.4μm)にて濾過して、溶液から微小な固形分を除去した。開環重合体の水素添加物の水素添加率は、99.9%であった。
次いで、上記の濾過により得られた溶液を、円筒型濃縮乾燥器(日立製作所社製)を用いて、温度270℃、圧力1kPa以下で処理することにより、溶液から、溶媒であるシクロヘキサン及びその他の揮発成分を除去した。そして、濃縮機に直結したダイスから、溶液に含まれていた固形分を溶融状態でストランド状に押し出した押出物を、ダイス下に設置した水槽を通過させて冷却し、脂環式構造を含有する重合体としての開環重合体の水素添加物を含む、樹脂組成物(J3)のストランド(固化物)を得た。冷却したストランド(固化物)を、回転式カッターを備えたペレタイザー(技研工機社製「ストランドカッター」)により、切断時のストランド(固化物)の温度を115℃としてペレット状に切断することによって、樹脂組成物(J3)のペレットを含む成形材料(S3)を得た。
ペレットに含まれる開環重合体の水素添加物の重量平均分子量(Mw)は32,000、ガラス転移温度Tgは160℃であった。得られた成形材料(S3)の、切断面に長さ0.3mm以上の突起を有するペレットの割合は13%、成形材料500kg中の、目開き1mmのふるい下粒子の含有率は1.8ppmであった。
[実施例1]
二軸押出機で混練した樹脂組成物(J2)を、溶融状態でダイスからストランド状に押し出して押出物を得た。次いで、ストランド状に押し出した押出物を、ダイス下に設置した水槽を通過させて冷却し、樹脂組成物(J2)のストランド(固化物)を得た。冷却したストランド(固化物)を、回転式カッターを備えたペレタイザー(技研工機社製「ストランドカッター」)により、切断時のストランド(固化物)の温度を70℃としてペレット状に切断することによって、樹脂組成物(J2)のペレットを含む成形材料(S2−1)を得た。
[実施例2]
切断時のストランド温度を90℃とした以外は、実施例1と同様にして、成形材料(S2−2)を得た。結果を表1に示す。
[実施例3]
切断時のストランド温度を100℃とした以外は、実施例1と同様にして、成形材料(S2−3)を得た。結果を表1に示す。
[実施例4]
切断時のストランド温度を115℃とした以外は、実施例1と同様にして、成形材料(S2−4)を得た。結果を表1に示す。
[比較例1]
切断時のストランド温度を50℃とした以外は、実施例1と同様にして、成形材料(S2−5)を得た。結果を表1に示す。
Figure 2018052081
表1の結果から、切断面に長さ0.3mm以上の突起を有するペレットの割合が25%以下である場合に、成形材料500kgに含まれる、目開き1mmのふるい下の粒子量を低減することができることがわかる。
[実施例5]
[製造例4:延伸前積層体の製造]
目開き3μmのリーフディスク形状のポリマーフィルターを備える、ダブルフライト型単軸押出機(スクリューの直径D=50mm、スクリューの長さLとスクリューの直径Dとの比L/D=28)を用意した。この単軸押出機に前記成形材料(S2−1)を導入し、溶融させて、フィードブロックを介して単層ダイに供給した。単軸押出機への成形材料(S2−1)の導入は、単軸押出機に装填されたホッパーを介して行った。また、前記の単層ダイのダイスリップの表面粗さ(算術平均粗さRa)は、0.1μmであった。さらに、成形材料(S2−1)の溶融体の、押出機出口温度は、260℃であった。
他方、目開き3μmのリーフディスク形状のポリマーフィルターを備える単軸押出機(スクリューの直径D=50mm、スクリューの長さLとスクリューの直径Dとの比L/D=30)1台を用意した。この単軸押出機に、成形材料(S1)を導入し、溶融させて、フィードブロックを介して前記の単層ダイに供給した。成形材料(S1)の溶融体の押出機出口温度は、260℃であった。
その後、樹脂組成物(J1)の層、樹脂組成物(J2)の層、及び、樹脂組成物(J1)の層の3層を含むフィルム状に吐出されるように、前記の成形材料(S1)及び成形材料(S2−1)を、260℃の溶融状態で単層ダイから吐出させた(共押出成形工程)。そして、吐出された樹脂組成物を、100℃に温度調整された冷却ロールにキャストし、50℃に温度調整された冷却ロールに通して、長尺の延伸前積層体(f1)を得た。樹脂組成物を単層ダイから吐出させて冷却ロールにキャストする際、エアギャップ量は50mmに設定した。また、溶融状態のフィルム状の樹脂を冷却ロールにキャストする方法としては、エッジピニングを採用した。
得られた延伸前積層体(f1)は、成形材料(S1)の成形体である、樹脂組成物(J1)からなる層、中間層としての、成形材料(S2−1)の成形体である、樹脂組成物(J2)からなる層、及び、成形材料(S1)の成形体である、樹脂組成物(J1)からなる層をこの順に備える、2種3層のフィルムであった。この延伸前積層体の総厚みは、45μmであった。また、樹脂組成物(J1)からなる2層の合計厚みに対する樹脂組成物(J2)からなる層の厚みの比は、0.53であった。
その後、前記の延伸前積層体の両端をトリミングして、幅を1230mmとした。
〔製造例5:延伸前積層体の延伸〕
前記の延伸前積層体(f1)を、その長手方向に搬送して、テンター延伸機に連続的に供給した。そして、前記のテンター延伸機によって延伸前積層体を連続的に延伸し、更に幅方向の両端をトリミングして、幅1290mm、総厚み32μmの長尺の延伸積層体を得た。前記の延伸は、延伸後に得られる延伸積層体の遅相軸が、当該延伸積層体の幅方向に対して45°の角度をなすように、斜め方向に行った。その後、製造された延伸積層体(f2)をロール状に巻き取って回収した。
得られた延伸積層体(f2)を、光学積層体として、上述した方法によって評価した。その結果、延伸積層体の面内レターデーションReは99nm、延伸積層体の波長380nmにおける光線透過率は1.50%、延伸積層体において検出された径100μm以上の異物数は4個/m、50μm以上100μm未満の異物数は15個/mであった。
[実施例6]
前記[製造例4]にて成形材料(S2−1)を成形材料(S2−2)に変更した以外は、実施例5と同様にして、延伸前積層体(f3)と延伸積層体(f4)を得た。得られた延伸前積層体(f3)は、成形材料(S1)の成形体である、樹脂組成物(J1)からなる層、中間層としての、成形材料(S2−2)の成形体である、樹脂組成物(J2)からなる層、及び、成形材料(S1)の成形体である、樹脂組成物(J1)からなる層をこの順に備える、2種3層のフィルムであった。得られた延伸積層体(f4)を、光学積層体として、上述した方法によって評価した。その結果、延伸積層体の面内レターデーションReは99nm、延伸積層体の波長380nmにおける光線透過率は1.50%、延伸積層体において検出された径100μm以上の異物数は2個/m、50μm以上100μm未満の異物数は5個/mであった。
[実施例7]
前記[製造例4]にて成形材料(S2−1)を成形材料(S2−2)に変更し、成形材料(S1)を成形材料(S3)に変更とした以外は、実施例5と同様にして、延伸積層体(f5)を得た。得られた延伸積層体(f5)は、成形材料(S3)の成形体である、樹脂組成物(J3)からなる層、中間層としての、成形材料(S2−2)の成形体である、樹脂組成物(J2)からなる層、及び、成形材料(S3)の成形体である、樹脂組成物(J3)からなる層をこの順に備える、2種3層のフィルムであった。得られた延伸積層体(f5)を、光学積層体として、上述した方法によって評価した。その結果、延伸積層体の面内レターデーションReは5nm、延伸積層体の波長380nmにおける光線透過率は0.10%、延伸積層体において検出された径100μm以上の異物数は1個/m、50μm以上100μm未満の異物数は3個/mであった。
[比較例2]
前記[製造例4]にて成形材料(S2−1)を成形材料(S2−5)に変更とした以外は、実施例5と同様にして、延伸前積層体(f6)と延伸積層体(f7)を得た。得られた延伸前積層体(f6)は、成形材料(S1)の成形体である、樹脂組成物(J1)からなる層、中間層としての、成形材料(S2−5)の成形体である、樹脂組成物(J2)からなる層、及び、成形材料(S1)の成形体である、樹脂組成物(J1)からなる層をこの順に備える、2種3層のフィルムであった。得られた延伸積層体(f7)を、光学積層体として、上述した方法によって評価した。その結果、延伸積層体の面内レターデーションReは99nm、延伸積層体の波長380nmにおける光線透過率は1.50%、延伸積層体において検出された径100μm以上の異物数は10個/m、50μm以上100μm未満の異物数は30個/mであった。
Figure 2018052081
表2の結果から、切断面に長さ0.3mm以上の突起を有するペレットの割合が25%以下である場合に、それらの樹脂を用いて製膜したフィルムにおいて、異物数を低減させることができることがわかる。
100 光学積層体
110 第一外側層
120 第二外側層
130 中間層

Claims (10)

  1. 脂環式構造を含有する重合体を含む樹脂組成物からなるペレットを複数含み、ペレットの切断面に長さ0.3mm以上である突起を有するペレットの割合が25%以下である、成形材料。
  2. 500kgに含まれる目開き1mmのふるい下の粒子が5ppm以下である、請求項1に記載の成形材料。
  3. 前記樹脂組成物が、5重量%以上20重量%以下の紫外線吸収剤をさらに含む、請求項1又は2に記載の成形材料。
  4. 脂環式構造を含有する重合体を含む樹脂組成物からなるペレットを複数含み、ペレットの切断面に長さ0.3mm以上である突起を有するペレットの割合が25%以下である成形材料の製造方法であって、下記工程を含む製造方法:
    脂環式構造を含有する重合体を含む樹脂組成物をストランド状に押し出して押出物を得る工程、
    前記押出物を冷却して固化物を得る工程、及び
    前記固化物を(Tg−60)℃以上(Tg+5)℃以下の温度で切断して成形材料を得る工程、ただし前記脂環式構造を含有する重合体のガラス転移温度をTg(℃)とする。
  5. 切断が回転式カッターを用いて行われる、請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記樹脂組成物が紫外線吸収剤をさらに含む、請求項4又は5に記載の製造方法。
  7. 第一外側層と、中間層と、第二外側層とを、この順に備える光学積層体であって、
    前記中間層は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の成形材料の成形体であり、
    前記光学積層体の厚みが、20μm以上50μm以下である、
    光学積層体。
  8. 前記中間層における、紫外線吸収剤の含有割合が5重量%以上20重量%以下であり、
    前記第一外側層及び前記第二外側層は、紫外線吸収剤を含まない、
    請求項7に記載の光学積層体。
  9. 目視にて検出される径100μm以上の異物の数が、5個/m以下であり、且つ、
    目視にて検出される径50μm以上100μm未満の異物の数が、20個/m以下である、請求項7又は8に記載の光学積層体。
  10. 請求項7〜9のいずれか一項に記載の光学積層体の製造方法であって、
    第一外側層が、樹脂(B)からなる層であり、
    第二外側層が、樹脂(B’)からなる層であり、
    前記製造方法が、前記成形材料、前記樹脂(B)及び前記樹脂(B’)を共押出することを含む、請求項7〜9のいずれか一項に記載の光学積層体の製造方法。
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