JP5411488B2 - フィルムとその製造方法、液晶表示板用光学補償フィルム、偏光板および液晶表示装置 - Google Patents
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Description
[2] 前記熱可塑性樹脂を含有する組成物をダイから溶融押出しする工程と、溶融押出しされた溶融物を前記第一挟圧面と前記第二挟圧面の間を通過させる工程と、を含むことを特徴とする[1]に記載のフィルムの製造方法。
[3] 前記第一挟圧面と前記第二挟圧面との間で挟圧される前記溶融物の挟圧装置通過方向の長さが、0mmより大きく2mm以内であることを特徴とする[1]または[2]に記載のフィルムの製造方法。
[4] 前記第一挟圧面または前記第二挟圧面のうち少なくとも一方が、段付き構造を有することを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一項に記載のフィルムの製造方法。
[5] 前記挟圧装置が互いに周速が異なる2つのロールであることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか一項に記載のフィルムの製造方法。
[6] 前記2つのロールがタッチロールとチルロールであり、前記挟圧装置によって前記溶融物を挟圧する際に、ショアA硬さが70HS以上のゴムで覆われたバックアップロールによって前記タッチロールを前記チルロールの方向へ押す工程を含むことを特徴とする[5]に記載のフィルムの製造方法。
[7] 前記バックアップロールの横幅が、前記タッチロールの横幅よりも短いことを特徴とする[6]に記載のフィルムの製造方法。
[8] 前記2つのロールが少なくとも芯部と外筒を有し、前記2つのロールの外筒の平均肉厚が、ともに10mm以上であることを特徴とする[5]〜[7]のいずれか一項に記載のフィルムの製造方法。
[9] 前記溶融物が前記ダイから前記挟圧装置の挟圧面に達するまでの間、前記溶融物を加熱する工程または保温する工程のうち少なくとも一方の工程を含むことを特徴とする[2]〜[8]のいずれか一項に記載のフィルムの製造方法。
[10] 前記熱可塑性樹脂が、環状オレフィン共重合体類、セルロースアシレート類、ポリカーボネート類、スチレン系共重合体、アクリル系共重合体から選択される少なくとも1種であることを特徴とする[1]〜[9]のいずれか一項に記載のフィルムの製造方法。
[11] 前記溶融物の1m幅あたり3000〜30000Nのせん断応力を与える工程と、5m/分以上の速度で製膜する工程とを含むことを特徴とする[1]〜[10]のいずれか一項に記載のフィルムの製造方法。
[12] 前記フィルムの未延伸時の厚みが150μm以下であることを特徴とする[1]〜[11]のいずれか一項に記載のフィルムの製造方法。
[13] [1]〜[12]のいずれか一項に記載のフィルムの製造方法により製造されたことを特徴とするフィルム。
[14] 熱可塑性樹脂を含有し、フィルム傾斜方位とフィルム法線を含む面内において、該法線方向から測定した波長550nmにおける正面方向のレターデーションRe[0°]と、該法線に対して傾斜方位側へ40°傾いた方向から測定したレターデーションRe[+40°]と、該法線に対して傾斜方位とは反対側へ40°傾いた方向から測定したレターデーションRe[−40°]が、以下の関係式(I)および(II)を共に満たし、かつRe[0°]のフィルム幅方向のムラと|Re[+40°]−Re[−40°]|のフィルム幅方向のムラとが共に3nm以内であることを特徴とするフィルム。
60nm≦Re[0°]≦300nm 式(I)
40nm≦γ≦300nm 式(II)
γ=|Re[+40°]−Re[−40°]| 式(II’)
[15] [13]または[14]に記載のフィルムを少なくとも1層積層したことを特徴とする液晶表示板用光学補償フィルム。
[16] [13]または[14]に記載のフィルム、あるいは、[15]に記載の液晶表示装置用光学補償フィルムと、偏光子とを有することを特徴とする偏光板。
[17] [13]または[14]に記載のフィルム、あるいは、[15]に記載の液晶表示装置用光学補償フィルムを用いたことを特徴とする液晶表示装置。
本発明のフィルムは、光学用途用フィルムとして好ましく用いることができ、光学補償フィルムとしてより好ましく用いることができ、液晶表示板用光学補償フィルムとしてより特に好ましく用いることができる。また、本発明のフィルムは積層構造とすることもできる。
本発明のフィルムは、熱可塑性樹脂を含有し、フィルム傾斜方位とフィルム法線を含む面内において、該法線から測定した波長550nmにおける正面方向のレターデーションRe[0°]と、+40°傾いた方向から測定したレターデーションRe[+40°]と、該法線に対して−40°傾いた方向から測定したレターデーションRe[−40°]が、以下の関係式(I)および(II)を共に満たし、かつRe[0°]のフィルムTD方向のムラと下記γのフィルムTD方向のムラとが共に3nm以内であることを特徴とする。
60nm≦Re[0°]≦300nm 式(I)
40nm≦γ≦300nm 式(II)
γ=|Re[+40°]−Re[−40°]| 式(II’)
さらに、本発明のフィルムは、厚み方向のレターデーションRthが40〜500nmであることが好ましく、より好ましくは40〜350nm、さらに好ましくは40〜300nmである。
60nm≦Re[0°]≦200nm (III)
60nm≦γ≦250nm (IV)
40nm≦Rth≦350nm (V)
本発明のフィルムは、Re[0°]のフィルムTD方向のムラと、γのフィルムTD方向のムラとが共に3nm以内である。このようなフィルムTD方向の光学特性のムラは、液晶ディスプレイに利用した場合に、表示ムラとなって現れるので、小さいほど好ましく、具体的には、共に2.5nm以内であることが好ましく、共に2nm以内であることがより好ましく、共に1nm以内であることがさらに好ましい。
本発明において、フィルムのRe[0°]、Re[+40°]およびRe[−40°]は、KOBRA 21ADHまたはWR(王子計測機器(株)製)を用い、フィルムの傾斜方位とフィルム法線を含む面内において、傾斜角度0°での位相差、傾斜角度40度での位相差および傾斜角度−40度での位相差を測定したものである。
ここで、傾斜方位は、以下の方法で決定した。
(1)フィルム面内の遅相軸方位を0°、フィルム面内の進相軸方位を90°とし、0°〜90°の間で0.1°刻みで仮傾斜方位を設定する。
(2)各仮傾斜方位とフィルム法線を含む面内においてRe[+40°]とRe[−40°]を測定し、|Re[+40°]−Re[−40°]|、すなわち前記γを求める。
(3)γが最大となる方位を傾斜方位と決定する。
なお、測定波長は550nmとする。なお、一般的な熱可塑性樹脂を溶融製膜法で作成したフィルムは、どの方位で測定しても、γ≒0nmとなる。すなわち、傾斜方位でγを測定した場合、0nm以上の位相差を発現することが本発明のフィルムの特徴である。
また、本発明における前記Re[0°]のTDむら、前記γのTDむらは、以下の方法により測定することができる。フィルム面の互いに2mm以上離れた任意の10点以上の位置でサンプリングを行い、上記方法でRe[0°]、Re[+40°]およびRe[−40°]をTD方向に10mm間隔で測定し、その最大値と最小値の差を、Re[0°]、Re[+40°]およびRe[−40°]のTDむらとする。また、γのTDむらは、サンプリングした各点において|Re[+40°]−Re[−40°]|を計算してγを求め、それら各点で求めたγのうち、最大値と最小値の差をγのTDむらとする。
さらに、遅相軸および後述のRthのバラツキも同様に測定される。
Rth=((nx+ny)/2−nz)×d 数式(A)
本発明のフィルムでは、nyはフィルム幅方向の屈折率である。nxはフィルムのx軸への射影成分がz軸への射影成分よりも大きい方位の、nzはz軸への射影成分がx軸の射影成分よりも大きい方位の屈折率である。
nx、ny、nzの求め方については、王子計測機器株式会社の技術資料等(http://www.oji-keisoku.co.jp/products/kobra/kobra.html)に記載されているが、例えば、Re[0°]、Re[+40°]およびRe[−40°]の値および平均屈折率naveの値および膜厚値dから、以下の数式(B)を用いて計算することが出来る。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値は、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学補償フィルムのカタログの値を使用することができる。また、平均屈折率の値が既知でないものについては、アッベ屈折計で測定することができる。主な光学補償フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。
本発明で用いられる熱可塑性樹脂は、上記光学特性を有する限り特に限定されないが、溶融押出し法を利用して作製する場合は、溶融押出し成形性が良好な材料を利用するのが好ましく、その観点では、環状オレフィン系樹脂、セルロースアシレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル類、透明ポリエチレン、透明ポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリアリレート類、ポリスルホン類、ポリエーテルスルホン類、マレイミド系共重合体類、透明ナイロン類、透明フッ素樹脂類、透明フェノキシ類、ポリエーテルイミド類、ポリスチレン類、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂を選択するのが好ましい。1種の当該樹脂を含有していてもよいし、互いに異なる2種以上の当該樹脂を含有していてもよい。本発明のフィルムでは、環状オレフィン系樹脂、セルロースアシレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂およびアクリル系樹脂の少なくとも1種を含むことが好ましく、環状オレフィン系樹脂、セルロースアシレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂およびアクリル系樹脂の少なくとも1種を含むことがより好ましい。また、前記環状オレフィン類は、付加重合によって得られた環状オレフィン類であることが好ましい。
また、負の固有複屈折性を示す、アクリル系樹脂およびスチレン系樹脂は、上記加工を行った場合、進相軸が傾斜方位を向き、|Re[+40°]―Re[−40°]|>0のフィルムを作成することができる。
付加重合およびそれにより得られる環状オレフィン系樹脂としては、例えば、特許3517471号公報、特許3559360号公報、特許3867178号公報、特許3871721号公報、特許3907908号公報、特許3945598号公報、特表2005−527696号公報、特開2006−28993号公報、特開2006−11361公報、国際公開WO第2006−/004376号公報、国際公開WO第2006−/030797号パンフレットに記載されているものが挙げられる。中でも、特許3517471号公報に記載のものが特に好ましい。
開環重合およびそれにより得られる環状オレフィン系樹脂としては、国際公開WO98第98/14499号パンフレット、特許3060532号公報、特許3220478号公報、特許3273046号公報、特許3404027号公報、特許3428176号公報、特許3687231号公報、特許3873934号公報、特許3912159号公報に記載のものが挙げられる。中でも、国際公開WO第98/14499号パンフレット、特許3060532号公報に記載のものが特に好ましい。
これらの環状オレフィン系樹脂の中でも付加重合によって得られるものが、複屈折の発現性、溶融粘度の観点から好ましく、例えば、「TOPAS #6013」(Polyplastics社製)を用いることができる。
式(S−1) 2.0≦X+Y≦3.0
式(S−2) 0.25≦Y≦3.0
前記式(S−1)および(S−2)中、Xはセルロースの水酸基に対するアセチル基の置換度を表し、Yはセルロースの水酸基に対するアシル基の置換度の総和を表す。本明細書でいう「置換度」とは、セルロースの2位、3位および6位のぞれぞれの水酸基の水素原子が置換されている割合の合計を意味する。2位、3位および6位全ての水酸基の水素がアシル基で置換された場合は置換度が3となる。
さらに、下記式(S−3)および(S−4)を満足するセルロースアシレートを用いるのがより好ましい。
式(S−3)2.3≦X+Y≦2.95
式(S−4)1.0≦Y≦2.95
下記式(S−5)および(S−6)を満足するセルロースアシレートを用いるのがさらに好ましい。
式(S−5)2.7≦X+Y≦2.95
式(S−6)2.0≦Y≦2.9
共重合体樹脂としては、例えば、スチレン−アクリロニトリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−無水マレイン酸系樹脂、あるいはこれらの多元(二元、三元等)共重合ポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、スチレン−アクリル系樹脂やスチレン−無水マレイン酸系樹脂が耐熱性・フィルム強度の観点から好ましい。
前記スチレン−無水マレイン酸系樹脂は、スチレンと無水マレイン酸との質量組成比が、スチレン:無水マレイン酸=95:5〜50:50であることが好ましく、スチレン:無水マレイン酸=90:10〜70:30であることがより好ましい。また、固有複屈折を調整するため、スチレン系樹脂の水素添加を行うことも好ましく利用できる。
前記スチレン−無水マレイン酸系樹脂としては、例えば、ノバケミカル社製の「 Daylark D332」などが挙げられる。
また、スチレン-アクリル系樹脂としては、後述する、旭化成ケミカル社製の「デルペット980N」などを用いることができる。
アクリル酸、メタクリル酸およびそれらの誘導体を重合して得られる樹脂としては、例えば、下記一般式(1)で表される構造のものを挙げることができる。
前記アクリル系共重合体樹脂の中でも、樹脂を構成する全モノマー中、MMA単位(モノマー)を30モル%以上含むものが好ましく、MMA以外に、ラクトン環単位、無水マレイン酸単位、グルタル酸無水物単位の少なくとも1種の単位を含むことがより好ましく、例えば下記のものを使用できる。
特開2007−297615号、特開2007−63541号、特開2007−70607号、特開2007−100044号、特開2007−254726号、特開2007−254727号、特開2007−261265号、特開2007−293272号、特開2007−297619号、特開2007−316366号、特開2008−9378号、特開2008−76764号の各公報に記載のものを使用できる。この中でより好ましいのが特開2008−9378号公報に記載の樹脂である。
(2)無水マレイン酸単位を含むアクリル樹脂
特開2007−113109号、特開2003−292714号、特開平6−279546号、特開2007−51233号(ここに記載の酸変性ビニル)、特開2001−270905号、特開2002−167694号、特開2000−302988号、特開2007−113110号、特開2007−11565号各公報に記載のものを使用できる。この中でより好ましいのが、特開2007−113109号公報に記載のものである。また市販のマレイン酸変性MAS樹脂(例えば旭化成ケミカルズ(株)製デルペット980N)も好ましく使用できる。
(3)グルタル酸無水物単位を含むアクリル樹脂
特開2006−241263号、特開2004−70290号、特開2004−70296号、特開2004−126546号、特開2004−163924号、特開2004−291302号、特開2004−292812号、特開2005−314534号、特開2005−326613号、特開2005−331728号、特開2006−131898号、特開2006−134872号、特開2006−206881号、特開2006−241197号、特開2006−283013号、特開2007−118266号、特開2007−176982号、特開2007−178504号、特開2007−197703号、特開2008−74918号、国際公開WO2005/105918等各公報に記載のものを使用できる。この中でより好ましいのが特開2008−74918号公報に記載のものである。
これらの樹脂のガラス転移温度(Tg)は106℃〜170℃が好ましく、より好ましくは110℃〜160℃、さらに好ましくは115℃〜150℃である。
また、前記熱可塑性樹脂が共重合体である場合は、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもかまわない。
本発明のフィルムは、上記熱可塑性樹脂以外の材料を含有していてもよいが、上記熱可塑性樹脂の1種または2種以上を主成分(組成物中の全材料中、最も含有割合の高い材料を意味し、当該樹脂を2種以上含有する態様では、それらの合計の含有割合が、他の材料それぞれの含有割合より高いことを意味する)として含有しているのが好ましい。上記熱可塑性樹脂以外の材料としては、種々の添加剤が挙げられ、その例には、安定化剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、可塑剤、微粒子、および光学調整剤が含まれる。
本発明のフィルムは、安定化剤の少なくとも一種を含有していてもよい。安定化剤は、前記熱可塑性樹脂を加熱溶融する前にまたは加熱溶融時に添加することが好ましい。安定化剤は、フィルム構成材料の酸化防止、分解して発生した酸の捕捉、光または熱によるラジカル種基因の分解反応を抑制または禁止する等の作用がある。安定化剤は、解明されていない分解反応などを含む種々の分解反応によって、着色や分子量低下等の変質および揮発成分の生成等が引き起こされるのを抑制するのに有用である。樹脂を製膜するための溶融温度においても安定化剤自身が分解せずに機能することが求められる。安定化剤の代表的な例には、フェノール系安定化剤、亜リン酸系安定化剤(フォスファイト系)、チオエーテル系安定化剤、アミン系安定化剤、エポキシ系安定化剤、ラクトン系安定化剤、アミン系安定化剤、金属不活性化剤(スズ系安定化剤)などが含まれる。これらは、特開平3−199201号公報、特開平5−1907073号公報、特開平5−194789号公報、特開平5−271471号公報、特開平6−107854号公報などに記載があり、本発明ではフェノール系や亜リン酸系安定化剤の少なくとも一方以上を用いることが好ましい。フェノール系安定化剤の中でも、特に分子量500以上のフェノール系安定化剤を添加することが好ましい。好ましいフェノール系安定化剤としては、ヒンダードフェノール系安定化剤が挙げられる。
本発明のフィルムは、1種または2種以上の紫外線吸収剤を含有していてもよい。紫外線吸収剤は、劣化防止の観点から、波長380nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ、透明性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましい。例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物などが挙げられる。特に好ましい紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系化合物やベンゾフェノン系化合物である。中でも、ベンゾトリアゾール系化合物は、セルロース混合エステルに対する不要な着色が少ないことから好ましい。これらは、特開昭60−235852号、特開平3−199201号、同5−1907073号、同5−194789号、同5−271471号、同6−107854号、同6−118233号、同6−148430号、同7−11056号、同7−11055号、同7−11056号、同8−29619号、同8−239509号、特開2000−204173号の各公報に記載がある。
紫外線吸収剤の添加量は、熱可塑性樹脂の0.01〜2質量%であることが好ましく、0.01〜1.5質量%であることがさらに好ましい。
本発明のフィルムは、1種または2種以上の光安定化剤を含有していてもよい。光安定化剤としては、ヒンダードアミン光安定化剤(HALS)化合物が挙げられ、より具体的には、米国特許第4,619,956号明細書の第5〜11欄および米国特許第4,839,405号明細書の第3〜5欄に記載されているように、2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン化合物、またはそれらの酸付加塩もしくはそれらと金属化合物との錯体が含まれる。これらは、旭電化からアデカスタブLA−57、同LA−52、同LA−67、同LA−62、同LA−77として、またチバ・スペシャリティーケミカルズ社からTINUVIN 765、同144として市販されている。
本発明のフィルムは、可塑剤を含有していてもよい。可塑剤の添加は、機械的性質向上、柔軟性を付与、耐吸水性付与、水分透過率低減等のフィルム改質の観点において好ましい。また、本発明のフィルムを溶融製膜法で製造する場合は、用いる熱可塑性樹脂のガラス転移温度よりも、可塑剤の添加によりフィルム構成材料の溶融温度を低下させることを目的として、または無添加の熱可塑性樹脂よりも同じ加熱温度において粘度を低下させることを目的として、添加されるであろう。本発明のフィルムには、例えばリン酸エステル誘導体、カルボン酸エステル誘導体から選択される可塑剤が好ましく用いられる。また、特開2003−12859号公報に記載の重量平均分子量が500〜10000であるエチレン性不飽和モノマーを重合して得られるポリマー、アクリル系ポリマー、芳香環を側鎖に有するアクリル系ポリマーまたはシクロヘキシル基を側鎖に有するアクリル系ポリマーなども好ましく用いられる。
本発明のフィルムは、微粒子を含有していてもよい。微粒子としては、無機化合物の微粒子や有機化合物の微粒子が挙げられ、いずれでもよい。本発明における熱可塑性樹脂に含まれる微粒子の平均一次粒子サイズは、ヘイズを低く抑えるという観点から5nm〜3μmであることが好ましく、5nm〜2.5μmであることがより好ましく、10nm〜2.0μmであることがさらに好ましい。ここで、微粒子の平均一次粒子サイズは、熱可塑性樹脂を透過型電子顕微鏡(倍率50万〜100万倍)で観察し、粒子100個の一次粒子サイズの平均値を求めることにより決定する。微粒子の添加量は、熱可塑性樹脂に対して0.005〜1.0質量%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.8質量%であり、さらに好ましくは0.02〜0.4質量%である。
本発明のフィルムは、光学調整剤を含有していてもよい。光学調整剤としてはレターデーション調整剤を挙げることができ、例えば、特開2001−166144号、特開2003−344655号、特開2003−248117号、特開2003−66230号各公報記載のものを使用することができる。光学調整剤を添加することによって、面内のレターデーション(Re)、厚み方向のレターデーション(Rth)を制御することができる。好ましい添加量は0〜10質量%であり、より好ましくは0〜8質量%、さらに好ましくは0〜6質量%である。
本発明のフィルムの製造方法は、挟圧装置を構成する第一挟圧面と第二挟圧面の間に熱可塑性樹脂を含有する組成物の溶融物(以下、メルトともいう)を通過させてフィルム状に連続的に成形する工程を含むフィルムの製造方法であって、前記第一挟圧面または前記第二挟圧面の少なくとも一方がクラウンを有し、前記第一挟圧面および前記第二挟圧面がともに金属製且つ剛性であり、前記第一挟圧面と前記第二挟圧面により該溶融物を20〜500MPaの圧力で狭圧し、前記第一挟圧面の移動速度を前記第二挟圧面の移動速度よりも速くすることを特徴とする。このような大きな圧力をかけることが、従来の方法と異なる本発明の特徴である。前記第一挟圧面と第二挟圧面とで速度の異なる挟圧装置としては、例えば互いに周速が異なる2つのロールの組合せや、特開2000−219752号公報に記載の互いに速度の異なるロールとタッチベルトの組合せ(片面ベルト方式)や、ベルトとベルトの組合せ(両面ベルト方式)等が挙げられる。この中でも、20〜500MPaの高圧を均一にかけられることから、互いに周速が異なる2つのロールであることが好ましい。ロール圧力は、圧力測定フィルム(富士フィルム社製 中圧用プレスケール等)を2つのロールに通すことで測定することが出来る。
以下、本発明のフィルムの製造方法(以下、本発明の製造方法ともいう)について詳細に説明する。
本発明の製造方法では、熱可塑性樹脂を含有する組成物(「熱可塑性樹脂組成物」という場合がある)を挟圧装置を構成する第一挟圧面と第二挟圧面の間を通過させて連続的に挟圧してフィルム状に成形する工程(以下、挟圧工程とも言う)を含むが、前記挟圧工程に熱可塑性樹脂を含有する溶融樹脂を供給手段から供給する。その際、熱可塑性樹脂を含有する組成物の溶融物(メルト)を供給する手段に特に制限はない。例えば、メルトの具体的な供給手段として、熱可塑性樹脂組成物を溶融してフィルム状に押出す押出機を用いる態様でもよく、押出機およびダイを用いる態様でもよく、熱可塑性樹脂を一度固化してフィルム状とした後に加熱手段により溶融してメルトを形成し、製膜工程に供給する態様でもよい。
本発明のフィルムの製造方法は、前記熱可塑性樹脂を含有する組成物(以下、熱可塑性樹脂組成物とも言う)をダイから溶融押出しする工程と、溶融押出しされた溶融物を前記第一挟圧面と前記第二挟圧面の間を通過させる工程と、を含むことが、より得られるフィルムの光学特性のムラを抑える観点から好ましい。
前記熱可塑性樹脂組成物を溶融押出しする場合、溶融押出しをする前に、熱可塑性樹脂組成物をペレット化するのが好ましい。市販品の熱可塑性樹脂(例えば、TOPAS#6013、タフロンMD1500、デルペット980N、DayLark D332等)は、ペレット化されている場合もあるが、ペレット化されていない場合は以下の方法を用いることができる。
前記熱可塑性樹脂組成物を乾燥した後、2軸混練押出機を用い150℃〜300℃で溶融後、ヌードル状に押出したものを空気中あるいは水中で固化し裁断することにより作製できる。また、押出機による溶融後、水中に口金より直接押出しながらカットするアンダーウオーターカット法等によりペレット化することもできる。ペレット化に利用される押出機としては、単軸スクリュー押出機、非かみ合い型異方向回転二軸スクリュー押出機、かみ合い型異方向回転二軸スクリュー押出機、かみ合い型同方向回転二軸スクリュー押出機などを用いることができる。押出機の回転数は10rpm〜1000rpmが好ましく、より好ましくは20rpm〜700rpmである。押出滞留時間は10秒〜10分、より好ましくは20秒〜5分である。
ペレットの大きさについては特に制限はないが、一般的には10mm3〜1000mm3程度であり、より好ましくは30mm3〜500mm3程度である。
本発明の製造方法において、ダイリップの先端の曲率半径は特に制限はなく、公知のダイを用いることができる。
単層製膜装置以外にも、多層製膜装置を用いて製造も可能である。
このようにして、樹脂が供給口から押出機に入ってから前記熱可塑性樹脂組成物を供給する供給手段(例えばダイ)から出るまでの滞留時間は3分〜40分が好ましく、さらに好ましくは4分〜30分である。
次に、挟圧装置を構成する第一挟圧面と第二挟圧面の間に、任意の供給手段から供給された熱可塑性樹脂組成物の溶融物を通過させて連続的に挟圧し、冷却固化して、フィルムを得る。この際、第一挟圧面と第二挟圧面のうち、いずれか一方の面と溶融物が先に剥離し、その後もう一方の面と溶融物が剥離することが生産性の安定化の観点から好ましい。本発明の製造方法において第一挟圧面の移動速度は前記第二挟圧面の移動速度よりも速いが、先に剥離する側の面は、第一挟圧面であっても第二挟圧面であってもよいが、剥離ダンを抑制する観点から、先に先に剥離する側の面は、第一挟圧面(移動速度が速い挟圧面)であることが好ましい。
本発明の製造方法では、前記第一挟圧面の移動速度を前記第二挟圧面の移動速度よりも速くすることを特徴とする。さらに、下記式(I)で定義される前記挟圧装置の第一挟圧面と第二挟圧面の移動速度比を0.60〜0.99に調製し、溶融樹脂が挟圧装置を通過する際にせん断応力を付与し、本発明のフィルムを製造することが好ましい。挟圧装置の移動速度比は、0.60〜0.99とすることが好ましく、0.75〜0.98とすることがより好ましい。
移動速度比=第二挟圧面の速度/第一挟圧面の速度 (I)
本発明の製造方法では、吐出温度(供給手段の出口の樹脂温度)は、樹脂の成形性向上と劣化抑制の観点から、Tg+50〜Tg+200℃であることが好ましく、Tg+70〜Tg+180℃であることがより好ましく、Tg+90〜Tg+150℃であることが特に好ましい。すなわち、Tg+50℃以上であれば、樹脂の粘度が十分低くなるため成形性が良好となり、Tg+200℃以下であれば、樹脂が劣化しにくい。
本発明の製造方法では、例えばダイなどの供給手段から熱可塑性樹脂組成物を挟圧装置に供給する場合、エアーギャップ(供給手段の出口から挟圧装置の溶融物着地点までの距離)は、エアーギャップ間におけるメルトの保温の観点から、可能な限り近接することが好ましく、具体的には10〜300mmであることが好ましく、より好ましくは、20〜250mm、特に好ましくは、30〜200mmである。
本発明の製造方法では、エアーギャップでのメルトの保温の観点から、ライン速度(製膜速度)が5m/分以上であることが好ましく、7m/分以上であることがより好ましく、8m/分以上であることが特に好ましい。ライン速度が速くなると、エアーギャップ中でのメルトの冷却を抑制でき、メルトの温度が高い状態で、挟圧装置によって、より均一なせん断変形を付与できる。なお、前記ライン速度とは、挟圧装置間を溶融物が通過する速度、および搬送装置におけるフィルム搬送速度を表す。
本発明の製造方法では、前記第一挟圧面または前記第二挟圧面の少なくとも一方がクラウンを有し、前記第一挟圧面および前記第二挟圧面がともに金属製且つ剛性であることを特徴とする。このような特徴を有する挟圧面を用いることが本発明の特徴の一つである。
このようにクラウンを有する挟圧面を少なくとも一方の挟圧面として用いることで、ネックインにより生じた膜厚部の線圧を低下させる効果や、高線圧をかけた時に生じるロールたわみによってロール中央部の線圧が低下する現象を改善出来るという効果を得ることができる。ここで、本明細書中、ネックイン現象とは、前記供給手段から供給された溶融膜の幅が狭くなる現象のことを言い、挟圧装置を用いて溶融製膜を行う場合はメルトの両端が厚くなることが一般的に知られている。前記クラウンの量はロールの幅やロール肉厚、押さえ圧力により適正値が大きく変化するため、特に制限はないが、0.005〜10mmであることが好ましく、0.01〜5mmであることがより好ましく、0.02〜2mmであることが特に好ましい。
また、ともに金属製且つ剛性である2つの挟圧面を用いることで、高線圧および高いせん断応力を溶融物に与えることができ、本発明の光学特性を有するフィルムを得ることができる。
なお、本明細書において挟圧面が「剛性」であるとは、挟圧面の材質のみによって判断されるものではなく、挟圧面表面部分に用いられる剛性素材の厚みと挟圧面を支持する構造の厚みとの比率を勘案して決定されるものであり、たとえば挟圧面が球形の支持ロールによって駆動されている場合、剛性素材外筒厚み/支持ロール直径の比が1/35以上であることを表す。また、挟圧面がその他の機構によって支持および駆動されている場合も、挟圧面が球形の支持ロールによって駆動されている場合と同程度である。さらに、本明細書において、挟圧装置の挟圧面(またはロール)が「金属製かつ剛性」であるとは、少なくとも全ての挟圧面の表面が金属であり、かつ、挟圧装置の挟圧面(またはロール)が「剛性」であることを表す。
また、前記段付き構造は、前記第一挟圧面または前記第二挟圧面のうち、クラウンを有する方の挟圧面に設置されていることが、製膜したフィルムのシワ発生防止の観点から好ましい。
本発明の製造方法では、前記挟圧装置によってメルト1m幅あたり3000〜30000Nのせん断応力を与える工程を含むことが好ましい。このようにせん断応力を溶融物に与えることで、本発明の光学特性の発現性がよく、均一性も良好なフィルムを得ることができる。
前記せん断応力は、溶融物の1m幅あたり5000〜28000Nであることがより好ましく、溶融物の1m幅あたり8000〜25000Nであることが特に好ましい。
本発明の製造方法では、前記第一挟圧面と前記第二挟圧面との間で挟圧される前記溶融物の挟圧装置通過方向の長さ(以下、ニップ長、とも言う)が、0mmより大きく2mm以内であることが好ましい。このように前記ニップ長を短くすることで、挟圧装置間で線圧を受ける部分が面接触から線接触に近づけることができ、高線圧を前記溶融物にかけることができる。
前記ニップ長は、0.3〜1.8mmであることがより好ましく、0.5〜1.5mmであることが特に好ましい。
前記供給された熱可塑性樹脂の溶融物を挟圧装置を構成する第一挟圧面と第二挟圧面の間に連続的に挟圧してフィルム状に成形する方法の中でも、2つのロール(例えば、タッチロール(第1ロール)およびチルロール(第2ロール))間を通過させることが好ましい。本発明の製造方法では、前記タッチロールまたは前記チルロールの少なくとも一方がクラウンを有し、前記タッチロールおよび前記チルロールがともに金属製且つ剛性である。
なお、本明細書では、前記溶融物を搬送するキャストロールを複数有している場合、最上流の前記熱可塑性樹脂組成物供給手段(例えば、ダイ)に最も近いキャストロールのことをチルロールという。以下、2つのロールを用いた本発明の製造方法の好ましい態様を説明する。
ショア硬さは、JIS Z 2246の方法を用いて、ロール幅方向に5点および周方向に5点測定した値の平均値から求めることができる。
前記タッチロールについては、例えば特開平11−314263号公報、特開2002−36332号公報、特開平11−235747号公報、国際公開第97/28950号パンフレット、特開2004−216717号公報、特開2003−145609号公報記載のものを利用できる。
前記2つのロールの外筒の平均肉厚は、ともに10〜45mmであることがより好ましく、ともに15〜35mmであることが特に好ましい。
2つのロールの周速比が0.60以上であれば、得られるフィルムのRe[+40°]とRe[−40°]の差の絶対値は大きくなり、前記式(III)を満たすことができ好ましい。周速比が0.60以上であれば、得られるフィルムの表面に傷が付きにくく好ましい。前記2つのロールの周速比を0.60〜0.99にすると、フィルム表面に傷が付き難く、平滑性が良好なフィルムを安定的に製造することができるため好ましい。
本発明のフィルムを得るためには、前記2つのロールの速度はどちらが速くても構わないが、タッチロールが遅い場合、タッチロール側にバンク(溶融物の余剰分がロール上へ滞留し、形成された滞留物)が形成される。タッチロールは、溶融物が接触している時間が短いため、タッチロール側に形成されたバンクは、十分に冷却することができず、剥離ダンが発生し、面状故障の原因となり易い。よって、遅いロールがチルロール(第2ロール)であり、速いロールがタッチロール(第1ロール)であることが好ましい。
なお、熱可塑性樹脂のガラス転移温度は、走査型示差熱量計(DSC)を用いて、測定パンに樹脂をいれ、これを窒素気流中で、10℃/分で30℃から300℃まで昇温した後(1st-run)、30℃まで−10℃/分で冷却し、再度10℃/分で30℃から300℃まで昇温した(2nd-run)。2nd-runでベースラインが低温側から偏奇し始める温度をガラス転移温度(Tg)として、求めることができる。
本発明の製造方法において前記2つのロールがタッチロールとチルロールである場合、前記挟圧装置によって前記溶融物を挟圧する際に、ショアA硬さが70HS以上のゴムで覆われたバックアップロールによって、前記タッチロールを前記チルロールの方向へ押す工程を含むことが、得られるフィルムの光学特性を均一化する観点から好ましい。
このようにバックアップロールを用いることで、金属製剛性ロールであるタッチロールを均一にたわませることができ、さらには金属製剛性ロールであるチルロールをも均一にたわませることができ、その結果メルトにかかる線圧を均一化することができる。2つの金属製剛性ロールを用いてロール間を通過する溶融物を挟圧する際、高線圧をかけるとタッチロールとチルロールが不均一にたわむことがあり、タッチロールとチルロール間のすき間が一定距離に保つことが難しい。その場合、線圧に幅方向のむらが生じてしまう。これに対し、バックアップロールを用いてタッチロールをチルロールの方向へ押すことで、タッチロールおよびチルロールを、両者のたわみ量が等しくなるように変形させることができる。特に、本発明の製造方法ではタッチロールまたはチルロールの少なくとも一方がクラウンを有しているため、タッチロール幅方向の中央部にある程度集中させて圧力を加えることができ、高線圧を加える場合であってもタッチロールおよびチルロールを均一にたわませることができる。
前記バックアップロールに用いることができるゴムとしては特に制限はないが、例えば、フッ素系ゴム、耐熱NBR系ゴム、シリコン系ゴムが好ましく、その中でも耐久性と添加剤の滲み出し点からフッ素系ゴムがより好ましい。
また、前記バックアップロールによって前記タッチロールを押す際に加える圧力は、本発明のタッチロールおよびチルロール間の線圧の範囲を満たす限りにおいて特に制限はないが、例えば、20〜500MPaとすることが好ましく、25〜400MPaとすることがより好ましく、30〜250MPaとすることが特に好ましい。このような圧力で前記タッチロールを押すことで、十分に該タッチロールを均一にたわませることができ、さらに前記チルロールもタッチロールと同じように均一にたわませることができる。
また、本発明の製造方法では、前記供給手段から供給された熱可塑性樹脂組成物の溶融物が、前記供給手段から前記挟圧装置の挟圧面に達するまでの間、前記溶融物を加熱する工程または保温する工程のうち少なくとも一方の工程を含むことが好ましい。このようにしてメルト幅方向の温度分布(温度むら)を軽減するのが好ましく、具体的には、幅方向の温度分布を5℃以内にするのが好ましい。温度分布を軽減するためには、前記エアーギャップの少なくとも一部に、断熱機能または熱反射機能のある部材を配置し、該溶融物を外気から遮蔽するのが好ましい。この様に、断熱部材を通路に配置して、外気から遮蔽することで、外部環境、例えば風、の影響を抑えることができ、フィルムの幅方向の温度分布を抑制することができる。フィルム状溶融物の幅方向の温度分布は、±3℃以内がより好ましく、±1℃以内がよりさらに好ましい。
さらに、前記遮蔽部材を用いると、フィルム状溶融物の温度が高い状態、すなわち、溶融粘度が低い状態で、ロール間を通過させることができるため、前記光学特性の発現量を満たし、かつ光学特性むらが少ない本発明のフィルムを作成しやすい効果がある。
また、溶融物を加熱する場合、特に加熱手段に制限はなく、例えば公知のヒーター等を用いることができる。
なお、フィルム状の溶融物の温度分布は、接触式温度計や非接触式温度計によって測定することができる。
遮蔽部材とフィルム状の溶融物の幅方向端部との隙間は、ロールの表面に沿って流れ込む上昇気流を効率よく遮蔽する上で狭く形成されることが好ましく、フィルム状溶融物の幅方向端部から50mm程度であることがより好ましい。なお、供給手段の側面と遮蔽部材との隙間は、必ずしも設ける必要はないが、遮蔽部材に囲まれた空間内の気流を排出できる程度、例えば10mm以下に形成されることが好ましい。
また、断熱機能および/または熱反射機能を持つ材料として、遮風性や保温性に優れたものが好ましく、例えば、ステンレス等の金属板が好ましく使用できる。
さらに、上記方法により製膜した後、延伸および/または緩和処理を行ってもよい。例えば、以下の(a)〜(g)の組合せで各工程を実施することができる。
(a) 横延伸
(b) 横延伸→緩和処理
(c) 縦延伸
(d) 縦延伸→緩和処理
(e) 縦(横)延伸→横(縦)延伸
(f) 縦(横)延伸→横(縦)延伸→緩和処理
(g) 横延伸→緩和処理→縦延伸→緩和処理
これらの中で特に好ましいのは、(a)〜(d)の工程である。
このような延伸の前に予熱、延伸の後に熱固定を行うことで延伸後のRe、Rth分布を小さくし、ボーイングに伴う配向角のばらつきを小さくできる。予熱、熱固定はどちらか一方であってもよいが、両方行うのがより好ましい。これらの予熱、熱固定はクリップで把持して行うのが好ましく、即ち延伸と連続して行うのが好ましい。
予熱は延伸温度より1℃〜50℃程度高い温度で行うことができ、好ましく2℃〜40℃以下、さらに好ましくは3℃〜30℃高くすることが好ましい。好ましい予熱時間は1秒〜10分であり、より好ましくは5秒〜4分、さらに好ましくは10秒〜2分である。予熱の際、テンターの幅はほぼ一定に保つことが好ましい。ここで「ほぼ」とは未延伸フィルムの幅の±10%を指す。
熱固定は延伸温度より1℃〜50℃低い温度で行うことができ、より好ましく2℃〜40℃、さらに好ましくは3℃〜30℃低くすることが好ましい。さらに好ましくは延伸温度以下でかつTg以下にするのが好ましい。好ましい予熱時間は1秒〜10分であり、より好ましくは5秒〜4分、さらに好ましくは10秒〜2分である。熱固定の際、テンターの幅はほぼ一定に保つことが好ましい。ここで「ほぼ」とは延伸終了後のテンター幅の0%(延伸後のテンター幅と同じ幅)〜−10%(延伸後のテンター幅より10%縮める=縮幅)を指す。延伸幅以上に拡幅すると、フィルム中に残留歪が発生しやすく好ましくない。
延伸温度は、Tg−10℃〜Tg+60℃が好ましく、Tg−5℃〜Tg+45℃がより好ましく、Tg−10℃〜Tg+20℃以下がさらに好ましい。また、好ましい縦延伸倍率は1.2〜3.0倍、より好ましく1.2〜2.5倍、さらに好ましくは1.2〜2.0倍である。
熱緩和は(Tg−30)℃〜(Tg+30)℃、より好ましく(Tg−30)℃〜(Tg+20)℃、さらに好ましくは(Tg−15)℃〜(Tg+10)℃で、1秒〜10分、より好ましくは5秒〜4分、さらに好ましくは10秒〜2分、0.1kg/m〜20kg/m、より好ましく1kg/m〜16kg/m、さらに好ましくは2kg/m〜12kg/mの張力で搬送しながら実施するのが好ましい。
本発明のフィルムに、少なくとも偏光子(以下、偏光膜ともいう)を積層することで、本発明の偏光板を得ることができる。以下において、本発明の偏光板を説明する。本発明の偏光板の例は、偏光膜の一面に、保護フィルムと視野角補償の2つの機能を目的として作成されたものや、TACなどの保護フィルムの上に積層された複合型偏光板が挙げられる。
本発明の偏光板の光学フィルムには、本発明のフィルムが用いられる。また、前記フィルムには表面処理をしておくこともできる。表面処理方法としては、例えば、コロナ放電、グロー放電、UV照射、火炎処理等の方法が挙げられる。
本発明の偏光板のセルロースアシレートフィルムには、公知の偏光板用のセルロースアシレートフィルムが用いられる。例えば、公知のトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(例えば、富士フィルム(株)製フジタックT−60)などを好ましく用いることができる。また、前記ルロースアシレートフィルムには表面処理をしておくこともできる。表面処理方法としては、例えば、けん化処理などが挙げられる。
前記偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬して延伸したもの等を用いることができる。
本発明の偏光板は、最外層の少なくとも一方として粘着剤層を有していても良い(このような偏光板を粘着型偏光板と称することがある)。特に好ましい形態として、前記光学フィルムの偏光子が接着されていない側に、他の光学フィルムや液晶セル等の他部材と接着するための粘着剤層を設けることができる。
本発明の偏光板の製造方法を説明する。
本発明の偏光板は、接着剤を用いて前記偏光子の少なくとも片面に本発明のフィルムの片面(表面処理をしてある場合は表面処理面)を貼り合わせることで製造できる。また、セルロースアシレートフィルム、偏光子および本発明のフィルムの順に貼り合わせる場合は、本発明の偏光板は偏光子の両面に接着剤を用いて偏光子とその他のフィルムを張り合わせることで製造できる。 本発明の偏光板の製造方法においては、本発明のフィルムが偏光子と直接貼合されていることが好ましい。
本発明のフィルムおよび偏光板は、種々のモードの液晶表示装置に用いることができる。好ましくは、TN(Twisted Nematic)、OCB(Optically Compensatory Bend)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モードの液晶表示装置、中でも、より好ましくは、TN、ECBモード液晶表示に用いることができる。
(ショアA硬度)
バックアップロールとして用いるゴムロールのショアA硬度は、JIS Z 2246に基いて、測定を行った。
Re[0°]のMD方向のむらおよびγのMD方向のむらは、下記の方法によって測定した。
フィルム面の互いに2mm以上離れた任意の10点以上の位置でサンプリングを行い、上記方法でRe[0°]、Re[+40°]およびRe[−40°]をTD方向に10mm間隔で測定し、その最大値と最小値の差を、Re[0°]、Re[+40°]およびRe[−40°]のむらとする。また、γのTDむらは、サンプリングした各点において|Re[+40°]−Re[−40°]|を計算してγを求め、それら各点で求めたγのうち、最大値と最小値の差をγのTDむらとする。
環状オレフィン共重合体(COC)として、Polyplastics社製の「TOPAS#6013」のペレットを用いた。なお、「TOPAS#6013」は、正の固有複屈折性を示す。また、当該樹脂のガラス転移点は136℃であった。
セルロース・アセテート・プロピオネート(CAP)を特開2006−348123号公報の実施例1に記載の方法に従って製造し、これを常法に従ってペレット化した。なお使用したCAPの組成は、アセチル化度0.15、プロピオニル化度2.60、全アシル置換度2.75、数平均重合度DPn=118で、正の固有複屈折性を示す。また、当該樹脂のガラス転移点は137℃であった。
ポリカーボネート(PC)として、出光興産社製の「タフロンMD1500」のペレットを用いた。なお、「タフロンMD1500」は、正の固有複屈折性を示す。また、当該樹脂のガラス転移点は145℃であった。
アクリル系樹脂として、スチレン-アクリル系共重合体である旭化成ケミカルズ社製の「デルペット980N」のペレットを用いた。なお、「デルペット980N」は、負の固有複屈折性を示す。また、当該樹脂のガラス転移点は123℃であった。
(フィルムの作製)
下記表1に記載のペレットを用いて、100℃において2時間以上乾燥し、260℃で溶融し、1軸混練押出し機を用い混練し押出した。このとき押し出し機とダイの間にスクリーンフィルター、ギアポンプ、リーフディスクフィルターをこの順に配置し、これらをメルト配管で連結した。これを押出し温度(吐出温度)255℃で、幅1900mm、リップギャップ1mmのダイから押出した。
この後、キャストロールとタッチロールの中間点にメルト(溶融樹脂)を押出した。この時、最上流側の幅2000mm、直径400mmの材質鋼鉄製、ショア硬度60HSのキャストロール(チルロール)に下記表1に記載のタッチ圧力となるようにシリンダーを設定し、幅2000mm、直径350mmの材質鋼鉄製、ショア硬度60HSのタッチロールを接触させた。タッチロールおよびチルロールは下記表1に記載の形状、構造のものを用いた。なお、用いたロールのクラウン量は60μmであり、段付き剛性クラウンロールは、詳しくは、段が両端から200mmの部分に、0.3mmの深さで設けられている形状のものを用いた。また、「フラット」とは、クラウンを有していないロールを意味する。
さらに、バックアップロールとして、幅1800mm、直径350mmの材質が鋼鉄製芯金+耐熱NBRゴム(ゴム肉厚10mm)製、下記表1に記載のショアA硬度のロールを用いて、感圧紙を用いてロール線圧が均一となるように調整しながら、指圧を調整してタッチロールを押した。これらのロールを用い、タッチロールおよびチルロールの周速比、ニップ長、タッチ圧、フィルム1mあたりのトルクを下記表1に記載の条件に設定して製膜した。タッチ圧力は、中圧用プレスケール(富士フィルム社製)を、メルトのない状態で等周速(5m/分)でともに25℃に制御した二つのロールに挟みこむことで測定し、その値を製膜時の圧力とした。なお、タッチロール、チルロールの温度はTg−5℃とし、ダイとメルト着地点の距離を90mmと設定した。また、製膜の雰囲気は25℃、60%であったが、ダイとタッチロール(またはチルロール)間に遮風板を配置し、溶融物の保温をしながら製膜した。
この後、巻き取り直前に両端(全幅の各10cm)をトリミングした後、両端に幅10mm、高さ20μmの厚みだし加工(ナーリング)をつけた。また製膜幅は1500mmとし、製膜速度は下記表1に記載の速度(チルロール速度)で450m巻き取った。製膜後のフィルムの厚みは下記表2に記載の値とし、実施例1のフィルムを作製した。
得られた実施例1のフィルムの光学特性を表2にあわせて記載した。なお、本発明のフィルムのRe[+40°]とRe[−40°]を測定した傾斜方位は、いずれも、フィルムの長手方向である。
得られた実施例1のフィルムの外観を以下の基準にしたがって評価し、その結果を表2にあわせて記載した。
○:目視による観察で、フィルム表面にゆがみがない。
△:目視による観察で、フィルム表面に僅かな歪みがあるが実用上問題がない。
×:フィルム表面に僅かな歪みがあり、実用上問題がある。
用いた樹脂と製膜条件を下記表1に記載したように変更した以外は実施例1と同様にして、各実施例および比較例のフィルムを得た。各実施例および比較例のフィルムの各種光学特性およびフィルム外観の評価結果を下記表2に示す。なお、下記表1中、比較例2で用いたタッチロールはゴムロールであり、比較例3および4で用いた「金属スリーブ(ゴム)」のタッチロールは、詳しくは、ゴムロール表面に金属スリーブを被覆したものであり、金属スリーブの厚みは下記表1に記載した。実施例3および7におけるダイとタッチロール(またはチルロール)間での溶融物の加熱は、加熱したエアーを遮風板に供給することによって行った。また、実施例9および10で用いたバックアップロールは幅1000mmであり、タッチロールより短かった。比較例4で用いたバックアップロールは、ショアA硬度90のゴムを用いた。
一方、比較例1は、いずれもクラウンを有さないタッチロールとチルロールとを用いたものであり、Re[0°]のフィルムTD方向むらおよびγのフィルムTD方向むらが非常に悪かった。比較例2は、ゴム製ロールをタッチロールとして用いたものであり、線圧をあげることができず、得られたフィルムのRe[0°]の発現量もγも小さく、Re[0°]のフィルムTD方向むらおよびγのフィルムTD方向むらが非常に悪かったうえ、フィルム外観も悪かった。比較例3は、ゴムロール表面に金属スリーブを7mm被覆したロールをタッチロールとして用いたものであり、線圧をあげることができず、得られたフィルムのRe[0°]の発現量もγも小さく、Re[0°]のフィルムTD方向むらおよびγのフィルムTD方向むらが非常に悪かった。比較例4は、ゴムロール表面に金属スリーブを0.5mm被覆したロールをタッチロールとして用い、さらにバックアップロールを採用したものであるが、線圧をあげることができず、得られたフィルムのRe[0°]の発現量もγも小さく、Re[0°]のフィルムTD方向むらおよびγのフィルムTD方向むらが非常に悪かった。比較例5は2つのロールに周速差をつけず、線圧を15MPaとしたものであり、得られたフィルムのRe[0°]の発現量もγも非常に小さく、Re[0°]のフィルムTD方向むらが非常に悪かったうえ、フィルム外観も悪かった。比較例6は、比較例1においてショアA硬度70HSのゴム製バックアップロールを用いたものであるが、得られたフィルムのRe[0°]の発現量もγも小さく、Re[0°]のフィルムTD方向むらおよびγのフィルムTD方向むらが悪かった。
(偏光板の作製)
作成した実施例1のフィルムおよび比較例1のフィルムを用いて偏光板を作製した。具体的には、まず、延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光フィルムを作製した。この偏光フィルムを用いて、図1に示すような配置で、80μmのTACフィルム(富士フィルム社製)、一軸延伸したノルボルネン系高分子フィルムからなる、Re=270nmのλ/2板、本発明1または比較例1のフィルムを貼合わせた。この様にして、実施例1のフィルムを用いた偏光板PL1および比較例1のフィルムを用いたPL2をそれぞれ2枚ずつ作製した。
次に、上記偏光板を用いてECB型の半透過型液晶表示装置を作製した。使用した液晶セルは、液晶材料としてZLI−1695(Merck社製)を用い、液晶層厚は反射電極領域(反射表示部)で2.4μm、透過電極領域(透過表示部)で4.9μmとした。液晶層の基板両界面のプレチルト角は2度であり、液晶セルのΔndは、反射表示部で略150nm、透過表示部で略320nmであった。
この液晶セルの上下に、上記作製した2種の偏光板を、図1に示すように配置した。偏光板P1およびP2中の矢印はそれぞれの吸収軸を、位相差フィルム中の矢印はそれぞれの遅相軸を、ECBセルの矢印はそれぞれの対向面に施されたラビング処理のラビング方向を示す。ここで、12時方向が0°、時計回りが+である。
このように、本発明のフィルムを用いると、液晶表示装置に組み込んだ場合、大きな視野角補償を行うことができる。
Claims (16)
- 挟圧装置を構成する第一挟圧面と第二挟圧面の間に熱可塑性樹脂を含有する組成物の溶融物を通過させてフィルム状に連続的に成形する工程を含むフィルムの製造方法であって、
前記第一挟圧面または前記第二挟圧面の少なくとも一方がクラウンを有し、
前記第一挟圧面および前記第二挟圧面がともに金属製且つ剛性であり、
前記第一挟圧面と前記第二挟圧面により該溶融物を20〜500MPaの圧力で狭圧し、
前記第一挟圧面の移動速度を前記第二挟圧面の移動速度よりも速くするフィルムの製造方法。 - 前記熱可塑性樹脂を含有する組成物をダイから溶融押出しする工程と、溶融押出しされた溶融物を前記第一挟圧面と前記第二挟圧面の間を通過させる工程と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のフィルムの製造方法。
- 前記第一挟圧面と前記第二挟圧面との間で挟圧される前記溶融物の挟圧装置通過方向の長さが、0mmより大きく2mm以内であることを特徴とする請求項1または2に記載のフィルムの製造方法。
- 前記第一挟圧面または前記第二挟圧面のうち少なくとも一方が、段付き構造を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のフィルムの製造方法。
- 前記挟圧装置が互いに周速が異なる2つのロールであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のフィルムの製造方法。
- 前記2つのロールがタッチロールとチルロールであり、前記挟圧装置によって前記溶融物を挟圧する際に、ショアA硬さが70HS以上のゴムで覆われたバックアップロールによって前記タッチロールを前記チルロールの方向へ押す工程を含むことを特徴とする請求項5に記載のフィルムの製造方法。
- 前記バックアップロールの横幅が、前記タッチロールの横幅よりも短いことを特徴とする請求項6に記載のフィルムの製造方法。
- 前記2つのロールが少なくとも芯部と外筒を有し、前記2つのロールの外筒の平均肉厚が、ともに10mm以上であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載のフィルムの製造方法。
- 前記溶融物が前記ダイから前記挟圧装置の挟圧面に達するまでの間、前記溶融物を加熱する工程または保温する工程のうち少なくとも一方の工程を含むことを特徴とする請求項2〜8のいずれか一項に記載のフィルムの製造方法。
- 前記熱可塑性樹脂が、環状オレフィン共重合体類、セルロースアシレート類、ポリカーボネート類、スチレン系共重合体、アクリル系共重合体から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のフィルムの製造方法。
- 前記フィルムの未延伸時の厚みが150μm以下であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のフィルムの製造方法。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載のフィルムの製造方法により製造されたことを特徴とするフィルム。
- 熱可塑性樹脂を含有し、フィルム傾斜方位とフィルム法線を含む面内において、該法線方向から測定した波長550nmにおける正面方向のレターデーションRe[0°]と、該法線に対して傾斜方位側へ40°傾いた方向から測定したレターデーションRe[+40°]と、該法線に対して傾斜方位とは反対側へ40°傾いた方向から測定したレターデーションRe[−40°]が、以下の関係式(I)および(II)を共に満たし、かつRe[0°]のフィルム幅方向のムラと|Re[+40°]−Re[−40°]|のフィルム幅方向のムラとが共に3nm以内であることを特徴とするフィルム。
60nm≦Re[0°]≦300nm 式(I)
40nm≦γ≦300nm 式(II)
γ=|Re[+40°]−Re[−40°]| 式(II') - 請求項12または13に記載のフィルムを少なくとも1層積層したことを特徴とする液晶表示板用光学補償フィルム。
- 請求項12または13に記載のフィルム、あるいは、請求項14に記載の液晶表示装置用光学補償フィルムと、偏光子とを有することを特徴とする偏光板。
- 請求項12または13に記載のフィルム、あるいは、請求項14に記載の液晶表示装置用光学補償フィルムを用いたことを特徴とする液晶表示装置。
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