JP6264728B2 - 美容用フェイスマスク - Google Patents

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Description

本発明は、美容用フェイスマスクに関する。
美容用フェイスマスクは、シート材に美容液や化粧液などの化粧料を含浸させて、人の顔面の全面にわたり、凹凸に沿って密着させることで、肌の美容効果を高めるためのものである。一般的に、美容用フェイスマスクは、不織布などからなるシート材に美容液や化粧液などの化粧料を含浸させて、封入袋などの包装容器に個別包装された形態で市販されている。
従来、美容用フェイスマスクは、平面状のものが用いられている。しかし、平面状のフェイスマスクは、顔面の全面にわたり、凹凸に沿って密着させることが困難であるため、美容効果が得られる部分と得られない部分との差が生じてしまう、部分的に顔面から浮いてしまい密着が十分ではない箇所が生じたり、また少しの顔面の動きによって剥離してしまうといった問題がある。そこで、顔面の凹凸に馴染んで密着させるために、フェイスマスクの周縁部に適宜切り込みを入れる、あるいは眼、鼻や口に対応する箇所を開孔するなどの工夫が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2010−275222号公報
ところで、シルクフィブロイン多孔質体からなるシルクフィブロイン多孔質シートは、従来美容用フェイスマスクのシート材として用いられている不織布と比べて吸水力と保水力に優れている。そのため、不織布よりも多量の美容液や化粧液などの化粧料をシート内に保持でき、美容効果をより高めることができるため、美容用フェイスマスクのシート材としての利用が期待される。しかし、シルクフィブロイン多孔質シートは、不織布と比べて引裂き強度に劣るため、図5に示されるような従来型の美容用フェイスマスクのシート材として用いようとすると、鼻の付け根の切込み部分、とりわけ該切込み部分の端部に応力が集中して、当該箇所から引裂かれてしまう可能性がある。また、美容液や化粧液などの化粧料を多く含浸させた場合、顔面装着時に化粧料の重さにより引裂かれてしまう可能性もある。
さらに、使用者によって目、鼻、口などのパーツの位置、大きさ、及び凹凸の度合いが異なるため、市販の美容用フェイスマスクは、全ての使用者に完全にフィットするわけではない。そのため、使用者は、顔面の最適な位置にフェイスマスクを装着しようとして、フェイスマスクを左右に引っ張ったり、脱着を繰り返す傾向にあり、その際に鼻の付け根の切り込み部分などに応力が集中して引裂かれてしまう可能性がある。
そこで、本発明は、シルクフィブロイン多孔質シートを美容用フェイスマスクのシート材として用いた場合でも、顔面装着時に応力によって引裂かれにくい、すなわち耐引裂性に優れており、かつ多量の化粧料を含有しうることから優れた美容効果を有する美容用フェイスマスクを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、下記の発明により当該課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明の要旨は、以下の通りである。
1.シルクフィブロイン多孔質シートをシート材とし、該シート材が顔面を被覆し、鼻に相当する部分がその上辺を残してスリット状に切り込まれ、かつ該上辺の両端部に曲線形状の、打抜き部又は切込み部を有する美容用フェイスマスク。
2.前記曲線形状の、打抜き部又は切込み部の形状の曲率kが0.2〜2.0mm-1である上記1に記載の美容用フェイスマスク。
3.前記シート材が化粧料を含有する上記1又は2に記載の美容用フェイスマスク。
本発明によれば、シルクフィブロイン多孔質シートを美容用フェイスマスクのシート材として用いた場合でも、顔面装着時に応力によって引裂かれにくい、すなわち耐引裂性に優れており、かつ多量の化粧料を含有しうることから優れた美容効果を有する美容用フェイスマスクを提供することができる。
本発明の美容用フェイスマスクの一態様を示す模式図である。 本発明の美容用フェイスマスクの一態様を示す模式図である。 本発明の美容用フェイスマスクの一態様を示す模式図である。 本発明の美容用フェイスマスクの目の部分の一態様を示す模式図である。 従来の美容用フェイスマスクの一態様(比較例1で得られた美容用フェイスマスク)を示す模式図である。
本発明の美容用フェイスマスクは、シルクフィブロイン多孔質シートをシート材とし、該シート材が顔面を被覆し、鼻に相当する部分がその上辺を残してスリット状に切り込まれ、かつ該上辺の両端部に曲線形状の、打抜き部又は切込み部を有するものである。
シート材として用いられるシルクフィブロイン多孔質シートは、シルクフィブロインにより構成される多孔質なシートである。このシルクフィブロイン多孔質シートは、例えば、多孔質シートの形状保持が容易であり、かつ効率的に得る観点から、好ましくは、シルクフィブロイン水溶液、又は水を含むシルクフィブロイン多孔質シートを冷凍する工程、冷凍されたシルクフィブロイン水溶液、又はシルクフィブロイン多孔質シートを乾燥する工程を経て得られる。
シルクフィブロインは、家蚕、野蚕、天蚕などの蚕から産生されるものであればいずれでもよく、その製造方法も問わない。シルクフィブロイン水溶液中のシルクフィブロインの濃度は、十分な強度を有する多孔質シートを製造する観点から、0.1〜40質量%となるような濃度であることが好ましく、0.5〜20質量%であることがより好ましく、1〜12質量%であることがさらに好ましい。
シルクフィブロイン水溶液に加える添加剤としては、脂肪族カルボン酸、有機溶媒などが好ましく挙げられる。
脂肪族カルボン酸としては、好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数3〜5の飽和または不飽和のモノカルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸が好ましく挙げられる。このようなカルボン酸としては、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、アクリル酸、2−ブテン酸などの不飽和モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸などのジカルボン酸などが好ましく挙げられ、これらを単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
シルクフィブロイン水溶液中の脂肪族カルボン酸の含有量は、十分な強度を持った多孔質シートを製造する観点から、0.01〜18体積%であることが好ましく、0.1〜5体積%であることがより好ましく、0.5〜4体積%であることがさらに好ましい。
また、有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、グリセロール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ピリジン、アセトン、アセトニトリルなどが好ましく挙げられ、これらを単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
次いで、シルクフィブロイン水溶液を、型あるいは容器に流し込み、低温恒温槽(冷凍庫)中で静置して、冷凍(以下凍結という場合もある)されたシルクフィブロイン水溶液が得られる。本明細書では、上記の冷凍されたシルクフィブロイン水溶液を、「冷凍されたシルクフィブロイン多孔質体」と称する場合がある。
低温恒温槽における温度は、シルクフィブロイン水溶液を凍結させる温度が好ましく、−1〜−40℃程度が好ましく、−5〜−40℃程度がより好ましく、−10〜−30℃程度がさらに好ましい。また、凍結時間は、シルクフィブロイン溶液を十分に凍結させ、かつ凍結状態を一定時間保持できるよう、2時間以上が好ましく、4時間以上がより好ましい。
型あるいは容器は、所望の形状に応じて適宜選択すればよく、多孔質体を得るには、例えば、板状やブロック状のものを選択すればよい。本発明においては、板状であることが効率的に乾燥できる観点から好ましく、その幅と奥行きは顔面を覆うには12〜35cm程度が好ましく、12〜25cm程度がより好ましい。また、深さは0.5〜3cm程度が好ましく、0.5〜2cm程度がより好ましい。
シルクフィブロイン水溶液に添加剤として蒸発し難い脂肪族カルボン酸などの添加剤を用いると、冷凍されたシルクフィブロイン多孔質体には該添加剤が残留して含まれることがある。そのような場合は、添加剤の除去を行うことが好ましい。脂肪族カルボン酸などの添加剤の除去の方法としては、例えば、冷凍されたシルクフィブロイン多孔質体を融解させ、純水中に浸漬又は洗浄することで、シルクフィブロイン多孔質体から脂肪族カルボン酸などの添加剤、さらには孔中に残存するシルクフィブロイン水溶液を除去することができる。ここで、融解の方法には特に制限はなく、自然融解や恒温槽での保管などが挙げられる。
このようにして、脂肪族カルボン酸などの蒸発し難い添加剤を実質的に除去した、水を含むシルクフィブロイン多孔質体(ウェット状のシルクフィブロイン多孔質体)が得られる。本発明においては、これを低温恒温槽(冷凍庫)中で静置して、冷凍されたシルクフィブロイン多孔質体とすることもできる。
本発明においては、前記シルクフィブロイン水溶液を調整する際に、さらに水溶性有機溶媒をシルクフィブロイン水溶液に加えて用いることが好ましい。すなわち、前記添加剤として記載した有機溶媒として、前記有機溶媒のなかでも水溶性有機溶媒を用いることが好ましい。また、上記の水を含むシルクフィブロイン多孔質体(ウェット状のシルクフィブロイン多孔質体)を用いる場合にも、該水を含むシルクフィブロイン多孔質体に水溶性有機溶媒を含ませることが好ましい。水溶性有機溶媒を用いることで、形状の保持が容易となり、また短い乾燥時間で、効率的に冷凍されたシルクフィブロイン多孔質体を乾燥することができる。
水及び水溶性有機溶媒を含むシルクフィブロイン多孔質体は、上記の水を含むシルクフィブロイン多孔質体を、さらに水溶性有機溶媒、あるいは、水及び水溶性有機溶媒を含む混合溶媒に浸漬することで得られる。
水溶性有機溶媒としては、一般に水溶性を有するものとして認知される有機溶媒であれば制限なく使用することができるが、水溶性を有し、かつ水よりも沸点や凝固点が低いものが好ましい。そのような水溶性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類が好ましく挙げられる。また、これらのアルコール類は、シルクフィブロインを分解させてしまうといった悪影響を与えない点でも好ましい。これらの水溶性有機溶媒は一種を単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
水溶性有機溶媒を用いる場合、水と水溶性有機溶媒を含む混合溶媒中の水溶性有機溶媒の含有量は、冷凍の温度条件により適宜選択され、該混合溶媒の凝固点が冷凍の温度よりも高くなるような含有量とすることが好ましい。例えば、水溶性有機溶媒としてエタノールを採用し、−20〜−25℃の温度条件で冷凍する場合、エタノールの含有量は、混合溶媒の凝固点が−2〜−19℃となるような含有量が好ましく、より好ましくは凝固点が−5〜−15℃となるような含有量であり、さらに好ましくは凝固点が−8〜−12℃となるような含有量である。すなわち、混合溶媒の凝固点は、冷凍の温度よりも1〜23℃程度高いことが好ましく、5〜15℃高いことがより好ましく、5〜10℃高いことがさらに好ましい。
上記の混合溶媒中の水溶性有機溶媒の含有量の具体的な範囲としては、5〜30質量%程度であることが好ましく、より好ましくは5〜25質量%である。水溶性有機溶媒の含有量が上記範囲内であると、形状保持が容易となり、また短い乾燥時間で、効率的に冷凍されたシルクフィブロイン多孔質体を乾燥することができる。
上記のようにして得られた水を含むシルクフィブロイン多孔質体、好ましくはさらに水溶性有機溶媒を含むシルクフィブロイン多孔質体を冷凍する温度条件としては、−1〜−40℃程度が好ましく、−10〜−40℃程度がより好ましく、−20〜−25℃程度がさらに好ましい。また、冷凍時間は、0.5〜24時間程度であるが、生産性の観点から、0.5〜12時間が好ましい。冷凍の温度条件、冷凍時間を上記範囲内とすることにより、シルクフィブロイン多孔質体の形状を容易に保持しつつ、短い乾燥時間で、効率的に冷凍されたシルクフィブロイン多孔質体を乾燥することができる。
次いで、冷凍されたシルクフィブロイン水溶液(冷凍されたシルクフィブロイン多孔質体)、又は水を含む、好ましくは水及び水溶性有機溶媒を含むシルクフィブロイン多孔質体を好ましくは減圧下で乾燥させる。
減圧条件は、特に制限はないが、短い乾燥時間で、効率的にシルクフィブロイン多孔質体を乾燥する観点から、5〜500Paであることが好ましく、より好ましくは5〜200Paである。
また、乾燥時間は、特に制限はないが、効率的にシルクフィブロイン多孔質体を乾燥する観点から、3日以内であることが好ましく、2日以内がより好ましく、1日以内がさらに好ましい。乾燥させたシルクフィブロイン多孔質体は、吸湿を防ぐためにデシケータ内で保管することが望ましい。
上記の冷凍する工程、及び乾燥する工程を経て得られたシルクフィブロイン多孔質体を必要に応じてスライスし、本発明で用いられるシルクフィブロイン多孔質シートが得られる。また、上記の型あるいは容器の形状によってシート状のシルクフィブロイン多孔質体、すなわちシルクフィブロイン多孔質シートが得られる場合は、スライスは不要である。
シルクフィブロイン多孔質体をスライスする器具としては、冷凍肉スライサー、バンドソースライサー、及び超仕上げかんななどが好ましく挙げられ、なかでもシート内の厚みのバラツキを小さくする観点から、バンドソースライサーが好ましい。
シルクフィブロイン多孔質シートの厚さは、0.5〜3.0mmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜2.0mm程度がより好ましく、0.5〜1.0mm程度がさらに好ましい。0.5mm以上とすることで引張強度が大きくすることができ、化粧水を含浸させた後、使用するまでのハンドリングで破れることがない。3mm以下とすることで、適度な化粧水を含浸することができ、シート自重による顔の皮膚が垂れ下がることはない。また、多孔質シートの厚さが上記範囲内であると、多量の化粧料を含有しうることから優れた美容効果が得られ、優れた耐引裂性が得られ、扱いやすい。
また、シート内の厚さのバラツキは、±0.5mmであることが好ましく、より好ましくは±0.3mm程度がより好ましく、±0.1mm以下程度がさらに好ましい。シート内の厚さのバラツキが上記範囲内であると、局所に応力がかかることがないので優れた耐引裂性が得られ、見た目もよい。
本発明で用いられるシルクフィブロイン多孔質シートは、好ましくは平均細孔径1〜300μmの細孔を有する多孔質なシートである。この平均細孔径は、シルクフィブロイン水溶液に加える脂肪族カルボン酸の種類、シルクフィブロイン水溶液と添加剤とを混合して得た溶液の濃度や該溶液を静置する時間や温度、静置後凝固温度まで冷却する際の降温速度などを変化させることである程度制御することが可能であり、1〜50μmという極めて小さいものも製造可能である。ここで、細孔直径は、走査型電子顕微鏡写真を、画像解析ソフトImageJ(アメリカ国立衛生研究所製)を用いて画像処理することで測定したものであり、測定は5回行いその平均値を算出した値である。
また、多孔質シートの空孔率は、適宜調整可能であるが、通常90%以上程度であり、好ましくは95%以上である。また、上限は99%以下であることが好ましい。空孔率が上記範囲内であると、シート内に化粧料を多量に含有できるので高い美容効果が得られ、また優れた耐引裂性も得られる。
ここで、空孔率は、以下のようにして得られる値である。まず、得られた多孔質シートを純水中に1日静置し完全に吸水させ、秤量した後(湿重量)、凍結乾燥して多孔質シート中の水分を完全に除去し、再度秤量する(乾燥重量)。次いで、水の密度を1g/cm3、シルクフィブロインの密度を1.2g/cm3、含水状態のシルクフィブロイン多孔質シートの密度を1g/cm3と仮定し、次式に従って得られる値をシルクフィブロイン多孔質シートの空孔率とした。
空孔率(%)=(湿重量−乾燥重量/1.2)/湿重量×100
このように、シルクフィブロイン多孔質シートは極めて大きい空孔率を有するものであり、化粧料を多量に含有することが美容効果の点から好ましい本発明においては、非常に有効なシート材となる。
次に、本発明の美容用フェイスマスクの形状について図1〜4を用いて説明する。図1〜3は、本発明の美容用フェイスマスクの一態様を示す模式図であり、図4は、本発明の美容用フェイスマスクの目の部分の一態様を示す模式図である。本発明の美容用フェイスマスク1の形状は、顔面を被覆し、鼻に相当する部分がその上辺aを残してスリット状に切り込まれた鼻のスリット部2を有し、かつ該上辺aの両端部b1及びb2に曲線形状の、打抜き部c又は切込み部dを有するというものである。
本発明の美容用フェイスマスクは、顔面を被覆するものであり、円形状や楕円形状であることが好ましい。その大きさとしては、顔面を被覆できれば特に限定されず、想定する使用者により適宜決定すればよいが、面長の人や幅広の人が使用する際にも十分に顔面を被覆できる程度の大きさであることが好ましい。より具体的には、円形状の場合は半径10〜20cm程度が好ましく、楕円形状の場合は長半径が10〜25cm程度が好ましく、短半径が10〜20cm程度であることが好ましい。
本発明の美容用フェイスマスクは、鼻に相当する部分がその上辺aを残してスリット状に切り込まれた鼻のスリット部2を有するものである。そして、該上辺aは両端部b1及びb2に曲線形状の、打抜き部c又は切込み部dを有している。図1及び2に示されるフェイスマスクは、両端部b1及びb2に曲線形状の打抜き部cを有しており、また図3に示されるフェイスマスクは、上辺の両端部b1及びb2に曲線形状の切込み部dを有している。
本発明においては、優れた耐引裂性が得られ、また製造が容易な点で、打抜き部を有することが好ましい。
鼻のスリット部2は、図1に示されるように上辺aの両端部bが打抜き部cを有し、該打抜き分cの直径程度の幅をもって打抜かれていてもよいし、図2に示されるように単に切り込まれていてもよい。
また、図3に示されるフェイスマスクのように、上辺の両端部b1及びb2に曲線形状の切込み部dを有する場合は、優れた耐引裂性を得る観点から、切込み端部e1及びe2は切り抜かれていることが好ましい。
両端部b1及びb2における曲線形状は特に限定されないが、その曲率k(曲率k=1/曲率半径R)は0.2〜2.0mm-1程度であることが好ましく、より好ましくは0.3〜1.5mm-1程度がより好ましく、0.4〜1.0mm-1程度がさらに好ましい。曲率kが上記範囲内であると、優れた耐引裂性が得られ、鼻のスリット部2の形状及び大きさが良好なものとなる。また、同様の理由から、切込み端部e1及びe2が曲線形状を有する場合の、該曲線形状の曲率kも、上辺の両端部b1及びb2の曲線形状の曲率と同じ範囲より選定されることが好ましい。
本発明の美容用フェイスマスクは、実用的な観点から、図1〜3に示されるように、目に相当する部分に目の開口部3、及び口に相当する部分に口の開口部4を有することが好ましい。
また、瞼を被覆することで瞼の美容も所望される場合、本発明のフェイスマスクは図4に示されるような、その上辺a’を残してスリット状に切り込まれた形状の、目のスリット部3’を有することもできる。この場合、上辺の両端部b1’、及びb2’は、上記の鼻のスリット部2と同様に、優れた耐引裂性を得る観点から曲線形状の、打抜き部c’又は切込み部d’を設けることが好ましく、該切込み部d’を有する場合は切込み端部e1’及びe2’が曲線形状を有することが好ましい。また、打抜き部c’、切込み部d’、及び切込み端部e1’及びe2’の曲線形状の曲率k’は、上記の曲率kと同じ範囲より適宜選択されることが好ましい。
なお、口についても、上記の目と同様に、開口された開口部でもよいし、所望によってはスリット状としてもよい。また、スリット状とする場合の切込み部、切抜き部、及び曲線形状の曲率については、上記の目と場合と同じである。
また、本発明の美容用フェイスマスクは、より顔面にフィットさせる観点から、図1〜3に示されるようなマチ5を有することもできる。マチ5は、図1や2に示されるように切り込まれたものや、また図3に示されるように切り抜かれたものであってもよい。また、その端部は、図3に示されるような打抜き部c’’による曲線形状のほか、切込みによる曲線形状を有していてもよい。
本発明の美容用フェイスマスクは、シルクフィブロイン多孔質シートを、例えば図1〜3に示されるような形状のフェイスマスク型、あるいはプレス機を用いて作製することができる。プレス機を用いる場合、プレス機のプレス圧力は1マスクあたり20〜100t程度であることが好ましく、より好ましくは1マスクあたり25〜80t程度がより好ましく、1マスクあたり25〜60t程度がさらに好ましい。
また、本発明の美容用フェイスマスクは、シルクフィブロイン多孔質シートが化粧料を含有することが好ましい。化粧料としては、美容液、乳液、化粧水などの液状のものが好ましく挙げられる。
本発明の美容用フェイスマスクは、通常単位体積あたりの含有量として0.1〜5.0g/cm3程度の化粧料を含むことができる。よって、不織布などをシート材とする美容用フェイスマスクに比べて極めて多量の化粧料を含有させることができるので、優れた美容効果が得られる。
以下に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。
製造例:シルクフィブロイン多孔質シートの作製
(シルクフィブロイン水溶液の調製)
シルクフィブロイン水溶液は、シルクフィブロイン粉末(KBセーレン社製、商品名:「フィブロインIM」)を9M臭化リチウム水溶液に溶解し、遠心分離で不溶物を除去した後、超純水に対して透析を繰り返すことによって得た。得られたシルクフィブロイン水溶液を透析チューブ中で風乾し濃縮した。この濃縮液に添加剤として酢酸水溶液を添加し、シルクフィブロイン濃度が3質量%、酢酸濃度が2質量%であるシルクフィブロイン水溶液を調製した。
(シルクフィブロイン多孔質体の製造)
このシルクフィブロイン水溶液をアルミニウム板で作製した型(内側サイズ;150mm×220mm×10mm)に流し込み、低温恒温槽(EYELA社製、NCB−3300)に入れて凍結保存した。
(凍結条件)
凍結は、予め低温恒温槽を−5℃に冷却しておいて、該低温恒温槽中にシルクフィブロイン水溶液を入れた型を投入して2時間保持し、その後−25℃に冷却後、そのままの温度で5時間保持して、冷凍されたシルクフィブロイン多孔質体を得た。
この冷凍されたシルクフィブロイン多孔質体を自然解凍で室温に戻してから、型から取り出し、超純水に浸漬し、超純水を1日2回、3日間交換することによって、使用した酢酸を除去し、水を含むシルクフィブロイン多孔質体を得た。
この水を含むシルクフィブロイン多孔質体を、3体積%のグリセロール水溶液中に浸漬し、3日間放置することにより、空孔内に3体積%のグリセロール水溶液を含有するシルクフィブロイン多孔質体を得た。次いで、あらかじめ−25℃に冷却した冷凍庫中に、空孔内に3体積%のグリセロール水溶液を含有するシルクフィブロイン多孔質体を2時間保持して冷凍した。冷凍したシルクフィブロイン多孔質体を、凍結乾燥機内の棚板上に配置し、該乾燥機内の圧力を50Paとして、上下加熱板の温度を25℃に設置し、凍結乾燥を開始した。凍結乾燥は、シルクフィブロイン多孔質体内の温度が25℃となった時点で終了した。このようにして得られたシルクフィブロイン多孔質体を面内平均厚さ0.8mm、面内厚さのバラツキ±0.1mmとなるように、バンドソースライサーを用いてスライスして、シルクフィブロイン多孔質シートを得た。
実施例1
製造例で得られたシルクフィブロイン多孔質シートを、50tプレス機(堀鉄工所製、HOF−50型)を用いて図1で示される形状に打ち抜いてシート材とし、該シート材を過剰の美容液に2日間浸漬して美容用フェイスマスクを得た。得られた美容用フェイスマスクの顔面への貼り付け、及び付けはがしを10回繰り返したところ、フェイスマスクに裂けや切れ目などの損傷は確認されなかった。また、製造例で得られたシルクフィブロイン多孔質シートに化粧料を含有させたところ、シルクフィブロイン多孔質シート全面に50gの化粧料(株式会社カネボウ製、製品名:フリープラスバリアリペアセラム)を染み込ませることができた。
比較例1
製造例で得られたシルクフィブロイン多孔質シートを、50tプレス機(堀鉄工所製、HOF−50型)を用いて図5で示される形状に打ち抜いてシート材とし、該シート材を過剰の美容液に2日間浸漬して美容用フェイスマスクを得た。得られた美容用フェイスマスクの顔面への貼り付け、及び付けはがしを10回繰り返したところ、裂けが発生し、特にフェイスマスクの鼻の付け根部分の裂けが多く確認された。
参考例1
顔型に打ち抜かれている不織布シートに実施例1と同様の化粧料を含有させたところ、不織布シート全面に約23gの化粧料(株式会社カネボウ製、製品名:フリープラスバリアリペアセラム)を染み込ませることができた。この結果から、本発明のフェイスマスクは、不織布シート製のフェイスマスクの従来品に比べて、2倍以上という多量の美容液を含むことができることが確認された。
本発明によれば、シルクフィブロイン多孔質シートを美容用フェイスマスクのシート材として用いた場合でも、顔面装着時に応力によって引裂かれにくい、すなわち耐引裂性に優れており、かつ多量の化粧料を含有しうることから優れた美容効果を有する美容用フェイスマスクを提供することができる。
1.美容用フェイスマスク
2.鼻のスリット部
3.目の開口部
3’.目のスリット部
4.口の開口部
5.マチ
a.(鼻のスリット部2の)上辺
a’.(目のスリット部2’の)上辺
1、b2.(鼻のスリット部2の)上辺aの両端部
1’、b2’.(目のスリット部2’の)上辺a’の両端部
c.(鼻のスリット部2の)打抜き部
c’.(目のスリット部2’の)打抜き部
d.(鼻のスリット部2の)切抜き部
d’.(目のスリット部2’の)切込み部
1、e2.(鼻のスリット部2の)切込み端部
1’、e2’.(目のスリット部2’の)切込み端部
f.(マチ5の)端部

Claims (1)

  1. シルクフィブロイン水溶液を冷凍し、シルクフィブロイン多孔質体を得る工程、
    該シルクフィブロイン多孔質体をメタノール、エタノール、イソプロパノール、グリセロール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ピリジン、アセトン及びアセトニトリルから選ばれる少なくとも一種の水溶性有機溶媒に浸漬し、水と水溶性有機溶媒とを含むシルクフィブロイン多孔質体を得る工程、
    該水と水溶性有機溶媒とを含むシルクフィブロイン多孔質体を冷凍し、乾燥し、乾燥させたシルクフィブロイン多孔質体を得る工程、及び
    該乾燥させたシルクフィブロイン多孔質シートをシート材とし、該シート材を、顔面を被覆し、鼻に相当する部分がその上辺を残してスリット状となり、かつ該上辺の両端部に曲線形状の、打抜き部又は切込み部を有するように打ち抜く工程、
    を有する美容用フェイスマスクの製造方法。
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