JP3883865B2 - 化粧用シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は化粧用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、肌を整えるために行うパックに使用する化粧用シートは、予めそのパックを行う箇所に応じた所定の形状に抜型成形された成型品として市販されている。例えば、顔全体を覆うようなものは目や口の部分が開口されており、顔全体を覆う大きさで周辺に切込みなどの入ったフェースマスクとして市販されている。また、目の下の部分の手当て用のパック用シートとしては三日月形に打抜き成形されたものなども市販されている。しかしながら、消費者にとってはスキンケアしたい部位は、例えば、目の下だけではなく目尻の部分あるいは顎の部分、鼻の部分などといろいろな箇所を行いたいことが多く、所定の形状に成形された製品のみでは満足のいくものがなかった。
【0003】
また、人の顔等は各自によってその凹凸形状、幅等も異なっており、市販のものでは全ての人によくフィットするというものではなく、フィット性に問題があり、不便であった。例えば、目や鼻の位置も人によって異なっており、市販のフェイスマスクでは適格な場所にフィットしないことがよくある。
【0004】
一方、生産者にとっては、抜型成形に伴って使用する部分以外の残余のシート片は、他の製品へ転用ができず、産業廃棄物として処分されるため、産業廃棄物が増大し、エコロジーに反するとともにとコストアップに繋がっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の問題に鑑み、本発明の目的は、顧客の多様なニーズにも答えて、目的の身体部位に止まらず、他の身体部位にも簡便に適用ができ、しかも製品の残余片もフルに活用して、産業廃棄物を低減でき、エコロジーに貢献するような化粧用シートを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、0.01〜0.1g/cm の低密度であり、下記の式で定義される保水率が500%以上の吸水性シートからなる化粧用シートであり、該化粧用シートは、コラーゲン、ゼラチン、マンナン類、キトサン、セルロースパルプ、セリシンから選ばれたる原料を溶解または膨潤させ、またはスラリーとした状態でシート化し、それを凍結乾燥することにより製造された吸水性シートであって、乾燥状態での引張強度が1N/mm 以下、引張伸度が10%以下であり、いずれの方向にも指先で破断可能であり、該化粧用シートには閉ループを描く切離し用切込みにより囲まれた切離し用シート部が形成されており、該切離し用シート部および残余のシート部のいずれもが、化粧用液体を含浸させてパック用に供されるものであることを特徴とする化粧用シートにより前記目的を達成した。
なお、前記保水率は圧力付与後の含水率であり、次式で定義され
{(W 3 −W 1 )/W 1 }×100%
ここに
1 は、5 cm 角の試料の乾燥状態の重さ
3 は、上記試料を籠に入れて、水深10 cm で2分間浸漬し、そして籠を引き上げ、その後、1分間そのままの状態に保持した後、濾紙上に前記試料を置き、その上に、ガラス板を置き、更にガラス板と合わせた重さが250gとなるようにガラス板の上に重錘を置き、荷重をかけて圧力を付与し、1分間そのまま保持し、その後、秤量した重さである
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の化粧用シートに使用するシート材は、0.01〜0.1g/cm の低密度であり、且つ500%以上の保水率を有する。密度が0.01g/cm を下回るシート材を使用すると、吸水率と保水率は高まるが、実用的強度が低下し、化粧用シートとして使用するには脆くなり過ぎ、化粧用シートを包装袋から取出す際に製品(化粧用シート)を損傷しやすい。一方、密度が0.1g/cmを越えるシート材を使用すると、吸水率と保水率が低下して、化粧パック時に化粧液などを含み難くなる。
【0009】
なお、本発明の吸水率は次式で定義され、
{(W2 −W1 )/W1 }×100%
ここに、
W1 は、試料の乾燥状態の重さ、
W2 は、上記試料を籠に入れて、水深10cmで2分間浸漬し、そして籠を引き上げ、その後、1分間そのままの状態に保持した後、秤量した重さである。
【0010】
吸水率は化粧用シートが水と接触したときに、自然に化粧用シートに吸収し得る容量を示す。この値が高いと化粧液等を化粧用シート内に大量に取込める。本発明においては、吸水率は、好ましくは、1,000%以上、更に好ましくは、1,500%以上である。
【0011】
また、本発明の保水率は圧力付与後の含水率であり、次式で定義され、
{(W3 −W1 )/W1 }×100%
ここに、
W1 は、5cm角の試料の乾燥状態の重さ、
W3 は、上記試料を籠に入れて、水深10cmで2分間浸漬し、そして籠を引き上げ、その後、1分間そのままの状態に保持した後、濾紙上に前記試料を置き、その上に、ガラス板を置き、更にガラス板と合わせた重さが250gとなるようにガラス板の上に重錘を置き、荷重をかけて圧力を付与し、1分間そのまま保持し、その後、秤量した重さである。
【0012】
保水率は化粧用シート内に取込んだ水を、外力が掛かった際にも保持し続ける特性を示す。保水性が必要であるのは、本発明の化粧用シートを使用する際には、化粧液などの液体を含浸した状態で使用するからである。この値が高いと化粧時にパックする際に手で押さえた時にも、化粧液がしみ出し難い。本発明においては、保水率は500%以上とし、好ましくは900%以上である。保水率が500%未満であると、パック時に化粧液がしみ出しやすく、充分なスキンケア効果が得られない。
【0013】
本発明の化粧用シートは吸水性と保水性があり、なおかつ破断し易いものである。この破断し易さは鋏や工具などを使用せずに指先で簡単に千切れるようなものであり、その千切れる方向はいずれの方向にも簡単に千切れるようなものである。
【0014】
いずれの方向にも破断可能であるためには、異方性が小さく破断強度が小さい低密度シートを使用する。破断し易さの観点からして、シートの引張強度が1N/mm 以下が好ましく、より好ましくは0.8N/mm 以下である。引張伸度も大きいと破断し難く、所望の形状に破断し難いので、乾燥状態の引張伸度が15%以下が好ましく、より好ましくは10%以下である。特に、いずれの方向にも破断が容易であり且つ液体吸収量が大きく、保水性がよいという点で凍結乾燥により製造したシートが適している。
【0015】
本発明の化粧用シートを構成する素材としては、ポリビニルアルコール、セルロース、アルギン酸誘導体、キトサンやマンノースなどの多糖体、コラーゲンやセリシンなどの蛋白類など各種高分子化合物を使用することができる。これらの高分子化合物は、ホモポリマーのほか任意の共重体も使用可能である。或いは高分子のブレンド体を使用してもよい。特に、皮膚との適合性や安全性の観点では、天然物由来の高分子化合物が好ましい。
【0016】
シート材に合成高分子を使う場合は、その吸水性の観点から、親水性のあるものが好ましく、また、天然物由来の高分子で親水性があるものがより一層好ましい。
【0017】
コラーゲン、ゼラチン、マンナン類(コンニャク成分)、キトサン、セルロースパルプ、セリシンなどの天然物由来の高分子化合物は原料を溶解または膨潤させ、またはスラリーとした状態でシート化し、それを凍結乾燥することにより空洞が開き、低密度シートとすることができる。
【0018】
このような天然物由来の高分子化合物からなる低密度シートは保水力が大きいので、本発明の化粧用シートとして特に適している。特に、凍結乾燥により製造した低密度シートは、本発明の化粧用シートとして適している。また、本発明の化粧用シートにはセルローススポンジも好ましく使用できる。
【0019】
本発明の化粧用シートは、引張強度が指で簡単に破断することができる程度のものとし、しかも、何れの方向にも指で簡単に破断することができるように、引張強度が方向によっても殆ど異ならないようにする。一方、濡れた状態で肌に貼付するためにシートを広げたり貼付けたりしたときにも破けないようにするために、濡れた状態でも簡単には破れない程度の強度が必要である。
【0020】
化粧用シートの引張強度などをコントロールするためには、パルプを構成する繊維の太さや長さを適宜選択したり、低密度シートの孔の大きさや分布を制御したりする。凍結乾燥によりシートを製造する場合は、原料に対する注水量を調節したり、凍結時間、凍結温度、脱気時の圧力や時間等を調節することにより、引張強度などをコントロールできる。また、必要に応じてシートの製造時に、補強用として繊維成分を含有させることもできる。
【0021】
本発明の化粧用シートは、任意の寸法、厚みに設計することができるが、取扱い性や保水性の点では厚みは0.3mm〜2mm程度が好ましい。
【0022】
本発明の化粧用シートにおいて、使用する身体の部位、例えば、目の下部、鼻部、頬部、額部など顔面各部位や、その他首部、脇下部、手腕部、脚部など身体における任意の部位の皮膚に貼付するのに適した形状が閉ループ状に切離し用切込みによって描かれている。
【0023】
この閉ループで囲まれた部分(切離し用シート部)は前述したような目的とする部位に適した形状であり、切離し用切込みの箇所で切離せば、その目的とする箇所に貼付けることができる。
【0024】
切離し用切込みは、例えば、切込みが不連続状態(ミシン目状)に入れられたものなどを言う。切離し用切込みは、抜き型加工などの方法によって、その目的とする形状に沿った閉ループを描く線の大半が切り抜かれて、一部分が点状あるいは短い線状などで繋がった接合部となっているものや、或いは点線状あるいは一点鎖線状に切込みが不連続状態で入っているものなどを言う。更に、V字形断面の刃物(トムソン刃)により、閉ループを描く線に沿って断面状態で化粧用シートの厚さのごく一部を残してV字状の切れ目を入れてもよい。この場合に、閉ループの一部を全厚さに亘り打抜くことにより切離し用シート部の切離しが容易となり好ましい。
【0025】
このような切離し用切込みを入れたものは、鋏などを使用せずとも手で簡単に閉ループで囲まれた切離し用シート部を切離すことが可能である。本発明においては1枚の化粧用シートの中に、このような閉ループで囲まれた成形部が1つでもよく或いは2つ以上入っていてもよい。
【0026】
本発明の化粧用シートは、製品の形態においては乾燥状態でもよいし、種々の化粧用の液体を含む湿潤状態でもよい。乾燥状態のシートの場合は使用時に適宜の化粧液などを含ませてから皮膚に貼付する。湿潤状態とするには化粧用の液体に化粧用シートを浸漬したり、化粧用液体を噴霧するなど任意の方法が使用できる。化粧用の液体としては化粧水、美容液などであり、液体の状態は溶液、エマルジョン、乳液、ローション類などであり、特に限定されるものではない。また、化粧液には必要に応じてビタミン類、美白剤、保湿剤などの肌に有効な成分を添加してもよい。
【0027】
本発明の化粧用シートは次のようにして使用する。すなわち、製品の状態で乾燥したものは閉ループで囲まれた部分を切離した後、或いは切離す前に、化粧水などの所望の液体を含浸させて湿潤状態とする。予め湿潤した状態の製品はそのまま使用する。いずれも所望形状の閉ループで囲まれた切離し用シート部を指先で切離す。そして、その湿潤状態の切離し用シート部を、その所望の身体の部位、例えば目の下などに貼付する。
【0028】
切離し用シート部分を所定身体場所に貼付した後、残余のシート部分は直ちに別の身体箇所に貼付して使用してもよいし、或いはそのまま暫く保存して別の機会に残余のシート部を使用することもできる。この場合、残余のシート部は、その貼付したいとする目的の部位に応じた大きさに指で千切って使用することができる。例えば、目じりの部分に適した大きさにしたり、または小鼻のところに貼付するのによい大きさにしたり、その他、肌の状態が気になる部分に貼付することができる。また、この場合、販売製品が乾燥状態のものであれば、その部位に応じた化粧液を含浸させてから貼付することができる。例えば、小鼻の回りなどは肌を引締める効果のある成分を含んだ化粧水を含浸させて貼付したり、或いは目じりの箇所に貼付する場合は保湿性の高い成分を含有する化粧液を含浸させたりと、各使用部位に合わせたものを化粧用シートに含ませてから貼付すればよい。元々が湿潤した状態のものは、その湿潤状態にさせている化粧液に応じて顔の各部位などに残余のシート部を千切って貼付すればよい。
【0029】
本発明の化粧用シートは、吸水率および保水率の高いシート状素材としてパック用シートとして特に有用であるが、各種化粧水を含浸したウェット製品として美白、クレンジング等の用途にも使用できる。
【0030】
【実施例】
次に、本発明を実施例によって更に詳しく説明する。
〔実施例1〕
低密度シート1として、厚み1mmにスライスしたセルロースパルプの凍結乾燥シート(密度0.03g/cm )を7cm×10cmの大きさのシートとし、このシートにトムソン刃を用いて閉ループに沿って破線状に切抜き加工を行い、図1に示すように、2枚の切離し用シート部材2がとれる形態の化粧用シートを製造した。
【0031】
この化粧用シートの破線部3に沿って接合部4を手で切離して、2枚のシート部材を得た。これに市販の化粧水を噴霧した後、左右の目の下に貼付したところ、シート部材はフィット性が高かった。
【0032】
更に、残余片5を約2等分に破断したものに、殺菌作用を有する薬液を噴霧した後、両頬の吹き出物の出現部に貼付したところ、シートが伸びて、頬の凹凸にもによくフィットし、効果的にスキントリートメントが行えた。このように、シート部材、残余片がともにスキントリートメントが行ない易く、1枚の製品を有効に活用することができた。
【0033】
〔実施例2〕
キトサン組成物からなり、凍結乾燥により製造した低密度シート1(密度0.04g/cm 、厚み0.7mm、大きさ5cm×7cm)にトムソン刃を用いて閉ループに沿って破線状に切抜き加工を行い、図2に示すように、切離し用シート部材2がとれる形態の化粧用シートを製造した。
【0034】
この化粧用シート1の破線部3に沿って接合部4を手で切離して、シート部材2を1枚を得た。これに化粧水を噴霧した後、左右の目の下に貼付したところフィット性が高かった。
【0035】
更に、残余片5を指で適当な大きさに破断したものに、別の化粧水を噴霧した後、両頬の吹き出物の出現部に貼付したところ、シートが伸びて頬の凹凸によくフィットした。
【0036】
実施例1および2の化粧用シートは切離したシート部材および残余片の両方が指で容易に破断加工できるので、出先においてもスキントリートメントが行ない易く、製品を有効に活用することができた。また、この化粧用シートは保水性がよいので、化粧水を長時間保持でき、パックによる肌への保湿効果も高かった。
【0037】
【表1】
Figure 0003883865
上記表1は実施例1および実施例2で使用した本発明の化粧用シートと、従来のフェイスマスクに使用するレーヨン長繊維をウォータージェットにより交絡処理した不織布との性能を比較したものである。
【0038】
吸水率と保水率の測定における試料の大きさは5cm×5cmである。吸水率は次のようにして評価した。試料の乾燥状態の重さW1 を測定する。試料を籠に入れて、水深10cmで2分間浸漬し、そして籠を引き上げる。その後、1分間そのままの状態に保持した後、秤量して、重さW2 を測定する。水浸漬後の吸水率は次式のとおりである。
【0039】
{(W2 −W1 )/W1 }×100%
次に圧力を掛けた状態での保水率を測定する。圧力付与条件は、濾紙上に上記試料(5cm角)を置き、その上にガラス板および重錘を置いた。ガラス板と重錘とを合わせた重さが250gであるようにして荷重をかけて1分間そのまま保持し、その後、秤量して重さW3 を測定する。圧力付与後の保水率は次式のとおりである。
【0040】
{(W3 −W1 )/W1 }×100%
引張強度測定のための試料の大きさは、長さ70mm(引張る部分の長さは40mm)、幅15mmであり、この大きさの試料を測定するシートの縦方向(一方の方向)に長く取ったものと、横方向(前記方向と直角の方向)に長く取ったものの2種類を用意する。引張条件は前記試料を長さ方向に引張速度30mm/分で引張った。なお、湿潤品の試料は上記の吸水直後のものを使用した。表1において引張強度の単位はN/mm であり、「縦/横」は試料が縦方向のものと横方向のもののそれぞれの測定値を示している。
【0041】
この表1から分かるように、キトサンやセルロースパルプからなる低密度シートは、保水率が高く、圧力を付与しても、水分保持性能が極めて高い(圧力を与えても、浸漬直後の約半分が保持される)。このような性質はパック用シートとして特に好ましいものである。すなわち、パックを行う際に、化粧用シートにたっぷりと化粧液を含ませることができ、しかも、顔面等に化粧用シートを貼りつける場合は必ずシートの上から軽く押さえ付けて肌に馴染ませという作業を行うが、このような作業を行っても化粧液が滴り落ちない。更に、保水力があるので、すぐに乾燥しないので、長時間パックを行うことができ、肌へ化粧液の成分を充分に付与することができる。このような観点からして、本発明の化粧用シート(特にキトサンやセルロースパルプを主成分とする多孔質シート)は圧力付与後の保水率が900%以上であることが好ましい。
【0042】
更に、キトサンやセルロースパルプからなる凍結乾燥による低密度シートは、乾燥状態で引きちぎり易い。これは乾燥状態での、引張強度が1N/mm 以下と低く、伸度も10%以下であるという特性に由来する。
【0043】
キトサンやセルロースパルプからなる凍結乾燥による低密度シートは、縦方向でも横方向でも引張強度が大体等しく、異方性が少ない。そのため、指で引き千切る場合もその使用者の所望の方向に破いて行くことができので、化粧用シートを貼付する箇所に適した所望形状にすることができる。
【0044】
キトサンやセルロースパルプからなる低密度シートは、湿潤時に引張強度が低下するが(乾燥時の半分以下)、引張伸度が乾燥時よりも高くなるため、顔面の凹凸面に貼付しても追随性がよく、破けたりせずに、所望部位の皮膚にフィットさせることができる。
【0045】
これに比較して従来のフェイスマスク用不織布は引張強度が縦方向と横方向で異なっている。すなわち、異方性がある。しかも、乾燥状態でも、湿潤状態でも引張強度が大きく、しかも引張伸度も大きいため、指で破断しようとしてもシートが伸びてしまい、なかなか破断できない。そして、強く引張って破断できたとしても、破断し易さに方向性があるので、所望の方向に千切って行くことができない。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、化粧用シートは指先で簡単に破断することができるものであり、また、所望の目的とする部位の形状に応じた閉ループ形状で切離し用切込みが入っているため、この閉ループで囲まれたものを簡単に切離すことができ、目的の部位のところに化粧用シートを貼付することができる。
【0047】
しかも、本発明の化粧用シートの残余の部分も手で簡単に破断することができるので、身体の他の部位に貼付することができ、化粧用シートの製品を無駄なく完全に使い切ることができる。
【0048】
特に、目的の部位ごとに使用する化粧液の種類が異なっていても、本発明の化粧用シートを乾燥状態で製品化したものであれば、目的の部位ごとに異なった化粧液を切離したシート部材および残余片に含浸させることができ、多様なニーズに応じたパックを施すことができる。
【0049】
また、顔やその他身体の部位においてその部位の立体形状が、本発明の化粧用シートの使用者各自によって異なっていても、本発明の残余片はその個々の人にとって適当な形状に破断することができるのでフィット性も優れている。
【0050】
本発明の化粧用シートがキトサンやセルロース等の天然物由来の高分子からなり、凍結乾燥法により製造された低密度シートであると、保水性および指での破断のし易さなどの観点からして特に好ましい。
【0051】
更に、本発明によれば顔面用のみならず、身体の他の部位に対してもスキンケアとして使用することができ、特に、閉ループの外側となる残余の部分によって身体の手や脚、脇の下等の身体の部分の肌の手入れも簡単にできる。
【0052】
本発明によれば、生産プロセスの面では、抜型成形に伴う残余片に起因する産業廃棄物の問題もなくエコロジーにマッチし、またロス解消によりコストが低減するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧用シートの第1実施例の平面図である。
【図2】本発明の化粧用シートの第2実施例の平面図である。
【符号の説明】
1 化粧用シート本体
2 切離し用シート部
3 切離し用切込み
4 接合部
5 残余のシート部

Claims (1)

  1. 0.01〜0.1g/cm の低密度であり、下記の式で定義される保水率が500%以上の吸水性シートからなる化粧用シートであり、該化粧用シートは、コラーゲン、ゼラチン、マンナン類、キトサン、セルロースパルプ、セリシンから選ばれたる原料を溶解または膨潤させ、またはスラリーとした状態でシート化し、それを凍結乾燥することにより製造された吸水性シートであって、乾燥状態での引張強度が1N/mm 以下、引張伸度が10%以下であり、いずれの方向にも指先で破断可能であり、該化粧用シートには閉ループを描く切離し用切込みにより囲まれた切離し用シート部が形成されており、該切離し用シート部および残余のシート部のいずれもが、化粧用液体を含浸させてパック用に供されるものであることを特徴とする化粧用シート。
    前記保水率は圧力付与後の含水率であり、次式で定義され
    {(W 3 −W 1 )/W 1 }×100%
    ここに
    1 は、5 cm 角の試料の乾燥状態の重さ
    3 は、上記試料を籠に入れて、水深10 cm で2分間浸漬し、そして籠を引き上げ、その後、1分間そのままの状態に保持した後、濾紙上に前記試料を置き、その上に、ガラス板を置き、更にガラス板と合わせた重さが250gとなるようにガラス板の上に重錘を置き、荷重をかけて圧力を付与し、1分間そのまま保持し、その後、秤量した重さである
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