JP6264462B2 - 伸線加工用鋼線 - Google Patents

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Description

例えば、自動車のラジアルタイヤの補強用線として、または、各種産業用ベルトやホースの補強材として用いられるスチールコード、あるいはソーイングワイヤ等の、0.15mm〜0.40mmの細径の高強度鋼線を製造するための素材の内、最終の熱処理を行った鋼線を、本発明では伸線加工用鋼線と称する。
なお、0.15mm〜0.40mmの細径の高強度鋼線は、一般的に極細鋼線と称される。
本発明は、上述の極細鋼線の素材として好適な、伸線加工用鋼線に関する。
本願は、2014年8月15日に、日本に出願された特願2014−165345に基づき優先権を主張し、この内容をここに援用する。
以下、「0.15mm〜0.40mmの細径の高強度鋼線」を単に「極細鋼線」と称する場合が有る。
自動車のラジアルタイヤ、各種産業用ベルトやホースの補強材として用いられるスチールコード、あるいはソーイングワイヤ等として用いられる極細鋼線は、一般に、次の方法によって製造される。
まず、鋼片を熱間圧延によって、直径が5mm〜6mmの鋼線材とし、その後調整冷却する。
ここで、以下、鋼線材、鋼線及び伸線加工用鋼線の直径は線径とし、「鋼線材」を単に「線材」と称する場合がある。
次に、鋼線材を一次伸線加工して、3mm〜4mmの線径とし、パテンティング処理と呼ばれる熱処理を施して中間鋼線とする。次いで、その中間鋼線を二次伸線加工して、1mm〜2mmの線径とし、最終パテンティング処理を経て、伸線加工用鋼線を得る。
そして、得られた伸線加工用鋼線にブラスメッキ処理を施し、最終の伸線加工である湿式伸線加工によって、ブラスメッキ処理された伸線加工用鋼線は、0.15mm〜0.40mmの線径を有する極細鋼線となる。
このようにして製造された極細鋼線は、例えば、さらに、撚り加工により複数本が撚り合わされて“撚り鋼線”とされ、スチールコード等となる。
なお、ここで、パテンティング処理とは、一般的に良く知られているような次の方法である。
まず、鋼線材や鋼線をオーステナイト温度域に加熱して、組織全体をオーステナイト組織とした後、A変態点以下の温度に保持された鉛浴、流動層などの中に浸漬することによって、パーライト組織が主体となる温度域まで急冷し、その温度域で所定の時間保持する処理である。
また、本発明において“伸線加工用鋼線”とは、上記のようなパテンティング処理で代表される熱処理を施した後の鋼線、または、複数回パテンティング処理を施す場合には最終パテンティング処理を施して、パーライト組織を主体とする組織とした後で、かつ、スチールコード、あるいはソーイングワイヤ等に用いられる極細鋼線に求められる線径まで最終湿式伸線加工を施す前の段階の鋼線を意味する。
近年、タイヤの軽量化、シリコンウエハ切断時の切削代低減など、種々の目的からスチールコードやソーイングワイヤ等の軽量化を要求されることが多くなっている。
このため、上記のスチールコードやソーイングワイヤ等の各種製品に対しては、さらなる高強度が要求されるようになり、引張強さの向上に寄与する合金元素を含有させずには、このような要求に応えられなくなってきている。
このような事情から、Cr等の引張強さの向上に寄与する合金元素を添加して、極細鋼線に高い強度を確保させるようなっている。
しかしながら、Cr等の合金元素を添加して高強度化を図るに伴い、撚り加工時の割れ発生の指標となる、捻回試験でのデラミネーションと呼ばれる縦割れが発生しやすくなっているのが実情である。
そのため、高強度化しても、デラミネーションが発生しない極細鋼線が、強く望まれるようになった。
上記要望に応えるべく、例えば以下に示す特許文献1〜4に記載の技術が提案されている。なお、特許文献1における「高炭素鋼線材」、特許文献2における「伸線加工用線材」、及び特許文献3における「高炭素鋼線」は、いずれも、上述した本発明の「伸線加工用鋼線」と同じ段階の鋼線を含んでいる。
特許文献1には、C:0.88%〜1.10%などを含み、さらに、B:0.0050%以下、Nb:0.020%以下の1種または2種を含み、かつ、フリーNを0.0005%未満含むことを特徴とする高炭素鋼線材が開示されている。
しかしながら、この特許文献1の技術では、BやNbの添加によって、粗大なB窒化物、Nb炭窒化物が生成しやすくなり、その結果、伸線加工時に断線するおそれがあった。
そのため、特許文献1の技術は、安定的に製造する手段としては満足できるものではなかった。
特許文献2には、共析鋼または過共析鋼であり、パーライトを80%以上有し、かつ、第2相をなすフェライトの最大長さが10μm以下であることを特徴とする捻回特性に優れた伸線加工用線材が開示されている。
しかしながら、特許文献2の段落〔0015〕に、“オーステナイト粒径と未溶解炭化物量を制御して”と記載されているように、特許文献2の技術では、未溶解炭化物を利用しているため、中心偏析部で粗大な炭化物が残存しやすくなる。
そのため、特許文献2の技術は、最終湿式伸線加工時に断線しやすくなり、安定的に製造する手段としては満足できるものではなかった。
特許文献3には、主相がパーライトであって、表面から50μmの深さまでの表層部におけるフェライト面積率が0.40%以下であることを特徴とする、耐縦割れ性に優れた高炭素鋼線が開示されている。
しかしながら、量産において、素材となる熱間圧延線材は、仕上げ圧延後にコイル状に重なりあった状態で冷却されるので、場所によって冷却速度や雰囲気が異なる。その結果、脱炭層は不均一に生じるので、特許文献3の技術でも伸線加工用鋼線の全長、且つ、全周に渡ってこのような組織を安定して満たすことは難しい。
そのため、特許文献3の技術は、安定的に製造する手段としては満足できるものではなかった。
特許文献4には、C:0.90%〜1.10%、Cr:0.2%〜0.6%を含有し、パーライトブロックの大きさを鋼のオーステナイト結晶粒度番号で6〜8番に、初析セメンタイトの生成量を体積率で0.2%以下に、パーライト中のセメンタイト厚さを20nm以下に、そして当該セメンタイト中に含まれるCrの濃度を1.5%以下に調整した鋼線材が開示されている。
しかしながら、特許文献4の請求項1及び請求項2に関する技術は、線径が3mm〜4mmで行われるパテンティング処理を省略するためのものである。また請求項3には細径高強度鋼線の製造方法が記載されているが、最終熱処理の条件や最終熱処理後の組織については規定されておらず、詳細な説明でも最終熱処理後の組織について記載されていない。
日本国特開2005−163082号公報 日本国特開2002−146479号公報 日本国特開2000−355736号公報 日本国特開2004−91912号公報
本発明は以上の事情を背景としてなされたもので、スチールコードやソーイングワイヤ等の細径の高強度鋼線を製造するために素材として用いられる鋼線として好適であり、しかも安定して製造し得る伸線加工性に優れた伸線加工用鋼線を提供することを目的とする。
本発明の伸線加工用鋼線に対して、最終伸線加工である、湿式の伸線加工を行うことで、引張強さが例えば4200MPa以上であり、捻回特性に優れた鋼線を得ることが出来る。
本発明者らは、上記課題を解決し、しかも安定して製造し得る伸線加工性に優れた伸線加工用鋼線を得るために、伸線加工用鋼線の化学組成とミクロ組織とが、最終湿式伸線加工後の極細鋼線の引張強さと捻回特性とに及ぼす影響について調査及び研究を重ねた。
その結果、下記(a)〜(d)の知見を見出した。
ここで、「最終湿式伸線加工後の極細鋼線」は、単に、「伸線加工後の鋼線」と称する場合がある。
(a)Crの含有、あるいはSi含有量やMn含有量の増加によって、伸線加工後の鋼線は高強度化する。しかしながら、高強度化に伴って、捻回試験でのデラミネーションが発生しやすくなる。
(b)Crの含有、あるいはSi含有量やMn含有量の増加によって、パーライト中のセメンタイトの長さが短くなる。特に、長さが0.5μm以下の粒状に近い形状のセメンタイトが増える傾向がある。このようにパーライト中のセメンタイトの長さが短くなり、特に長さが0.5μm以下の粒状に近い形状のセメンタイトが増えると、伸線加工後の鋼線の捻回試験でのデラミネーションが生じやすくなる。
(c)ただし、Crなどの合金元素の含有量を増やしても、パテンティング処理時の鉛浴、あるいは流動層の温度と浸漬時間との制御によって、パーライト変態温度を制御することができる。パーライト変態温度を高めれば、パーライト中のセメンタイトがあまり短くならず、長さが0.5μm以下の粒状に近い形状のセメンタイトもあまり増えない。そのため、伸線加工後の鋼線の捻回試験でのデラミネーションが発生しにくくなる。
(d)その一方、パーライト変態温度を高めれば、パーライトのラメラ間隔が大きくなり、伸線加工用鋼線の引張強さが低下する。そのため、伸線加工後の鋼線の高強度化と捻回特性との両立のためには、パーライト変態温度を、適切な範囲内に調整する必要がある。また、パーライト変態終了後に、Fe原子が長距離拡散できる温度域である550℃以上に保持されれば、セメンタイトの粒状化が進行するため、パーライト変態終了後の温度管理も必要である。
これらの(a)〜(d)の知見に基づいて、本発明者らは、さらに詳細な実験・研究を重ねた。
その結果、鋼の合金元素及び不純物元素の量を適切に調整もしくは制限すると同時に、パーライトを主体とする組織の条件、とりわけパーライトの体積率、パーライトの平均ラメラ間隔、パーライト中のセメンタイトの平均長さ、及びパーライト中における長さが0.5μm以下のセメンタイトの個数の割合を、それぞれ適切な範囲内に調整することによって、上述の課題を解決できる、細径の高強度鋼線の素材として用いられる伸線加工用鋼線が得られる。
そして、上述の特徴を満たした伸線加工用鋼線を素材として使用することで、最終製品となる細径の高強度鋼線が、例えば4200MPa以上の引張強さを有することができ、同時に優れた捻回特性を有することができることを見出した。
さらに、本発明者らは、伸線加工後の鋼線、すなわち、最終湿式伸線加工後の極細鋼線において高強度及び捻回特性に優れた性能を確保しながら、量産工程でも安定して製造し得ることを見出し、本発明をなすに至った。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、その要旨は以下のとおりである。
(1)本発明の一態様に係る伸線加工用鋼線は、化学成分として、質量%で、C:0.9%〜1.2%、Si:0.1%〜1.0%、Mn:0.2%〜1.0%、Cr:0.2%〜0.6%を含有し、Al:0.002%以下、N:0.007%以下、P:0.02%以下、S:0.01%以下に制限し、Mo:0%〜0.20%、B:0%〜0.0030%からなる群より選択される1種以上を含有し、残部がFe及び不純物であり、組織はパーライトを含み、前記パーライトの体積率が95%以上であり、前記パーライトの平均ラメラ間隔が50nm〜75nmであり、前記パーライト中のセメンタイトの平均長さが2.0μm〜5.0μmであり、前記パーライト中の前記セメンタイトのうち、長さが0.5μm以下のセメンタイトの個数の割合が20%以下である。
(2)上記(1)に記載の伸線加工用鋼線は、前記化学成分として、質量%で、Mo:0.02%〜0.20%、B:0.0005%〜0.0030%からなる群より選択される1種以上を含有してもよい。
本発明の上記態様によれば、スチールコード用やソーイングワイヤ用等として好適な、高強度で、かつ捻回特性にも優れた細径の高強度鋼線の、素材として用いられる伸線加工用鋼線を、高い生産性の下で安定して製造することが可能になる。
その結果、産業上極めて有用な効果がもたらされる。
本発明の上記態様に係る伸線加工用鋼線の長手方向に垂直な断面を、FE−SEMを用いて、任意の位置において、倍率10000倍で撮影した組織写真である。
本実施形態に係る伸線加工用鋼線について説明する。
まず、本実施形態における、伸線加工用鋼線の化学成分組成の限定理由についてより詳細に説明する。なお、以下の説明における%は、質量%を意味する。
C:0.9%〜1.2%
Cは、伸線加工後の鋼線の引張強さを高めるために有効な元素である。
C含有量が0.9%未満の場合には、例えば引張強さで4200MPaといった高い引張強さを、安定して伸線加工後の鋼線に付与させることが困難である。そのため、C含有量の下限を0.9%とする。伸線加工後に、高強度の鋼線を安定して得るためにはC含有量を高めることが有効であり、4500MPa以上の引張強さを得るためには、C含有量は1.0%以上が好ましい。
一方、C含有量が多すぎると、組織が硬質化して、伸線加工性や捻回特性の低下を招く。特に、C含有量が1.2%を超えると、旧オーステナイト粒界に沿って析出するセメンタイト、すなわち、初析セメンタイトの生成を抑制することが工業的に困難となり、伸線加工性や捻回特性が大きく低下する。そのため、C含有量の上限を1.2%とする。
Si:0.1%〜1.0%
Siは、伸線加工後の鋼線の引張強さを高めるのに有効な元素であり、また脱酸剤としても必要な元素である。
Si含有量が0.1%未満では、Siを含有する効果を十分に得られない。そのため、Si含有量の下限を0.1%とする。伸線加工後に、高強度の鋼線を安定して得るためにはSi含有量を高めることが有効であり、4500MPa以上の引張強さを得るためには、Si含有量は0.2%以上が好ましい。
一方、Si含有量が1.0%を超えると、伸線加工後の鋼線の捻回特性が低下する。そのため、Si含有量の上限は1.0%とする。ただし、Siは伸線加工用鋼線の焼入れ性や初析セメンタイトの生成にも影響する元素であることから、伸線加工用鋼線に安定して所望のミクロ組織を確保する観点から、Si含有量は0.5%以下が好ましい。
Mn:0.2%〜1.0%
Mnは、伸線加工後の鋼線の引張強さを高める効果に加えて、鋼中のSをMnSとして固定して、熱間脆性を防止する効果を有する成分である。
しかしながら、Mn含有量が0.2%未満では、十分な効果が得られない。そのため、Mn含有量の下限を0.2%とする。伸線加工後に、高強度の鋼線を安定して得るためには、Mn含有量を高めることが有効であり、4500MPa以上の引張強さを得るためには、Mn含有量は0.3%以上が好ましい。
一方、Mnは偏析しやすい元素である。特に、Mn含有量が1.0%を超えると、鋼線の中心部にMnが偏析し、その偏析部にマルテンサイトやベイナイトが生成されて、最終の伸線加工工程である、湿式の伸線加工工程における、伸線加工用鋼線の伸線加工性が低下してしまう。そのため、Mn含有量の上限を1.0%とする。ただし、Mnは、伸線加工用鋼線の焼入れ性や初析セメンタイトの生成に影響する元素であることから、伸線加工用鋼線に安定して所望のミクロ組織を確保する観点から、Mn含有量は0.5%以下が好ましい。
Cr:0.2%〜0.6%
Crは、パーライトのラメラ間隔を小さくして、伸線加工後の鋼線の引張強さを高める効果を有する。
Cr含有量が0.2%未満では、伸線加工後の鋼線の引張強さを4200MPa以上にすることが出来ない。そのため、Cr含有量の下限を0.2%とする。より安定してこの効果を得るためには、Cr含有量は0.3%以上が好ましい。
しかしながら、Cr含有量が0.6%を超えると、伸線加工後の鋼線の捻回特性が低下する。そのため、Cr含有量の上限を0.6%とする。より好ましくは、Cr含有量は0.4%以下である。
本実施形態に係る伸線加工用鋼線おいては、さらに、Al、N、P及びSを、以下のように制限する必要がある。
Al:0.002%以下
Alは、Alを主成分とする酸化物系介在物を形成して、伸線加工用鋼線の伸線加工性を低下させる元素である。
特に、Al含有量が0.002%を超えると、前記酸化物系介在物が粗大化して、伸線加工時に断線が多発する。その結果、最終の伸線加工工程である、湿式の伸線加工工程における、伸線加工用鋼線の伸線加工性の低下が著しくなる。
したがって、Al含有量は0.002%以下に制限する。Al含有量は、好ましくは0.0015%以下である。
なお、Al含有量の下限は0%を含む。しかしながら、現状の精錬技術と製造コストとを考慮すると、Al含有量の下限は、0.0001%が好ましい。
N:0.007%以下
Nは、冷間での伸線加工時に転位に固着して、伸線加工後の鋼線の引張強さを上昇させる反面、伸線加工用鋼線の伸線加工性を低下させてしまう元素である。
特に、N含有量が0.007%を超えると、最終の伸線加工工程である、湿式の伸線加工工程における、伸線加工用鋼線の伸線加工性の低下が著しくなる。したがって、N含有量を0.007%以下に制限する。N含有量は、好ましくは0.006%以下である。
なお、N含有量の下限は0%を含む。しかしながら、現状の精錬技術と製造コストとを考慮すると、N含有量の下限は、0.0001%が好ましい。
P:0.02%以下
Pは、粒界に偏析して、伸線加工用鋼線の伸線加工性を低下させる元素である。
特に、P含有量が0.02%を超えると、最終の伸線加工工程である、湿式の伸線加工工程における、伸線加工用鋼線の伸線加工性の低下が著しくなる。
したがって、P含有量は0.02%以下に制限する。P含有量は、好ましくは0.015%以下である。
なお、P含有量の下限は0%を含む。しかしながら、現状の精錬技術と製造コストとを考慮すると、P含有量の下限は、0.001%が好ましい。
S:0.01%以下
Sも、Pと同様に、伸線加工用鋼線の伸線加工性を低下させる元素である。
特に、S含有量が0.01%を超えると、最終の伸線加工工程である、湿式の伸線加工工程における、伸線加工用鋼線の伸線加工性の低下が著しくなる。
したがって、S含有量は0.01%以下に制限する。
なお、S含有量の下限は0%を含む。しかしながら、現状の精錬技術と製造コストとを考慮すると、S含有量の下限は、0.001%が好ましい。
以上が、本実施形態に係る伸線加工用鋼線の基本的な成分組成であり、残部は、Fe及び不純物である。なお、「残部がFe及び不純物である」における「不純物」とは、鋼を工業的に製造する際に、原料としての鉱石、スクラップ、または製造環境などから不可避的に混入するものを指す。
しかしながら、本実施形態における伸線加工用鋼線では、この基本成分に加え、残部のFeの一部の代わりに、Mo及びBからなる群より選択される1種以上を含有させてもよい。
Mo:0%〜0.20%
Moの添加は任意であり、その含有量の下限は0%である。
しかしながら、Moの添加により、伸線加工後の鋼線の引張強さと捻回特性とのバランスを高める効果を、より安定して享受することができる。この効果を得るには、Mo含有量を0.02%以上とすることが好ましい。伸線加工後の鋼線の引張強さと捻回特性とのバランスを得る観点からは、Mo含有量を0.04%以上とすることがより好ましい。
一方、Mo含有量が0.20%を超えると、鋼中にマルテンサイトが生成しやすくなり、最終の伸線加工工程である、湿式の伸線加工工程における、伸線加工用鋼線の伸線加工性が低下する場合がある。
したがって、Mo含有量の上限は0.20%が好ましい。より好ましくは、Mo含有量は0.10%以下である。
B:0%〜0.0030%
Bの添加は任意であり、その含有量の下限は0%である。
しかしながら、Bは、鋼中に固溶したNと結合してBNを形成し、固溶Nを低減する効果を有する。そのため、Bの添加により、最終の伸線加工工程である、湿式の伸線加工工程における、伸線加工用鋼線の伸線加工性を向上させることができる。この効果を得るためには、Bを0.0005%以上添加することが好ましい。より好ましくは、B含有量は0.0007%以上である。
一方、B含有量が0.0030%を超えると、線材中に粗大な炭化物が形成されやすくなり、最終の伸線加工工程である、湿式の伸線加工工程における、伸線加工用鋼線の伸線加工性が低下する場合がある。したがって、B含有量の上限は0.0030%が好ましい。より好ましくは、B含有量の上限は0.0020%である。
本実施形態における伸線加工用鋼線では、不純物として混入する以上のTi及びZrは、鋳造時に粗大な窒化物を形成しやすく、それが線材にも残存して、伸線加工用鋼線の伸線加工性を低下させるため、残部のFeの一部の代わりに、積極的に添加しない方が好ましい。
次に、本実施形態に係る伸線加工用鋼線の組織について説明する。
<パーライトの体積率:95%以上>
本実施形態に係る伸線加工用鋼線の組織は、図1に示す通り、フェライトとセメンタイトとが層状のラメラ構造になっているパーライトを含む。
伸線加工用鋼線において、パーライトの体積率が95%未満であると、伸線加工後の鋼線において、引張強さで4200MPa以上の高強度を確保し、しかも捻回試験でのデラミネーションの発生を抑制することができない。そのため、伸線加工用鋼線のパーライトの体積率を95%以上とする必要がある。より安定して、伸線加工後の鋼線の高強度と捻回特性とを両立させるためには、伸線加工用鋼線のパーライトの体積率は、98%以上とすることが好ましい。伸線加工用鋼線のパーライトの体積率は、100%でもよい。
一方、本実施形態に係る伸線加工用鋼線において、パーライト以外の組織、すなわち、残部の組織はセメンタイト、フェライト、ベイナイトからなる群より選択される1種以上からなる。この伸線加工用鋼線において、パーライト以外の組織の合計は、体積率で、5%未満である。この伸線加工用鋼線において、パーライト以外の残部の組織は、2%未満が好ましく、0%でもよい。
<パーライトの体積率の測定方法>
本実施形態に係るパーライトの体積率は、次の方法によって測定できる。
まず、伸線加工用鋼線の横断面、すなわち伸線加工用鋼線の長さ方向に垂直な切断面を、鏡面研磨する。
その後、鏡面研磨した切断面をピクラールで腐食し、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて、任意の位置において、倍率5000倍で10箇所を写真撮影する。なお、1視野あたりの面積は、縦18μmで横20μmの3.6×10−4mmである。
次いで、その撮影した写真を用いて、通常の画像解析により、パーライト以外の組織の面積率を求める。この面積率は体積率と同じであるため、100からパーライト以外の組織の面積率を除いた値を、その視野のパーライトの体積率とする。そして、得られた10視野分のパーライトの体積率を平均することによって、その伸線加工用鋼線のパーライトの体積率は得られる。
<パーライトの平均ラメラ間隔:50nm〜75nm>
伸線加工用鋼線のパーライトの平均ラメラ間隔が75nm超であると、最終製品となる伸線加工後の鋼線において、引張強さで4200MPa以上の高強度を安定して得ることが出来ない。そのため、伸線加工用鋼線において、パーライトの平均ラメラ間隔を75nm以下とする。より安定して、伸線加工後の鋼線の高強度と捻回特性とを両立させるためには、伸線加工用鋼線のパーライトの平均ラメラ間隔を、70nm以下とすることが好ましい。
一方、伸線加工用鋼線のパーライトの平均ラメラ間隔が50nm未満であると、最終湿式伸線加工時に断線が発生してしまい、伸線加工後の鋼線を得ることが出来ない。そのため、伸線加工用鋼線のパーライトの平均ラメラ間隔を50nm以上とする。より安定して、伸線加工時に、断線を発生させないためには、伸線加工用鋼線のパーライトの平均ラメラ間隔を55nm以上とすることが好ましい。
<パーライトの平均ラメラ間隔の測定方法>
本実施形態に係る伸線加工用鋼線における、パーライトの平均ラメラ間隔は、次の方法により測定することができる。
まず、伸線加工用鋼線の横断面を鏡面研磨した後、ピクラールで腐食し、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて、倍率10000倍で、任意の箇所を、10視野撮影する。なお、1視野あたりの面積は、縦9μmで横10μmの9.0×10−5mmである。
次に、撮影した各10視野の組織写真のうち、視野内でラメラの向きが揃っている範囲において、ラメラの5間隔分が測定可能な箇所を複数選択する。選択した複数の箇所について、ラメラの長径方向に対して垂直に直線を引いて、ラメラの5間隔分の長さを求める。次に、選択した複数の箇所のうち、5間隔分の長さが小さい方から2つの箇所を選択する。そして、選択した2つの箇所において、それぞれ測定したラメラの5間隔分の長さを5で割ることで、各箇所のラメラ間隔を求めることができる。つまり、1視野で2箇所のラメラ間隔を求めることができる。このように求めた10視野、合計20箇所のラメラ間隔の平均値を、その伸線加工用鋼線のパーライトの平均ラメラ間隔とする。
<パーライト中のセメンタイトの平均長さ:2.0μm〜5.0μm>
本実施形態に係る伸線加工用鋼線において、パーライト中のセメンタイトの平均長さが2.0μm未満の場合には、断線が発生して伸線加工が出来なくなり、伸線加工後の鋼線が4200MPa以上の引張強さを確保できず、伸線加工後の鋼線の捻回試験でのデラミネーションの発生を抑制することが出来なくなる。そのため、パーライト中のセメンタイトの平均長さを2.0μm以上とする。
一方、パーライト中のセメンタイトの平均長さが5.0μmを超えると、最終の伸線加工工程である、湿式の伸線加工工程における、伸線加工用鋼線の伸線加工性の低下が顕著になる。そのため、パーライト中のセメンタイトの平均長さは、5.0μm以下とする。なお、パーライト中のセメンタイトの平均長さは、好ましくは、4.0μm以下とする。
本実施形態に係る伸線加工用鋼線において、他の要件を満たしていても、パーライト中のセメンタイトの平均長さが2.0μm〜5.0μmの範囲に無い場合、伸線加工後の鋼線において、高強度と捻回特性とを両立することが出来ない。
<パーライト中のセメンタイトのうち、長さが0.5μm以下のセメンタイトの個数の割合:20%以下>
本実施形態に係る伸線加工用鋼線において、パーライト中のセメンタイトのうち、長さが0.5μm以下のセメンタイトの個数の割合が20%を超えると、伸線加工後の鋼線において、4200MPa以上の引張強さと、捻回特性とを両立することが出来ない。そのため、パーライト中のセメンタイトのうち、長さが0.5μm以下のセメンタイトの個数の割合を20%以下とする。
より安定して高強度と、捻回試験でのデラミネーションの発生の抑制とを両立するためには、パーライト中のセメンタイトのうち、長さが0.5μm以下のセメンタイトの個数の割合は、好ましくは15%以下とする。
一方、パーライト中のセメンタイトのうち、長さが0.5μm以下のセメンタイトの個数の割合の下限は、特に限定しない。しかしながら、工業的に安定して、伸線加工用鋼線を製造する観点から、パーライト中のセメンタイトのうち、長さが0.5μm以下のセメンタイトの個数の割合は、2%以上とすることが好ましい。
本実施形態に係る伸線加工用鋼線において、他の要件を満たしていても、パーライト中のセメンタイトのうち、長さが0.5μm以下のセメンタイトの個数の割合が20%以下の範囲に無い場合、伸線加工後の鋼線において、高強度と捻回特性とを両立することが出来ない。
<パーライト中のセメンタイトの平均長さ及びパーライト中のセメンタイトのうち、長さが0.5μm以下のセメンタイトの個数の割合の測定方法>
本実施形態に係る伸線加工用鋼線において、パーライト中のセメンタイトの平均長さ及びパーライト中のセメンタイトのうち、長さが0.5μm以下のセメンタイトの個数の割合は、次の方法によって測定することができる。
上記したパーライトの平均ラメラ間隔を求めた写真を用い、2μm毎に垂直方向、水平方向に直線をひき、その直線の交点上にあるセメンタイトの長さを通常の方法によって測定する。もしくは、交点上にセメンタイトが無い場合には、最も近接したセメンタイトの長さを、通常の方法によって測定する。
なお、1枚の写真あたり16箇所で、セメンタイトの長さを求め、このように10枚の写真分、すなわち、10視野分で合計160箇所のセメンタイトの長さを求める。求めた合計160箇所のセメンタイトの長さを平均し、その平均値を、本実施形態に係る伸線加工用鋼線における、パーライト中のセメンタイトの平均長さとする。ここで、セメンタイトの長さは長径方向とする。
そして、この160箇所のセメンタイトのうち、長さが0.5μm以下であるセメンタイトの個数の割合を、本実施形態に係る伸線加工用鋼線における、パーライト中のセメンタイトのうち、長さが0.5μm以下のセメンタイトの個数の割合とする。
上述した化学組成と組織とを満足することで、伸線加工後の鋼線において、高強度と捻回特性とを両立できる、伸線加工用鋼線を得ることができる。上述した伸線加工用鋼線を得るためには、後述する製造方法により伸線加工用鋼線を製造すればよい。次に、本実施形態に係る伸線加工用鋼線の好ましい製造方法について説明する。
本実施形態に係る伸線加工用鋼線は、以下のようにして製造することができる。なお、以下に説明する伸線加工用鋼線の製造方法は、本実施形態に係る伸線加工用鋼線を得るための一例であり、以下の手順及び方法で限定するものではなく、本発明の構成を実現できる方法であれば、如何なる方法をも採用することが可能である。
本実施形態に係る伸線加工用鋼線を製造する場合、パーライトの体積率、パーライトの平均ラメラ間隔、パーライト中セメンタイトの平均長さ、及びパーライト中のセメンタイトのうち、長さが0.5μm以下のセメンタイトの個数の割合が、既に述べた各条件を確実に満たし得るように、鋼の化学成分や各工程、及び各工程における条件を設定すれば良い。
また、伸線加工後の鋼線の線径や必要とされる引張強さと捻回特性とに応じて、製造条件を設定することが出来る。
まず、上記の化学成分となるよう鋼を溶製した後、連続鋳造によって鋼片を製造し、熱間圧延を行う。なお、連続鋳造後、分塊圧延を行ってもよい。得られた鋼片を熱間圧延する際には、鋼片の中心部が1000℃〜1100℃になるように、一般的な方法で加熱し、仕上げ温度を900℃〜1000℃として、φ4.0mm〜5.5mmに熱間圧延する。
仕上げ圧延後、一次冷却として、水冷及び大気による風冷を組み合わせて、平均冷却速度を50℃/秒以上で、750℃〜700℃に冷却する。
一次冷却の後、二次冷却として、大気による風冷によって、平均冷却速度を5℃/秒〜15℃/秒で、600℃以下まで冷却する。
このようにして得られる線材について、通常の方法で脱スケール、潤滑処理を行う。その後、乾式で線材を冷間伸線加工し、φ1.0mm〜2.0mmの中間鋼線を得る。
次に、アルゴン雰囲気の加熱炉によって、この中間鋼線を、オーステナイト温度域である975℃〜1000℃の範囲内の温度に、5秒〜10秒間保持する。
そして、保持後1秒以内に、中間鋼線を605℃〜615℃の鉛浴に浸漬し、7秒〜10秒間保持するパテンティング処理をした後、ブラシによる鉛の除去を行う。
そして、最後に、室温まで大気中での冷却を行うことで、本実施形態に係る伸線加工用鋼線を得ることが出来る。
上記の製造方法における熱間圧延の仕上げ温度とは、仕上げ圧延直後の線材の表面温度を示す。また、仕上げ圧延後の冷却速度は、線材の表面温度の冷却速度を示す。
なお、アルゴン雰囲気の加熱炉での加熱の温度は、中間鋼線の表面温度を示し、パテンティング処理における鉛浴の温度については、鉛の温度を示す。
ここで、上記の製造方法では、鉛浴を用いる場合のパテンティング処理における鉛浴の温度を、従来の一般的なパテンティング処理温度よりも高い、605℃〜615℃とする。
このようなパテンティング処理によって、前述のような化学成分を満たし、パーライトの体積率が95%以上であり、パーライトの平均ラメラ間隔が50nm〜75nmであり、パーライト中のセメンタイトの平均長さが2.0μm〜5.0μmであり、パーライト中のセメンタイトのうち、長さが0.5μm以下のセメンタイトの個数の割合が20%以下である組織を確実に得ることができる。
しかしながら、前述のような組織を確実に得るための、最適なパテンティング処理条件やそれ以外のプロセス条件は、鋼の化学成分や、パテンティング処理までの加工工程や、熱処理の履歴などによって、異なることは言うまでもない。
以下、本実施形態に係る伸線加工用鋼線の実施例を挙げ、本実施形態に係る伸線加工用鋼線の効果を、より具体的に説明する。ただし、実施例における条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能である。よって、本発明は、種々の条件を採用し得、それらは何れも本発明の技術的特徴に含まれるものである。
表1に示す化学組成の鋼A〜Mを転炉によって溶製した後、通常の方法の分塊圧延によって、122mm角の鋼片を得た。
次に、鋼片の中心部が1050℃〜1100℃になるように加熱した後、仕上げ温度を900℃〜950℃の範囲として、φ5.0mmに熱間圧延した。
仕上げ圧延後は、水冷及び大気による風冷を組み合わせて平均冷却速度60℃/秒〜80℃/秒の範囲内で、730℃〜700℃に一次冷却し、その後、大気による風冷によって平均冷却速度7℃/秒〜12℃/秒の範囲内で、600℃〜550℃の範囲内まで二次冷却を行った。
このようにして得た線材について、通常の方法で脱スケール、潤滑処理を行い、その後に、乾式での冷間伸線加工によって直径φ1.6mmの中間鋼線を得た。
このようにして得た中間鋼線について、表2の(a)〜(j)に示す種々の条件でのパテンティング処理を含む熱処理を施した。
すなわち、表2において“最高加熱温度”と記載した温度に中間鋼線を加熱した。次に、加熱した中間鋼線を、970℃〜1000℃の範囲内の温度に、表2に記載した保持時間だけ保持した。そして、直ちに、具体的には、保持後0.5秒〜0.8秒以内に、表2に記載した鉛浴温度の鉛浴に、同じく表2に記載した時間だけ浸漬させてパテンティング処理を行って、直径φ1.6mmの伸線加工用鋼線を製造した。
表2に記載した各条件で製造した伸線加工用鋼線について、以下に示す方法で、パーライトの体積率、パーライトの平均ラメラ間隔、パーライト中のセメンタイトの平均長さ、およびパーライト中のセメンタイトのうち、長さが0.5μm以下のセメンタイトの個数の割合を求め、表3−1に示した。
具体的な測定方法は次の通りである。
実施例において、伸線加工用鋼線のパーライトの体積率は、次の方法で測定した。
まず、伸線加工用鋼線の横断面、すなわち伸線加工用鋼線の長さ方向に垂直な切断面を、鏡面研磨した後、ピクラールで腐食し、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて、任意の位置において、倍率5000倍で10箇所を写真撮影した。なお、1視野あたりの面積は、縦18μmで横20μmの3.6×10−4mmである。次いで、その写真を用いて、通常の画像解析により、パーライト以外の組織の面積率を求めた。この面積率は体積率と同じであるため、100からパーライト以外の組織の面積率を除いた値を、その視野のパーライトの体積率とした。そして、得られた10視野分のパーライトの体積率を平均することによって、その伸線加工用鋼線のパーライトの体積率とした。
実施例において、パーライトの平均ラメラ間隔は、次の方法で測定した。
まず、伸線加工用鋼線の横断面を鏡面研磨した後、ピクラールで腐食し、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて、倍率10000倍で、任意の箇所を、10視野撮影した。なお、1視野あたりの面積は、縦9μmで横10μmの9.0×10−5mmである。
次に、撮影した各10視野の組織写真のうち、視野内でラメラの向きが揃っている範囲において、ラメラの5間隔分が測定可能な箇所を複数選択した。選択した複数の箇所について、ラメラの長径方向に対して垂直に直線を引いて、ラメラの5間隔分の長さを求めた。次に、選択した複数の箇所のうち、5間隔分の長さが小さい方から2つの箇所を選択した。そして、選択した2つの箇所において、それぞれ測定したラメラの5間隔分の長さを5で割ることで、各箇所のラメラ間隔を求めた。このように求めた10視野、合計20箇所のラメラ間隔の平均値を、その伸線加工用鋼線のパーライトの平均ラメラ間隔とした。
実施例において、伸線加工用鋼線のパーライト中のセメンタイトの平均長さ及びパーライト中のセメンタイトのうち、長さが0.5μm以下のセメンタイトの個数の割合は、次の方法により測定した。
上述したパーライトの平均ラメラ間隔を求めた写真を用い、2μm毎に垂直方向、水平方向に直線をひき、その直線の交点上にあるセメンタイトの長さを通常の方法によって測定した。もしくは、交点上にセメンタイトが無い場合には、最も近接したセメンタイトの長さを、通常の方法によって測定した。
なお、1枚の写真あたり16箇所で、セメンタイトの長さを求め、このように10枚の写真分、すなわち、10視野分で合計160箇所のセメンタイトの長さを求めた。得られた合計160箇所のセメンタイトの長さを平均し、その平均値を、伸線加工用鋼線における、パーライト中のセメンタイトの平均長さとした。ここで、セメンタイトの長さは長径方向とした。
そして、この160箇所のセメンタイトのうち、長さが0.5μm以下であるセメンタイトの個数の割合を、伸線加工用鋼線における、パーライト中のセメンタイトのうち、長さが0.5μm以下のセメンタイトの個数の割合とした。
製造した伸線加工用鋼線を評価するために、伸線加工用鋼線を用いて最終湿式伸線加工を行って、伸線加工後の鋼線、すなわち極細鋼線を製造した。
まず、パテンティング処理を行った後の伸線加工用鋼線に対して、引き続き通常の方法でブラスめっきを行った。
次に、各ダイスでの減面率が平均で20%となるパススケジュールで、直径φ0.20mmまで、湿式伸線加工を行った。
そして、この湿式伸線加工、すなわち最終伸線加工工程において、伸線加工性を評価し、その結果を表3−2に示した。具体的には、最終伸線加工を、伸線加工用鋼線毎に重量50kg分について行い、その際の断線回数を記録した。また、断線回数が3回に達した場合、直径φ0.20mmまでの湿式伸線加工を中止した。
なお、直径φ1.6mmの伸線加工用鋼線を、直径φ0.20mmまで、重量50kgで湿式伸線加工した際の断線回数が、1回以内の場合は、「伸線加工性が良好」と評価した。一方、湿式伸線加工時に、断線回数が2回以上の場合には、「伸線加工性が不良」と評価した。
さらに、最終伸線加工後の鋼線の強度と捻回特性とを、次の方法にて測定した。すなわち、直径φ0.20mmまで、湿式の伸線加工ができた鋼線について、それぞれ通常の引張試験と捻回試験とを行った。
なお、捻回試験は線径、すなわち直径の100倍の長さの部分を、15rpmで断線するまで捻り、デラミネーションが生じたかどうかを、トルク曲線で判定した。そして、この試験を各10本ずつ行い、断線しなくても、一旦トルクが減少した場合には、1本でも「デラミネーションが生じた」と判断した。その結果を表3−2に示す。
なお、本発明の伸線加工用鋼線を素材とし、湿式伸線加工を行った鋼線の目標性能は、直径φ1.6mmの伸線加工用鋼線を直径φ0.20mmまで重量50kgを湿式伸線加工した際の断線回数が1回以下であること、湿式伸線加工後の引張強さが4200MPa以上、好ましくは4350MPa以上、より好ましくは4450MPa以上であること、及び捻回試験を10本行って、デラミネーションが1回も発生しないことである。
最終伸線加工後の極細鋼線の目標性能のうち、引張強さが4200MPa以上となった場合を「目標性能が十分」と判断し、4200MPa以上を満たさない場合を「目標性能が不十分」と判断した。
また、最終伸線加工後の極細鋼線の目標性能のうち、捻回試験においてデラミネーションが1回も発生しない場合を「捻回特性が良好」とし、デラミネーションが1回でも発生した場合を「捻回特性が不良」と判断した。
表3−1及び表3−2から、本発明で規定する条件から外れた試験番号11〜13、21〜23、27、28、32及び38では、最終伸線加工時、すなわち、最終の湿式伸線加工において、3回以上断線が発生したため、最終伸線加工を中止した。
また、本発明で規定する条件から外れた試験番号1、7、17、24及び25では、最終伸線加工が出来たものの、最終伸線加工後の引張強さが4200MPaに達していなかった。
また、本発明で規定する条件から外れた試験番号3、4、8〜10、14、18〜20、29、33、35及び37では、最終伸線加工が出来、また、最終伸線加工後の引張強さが4200MPaに達していたものの、捻回試験におけるデラミネーションが1度以上発生していた。
それに対し、本発明で規定する条件をすべて満たす試験番号は、最終伸線加工時、すなわち、最終の湿式伸線加工において、1度以下しか断線が発生せず、最終伸線加工後の引張強さが4200MPa以上を達成しており、また捻回試験におけるデラミネーションが1度も発生していなかった。
以上、本発明の好ましい実施形態および実施例について説明したが、これらの実施形態、実施例は、あくまで本発明の要旨の範囲内の一つの例に過ぎず、本発明の要旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。すなわち、本発明は、前述した説明によって限定されることはなく、請求の範囲の記載によってのみ限定され、その範囲内で適宜変更可能であることはもちろんである。
本発明によれば、スチールコード用やソーイングワイヤ用等として好適な、高強度で、かつ捻回特性にも優れた細径の高強度鋼線の、素材として用いられる伸線加工用鋼線を得ることができ、また、高い生産性の下で、安定して伸線加工用鋼線を製造することも可能になり、産業上の貢献が極めて顕著である。

Claims (2)

  1. 化学成分として、質量%で、
    C:0.9%〜1.2%、
    Si:0.1%〜1.0%、
    Mn:0.2%〜1.0%、
    Cr:0.2%〜0.6%
    を含有し、
    Al:0.002%以下、
    N:0.007%以下、
    P:0.02%以下、
    S:0.01%以下
    に制限し、
    Mo:0%〜0.20%、
    B:0%〜0.0030%
    からなる群より選択される1種以上を含有し、
    残部がFe及び不純物であり;
    組織はパーライトを含み、前記パーライトの体積率が95%以上であり;
    前記パーライトの平均ラメラ間隔が50nm〜75nmであり;
    前記パーライト中のセメンタイトの平均長さが2.0μm〜5.0μmであり;
    前記パーライト中の前記セメンタイトのうち、長さが0.5μm以下のセメンタイトの個数の割合が20%以下である
    ことを特徴とする伸線加工用鋼線。
  2. 前記化学成分として、質量%で、
    Mo:0.02%〜0.20%、
    B:0.0005%〜0.0030%
    からなる群より選択される1種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の伸線加工用鋼線。
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