JP4980172B2 - 強度延性バランスに優れた高強度極細鋼線の製造方法 - Google Patents

強度延性バランスに優れた高強度極細鋼線の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、自動車用タイヤのスチールコード等に使用される高強度鋼線に関し、詳しくは、ダイスを用いてパーライト組織を有する線材を冷間で伸線加工して強化した線径0.04〜0.4mm、引張強さ4000MPa級以上の高強度極細鋼線の製造方法に関するものである。
自動車用タイヤのスチールコード等に用いられる高強度極細鋼線は、タイヤの耐久性向上や軽量化の要求から、高張力化に対するニーズが益々高まっている。
一般に、スチールコード等の高強度極細鋼線は、炭素鋼を900℃以上に加熱してオーステナイト化した後、450〜650℃にてパテンティング処理をしてパーライト変態させ、その後、ダイス等を用いて冷間で伸線加工を行うことによって、高強度化した線径0.04〜0.4mmの極細鋼線とすることで製造される。
前記パテンティング処理を施した後の炭素鋼(以下、パテンティング材ともいう)の組織は、一つの粒界内に板状結晶のセメンタイト(Fe3C)(以下、ラメラセメンタイトという)と、板状結晶のフェライト(以下、ラメラフェライトという)が交互に層状に配置された微細パーライト組織となる。
このパテンティング材を伸線加工すると、鋼中のパーライト組織におけるパーライトラメラ間隔(ラメラフェライトを介して隣接するラメラセメンタイト同士の中心間距離を、パーライトラメラ間隔という。以下同様。)が小さくなり、また、ラメラフェライト中に多量の転位が導入されることで、微細化強化と加工強化等により、その引張強さが増大する。
スチールコード等の高強度極細鋼線は、さらに、二次加工処理により、数本から数十本撚り合わせて使用されることが多いため、極細鋼線の特性として、上記引張強さに加えて、このような二次加工処理において断線や割れ等の欠陥が発生しないだけの高い延性が要求される。
この二次加工処理で要求される極細鋼線の延性の評価指標として、例えば、引張試験による絞り値、ねじり試験による捻回数、デラミネーション(試験中に鋼線の長手方向に生ずる割れ)発生の有無等が挙げられる。また、極細鋼線の引張強さと延性の両方の特性を表す評価指標として、一般に、引張強さTSと絞り値φの積として定義される強度延性バランス(TS×φ)が用いられている。
従来、鋼素材の成分組成、パテンティング処理による組織、又は、伸線加工における歪量によって極細鋼線の引張強さを向上させることが一般に行われているが、引張強さの増加に伴って延性低下が著しくなるため、引張強さが高くなると共に、引張強さと延性の両者を満足することは難しくなる。
特に、引張強さが4000MPa以上の高強度極細鋼線を製造する場合において、延性の低下が著しく、従来に比べて強度延性バランスに優れた極細鋼線を製造することが極めて困難であった。
このような背景を踏まえて、従来から、極細鋼線の高強度化と共に延性の向上を図ることを目的とした技術が、多数提案されている。
例えば、高強度化における延性低下を抑制するために、C、Si、Mn、Cr等の化学成分を規定した高強度で高延性の極細高炭素鋼線材が提案されている(例えば、特許文献1、2、参照)。しかし、これらの極細鋼線の引張強さは、最大でも3500〜3600MPaであり、極細鋼線のさらなる高強度化は困難であった。
また、鋼素材の化学成分組成を規定すると共に非金属介在物組織を制限し、かつ、パテンティング処理における初析セメンタイトの面積分率を10%以下に制限し、鋼素材を伸線加工する際の破断の抑制、さらには、撚り線加工(2次加工処理)する際の割れ発生を減少する、高強度高靭・延性鋼線材が提案されている(例えば、特許文献3、参照)。
さらには、鋼素材の化学成分組成と伸線加工における最終ダイスでの減面率を2〜8%に制御すること(スキンパス工程)により、高強度高靭性極細鋼線を製造する製造方法が提案されている(例えば、特許文献4、参照)。
また、鋼材を伸線加工した後のパーライト組織におけるラメラフェライト中の炭素濃度を1.5原子%以下とすることによって、引張強さ4200MPa以上で、破断までの捻り回転が22回以上の延性を有する高強度極細鋼線が提案されている(例えば、特許文献5、参照)。
この方法では、フェライト中の炭素濃度を低下させるために、パテンティング処理温度、伸線加工におけるダイスのアプローチ角度、ベアリング長さ及び材質、伸線時の伸線材の温度、潤滑剤を調整し、さらに、伸線後に、200〜250℃で加熱する。
この方法によれば、伸線加工条件により、加工発熱による伸線材の温度上昇を抑制することで、伸線時のセメンタイト分解を抑えることは可能であるが、伸線加工の効率を低下させ、製造コストを増加させるので、好ましくない。
また、この方法によれば、伸線後に、200〜250℃加熱処理を行うが、時効時間等のフェライト中の固溶炭素の拡散に関する具体的な条件が開示されてないため、引張強さを維持しつつ延性を向上させ、十分な強度延性バランスを向上させる効果を得ることが難しい。
本発明者らの確認試験の結果によれば、上記加熱処理温度を満足した条件でも、時効時間が適正でない場合には、十分な強度延性バランスの向上効果は得られず、特に、時効時間が長い場合には、強度の低下が大きく、また、延性も低下し、強度延性バランスが低下することを確認している。
以上のように、従来技術では、いずれも、4000MPa以上の引張強さを維持しつつ、引張強さTSと絞り値φの積が1.6×105MPa%以上を満足する十分な延性を有する強度延性バランスに優れた極細鋼線を安定して得ることは難しかった。
特開昭60−204865号公報 特開昭63−24046号公報 特開平6−145895号公報 特開平7−113119号公報 特開平11−199980号公報
本発明は、以上の従来技術の現状に鑑みて、引張強さTSが4000MPa以上の高強度を維持しつつ、引張強さTSと絞り値φの積が1.6×105MPa%以上を満足する十分な延性を有する、強度延性バランスに優れた高強度極細鋼線を提供することを目的とする。
本発明は、上記の新知見に基づきなされたものであり、その要旨とするところは、以下のとおりである。
(1) 質量%で、C:0.7〜1.1%、Si:0.05〜2.0%、Mn:0.2〜2.0%、残部はFeおよび不可避的不純物からなる鋼材をパテンティング処理し、最終仕上げにスキンパス工程を含む伸線加工を施すことにより、引張強さが4000MPa以上の微細パーライト組織からなる高強度極細鋼線とし、その後、さらに、130〜300℃の時効処理温度Tで、かつ、下記(1)式で定義される炭素原子の拡散長Lが400〜2000nmの範囲内になるような時効処理時間tで、時効処理を施すことを特徴とする強度延性バランスに優れた高強度極細鋼線の製造方法。
Figure 0004980172
但し、L:フェライト鉄中の炭素原子の拡散長、D:拡散係数、t:時効処理時間(s)、T:時効処理温度(℃)
(2) 前記時効処理を、180〜250℃の時効処理温度Tで、かつ、前記炭素拡散長Lが800〜1400nmの範囲内になるような時効処理時間tで行うことを特徴とする前記(1)に記載の強度延性バランスに優れた高強度極細鋼線の製造方法。
(3) 前記鋼材中に、さらに、質量%で、Cr:0.05〜2.0%、Ni:0.1〜1.0%、V:0.01〜0.5%、及び、Nb:0.001〜0.1%の内の1種又は2種以上を含有することを特徴とする、前記(1)又は(2)に記載の強度延性バランスに優れた高強度極細鋼線の製造方法。
(4) 前記鋼材中に、さらに、質量%で、B:0.002〜0.02%を含有することを特徴とする、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の強度延性バランスに優れた高強度極細鋼線の製造方法。
本発明によれば、引張強さTSが4000MPa以上の高強度を維持しつつ、引張強さTSと絞り値φの積が1.6×105MPa%以上を満足する十分な延性を有する、強度延性バランスに優れた高強度極細鋼線を製造することが可能となる。したがって、本発明の適用により、自動車タイヤ用を始めとする十分な延性を有する高強度鋼線の製造が可能となり、これにより、タイヤの軽量化が可能となり、産業上に与える貢献は非常に多大である。
本発明の詳細について、以下に説明する。
本発明者らは、メスバウア法やアトムプローブ法等を用いた解析手法によって、高強度極細鋼線の製造条件と極細鋼線の元素分析との関係を調査した。その結果、特に、パテンティング処理した鋼材の強伸線加工による鋼中の炭素原子の存在状態の変化が、高強度極細鋼線の延性劣化の大きな要因であることを確認した。
パテンティング処理したパーライト組織の鋼材を伸線加工すると、パーライト組織中に多量の加工歪みが導入され、パーライト組織中のラメラセメンタイト(Fe3C)が微細化するとともに、フェライト中へ多量の欠陥が導入される。さらに、加工発熱によって、パーライト組織を構成するラメラセメンタイトの一部が分解して炭素原子となり、この炭素が、ラメラフェライト中に拡散し、高過飽和に固溶する現象が生じる。
伸線加工による加工歪みの導入と、ラメラフェライト中への炭素の固溶は、極細鋼線の引張強さを向上させる一方で、極細鋼線の延性を、逆に、低下させる原因となる。
本発明者らは、伸線加工後の極細鋼線に対して、さらに、時効処理を施すことにより、鋼中炭素の固溶状態や析出状態を制御し、極細鋼線の引張強さと絞り値に代表される延性の両方を向上させる方法について検討した。
そのために、3次元アトムプローブ法を用いて、時効処理条件のみを変化させた極細鋼線のパーライト組織中のラメラフェライトとラメラセメンタイトの各領域での炭素濃度を測定するとともに、この極細鋼線の引張強さと絞り値の測定結果から、極細鋼線の引張強さと延性の両方を向上させるための最適条件を鋭意検討した。
時効処理条件と鋼中炭素の固溶状態又は析出状態、引張強さ及び延性との関係を、図1の概念図を用いて説明する。
図の横軸は時効の程度を示し、時効処理温度が一定の場合には、時効処理時間に対応し、時効処理時間が一定の場合には、時効処理温度に対応する。
以下に、図1について、炭素存在状態(固溶状態又は析出状態)と引張強さ及び延性の関係から、時効の程度を大きく4段階に大別して説明する。
第I段階:時効の程度が小さい場合には、伸線加工直後の極細鋼線中に残存するラメラセメンタイトの一部が分解するため、伸線加工直後の極細鋼線に比べて、引張強さは高くなり、逆に、延性は低くなる。
第II段階:第I段階よりもさらに時効の程度が高くなると、伸線加工直後の極細鋼線中に残存するラメラセメンタイトの分解量がさらに増加し、ラメラフェライト中の固溶炭素濃度が、さらに増加する。この結果、ラメラフェライト中の固溶炭素濃度が最大となる時効処理条件(第II段階領域)で、引張強さは最大となり、逆に、延性は最小となる。
第III段階:第II段階よりも時効の程度が高くなると、ラメラフェライト中の固溶炭素がフェライトの外にはきだされ、炭素は、ラメラフェライト界面に濃化する。この結果、ラメラフェライト中の固溶炭素濃度の低下に起因して、第II段階に比べて、引張強さは低下し、逆に、延性は向上する。
ただし、この時効処理条件(第III段階領域)では、伸線加工直後の極細鋼線中の加工歪の一部は、未だ残存した状態にあり、強度向上に寄与しているため、後述の第IV段階に比べて、引張強さの低下は抑制される。その結果、伸線加工直後の引張強さを維持しつつ、強度延性バランスが最も向上する領域が現れる。
第IV段階:第III段階よりもさらに時効の程度が高くなると、ラメラフェライトから外にはきだされる炭素量が多くなると共に、第III段階領域では残存していた加工歪に起因する欠陥も消滅(回復)する。この結果、ラメラフェライト中の固溶炭素の低下と欠陥の消滅(回復)により、引張強さが大きく低下する。
また、ラメラフェライトから外にはきだされ、その界面に濃化した炭素は集合し、球状セメンタイトを形成することによって延性も低下するため、極細鋼線の強度延性バランスは低下する。
以上の時効処理条件と鋼中炭素の存在状態(固溶又は析出)、引張強さ及び延性との関係から、時効条件を最適化(図1の第III段階領域)することにより、伸線加工直後の引張強さを維持しつつ、極細鋼線の強度延性バランスを向上することができる。
本発明は、これらの新知見を基になされたものであり、伸線加工後の極細鋼線に適切な時効処理を施すことによって、極細鋼線中の炭素存在状態(固溶又は析出)を適切に制御し、伸線加工直後の引張強さを維持しつつ、強度延性バランスを向上することを発明の技術思想とするものである。
以下に、本発明の技術思想を実現するための具体的な方法及び条件の限定理由について説明する。
本発明は、鋼材をパテンティング処理し、伸線加工することにより、引張強さが4000MPa以上の微細パーライト組織からなる高強度極細鋼線とした後、さらに、時効処理を施こすことを前提とし、以下に説明するように、鋼材及び時効処理条件を最適範囲に規定することを課題解決手段の特徴とする。
(時効処理条件)
本発明の目的とする上記炭素存在状態を得るための最適時効処理条件は、鋼材成分やパテンティング処理及び伸線加工履歴によって異なるので、単純に、時効処理温度と時効処理時間だけで決めることはできない。
そこで、本発明においては、伸線後の高強度極細鋼線を時効処理する際に、下記(1)の理論式から求められる炭素原子の拡散長Lを、時効の程度を表す指標として用い、この炭素原子の拡散長Lにより、時効処理温度T(℃)及び時効処理時間t(s)を規定する。
Figure 0004980172
但し、L:フェライト鉄中の炭素原子の拡散長、D:拡散係数、t:時効処理時間(s)、T:時効処理温度(℃)
なお、上記(1)式は、フェライト鉄中の炭素原子の拡散長Lを示す理論式であり、拡散係数Dの温度依存性を示すアレニウス式(D=D0exp(−Q/RT))に従って、拡散活性化エネルギーQ(=19.2kcal/mol)、振動数等に関係する項D0(=0.004cm2/s)、気体定数R(=8.314J/mol/K)から求められる(鉄鋼便覧第3版、P352、参照)。
上記(1)式で定義される炭素原子の拡散長Lは、図1の横軸に示す時効の程度に相当し、この値によって、時効処理温度又は時効処理時間が異なる場合でも、時効の程度を評価することが可能となる。
図2に、鋼材をパテンティング処理し、最終仕上げにスキンパス工程を含む伸線加工を施すことにより、引張強さが4000MPa以上の伸線パーライト組織からなる高強度極細鋼線を用いて時効処理した場合における、時効処理温度及び炭素原子の拡散長Lと強度延性バランスとの関係を示す。
ここで、強度延性バランスとは、引張強さTSと絞り値φの積(TS×φ)として定義され、この値が高くなるほど、強度延性バランスが良好であり、高強度極細鋼線の強度を維持しつつ、二次加工(絞り、捻り加工等)時の断線発生を抑制することができる。
図2から、時効処理温度Tが130〜300℃(図中実線)の範囲にあり、かつ、炭素原子の拡散長Lが400〜2000nmの範囲にある時効処理条件において、引張強さTSと絞り値φの積(TS×φ)が1.6×105MPa%以上の優れた強度延性バランスが得られていることが判る。
また、特に、時効処理温度Tが180〜250℃(図中破線)の範囲にあり、かつ、炭素原子の拡散長Lが800〜1400nmの範囲にある時効処理条件で、強度延性バランスは、引張強さTSと絞り値φの積(TS×φ)が1.8×105MPa%以上と、さらに向上している。
一方で、鋼材をパテンティング処理し、最終仕上げにスキンパス工程を含まない伸線加工を施すことにより、引張強さが4000MPa以上の伸線パーライト組織からなる高強度極細鋼線を用いて同様の時効処理を施しても、上記のような優れた強度延性バランスは得られなかった。
これは、伸線加工の最終仕上げのスキンパス工程には、表面の残留引張り応力を緩和したり、炭素に固着した転位をはずす等によって、表面と内部の硬度を均一化する等の効果があることが知られており、これにより、深さ方向の均一性が増し、上記の最適な炭素存在状態が実現するためと考えられる。
以上の知見を基に、本発明では、鋼材をパテンティング処理し、最終仕上げにスキンパス工程を含む伸線加工を施すことにより得られた引張強さが4000MPa以上の伸線パーライト組織からなる高強度極細鋼線を時効処理する際の時効処理条件を、130℃〜300℃の時効処理温度Tで、かつ、上記(1)式で定義される炭素原子の拡散長Lが400〜2000nmの範囲内になるような時効処理時間tとし、より好ましくは、180℃〜250℃の時効処理温度Tで、かつ、上記(1)式で定義される炭素原子の拡散長Lが800〜1400nmの範囲内になるような時効処理時間tとする。
本発明で規定する上記時効処理条件(図1に示す第III段階領域に相当する)において、炭素原子等の侵入型原子の拡散を促進させつつ、FeやMn等の置換型原子の拡散は抑制される。
これによって、パーライト組織を構成するラメラフェライト中の過飽和固溶炭素を排出させ、延性に有害な球状セメンタイトの生成を抑制しつつ、フェライト界面に炭素を偏析させると共に、伸線加工時の加工歪により形成された強度に寄与する転位等の欠陥を維持することができ、4000MPa以上の引張強さを維持しつつ、強度延性バランスを向上することが可能となる。
これらの効果は、130〜300℃の時効処理温度Tで、かつ、上記(1)式で定義される炭素原子の拡散長Lが400〜2000nmの範囲内になるような時効処理時間tで得られるものであり、これらの条件を外れた場合には、本発明の効果は得られない。
時効処理温度Tが130℃より低い場合には、ラメラフェライト中に固溶する炭素原子の拡散が極端に遅くなるため、上記(1)式で定義される炭素原子の拡散長Lが400〜2000nmの範囲内を満足するための時効処理時間tは長くなり、生産性を低下させることにもなるので、好ましくない。
一方、時効処理温度Tが300℃よりも高くなると、フェライト界面に、延性に有害な球状セメンタイトが生じ易くなり、強度延性バランスを低下させるので、好ましくない。
また、時効処理温度Tが130〜300℃の範囲を満足していても、上記(1)式で定義される炭素原子の拡散長Lが400nmより短くなるような時効処理時間tの場合には、ラメラフェライト中に固溶する炭素原子の拡散が不十分となり、ラメラフェライト中の固溶炭素濃度の低下による延性向上効果が十分に得られず、強度延性バランスを十分に向上することができなくなる。
また、時効処理温度Tが130〜300℃の範囲を満足していても、上記(1)式で定義される炭素原子の拡散長Lが2000nmよりも長くなるような時効処理時間tの場合には、ラメラフェライト界面に偏析した炭素が、さらに、球状セメンタイトとなって、延性を劣化させ、その結果、強度延性バランスが低下することになるので、好ましくない。
(鋼材成分)
本発明では、鋼材をパテンティング処理し、伸線加工することにより、引張強さ4000MPa以上の微細パーライト組織からなる高強度極細鋼線とし、さらに、上記時効処理により、4000MPa以上の引張強さを維持しつつ、引張強さTSと絞り値φの積(TS×φ)が1.6×105MPa%以上の優れた強度延性バランスを有する高強度極細鋼線を安定して得るために、鋼材の成分組成を以下のように限定する。
なお、以下に示す「%」は、特に説明がない限り、「質量%」を意味するものとする。
C:Cは、パテンティング処理後の引張強さを増加する効果、及び、伸線加工硬化率を高める効果があるので、鋼材中に、Cを0.7%以上含有させることにより、本発明で目的とする引張強さの鋼線を実現することが可能となる。
一方、鋼材中のC含有量が1.1%を超えると、パテンティング処理時に、初析セメンタイトがオーステナイト粒界に析出して、伸線加工性が劣化し、伸線加工中の断線の原因になるので、好ましくない。この理由で、本発明では、鋼材中のC含有量を0.7〜1.1%の範囲に限定した。
Si:Siは、パーライト中のフェライト強化と、鋼の脱酸のために有効な元素であり、これらの効果を十分に発揮させるためには、鋼材中に0.05%以上含有させる必要がある。
一方、鋼材中のSi含有量が2.0%を超えると、伸線加工性に対して有害な硬質のSiO2系介在物が発生し易くなるので、好ましくない。この理由で、本発明では、鋼材中のSi含有量を0.05〜2.0%の範囲に限定した。
Mn:Mnは、鋼の脱酸、脱硫のために必要であるばかりでなく、鋼の焼入性を向上させ、パテンティング処理後の引張強さを高めるために有効な元素である。これらの効果を十分に発揮させるためには、鋼材中のMn含有量を0.2%以上とする必要がある。
一方、鋼材中のMn含有量が2.0%を超えると、上記の効果が飽和し、さらに、パテンティング処理時のパーライト変態を完了するまでの処理時間が長くなり過ぎて、生産性が低下するので、好ましくない。この理由で、本発明では、鋼材中のMn含有量を0.2〜2.0%の範囲に限定した。
本発明では、以上の成分組成に加え、以下の理由によって、Cr、Ni、V、及び、Nbの内の1種又は2種以上を、以下の範囲で、さらに鋼材中に含有させてもよい。
Cr:Crは、パーライトラメラ間隔を微細化し、パテンティング処理後の引張強さを高めると共に、特に、伸線加工硬化率を向上させる元素である。これらの効果を十分に発揮させるためには、鋼材中のCr含有量を0.05%以上とする必要がある。
一方、鋼材中のCr含有量が2.0%を超えると、パテンティング処理時のパーライト変態終了時間が長くなり、生産性が低下するので、好ましくない。
この理由で、本発明では、鋼材中にCrを含有する場合には、Cr含有量を0.05〜2.0%の範囲に限定するのが好ましい。
Ni:Niは、パテンティング処理時に、変態生成するパーライトを伸線加工性の良好なものにする作用を有する元素である。この効果を十分に発揮させるためには、鋼材中のNi含有量を0.1%以上とする必要がある。
一方、鋼材中のNi含有量が1.0%を超えると、上記効果は殆ど飽和し、これ以上のNi含有は、製造コストを高める原因となり、好ましくない。この理由で、本発明では、鋼材中にNiを含有する場合には、Ni含有量を0.1〜1.0%の範囲に限定するのが好ましい。
V:Vは、パーライトラメラ間隔を微細化し、パテンティング処理時の引張強さを高める効果がある。この効果を十分に発揮させるためには、鋼材中のV含有量を0.01%以上とする必要がある。
一方、鋼材中のV含有量が0.5%を超えると、上記効果が飽和し、これ以上のV含有は、製造コストを高める原因となり、好ましくない。この理由で、本発明では、鋼材中にVを含有する場合には、V含有量を0.01〜0.5%の範囲に制限するのが好ましい。
Nb:Nbは、Vと同様、パーライトラメラ間隔を微細化し、パテンティング処理時の引張強さを高める効果がある。この効果を十分に発揮させるためには、鋼材中のV含有量を0.001%以上とする必要がある。
一方、鋼材中のNb含有量が0.1%を超えると、上記効果が飽和し、これ以上のNb含有は、製造コストを高める原因となり、好ましくない。この理由で、本発明では、鋼材中にNbを含有する場合には、Nb含有量を0.001〜0.1%の範囲に制限するのが好ましい。
B:Bは、NをBNとして固定し、Nによる時効劣化を防止する作用効果がある。この効果を十分に発揮させるためには、鋼材中のBを0.002%以上とする必要がある。一方、鋼材中にBを0.02%を超えて添加しても、上記効果が飽和し、これ以上のB含有は、製造コストを高める原因となり、好ましくない。この理由で、本発明では、鋼材中にBを含有する場合には、B含有量を0.002〜0.02%の範囲に制限するのが好ましい。
本発明では、その他の元素は、本発明の目的とする4000MPa以上の引張強さを維持しつつ、引張強さTSと絞り値φの積が1.6×105MPa%以上を満足する十分な延性を有する強度延性バランスに優れた極細鋼線を安定して製造する上で、特に限定する必要はない。しかし、作用効果が周知である成分元素を、本発明の効果を阻害しない範囲において、同じ目的又はその他の目的で添加することは許容できる。
なお、本発明において、P、S、Nは、鋼材中の不純物として含有される元素であり、通常の製鋼処理で、不純物量として鋼材中に含有する範囲では、特に問題にならない。鋼材の延性の点から、P:0.015%以下、S:0.015%以下、N:0.005%以下に制限するのが好ましい。
また、Alは、SiやMn等のように鋼材の脱酸元素として添加してもよいが、その含有量が0.005%を超えると、鋼中の介在物の中で最も硬質なAl23系介在物が生成し易くなり、伸線加工又は撚り線加工の際の断線原因となるので、好ましくない。このため、Alを添加する場合には、Al含有量を0.005%以下とすることが好ましい。
次に、上記極細鋼線を製造するための好ましい実施形態について説明する。
本発明の高強度極細鋼線は、上記したような、所定の成分を有する所定の線径の熱間圧延鋼材を用いてパテンティング処理を行った後、パーライト組織からなる伸線用パテンティング材とし、その後、さらに、ダイス等を用いて、冷間で所定の減面率で伸線加工することによって、最終線径を0.04〜0.4mmとした極細鋼線である。
パテンティング処理における条件は、特に限定されるものではないが、一旦、鋼材を900℃以上に加熱してオーステナイト化した後、500〜600℃の温度域に冷却し、パーライト変態させるのが好ましい。
伸線加工中に、中間パテンティング、最終パテンティング、また、めっき処理を必要に応じて施してもよい。伸線加工時の減面率は、パテンティング材の線径と極細鋼の最終線径に応じて、強度向上に必要な伸線歪量が鋼中に導入されるように調整される。
本発明では、パテンティング材を伸線加工することによって、引張強さ4000MPa以上の高強度極細鋼線を製造するためには、伸線歪量は真歪で4以上必要となるように減面率を調整することが好ましい。但し、最終段には減面率の小さなスキンパス工程を入れることが好ましい。
伸線加工の最終仕上げに施すスキンパスは、最終仕上げダイスの減面率を、通常伸線加工時より小さくし、2〜8%とすることが好ましい。この工程は、少なくとも1回は必要であり、2回以上4回以下行ってもよい。最終ダイスの減面率が8%超では、効果が発現しない。また、2%未満では、効果が飽和するため、効果的でない。
本発明は、これらの鋼材のパテンティング処理、伸線加工を行うことにより、引張強さが4000MPa以上の微細パーライト組織からなる高強度極細鋼線を製造し、その後、さらに、上述したような、本発明で規定した条件で時効処理を施すことにより製造した、引張強さTSが4000MPa以上の高強度を維持しつつ、引張強さTSと絞り値φの積が1.6×105MPa%以上を満足する十分な延性を有する“強度延性バランスに優れた高強度極細鋼線”である。
なお、時効処理の方法は、本発明で規定する条件以外は、特に限定する必要はなく、伸線加工後、巻取り機で巻き取った後、熱処理炉を用いて、大気中で、所定時間加熱してもよいし、伸線加工した後、連続で、加熱炉やオイルバスを通過させつつ、所定時間加熱してもよい。
通常の時効処理では、一定温度において熱処理を行う。ただし、本発明で規定する上記(1)式で定義される炭素原子の拡散長Lが400〜2000nmを満足する限り、時効処理工程の途中で温度を変更してもよく、この場合の炭素原子の拡散長Lは、時効処理過程で線材が受けた温度履歴を基に、各温度での拡散長を上記(1)式から求め、それらを積算することによって求めることができる。
以下、実施例により本発明の効果を、さらに、具体的に説明する。
表1に示す化学組成を有する供試材を熱間圧延で作製し、900〜1100℃の加熱温度で加熱し、550〜600℃の温度にてパテンティング処理し、その後、最終仕上げに3%〜8%の減面率のスキンパス含む伸線加工を行い、所望の線径を有する高炭素鋼線を得た。また、比較のため、最終仕上げにスキンパスを含まない伸線加工を行い、所望の線径を有する高炭素鋼線を得た。
さらに、900〜1100℃の加熱温度で加熱した後、550〜600℃の温度にて最終パテンティング処理し、その後、真歪で4〜5の伸線加工を行い、ブラスめっきを表面に施した線径が0.04〜0.40mmの4000MPa以上の引張強さ有する極細鋼線を試作した。
表2に、時効処理条件と時効処理後の引張強さTS、絞り値φを測定した結果を示す。引張強さTS及び絞り値φは、N=4の平均値として示した。強度延性バランスの指標として引張強さTS(MPa)×絞り値φ(%)を計算し、評価基準として使用した。
強度延性バランスが160000(MPa%)未満を不良(表2中、×)、160000(MPa%)以上を良好(表2中、○)、180000(MPa%)以上を極めて良好(表2中、◎)、とした。
Figure 0004980172
表1において、試料A、B、C、D、E、F、G、J、Kは、本発明で規定する化学成分範囲内の鋼材であり、試料H、Iは、本発明で規定する化学成分から外れた鋼材である。また、試料A、B、C、D、E、F、G、H、Iは、伸線加工の最終仕上げにスキンパスを施したものであり、試料J、Kは、スキンパスを施さなかったものである。
Figure 0004980172
表2において、試験No.5、7〜9、11〜14、17、及び、18の発明例は、鋼材化学成分及び時効処理温度Tが、本発明の範囲内にあり、上記(1)式で定義された炭素原子の拡散長Lも、400〜2000nmの本発明の範囲内にあるので、引張強さTSは、4000MPaを維持しつつ、絞り値φが向上し、引張強さTS×絞り値φが1.6×105(MPa%)以上と、好ましい結果を示している。
これらの発明例の中で、炭素原子の拡散長Lが、より好ましい800〜1400nmの範囲にある試験No.12、13においては、引張強さTS×絞り値φが1.8×105(MPa%)以上の高い値を示し、非常に高い強度延性バランスを示している。
これに対して、試験No.1〜4、6、10、15、16、19〜21は、化学成分が本発明の規定範囲内であるが、試験No.1、19は、時効処理温度及び炭素原子の拡散長Lが本発明の規定範囲から外れ、試験No.2〜4、20、21は、時効処理温度が本発明の規定範囲から外れ、試験No.6、10、15、16は、炭素原子の拡散長Lが本発明の規定範囲から外れているため、No.19を除き、いずれも、引張強さTSは、4000MPaを維持できたが、絞り値φが低下し、引張強さTS×絞り値φが1.6×105(MPa%)未満となり、低い結果を示している。
また、試験No.22〜24は、いずれも、鋼材の化学成分が本発明の範囲から外れているため、時効処理条件(時効処理温度T、炭素原子の拡散長L)は、本発明の範囲内にあるものの、引張強さTS×絞り値φは、いずれも、1.6×105(MPa%)に至らず、強度延性バランスの低下を示している。
さらに、試験試験No.25〜27は伸線加工の最終仕上げにスキンパスを行っておらず、本発明にある時効処理条件であっても、強度延性バランスの低下を示している。
引張強さTS(実線)と延性(破線)と時効の程度(時効処理時間t、時効処理温度T)の関係を、概念的に示す図である。 炭素拡散長Lと強度延性バランス(TS×φ)の関係を示す図である。

Claims (4)

  1. 質量%で、C:0.7〜1.1%、Si:0.05〜2.0%、Mn:0.2〜2.0%、残部Fe及び不可避的不純物からなる鋼材をパテンティング処理し、最終仕上げにスキンパス工程を含む伸線加工を施すことにより、引張強さが4000MPa以上の伸線パーライト組織からなる高強度極細鋼線とし、その後、さらに、130〜300℃の時効処理温度Tで、かつ、下記(1)式で定義される炭素原子の拡散長Lが400〜2000nmの範囲内になるような時効処理時間tで、時効処理を施すことを特徴とする強度延性バランスに優れた高強度極細鋼線の製造方法。
    Figure 0004980172
    但し、L:フェライト鉄中の炭素原子の拡散長、D:拡散係数、t:時効処理時間(s)、T:時効処理温度(℃)
  2. 前記時効処理を、180〜250℃の時効処理温度Tで、かつ、前記炭素拡散長Lが800〜1400nmの範囲内になるような時効処理時間tで行うことを特徴とする請求項1に記載の強度延性バランスに優れた高強度極細鋼線の製造方法。
  3. 前記鋼材中に、さらに、質量%で、Cr:0.05〜2.0%、Ni:0.1〜1.0%、V:0.01〜0.5%、及び、Nb:0.001〜0.1%の内の1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の強度延性バランスに優れた高強度極細鋼線の製造方法。
  4. 前記鋼材中に、さらに、質量%で、B:0.002〜0.02%を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の強度延性バランスに優れた高強度極細鋼線の製造方法。
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