JP6682863B2 - 高炭素鋼線材および高炭素鋼線 - Google Patents
高炭素鋼線材および高炭素鋼線 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6682863B2 JP6682863B2 JP2016004534A JP2016004534A JP6682863B2 JP 6682863 B2 JP6682863 B2 JP 6682863B2 JP 2016004534 A JP2016004534 A JP 2016004534A JP 2016004534 A JP2016004534 A JP 2016004534A JP 6682863 B2 JP6682863 B2 JP 6682863B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wire
- surface layer
- steel wire
- center
- balance
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)
Description
また特許文献2では、伸線後に450〜650℃の高温ブルーイングを施すことで鋼線の表層硬さを低下させ、水素脆化感受性を低下させることが提案されているが、この技術では、ブルーイング処理が追加されるためコストがかさむ。
(1)長手方向に垂直な断面内の中心から半径の60%以下の中心部は、質量%で、C:0.7〜1.2%、Si:0.2〜1.3%、Mn:0.1〜1.0%、N:0.001〜0.006%、Al:0.005〜0.1%を含有し、残部はFe及び不可避不純物からなり、
かつ中心から半径の90%以上の表層部は、C:0.7〜1.2%、Si:1.5%〜3.0%、Mn:0.1〜1.0%、N:0.001〜0.006%、Al:0.005〜0.1%を含有し、残部はFe及び不可避不純物からなり、
さらに中心から半径の60%超〜90%未満の中間部は、質量%で、C:0.7〜1.2%、Mn:0.1〜1.0%、N:0.001〜0.006%、Al:0.005〜0.1%を含有し、かつSiを、前記中心部または前記表層部のSi量と同じか、または前記中心部と前記表層部の中間のSi量で含有し、残部はFe及び不可避不純物からなり、
前記中心部の鋼組織は、初析フェライト、擬似パーライトもしくはベイナイトからなる非ラメラパーライト面積率が10%未満であり、残部がラメラパーライト組織からなり、かつ前記表層部の鋼組織は、非ラメラパーライト面積率が15%以上であり、残部がラメラパーライト組織であることを特徴とする高炭素鋼線材。
かつ中心から半径の90%以上の表層部は、C:0.7〜1.2%、Si:1.5%〜3.0%、Mn:0.1〜1.0%、N:0.001〜0.006%、Al:0.005〜0.1%を含有し、残部はFe及び不可避不純物からなり、
さらに中心から半径の60%超〜90%未満の中間部は、質量%で、C:0.7〜1.2%、Mn:0.1〜1.0%、N:0.001〜0.006%、Al:0.005〜0.1%を含有し、かつSiを、前記中心部のSi量または前記表層部のSi量と同じか、または前記中心部のSi量と前記表層部のSi量の中間のSi量で含有し、残部はFe及び不可避不純物からなり、
引張り強さが1800MPa以上であり、
前記中心部の鋼組織は、初析フェライト、擬似パーライトもしくはベイナイトからなる非ラメラパーライト面積率が10%未満であり、残部がラメラパーライト組織からなり、
かつ前記表層部の鋼組織は、非ラメラパーライト面積率が15%以上であり、残部がラメラパーライト組織であることを特徴とする高炭素鋼線。
なお、この実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために詳細に説明するものであって、本発明を限定するものではない。
このように、中心部と表層部とでSi量が異なる線材の製造方法としては、例えば鋳造時に異鋼種の複合鋳込みを行う、あるいは鋼管に丸棒を挿入して、焼きばめ、圧入その他の手段で一体化した後に圧延する等の手段を採ることができる。
[C:0.8〜1.2%]
Cは、線材の強度を高めるのに有効な元素である。Cの含有量が0.8%未満の場合には高い強度を安定して最終製品に付与させることが困難であると同時に、オーステナイト粒界に初析フェライトの析出が促進され、均一なパーライト組織を得ることが困難となる。一方、Cの含有量が多すぎるとオーステナイト粒界にネット状の初析セメンタイトが生成して伸線加工時に断線が発生しやすくなるだけでなく、最終伸線後における極細線材の靱性・延性を著しく劣化させる。したがって、Cの含有量を、質量%で0.8〜1.2%の範囲内とした。
Siは、パーライト組織のフェライト相に固溶して強度を高めるため、0.2%以上を添加する。またフェライト生成元素であるため、多量の添加は過共析鋼においても初析フェライト生成を促進する効果がある。更にパーライトの共析温度を上昇させる効果、パーライト変態を遅延させる効果を有するため、パテンティング材において過冷組織であるベイナイトや擬似パーライトを増加させる効果がある。線材中心部においてはフェライト、ベイナイトや擬似パーライトなどの非パーライト組織の生成を抑制し、強度と絞り値(RA値)を確保するために1.3%以下とする。
線材表層部においては、非パーライト分率を上げて耐水素脆化特性を確保するため、1.5%以上とする。一方、過度の添加は、製造コストを増大させるため、3.0%以下に限定する。
線材中心部と線材表層部との間の中間部は、平均のSi量が、中心部のSi量もしくは表層部のSi量と同じ、又はその中間のSi量であれば、中心部におけるSi量を比較的少量に抑えて、伸線加工に供するに十分なレベルのRA値を確保する効果と、表層部のSi量を高くしてパテンティング後の耐水素脆化特性を向上させる効果とを損なうことが回避される。中間部のSi量が、中心部のSi量よりも少なければ、耐水素脆化特性を向上させる効果が損なわれるおそれがあり、一方、中間部のSi量が、中心部のSi量よりも多ければ、伸線加工に供するに十分なレベルのRA値を確保することが困難となるおそれがあり、そこで、中間部におけるSi平均値は、中心部もしくは表層部と同じ、又はその中間とした。なお、中間部におけるSi平均値とは、線材の長手方向に垂直な断面内の中心から半径の60%の位置から90%の位置までの平均のSi量を意味する。したがって例えば、図1中の点線で例示しているように、中心Oから半径rの60%を超え90%未満の位置(図1では約75%の位置)を境界位置Pとする内外2層構造とした場合、その境界位置Pの内側をSi量が0.2〜1.3%の範囲内の内層部位(中心部2を含む部位)5、境界位置Pの外側はSi量が1.5%〜3.0%の外層部位(表層部3を含む部位)6とすれば、中間部4の全体の平均のSi量は、中心部2のSi量と表層部3のSi量との中間の値となる。
Mnは、焼き入れ性を向上させ、線材の強度を高めるのに有効である。更に、Mnは、鋼中のSをMnSとして固定して熱間脆性を防止する作用を有する。その含有量が0.1質量%未満では前記の効果が得難い。一方、Mnは偏析しやすい元素であり、1.0質量%を超えると特に線材の中心部に偏析し、その偏析部にはマルテンサイトやベイナイトが生成するので、伸線加工性が低下する。したがって、Mnの含有量を、質量%で0.1〜1.0%の範囲内とした。
Nは、鋼中でAl、BあるいはTiと窒化物を生成し、加熱時におけるオーステナイト粒の粗大化を防止する作用があり、その効果は0.001%以上含有させることによって有効に発揮される。しかし、0.006%を超えて含有させると、固溶Nは伸線中の時効を促進するため、伸線性を低下させる。また、Bを添加すると共に0.006%を超えるNを含有させると、オーステナイト中の固溶B量を低下させて、初析フェライトの析出抑制作用、初析セメンタイトの析出促進作用を低減させる。さらに従って、Nの含有量を、0.001〜0.006%の範囲内とした。
Alは、Nを固定して時効を抑制する。また、Bを添加した場合には固溶Bを増加させる効果を有する。Al含有量は、0.005〜0.1%の範囲内であることが好ましい。Alの含有量が0.005%未満だと、Nを固定する作用が得られにくくなる。Alの含有量が0.1%を超えると、多量の硬質非変形のアルミナ系非金属介在物が生成し、鋼線の延性、及び伸線性は低下する。
Crはパーライトのラメラ間隔を微細化し、線材の強度を高めると共に伸線加工性も向上させるのに有効な元素である。この様な作用を有効に発揮させるためには0.1%以上を添加する。一方、Cr量が多過ぎると変態終了時間が長くなり、熱間圧延線材中にマルテンサイトやベイナイトなどの過冷組織が生じる恐れがあるほか、メカニカルデスケーリング性も悪くなるので、その上限を0.5%とした。
Vはフェライト中に微細な炭窒化物を形成することにより、加熱時のオーステナイト粒の粗大化を防止して、圧延線材の強度上昇に寄与する。この様な作用を有効に発揮させるには0.05%以上の添加が好ましい。しかし、過剰に添加し過ぎると、炭窒化物の形成量が多くなり過ぎると共に、炭窒化物の粒子径も大きくなるため上限を0.5%とした。
Tiは、TiNとして析出し、オーステナイト粒度の粗大化防止に寄与するとともに、Nを固定することによりオーステナイト中の固溶B量を確保するためにも有効な必要な元素である。このような効果を有効に発揮させるには0.01%以上を添加する。一方、Tiの含有量が0.1%を超えると、オーステナイト中で粗大な炭化物を生じ、伸線性が低下する。従って、Tiの上限値を0.1%とした。
Bは固溶状態でオーステナイト中に存在する場合、粒界に濃化して初析フェライトの析出を抑制するとともに初析セメンタイトの析出を促進する効果があり、圧延線材を高強度化する。Bは、CおよびSi量のバランスに応じて適量を添加することにより、初析フェライトの生成を抑制する。また、Bは窒化物を形成するため、固溶状態のB量を確保するためには、B、C,Siに加えN量とのバランスを考慮することが必要である。固溶Bの効果を得るためには5ppm以上の添加が必要である。一方、Bを添加しすぎると初析セメンタイトの析出を促進するのみならず、オーステナイト中において粗大なFe3(CB)6炭化物を生成し、伸線性を低下させる。したがって、Bの上限値を0.005%とした。
Niは線材の強度上昇にはあまり寄与しないが、伸線材の靭性を高める元素である。この様な、作用を発揮させるには0.1%以上の添加が好ましい。 一方、Niを過剰に添加すると変態終了時間が長くなるので、上限値は0.5%である。
Coは、圧延材における初析セメンタイトの析出を抑制して延性を向上するのに有効な元素である。この様な作用を発揮させるには0.1%以上の添加が好ましい。一方、Coを過剰に添加してもその効果は飽和して、製造コストが上昇する。
Cuは、極細鋼線の耐食性を高める効果がある。耐食性を発揮させるには0.1%以上の添加が好ましい。しかし過剰に添加すると、Sと反応して粒界中にCuSを偏析するため、線材製造過程で鋼塊や線材などに疵を発生させる。この様な悪影響を防止するために、その上限は0.2%である。
Moは、極細鋼線の耐食性を高める効果がある。耐食性を発揮させるには0.1%以上の添加が好ましい。一方、Moを過剰に添加すると変態終了時間が長くなるので、上限値は0.2%である。
Wは、極細鋼線の耐食性を高める効果がある。耐食性を発揮させるには0.1%以上の添加が好ましい。一方、Wを過剰に添加すると変態終了時間が長くなるので、上限値は0.2%である。
Nbは、極細鋼線の耐食性を高める効果がある。この様な作用を有効に発揮させるには0.05%以上の添加が好ましい。一方、Wを過剰に添加すると変態終了時間が長くなるので、上限値は0.1%である。
REMはSの無害化に有効であるが、過度の添加は酸化物を生成せしめて断線の原因となるため、含有量の上限は50ppmである。
本発明の鋼炭素鋼線材においては、Si量分布を含め、線材の成分組成を前述のように調整するばかりでなく、線材の鋼組織、とりわけ表層部と中心部のそれぞれの組織を調整することが好ましい。すなわち、長手方向に垂直な断面内の中心から半径の60%以下の中心部の鋼組織は、初析フェライト、擬似パーライトもしくはベイナイトからなる、非ラメラパーライトの面積率が10%未満であり、残部がラメラパーライト組織からなり、かつ中心から半径の90%以上の表層部の鋼組織は、非ラメラパーライト組織の面積率が15%以上であり、残部がラメラパーライト組織からなることが好ましい。このように表層部と中心部のそれぞれの組織を調整することが好ましい理由は、次の通りである。
本発明で規定する組織および機械的性質を有する線材を得るためには、半径方向Si量分布を含め、前記成分組成を有する高炭素鋼線材をオーステナイト温度域に加熱し、パテンティング処理をすることで得られる。パテンティング処理はオーステナイト温度域に加熱後、衝風冷却するか、もしくは550〜630℃の鉛浴あるいは塩浴に30秒以上浸漬することで得ることが出来る。
なお、本実施形態では、線材の径を4.0~18mmの範囲とすることにより、優れた延性と高強度を安定して得ることができる。
表1の1〜23に示す成分の供試鋼を複合鋳込みにより200×200mm断面の鋳片とし、熱間鍛造・切削によりφ11〜14mmの線材を製造した。これらの棒鋼を850〜950℃に加熱し溶融鉛炉に30秒浸漬するパテンティング処理を実施した。これらの線材を、乾式にて総減面率80%程度で伸線することにより、φ4〜7mmの鋼線を得た。
なお表1において、各成分のうち、Si以外の成分の成分量は、中心部、中間部、表層部とで同じであり、そこで、Si以外の成分については、中心部、中間部、表層部の区別をせず、一括して記載している。
[非パーライト組織分率]
パテンティング処理後、伸線加工前の線材を埋め込み研磨し、飽和ピクリン酸を用いた化学腐食を実施した後、SEM観察によって、線材の長さ方向と垂直な断面(C断面)における、非ラメラパーライト組織率を決定した。線材表層の非ラメラパーライト面積率は、線材の中心を通過する直交する2本の線上の、表層直下4箇所から深さ方向に線材半径の10%深さまでSEM観察により2000倍の倍率で連続的に組織写真を撮影し、画像解析によりその面積率の平均値を測定した。線材中心部の非ラメラパーライト面積率は、同じく線材の中心を通過する直交する2本の線上の、中心と中心から線材半径の20%、40%、60%、80%の距離において、SEM観察により2000倍の倍率で各1枚ずつ、計17枚の組織写真を撮影し、画像解析によりその面積率の平均値を測定した。
パテンティング処理後、伸線加工前の線材について、ゲージ長さを200mmとし、10mm/minの速度で引張試験を行い、引張強さ(以下、TS)と破断絞り値(RA)のn=3の平均値を測定した。また伸線後の鋼線(伸線材)について、同様に引張試験を行い、引張強さ(TS)を測定した。
伸線後の鋼線(伸線材)について、100mm長さを被験部とし、両端をテフロン(登録商標)製のテープで被覆し、50℃の20%チオシアンアンモニウム溶液に浸漬し、引張強さの70%の荷重を負荷するFIP試験を実施し、破断時間を測定した。試験数は各水準でn=5とし、破断時間の平均値を求めた。溶液量は、被験部の表面積当たりの溶液量(比液量)が8〜10mL/cm2となるように調整した。
1〜12に示す本発明鋼線材は、何れもC、Si、Mn、N、Alの含有量が所定の範囲を満たしている。
また、表層部Si濃度が1.5質量%以上であり、かつ表層部から線材半径の10%までの深さの範囲において、非ラメラパーライト組織の面積率が15%以上である。
さらに、何れもTSが1800MPa以上であり、線材の破断絞り値は30%以上となっている。これは、線材中心から半径の10%以内の中心部領域の非ラメラパーライト面積率が10%以下に抑制されているためである。
14〜16に示す比較鋼の線材では、伸線減面率が低かったために伸線後の強度が1800MPa届かなかった例である。
17〜21に示す比較鋼の線材では、表層部の平均Si濃度が1.5質量%に満たないため、表層部の非ラメラパーライト面積率が15%未満であり、水素脆化特性が低い例である。
22に示す比較鋼の線材では、もともとのSiの含有量が1.4%と高く、線材中心部の非ラメラパーライト面積率が10%を超えているため、伸線前の線材段階での破断絞り値が30%未満であり、伸線時に断線が発生した例である。
23に示す比較鋼の線材では、Mnの含有量が所定よりも高かったため、焼入れ性は必要以上に高くなり、パテンティング時にマルテンサイトが発生し、伸線時に断線が発生した例である。
2 中心部
3 表層部
4 中間部
Claims (4)
- 長手方向に垂直な断面内の中心から半径の60%以下の中心部は、質量%で、C:0.7〜1.2%、Si:0.2〜1.3%、Mn:0.1〜1.0%、N:0.001〜0.006%、Al:0.005〜0.1%を含有し、残部はFe及び不可避不純物からなり、
かつ中心から半径の90%以上の表層部は、C:0.7〜1.2%、Si:1.5%〜3.0%、Mn:0.1〜1.0%、N:0.001〜0.006%、Al:0.005〜0.1%を含有し、残部はFe及び不可避不純物からなり、
さらに中心から半径の60%超〜90%未満の中間部は、質量%で、C:0.7〜1.2%、Mn:0.1〜1.0%、N:0.001〜0.006%、Al:0.005〜0.1%を含有し、かつSiを、前記中心部または前記表層部のSi量と同じか、または前記中心部のSi量と前記表層部のSi量との中間のSi量で含有し、残部はFe及び不可避不純物からなり、
前記中心部の鋼組織は、初析フェライト、擬似パーライトもしくはベイナイトからなる非ラメラパーライト面積率が10%未満であり、残部がラメラパーライト組織からなり、
かつ前記表層部の鋼組織は、非ラメラパーライト面積率が15%以上であり、残部がラメラパーライト組織である
ことを特徴とする高炭素鋼線材。 - 前記中心部、前記表層部および前記中間部が、更に、質量%で、Cr:0.05〜0.5%、V :0.01〜0.5%、Ti:0.005〜0.05%、B:0.0005〜0.005%の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の高炭素鋼線材。
- 長手方向に垂直な断面内の中心から半径の60%以下の中心部は、質量%で、C:0.7〜1.2%、Si:0.2〜1.3%、Mn:0.1〜1.0%、N:0.001〜0.006%、Al:0.005〜0.1%を含有し、残部はFe及び不可避不純物からなり、
かつ中心から半径の90%以上の表層部は、C:0.7〜1.2%、Si:1.5%〜3.0%、Mn:0.1〜1.0%、N:0.001〜0.006%、Al:0.005〜0.1%を含有し、残部はFe及び不可避不純物からなり、
さらに中心から半径の60%超〜90%未満の中間部は、質量%で、C:0.7〜1.2%、Mn:0.1〜1.0%、N:0.001〜0.006%、Al:0.005〜0.1%を含有し、かつSiを、前記中心部のSi量または前記表層部のSi量と同じか、または前記中心部のSi量と前記表層部のSi量の中間のSi量で含有し、残部はFe及び不可避不純物からなり、
引張り強さが1800MPa以上であり、
前記中心部の鋼組織は、初析フェライト、擬似パーライトもしくはベイナイトからなる非ラメラパーライト面積率が10%未満であり、残部がラメラパーライト組織からなり、
かつ前記表層部の鋼組織は、非ラメラパーライト面積率が15%以上であり、残部がラメラパーライト組織である
ことを特徴とする高炭素鋼線。 - 前記中心部、前記表層部および前記中間部が、更に、質量%で、Cr:0.05〜0.5%、Co:0.05〜0.5%,V :0.01〜0.5%、Ti:0.005〜0.05%、B:0.0005〜0.005%の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項3に記載の高炭素鋼線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016004534A JP6682863B2 (ja) | 2016-01-13 | 2016-01-13 | 高炭素鋼線材および高炭素鋼線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016004534A JP6682863B2 (ja) | 2016-01-13 | 2016-01-13 | 高炭素鋼線材および高炭素鋼線 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017125231A JP2017125231A (ja) | 2017-07-20 |
JP6682863B2 true JP6682863B2 (ja) | 2020-04-15 |
Family
ID=59363786
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016004534A Active JP6682863B2 (ja) | 2016-01-13 | 2016-01-13 | 高炭素鋼線材および高炭素鋼線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6682863B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110747394A (zh) * | 2019-10-08 | 2020-02-04 | 鞍钢股份有限公司 | 一种2000MPa级高强镀锌钢丝用盘条及其生产方法 |
-
2016
- 2016-01-13 JP JP2016004534A patent/JP6682863B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017125231A (ja) | 2017-07-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5177323B2 (ja) | 耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼材と高強度ボルト、及び、その製造方法 | |
JP5135557B2 (ja) | 耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼材と高強度ボルト、及び、その製造方法 | |
JP5169839B2 (ja) | 捻回特性に優れるpws用めっき鋼線及びその製造方法 | |
JP4310359B2 (ja) | 疲労特性と伸線性に優れた硬引きばね用鋼線 | |
JP6452454B2 (ja) | 高強度ばね用圧延材および高強度ばね用ワイヤ | |
JP5114684B2 (ja) | 延性に優れた線材及び高強度鋼線並びにそれらの製造方法 | |
JP5162875B2 (ja) | 伸線特性に優れた高強度線材およびその製造方法 | |
JP4374357B2 (ja) | 伸線特性に優れた高強度線材及びその製造方法、並びに伸線特性に優れた高強度鋼線 | |
US20100212786A1 (en) | High-Strength Steel Wire Excellent In Ductility and Method of Manufacturing the Same | |
JP4267376B2 (ja) | 遅れ破壊特性の優れた高強度pc鋼線およびその製造方法 | |
JP5251632B2 (ja) | 耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼材、高強度ボルト及びその製造方法 | |
JP4374356B2 (ja) | 伸線特性に優れた高強度線材及びその製造方法、並びに伸線特性に優れた高強度鋼線 | |
JP5892267B2 (ja) | 電縫鋼管 | |
KR20190021379A (ko) | 고강도 강선 | |
WO2016158901A1 (ja) | 伸線性に優れた高炭素鋼線材、および鋼線 | |
JP2010229469A (ja) | 冷間加工特性に優れる高強度線材及びその製造方法 | |
JP2009299181A (ja) | 耐遅れ破壊特性に優れた高強度鋼材、高強度ボルト及びその製造方法 | |
JP6986455B2 (ja) | プレストレストコンクリート用緊張材用の二相ステンレス鋼線材、二相ステンレス鋼線及びプレストレストコンクリート用緊張材 | |
WO2017014231A1 (ja) | 高強度pc鋼線 | |
JP7063394B2 (ja) | 熱間圧延線材 | |
JP6416708B2 (ja) | 高強度pc鋼線 | |
JP6682863B2 (ja) | 高炭素鋼線材および高炭素鋼線 | |
JP2004359992A (ja) | 高強度鋼線用線材、高強度鋼線およびこれらの製造方法 | |
JP2002180201A (ja) | 疲労強度および延性に優れた硬引き線用鋼材および硬引き伸線材 | |
JP6135553B2 (ja) | 鉄筋およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180905 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20181019 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190619 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190730 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190927 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200225 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200309 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6682863 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |