JP6260301B2 - 親水性被膜形成物品、親水性被膜形成用塗布液及び親水性被膜形成物品の製造方法 - Google Patents

親水性被膜形成物品、親水性被膜形成用塗布液及び親水性被膜形成物品の製造方法 Download PDF

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本発明は、親水性被膜形成物品、親水性被膜形成用塗布液及び親水性被膜形成物品の製造方法に関する。
最近、ガラス板等の基板に防曇性等の特性を付与するために、基材の表面に親水性の被膜を形成する試みが種々行われている。その方法の一つとして、基材表面への界面活性剤の塗布(特許文献1参照)や、親水性・吸水性を有する樹脂を主体とするコーティング等が行われている(特許文献2参照)が、これらは耐久性等に問題があり、長期に渡って使用される物品には適していない。
そこで、耐久性に優れた親水性被膜の形成方法として、金属アルコキシドと非反応性酸化物超微粒子を含むコロイド溶液を強酸性触媒の存在下で混合することにより調製した塗布液を基板に塗布して親水性塗膜を形成する方法が開示されている。
上記方法等により得られた非反応性酸化物超微粒子を含む親水性被膜は、水分を補給することにより長期間に渡って水膜を保持することができる。
しかし、上記親水性被膜にリンスやコンディショナーが接触すると、撥水化してしまうという問題があった。これは、非反応性酸化物超微粒子を含む親水性被膜は、大部分がシリカから構成されているため、水や水溶液との界面では、上記親水性被膜は負に帯電しており、そのため、リンスやコンディショナーに含まれる陽イオン界面活性剤が強力に吸着し、撥水化してしまうためと考えられる。このようにして、一旦撥水化した被膜は、通常の洗剤を使用して洗浄しても、陽イオン界面活性剤を除去することが難しく、防汚性という観点から改良が望まれていた。
上記親水性被膜に対して陽イオン界面活性剤を吸着しにくくするためには、上記親水性被膜を水や水溶液との界面において負に帯電しにくくする必要があり、そのためには、親水性被膜の等電位を中性に近づけることが有効であると考えられる。親水性被膜の等電位を中性に近づける方法としては、被膜中に等電位が8〜9のアルミナを含有させる方法が考えられる。
特許文献3には、金属アルコキシドと非反応性酸化物超微粒子を強酸性触媒の存在下で合成してなるゾル溶液を基材表面に塗布した後、150℃〜600℃の温度で加熱処理することにより基材表面に親水性・防曇性を有する複合酸化物被膜を形成することを特徴とする防曇性被膜形成基材の製造方法が開示されており、明細書中には、アルミニウム源として、アルミニウムブトキシド等のアルミニウムアルコキシドを使用してもよいことが記載されている。
また、特許文献4には、非晶質性の金属酸化物を形成する金属酸化物ゾル溶液または/および金属酸化物微粒子分散ゾルを添加した溶液からなるシリカ−アルミナ系複合ゾル溶液を、基板に塗布し、焼成することでシリカ−アルミナ系複合酸化物膜を成膜し、該膜付き基板を加温した後、純水の熱水に浸漬処理をすることを特徴とする防曇性被膜の製造方法が開示されている。
特許文献5には、有機金属化合物と金属酸化物微粒子を含有する表面処理材が記載されており、金属アルコキシドとして、アルミニウムのアルコキシドが記載されており、具体的には、トリブトキシアルミニウム等のアルミニウムに3個のアルコキシドが結合した構成のアルミニウムアルコキシドが記載されている。
特開昭52−101680号公報 特開平6−220428号公報 特開2001−254072号公報 特開平10−114543号公報 特開平10−237429号公報
特許文献3、5に記載の発明では、アルミニウム源として、トリイソプロポキシアルミニウム、トリブトキシアルミニウム等が記載されているが、アルミニウムに3個のアルコキシドが結合した構成のアルミニウムアルコキシドは、加水分解の速度等の関係で、実際には、親水性被膜を形成するのに適した塗布液を調製するのが非常に難しいという問題があった。
また、特許文献3、5に記載の発明では、シリカとアルミナの含有比率について記載されておらず、シリカとアルミナの含有比率を特定範囲にすることにより、汚れ除去性が改善されるとの記載は全くなかった。
特許文献4では、シリカ−アルミナ系複合酸化物膜を成膜すると記載されているが、実施例では、アルミナは酸化物の層中に分散する微粒子として添加されている。微粒子が分散した被膜では、微粒子はかなりの部分が酸化物の層中に埋まった状態であり、酸化物の層の表面積の方が大きいため、微粒子としてアルミナを使用しても防汚性を改善することは難しかった。
本発明者らは、上記課題に鑑み、種々検討した結果、親水性被膜を構成する金属酸化物の層を形成する際、シリカとアルミナの含有比率を特定範囲に設定し、特定構造のアルミニウム酸化物前駆体を塗布液に含有させることにより、安定な塗布液を調製することができ、陽イオン界面活性剤等が吸着しにくい防汚性能(汚れ除去性)に優れる親水性被膜を形成することができ、これにより、該親水性被膜を有する親水性被膜形成物品、該親水性被膜形成物品の製造に用いられる親水性被膜形成用塗布液、及び、該親水性被膜形成用塗布液を用いた親水性被膜形成物品の製造方法を提供することができることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の親水性被膜形成物品は、
基材と、該基材の表面に酸化物微粒子を分散して金属酸化物の層で保持した被膜と、を有する親水性被膜形成物品であり、上記金属酸化物の層は、下記一般式[1]で表されるケイ素酸化物の少なくとも1種、及び、下記一般式[2]で表されるアルミニウム酸化物の少なくとも1種を含み、上記ケイ素酸化物と上記アルミニウム酸化物のモル比は、ケイ素酸化物:アルミニウム酸化物=20:80〜80:20であることを特徴とする。
(RSiO [1]
(式[1]中、Rは1価の有機基であり、aは0〜3.5、bは0.5〜2である。)
(RAlO [2]
(式[2]中、Rはアセチルアセトナート基及びエチルアセトアセテート基から選ばれる少なくとも1つの基であり、cは0〜2、dは0.5〜1.5である。)
本発明の親水性被膜形成物品においては、上記ケイ素酸化物がSiOであり、上記アルミニウム酸化物がAlO1.5であることが好ましい。
本発明の親水性被膜形成物品においては、上記金属酸化物の層は、さらに、下記一般式[3]で表されるジルコニウム酸化物を含むことが好ましい。
(RZrO [3]
(式[3]中、Rは1価の有機基であり、eは0〜3.5、fは0.5〜2である。)
本発明の親水性被膜形成物品においては、上記ジルコニウム酸化物がZrOであることが好ましい。
本発明の親水性被膜形成物品においては、上記酸化物微粒子が、SiO、Al及びZrOからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の親水性被膜形成物品において、上記親水性の被膜を保護するための保護紙が、上記親水性の被膜を覆うように親水性被膜形成物品の表面に貼付されていることが好ましい。
本発明の親水性被膜形成物品において、上記保護紙は、粘着成分として澱粉化合物を含むことが好ましく、さらに粘着成分中に親水剤及び界面活性剤から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
本発明の親水性被膜形成用塗布液は、少なくとも、酸化物微粒子を含むコロイド溶液、下記一般式[4]で表されるケイ素酸化物前駆体、下記一般式[5]で表されるアルミニウム酸化物前駆体、酸、水及び溶媒を混合することにより調製された親水性被膜形成用塗布液であり、
上記酸化物微粒子、上記ケイ素酸化物前駆体の固形分、及び、上記アルミニウム酸化物前駆体の固形分の総量100質量%に対して、上記酸化物微粒子の含有量が20〜60質量%であり、該酸化物微粒子40質量部に対して、上記ケイ素酸化物前駆体が酸化物換算で6〜40質量部、上記アルミニウム酸化物前駆体が酸化物換算で5〜30質量部であることを特徴とする。
(RSi(X4−g [4]
(式[4]中、Rは1価の有機基であり、Xアルコキシ基又はハロゲン元素であり、gは0〜3の整数である。)
(RAl(X3−h [5]
(式[5]中、Rはアセチルアセトナート基及びエチルアセトアセテート基から選ばれる少なくとも1つの基であり、Xアルコキシ基又はハロゲン元素であり、hは1又は3である。)
本発明の親水性被膜形成用塗布液においては、上記一般式[4]で表されるケイ素酸化物前駆体が、Si(Xであり、上記一般式[5]で表されるアルミニウム酸化物前駆体が、RAl(Xであることが好ましい。
本発明の親水性被膜形成用塗布液においては、上記親水性被膜形成用塗布液は、さらに、
下記一般式[6]及び[7]で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種のジルコニウム酸化物前駆体が添加されていることが好ましい。
ZrOY [6]
(式[6]中、YはCl、NO 又はCHCOO
(RZr(Z)4−i [7]
(式[7]中、Rはアセチルアセトナート基、Zは炭素数2〜4のアルコキシ基又はハロゲン、iは0〜4の整数)
本発明の親水性被膜形成用塗布液においては、上記ジルコニウム酸化物前駆体が、上記一般式[6]で表される化合物、及び、上記一般式[7]のiが0であるZr(Z)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の親水性被膜形成用塗布液においては、上記酸化物微粒子が、SiO、Al及びZrOからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の親水性被膜形成用塗布液においては、親水性被膜形成用塗布液を調製する際に添加する水の量が、該塗布液の固形分の総量100質量%に対して、10〜300質量%であることが好ましい。
本発明の親水性被膜形成用塗布液においては、さらに、三ハロゲン化アルミニウムが、固形分の総量100質量%に対して、0.001〜1質量%添加されていてもよい。
本発明の親水性被膜形成物品の製造方法は、上述した本発明の親水性被膜形成物品の製造方法であって、基材を準備する基材準備工程、上述した組成の親水性被膜形成用塗布液を準備する塗布液準備工程、上記基材の表面に上記塗布液を塗布して塗膜を形成する塗布工程、及び、塗布工程後の基材を100〜400℃で加熱して塗膜を硬化させて、該基材表面に親水性の被膜を形成する硬化工程を有することを特徴とする。
本発明の親水性被膜形成物品の製造方法においては、塗布工程後の塗膜表面、及び/又は、硬化工程後の被膜表面に対して、オゾン処理を施すことが好ましい。
本発明の親水性被膜形成物品の製造方法では、さらに、上記親水性の被膜を保護するための保護紙を、上記親水性の被膜を覆うように親水性被膜形成物品の表面に貼付する保護紙貼付工程を含むことが好ましい。
本発明の親水性被膜形成物品では、陽イオン界面活性剤等が吸着しにくい防汚性能(汚れ除去性)に優れたものとすることができる。
本発明の親水性被膜形成用塗布液では、上記したアルミニウム酸化物前駆体を上記割合で用いることにより、長期間に渡って安定な塗布液を調製することができ、該塗布液を基材に塗布し塗膜を硬化させることにより、上述した本発明の防汚性能(汚れ除去性)等に優れる親水性被膜形成物品を製造することができる。
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。しかしながら、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。
[親水性被膜形成物品]
以下、本発明の親水性被膜形成物品について説明する。
本発明の親水性被膜形成物品は、基材と、該基材の表面に酸化物微粒子を分散して金属酸化物の層で保持した被膜と、を有する親水性被膜形成物品であり、
上記金属酸化物の層は、
下記一般式[1]で表されるケイ素酸化物の少なくとも1種、及び、
下記一般式[2]で表されるアルミニウム酸化物の少なくとも1種を含み、
上記ケイ素酸化物と上記アルミニウム酸化物のモル比は、ケイ素酸化物:アルミニウム酸化物=20:80〜80:20であることを特徴とする。
(RSiO [1]
(式[1]中、Rは1価の有機基であり、aは0〜3.5、bは0.5〜2である。)
(RAlO [2]
(式[2]中、Rはアセチルアセトナート基及びエチルアセトアセテート基から選ばれる少なくとも1つの基であり、cは0〜2、dは0.5〜1.5である。)
本発明の親水性被膜形成物品は、基材と、該基材の表面に酸化物微粒子を分散して金属酸化物の層で保持した被膜とを有する親水性被膜形成物品である。
本発明で用いる基材は、親水性、防曇性、汚れ除去性を期待されるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、ガラス板、鏡、反射板、保護板、タイル、食器、金属、金属メッキされた物品、セラミックス等が挙げられる。基材としては、防曇性を期待されるガラス板、鏡等が好ましい。
上記基材の表面に設けられた親水性の被膜は、分散された酸化物微粒子が金属酸化物の層で保持されたものである。
上記金属酸化物の層は、下記一般式[1]で表されるケイ素酸化物の少なくとも1種、及び、下記一般式[2]で表されるアルミニウム酸化物の少なくとも1種を含み、
上記ケイ素酸化物と上記アルミニウム酸化物のモル比は、ケイ素酸化物:アルミニウム酸化物=20:80〜80:20であることを特徴とする。
(RSiO [1]
(式[1]中、Rは1価の有機基であり、aは0〜3.5、bは0.5〜2である。)
(RAlO [2]
(式[2]中、Rはアセチルアセトナート基及びエチルアセトアセテート基から選ばれる少なくとも1つの基であり、cは0〜2、dは0.5〜1.5である。)
上記金属酸化物の層は、上記一般式[1]で表されるケイ素酸化物を含む。上記一般式[1]で表されるケイ素酸化物において、Rで表される1価の有機基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、3−メルカプトプロピル基、3−アミノプロピル基等が挙げられる。
一般式[1]で表されるケイ素酸化物の具体例としては、例えば、SiO、(CH)SiO1.5、(CHSiO、SH(CHSiO1.5、NH(CHSiO1.5等が挙げられる。
(CH)SiO1.5上記金属酸化物の層中で、Si原子に1個のメチル基が結合するとともに、他の3つの結合手は、Si−O結合となっていることを意味している。
SiO1.5と表示されているのは、Siに結合した3個の酸素(O)は、他の原子(Si等)と共有しているので、1つの結合について、0.5で計算しており、3個の酸素の合計を1.5としているのである。以下、Al、Zrについても同様の方法で計算した結果を、一般式[2]、一般式[3]として記載している。
従って、一般式[1]において、bとしては、0.5、1.0、1.5、2が挙げられ、aとしては、0、1、2、3等が挙げられるが、その他の数値であってもよい。
上記金属酸化物の層は、一般式[2]で表されるアルミニウム酸化物を含む。Rは、アセチルアセトナート基及びエチルアセトアセテート基から選ばれる少なくとも1つの基であり、アセチルアセトナート基が1個Al原子に結合していてもよく、エチルアセトアセテート基が1個Al原子に結合していてもよく、アセチルアセトナート基とエチルアセトアセテート基が1個ずつAl原子に結合していてもよく、アセチルアセトナート基が2個Al原子に結合していてもよく、エチルアセトアセテート基が2個Al原子に結合していてもよい。cとしては、0、1、2が挙げられ、dとしては、0.5、1.0、1.5が挙げられるが、他の数値であってもよい。
一般式[2]で表されるアルミニウム酸化物の具体例としては、例えば、AlO1.5、(CO(C=O)CH=C(CH)−O−)AlO、(CH(C=O)CH=C(CH)−O−)AlO、(CH(C=O)CH=C(CH)−O−)AlO0.5、(CH(C=O)CH=C(CH)−O−)(CO(C=O)CH=C(CH)−O−)AlO0.5等が挙げられる。
上記ケイ素酸化物のなかでは、SiO、(CH)SiO1.5が好ましく、SiOが特に好ましい。上記アルミニウム酸化物のなかでは、AlO1.5(Al)、(CO(C=O)CH=C(CH)−O−)AlO、(CH(C=O)CH=C(CH)−O−)AlO、(CH(C=O)CH=C(CH)−O−)AlO0.5が好ましく、AlO1.5(Al)が特に好ましい。
上記金属酸化物の層に含まれるケイ素酸化物とアルミニウム酸化物のモル比は、ケイ素酸化物:アルミニウム酸化物=20:80〜80:20である。すなわち、ケイ素酸化物とアルミニウム酸化物との合計量に対し、アルミニウム酸化物の割合は、20〜80モル%である。
上記金属酸化物の層に含まれるケイ素酸化物とアルミニウム酸化物のモル比が上記割合であると、被膜表面の帯電を防ぐことができ、リンス等に含まれる陽イオン性界面活性剤が被膜表面に付着しにくくし、また被膜に付着しても除去しやすくなり、汚れ除去性に優れる。
アルミニウム酸化物の割合が20モル%未満であると、アルミニウム酸化物の割合が少ないため、被膜表面の帯電を防ぐことが難しくなり、陽イオン界面活性剤等を充分に吸着しにくくすることが難しくなり、汚れ除去性に劣るようになる。一方、アルミニウム酸化物の割合が80モル%を超えると、汚れ除去性は有するものの、形成される被膜の強度が不充分となる。
金属酸化物の層は、さらに、下記一般式[3]で表されるジルコニウム酸化物を含んでいることが好ましい。
(RZrO [3]
(式[3]中、Rは1価の有機基であり、eは0〜3.5、fは0.5〜2である。)
上記一般式[3]において、Rで表される1価の有機基としては、アセチルアセトナート基、CH(C=O)−O−で表される基等が挙げられる。一般式[3]で表されるジルコニウム酸化物の具体例としては、例えば、ZrO、(CH(C=O)CH=C(CH)−O−)ZrO1.5、(CH(C=O)−O−)ZrO1.5等が挙げられる。上記したジルコニウム酸化物のなかでは、ZrOが好ましい。
この基材の表面に形成された金属酸化物の層中には、酸化物微粒子が分散されている。酸化物微粒子の材料は、特に限定されるものではないが、SiO、Al及びZrOからなる群から選ばれる少なくとも1種からなることが好ましく、これらのなかでは、SiOが特に好ましい。
この酸化物微粒子は、原料として、シリカゾル、アルミナゾル、ジルコニアゾル等を用い、上記した金属アルコキシド等の酸化物前駆体と混合して親水性被膜形成用塗布液を調製し、該塗布液を基材に塗布して乾燥することにより、金属酸化物の層中に分散した状態で保持される。
上記金属酸化物の層の中には、走査型電子顕微鏡観察から求めた一次粒子の平均粒子径が30〜250nmの酸化物微粒子が分散していることが好ましい。金属酸化物の層の厚さは、5〜150nmの範囲が好ましく、9〜100nmがより好ましい。
酸化物微粒子の平均粒子径及び金属酸化物層の厚さは、走査型電子顕微鏡(電界放出型電子顕微鏡(FE−SEM)S−4500、日立ハイテク(株)製)等を用いることにより、画像を撮影し、得られた画像を観察して決定する。
酸化物微粒子の平均粒子径については、このようなFE−SEMの断面画像より、例えば、縦1μm、横1μmの正方形(1μm当たり)に存在する粒子のそれぞれの幅を測定し、その平均値を平均粒子径とする。
本発明の親水性被膜形成物品において、基材表面に形成された金属酸化物の層から酸化物微粒子の一次粒子が突出しており、突出した粒子の表面は金属酸化物により覆われていても、覆われていなくても良い。このような表面形状により、被膜の表面積が増大しており、被膜の表面積の増大に起因して被膜の親水性が向上している。
本発明の親水性被膜形成物品において、金属酸化物と酸化物微粒子の合計量に対する酸化物微粒子の含有量は、20〜60質量%が好ましい。金属酸化物と酸化物微粒子の合計量に対する酸化物微粒子の含有量が、20質量%未満では、被膜表面の親水性が充分とはならず、一方、60質量%を超えると、金属酸化物の層の含有割合が少なくなり、防汚性能が低下するといった問題や、被膜の硬度が低下するといった問題が生じる。金属酸化物と酸化物微粒子の合計量に対する酸化物微粒子の含有量は、より好ましくは25〜50質量%である。
本発明の親水性被膜形成物品では、上記金属酸化物の層は、ケイ素酸化物とアルミニウム酸化物を含み、ケイ素酸化物とアルミニウム酸化物のモル比は、ケイ素酸化物:アルミニウム酸化物=20:80〜80:20と所定割合のアルミニウム酸化物を含んでいるので、被膜が帯電しにくくなり、リンスやコンディショナー等の陽イオン界面活性剤等を吸着しにくくなり、防汚性能に優れる。
本発明の親水性被膜形成物品には、親水性被膜形成物品の製造を完了した後、澱粉化合物を有するコーティング剤を塗布して、親水性部材を形成してもよい。該コーティング剤の溶媒は水であることが好ましい。該コーティング剤の調製方法乃至塗布方法としては、特に限定されるものではないが、予め一部をα化させ糊状にした澱粉化合物を水で希釈し、この希釈液を刷毛もしくは霧吹き等の機材を使用して容易に塗布することができる。コーティングの後、水を含んだ発泡性弾性体で部材表面をこすることによって効率良く、コーティング剤を固定することができ、親水性部材を形成することができる。上記のコーティング剤の塗布の後、該部材を50℃〜100℃で熱処理し、澱粉化合物のα化を促進することが好ましい。熱処理手段としては、汎用的に流通している熱風送風型のドライヤー等を使用することができる。また、親水性を増加させるため、上記澱粉化合物を本発明の親水性の被膜に含ませてもよい。
上記親水性部材は、親水性、防汚性に優れるので、汚染負荷の大きな環境での使用に適する。又、耐久性にも優れるので長期に渡って使用に奏功する。さらには、廉価に提供することができ、使用に際し、容易に親水性を回復させることができる。
上記コーティングにより形成された親水性部材は、経時的に澱粉化合物が溶出し、澱粉化合物による親水性が低下していくので、澱粉化合物を有するコーティング剤を定期的に塗布し、水を含んだ発泡性弾性体で部材表面をこすることで親水性を回復させることができる。その際、澱粉化合物を有するコーティング剤を塗布した後に部材を、澱粉化合物のα化を促進し、微細な表面凹凸構造を有する部材により澱粉化合物を浸透させることができる、50℃〜100℃で熱処理することが好ましい。
また、上記親水性部材中には、本発明の目的を損なわない限りにおいて、公知の親水剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、赤外線吸収剤、難燃剤、加水分解防止剤、防黴剤等の成分が含有されていてもよい。
親水剤としては、例えば、親水基含有アルコキシオリゴマー(「X−41−1053」、「X−41−1059A」、「X−41−1056」、「X−41−1805」、「X−41−1818」、「X−41−1810」、「X−40−2651」、「X−40−2655A」、信越化学工業製)、水溶性のポリマーブラシ状化合物(商品名「LAMBIC」シリーズ、大阪有機化学工業製)、親水基含有水系シランカップリング剤(商品名「X−12−641」、「X−12−1098」、「X−12−1121」、「X−12−1135」、「X−12−1126」、「X−12−1131」、「X−12−1141」、信越化学工業製)等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、エチレンオキサイド含有非イオン性界面活性剤(商品名「ペポールAS−053X」、「ペポールAS−054C」、「ペポールA−0638」、「ペポールA−0858」、「ペポールB−181」、「ペポールB−182」、「ペポールB−184」、「ペポールB−188」、「ペポールD−301A」、「ペポールD−304」、「ペポールBS−184」、「ペポールBS−201」、東邦化学工業製)、アセチレングリコール系界面活性剤(商品名「サーフィノール104E」、「サーフィノール104H」、「サーフィノール104A」、「サーフィノール104PA」、「サーフィノール104PG−50」、「サーフィノール104S」、「サーフィノール420」、「サーフィノール440」、「サーフィノール465」、「サーフィノール485」、「オルフィンD−10PG」、以上日信化学工業製、「アセチレノールEOO」、「アセチレノールE13T」、「アセチレノールE40」、「アセチレノールE60」、「アセチレノールE81」、「アセチレノールE100」、「アセチレノールE200」、「アセチレノールE00F24」、「アセチレノールE00P」、以上川研ファインケミカル製)等が挙げられる。
また、本発明の目的を損なわない限りにおいて、上記の親水剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、赤外線吸収剤、難燃剤、加水分解防止剤、防黴剤等の成分を本発明の親水性の被膜に含ませてもよい。その場合、上記の成分は、上述した本発明の親水性被膜形成用塗布液に含有させて、該塗布液を基材に塗布して乾燥することにより被膜中に含有される。
また、本発明の親水性被膜形成物品には、上記親水性の被膜を保護するための保護紙が、上記親水性の被膜を覆うように親水性被膜形成物品の表面に貼付されていることが好ましい。
上記保護紙は、本発明の親水性被膜形成物品の梱包、運搬、施工の際に、親水性被膜形成物品に形成された親水性の被膜の損傷や汚染を防止する役割を果たす。
上記保護紙は、粘着成分として澱粉化合物を含むことが好ましく、さらに粘着成分中に親水剤及び界面活性剤から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。保護紙を剥離した際、これらの澱粉化合物や親水剤や界面活性剤が親水性の被膜の表面に残留し、これらの澱粉化合物や親水剤や界面活性剤をコーティングしたのと同様の効果をもたらす。すなわち、上記コーティング剤の塗布でも説明したように、澱粉化合物や親水剤や界面活性剤が親水性被膜中に存在すると、親水性被膜の親水性が増加し、親水剤や界面活性剤が存在すると、さらに防汚性が向上する。
親水剤や界面活性剤としては、上記コーティング剤の塗布において例示した化合物や商品を使用することができる。
なお、上記保護紙を親水性被膜形成物品の表面に貼付する工程(保護紙貼付工程)は、表面に予め粘着成分を有した保護紙を親水性被膜形成物品の被膜表面に貼付してもよいし、親水性被膜形成物品の被膜表面に粘着成分を塗布しその上に保護紙を密着させて貼付してもよい。
[親水性被膜形成用塗布液]
次に、本発明の親水性被膜形成用塗布液について説明する。
本発明の親水性被膜形成用塗布液は、少なくとも、酸化物微粒子を含むコロイド溶液、下記一般式[4]で表されるケイ素酸化物前駆体、下記一般式[5]で表されるアルミニウム酸化物前駆体、酸、水及び溶媒を混合することにより調製された親水性被膜形成用塗布液であり、
上記酸化物微粒子、上記ケイ素酸化物前駆体の固形分、及び上記アルミニウム酸化物前駆体の固形分の総量100質量%に対して、上記酸化物微粒子の含有量が20〜60質量%であり、該酸化物微粒子40質量部に対して、上記ケイ素酸化物前駆体が酸化物換算で6〜40質量部、上記アルミニウム酸化物前駆体が酸化物換算で5〜30質量部であることを特徴とする。
(RSi(X4−g [4]
(式[4]中、Rは1価の有機基であり、Xアルコキシ基又はハロゲン元素であり、gは0〜3の整数である。)
(RAl(X3−h [5]
(式[5]中、Rはアセチルアセトナート基及びエチルアセトアセテート基から選ばれる少なくとも1つの基であり、Xアルコキシ基又はハロゲン元素であり、hは1又は3である。)
本発明の親水性被膜形成用塗布液の原料となる酸化物微粒子を含むコロイド溶液(ゾル)としては、シリカゾル(コロイダルシリカ)、アルミナゾル(コロイダルアルミナ)等が挙げられる。シリカゾルとしては、ナトリウムやアンモニウム等の1価の陽イオンで安定化したものが好ましく、例えば、市販品としては、スノーテックス(日産化学工業製)、ルドックス(デュポン社製)、カタロイド(触媒化成製)等を用いることができる。また、アルミナゾルの場合もシリカゾルの場合と同様に、ナトリウムやアンモニウム等の1価の陽イオンで安定化したものが好ましく、例えば、市販品としては、アルミナクリアゾル(川研ファインケミカル製)等を用いることができる。
本発明の親水性被膜形成用塗布液には、ZrOのコロイド溶液(ゾル)を添加してもよい。
ジルコニアゾル(コロイダルジルコニア)としては、日産化学工業製のナノユース、第一稀元素化学工業製のZSL−10A、ZSL−20N、堺化学工業製のSZR−K、SZR−M等が挙げられる。
金属酸化物の層においてシリカ成分となる酸化物前駆体としては、下記の一般式[4]で表されるケイ素酸化物前駆体が挙げられる。
(RSi(X4−g [4]
(式[4]中、Rは1価の有機基であり、Xアルコキシ基又はハロゲン元素であり、gは0〜3の整数である。)
上記ケイ素酸化物前駆体において、gが0の場合の化合物としては、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラクロロシラン等が挙げられ、gが1の場合の化合物としては、モノメチルトリエトキシシラン、モノメチルトリメトキシシラン、モノメチルトリクロロシラン、(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン、(3−アミノプロピル)トリメトキシシラン等が挙げられ、gが2の場合の化合物としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジクロロシラン等が挙げられる。
これらのなかでは、特に、一般式:Si(Xで表わされるアルコキシシランを用いると、被膜の硬度が良好となるので好ましい。
金属酸化物の層においてアルミナ成分となる酸化物前駆体としては、一般式[5]で表されるアルミニウム酸化物前駆体が挙げられる。
(RAl(X3−h [5]
(式[5]中、Rはアセチルアセトナート基及びエチルアセトアセテート基から選ばれる少なくとも1つの基であり、Xアルコキシ基又はハロゲン元素であり、hは1又は3である。)
上記アルミニウム酸化物前駆体において、hが1の場合の化合物としては、例えば、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート、アルミニウムジノルマルブトキシモノエチルアセトアセテート等が挙げられる。hが3の場合の化合物としては、例えば、アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムビスエチルアセトアセテート・モノアセチルアセトネート等が挙げられる。これらのなかでは、RAl(Xで表されるアルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート等が好ましい。また、hの値が大きいほど、すなわち、加水分解性の官能基Xの数が少ないほど、親水性被膜形成用塗布液のポットライフが良好となる傾向がある。
また、金属酸化物の層においてジルコニア成分となる酸化物前駆体としては、一般式[6]及び[7]で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種のジルコニウム酸化物前駆体が挙げられる。
ZrOY [6]
(式[6]中、YはCl、NO 又はCHCOO
(RZr(Z)4−i [7]
(式[7]中、Rはアセチルアセトナート基、Zは炭素数2〜4のアルコキシ基又はハロゲン、iは0〜4の整数)
一般式[6]で表されるジルコニウム酸化物前駆体としては、例えば、オキシ塩化ジルコニウム、オキシ硝酸ジルコニウム、オキシ酢酸ジルコニウム等が挙げられる。一般式[7]で表されるジルコニウム酸化物前駆体において、iが0の場合の化合物としては、例えば、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラノルマルブトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム等が挙げられ、iが4の場合の化合物としては、例えば、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート等が挙げられる。
本発明の親水性被膜形成用塗布液において、上記酸化物微粒子、上記ケイ素酸化物前駆体の固形分、及び上記アルミニウム酸化物前駆体の固形分の総量100質量%に対して、上記酸化物微粒子の含有量は、20〜60質量%である。上記酸化物微粒子の含有量が20質量%未満では、得られる被膜の親水性が不充分となり、一方、上記酸化物微粒子の含有量が60質量%を超えると、得られる被膜の防汚性能や硬度が不充分となる。
また、本発明の親水性被膜形成用塗布液においては、酸化物微粒子40質量部に対して、上記ケイ素酸化物前駆体が酸化物換算で6〜40質量部、上記アルミニウム酸化物前駆体が酸化物換算で5〜30質量部である。
酸化物換算したケイ素酸化物前駆体の質量に対する酸化物換算したアルミニウム酸化物前駆体の質量の割合は、5/40〜30/6=0.125〜5となる。
酸化物換算したケイ素酸化物前駆体の質量に対する酸化物換算したアルミニウム酸化物前駆体の質量の割合が0.125未満であると、アルミニウム酸化物の割合が少ないため、被膜の帯電の防止が難しくなり、陽イオン界面活性剤等を充分に吸着しにくくすることが難しく、得られる親水性被膜形成物品の防汚性能が不充分となる。一方、酸化物換算したケイ素酸化物前駆体の質量に対する酸化物換算したアルミニウム酸化物前駆体の質量の割合が5を超えると、汚れ除去性は有するものの、形成される被膜の硬度が不充分となる。
溶媒としては、アルコール系溶媒、エステル類、セロソルブ類、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。アルコール系溶媒の具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等が挙げられる。エステル類としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル等が挙げられ、セロソルブ類としては、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等が挙げられる。これらの溶媒は、1種のみを使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
親水性被膜形成用塗布液を調製する際には、無機酸もしくは有機酸等の酸を触媒として含むことが好ましい。上記無機酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸等が挙げられ、有機酸としては、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、スルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、マレイン酸、グリコール酸、ビニルスルホン酸等が挙げられる。一般式[6]で表されるジルコニウム酸化物前駆体のうち、水存在下で酸性を示すものを用いる場合は、その酸を触媒として用いることができる。
本発明の親水性被膜形成用塗布液において、親水性被膜形成用塗布液を調製する際に添加する水の量は、該塗布液の固形分の総量100質量%に対して、10〜300質量%であることが好ましい。上記固形分の総量とは、本発明の親水性被膜形成物品において、基材の表面に形成した酸化物微粒子を分散して金属酸化物の層で保持した被膜の全重量をいう。
添加する水の量が上記塗布液の固形分の総量100質量%に対して、10質量%未満であると、添加する水の量が少なすぎて、酸化物前駆体の加水分解が進まず、被膜の硬度が低くなる傾向がある。一方、添加する水の量が上記塗布液の固形分の総量100質量%に対して、300質量%を超えると、添加する水の量が多すぎて、沈殿等が発生し易くなり、ポットライフが短くなる傾向がある。
本発明の親水性被膜形成用塗布液には、レベリング剤としてジメチルシリコーンなどのメチルシリコーン類やフッ素系レベリング剤を適量加えても良い。また、例えばビックケミージャパン製の「BYK−300」、「BYK−301」、「BYK−302」、「BYK−306」、「BYK−307」、「BYK−310」、「BYK−313」、「BYK−315」、「BYK−320」、「BYK−322」、「BYK−323」、「BYK−325」、「BYK−330」、「BYK−331」、「BYK−333」、「BYK−337」、「BYK−341」、「BYK−344」、「BYK−345」、「BYK−346」、「BYK−347」、「BYK−348」、「BYK−349」、「BYK−370」、「BYK−375」、「BYK−377」、「BYK−378」、「BYK−UV3500」、「BYK−UV3510」、「BYK−UV3570」、「BYK−340」、「BYK−3550」、「BYK−SILCLEAN3700」、「BYK−SILCLEAN3720」、「BYK−DYNWET800」、共栄社化学製の「ポリフローNo.3」、「ポリフローNo.50HF」、「ポリフローNo.54」、「ポリフローNo.64HF」、「ポリフローNo.75」、「ポリフローNo.77」、「ポリフローNo.85HF」、「ポリフローNo.90」、「ポリフローNo.95」、「ポリフローNo.ATF−2」、「グラノール100」、「グラノール115」、「グラノール400」、「グラノール410」、「グラノール420」、「グラノール440」、「グラノール450」、「グラノールB−1484」等を添加しても良い。
本発明の親水性被膜形成用塗布液中の固形分濃度は、0.1〜10質量%が好ましく、
固形分濃度が上記の範囲にあると、金属酸化物前駆体の加水分解反応が良好に進行し、得られた被膜が良好な汚れ除去性や耐久性を発揮しやすい。
本発明の親水性被膜形成用塗布液は、成膜性やポットライフの点で優れているという利点がある。
すなわち、従来、アルミニウム酸化物を含む金属酸化物を形成する際には、アルミニウムのトリアルコキシド等の3官能のアルミニウム化合物が用いられていたが、これらの3官能の化合物のみをアルミニウム酸化物源として用いようとすると、反応性が高すぎるため、親水性被膜形成用塗布液の調製時に過剰に重縮合反応が進行した縮合物が生成しやすく、その結果、上記塗布液が濁ったり、沈澱が生じたり、ゲル化してしまい、上記塗布液のポットライフが短い場合があった。またそのような塗布液を用いることで、最終的に得られる被膜にブツ欠陥が発生する場合があった。
しかしながら、本発明では、一般式[5]で表されるアルミニウム酸化物前駆体を用いることで上記のような問題を生じることなく、良好な成膜性とポットライフを有する親水性被膜形成用塗布液が得られる。一般式[5]で表されるアルミニウム酸化物前駆体では、hは1以上であり、2官能以下の化合物である。
原料として、上記のようなアルミニウム酸化物前駆体を用い、親水性被膜形成用塗布液の調製時に用いる水の量が、親水性被膜形成用塗布液の固形分の総量100質量%に対して、15〜120質量%であると、ポットライフがより良好となる傾向がある。
また、本発明の親水性被膜形成用塗布液は、含有する水の量を上記した適切な範囲内とすることで、得られる被膜の鉛筆硬度を高く保ち易い。すなわち、含有する水の量を上記した適切な範囲内とすることで、被膜の鉛筆硬度を高く保ちながら、防汚性能(耐リンス性)を向上させ易い。
本発明の親水性被膜形成用塗布液においては、さらに、三ハロゲン化アルミニウムが、固形分の総量100質量%に対して、0.001〜1質量%添加されていてもよい。該三ハロゲン化アルミニウムは金属酸化物の層においてアルミナ成分の一部となるものであるが、その添加量はわずかであり、ほとんどのアルミナ成分は上記一般式[5]で表されるアルミニウム酸化物前駆体に由来するものである。また、該三ハロゲン化アルミニウムは3官能のアルミニウム化合物であるが、添加量がわずかであるため、上述したような成膜性やポットライフの点で不具合を生じ難い。塗布液中に三ハロゲン化アルミニウムが上記の添加量で添加されると、得られる被膜の親水性が長期間維持されやすくなる。三ハロゲン化アルミニウムとしては、三フッ化アルミニウム、三塩化アルミニウム、三臭化アルミニウム等が挙げられ、それらは無水物であってもよいし、水和物であってもよい。なお、三ハロゲン化アルミニウムを添加した塗布液においては、上記酸化物微粒子40質量部に対して、上記アルミニウム酸化物前駆体と該三ハロゲン化アルミニウムの総量が酸化物換算で5〜30質量部であることが好ましい。
また、本発明の親水性被膜形成用塗布液やその原料に対して、過酸化水素処理、過マンガン酸塩処理のうち少なくとも1つの酸化処理を施し、塗布液の酸化を進行させてもよい。上記過酸化水素処理とは、過酸化水素水を塗布液やその原料に添加し、酸化を進行させる処理を意味する。上記過マンガン酸塩処理とは、過マンガン酸カリウムや過マンガン酸ナトリウムを塗布液やその原料に添加し、酸化を進行させる処理を意味する。
[親水性被膜形成用塗布液を用いた親水性被膜形成物品の製造方法]
本発明の親水性被膜形成物品の製造方法は、上記した親水性被膜形成物品の製造方法であって、基材を準備する基材準備工程、上述した組成の親水性被膜形成用塗布液を準備する塗布液準備工程、上記基材の表面に上記塗布液を塗布して塗膜を形成する塗布工程、及び、塗布工程後の基材を100〜400℃で加熱して塗膜を硬化させて、該基材表面に親水性の被膜を形成する硬化工程を有することを特徴とする。
本発明の親水性被膜形成物品の製造方法では、最初に基材を準備する基材準備工程を行う。該基材準備工程として、ガラス板、鏡等の基材を準備する。この際、密着性を確保するために、酸化セリウム等で充分に研磨することにより、表面の汚れ等を丁寧に除去しておくことが好ましい。
次に、親水性被膜形成用塗布液を準備する塗布液準備工程を行う。上記塗布液準備工程では、上述した組成の親水性被膜形成用塗布液を準備する。
該塗布液準備工程では、少なくとも、酸化物微粒子を含むコロイド溶液、上記一般式[4]で表されるケイ素酸化物前駆体、上記一般式[5]で表されるアルミニウム酸化物前駆体、酸、水及び溶媒を混合することにより親水性被膜形成用塗布液を調製する。塗布液中で、原料の金属酸化物前駆体は加水分解・重縮合反応を進行させておくことが好ましいので、上記した割合の水が添加されることが好ましい。原料として液体の水や水溶液を用いても良いし、大気中から取り込まれる水分を利用しても良い。また、上記の加水分解や重縮合を促進するために上述したような酸が添加されても良い。さらには、上述したような、澱粉化合物、親水剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、赤外線吸収剤、難燃剤、加水分解防止剤、防黴剤等の成分が添加されても良い。
上記の親水性被膜形成用塗布液を調製する際に、水、希釈溶媒、グリコール類を加えて成膜方法により固形分濃度を調整し、必要であればレベリング剤等の各種添加剤を添加することもできる。なお、親水性被膜形成用塗布液中の全固形分濃度は0.1〜10質量%とするのが均一な塗布膜を形成する上で好ましい。
次に、上記親水性被膜形成用塗布液を基材表面に塗布して塗膜を形成する塗布工程を行う。
塗布法としては、特に限定されるものではないが、生産性などの面からは、例えば、スピンコート法、バーコート法、リバースロールコート法、その他のロールコート法、カーテンコート法、スプレーコート法などの公知手段が採用でき、適宜マスキングすることにより、部分的な成膜はもちろん、任意の形状、図柄に被膜を形成することができる。なお、これらの塗布法で塗布成膜する際の親水性被膜形成用塗布液中の全固形分濃度としては約0.1〜10質量%程度が好ましい。
次に、塗布工程後の基材を100〜400℃で加熱して塗膜を硬化させて、該基材表面に親水性の被膜を形成する硬化工程を行う。
塗布工程後の乾燥としては、100〜200℃の比較的低温で、5〜30分間乾燥することが好ましく、より好ましくは、上記乾燥温度が130〜180℃程度、乾燥時間が10分間程度である。
本発明の親水性被膜形成物品の製造方法においては、塗布工程後の塗膜表面、及び/又は、硬化工程後の被膜表面に対して、オゾン処理を施し、被膜の酸化を進行させてもよい。
上記オゾン処理とは、塗布工程後の塗膜表面、及び/又は、硬化工程後の被膜表面に、UVオゾン処理装置等を用い、特定波長の紫外線を照射し、オゾン(O)を生成させ、その生成したオゾンを利用し、上記塗膜表面、及び/又は、上記被膜表面の酸化をより進行させる処理をいう。
本発明の親水性被膜形成物品で説明したように、本発明の親水性被膜形成物品の製造方法では、さらに、保護紙貼付工程として、上記親水性の被膜を保護するための保護紙を、上記親水性の被膜を覆うように親水性被膜形成物品の表面に貼付することが好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。但し、本発明はかかる実施例に限定されるものでない。
本実施例及び比較例では、親水性被膜形成物品の被膜を形成するための親水性被膜形成用塗布液を調製し、基材上に塗布し乾燥させて、親水性被膜形成物品を作製した。上記塗布液の調製方法及び親水性被膜形成物品の作製方法(製造方法)は後述の通りである。また、得られた親水性被膜形成物品について、以下に示す方法により品質評価を行った。
[親水性被膜形成物品(被膜)の外観の観察]
得られた親水性被膜形成物品を肉眼で観察し、被膜に白濁やブツ欠陥が存在するかどうか確認した。なお、ブツ欠陥とは、被膜表面にある、肉眼で認識出来る程度の大きさの粒状の突起状の欠陥を意味する。
[初期水接触角の測定]
得られた親水性被膜形成物品の初期接触角の評価として、被膜表面にイオン交換水2μlを置き、液滴を置いた10秒後の液滴と被膜表面とのなす角を、接触角計(CA−X200、協和界面科学社製)を用いて室温(約25℃)で測定した。測定は、親水性被膜形成物品を得た後、室温環境下で1日間放置後に行った。
[汚れ除去性(耐リンス性)の評価]
親水性被膜形成物品の汚れ除去性の評価は、以下の処理を行った後、水接触角を測定することにより行った。
初期水接触角を評価した後の親水性被膜形成物品の被膜表面の全面にアジエンスコンディショナー(花王製)の5質量%水溶液を噴霧し、1時間室温で乾燥させた。該親水性被膜形成物品の被膜表面を約20℃の流水にさらすとともに、ゴム手袋をした指にて該被膜表面を払拭して洗浄した。該親水性被膜形成物品を乾燥させた後、被膜表面の水接触角を測定した。初期接触角に対して、上記した処理後の水接触角の増大量が小さいほど汚れ除去性に優れる。
[鉛筆硬度の測定]
JIS K 5600−5−4(1999年)に準拠して、親水性被膜形成物品の被膜の鉛筆硬度を測定した。
[親水性被膜形成用塗布液の外観(ポットライフ)の観察による評価]
調製3時間後、1日後の親水性被膜形成用塗布液を肉眼で観察し、濁りや沈澱やゲル化等の不具合が生じているかどうかを確認した。
[実施例1]
(1)親水性被膜形成用塗布液の調製
0.20g(0.96mmol)のテトラエトキシシラン(以降、「TEOS」とも記載する、多摩化学工業製)、0.14g(0.51mmol)のアルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート(以降、「ALCH」とも記載する、川研ファインケミカル製)、及び、0.73mmolのオキシ塩化ジルコニウム8水和物(キシダ化学製)をエキネンF−1(日本アルコール販売製、エタノール、イソプロパノール、メチルエチルケトンの混合溶媒)で26.2質量%に希釈した溶液0.90gと、固形分濃度が40.7質量%のコロイダルシリカ(MA−ST−L、日産化学工業製)0.30g(シリカ分は0.12g)と、0.68gのイオン交換水(塗布液の固形分の総量100質量%に対して、234質量%)と、5.43gのエキネンF−1と、2.38gの1−メトキシ−2−プロパノールとを、25℃で3時間撹拌して固形分濃度が全酸化物換算で2.9質量%の溶液を得た。さらに、該溶液1.00gにエキネンF−1を1.38g、1−メトキシ−2−プロパノールを0.52g添加して、固形分濃度が全酸化物換算で1.0質量%である親水性被膜形成用塗布液を調製した。なお、本実施例では、オキシ塩化ジルコニウム8水和物と水が反応した際に生成した塩酸を酸として用いた。
なお、コロイダルシリカ(酸化物微粒子)、TEOS(ケイ素酸化物前駆体)の固形分、及びALCH(アルミニウム酸化物前駆体)の固形分の総量100質量%に対して、コロイダルシリカの含有量は41.4質量%であり、該コロイダルシリカ40質量部に対して、TEOSは酸化物換算で19.2質量部、ALCHは酸化物換算で8.7質量部である。
(2)親水性被膜形成物品の製造
ソーダライムガラス製のガラス基材(100mm×100mm×2mm)を使用し、コーティング面を酸化セリウムで十分に研磨した後、水洗後、乾燥させてコーティング用基材とした。
上記基材表面に上記の親水性被膜形成用塗布液をスピンコート法で塗布し、170℃で10分間加熱処理して塗膜を硬化させて、該基材表面に被膜を形成し、親水性被膜形成物品を作製した。そして、最後に親水性の被膜を保護するための保護紙を、親水性の被膜を覆うように親水性被膜形成物品の表面に貼付し、保護膜を有する親水性被膜形成物品とした。なお、上記保護紙の貼付(保護紙貼付工程)は、水(70質量%)と、粘着成分である澱粉化合物(20質量%)と、親水剤である大阪有機化学工業製、製品名「LAMBIC770W」(10質量%)との混合液を親水性被膜形成物品の被膜表面に塗布した後に、その上に保護紙として片艶クラフト紙(日本製紙製、製品名「キャピタルラップ」)を密着させて行った。
保護紙貼付前の親水性被膜形成物品について、上記した評価方法により評価し、保護紙貼付後の親水性被膜形成物品について、保護紙を剥離し、初期水接触角、及び、汚れ除去性(耐リンス性)を評価した。
[実施例2]
実施例1の親水性被膜形成用塗布液の調製において、TEOSを0.16g(0.77mmol)、ALCHを0.21g(0.77mmol)用いた以外は、実施例1と同様に親水性被膜形成用塗布液を調製し、実施例1と同様の手順で基材表面に被膜を形成し、実施例1と同様に評価を行った。
[実施例3]
実施例1の親水性被膜形成用塗布液の調製において、TEOSを0.08g(0.38mmol)、ALCHを0.31g(1.13mmol)用いた以外は、実施例1と同様に親水性被膜形成用塗布液を調製し、実施例1と同様の手順で基材表面に被膜を形成し、実施例1と同様に評価を行った。
[実施例4]
実施例1の親水性被膜形成用塗布液の調製において、TEOSを0.18g(0.86mmol)、ALCHを0.24g(0.87mmol)、コロイダルシリカ(MA−ST−L)を0.23g用いた以外は、実施例1と同様に親水性被膜形成用塗布液を調製し、実施例1と同様の手順で基材表面に被膜を形成し、実施例1と同様に評価を行った。
[実施例5]
実施例1の親水性被膜形成用塗布液の調製において、TEOSを0.13g(0.62mmol)、ALCHを0.17g(0.62mmol)、コロイダルシリカ(MA−ST−L)を0.38g用いた以外は、実施例1と同様に親水性被膜形成用塗布液を調製し、実施例1と同様の手順で基材表面に被膜を形成し、実施例1と同様に評価を行った。
[実施例6]
実施例2の親水性被膜形成用塗布液の調製において、TEOSの代わりにメチルトリエトキシシラン(以降、「MTES」とも記載する、キシダ化学製)を0.13g(0.73mmol)用いた以外は、実施例2と同様に親水性被膜形成用塗布液を調製し、実施例2と同様の手順で基材表面に被膜を形成し、実施例1と同様に評価を行った。
[実施例7]
実施例1の親水性被膜形成用塗布液の調製において、TEOSを0.18g(0.86mmol)、ALCHを0.16g(0.58mmol)、コロイダルシリカ(MA−ST−L)を0.29g、イオン交換水を0.16g(塗布液の固形分の総量100質量%に対して、55質量%)、エキネンF−1を6.53g、1−メトキシ−2−プロパノールを2.35g用い、オキシ塩化ジルコニウム8水和物をエキネンF−1で26.2質量%に希釈した溶液の代わりにジルコニウムテトラ−n−ブトキシドを1−プロパノールで85質量%に希釈した溶液を0.32g(ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド自体は0.71mmol)用いた以外は、実施例1と同様に親水性被膜形成用塗布液を調製し、実施例1と同様の手順で基材表面に被膜を形成し、実施例1と同様に評価を行った。
[実施例8]
実施例1の親水性被膜形成用塗布液の調製において、TEOSを0.16g(0.77mmol)、ALCHの代わりにアルミニウムトリスアセチルアセトナート(川研ファインケミカル製)を0.24g(0.74mmol)用いた以外は、実施例1と同様に親水性被膜形成用塗布液を調製し、実施例1と同様の手順で基材表面に被膜を形成し、実施例1と同様に評価を行った。
[実施例9]
実施例1の親水性被膜形成用塗布液の調製において、TEOSを0.31g(1.49mmol)、ALCHを0.41g(1.49mmol)用い、オキシ塩化ジルコニウム8水和物をエキネンF−1で26.2質量%に希釈した溶液を用いなかった以外は、実施例1と同様に親水性被膜形成用塗布液を調製し、実施例1と同様の手順で基材表面に被膜を形成し、実施例1と同様に評価を行った。
[実施例10]
実施例1の親水性被膜形成用塗布液の調製において、イオン交換水を0.33g(塗布液の固形分の総量100質量%に対して、114質量%)用いた以外は、実施例1と同様に親水性被膜形成用塗布液を調製し、実施例1と同様の手順で基材表面に被膜を形成し、実施例1と同様に評価を行った。
[実施例11]
実施例1の親水性被膜形成用塗布液の調製において、イオン交換水を0.16g(塗布液の固形分の総量100質量%に対して、55質量%)用いた以外は、実施例1と同様に親水性被膜形成用塗布液を調製し、実施例1と同様の手順で基材表面に被膜を形成し、実施例1と同様に評価を行った。
[実施例12]
実施例1の親水性被膜形成用塗布液の調製において、イオン交換水を0.10g(塗布液の固形分の総量100質量%に対して、34質量%)用いた以外は、実施例1と同様に親水性被膜形成用塗布液を調製し、実施例1と同様の手順で基材表面に被膜を形成し、実施例1と同様に評価を行った。
[実施例13]
実施例1の親水性被膜形成用塗布液の調製において、イオン交換水を0.05g(塗布液の固形分の総量100質量%に対して、17質量%)用いた以外は、実施例1と同様に親水性被膜形成用塗布液を調製し、実施例1と同様の手順で基材表面に被膜を形成し、実施例1と同様に評価を行った。
[実施例14]
実施例1と同様に親水性被膜形成用塗布液を調製し、実施例1と同様の手順で基材表面に被膜を形成した。その後、UVオゾン処理装置を用いて該親水性被膜表面に60秒間酸化処理を施した。この後、得られた親水性被膜形成物品について、実施例1と同様に評価を行った。
[実施例15]
実施例1の親水性被膜形成物品の製造において、保護紙貼付工程で、水(55質量%)と、粘着成分である澱粉化合物(20質量%)と、界面活性剤として東邦化学工業製、製品名「ペポールAS−053X」(25質量%)との混合液を親水性被膜形成物品の被膜表面に塗布した以外は、実施例1と同様に行った。また、実施例1と同様に評価を行った。
[実施例16]
実施例1で得られた親水性被膜形成用塗布液に、さらに三塩化アルミニウム・六水和物を、固形分の総量100質量%に対して、0.01質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様に親水性被膜形成用塗布液を調製し、実施例1と同様の手順で基材表面に被膜を形成し、実施例1と同様に評価を行った。なお、コロイダルシリカ40質量部に対して、ALCHと三塩化アルミニウム・六水和物の総量は酸化物換算で8.7質量部である。
本実施例の親水性被膜形成物品の初期接触角(室温環境下で1日間放置後)は29°であり、実施例1の親水性被膜形成物品の初期接触角(30°)と同等であるが、それぞれの親水性被膜形成物品を室温環境下で8日間放置した後の接触角は、実施例1が33°であったのに対し、本実施例は30°であり、被膜の親水性が長期間にわたってより維持されやすいことがわかった。
[実施例17]
実施例1の親水性被膜形成用塗布液の調製において、TEOS、ALCH、オキシ塩化ジルコニウム8水和物、コロイダルシリカ(MA−ST−L)、イオン交換水を、表1に記載の量となるように用いた以外は、実施例1と同様に親水性被膜形成用塗布液を調製し、実施例1と同様の手順で基材表面に被膜を形成し、実施例1と同様に評価を行った。
[比較例1]
実施例2の親水性被膜形成用塗布液の調製において、ALCHの代わりにアルミニウムsec−ブトキシド(キシダ化学製)を0.19g(0.77mmol)用いた以外は実施例2と同様に親水性被膜形成用塗布液を調製し、実施例2と同様の手順で基材表面に被膜を形成した。
[比較例2]
実施例4の親水性被膜形成用塗布液の調製において、コロイダルシリカ40質量部に対して、TEOSが酸化物換算で5.1質量部、ALCHが酸化物換算で35.6質量部となるように親水性被膜形成用塗布液を調製し、実施例4と同様の手順で基材表面に被膜を形成した。
[比較例3]
実施例4の親水性被膜形成用塗布液の調製において、コロイダルシリカ40質量部に対して、TEOSが酸化物換算で42.4質量部、ALCHが酸化物換算で4.1質量部となるように親水性被膜形成用塗布液を調製し、実施例4と同様の手順で基材表面に被膜を形成した。
[比較例4]
実施例1の親水性被膜形成用塗布液の調製において、TEOSを0.31g(1.49mmol)用い、ALCHを用いず、各成分の比率を表1の通りにした以外は実施例1と同様に親水性被膜形成用塗布液を調製し、実施例1と同様の手順で基材表面に被膜を形成した。
[比較例5]
実施例1の親水性被膜形成用塗布液の調製において、ALCHを0.41g(1.49mmol)用い、TEOSを用いず、各成分の比率を表1の通りにした以外は、実施例1と同様に親水性被膜形成用塗布液を調製し、実施例1と同様の手順で基材表面に被膜を形成した。
各実施例及び各比較例について、親水性被膜形成用塗布液の各成分とその割合、酸化処理の有無、得られた親水性被膜の各成分、金属酸化物の層中のケイ素酸化物とアルミニウム酸化物とのモル比を表1に示す。また、各実施例及び各比較例で得られた親水性被膜形成物品(被膜)に関し、保護紙貼付前の外観の観察結果、初期水接触角の測定結果、汚れ除去性(耐リンス性)の水接触角による評価結果、鉛筆硬度の測定結果、親水性被膜形成用塗布液の外観(ポットライフ)の観察による評価結果を下記の表2に示す。また、保護紙貼付後に該保護紙を剥離した親水性被膜形成物品の評価結果を表3に示す。
Figure 0006260301
Figure 0006260301
Figure 0006260301
表1及び表2より明らかなように、実施例1〜17では、親水性被膜形成用塗布液は、少なくとも、酸化物微粒子を含むコロイド溶液、一般式[4]で表されるケイ素酸化物前駆体、一般式[5]で表されるアルミニウム酸化物前駆体、酸、水及び溶媒を混合することにより調製された親水性被膜形成用塗布液であり、上記酸化物微粒子、上記ケイ素酸化物前駆体の固形分、及び上記アルミニウム酸化物前駆体の固形分の総量100質量%に対して、上記酸化物微粒子の含有量が20〜60質量%であり、該酸化物微粒子40質量部に対して、上記ケイ素酸化物前駆体が酸化物換算で6〜40質量部、上記アルミニウム酸化物前駆体が酸化物換算で5〜30質量部であり、上記親水性被膜形成用塗布液のポットライフは、塗布液として用いるには問題のない期間を有するものであり、上記親水性被膜形成用塗布液を用いて製造した親水性被膜形成物品は、外観に問題はなく、汚れ除去性に優れ、被膜の硬度も充分であった。
また、水の添加量が、親水性被膜形成用塗布液の固形分の総量100質量%に対して、15〜120質量%の範囲内である実施例7、10〜13に係る親水性被膜形成用塗布液は、ポットライフがより良好となり、被膜の硬度も充分であった。
また、アルミニウム酸化物前駆体として、アルミニウムトリスアセチルアセトナート(一般式[5]のh=3の構造)を用いた実施例8に係る親水性被膜形成用塗布液は、ポットライフがより良好であった。この前駆体は加水分解性の官能基を有していないため、水の添加量が比較的多いにもかかわらず、該前駆体の安定性によって、優れたポットライフが実現されたと考えられる。また、保護紙を貼付することにより、親水性、汚れ除去性がさらに改善された。
一方、比較例1では、表1に示すように、ALCHの代わりにアルミニウムsec−ブトキシドを用いたので、表2に示すように、調製した親水性被膜形成用塗布液には白色沈殿が生じており、該白色沈殿は1日後にも残っていた。また、得られた、被膜の表面には多数のブツ欠陥が存在しており、外観上問題があった。
比較例2では、表1に示すように、得られた被膜を構成する金属酸化物の層中のケイ素酸化物とアルミニウム酸化物の比率は、モル比で、ケイ素酸化物:アルミニウム酸化物=10.8:89.2とアルミニウム酸化物の割合が多すぎる。
その結果、表2に示すように、得られた被膜は優れた汚れ除去性を示すものの、汚れ除去性(耐リンス性)の評価の際にゴム手袋をした指にて被膜表面を払拭して洗浄すると、該被膜表面に多数の傷が発生してしまい、膜強度が不充分であった。
比較例3では、表1に示すように、得られた被膜を構成する金属酸化物の層中のケイ素酸化物とアルミニウム酸化物の比率は、モル比で、ケイ素酸化物:アルミニウム酸化物=89.8:10.2とアルミニウム酸化物の割合が少なすぎる。
その結果、表2に示すように、得られた被膜の耐リンス性試験後の水接触角は60°(初期水接触角22°)であり、耐リンス性が劣るものであった。
比較例4では、表1に示すように、酸化物微粒子(コロイダルシリカ)、ケイ素酸化物前駆体(TEOS)の固形分、及びアルミニウム酸化物前駆体(無し)の固形分の総量100質量%に対して、コロイダルシリカの含有量が40質量%であり、該コロイダルシリカ40質量部に対して、TEOSが酸化物換算で29.8質量部、アルミニウム酸化物前駆体が酸化物換算で0質量部である。得られた被膜を構成する金属酸化物の層中のケイ素酸化物とアルミニウム酸化物の比率は、モル比で、ケイ素酸化物:アルミニウム酸化物=100:0であり、アルミニウム酸化物が含まれていない。
その結果、表2に示すように、得られた親水性被膜の耐リンス性試験後の水接触角は53°(初期水接触角30°)であり、耐リンス性が劣るものであった。
比較例5では、表1に示すように、酸化物微粒子(コロイダルシリカ)、ケイ素酸化物前駆体(無し)の固形分、及びアルミニウム酸化物前駆体(ALCH)の固形分の総量100質量%に対して、コロイダルシリカの含有量が41.4質量%であり、該コロイダルシリカ40質量部に対して、ケイ素酸化物前駆体が酸化物換算で0質量部、ALCHが酸化物換算で25.3質量部である。得られた被膜を構成する金属酸化物の層中のケイ素酸化物とアルミニウム酸化物の比率は、モル比で、ケイ素酸化物:アルミニウム酸化物=0:100であり、ケイ素酸化物が含まれていない。
その結果、表2に示すように、得られた親水性被膜は優れた汚れ除去性を示すものの、汚れ除去性(耐リンス性)の評価の際にゴム手袋をした指にて被膜表面を払拭して洗浄すると、該被膜表面に多数の傷が発生してしまい、膜強度が不充分であった。
なお、上記のように、比較例1〜5については、得られた親水性被膜形成物品に不具合があるので、保護紙貼付による評価を行っていない。


Claims (18)

  1. 基材と、該基材の表面に酸化物微粒子を分散して金属酸化物の層で保持した被膜と、を有する親水性被膜形成物品であり、
    前記金属酸化物の層は、
    下記一般式[1]で表されるケイ素酸化物の少なくとも1種、及び、
    下記一般式[2]で表されるアルミニウム酸化物の少なくとも1種とAlO 1.5 を含み、
    前記ケイ素酸化物と前記アルミニウム酸化物及びAlO 1.5 のモル比は、ケイ素酸化物:アルミニウム酸化物+AlO 1.5 =20:80〜80:20であることを特徴とする親水性被膜形成物品。
    (RSiO [1]
    (式[1]中、Rは1価の有機基であり、aは0〜3.5、bは0.5〜2である。)
    (RAlO [2]
    (式[2]中、Rはアセチルアセトナート基及びエチルアセトアセテート基から選ばれる少なくとも1つの基であり、cは1又は2、dは0.5又は1である。)
  2. 前記ケイ素酸化物がSiOであり、一般式[2]で表されるアルミニウム酸化物が(C O(C=O)CH=C(CH )−O−)AlO、又は、(CH (C=O)CH=C(CH )−O−)AlOである請求項1に記載の親水性被膜形成物品。
  3. 前記金属酸化物の層は、さらに、
    下記一般式[3]で表されるジルコニウム酸化物を含む請求項1又は2に記載の親水性被膜形成物品。
    (RZrO [3]
    (式[3]中、Rは1価の有機基であり、eは0〜3.5、fは0.5〜2である。)
  4. 前記ジルコニウム酸化物がZrOである請求項3に記載の親水性被膜形成物品。
  5. 前記酸化物微粒子が、SiO、Al及びZrOからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4のいずれかに記載の親水性被膜形成物品。
  6. 前記親水性の被膜を保護するための保護紙が、前記親水性の被膜を覆うように親水性被膜形成物品の表面に貼付されている請求項1〜5のいずれかに記載の親水性被膜形成物品。
  7. 前記保護紙は、粘着成分として澱粉化合物を含む請求項6に記載の親水性被膜形成物品。
  8. 前記保護紙は、さらに粘着成分中に親水剤及び界面活性剤から選ばれる少なくとも1種を含む請求項7に記載の親水性被膜形成物品。
  9. 少なくとも、酸化物微粒子を含むコロイド溶液、
    下記一般式[4]で表されるケイ素酸化物前駆体、
    下記一般式[5]で表されるアルミニウム酸化物前駆体、
    酸、水及び溶媒を混合することにより調製された親水性被膜形成用塗布液であり、
    前記酸化物微粒子、前記ケイ素酸化物前駆体の固形分、及び、前記アルミニウム酸化物前駆体の固形分の総量100質量%に対して、前記酸化物微粒子の含有量が20〜60質量%であり、該酸化物微粒子40質量部に対して、前記ケイ素酸化物前駆体が酸化物換算で6〜40質量部、前記アルミニウム酸化物前駆体が酸化物換算で5〜30質量部であることを特徴とする親水性被膜形成用塗布液。
    (RSi(X4−g [4]
    (式[4]中、Rは1価の有機基であり、Xアルコキシ基又はハロゲン元素であり、gは0〜3の整数である。)
    (RAl(X3−h [5]
    (式[5]中、Rはアセチルアセトナート基及びエチルアセトアセテート基から選ばれる少なくとも1つの基であり、Xアルコキシ基又はハロゲン元素であり、hは1又は3である。)
  10. 前記一般式[4]で表されるケイ素酸化物前駆体が、Si(Xであり、
    前記一般式[5]で表されるアルミニウム酸化物前駆体が、RAl(Xである請求項9に記載の親水性被膜形成用塗布液。
  11. 前記親水性被膜形成用塗布液は、さらに、
    下記一般式[6]及び[7]で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種のジルコニウム酸化物前駆体が添加されている請求項9又は請求項10に記載の親水性被膜形成用塗布液。
    ZrOY [6]
    (式[6]中、YはCl、NO 又はCHCOO
    (RZr(Z)4−i [7]
    (式[7]中、Rはアセチルアセトナート基、Zは炭素数2〜4のアルコキシ基又はハロゲン、iは0〜4の整数)
  12. 前記ジルコニウム酸化物前駆体が、前記一般式[6]で表される化合物、及び、前記一般式[7]のiが0であるZr(Z)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項11に記載の親水性被膜形成用塗布液。
  13. 前記酸化物微粒子が、SiO、Al及びZrOからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項9〜12のいずれかに記載の親水性被膜形成用塗布液。
  14. 親水性被膜形成用塗布液を調製する際に添加する水の量が、該塗布液の固形分の総量100質量%に対して、10〜300質量%である請求項9〜13のいずれかに記載の親水性被膜形成用塗布液。
  15. さらに、三ハロゲン化アルミニウムが、固形分の総量100質量%に対して、0.001〜1質量%添加されている請求項9〜14のいずれかに記載の親水性被膜形成用塗布液。
  16. 請求項1〜8のいずれかに記載の親水性被膜形成物品の製造方法であって、
    基材を準備する基材準備工程、
    請求項9〜15のいずれかに記載の親水性被膜形成用塗布液を準備する塗布液準備工程、前記基材の表面に前記塗布液を塗布して塗膜を形成する塗布工程、及び、
    塗布工程後の基材を100〜400℃で加熱して塗膜を硬化させて、該基材表面に親水性の被膜を形成する硬化工程
    を有することを特徴とする親水性被膜形成物品の製造方法。
  17. 塗布工程後の塗膜表面、及び/又は、硬化工程後の被膜表面に対して、オゾン処理を施す請求項16に記載の親水性被膜形成物品の製造方法。
  18. さらに、前記親水性の被膜を保護するための保護紙を、前記親水性の被膜を覆うように親水性被膜形成物品の表面に貼付する保護紙貼付工程を含む請求項16又は請求項17に記載の親水性被膜形成物品の製造方法。
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