JPWO2008059844A1 - 低屈折率被膜形成用塗布液、その製造方法及び反射防止材 - Google Patents

低屈折率被膜形成用塗布液、その製造方法及び反射防止材 Download PDF

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Abstract

比較的低い温度で硬化し、高硬度の耐擦傷性に優れる低屈折率を有する被膜を形成できる被膜形成用塗布液、その製造方法、及び該被膜を使用する反射防止材を提供する。含フッ素有機基がケイ素原子に結合されたポリシロキサン(A)と、炭素数が3〜12の含フッ素アミン化合物(B)とを含有し、それらが有機溶媒(C)に溶解されてなることを特徴とする低屈折率被膜形成用塗布液。

Description

本発明は、ポリシロキサンを含有する低屈折率被膜形成用塗布液、その製造方法、該塗布液から形成される低屈折率被膜、及び該被膜を有する反射防止材に関する。
従来、基材の表面に、該基材の屈折率よりも小さい低屈折率を有する被膜を形成させると、該被膜の表面から反射する光の反射率が低下することが知られている。そしてこのような低下した光反射率を示す低屈折率被膜は、光反射防止膜として利用され、種々の基材表面に適用されている。
例えば、特許文献1には、Mg源としてのマグネシウム塩やアルコキシマグネシウム化合物などと、F源としてのフッ化物塩とを反応させて生成させたMgF2微粒子のアルコール分散液、又はこれに膜強度向上のためにテトラアルコキシシランなどを加えた液を塗布液とし、これをガラス基材上に塗布し、温度100〜500℃で熱処理し、基材上に低屈折率を示す反射防止膜を形成させる方法が開示されている。
また、特許文献2には、テトラアルコキシシランなどの加水分解重縮合物であって、平均分子量の異なる2種以上とアルコールなどの溶剤とを混合してコーティング液となし、該コーティング液から被膜を形成するに当たって上記混合の際の混合割合、相対湿度のコントロールなどの手段を加えて被膜を作製することが開示されている。被膜は250℃以上の温度で加熱することに得られ、1.21〜1.40の屈折率を示し、50〜200nmの径を有するマイクロピット又は凹凸を有し、厚さ60〜160nmを有する。被膜はガラス基板上に形成され低反射ガラスが製造されている。
また、特許文献3には、ガラスと、その表面に形成させた高屈折率を有する下層膜と、更にその表面に形成させた低屈折率を有する上層膜とからなる低反射率ガラスが開示されている。上層膜の形成は、CF3(CF2224Si(OCH33などポリフルオロカーボン鎖を有する含フッ素シリコーン化合物と、これに対し5〜90質量%のSi(OCH34などシランカップリング剤とを、アルコール溶媒中、酢酸など触媒の存在下に室温で加水分解させた後、濾過することにより調製された共縮合体の液を上記下層膜上に塗布し、温度120〜250℃で加熱する方法に行なわれている。
また、特許文献4には、Si(OR)4で示されるケイ素化合物と、CF3(CF2nCH2CH2Si(OR13で示されるケイ素化合物と、R2CH2OHで示されるアルコールと、蓚酸とを特定比率に含有する反応混合物を水の不存在下に温度40〜180℃で加熱することによりポリシロキサンの溶液を生成させた塗布液が開示されている。この塗布液を基材表面に塗布し、温度80〜450℃で熱硬化させることにより、1.28〜1.38の屈折率と90〜115度の水接触角を有する被膜が形成されている。
特開平05−105424号公報 特開平06−157076号公報 特開昭61−010043号公報 特開平09−208898号公報
上記のような各種表示装置等に用いられる反射防止膜は、近年、液晶やプラズマなどの表示装置の大型化、軽量化や薄型化が進む中、これに使用される反射防止基材、特に反射防止フィルムは、軽量化や高透明化などの目的からフィルム厚を薄くする傾向にあり、熱によって受けるダメージが大きくなることが問題となっている。そのため、フィルムがダメージを受けない程度の低温処理で反射防止基材を得ることが可能な比較的低温で硬化する熱硬化型の被膜形成用塗布液への要望が以前にも増して望まれていた。しかしながら、上記のごとき従来の低屈折率被膜の硬化温度は、必ずしも充分に低いものでなく、硬化温度をさらに低めることが望まれている。
かくして、本発明の目的は、比較的低い温度で硬化し、高硬度の耐擦傷性、及びに低屈折率といういずれの点でも優れた被膜を形成できる低屈折率被膜形成用塗布液、その製造方法、さらに、該被膜形成用塗布液から得られる被膜、及び該被膜を使用する反射防止材を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、含フッ素有機基がケイ素原子に結合されたポリシロキサン(A)と、炭素数が3〜12の含フッ素アミン化合物(B)と、有機溶媒(C)と、を含有する塗布液から得られる被膜が、比較的低い温度で硬化し、高硬度の耐擦傷性、及び低屈折率を有することを見出した。
本発明において、上記塗布液から形成される被膜が何故に上記の優れた特性を有するかのメカニズムについては必ずしも明らかではないが、本発明の塗布液に含有されるポリシロキサン(A)と炭素数が3〜12の含フッ素アミン化合物(B)とが存在することで、低い屈折率及び高い耐擦傷性を有する被膜が得られる。
かくして、本発明は、上記の知見に基づくものであり、以下の要旨を有するものである。
(1)含フッ素有機基がケイ素原子に結合されたポリシロキサン(A)と、炭素数が3〜12の含フッ素アミン化合物(B)とを含有し、それらが有機溶媒(C)に溶解されてなることを特徴とする低屈折率被膜形成用塗布液。
(2)ポリシロキサン(A)が、含フッ素有機基が結合したケイ素原子を全ケイ素原子中の5〜40モル%を有する上記(1)に記載の塗布液。
(3)含フッ素アミン化合物(B)が、水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された、直鎖状のアミン又は環構造を有する脂肪族アミンである上記(1)又は(2)に記載の塗布液。
(4)有機溶媒(C)が、炭素数が1〜6のアルコール及び炭素数が3〜10のグリコールエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の塗布液。
(5)ポリシロキサン(A)を、その有するケイ素原子を二酸化ケイ素に換算して0.1〜15質量%含有し、含フッ素アミン化合物(B)を上記ポリシロキサン(A)のケイ素原子の1モルに対して0.01〜0.2モル含有する上記(1)〜(4)のいずれかに記載の塗布液。
(6)さらに、式(1)で表されるケイ素化合物(D)を含有する上記(1)〜(5)のいずれかに記載の塗布液。
Figure 2008059844
(式中、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜5の飽和炭化水素基を表し、nは2以上の整数を表す。)
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の塗布液を加熱硬化して得られる低屈折率被膜。
(8)上記(8)に記載の低屈折率被膜が、より高い屈折率を有する基材の表面上に形成された反射防止材。
(9)含フッ素有機基が結合したケイ素原子を有するポリシロキサン(A)の有機溶媒(C)溶液に対して、炭素数が3〜12の含フッ素アミン化合物(B)を混合することを特徴とする低屈折率被膜形成用塗布液の製造方法。
(10)含フッ素有機基が結合したケイ素原子を有するポリシロキサン(A)の有機溶媒(C)の溶液が、含フッ素有機基が結合したケイ素原子を有するアルコキシシランの有機溶媒(C)の溶液を、該アルコキシシランのアルコキシ基の1モルに対して0.2〜2モルの酸の存在下に重縮合して得られる上記(9)に記載の製造方法。
本発明によれば、比較的低い温度で硬化し、高硬度の耐擦傷性、及び低屈折率を有する被膜形成用塗布液、及びその効率的な製造方法が提供される。また、本発明によれば、該塗布液から得られる高硬度の耐擦傷性に優れる低屈折率被膜を使用する反射防止材が提供される。
以下に本発明についてさらに詳細に説明する。
<ポリシロキサン(A)>
本発明の低屈折率被膜形成用塗布液(以下、単に、被膜形成用塗布液、又は塗布液とも言う。)に含有される含フッ素有機基がケイ素原子に結合されたポリシロキサン(A)(以下、単に、ポリシロキサン(A)とも言う)は、主骨格中のケイ素原子に結合し、フッ素原子で置換された有機基(本発明では、含フッ素有機基と言う。)を有するポリシロキサン、換言すると、フッ素原子で置換された有機側鎖がケイ素原子に結合した部位を有するポリシロキサンである。
上記の含フッ素有機基としては、一部又は全部がフッ素原子で置換された有機基、通常は、一部の水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基や、一部の水素原子がフッ素原子で置換されたエーテル結合を含むアルキル基などであることが多い。含フッ素有機基が有するフッ素原子の数は特に限定されない。
含フッ素有機基の炭素数が12を超える場合は、後記する有機溶媒(C)への溶解性が不充分となる場合がある。そのため、炭素数が好ましくは3〜12、より好ましくは炭素数が3〜10の有機基である。含フッ素有機基のなかでも、末端にパーフルオロアルキル基を有し、かつ該基に炭化水素アルキレン基が結合した基は、透明性の高い被膜を得易いので好ましい。含フッ素有機基の好ましい具体例として、トリフルオロプロピル基、トリデカフルオロオクチル基、ヘプタデカフルオロデシル基、ペンタフルオロフェニルプロピル基等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
ポリシロキサン(A)は、上記の如き含フッ素有機基を1種有していてもよいし、複数種を有していてもよい。
ポリシロキサン(A)は、塗布液中で均質な溶液を形成する状態であれば特に限定されない。特に、上記した含フッ素有機基が結合したケイ素原子が、ポリシロキサン(A)の全ケイ素原子中の5〜40モル%である場合、水の接触角が90度以上の被膜が得られやすく、均質なポリシロキサン(A)の溶液を得られやすいので好ましい。さらに、含フッ素有機基を結合したケイ素原子が、ポリシロキサン(A)の全ケイ素原子中の10〜40モル%である場合、反射率をより低下できるため好ましい。また、含フッ素有機基を結合したケイ素原子が、ポリシロキサン(A)の全ケイ素原子中の5〜25モル%である場合、耐擦傷性をより高くできるために好ましい。
上記の理由を総合すると、含フッ素有機基を結合したケイ素原子が、ポリシロキサン(A)の全ケイ素原子中の10〜25モル%であるのが特に好ましい。
含フッ素有機基を持つポリシロキサン(A)を得る方法は特に限定されない。一般的には、上記した含フッ素有機基を有するアルコキシシラン、又は該アルコキシシランとそれ以外のアルコキシシランとを重縮合して得られる。なかでも、含フッ素有機基を持つアルコキシシランとテトラアルコキシシラン、さらに必要に応じて前記以外のアルコキシシラン(以下、その他のアルコキシシランともいう。)とを重縮合する場合、安定で均質なポリシロキサン(A)の溶液が得られ易いので好ましい。
上記含フッ素有機基を持つアルコキシシランとしては、下記の式(2)で表されるアルコキシシランが挙げられる。式中、Rは含フッ素有機基であり、Rは炭素数1〜5の炭化水素基である。
Figure 2008059844
かかるアルコキシシランの好ましい具体例としては、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
また、含フッ素有機基を持つアルコキシシランと重縮合されるテトラアルコキシシランの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等が挙げられる。テトラアルコキシシランは一種単独で使用してもよいし、複数種を併用することもできる。
また、その他のアルコキシシランは、含フッ素有機基以外の有機基及び/又は水素原子がケイ素原子に結合したアルコキシシランである。このような、その他のアルコキシシランの具体例は以下に挙げられる。トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、ヘプチルトリメトキシシラン、ヘプチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどのトリアルコキシシラン、及びジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランなどのジアルコキシシラン、及びトリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシランなどのトリアルキルアルコキシシランなどが挙げられる。その他のアルコキシシランは一種単独で使用してもよいし、複数種を併用することもできる。
ポリシロキサン(A)を得るために用いる、含フッ素有機基を持つアルコキシシランの使用量は、ポリシロキサン(A)が有機溶媒(C)中で均質な溶液状態であり、本発明の効果を損なわない限りにおいて限定されない。なかでも、含フッ素有機基を持つアルコキシシランが、全アルコキシシランの5〜40モル%である場合、水の接触角が90度以上の被膜が得られやすく、均質なポリシロキサン(A)の溶液を得られやすいので好ましい。また、含フッ素有機基を持つアルコキシシランが、全アルコキシシランの10〜40モル%である場合、反射率をより低下できるため好ましい。また、含フッ素有機基を結合したケイ素原子が、ポリシロキサン(A)の全ケイ素原子中の5〜25モル%である場合、耐擦傷性をより高くできるために好ましい。
上記の理由を総合すると、含フッ素有機基を結合したケイ素原子が、ポリシロキサン(A)の全ケイ素原子中の10〜25モル%であるのが特に好ましい。
含フッ素有機基を有するポリシロキサン(A)は、一般的には公知の方法で、加水分解、重縮合して得ることができる。最も広く知られている方法としては、アルコキシシランが溶媒に溶解した溶液に、純水又は純水と溶媒の混合溶媒を滴下などの方法で加え、温度40℃以上で数時間以上加熱、攪拌する加水分解法である。この方法において用いる純水の量は、完全加水分解及び部分加水分解の目的に応じて任意に選択される。通常は、アルコキシシランの全アルコキシ基に対して0.4〜4倍モルの量である。本発明においては、完全加水分解又は部分加水分解のいずれを用いてもよい。
上記の加水分解法においては、加水分解、重縮合の反応を促進するために、酸触媒又はアルカリ触媒を使用することが一般的である。この酸触媒としては、塩酸、硫酸や硝酸などの無機酸や、酢酸、蓚酸、蟻酸などの有機酸が挙げられる。アルカリ触媒としては、ナトリウム、カリウム、アンモニアなどの無機アルカリや、各種アミンが用いられる。加熱温度及び加熱時間は、適宜必要に応じて選択できる。例えば、50℃で24時間、加熱、攪拌したり、還流下で8時間加熱、攪拌するなどの方法が挙げられる。なお、アルコキシシランが加水分解、重縮合する限りにおいては、加熱せずに、室温下で攪拌する方法も使用可能である。
また、別法として、含フッ素有機基を有するポリシロキサン(A)を得る方法としては、好ましくは、含フッ素有機基を持つアルコキシシランと、必要に応じてテトラアルコキシシラン、及びその他のアルコキシシランの有機溶媒の溶液を蓚酸の存在下に加熱して重縮合する方法が挙げられる。具体的には、予め、アルコールに蓚酸を加えて蓚酸のアルコール溶液とした後、該溶液を加熱した状態で、上記の各種のアルコキシシランを混合する方法である。
上記蓚酸の存在量は、使用するアルコキシシランが有する全アルコキシ基の1モルに対し、好ましくは0.2〜2モルとされる。上記加熱は、液温が好ましくは0〜180℃で行うことができ、また、液の蒸発、揮散などが起こらないように、好ましくは、還流管を備え付けた容器中の還流下で数十分〜十数時間行われる。
上記含フッ素有機基を有するポリシロキサン(A)を得る場合、アルコキシシランを複数種用いる場合は、アルコキシシランを予め混合した混合物として使用してもよいし、複数種のアルコキシシランを順次反応系に添加してもよい。
アルコキシシランを重縮合する際には、有機溶媒中におけるアルコキシシランの全ケイ素原子を二酸化ケイ素に換算した濃度(以下、SiO換算濃度という。)が、好ましくは20質量%以下、特に好ましくは4〜15質量%の範囲で加熱されることが好適である。このような濃度範囲を選択することにより、ゲルの生成を抑え、均質なポリシロキサン(A)の溶液を得ることができる。
上記アルコキシシランを重縮合する際に用いられる有機溶媒(以下、重合溶媒とも言う)は、アルコキシシランを溶解するものであれば特に限定されない。一般的には、アルコキシシランの重縮合反応によりアルコールが生成するため、アルコール類やアルコール類と相溶性の良好な有機溶媒が用いられる。このような有機溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノールなどのアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテルなどが挙げられる。上記の有機溶媒は複数種混合して用いてもよい。
また、本発明において、含フッ素有機基を有するポリシロキサン(A)は、上記した方法で得られた溶液をそのままポリシロキサン(A)の溶液としてもよいし、必要に応じて、上記した方法で得られた溶液を、濃縮したり、溶媒を加えて希釈したり又は他の溶媒で置換して、ポリシロキサン(A)の溶液としてもよい。
他の溶媒で置換する場合、その溶媒(以下、置換溶媒ともいう。)は重縮合に用いたと同じ溶媒でもよいし、別の溶媒でもよい。この溶媒は、ポリシロキサン(A)が均一に溶解する限りにおいて特に限定されず、一種でも複数種でも任意に選択して用いることができる。
上記置換溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;エチレングリコール、プロピレングリコール、へキシレングリコールなどのグリコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコールエーテル;酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステル、乳酸エチルエステルなどのエステル類などが挙げられる。
<含フッ素アミン化合物(B)>
本発明の塗布液に含有される、炭素数が3〜12の含フッ素アミン化合物(B)(以下、含フッ素アミン化合物(B)とも言う。)は、含フッ素有機基、すなわち、水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された有機基であり、好ましくは、直鎖状のアミン、又は環構造を有する脂肪族アミンである。より好ましくは、末端にパーフルオロアルキル基を有し、かつ該基に炭化水素アルキレン基が結合した基、又は全部がフッ素原子で置換された(パーフルオロ)有機基であり、さらに好ましくは、パーフルオロアルキル基を有するアミン化合物である。なかでも、末端にパーフルオロアルキル基を有し、かつ該基に炭化水素アルキレン基が結合した炭素数が3〜12の基が好ましい。含フッ素アミン化合物(B)の炭素数が3〜12の場合、基材上において充分な成膜性が得られ易い。特に含フッ素アミン化合物(B)の炭素数は4〜8が好ましい。
なお、不飽和アルキル基、又は芳香族を含むアルキル基を有するアミン化合物でも、急激なゲル化を引き起こすことなく、被膜の硬化を促進する結果が得られるが、その場合、得られる被膜の屈折率が高くなるため、反射防止機能が低下する傾向にある。このため、含フッ素アミン化合物(B)としては、直鎖の末端にパーフルオロアルキル基を有し、かつ該基に炭化水素アルキレン基が結合した、炭素数が好ましくは4〜10、より好ましくは4〜8のアミンが好適である。本発明では、含フッ素アミン化合物(B)を複数種用いてもよい。
含フッ素アミン化合物(B)の具体例を以下に挙げるが、これに限定されるものではない。好ましい直鎖状のフルオロアルキルアミンとして、CFCHCHNH、CFCFCHNH、CFCFCHCHNH、CF(CFCHNH、CF(CFCHCHNH、CF(CFCHNH、CF(CFCHCHNH、CF(CFCHNH、CF(CFCHCHNH、CF(CFCHNH、CF(CFCHCHNH、CF(CFCHNH、CF(CFCHCHNH、CF(CFCHNH、CF(CFCHCHNH、CF(CFCHNH、CF(CFCHCHNH、CF(CFCHNH、CF(CFCHCHNH、CF(CF10CHNH、CF(CF10CHCHNH、CF(CF11CHNH、CF(CF11CHCHNH等が挙げられる。
含フッ素アミン化合物(B)の他の具体例としては、下記の式(A−1)、(A−2)、(A−3)(A−4)等が挙げられる。
Figure 2008059844
含フッ素アミン化合物(B)は、塩の形態で使用してもよいが、この場合には、塗布液の安定性が向上する場合がある。また、直鎖状の脂肪族アミンは、急激なゲル化を引き起こすことなく、被膜の硬化を促進する効果が高いので好ましい。更に、直鎖状の含フッ素アルキルアミンは、それ以外の含フッ素アミンと比べて、充分な成膜性が得られ易い。
本発明の塗布液における含フッ素アミン化合物(B)の含有量は、ポリシロキサン(A)の全ケイ素原子の合計量の1モルに対し、含フッ素アミン化合物(B)におけるアミノ基由来の窒素原子が好ましくは0.01〜0.2モル、より好ましくは0.03〜0.1モルになるようにするのが好ましい。上記窒素原子0.01モル以上の場合、低温で硬化し易いので好ましく、逆にまた、0.2モル以下の場合、被膜が透明で、ムラがなく、高い被膜の硬度を得易いので好ましい。
<有機溶媒(C)>
本発明の塗布液に含有される有機溶媒(C)は、含フッ素有機基がケイ素原子に結合されたポリシロキサン(A)、炭素数が3〜12の含フッ素アミン化合物(B)、及び、必要に応じて含有される下記するケイ素化合物(D)を溶解するものある限りいずれもものも使用できる。
かかる有機溶媒(C)の具体例としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコールなどの脂肪族アルコール類;シクロペンチルアルココール、シクロヘキサノールなどの脂環式アルコール;ベンジルアルコール、シンナミルアルコールなどの芳香族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;エチレングリコール、プロピレングリコール、へキシレングリコールなどのグリコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコールエーテル;酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステル、乳酸エチルエステルなどのエステル類などが挙げられる。これらの単独、又は複数の有機溶媒が併用される。
なかでも、炭素数が好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4のアルコール及び炭素数が好ましくは3〜10、より好ましくは3〜7のグリコールエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の使用が好ましい。
<ケイ素化合物(D)>
本発明の被膜形成用塗布液には、さらに、下記の式(1)で表される化合物であるケイ素化合物(D)が含有されるのが好ましい。これにより、被膜の耐擦傷性をさらに高めることができる。かかるケイ素化合物(D)は、ポリシロキサン(A)の全ケイ素原子をSiOに換算した1モルに対し、好ましくは0.01〜0.55モル、特に好ましくは0.01〜0.2モル含有されるのが好適である。
Figure 2008059844
式(1)における、R、R、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜5の飽和炭化水素基を表し、nは2以上、好ましくは2〜50の整数を表す。炭素数1〜5の飽和炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。
ケイ素化合物(D)は、式(1)で表される化合物の複数種が混合したものでもよい。その場合、nが2以上の整数であることが好ましく、より好ましくは4以上の整数である。
上記ケイ素化合物(D)を得る方法は特に限定されないが、例えば、テトラアルコキシシランをアルコール等の有機溶媒中で加水分解縮合する方法で得ることができる。その際、加水分解は、部分加水分解でも、完全加水分解でもいずれであってもよい。完全加水分解の場合は、理論上、テトラアルコキシシラン中の全アルコキシド基の0.5倍モルの水を加えればよいが、通常は0.5倍モルより過剰量の水を加えるのが好ましい。他方、部分加水分解の場合は、0.5倍モル以下の水の量でよいが、0.2〜0.5倍モルが好ましい。
上記原料のテトラアルコキシシランの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランなどが挙げられ、市販品として容易に入手可能である。
上記ケイ素化合物(D)を得る反応に用いる水の量は、所望により適宜選択することができるが、テトラアルコキシシラン中の全アルコキシド基の0.5〜2.5倍モルが好ましい。また、反応では、通常、加水分解・縮合反応を促進する目的で、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、蟻酸、蓚酸、燐酸、フッ酸、マレイン酸などの酸、アンモニアなどのアルカリ及び塩酸、硫酸、硝酸などの金属塩などの触媒が用いられる。
また、アルコキシシランが溶解した溶液を加熱することで、更に、重縮合を促進させることも一般的である。その際、加熱温度及び加熱時間は所望により適宜選択でき、例えば、室温〜100℃で0.5〜48時間加熱・撹拌したり、還流下で0.5〜48時間加熱・撹拌するなどの方法が挙げられる。
上記反応において、テトラアルコキシシランを重縮合する際に用いられる有機溶媒は、テトラアルコキシシランを溶解するものであれば特に限定されない。一般的には、テトラアルコキシシランの重縮合反応によりアルコールが生成するため、アルコール類やアルコール類と相溶性の良好な有機溶媒が用いられる。
このような有機溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノールなどのアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテルなどが挙げられる。上記の有機溶媒は複数種混合して用いてもよい。
このようにして得られるケイ素化合物(D)の溶液は、SiO換算濃度が好ましくは30質量%以下とされる。この濃度範囲において任意の濃度を選択することにより、ゲルの生成を抑え、均質な溶液を得ることができる。
なお、ケイ素化合物(D)としては、市販品を用いることもできる。例えば、いずれもコルコート社製である、メチルシリケート51、メチルシリケート53A、エチルシリケート40、エチルシリケート48、SS−C1等が挙げられる。
<その他の成分>
本発明の低屈折率被膜形成用塗布液には、本発明の効果を損なわない限りにおいて、ポリシロキサン(A)、アミン化合物(B)、有機溶媒(C)、及びケイ素化合物(D)以外のその他の成分、例えば、無機微粒子、レベリング剤、界面活性剤、水などの媒体が含有されていてもよい。
無機微粒子としては、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、チタニア微粒子、フッ化マグネシウム微粒子などの微粒子が好ましく、コロイド溶液のものが特に好ましい。このコロイド溶液は、無機微粒子粉を分散媒に分散したものでもよいし、市販品のコロイド溶液であってもよい。
本発明の塗布液においては、無機微粒子を含有させることにより、形成される硬化被膜の表面形状やその他の機能を付与することが可能となる。無機微粒子としては、その平均粒子径は0.001〜0.2μmが好ましく、更には0.001〜0.1μmが好ましい。無機微粒子の平均粒子径が0.2μmを超える場合には、塗布液によって形成される硬化被膜の透明性が低下する場合がある。
無機微粒子の分散媒としては、水又は有機溶剤を挙げることができる。コロイド溶液としては、塗布液の安定性の観点から、pH又はpKaが好ましくは2〜10、特には3〜7であるのが好ましい。
上記コロイド溶液の分散媒に用いる有機溶媒としては、メタノール、2−プロパノール、エチレングリコール、ブタノール、エチレングリコールモノプロピルエーテルなどのアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類;酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトンなどのエステル類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエ−テル類を挙げることができる。
なかでも、アルコール類又はケトン類が好ましい。これら有機溶剤は、単独で又は2種以上を混合して分散媒として使用することができる。
また、上記レベリング剤及び界面活性剤などは、公知のものを用いることができ、特に市販品は入手が容易なので好ましい。
<被膜形成用塗布液>
本発明の被膜形成用塗布液の調製は、ポリシロキサン(A)、含フッ素アミン化合物(B)、及び必要に応じてケイ素化合物(D)やその他成分を含有し、それらが有機溶媒(C)に溶解した溶液である。本発明においては、前記の塗布液が得られる限り、その調製方法は限定されない。例えば、上記の各成分を、使用する有機溶媒(C)中に順次、添加し混合してもよい。この場合、各成分の添加順序は特に限定されない。また、各成分をそれぞれ使用する有機溶媒(C)中に溶解した溶液を混合してもよい。特に、含フッ素アミン化合物(B)と有機溶媒(C)との混合溶液に対し、ポリシロキサン(A)の溶液を混合する場合は、析出物の発生を抑制できるので好ましい。
なかでも、ポリシロキサン(A)が有機溶媒(C)の溶液として得られる場合には、ポリシロキサン(A)の溶液をそのまま塗布液に用いることができるので好ましい。ポリシロキサン(A)が有機溶媒(C)の溶液として得られる場合には、上記したように、含フッ素有機基が結合したケイ素原子を有するアルコキシシランを有機溶媒(C)の溶液を、該アルコキシシランのアルコキシ基の1モルに対して好ましくは0.2〜2モルの蓚酸の存在下に重縮合して得るのが好ましい。
また、本発明の塗布液には、そのpHの調整を目的として、ポリシロキサン(A)の溶液に予め酸を混合することができる。酸の量は、ポリシロキサン(A)のケイ素原子の1モルに対して0.01〜2.5モルが好ましく、より好ましくは0.1〜2モルであるのが好適である。
上記で用いる酸としては。塩酸、硝酸、硫酸、リン酸の無機酸;蟻酸、酢酸、リンゴ酸等のモノカルボン酸類;蓚酸、クエン酸、プロピオン酸、コハク酸等の多価カルボン酸類等の有機酸が挙げられる。これらのうち、溶液状態の酸はそのまま用いることができるが、重合溶媒で希釈して用いるのが好ましい。それ以外の酸は、塗布液に含有される重合溶媒に適当な濃度で溶解して用いることが好ましい。
本発明の被膜形成用塗布液中には、ポリシロキサン(A)が、該ポリシロキサン(A)の有するケイ素原子を二酸化ケイ素に換算して好ましくは0.1〜15質量%、より好ましくは0.5〜10質量%含有され、かつ含フッ素アミン化合物(B)がポリシロキサン(A)のケイ素原子の1モルに対して0.01〜0.2モル、好ましくは0.03〜0.1モル含有される。
また、ケイ素化合物(D)が含有される場合、ケイ素化合物(D)は、ポリシロキサン(A)の有するケイ素原子1モルに対し、好ましくは0.03〜0.55モル、より好ましくは0.05〜0.45モル含有されるのが好適である。
本発明では、被膜形成用塗布液中のSiO固形分換算濃度が、好ましくは0.1〜15質量%、より好ましくは0.5〜10質量%であるのが好適である。SiO濃度が0.1質量%以上の場合、一回の塗布で所望の膜厚を得易く、また、15質量%以下で、溶液のポットライフがより安定し易い。ここで言うところのSiO固形分換算濃度とは、塗布液中のケイ素原子を二酸化ケイ素に換算した濃度を意味する。例えば、塗布液中にポリシロキサン(A)のみが含有される場合には、ポリシロキサン(A)のケイ素原子を二酸化ケイ素に換算した濃度を意味し、また、塗布液中にポリシロキサン(A)及びケイ素化合物(D)が含有される場合には、ポリシロキサン(A)とケイ素化合物(D)のケイ素原子の合計量を二酸化ケイ素に換算した濃度を意味する。
上記の塗布液は、必要に応じて、有機溶媒を添加してSiO固形分換算濃度を上記範囲になるように調製されるが、これに用いられる有機溶媒は、ポリシロキサン(A)を製造する際のアルコキシシランの重縮合に用いる有機溶媒や、ポリシロキサン(A)の溶液の濃縮や、希釈又は他の有機溶媒に置換する際に用いる有機溶媒を用いることができる。有機溶媒は、一種でも複数種でも任意に選択して用いることができる。
本発明における被膜形成用塗布液の具体例を以下に挙げる。
[1]ポリシロキサン(A)と含フッ素アミン化合物(B)とを含有し、それらが有機溶媒(C)に溶解した塗布液。
[2]ポリシロキサン(A)と含フッ素アミン化合物(B)とケイ素化合物(D)とを含有し、それらが有機溶媒(C)に溶解した塗布液。
[3]上記[1]又は[2]に無機微粒子を含有させた塗布液。
[4]上記[1]又は[2]又は[3]にレベリング剤や界面活性剤を含有させた塗布液。
<被膜の形成>
本発明の低屈折率被膜形成用塗布液は、基材に塗布し、熱硬化することで所望の被膜を得ることができる。塗布方法は、公知又は周知の方法を採用できる。例えば、ディップ法、フローコート法、スプレー法、バーコート法、グラビアコート法、ロールコート法、ブレードコート法、エアーナイフコート法などの方法を採用できる。
基材としては、プラスチック、ガラス、セラミックスなどからなる基材が挙げられる。プラスチックとしては、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、ポリトリメチルペンテン、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ(メタ)アクリロニトリル、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロースなどのシートやフィルムなどが挙げられる。
基材の表面上に形成する被膜の厚さは、塗膜の厚みによっても調節することができるが、塗布液のSiO2換算濃度を調節することによっても容易に調節することができる。
基材に形成された塗膜は、温度20〜150℃でそのまま熱硬化させてもよいが、これに先立ち、温度20〜100℃で乾燥させた後、熱硬化してもよい。その際、乾燥に要する時間は、10秒間〜6分間が好ましい。
熱硬化に要する時間は、所望の被膜特性に応じて適宜選択することができるが、通常、1時間〜7日間である。低い硬化温度を選択する場合は、硬化時間を長くすることで充分な耐擦傷性を有する被膜が得られ易い。
また、本発明の撥水性被膜形成用塗布液は、150℃を超える硬化温度であっても耐擦傷性に優れた被膜を得ることができる。その際、基材の耐熱温度に合わせて、硬化温度と硬化時間を調整することが好ましい。
<反射防止材等の用途>
本発明の塗布液から形成される被膜は、上記のように屈折率が例えば1.4以下という低屈折率を有しているため、特に、反射防止材としての用途に好適に用いることができる。
本発明の被膜を反射防止材に使用する場合、本発明の被膜より高い屈折率を有する基材上に本発明の被膜を形成することで容易に光反射防止能を付与することができる。すなわち、本発明の被膜よりも高い屈折率を有するプラスチックフィルムやガラスのような基材の表面に本発明の被膜を形成することにより反射防止フィルムや反射防止ガラス等の反射防止基材とすることができる。
本発明の被膜は、基材表面に単一の被膜として形成しても有効であるが、高屈折率を有する単数又は複数の下層を形成する被膜の上に本発明の被膜を形成した積層構造を有する反射防止体としても有効である。
本発明の被膜は、テレビ、ガラス製のブラウン管、コンピューターのディスプレイ、ガラス表面を有する鏡、ガラス製ショウケースなどの光の反射防止が望まれる分野に好適に用いることができる。
更に、本発明の被膜は、それ自体の水の接触角が90度以上であるので、撥水性を有し、また、指紋や油性インキが拭き取りやすいという防汚性の点で充分な実用性を有しており、温度20〜150℃という比較的低温での硬化処理においても充分に硬化できるため、反射防止基材の製造工程においても非常に有利である。
本発明の被膜は、上記の利点をも有するので、特に、液晶、プラズマなどの表示装置やディスプレイモニター等の反射防止フィルムに有用である。
以下に、合成例、及び実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の合成例、及び実施例に制限して解釈されるものではない。
本実施例における略語の説明。
TEOS:テトラエトキシシラン
FS−13:トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン
CS−8:オクチルトリエトキシシラン
MEA:モノエタノールアミン
BA:ベンジルアミン
FN−07:1H,1H−ヘプタフルオロブチルアミン
FN−15:1H,1H−ペンタデカフルオロオクチルアミン
IPA:2−プロパノール
cHexOH:シクロヘキサノール
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
下記合成例における測定法を以下に示す。
[残存アルコキシシランモノマー測定法]
ポリシロキサン(A)の溶液中の残存アルコキシシランモノマーをガスクロマトグラフィー(以下、GCと言う。)で測定した。
GC測定は、島津製作所社製、Shimadzu GC−14Bを用い、下記の条件で測定した。
カラム:キャピラリーカラム CBP1−W25−100(長さ25mm、直径0.53mm、肉厚1μm)
カラム温度:開始温度50℃から15℃/分で昇温して到達温度290℃(保持時間3分)とした。
サンプル注入量:1μL、インジェクション温度:240℃、検出器温度:290℃、キャリヤーガス:窒素(流量30mL/分)、検出方法:FID法。
[合成例1]
還流管を備えつけた4つ口反応フラスコにメタノール57.26gを投入し、攪拌下に蓚酸18.01gを少量づつ添加して、蓚酸のメタノール溶液を調製した。次いでこの溶液を加熱し、還流下にTEOS(17.71g)とFS−13(7.02g)の混合物を滴下した。滴下後、5時間還流し、室温まで放冷してポリシロキサン(A)の溶液(PF−1)を調製した。このポリシロキサン(A)の溶液(PF−1)をGCで測定したところ、アルコキシシランモノマーは検出されなかった。
[合成例2]
還流管を備えつけた4つ口反応フラスコにエタノール31.78gと蓚酸0.18gと純水10.80gを投入し、攪拌下にTEOS29.16gとFS−1328.08gを添加して、混合溶液を調製した。次いでこの溶液を加熱して3時間還流し、その後室温まで放冷してポリシロキサン(A)の溶液(PF−2A)を調製した。このポリシロキサン(A)の溶液(PF−2A)をGCで測定したところ、アルコキシシランモノマーは検出されなかった。
一方で、還流管を備えつけた4つ口反応フラスコにエタノール81.99gと蓚酸18.01gと投入し、攪拌下に5時間加熱して酸性溶液(PF−2B)を調製した。
そして、ポリシロキサン(A)の溶液(PF−2A)50.00gと酸性溶液(PF−2B)50.00gを混合し、ポリシロキサン(A)の溶液(PF−2)を調製した。
[合成例3]
還流管を備えつけた4つ口反応フラスコにエタノール47.36gと蓚酸0.18gと純水10.80gを投入し、攪拌下にTEOS41.66gを添加して、混合溶液を調製した。次いでこの溶液を加熱して3時間還流し、その後室温まで放冷してケイ素化合物(D)の溶液(PS)を調製した。この溶液をGCで測定したところ、アルコキシシランモノマーは検出されなかった。
[合成例4]
還流管を備えつけた4つ口反応フラスコにメタノール60.13gを投入し、攪拌下に蓚酸18.01gを少量づつ添加して、蓚酸のメタノール溶液を調製した。次いでこの溶液を加熱し、還流下にTEOS(17.71g)とCS−8(4.15g)の混合物を滴下した。滴下後、5時間還流し、室温まで放冷してポリシロキサンの溶液(PC)を調製した。このポリシロキサンの溶液(PC)をGCで測定したところ、アルコキシシランモノマーは検出されなかった。
[実施例1〜4]
有機溶媒(IPA、PGME及びcHexOHの混合溶媒)に含フッ素アミン化合物(B)を加え、撹拌しながら5%塩酸水溶液(1.22g)をゆっくりと加えpHを調整した。次いで、ポリシロキサン(A)の溶液とケイ素化合物(D)の溶液を加えて、被膜形成用塗布液(Q1〜Q4)を調製した。
その際、有機溶媒(C)、含フッ素アミン化合物(B)、ポリシロキサン(A)の溶液及びケイ素化合物(D)の溶液は、表1に示すものを用い、実施例1及び実施例2においては、ケイ素化合物(D)の溶液を用いなかった。
Figure 2008059844
[比較例1〜4]
表2に示す組成で、有機溶媒(C)(IPA、PGME及びcHexOHの混合溶媒)にアミン化合物を加え、撹拌しながらポリシロキサン(A)の溶液とケイ素化合物(D)の溶液を加えて、被膜形成用塗布液(T1〜T4)を調製した。
その際、比較例1及び比較例3においては、アミン化合物及びケイ素化合物(D)の溶液を用いなかった。また、比較例2においてはケイ素化合物(D)の溶液を用いなかった。
[比較例5及び6]
有機溶媒(C)(IPA、PGME及びcHexOHの混合溶媒)にアミン化合物を加え、撹拌しながら5%塩酸水溶液(1.22g)をゆっくりと加えた。次いで、ポリシロキサンの溶液(PC)を加えて、被膜形成用塗布液(T5及びT6)を調製した。
その際、有機溶媒、アミン化合物及びポリシロキサンの溶液(PC)は、表2に示すものを用い、比較例5においては、アミン化合物を用いなかった。
Figure 2008059844
<保存安定性>
塗布液を温度25℃で1ヶ月間静置した後に、孔径0.45μm、内径18mm、長さ22mmの非水系ポリテトラフルオロエチレンフィルター(倉敷紡績社製クロマトディスク13N)で100cc濾過し、濾過できたものを○、目詰まりが生じたものを×とした。
この結果を表3に示す。
<硬化膜評価>
調製した塗布液(Q1〜Q4及びT1〜T6)を、下記に示す処理を施したハードコート付きトリアセチルセルロース(以下、HC−TACと言う。)フィルム(フィルム厚80μm、波長550nmにおける反射率が4.5%)にバーコーター(No.6)を用いて塗布し、塗膜を形成した。温度23℃で30秒間放置した後、クリーンオーブン中、100℃で5分間乾燥させた。次いで温度90℃で15時間硬化させた。得られた硬化被膜について、水接触角、油性ペン拭き取り性、指紋拭き取り性、密着性、反射率及び耐擦傷性を評価した。
また、屈折率は次の様にして形成した硬化膜を用いて測定した。調製した塗布液(Q1〜Q4及びT1〜T6)を、シリコンウエハー上にスピンコートして塗膜を形成した後、温度23℃で30秒間放置してから、クリーンオーブン中、100℃で5分間乾燥させ、次いで温度90℃で15時間硬化させ、膜厚が100nmの硬化被膜を得た。
硬化被膜の評価方法は下記の通りであり、評価結果は表3及び表4に示す。
[TACフィルム表面処理方法]
日本製紙社製ハードコート付きHC−TACフィルム(フィルム厚80μm)を40℃に加熱した5質量%水酸化カリウム(KOH)水溶液に3分間浸漬してアルカリ処理を行った後、水洗した。次いで、0.5質量%の硫酸(H2SO4)水溶液(液温23℃)に30秒間浸漬して中和させ、水洗、乾燥した。
[水接触角]
協和界面科学社製の自動接触角計CA−Z型を使用して、純水3マイクロリットルを滴下したときの接触角を測定した。
[油性ペン拭き取り性]
硬化被膜表面に、ぺんてる社製油性ペンを用いて施されたインクを、旭化成社製ベンコットM−3を用いて拭き取り、その取り易さを目視で判定した。インクが完全に拭き取れたものを○、それ以外を×とした。
[指紋拭き取り性]
硬化被膜表面に指紋を付着させ、旭化成社製ベンコットM−3を用いて拭き取り、その取り易さを目視で判定した。指紋が完全に拭き取れたものを○、それ以外を×とした。
[密着性]
基材上の硬化被膜に1mm間隔で碁盤の目状に100点カットし、セロテープ(登録商標、ニチバン社製 24mm幅)を硬化被膜と強く貼り付けた後、セロテープを急激に剥がして硬化被膜の剥離の有無を目視により確認した。剥離がないものを○、剥離があるものを×とした。
[反射率]
島津製作所社製の分光光度計UV3100PCを使用して、波長550nmの光を入射角5度で硬化被膜に入射させて、反射率を測定した。
[耐擦傷性]
硬化被膜を、日本スチールウール社製スチールウール#0000を用いて、400g/cm2で10往復擦り、硬化被膜表面の傷の付き方を目視で判定した。
判定基準は以下のとおり。
A:傷無し〜5本、B:傷6〜10本、C:傷11〜20本、D:傷21〜30本、E:傷31本以上
[屈折率]
溝尻光学社製のエリプソメターDVA−36Lを使用して、波長633nmの光における屈折率を測定した。
Figure 2008059844
Figure 2008059844
表3及び表4に示されるように、実施例1〜4では、90℃の硬化温度で、耐擦傷性がB以上の優れた特性と、1.370以下の屈折率と1.3%以下の反射率という優れた光学特性を有する被膜が得られた。そして、塗布液(Q1〜Q4)の保存安定性も良好であり、温度23℃で6ヶ月間保存後も安定であった。
更に、実施例1〜4の被膜では、水接触角が100度以上という特性が示された。
一方、含フッ素アミン化合物を有しない塗布液(T1〜4)を用いた比較例1〜4は、90℃の硬化温度では、耐擦傷性と屈折率あるいは反射率が不十分であった。アミン化合物を含有していない場合、耐擦傷性がD以下と低いものであった。一方で、弗素を有しないアミン化合物を使用する場合、得られる被膜は耐擦傷性はB以上が得られ、且つ反射率は1.5以上、屈折率は1.380以上と高いものであった。
また、表3及び表4に示されるように、実施例1〜4の被膜は、指紋拭き取り性及び油性ペン拭き取り性という防汚特性に優れ、且つ基材との密着性が高いものであった。
また、フッ素原子で置換されていない有機基を持つポリシロキサンを用いた塗布液(T5〜T6)では、防汚特性も低く、高い反射率の被膜を与え不十分なものであった。
本発明の低屈折率被膜形成用塗布液は、保存安定性に優れ、温度20℃〜150℃という低温の熱処理で充分に硬化し且つ低屈折率で耐擦傷性に優れる低屈折率被膜を提供できる。そのため、特に、反射防止基材に好適に用いることができ、とりわけ、表示素子用の反射防止フィルムに好適に用いることができる。
また、前記のような被膜を形成する方法は、本発明の低屈折率被膜形成用塗布液の優れた保存安定性と共に、工業的に有用である。

なお、2006年11月14日に出願された日本特許出願2006−308444号の明細書、特許請求の範囲、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (10)

  1. 含フッ素有機基が結合したケイ素原子を有するポリシロキサン(A)と、炭素数が3〜12の含フッ素アミン化合物(B)とを含有し、それらが有機溶媒(C)に溶解されてなることを特徴とする低屈折率被膜形成用塗布液。
  2. ポリシロキサン(A)が、含フッ素有機基が結合したケイ素原子を全ケイ素原子中の5〜40モル%を有する請求項1に記載の塗布液。
  3. 含フッ素アミン化合物(B)が、水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された、直鎖状のアミン又は環構造を有する脂肪族アミンである請求項1又は2に記載の塗布液。
  4. 有機溶媒(C)が、炭素数が1〜6のアルコール及び炭素数が3〜10のグリコールエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の塗布液。
  5. ポリシロキサン(A)を、その有するケイ素原子を二酸化ケイ素に換算して0.1〜15質量%含有し、含フッ素アミン化合物(B)を上記ポリシロキサン(A)のケイ素原子の1モルに対して0.01〜0.2モル含有する請求項1〜4のいずれかに記載の塗布液。
  6. さらに、式(1)で表されるケイ素化合物(D)を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の塗布液。
    Figure 2008059844
    (式中、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜5の飽和炭化水素基を表し、nは2以上の整数を表す。)
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の塗布液を加熱硬化して得られる低屈折率被膜。
  8. 請求項7に記載の低屈折率被膜が、より高い屈折率を有する基材の表面上に形成された反射防止材。
  9. 含フッ素有機基が結合したケイ素原子を有するポリシロキサン(A)の有機溶媒(C)の溶液に対して、炭素数が3〜12の含フッ素アミン化合物(B)を混合することを特徴とする低屈折率被膜形成用塗布液の製造方法。
  10. 含フッ素有機基が結合したケイ素原子を有するポリシロキサン(A)の有機溶媒(C)の溶液が、含フッ素有機基が結合したケイ素原子を有するアルコキシシランの有機溶媒(C)の溶液を、該アルコキシシランのアルコキシド基の1モルに対して0.2〜2モルの酸の存在下に重縮合して得られる請求項9に記載の製造方法。
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