JP2007091873A - 撥水性低屈折率コーティング用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な密着性や透明性を維持しながら、屈折率や反射率の低減と撥水性の向上の図られた膜を生産性よく形成可能なコーティング用組成物を提供すること。
【解決手段】少なくとも、式(I)で表される化合物と、該式(I)で表される化合物の加水分解(共)縮合物と相溶性を有するセルロース誘導体とを原料とするコーティング用組成物である。
(CF(CF(CH(R)Si(OR’)4−p−q (I)
(Rは、C1〜C10のアルキル基を表し、R’は、C1〜C6のアルキル基を表し、nは、0〜16の整数を表し、mは、1〜5の整数を表し、pは、1又は2を表し、qは、pが1のとき0又は1を表し、pが2のとき0を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、コーティング用組成物に関し、詳しくは、有機−無機複合体を含有した撥水性低屈折率コーティング用組成物に関する。
近年、有機化合物と無機化合物の優れた特徴を合わせもつ材料の開発を目指して、有機−無機のハイブリッド化が進められている。そして、低屈折率化、撥水性の向上等の目的でフッ素化アルキル置換されたシランを用いることが提案されており、例えば、ケイ素又は一種以上の金属を含む酸化物微粒子と、フッ素含有有機ケイ素化合物と、有機ケイ素化合物とを主成分とした撥水性低屈折率コーティング用組成物が提案されている(特許文献1参照。)。しかしながら、特許文献1に記載のコーティング用組成物は、その4頁29〜30行目にも記載されているように、フッ素含有有機ケイ素化合物の含有量を増やすと、コーティング膜の密着性、耐擦傷性(硬度)が低下するという問題がある。
また、良好な成膜性を付与するために、有機ポリマーを添加して有機無機複合体膜を形成する方法も提案されているが、撥水性の高いフッ素化アルキル基を含有する酸化ケイ素化合物と相溶性がよく、皮膜形成時に相分離することなく、均質で透明な複合体被膜を形成することができる有機ポリマーは知られていない。
特開2004−86011号公報
本発明の課題は、良好な密着性や透明性を維持しながら、屈折率や反射率の低減と撥水性の向上の図られた膜を生産性よく形成可能なコーティング用組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、フッ素化アルキル基を含有する酸化ケイ素化合物と分離することなく複合化できるヒドロキシプロピルセルロースに代表されるセルロース誘導体を用いることにより、上記課題を解決できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、(1)少なくとも、式(I)
(CF(CF(CH(R)Si(OR’)4−p−q (I)
(Rは、C1〜C10のアルキル基を表し、R’は、C1〜C6のアルキル基を表し、nは、0〜16の整数を表し、mは、1〜5の整数を表し、pは、1又は2を表し、qは、pが1のとき0又は1を表し、pが2のとき0を表す。)で表される化合物と、該式(I)で表される化合物の加水分解(共)縮合物と相溶性を有するセルロース誘導体とを原料とすることを特徴とするコーティング用組成物や、(2)式(I)で表される化合物と、該式(I)で表される化合物の加水分解(共)縮合物と相溶性を有するセルロース誘導体とを水含有溶媒中で混合して得たことを特徴とする前記(1)に記載のコーティング用組成物や、(3)さらに、テトラアルコキシシランを原料とすることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のコーティング用組成物や、(4)セルロース誘導体が、ヒドロキシプロピルセルロースであることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載のコーティング用組成物に関する。
また本発明は、(5)式(I)で表される化合物が、式(Ia)
(CF(CF−(CH)Si(OR) (Ia)
で表される化合物であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載のコーティング用組成物や、(6)少なくとも、式(I)で表される化合物、及び該式(I)で表される化合物の加水分解(共)縮合物と相溶性を有するセルロース誘導体から得られる有機−無機複合体中の金属成分の含有量が、理論金属酸化物換算で、10〜90重量%であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載のコーティング用組成物や、(7)前記(1)〜(6)のいずれかに記載のコーティング用組成物を塗布して得られることを特徴とするコーティング膜に関する。
本発明のコーティング用組成物によれば、良好な密着性や透明性を維持しながら、屈折率や反射率の低減と撥水性の向上が図られた膜を形成することができる。
本発明のコーティング用組成物としては、少なくとも、式(I)で表される化合物と、該式(I)で表される化合物の加水分解(共)縮合物と相溶性を有するセルロース誘導体とを原料とする組成物であれば特に制限されるものではなく、少なくとも、式(I)で表される化合物の加水分解(共)縮合物、及び前記セルロース誘導体を含有する組成物であり、本発明のコーティング用組成物は、均質性及び保存安定性に優れており、さらに、良好な密着性や透明性を維持しながら、屈折率や反射率の低減と撥水性の向上が図られた膜を生産性よく形成することができる。
(CF(CF(CH(R)Si(OR’)4−p−q (I)
式(I)中、RはC1〜C10のアルキル基を表し、具体的に、C1〜C10アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、nーペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等を挙げることができる。また、R’はC1〜C6のアルキル基を表し、C1〜C4のアルキル基が好ましく、具体的に、C1〜C6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、nーペンチル基、n−ヘキシル基等を挙げることができ、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基が好ましい。
nは、0〜16の整数を表し、3〜9の整数が好ましい。また、mは、1〜5の整数を表し、2〜4の整数が好ましい。また、pは、1又は2を表し、qは、pが1のとき0又は1を表し、pが2のとき0を表す。
これらの中でも、p=1,q=0である式(Ia)で表される化合物が特に好ましい。
(CF(CF−(CH)Si(OR) (Ia)
なお、式(I)で表される化合物は、1種単独で、又は2種以上混合して使用することができる。
式(I)で表される化合物の加水分解(共)縮合物と相溶性を有するセルロース誘導体とは、式(I)で表される化合物の加水分解(共)縮合物と混合した場合に相分離せず、かつ25℃で500時間経過後も相分離しないセルロース誘導体を意味し、皮膜形成時に相分離することなく、均質で透明な複合体皮膜を形成することができるものである。具体的には、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられ、疎水性の置換基を有し、かつケイ素酸化物とも親和性の高いことから、ヒドロキシアルキルセルロースが好ましく、親水性有機溶媒への溶解性や耐水性さらには複合化の容易さの点から、ヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。セルロース誘導体の質量平均分子量としては、103〜106であることが好ましく、104〜5×105であることがより好ましい。これらは、1種単独で、又は2種以上混合して使用することができる。
本発明のコーティング用組成物は、さらに、テトラアルコキシシランを原料として用いることが好ましい。これにより、膜硬度の向上を図ることができる。テトラアルコキシシランとしては、アルコキシ基のアルキル基がC1〜C4のものが好ましく、具体的に、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラi−プロポキシシラン、テトラt−ブトキシシラン等を例示することができ、これらの中でもテトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが特に好ましい。
また、本発明のコーティング用組成物は、さらに、テトラアルコキシシラン以外の金属アルコキシドを原料として用いることもでき、これにより、透明性、硬度及び耐擦傷性をより向上させることができる。このような金属アルコキシドとしては、例えば、Mg,Ca,Sr,Ba,Si,Ti,Al,Zr,Wのアルコキシドを挙げることができ、これらの中でも、Si,Ti,Al,Zrのアルコキシドが好ましい。
具体的に、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノブチルトリメトキシシラン、アミノブチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、テトラステアリルオキシチタン、テトラエトキシジルコニウム、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、テトラ−sec−ブトキシジルコニウム、テトラ−t−ブトキシジルコニウム、テトラ−n−ペントキシジルコニウム、トリエトキシアルミニウム、トリ−i−プロポキシアルミニウム、モノ−sec−ブトキシアルミニウム等を挙げることができる。加水分解重縮合反応の制御の点からSiのアルコキシドが特に好ましい。これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
さらに、本発明のコーティング用組成物は、上記金属アルコキシドの他に、得られる塗膜の透明性を維持しながら硬度をより高めるために、コロイド状シリカ及び/又はコロイド状アルミナを原料として用いることができる。このコロイド状シリカとは、例えば、高純度の無水ケイ酸を水又は親水性有機溶媒に分散した分散液であり、好ましくは平均粒径が5〜30nm、より好ましくは10〜20nm、固形分濃度が10〜40質量%程度のものである。このようなコロイド状シリカとしては、具体的に、例えば、日産化学工業(株)製の水系シリカゾル、メタノールシリカゾル、イソプロパノールシリカゾルを挙げることができる。また、コロイド状アルミナとしては、例えば、日産化学工業(株)製のアルミナゾル520、アルミナゾル100、アルミナゾル200等を挙げることができる。その他、本発明のコーティング用組成物は、各種界面活性剤、染料、顔料、分散材、撥水材、増粘材、紫外線吸収材、香料、抗菌性成分などを含有させてもよい。
以上のような本発明のコーティング用組成物において、式(I)で表される化合物等(テトラアルコキシシランやその他の金属アルコキシド、コロイド状シリカやコロイド状アルミナが含まれている場合には、これらの化合物を含む。)の無機成分(金属成分)及びセルロース誘導体の有機成分からなる有機−無機複合体中の金属成分の含有量としては、理論金属酸化物換算で、10〜90重量%であることが好ましく、20〜70重量%であることがより好ましく、25〜60重量%であることがさらに好ましい。なお、理論金属酸化物換算重量とは、式(I)で表される化合物に含まれるアルコキシ基が理論上全て加水分解されて酸化物になった場合の重量をいい、コロイド状シリカ等が含まれている場合には、SiO等として計算する。また、式(I)で表される化合物の使用量としては、フッ素置換アルキル基(CF(CF−)が、有機−無機複合体中、10〜70重量%となるように添加することが好ましく、20〜60重量%となるように添加することがより好ましく、25〜50重量%となるように添加することがさらに好ましい。
また、本発明のコーティング用組成物における上記式(I)で表される化合物等の無機成分及びセルロース誘導体の有機成分からなる有機−無機複合体の濃度としては、使用目的に応じて適宜調整することができるが、コーティング組成物の保存安定性の点から、50重量%以下であることが好ましく、2〜20重量%であることがより好ましい。
本発明のコーティング用組成物をコーティングできる基材としては、特に制限されないが、例えば、鉄、ステンレス、アルミニウム等の金属、セラミックス、セメント、ガラス、プラスチック、木材等が挙げられ、必要に応じて、その表面に、各種ハードコート層、高屈折率材料からなる層、低屈折率からなる層、セラミック蒸着層等が形成されていてもよい。本発明のコーティング用組成物の基材への塗布方法としては、従来公知の方法を用いることができ、例えば、ディップコート法、ロールコート法、スプレーコート法、スピンコート法等を挙げることができ、本発明のコーティング用組成物の組成比を変えて積層してもよい。
また、本発明のコーティング用組成物は、上記の各種基材に直接塗布し、硬化させてもよいが、これに限定されず、例えば、本発明のコーティング用組成物をフィルム基材の表面に塗布し、硬化させて、コーティングフィルム基材を上記各種基材に貼付するようにしてもよい。このようなフィルム基材としては特に制限されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリプロピレン樹脂及びそれらの複合樹脂等の樹脂が挙げられる。
本発明のコーティング用組成物は、例えば、熱交換器、熱交換器用フィン、皮革、繊維、紙、板紙、冷凍食品用ダンボール、発泡スチロール、建築材料、屋根、窓ガラス、風防ガラス、各種ミラー、プラスチックレンズ、レンズ、タイヤ、ゴム、磁気記録媒体、半導体材料表面等への処理;ドライクリーニング用処理剤、冷凍倉庫壁面等の処理剤、冷蔵庫、冷凍機内の送風機の処理剤等の各種処理剤又は処理剤への添加剤;降雪地帯のアンテナ、鉄塔、電気通信施設、道路交通標識、信号機等への処理;船舶と水との摩擦抵抗の低減化、車両・航空機のボデイの汚れ付着防止、各種金属材料表面や電池材料等の電極の腐食防止、魚網表面への処理、シーラント、耐火防水シール剤、カーワックス等への添加などに使用することができる。さらに、反射防止膜、選択透過膜、吸収膜等の光学多層膜形成用塗布液として用いることができ、このような塗布液から形成される光学多層膜は、ディスプレー装置の表示画面、その表示カバー、タッチパネル、窓ガラス、ショーウィンド用ガラス、TVブラウン管の表示画面、液晶表示装置の表示画面、計器のカバーガラス、時計のカバーガラス、偏光用フィルム、眼鏡用レンズ、カメラ用レンズ等の光学材料に対して好適に用いることができる。
本発明のコーティング用組成物の製造方法としては、式(I)で表される化合物と、該式(I)で表される化合物の加水分解(共)縮合物と相溶性を有するセルロース誘導体とを水含有溶媒中で混合する方法が挙げられ、式(I)で表される化合物に加えて、上記テトラアルコキシシランやその他の金属アルコキシド、コロイド状シリカやコロイド状アルミナ等を添加することができる。具体的には、式(I)で表される化合物等及びセルロース誘導体を、例えば、水及び親水性有機溶媒との混合溶媒中に添加し、攪拌下で反応を進行させる。反応温度としては、通常0℃〜150℃であり、好ましくは5℃〜80℃程度である。また。反応時間としては、通常5分〜20時間程度であり、好ましくは10分〜5時間程度である。
式(I)で表される化合物等は加水分解(共)縮合により結合し、さらに、セルロース誘導体と水素結合により結合して、相分離することなくミクロ的に均質な溶液が形成されると考えられる。したがって、式(I)で表される化合物等及びセルロース誘導体を同時に添加して反応を行なってもよいし、式(I)で表される化合物等をゾル−ゲル法により加水分解縮合物を調製した後に、セルロース誘導体を添加して製造してもよいし、セルロース誘導体に対して式(I)で表される化合物等を添加して、ゾル−ゲル法により加水分解縮合を行なうことにより調製してもよい。セルロース誘導体を式(I)で表される化合物等の加水分解縮合により生成するゲルのマトリックス(すなわち無機酸化物の三次元的ネットワーク構造体)中に均一に分散させる上で、セルロース誘導体の存在下で、式(I)で表される化合物等をゾル−ゲル法により加水分解縮合を行うことにより調製するのが好ましい。また、上記のゾル−ゲル法は、従来公知のゾル−ゲル技術を用いて行うことができる。
前記親水性有機溶媒としては、アルコール類(メタノール、エタノール、プロピルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等)、エーテル類(テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロピラン、等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン等)、エステル類(酢酸メチル、エチレングリコールモノアセテート等)、アミド類(ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン等)等が挙げられ、これらの中でもアルコール類が好ましく、これらは1種あるいは2種以上を併用してもよい。
また、加水分解縮合に使用される水の量としては、式(I)で表される化合物等の金属アルコキシドの反応総モル数に対して、0.1〜2.5倍モルであることが好ましく、0.5モル〜1.5倍モルであることがより好ましい。また、式(I)で表される化合物等の加水分解縮合は、触媒存在下で行ってもよい。
かかる触媒としては、ナフテン酸、オクチル酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸などのアルカリ金属塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアなどのアルカリ性化合物;アルキルチタン酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸、フタル酸、酢酸などの酸性化合物;エチレンジアミン、ヘキサンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ピペリジン、ピペラジン、メタフェニレンジアミン、エタノールアミン、トリエチルアミンなどのアミン化合物;(C492Sn(OCOC11232、(C492Sn(OCOCH=CHCOOCH32、(C492Sn(OCOCH=CHCOOC492、(C8172Sn(OCOC11232、(C8172Sn(OCOCH=CHCOOCH32、(C8172Sn(OCOCH=CHCOOC492、(C8172Sn(OCOCH=CHCOOC8172、Sn(OCOCC8172、(C492Sn(SCH2COO)、(C492Sn(SCH2COOC8172、(C8172Sn(SCH2COO)、(C8172Sn(SCH2CH2COO)、(C8172Sn(SCH2COOCH2CH2OCOCH2S)、(C8172Sn(SCH2COOCH2CH2CH2CH2OCOCH2S)、(C8172Sn(SCH2COOC8172、(C8172Sn(SCH2COOC12252などの有機スズ化合物;(C492SnO、(C8172SnO、(C49)SnO、(C817)SnOなどの有機スズオキサイドとエチルシリケート、エチルシリケート40、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フタル酸ジオクチルなどのエステル化合物との反応生成物からなる有機スズ化合物;塩酸、硝酸等の無機酸;テトラエトキシジルコニウム、テトラ−n−プロポキシジルコニウム、テトラ−i−プロポキシジルコニウム、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、テトラ−sec−ブトキシジルコニウム、テトラ−t−ブトキシジルコニウム、テトラ−n−ペントキシジルコニウム、テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、テトラステアリルオキシチタン、トリエトキシアルミニウム、トリ−i−プロポキシアルミニウム、モノ−sec−ブトキシ−プロポキシアルミニウム、トリ−sec−ブトキシアルミニウム等の金属アルコレート;エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムモノアセチルアセトネート、ビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセテート)、環状アルミニウムオキサイドイソプロピレート、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン等のキレート化合物;該金属アルコレート及びキレート化合物と水を反応させた部分加水分解物などが挙げられ、塩酸、硝酸等の無機酸や酢酸等の有機酸が好適に用いられる。かかる触媒の添加量としては、式(I)で表される化合物等の金属アルコキシドの総モル数に対して、0.005〜0.3モルであることが好ましく、0.01〜0.1モルであることがより好ましい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
[実施例1]
ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達(株)製HPC−SL)の5wt%エタノール溶液32gにテトラエトキシシラン(信越化学(株)製)3.8g、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルトリエトキシシラン(アズマックス(株)製)2.5gを加えて室温下で1時間攪拌した。その溶液へ0.33N−塩酸1.5mlをシリンジにてゆっくりと滴下した。滴下後室温にて220分攪拌した後にエタノールを加えて固形分濃度を2.5wt%に調整してゾル液とした。この溶液を用いて厚さ3mmのポリカーボネート基板(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製 ユーピロン・シート)にディップコーティングし、100℃で100分乾燥を行うことにより成膜を行った。膜厚は、分光光度計(日立製作所(株)製 UV−4000)で反射率を測定した時に550nm付近に最小反射率がくるように設定した。
[比較例1]
実施例1において、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルトリエトキシシランを加えずに0.33N−塩酸の添加量を1.6mlとした以外は実施例1と同様の操作を行いゾル液を調製した。実施例1と同様に3mmのポリカーボネート基板上に成膜し、膜厚は、分光光度計(日立製作所(株)製 UV−4000)で反射率を測定した時に550nm付近に最小反射率がくるように設定した。
[比較例2]
実施例1において、HPCを加えない以外は実施例1と同様の操作を行いゾル液を調製した。実施例1と同様に3mmのポリカーボネート基板上に成膜を行ったところ、膜はまだらになり均一に成膜ができなかった。
[比較例3]
実施例1において、溶媒にテトラヒドロフランを用い、ポリマーをHPCの代わりに酢酸セルロースを用いたところ、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルトリエトキシシランを添加していくと2層に分離し、均一なゾル液が得られなかった。
上記実施例1及び比較例1に係る塗膜について、以下の評価を行った。
[透明性]
JIS K 7361−1に基づいて、色差濁度針(日本電色工業(株)製 NDH−300A)を用いてヘイズを測定した。
[密着性]
JIS K 5600−5−6 に基づいて、10×10のクロスカットセロテープ(登録商標)剥離試験を行い、塗謨の残存数にて評価した。
[鉛筆硬度]
JIS−K 5600−5−4引っ掻き硬度(鉛筆法)に記載された方法に準拠して、重り荷重1Kgで測定した。
[接触角]
固液界面解析システム(協和界面科学社製 DropMaster700)を用いて、水滴と塗膜との接触角を測定することにより評価した。
[屈折率]
J.A.Woollam社製の高速分光エリプソメーターM−2000を用いて、膜厚および波長633nmの光の屈折率を測定した。
[反射率](株)日立製作所製の分光光度計U−4000を使用して、入射角12°で550nmの絶対反射率を測定した。
Figure 2007091873
以上のように、本発明の実施例に係るコーティング用組成物により得られた膜は、良好な密着性や透明性を維持しながら、屈折率や反射率の低減を図ることができ、十分な撥水効果を得ることができた。

Claims (7)

  1. 少なくとも、式(I)で表される化合物と、該式(I)で表される化合物の加水分解(共)縮合物と相溶性を有するセルロース誘導体とを原料とすることを特徴とするコーティング用組成物。
    (CF(CF(CH(R)Si(OR’)4−p−q (I)
    (Rは、C1〜C10のアルキル基を表し、R’は、C1〜C6のアルキル基を表し、nは、0〜16の整数を表し、mは、1〜5の整数を表し、pは、1又は2を表し、qは、pが1のとき0又は1を表し、pが2のとき0を表す。)
  2. 式(I)で表される化合物と、該式(I)で表される化合物の加水分解(共)縮合物と相溶性を有するセルロース誘導体とを水含有溶媒中で混合して得たことを特徴とする請求項1に記載のコーティング用組成物。
  3. さらに、テトラアルコキシシランを原料とすることを特徴とする請求項1又は2に記載のコーティング用組成物。
  4. セルロース誘導体が、ヒドロキシプロピルセルロースであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコーティング用組成物。
  5. 式(I)で表される化合物が、式(Ia)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のコーティング用組成物。
    (CF(CF−(CH)Si(OR) (Ia)
  6. 少なくとも、式(I)で表される化合物、及び該式(I)で表される化合物の加水分解(共)縮合物と相溶性を有するセルロース誘導体から得られる有機−無機複合体中の金属成分の含有量が、理論金属酸化物換算で、10〜90重量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のコーティング用組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のコーティング用組成物を塗布して得られることを特徴とするコーティング膜。
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