JPH10177101A - 低反射性積層体、光学素子、ディスプレイ及び低反射性積層体の製造方法 - Google Patents

低反射性積層体、光学素子、ディスプレイ及び低反射性積層体の製造方法

Info

Publication number
JPH10177101A
JPH10177101A JP8338516A JP33851696A JPH10177101A JP H10177101 A JPH10177101 A JP H10177101A JP 8338516 A JP8338516 A JP 8338516A JP 33851696 A JP33851696 A JP 33851696A JP H10177101 A JPH10177101 A JP H10177101A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refractive index
layer
low
resin composition
photocurable resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8338516A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiro Nakatani
康弘 中谷
Miyuki Miyazaki
幸 宮崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP8338516A priority Critical patent/JPH10177101A/ja
Publication of JPH10177101A publication Critical patent/JPH10177101A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、基材の一面に、所定の屈折率を有
する光学用途に好適なハードコート層、高屈折率層及び
低屈折率層がこの順に積層されてなる低反射性積層体を
提供する。 【解決手段】 基材の一面に、ハードコート層、高屈折
率層及び低屈折率層がこの順に積層されてなる低反射性
積層体において、該ハードコート層、高屈折率層及び低
屈折率層は共に光硬化性樹脂組成物を硬化させて得られ
るものであると共に、上記ハードコート層は厚さが1〜
10μmであり且つ基材の屈折率との差が0.05以下
の屈折率を有し、上記高屈折率層はハードコート層の屈
折率より0.1以上高い屈折率を有し、更に、上記低屈
折率層は高屈折率層の屈折率よりも0.1以上低い屈折
率を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材の一面に、所
定の屈折率を有するハードコート層、高屈折率層及び低
屈折率層がこの順に積層されてなる低反射性積層体であ
り、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、ELデ
ィスプレイ、プロジェクトテレビ等のディスプレイ面に
用いられ、反射率を低下させ外部からの映り込みを防止
し視認性に優れた表示面を提供する低反射性積層体に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、ワープロ、コンピューター、テレ
ビ等の画像表示素子として液晶ディスプレイ、プラズマ
ディスプレイ、ELディスプレイ等が幅広く利用されて
いる。しかしながら、これらディスプレイ、特に、液晶
ディスプレイは、画像表示面に外部の光が反射し、ある
いは外部影像が映り、表示面の画像を不明瞭にする等の
表示情報の視認性に問題があった。このような問題を解
決し表示面の視認性を向上させるために、表示面に低反
射性の薄膜を形成し、表示情報の視認性を向上させるこ
とが試みられている。
【0003】このような低反射性の薄膜が形成されたも
のとして、特開平6−186401号には、有機重合体
フィルムよりなる基板の少なくとも一方の面上に、基板
より屈折率の高いチタニウムアルコキシドおよび/また
はジルコニウムアルコキシドによる塗液を硬化してなる
層と、基板より屈折率の低い低屈折率の二酸化ケイ素微
粒子及び有機ケイ素化合物とを含有する塗液を硬化して
なる層を有する低反射積層体が、又特開平7−1749
01号公報には、有機重合体フィルムよりなる基板の少
なくとも一方の面上に、所定塗液を加熱硬化して得られ
る、ハードコート層、高屈折率層及び低屈折率層が所定
順序で積層されてなる低反射積層体が開示されている。
【0004】しかしながら、上記両基材上に形成される
層を構成する塗液の硬化には、高温且つ長時間の熱処理
を必要とし、耐熱性に劣る基材には使用できないといっ
た問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低温でしか
も短時間の硬化処理によって得られる低反射性積層体及
びその製造方法、該低反射性積層体を用いた光学素子及
びディスプレイ並びに光学素子を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の低反射性積層体
は、基材の一面に、ハードコート層、高屈折率層及び低
屈折率層がこの順に該ハードコート層を基材側にして積
層されてなる低反射性積層体において、該ハードコート
層、高屈折率層及び低屈折率層は共に光硬化性樹脂組成
物を硬化させて得られるものであると共に、上記ハード
コート層は厚さが1〜10μmであり且つ基材の屈折率
との差が0.05以下の屈折率を有し、上記高屈折率層
はハードコート層の屈折率より0.1以上高い屈折率を
有し、更に、上記低屈折率層は高屈折率層の屈折率より
も0.1以上低い屈折率を有することを特徴とする。
【0007】上記低反射性積層体に用いられる基材は、
後述するが、膜の光硬化の際、必要に応じて行われる加
水分解のために添加される溶媒や酸によってその物性が
損なわれないことが必要であり、例えば、ポリイミド、
ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホ
ン、ポリパラバン酸、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、
ポリジアリルフタレート、ポリプロピレン、ポリカーボ
ネート、ポリエステル、三酢酸セルロース、アモルファ
スポリオレフィン等の合成樹脂、ガラス等からなる透明
性に優れたものが挙げられる。
【0008】又、低反射性積層体を、液晶ディスプレイ
の構成部材たる偏光板として用いる場合には、上記基材
を偏光板とすればよく、該偏光板としては、ポリビニル
アルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルア
ルコール系フィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体系
ケン化フィルム、セルロース系フィルムの如き親水性高
分子フィルムに沃素及び/又は二色性染料を吸着配合せ
しめた沃素系又は染料系偏光子、或いはポリビニルアル
コール系フィルムを脱水処理してポリエンを形成してな
るポリエン系偏光子等の偏光子の片面又は両面に、光学
的透明性を有する材料からなる保護層を設けてなるもの
が挙げられる。
【0009】保護層は、予めポリマーをフィルム化して
おいて接着剤、融着、溶着等の接着手段を用いて偏光子
面に形成されるほかに、塗布硬化しうる樹脂を偏光子面
に塗設して加熱硬化、紫外線又は電子線硬化の手段を用
いて樹脂膜を作って作成することもできる。
【0010】上記接着手段を用いて偏光子面に形成され
て保護層とされるフィルムとしては、二酢酸セルロー
ス、三酢酸セルロースの如きセルロース系フィルムが代
表的であるが、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリカー
ボネート系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリエ
ーテルスルホン系フィルム、ポリスルホン系フィルム、
ポリエイミド系フィルム等が挙げられる。
【0011】次に、上記基材の一面にはハードコート層
が積層されるが、該ハードコート層を構成する光硬化性
樹脂組成物(A)は、光硬化により基材の表面硬度を向
上させることができる透明性に優れたものであれば、特
に限定されず、例えば、ポリエステルアクリレート、ポ
リエーテルアクリレート、アクリルアクリレート、ウレ
タンアクリレート、エポキシアクリレート等のアクリル
系オリゴマー、アクリル系モノマー及び光重合開始剤か
らなる光重合性硬化樹脂、エポキシ系化合物、ビニルエ
ーテル系化合物、環状エーテル系化合物、スピロ化合物
等のモノマー及びオリゴマー並びに光反応性カチオン重
合開始剤からなるカチオン重合型光重合性硬化樹脂等が
挙げられる。
【0012】そして、上記ハードコート層の厚さは、厚
いと、クラックが生じることがあり、又薄いと、必要と
する基材の表面硬度が得られないので、1〜10μmに
限定される。又、該ハードコート層は、基材の屈折率と
の差が0.05以下の屈折率を有していることが必要で
あり、これは、基材の屈折率との差が大きいと、得られ
る低反射性積層体の反射率が上がったり膜の干渉色が発
現したりして表示情報の視認性が低下するためである。
【0013】更に、このハードコート層表面に凹凸を形
成することで、反射光を散乱させて表面に映り込んだ像
の輪郭をぼやかせ、低反射性積層体の反射率を低下させ
て視認性を向上させるアンチグレア機能を付与させても
よい。アンチグレア機能を付与するには、上記ハードコ
ート層を構成する光硬化性樹脂組成物(A)に、シリ
カ、アルミナ、チタニア等のマット剤と呼ばれる微粒子
を添加すればよい。
【0014】上記マット剤の粒径は、大きいと、光の散
乱が大きくなりすぎて反射率が上昇し、又小さいと、ア
ンチグレア効果が発揮されないので、0.1〜10μm
が好ましく、画素ピッチが細かい光学素子用途に使用さ
れる場合には、その画素ピッチよりも小さい粒径のマッ
ト剤を使用するのが好ましい。
【0015】又、該マット剤の添加量は、使用する光硬
化性樹脂組成物(A)の種類によって適宜調整されれば
よいが、その目安として、曇価が3〜30となるように
すればよい。これは、曇価が高いと、低反射性積層体の
反射率が上昇し、又、低いとアンチグレア効果が発揮さ
れないためである。なお、本発明において、曇価とは、
JIS K6900に従って測定されたものをいう。
【0016】上記ハードコート層には導電機能を付与し
てもよく、導電機能を付与することで、高屈折率層の積
層の際のほこりの付着が原因で生ずる塗工欠陥が生じに
くくなり、得られる低反射性積層体の表示情報の視認性
が向上する。
【0017】ハードコート層への導電機能の付与は、光
硬化性樹脂組成物(A)への導電性材料の添加により達
成することができる。このような導電性材料としては、
得られる低反射性積層体の光学特性を損なわないもので
あれば、特に限定されず、例えば、ポリアセチレン等の
導電性ポリマー、界面活性剤、アンチモンがドープされ
た酸化錫等が挙げられる。
【0018】次に、上記ハードコート層上に積層される
高屈折率層について説明する。該高屈折率層は、ハード
コート層の屈折率より0.1以上高い屈折率を有してい
る必要があり、これは該範囲外となると、得られる低反
射性積層体の反射率が上昇するためである。
【0019】このような高屈折率層を形成する光硬化性
樹脂組成物(B)としては、光照射により硬化して上記
屈折率を有する透明性に優れた薄膜を形成するものであ
れば、特に限定されず、例えば、以下に述べる光硬化性
樹脂組成物が挙げられる。
【0020】即ち、化学式M(OR)n (Mは中心金
属、Rは炭素数1〜5の一価の炭化水素基、nは2〜
6)で表される金属アルコキシド、重合性不飽和結合を
分子内に2個以上有する光重合性有機化合物及び光重合
開始剤を含有する光硬化性樹脂組成物(B)が挙げられ
る。
【0021】上記金属アルコキシドは、化学式M(O
R)n (Mは中心金属、Rは炭素数1〜5の一価の炭化
水素基、nは2〜6)で表されるものであり、その中心
金属となるMは、特に限定されないが、通常、高屈折率
の膜が得られるTi、Zr、Ce、Snが用いられる。
又、Rは炭素数1〜5の一価の炭化水素基に限定され、
これは、炭素数が多くなると、金属アルコキシドが不安
定となるためである。
【0022】このような金属アルコキシドとしては、例
えば、チタニウムテトラエトキシド、チタニウムテトラ
イソプロポキシド、チタニウムテトラ−n−ブトキシ
ド、チタニウム−sec−ブトキシド、チタニウム−t
er−ブトキシド、チタニウムイソブトキシド、ジルコ
ニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトライソプロ
ポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、ジル
コニウム−sec−ブトキシド、ジルコニウム−ter
−ブトキシド、ジルコニウムイソブトキシド、セリウム
テトラエトキシド、セリウムテトライソプロポキシド、
セリウムテトラ−n−ブトキシド、セリウム−sec−
ブトキシド、セリウム−ter−ブトキシド、セリウム
イソブトキシド、スズテトラエトキシド、スズテトライ
ソプロポキシド、スズテトラ−n−ブトキシド、スズ−
sec−ブトキシド、スズ−ter−ブトキシド、スズ
イソブトキシド等が挙げられる。
【0023】上記重合性不飽和結合を分子内に2個以上
有する光重合性有機化合物としては、特に限定されず、
例えば、1,3−ジオールジアクリレート、1,4−ジ
オールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリ
レート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリ
エチレングリコールジアクリレート、ビス(アクリロキ
シエトキシ)ビスフェノールA、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリ
レート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジ
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられ
る。なお、該光重合性有機化合物は、分子内に2個以上
の重合性不飽和結合を有している必要があるが、これは
1個では得られる膜の強度が低下するためである。
【0024】上記金属アルコキシドと光重合性有機化合
物との含有比率は、金属アルコキシドが少ないと高屈折
率の膜が得られないことがあり、又光重合性有機化合物
が少ないと、得られる膜の硬度が低下することがあるの
で、重量比で15〜95:85〜5が好ましい。
【0025】更に、光硬化性樹脂組成物(B)には、光
重合開始剤が含有されているが、該光重合開始剤として
は、光照射によって上記光重合性有機化合物のラジカル
重合反応を開始させることができるものであれば、特に
限定されず、例えば、ジアセチル、1−ヒドロキシシク
ロヘキシルフェニルケトン、ベンジルメチルケタール、
p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジメ
チルアミノ安息香酸イソアミルエステル等が挙げられ
る。
【0026】該光重合開始剤の含有量は、多いと、得ら
れる膜の透明性が低下することがあり、又、少ないと、
光重合性有機化合物のラジカル重合が開始しないことが
あるので、光重合性有機化合物100重量部に対して、
0.3〜3重量部が好ましい。
【0027】光硬化性樹脂組成物(B)は、上記金属ア
ルコキシド、光重合性有機化合物及び光重合開始剤を含
有するが、後述する塗布過程において、これらだけで
は、基材に塗布する際、粘度が高すぎるために、均一に
しかも薄く塗布することができない場合が生ずる。この
ような場合には、必要に応じて、溶媒が添加されて、塗
布に適した粘度に調節される。
【0028】このような溶媒としては、上記成分を溶解
するものであれば、特に限定されず、例えば、ヘキサ
ン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒;エチルアルコ
ール、イソプロピルアルコール、エトキシエチルアルコ
ール等のアルコール系溶媒;メチルエチルケトン等のケ
トン系溶媒;酢酸エチル等のエステル系溶媒;トルエ
ン、キシレン等の芳香族系溶媒等が挙げられ、これらは
単独で用いられても、互いに溶解しうるもの同士が併用
されてもよい。該溶媒の添加量は、金属アルコキシド及
び光重合性有機化合物の総添加量100重量部に対し
て、通常、100〜20000重量部とされる。
【0029】光硬化性樹脂組成物(B)は、光重合性有
機化合物が重合することにより硬化し高硬度の膜を形成
するが、該膜だけでは硬度が不十分な場合がある。この
ような場合は、金属アルコキシドを加水分解し、(−O
−M−O−)結合を形成させて、得られる膜の硬度を向
上させてもよい。
【0030】上記金属アルコキシドを加水分解するため
に水及び酸が添加される。該酸としては、金属アルコキ
シドを加水分解できれば、特に限定されず、例えば、塩
酸、硝酸、リン酸、酢酸等が挙げられ、その添加する際
の濃度は、金属アルコキシドの種類によって異なるもの
の、通常、0.01〜7Nの範囲で添加される。又、水
は金属アルコキシド1モルに対して通常0.01〜4モ
ル添加される。なお、上記光硬化性樹脂組成物(B)に
は、物性を損なわない範囲内で、増感剤や架橋剤等が添
加されてもよい。
【0031】そして、上記光硬化性樹脂組成物(B)の
調製方法は、特に限定されず、汎用の攪拌機を用いて、
上記金属アルコキシド、光重合性有機化合物及び光重合
開始剤、更に必要に応じて、溶媒、水及び酸を攪拌する
といった簡便な手段で達成できる。
【0032】次に、上記高屈折率層に積層される低屈折
率層について説明する。低屈折率層は、高屈折率層の屈
折率よりも0.1以上低い屈折率を有している必要があ
り、これは該範囲外となると、得られる低反射性積層体
の反射率が上昇するためである。
【0033】このような低屈折率層を形成する光硬化性
樹脂組成物(C)としては、光照射により硬化して上記
屈折率を有する透明性に優れた薄膜を形成するものであ
れば、特に限定されず、例えば、高屈折率を構成すると
同様の上記光硬化性樹脂組成物や上記光重合性有機化合
物及び光重合開始剤からなる光硬化性樹脂組成物等が挙
げられる。
【0034】そして、低屈折率層を構成する光硬化性樹
脂組成物(C)として、高屈折率層を構成する光硬化性
樹脂組成物(B)と同様のものを用いる場合は、次のよ
うな方法で選択されればよい。
【0035】即ち、光硬化性樹脂組成物(B)(C)を
硬化させて得られる膜の屈折率は、金属アルコキシドと
光重合性有機化合物の組み合わせで決定されるので、上
下層を構成する光硬化性樹脂組成物に含有される金属ア
ルコキシドと光重合性有機化合物との組み合わせを適宜
選択し、低屈折率層の屈折率が高屈折率層の屈折率より
も低くなるようにしてやればよい。
【0036】又、低屈折率層に防汚性を付与するため
に、−CF3 基を有する光硬化性有機化合物が添加され
てもよく、該光硬化性有機化合物としては、低反射性積
層体の光学特性を損なわないものであれば、特に限定さ
れず、例えば、トリフロロメチルメタクリレート、2,2,
3,3,3-ペンタフロロプロピルメタクリレート、2,2,3,4,
4,4-ヘキサフロロブチルメタクリレート等のフロロアル
キル基を有するアクリルモノマー等が挙げられる。
【0037】該光硬化性有機化合物の添加量は、多い
と、得られる低反射性積層体の表示情報の視認性が低下
し、又少ないと、防汚効果が発揮されないので、光硬化
性樹脂組成物(C)中、0.01〜10重量%が好まし
い。
【0038】ここで、上記では防汚性を付与するため
に、低屈折率層に光硬化性有機化合物を添加したが、そ
の代わりに低屈折率層上に更にフッ素を含有する防汚層
を積層してもよい。
【0039】このような防汚層を構成するものとして
は、低反射性積層体の光学特性を損なわないものであれ
ば、特に限定されず、例えば、2−パーフロロオクチル
エチルトリアミノシラン等のフロロアルキル基を有する
シランカップリング剤等が挙げられ、アミノ基を有する
ものが硬化性及び取り扱いの点から好ましい。
【0040】次に、低反射性積層体の製造方法について
説明する。先ず、上記基材に光硬化性樹脂組成物(A)
を塗布し、必要に応じて乾燥後、光照射により光硬化性
樹脂組成物(A)を硬化させる。
【0041】上記光硬化性樹脂組成物(A)を基材上に
塗布する方法は、特に限定されず、汎用の方法が採用さ
れ、ロールコート法、スピンコート法、ディップコート
法、スプレーコート法、フローコート法、刷毛による塗
布方法等が挙げられ、ロールコート法、スピン法、ディ
ップ法が好ましく、基材がフィルムからなる場合は、ロ
ールコート法中のマイクログラビア塗工法が好ましい。
なお、基材が合成樹脂からなる場合には、基材と上記光
硬化性樹脂組成物(A)との密着性を改善するために、
該光硬化性樹脂組成物(A)の塗布前に基材表面に必要
に応じてコロナ処理を施しておいてもよい。なお、基材
上に塗布される光硬化性樹脂組成物(A)の塗布厚み
は、硬化して得られるハードコート層の厚みが1〜10
μmとなるように調整される。又、次に説明する光照射
の前に、基材及び光硬化性樹脂組成物(A)の物性が損
なわれない範囲で加熱し、該光硬化性樹脂組成物(A)
を乾燥させておいてもよい。
【0042】このようにして得られた光硬化性樹脂組成
物(A)が積層された基材の該光硬化性樹脂組成物
(A)に光を照射し、光硬化性樹脂組成物(A)を硬化
させ、表面に高硬度の透明性に優れた薄膜が積層された
積層体を得る。
【0043】上記光は、ラジカルを発生させるものであ
れば、特に限定されず、紫外線等の光が挙げられ、その
照射量も光硬化性樹脂組成物(A)の種類に応じて、適
宜調節される。なお、紫外線を照射する装置としては、
特に限定されず、例えば、高圧水銀灯、メタルハライド
ランプ等が挙げられる。そして、上記と同様の方法を各
層について繰り返し、該ハードコート層上に更に高屈折
率層及び低屈折率層、必要に応じて防汚層を積層させ本
発明の低反射性積層体を得る。
【0044】ここで、ハードコート層、高屈折率層及び
低屈折率層を形成する光硬化性樹脂組成物は全て短時間
の光照射によって硬化し透明な薄膜を形成するので、下
層を積層した後それ程時間をおくことなく、直ちにその
上に次の層を積層することができ、基材上に上記三層を
連続的に積層することが可能である。
【0045】次に、基材上に三層を連続的に積層する方
法を図1を参照しながら説明する。図1は、低反射性積
層体を連続的に一工程で製造する製造装置を示したもの
である。2は巻回状態の基材1を連続的に巻き出す巻き
出し機であり、3、4、5は、順にその下流に設けられ
た光硬化性樹脂組成物(A)、(B)及び(C)を塗布
するマイクログラビア塗工機であり、9〜12は、巻き
出された基材1を次の工程へ導くガイドロールであり、
15、16、17は、マイクログラビア塗工機3〜5に
よって塗布された光硬化性樹脂組成物をそれぞれ硬化す
るための光を照射する光照射装置であり、8は、得られ
た低反射性積層体を巻き取るための巻き取り機8であ
る。更に、防汚層を積層する場合には、光照射装置17
と巻き取り機との間に、防汚層を形成する塗液を塗布す
るマイクログラビア塗工機6及び該塗液を乾燥させる乾
燥炉7並びに基材1を次の装置へ導くガイドロール1
3、14が配置される。
【0046】先ず、巻き出し機2から巻回状態の可撓性
基材1を連続的に巻き出す。次に、巻き出された基材1
を、ガイドロール9によって、先ず光硬化性樹脂組成物
(A)を塗布するマイクログラビア塗工機3に供給し、
基材1上に光硬化性樹脂組成物(A)を塗布する。次
に、連続的に光照射装置15によって該光硬化性樹脂組
成物(A)に光を照射し硬化させ、ハードコート層を形
成させる。更に、ハードコート層が形成された基材1は
連続的にガイドロール10によって、光硬化性樹脂組成
物(B)を塗布するマイクログラビア塗工装置4に導か
れ、光硬化性樹脂組成物(B)が塗布された後、同様に
光照射装置16によって該光硬化性樹脂組成物(B)に
光を照射し硬化させ、高屈折率層を形成させる。そし
て、マイクログラビア塗工装置5及び光照射装置17に
よって上記と同様にして連続的に低屈折率層を形成さ
せ、得られた低反射性積層体は巻き取り機8により巻き
取られる。なお、低屈折率層上に防汚層を積層する場合
には、必要に応じて配置されたマイクログラビア塗工装
置6及び乾燥炉7により防汚層を形成する塗液を連続し
て塗布し乾燥させ、防汚層を積層させる。
【0047】上記の如く、マイクログラビア塗工装置3
〜5及び光照射装置15〜17を連続して配置すること
で、一工程で低反射性積層体を効率よく製造することが
できる。
【0048】最後に、上記の如くして得られた低反射性
積層体は、表面に低反射処理が施されてなるので、様々
な光学用途に利用される。即ち、該低反射性積層体の裏
面に接着剤層を設け、液晶ディスプレイ、プラズマディ
スプレイ、ELディスプレイ、プロジェクトテレビ等の
ディスプレイ面;窓、陳列用ケース、額、時計、計器類
の表面窓;眼鏡レンズ;ゴーグル;鏡等に貼り合わせる
ことにより、視認性に優れたものを得ることができる。
【0049】
【実施例】先ず、ハードコート層、高屈折率層及び低屈
折率層を形成する光硬化性樹脂組成物をそれぞれ、下記
に示す方法で調製した。 〔光硬化性樹脂組成物(A)〕アクリル系ハードコート
剤(日本化薬社製 商品名:POP−052A)500
重量部に、アンチモンがドープされた酸化錫粉末10重
量部及び高分子分散剤(ライオン社製 商品名:A10
0)0.5重量部を添加し、25kHzの超音波ホモジ
ナイザーを用いて、1000Wの出力で5分間分散させ
て、ハードコート層を形成する、導電性を有する光硬化
性樹脂組成物(A)を得た。
【0050】〔光硬化性樹脂組成物(B)〕チタニウム
テトラブトキシド150重量部をイソプロピルアルコー
ル500重量部に溶解させたものに、攪拌しながら、更
に1Nの塩酸8mlを添加し、25℃で2時間攪拌し、
第一液を得た。ジペンタエリスリトールヘキサアクリレ
ート75重量部をトルエン75重量部に溶解させて得ら
れた第二液を上記第一液に添加した。更に、この溶液
に、トルエン3700重量部及び1−ヒドロキシシクロ
ヘキシルフェニルケトン1.5重量部を添加し、高屈折
率層を形成する光硬化性樹脂組成物(B)を得た。
【0051】〔光硬化性樹脂組成物(C)−1〕ペンタ
エリスリトールヘキサアクリレート75重量部をトルエ
ン1425重量部に溶解させ、更にこれに1−ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトンを1.5重量部を添加
し、攪拌し、低屈折率層を構成する光硬化性樹脂組成物
(C)−1を得た。
【0052】〔光硬化性樹脂組成物(C)−2〕ペンタ
エリスリトールヘキサアクリレート63重量部、2,2,3,
3,3-ペンタフロロプロピルメタクリレート12重量部を
トルエン1425重量部に溶解して、更にこれに1−ヒ
ドロキシシクロヘキシルフェニルケトン1.5重量部を
添加し、攪拌し、低屈折率層を形成する光硬化性樹脂組
成物(C)−2を得た。
【0053】上記の如くして得られた光硬化性樹脂組成
物を用いて、以下に示すよう低反射性積層体を得た。 (実施例1)厚さ1mmのアクリル板(三菱レイヨン社
製 商品名:アクリライト、屈折率1.49)の一面
に、ハードコート剤(日本化薬社製 商品名:POP−
052A)をスピンコーターで700rpm、60秒の
条件で塗工し、乾燥後、160W/cmの高圧水銀灯を
用いて、照射距離100mmの条件で15秒間紫外線を
照射し、光硬化性樹脂組成物(A)を硬化させ、基材の
一面に厚さ3.5μmのハードコート層が積層された積
層体を得た。ここで、ハードコート層の屈折率を以下に
示す方法で測定し、その結果を表1に示した。
【0054】次に、得られたハードコート層上に、上記
光硬化性樹脂組成物(B)をスピンコーターで400r
pm、30秒の条件で塗工し、乾燥後、160W/cm
の高圧水銀灯を用いて、照射距離100mmの条件で1
0秒間紫外線を照射し、光硬化性樹脂組成物(B)を硬
化させ、更に厚さ0.08μmの高屈折率層が積層され
た積層体を得た。ここで、高屈折率層の屈折率を以下に
示す方法で測定し、その結果を表1に示した。
【0055】更に、得られた高屈折率層上に、上記光硬
化性樹脂組成物(C)−1をスピンコーターで380r
pm、30秒の条件で塗工し、乾燥後、160W/cm
の高圧水銀灯を用いて、照射距離100mmの条件で1
0秒間紫外線を照射し、光硬化性樹脂組成物(C)−1
を硬化させ、更に厚さ0.09μmの低屈折率層が積層
された積層体を得た。ここで、低屈折率層の屈折率を以
下に示す方法で測定し、その結果を表1に示した。
【0056】最後に、得られた低屈折率層上に、2−パ
ーフロロオクチルエチルトリアミノシランを1,3−ビ
ス(トリフロロメチル)ベンゼンで0.5重量%に希釈
したものを、スピンコーターで500rpm、30秒の
条件で塗工し乾燥させて防汚層を積層し、低反射性積層
体を得た。
【0057】得られた低反射性積層体の反射率、硬度及
び対水接触角を以下に示す方法で測定し、その結果を表
1に示した。なお、表面に付着した指紋は、眼鏡用クリ
ーニングクロスで容易に拭き取ることができた。
【0058】(屈折率)エリプソメーター(溝尻光学工
業所社製 商品名:DVA−36P)を用いて測定し
た。
【0059】(硬度)スチールウール#0000によっ
て、低反射性積層体表面を押圧力250g/cm2 で1
0回擦りその表面を目視観察した。
【0060】(反射率)分光光度計(島津製作所社製
商品名:UV−3101PC)を用いて、入射光波長5
50nmにおける反射率を測定した。
【0061】(対水接触角)接触角計(協和界面化学社
製 商品名:CA−DT)を用いて測定した。
【0062】(実施例2)低屈折率層を形成する光硬化
性樹脂組成物として、上記光硬化性樹脂組成物(C)−
2を用い、スピンコーターでの該光硬化性樹脂組成物
(C)−2の塗布条件を380rpm、30秒とした以
外は、実施例1と同様の方法で低反射性積層体を得た。
ここで、低屈折率層の屈折率を、実施例1と同様の方法
で測定し、その結果を表1に示した。更に、得られた低
反射性積層体の反射率、硬度及び対水接触角を実施例1
と同様の方法で測定し、その結果を表1に示した。な
お、表面に付着した指紋は、眼鏡用クリーニングクロス
で容易に拭き取ることができた。
【0063】(実施例3)ハードコート層を形成する光
硬化性樹脂組成物として、マット剤として粒径1μmの
シリカが添加された、アンチグレア機能が付与されたア
クリル系ハードコート剤(大日精化社製 商品名EXF
−26B)を用い、スピンコーターの該ハードコート剤
の塗布条件を500rpm、60秒、紫外線の照射時間
を30秒とした以外は、実施例1と同様の方法で低反射
性積層体を得た。ここで、ハードコート層の屈折率を、
実施例1と同様の方法で測定し、その結果を表1に示し
た。又、ハードコート層の厚みは、5.0μmであり、
曇価を測定したところ7であった。更に、得られた低反
射性積層体の反射率、硬度及び対水接触角を実施例1と
同様の方法で測定し、その結果を表1に示した。なお、
表面に付着した指紋は、眼鏡用クリーニングクロスで容
易に拭き取ることができた。
【0064】(実施例4)ハードコート層を形成する光
硬化性樹脂組成物として、上記光硬化性樹脂組成物
(A)を用い、スピンコーターの該光硬化性樹脂組成物
(A)の塗布条件を500rpm、60秒、紫外線の照
射時間を30秒とした以外は、実施例1と同様の方法で
低反射性積層体を得た。ここで、ハードコート層の屈折
率を、実施例1と同様の方法で測定し、その結果を表1
に示した。又、該ハードコート層の厚みは、5.0μm
であり、ハードコート層の表面抵抗は109 Ω/cmで
あった。更に、得られた低反射性積層体の反射率、硬度
及び対水接触角を実施例1と同様の方法で測定し、その
結果を表1に示した。なお、表面に付着した指紋は、眼
鏡用クリーニングクロスで容易に拭き取ることができ
た。
【0065】(実施例5)図1に示した製造装置を用い
て低反射性積層体を得た。巻き出し機2から巻回状態の
ポリエステルフィルム(帝人社製 商品名:テトロン、
屈折率:1.52)を速度5m/minで巻き出し、こ
れをマイクログラビア塗工装置3に供給し、ポリエステ
ルフィルム上にハードコート剤(日本化薬社製 商品
名:POP−052A)を、マイクログラビア線数18
0本/インチ及び回転数80rpmの条件で塗布後、光
照射装置15として160W/cmの高圧水銀灯を用い
て、該ハードコート剤に照射距離100mmで15秒間
紫外線を照射し、ハードコート剤を硬化させて厚み4.
0μmのハードコート層が積層された積層体を得た。
【0066】次に、連続させて、マイクログラビア塗工
装置4に供給し、上記光硬化性樹脂組成物(B)を、上
記ハードコート層上に、マイクログラビア線数120本
/インチ及び回転数45rpmの条件で塗布後、光照射
装置16として160W/cmの高圧水銀灯を用いて、
該光硬化性樹脂組成物(B)に照射距離100mmで1
0秒間紫外線を照射し、該光硬化性樹脂組成物(B)を
硬化させ、ハードコート層上に、更に高屈折率層が積層
された積層体を得た。
【0067】更に、連続させて、マイクログラビア塗工
装置5に供給し、上記光硬化性樹脂組成物(C)−1
を、上記高屈折率層上に、マイクログラビア線数180
本/インチ及び回転数80rpmの条件で塗布後、光照
射装置17として160W/cmの高圧水銀灯を用い
て、該光硬化性樹脂組成物(C)−1に照射距離100
mmで10秒間紫外線を照射し、該光硬化性樹脂組成物
(C)−1を硬化させ、高屈折率層上に、更に低屈折率
層が積層された積層体を得た。
【0068】最後に、連続させて、マイクログラビア塗
工装置6に供給し、2−パーフロロオクチルエチルトリ
アミノシランを1,3−ビス(トリフロロメチル)ベン
ゼンで0.5重量%に希釈した塗液を、上記低屈折率層
上に、マイクログラビア線数180本/インチ及び回転
数72rpmの条件で塗布後、100℃に保持された全
長2mの乾燥炉7内を通過させることで塗液を乾燥さ
せ、防汚層が積層された低反射性積層体を得た。得られ
た低反射性積層体の反射率、硬度及び対水接触角を実施
例1と同様の方法で測定し、その結果を表1に示した。
又、表面に付着した指紋は、眼鏡用クリーニングクロス
で容易に拭き取ることができた。
【0069】なお、上記基材層、高屈折率層及び低屈折
率層の屈折率は、実施例1に準じた方法によって上記と
同様の材料を用いて上記で得られたと同一の低反射性積
層体を別途製造し、該低反射性積層体により実施例1に
示した方法により夫々の屈折率を測定し屈折率とした。
【0070】(実施例6)図1において、マイクログラ
ビア塗工装置6、乾燥炉7及びガイドロール7、8を配
置せず、ガイドロール12の次に巻き取り機8を配置し
た製造装置を用い、ハードコート剤のマイクログラビア
塗工条件をマイクログラビア線数180本/インチ及び
回転数68rpmとし、上記光硬化性樹脂組成物(B)
のマイクログラビア塗工条件をマイクログラビア線数1
20本/インチ及び回転数45rpmとし、光硬化性樹
脂組成物(C)−1の代わりに上記光硬化性樹脂組成物
(C)−2を用い、防汚層を積層しなかったこと以外は
実施例5と同様にして低反射性積層体を得た。なお、ハ
ードコート層、高屈折率層及び低屈折率層の屈折率を実
施例1と同様の方法で測定し、その結果を表1に示し
た。更に、得られた低反射性積層体の反射率、硬度及び
対水接触角を実施例1と同様の方法で測定し、その結果
を表1に示した。又ハードコート層の厚みは、4.0μ
mであった。なお、表面に付着した指紋は、眼鏡用クリ
ーニングクロスで容易に拭き取ることができた。
【0071】
【表1】
【0072】
【発明の効果】本発明の低反射性積層体は、基材の一面
に、ハードコート層、高屈折率層及び低屈折率層がこの
順に積層されてなる低反射性積層体において、該ハード
コート層、高屈折率層及び低屈折率層は共に光硬化性樹
脂組成物を硬化させて得られるものであると共に、上記
ハードコート層は厚さが1〜10μmであり且つ基材の
屈折率との差が0.05以下の屈折率を有し、上記高屈
折率層はハードコート層の屈折率より0.1以上高い屈
折率を有し、更に、上記低屈折率層は高屈折率層の屈折
率よりも0.1以上低い屈折率を有することを特徴とす
るので、各層は光の照射といった低温且つ短時間の処理
によって透明性に優れた薄膜を形成することができ、膜
の硬化処理に伴う熱が原因で生ずる基材の歪みや変形等
がないので、優れた寸法精度を有する低反射性積層体を
得ることができるとともに、耐熱性に劣る基材にも使用
できるので、幅広い基材の選択が可能となる。
【0073】又、ハードコート層、高屈折率層及び低屈
折率層を形成する各光硬化性樹脂組成物は、光照射によ
り短時間で高硬度且つ透明性に優れた薄膜を形成するの
で、各光硬化性樹脂組成物の塗布をマイクログラビア塗
工装置を用いれば、下層を積層した後、連続して上層を
形成する塗液を塗布、硬化させることができ、一工程で
各層を積層することができ、効率的に低反射性積層体を
得ることができる。
【0074】最後に、この低反射性積層体を液晶ディス
プレイ等に積層すると、外部からの映り込みの少ない視
認性に優れた情報表示機器部材を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の低反射性積層体の製造装置を示した模
式断面図である。
【符号の説明】
1 基材 3〜5 マイクログラビア塗工装置 15〜17 光照射装置

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の一面に、ハードコート層、高屈折
    率層及び低屈折率層がこの順に積層されてなる低反射性
    積層体において、該ハードコート層、高屈折率層及び低
    屈折率層は共に光硬化性樹脂組成物を硬化させて得られ
    るものであると共に、上記ハードコート層は厚さが1〜
    10μmであり且つ基材の屈折率との差が0.05以下
    の屈折率を有し、上記高屈折率層はハードコート層の屈
    折率より0.1以上高い屈折率を有し、更に、上記低屈
    折率層は高屈折率層の屈折率よりも0.1以上低い屈折
    率を有することを特徴とする低反射性積層体。
  2. 【請求項2】 上記低屈折率層には、−CF3 基を有す
    る光硬化性有機化合物が添加されていることを特徴とす
    る請求項1に記載の低反射性積層体。
  3. 【請求項3】 上記低屈折率層上に、フッ素を含有する
    防汚層が積層されてなることを特徴とする請求項1に記
    載の低反射性積層体。
  4. 【請求項4】 偏光板の一面に、請求項1乃至3のいず
    れかに記載のハードコート層、高屈折率層及び低屈折率
    層、又はハードコート層、高屈折率層、低屈折率層及び
    防汚層がこの順に直接若しくは間接に積層されてなる光
    学素子。
  5. 【請求項5】 表示面の一面に、請求項1乃至3のいず
    れかに記載のハードコート層、高屈折率層及び低屈折率
    層、又はハードコート層、高屈折率層、低屈折率層及び
    防汚層がこの順に直接若しくは間接に積層されてなるデ
    ィスプレイ。
  6. 【請求項6】 基材の一面に、厚さが1〜10μmであ
    り且つ基材の屈折率との差が0.05以下の屈折率を有
    するハードコート層を形成する光硬化性樹脂組成物
    (A)を塗布し、光照射により該光硬化性樹脂組成物
    (A)を硬化させた後、該ハードコート層上に、ハード
    コート層の屈折率より0.1以上高い屈折率を有する高
    屈折率層を形成する光硬化性樹脂組成物(B)を塗布
    し、光照射により該光硬化性樹脂組成物(B)を硬化さ
    せ、更に、該高屈折率層上に、高屈折率層の屈折率より
    も0.1以上低い屈折率を有する低屈折率層を形成する
    光硬化性樹脂組成物(C)を塗布し、光照射により該光
    硬化性樹脂組成物(C)を硬化させることを特徴とする
    低反射性積層体の製造方法。
  7. 【請求項7】 基材を連続的に巻き出し、該巻き出され
    た基材の一面に、厚さが1〜10μmであり且つ基材の
    屈折率との差が0.05以下の屈折率を有するハードコ
    ート層を形成する光硬化性樹脂組成物(A)をマイクロ
    グラビア塗工法により塗布し、光照射により該光硬化性
    樹脂組成物(A)を硬化させた後、連続させて該ハード
    コート層上に、ハードコート層の屈折率より0.1以上
    高い屈折率を有する高屈折率層を形成する光硬化性樹脂
    組成物(B)をマイクログラビア塗工法により塗布し、
    光照射により該光硬化性樹脂組成物(B)を硬化させ、
    更に連続させて該高屈折率層上に、高屈折率層の屈折率
    よりも0.1以上低い屈折率を有する低屈折率層を形成
    する光硬化性樹脂組成物(C)をマイクログラビア塗工
    法により塗布し、光照射により該光硬化性樹脂組成物
    (C)を硬化させることを特徴とする低反射性積層体の
    製造方法。
JP8338516A 1996-12-18 1996-12-18 低反射性積層体、光学素子、ディスプレイ及び低反射性積層体の製造方法 Pending JPH10177101A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8338516A JPH10177101A (ja) 1996-12-18 1996-12-18 低反射性積層体、光学素子、ディスプレイ及び低反射性積層体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8338516A JPH10177101A (ja) 1996-12-18 1996-12-18 低反射性積層体、光学素子、ディスプレイ及び低反射性積層体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10177101A true JPH10177101A (ja) 1998-06-30

Family

ID=18318903

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8338516A Pending JPH10177101A (ja) 1996-12-18 1996-12-18 低反射性積層体、光学素子、ディスプレイ及び低反射性積層体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10177101A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001183653A (ja) * 1999-12-22 2001-07-06 Sumitomo Chem Co Ltd 投射型液晶表示装置
JP2002341103A (ja) * 2001-05-18 2002-11-27 Lintec Corp 光学用フィルム
WO2006027859A1 (ja) * 2004-09-07 2006-03-16 Teijin Limited 透明導電性積層体及び透明タッチパネル
WO2006043486A1 (ja) * 2004-10-20 2006-04-27 Nof Corporation 減反射積層フィルム及びそれを用いた表示装置
JP5262722B2 (ja) * 2006-11-14 2013-08-14 日産化学工業株式会社 低屈折率被膜形成用塗布液、その製造方法及び反射防止材

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001183653A (ja) * 1999-12-22 2001-07-06 Sumitomo Chem Co Ltd 投射型液晶表示装置
JP2002341103A (ja) * 2001-05-18 2002-11-27 Lintec Corp 光学用フィルム
WO2006027859A1 (ja) * 2004-09-07 2006-03-16 Teijin Limited 透明導電性積層体及び透明タッチパネル
WO2006043486A1 (ja) * 2004-10-20 2006-04-27 Nof Corporation 減反射積層フィルム及びそれを用いた表示装置
JP5262722B2 (ja) * 2006-11-14 2013-08-14 日産化学工業株式会社 低屈折率被膜形成用塗布液、その製造方法及び反射防止材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7824043B2 (en) Reflection preventing layered product and optical member
TWI258595B (en) Plastic films and image display devices
JP4362509B2 (ja) 反射防止フィルムおよびその製造方法
JP4724427B2 (ja) 塗布組成物、光学フィルム、反射防止フィルム、偏光板およびそれらを用いたディスプレイ装置
JP4404336B2 (ja) 反射防止積層体
JP2006110988A (ja) プラスチックフィルム及び画像表示装置
TW200903021A (en) Antireflection film, process for producing antireflection film, polarizing plate, and display device
US20060204671A1 (en) Method and apparatus for curing coated film and optical film
JP2006126799A (ja) 反射防止フィルムの製造方法、反射防止フィルム、それを用いた偏光板及びそれらを用いた画像表示装置
JP4404337B2 (ja) 反射防止積層体
JP2006122889A (ja) 塗布膜の製造方法、反射防止フィルム及びその製造方法、該フィルムを用いた偏光板、及びこれらを用いた画像表示装置
JP2006091859A (ja) 反射防止フィルム、並びにそれを用いた偏光板及び画像表示装置
JP4542663B2 (ja) 防眩性反射防止フィルム、偏光板および液晶表示装置
JP2005258120A (ja) 光学部品用硬化性樹脂組成物、光学部品及び画像表示装置
JP2007038447A (ja) 反射防止積層体、光学部材および液晶表示素子
JP2006233191A (ja) 塗布組成物、光学フィルム、反射防止フィルム、偏光板およびそれらを用いた画像表示装置
JP2002131507A (ja) 防眩性反射防止フィルムおよび偏光板
JP4953575B2 (ja) 塗布組成物、光学フィルム、偏光板及び画像表示装置
JP5210748B2 (ja) 防眩性反射防止フィルムの製造方法
JP2004126206A (ja) 反射防止ハードコートフィルム、偏光板、および画像表示装置
JPH10177101A (ja) 低反射性積層体、光学素子、ディスプレイ及び低反射性積層体の製造方法
JP2001100005A (ja) 防眩性反射防止フィルム、偏光板および画像表示装置
WO2014069160A1 (ja) 塗料、光学塗膜および光学素子
KR102257923B1 (ko) 반사 방지 필름, 편광판 및 디스플레이 장치
JP4204170B2 (ja) 防眩性反射防止フィルム、偏光板および液晶表示装置