JP6259533B2 - 易重合性物質の精製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、(メタ)アクリル酸等の易重合性物質を精製する方法に関するものであり、特に、湿式サイクロンによる分離工程を含むものである。
易重合性物質の製造では、目的とする易重合性物質とその他の不純物を含有する粗易重合性物質含有液から易重合性物質を該液中の不純物と分離するために、しばしば蒸留等の加熱による分離精製方法が採用される。しかし、易重合性物質は、加熱により重合する性質を有するため、易重合性物質から不純物を分離した後も、生成した重合物が分離後の易重合性物質含有液中に固形不溶物として存在する場合がある。このような固形不溶物を除去する手段としては、例えば、特許文献1に示すような、流体入口管と流体出口管とを有する胴体部と、該胴体部内に該流体入口と流体出口との間に配設された金網等からなる濾過部とを有する固形物除去装置がある。
特開2002−1017号公報 特開2001−293301号公報
しかし、特許文献1に開示されるような金網等による濾過方法では、堆積した固形不溶物により金網が目詰まりしやすく、目詰まりを解消するために定期的かつ頻繁に金網を清掃する必要があるため、作業が煩雑であった。また、化学工場等で取り扱う易重合性物質は、人体に有害である場合が多く、そのため清掃作業に従事する作業員は保護具の着用が必須であり、当該作業に伴う肉体的、精神的苦痛は大きいものであった。
この様な状況下、本発明は、金網の清掃回数を減らす等、作業の繁雑さを改善し、効率よく易重合性物質を精製する方法を提供することを課題として掲げた。
従来、易重合性物質を含む溶液が滞留する箇所においては、易重合性物質が重合することは不可避的なこととして理解されていた(特許文献2の段落0003等)。そのためこれまでの技術常識によれば、易重合性物質を含む溶液を、固形不溶物が詰まりやすい細い配管等に通すと、配管内で易重合性物質が滞留しやすくなり、滞留箇所では易重合性物質が重合してしまうことが懸念されていた。また蒸留塔から抜き出された直後の缶出液は高温であり、例えば、易重合性物質を含有する缶出液を高温の状態で取り扱うと、液が高温であるために重合物が生成しやすくなることから、従来は、細い配管径を有する機器や装置等は、易重合性物質を含む高温の缶出液等の処理には使用されてこなかった。
しかし、本発明者らは前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、細い配管径を有する湿式サイクロンを用いることで、上記従来の知見に反して、高温の缶出液中に含まれる固形不溶物を分離するとともに、清掃作業等の繁雑さを改善し、効率よく易重合性物質を精製することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明に係る易重合性物質の精製方法は、易重合性物質の精製方法であって、粗易重合性物質含有液を蒸留塔に導入し、前記蒸留塔の回収部から抜き出される缶出液を湿式サイクロンに導入して、第1精製易重合性物質含有液と固形不溶物含有液とに分離する第1分離工程を含むことを特徴とする。缶出液に含まれる固形不溶物の分離を湿式サイクロンで行うことにより、比較的粒径の大きな固形不溶物を効率よく除去することが可能となり、従来の濾過による固形不溶物の目詰りの問題を解消し、清掃の負荷を低減することができる。
湿式サイクロンでは粒径450μm以上の固形不溶物を分離し、粒径450μm以上の固形不溶物の除去率が90%以上であることが好ましい。また、湿式サイクロンに導入する際の缶出液の速度は0.1m・s-1以上2.0m・s-1以下であることが望ましい。更に、湿式サイクロンに導入される缶出液の温度は70℃より高く120℃未満であることが好ましい。加えて、固形不溶物含有液の流量は、単位時間あたり、缶出液の10%以下であることが望ましい。
また本発明は、前記固形不溶物含有液中に存在する固形不溶物の少なくとも一部を分離して第2精製易重合性物質含有液を得る第2分離工程を含むことが好ましい。湿式サイクロンを用いて分離した固形不溶物含有液を、更に第2分離工程に付すことにより、固形不溶物含有液中に残存する易重合性物質を効率よく回収することができる。
また本発明では、前記第2精製易重合性物質含有液を、前記蒸留塔に導入する循環工程を含むことがより好ましい。本構成により、第2精製易重合性物質含有液中に残存する易重合性物質をより効率よく回収することが可能となる。
更に本発明では、前記易重合性物質は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、またはメタクリル酸エステルであることがより好ましい態様である。
本発明によれば、蒸留塔の回収部から抜き出される缶出液を湿式サイクロンに導入して、第1精製易重合性物質含有液と固形不溶物含有液とに分離することで、分離装置の清掃回数を減らすことができるため、効率よく易重合性物質を精製することができる。また本方法は、清掃作業時に作業員が化学物質と接触する機会を低減できるため、精神面、安全面の観点から作業員にとって好ましい。さらに、第2分離工程後の第2精製易重合性物質含有液を蒸留塔に導入して循環させることで、易重合性物質のロスも低減できるため、易重合性物質の製造効率を向上させることができる。
図1は、本発明に係る易重合性物質の精製方法のフローを示す概略図である。 図2Aは、実施例で用いた湿式サイクロンの正面図を示す概略図である。 図2Bは、実施例で用いた湿式サイクロンの側面図を示す概略図である。
本発明に係る易重合性物質の精製方法は、粗易重合性物質含有液を蒸留塔に導入して、前記蒸留塔の回収部から抜き出される缶出液を湿式サイクロンに導入し、第1精製易重合性物質含有液と固形不溶物含有液とに分離する第1分離工程を含むことを特徴とする。湿式サイクロンには、ストレーナー等にあるような固形物を捕集するための網が存在しないため、長期間運転しても、目詰りすることがない。そのため、従来ではストレーナーの清掃に時間的・金銭的なコストをかけ、更には作業員へ高い負荷をかけていたところ、湿式サイクロンを導入することにより、これらの問題を解消することが可能となる。また湿式サイクロンを導入することにより、比較的粒径の大きな固形不溶物を高い除去率で分離することができる。なお、湿式サイクロンを導入した場合であっても、比較的粒子径の大きな固形不溶物の除去率はストレーナーと同等である。以下、本発明に係る易重合性物質の精製方法に関して、図面を参照しつつ具体的に説明するが、本発明はもとより図示例に限定される訳ではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
図1に、本発明に係る易重合性物質の精製方法のフローを示す。
本発明において、易重合性物質とは、温度、圧力、接触、攪拌等によって重合しうる重合性のモノマーをいう。このような易重合性物質としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸およびこれらエステル体が挙げられる。
上記不飽和カルボン酸とエステル体を構成することのできる水酸基含有化合物としては、例えば、炭素数1以上12以下の脂肪族アルコール又は脂環式アルコールが挙げられ、このような水酸基含有化合物としては、メタノール、エタノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、シクロペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、イソオクタノール、2−エチルヘキサノール、イソノニルアルコール、ラウリルアルコール等の一価アルコール;エチレングリコール、1,3−プロパンジオール等の多価アルコール;等を挙げることができ、これらは直鎖状のものであっても分岐を有するものであってもよい。また、これらは1種を単独で、または2種以上を併用して用いてもよい。
好ましい易重合性物質は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、またはメタクリル酸エステルであり、より好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルまたはメタクリル酸2−ヒドロキシプロピルであり、更に好ましくはアクリル酸またはメタクリル酸である。
また、粗易重合性物質含有液とは、易重合性物質及び不純物を含み、蒸留塔に導入される液体をいう。粗易重合性物質含有液としては、例えば、接触気相酸化反応で得られた(メタ)アクリル酸含有ガスを凝縮して得られる(メタ)アクリル酸含有溶液、接触気相酸化反応で得られた(メタ)アクリル酸含有ガスを溶剤〔例、水、有機酸含有水、高沸点の不活性疎水性有機液体(例えば、ジフェニルエーテル、ジフェニル等)〕で捕集して得られる(メタ)アクリル酸含有溶液、およびこれら(メタ)アクリル酸含有溶液を精製して得られる部分精製(メタ)アクリル酸等が挙げられる。より具体的には、捕集塔、凝縮塔、蒸留塔等の、塔底流又は塔側流等、さらにこれら塔底流又は塔側流を蒸留及び/又は結晶化工程で精製して得られる(メタ)アクリル酸含有溶液等である。易重合性物質がアクリル酸およびアクリル酸エステルの場合には、粗易重合性物質含有液には、アクリル酸、接触気相酸化反応により副生する成分(例えば、水、酢酸、マレイン酸、アルデヒド類、アクリル酸の重合物等)、及び上記のアクリル酸含有ガスを捕集するための溶剤等が含まれていてもよい。また易重合性物質がメタクリル酸およびメタクリル酸エステルの場合には、粗易重合性物質含有液には、メタクリル酸、接触気相酸化反応により副生する成分(例えば、メタクロレイン、酢酸等)、及び上記のメタクリル酸含有ガスを捕集するための溶剤等が含まれていてもよい。
粗易重合性物質含有液には、重合禁止剤が含まれていてもよい。重合禁止剤としては、
ハイドロキノン、メトキシハイドロキノン、メトキノン、クレゾール、フェノール、t−ブチルカテコール等のフェノール化合物;
ジフェニルアミン、p−フェニレンジアミン等の芳香族アミン類;
フェノチアジン、メチレンブルー等のフェノチアジン化合物;
ジアルキルジチオカルバミン酸銅(例えば、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅)及びサリチル酸銅、酢酸銅、ナフテン酸銅、アクリル酸銅、硫酸銅、硝酸銅、塩化銅等の銅塩化合物;
酢酸マンガン等のマンガン塩化合物;
4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル等のN−オキシル化合物;
N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンおよびそのアンモニウム塩や、p−ニトロソフェノール、N−ニトロソジフェニルアミン等のニトロソ化合物;
N−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等のピペリジン化合物;
尿素及び尿素誘導体等の尿素類;
チオ尿素及びチオ尿素誘導体等のチオ尿素類;
等を好適に用いることができる。上記の化合物は単独でも、あるいは2種類以上組み合わせて使用することもできる。これら重合禁止剤の添加方法は特に限定されず、例えば、固体又は粉体等の形で直接添加してもよいし、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、水、有機溶剤、等の適当な溶剤に溶解した形で添加してもよい。また、重合禁止剤は、各工程の原料液、還流液、捕集液等のプロセス液に溶解してもよい。
蒸留塔21の塔頂部には、低沸点不純物の取出口22及び還流液導入口23が存在し、塔底部には缶出液を排出するための缶出口26が存在し、塔頂部と塔底部の間の任意の位置には、粗易重合性物質含有液を供給するための導入配管を接続する処理液供給口25が存在する。該還流液導入口23は還流液導入管24に繋がっている。また本発明では、第2精製易重合性物質含有液を循環するための循環口27を設けることが好ましい。
前記蒸留塔は、単蒸留塔でもよいし、充填塔や泡鐘塔、多孔板塔等であってもよい。特に複数のシーブトレイを有する蒸留塔、あるいは、充填物を有する蒸留塔が好ましい。重合物の生成防止という観点からすると、多段の多孔板塔が望ましい。
また、蒸留塔においてはリボイラー31が用いられ、その形式については特に限定されるものではないが、多管式熱交換器を使用する場合においては、縦型多管式サーモサイホンリボイラー、縦型多管式液膜流下式多管式リボイラー、強制循環型リボイラー等が挙げられる。
蒸留塔の塔頂部からは、低沸点不純物が排出される。低沸点不純物とは、易重合性物質よりも沸点の低い不純物をいう。低沸点不純物としては、例えば、水、酢酸、アクロレイン、メタクロレイン等が挙げられる。
一方、蒸留塔の回収部からは低沸点不純物の一部又は全部が取り除かれた缶出液が抜き出される。本発明において「回収部」とは、蒸留塔の粗易重合性物質含有液を供給するための導入配管を接続する処理液供給口より下にある部分のことである。従って、図1の蒸留塔21において、粗易重合性物質含有液を供給するための導入配管を接続する処理液供給口25より下の部分が回収部に相当する。また、本発明において「缶出液」とは、蒸留塔の塔底部から排出される易重合性物質の重合物等の固形不溶物を含む液体であり、その他の成分として易重合性物質、及び粗易重合性物質含有液中の高沸点成分を含むものである。従って、図1において、蒸留塔21の回収部に接続された缶出口26より抜き出される液が缶出液に相当する。
また、本発明において「固形不溶物」とは、粗易重合性物質含有液に含まれる、不純物に起因した固形物及び/又は易重合性物質が重合して生成する重合物をいい、缶出液に対して不溶性のものをいう。前記重合物のうち重合度の低いものは缶出液に溶解する性質を有する場合がある。一方、重合度の高い重合物は缶出液に溶解しない不溶性の性質を示す不溶性重合物となる。また、固形不溶物には、これら易重合性物質の重合物が熱等により炭化した炭化物等の不溶成分も含まれる。蒸留塔から抜き出された缶出液は、後述する第1分離工程に移される。
1.第1分離工程
第1分離工程では、前記蒸留塔21の回収部から抜き出される缶出液を湿式サイクロン29に導入し、第1精製易重合性物質含有液と前記固形不溶物を含有する固形不溶物含有液とに分離する。固形不溶物である易重合性物質の重合物等は、蒸留塔の回収部から排出される缶出液に含まれる。本発明では、抜き出した缶出液から固形不溶物を分離する際に湿式サイクロンを用いることにより、従来のように缶出液をフィルターに通過させることなく固形不溶物を分離できるため、清掃に要する作業コスト・作業負荷を低減することができる。
本発明において湿式サイクロンとは、遠心力を利用して、固体粒子を懸濁状態で含む流体(以下、「粒子懸濁流体」ともいう)中から固体粒子を分離する装置である。図2A及び図2Bに、本発明で好ましく用いられる湿式サイクロンの代表例を概略図として示す。なお、本発明において使用することのできる湿式サイクロンとしては、図示した形式のものに限定されない。
湿式サイクロンは、粒子懸濁流体を導入する導入部2、円筒状の出入り部3、前記出入り部3の下部に隣接するホッパ部4、及び前記出入り部3の上部に隣接する排出部5から構成されている。本発明では、前記粒子懸濁流体は特に缶出液である。缶出液は導入部2を通じて出入り部3に対し接線方向に導入され、円筒状の出入り部3において高速の旋回流となる。比重の大きな重合物等の固形不溶物は、遠心力によって出入り部3の壁面に衝突した後、ホッパ部4内を重力方向に沈降して湿式サイクロンの下部に固形不溶物含有液として分離される。なお本発明において「固形不溶物含有液」とは、湿式サイクロンで分離された液体であって、粒径の大きな固形不溶物を高濃度で含むものをいう。詳細については後述するが、前記固形不溶物含有液には、缶出液中の固形不溶物の大部分が含まれていることが好ましく、特に、粒径が450μm以上の固形不溶物が高濃度で含まれていることが好ましい。
一方、前記出入り部3の中心部には上昇流が発生しており、比較的小粒径で比重の小さな重合物等の固形不溶物は、この上昇流に乗って排出部5に移動する。このように、湿式サイクロンを用いれば、遠心力によって重合物等の固形不溶物を比重に応じて分離することができる。すなわち、固形不溶物、特に重合物の粒径が大きくなるほど重合物の質量も増すため、比較的大粒径の重合物は固形不溶物含有液に含まれるようになる。
そして前記湿式サイクロンの排出部5には上部排出口6が存在し、前記上部排出口6に上部排出管(図示しない)が接続されている。また湿式サイクロンのホッパ部4には下部排出口8が存在し、前記下部排出口8に下部排出管(図示しない)が接続されている。上部排出口6からは、第1分離工程後に取得される第1精製易重合性物質含有液が排出される。また固形不溶物含有液は、下部排出口8を通じて湿式サイクロンの外へ排出される。下部排出口8から排出する際には、ホッパ部4の下部に備えられたバルブ9を開栓すればよい。なお本発明において「第1精製易重合性物質含有液」とは、湿式サイクロンで分離された液体であって、湿式サイクロンの上部排出口から取得されるものをいう。なお、前記第1精製易重合性物質含有液には、固形不溶物が低濃度で含まれていてもよい。
導入部2は、円筒状の管であることが好ましい。具体的に、導入部2の管径aは40mm以上が好ましく、より好ましくは45mm以上であり、100mm以下が好ましく、80mm以下がより好ましい。なお、本願明細書において「管径」とは、管の内径及び直径を意味するものとする。
出入り部3も円筒状の管であることが好ましく、出入り部3の管径dは120mm以上が好ましく、より好ましくは150mm以上であり、300mm以下が好ましく、より好ましくは250mm以下である。出入り部3の長さhは50mm以上が好ましく、より好ましくは70mm以上であり、150mm以下が好ましく、120mm以下がより好ましい。
図2A及び図2Bにおいてホッパ部4は円筒状であるが、ホッパ部4の形状はこれに限定されず、例えば、円錐状であってもよい。またホッパ部4の構成を2段以上にしてもよい。ホッパ部4を2段構成とする場合には、出入り部3に隣接する上部ホッパ部と、下部排出口8に隣接する下部ホッパ部とを設けてもよく、前記上部ホッパ部を円筒状、前記下部ホッパ部を円錐状としてもよい。またホッパ部4を3段構成としてもよく、ホッパ部4を3段構成にする場合には、出入り部3に隣接する上部ホッパ部、下部排出口8に隣接する下部ホッパ部及び上部ホッパ部と下部ホッパ部との間に中間ホッパ部を設け、上部ホッパ部及び中間ホッパ部を円筒状、下部ホッパ部を円錐状としてもよい。
ホッパ部4の長さは、例えば、800mm以上が好ましく、820mm以上がより好ましく、1500mm以下が好ましく、1200mm以下がより好ましい。またホッパ部4の長さは、出入り部3の長さhに対し、2倍以上が好ましく、より好ましくは5倍以上であり、12倍以下が好ましく、より好ましくは10倍以下である。
またホッパ部4の管径は特に限定されるものではなく、円筒状又は円錐状のいずれも、最大径は50mm以上が好ましく、より好ましくは70mm以上であり、300mm以下が好ましく、200mm以下がより好ましい。ホッパ部4の最大径は、出入り部3の管径dに対し、0.3倍以上が好ましく、より好ましくは0.4倍以上であり、0.9倍以下が好ましく、より好ましくは0.7倍以下である。
また円錐状のホッパ部4は、出入り部3から下部排出口8に向けて、管径が小さくなることが好ましく、ホッパ部4の底部における管径は、例えば、好ましくは20mm以上200mm以下である。
また排出部5における上部排出口6の管径bは40mm以上が好ましく、より好ましくは50mm以上であり、120mm以下が好ましく、100mm以下がより好ましい。
湿式サイクロンの長さHは900mm以上が好ましく、より好ましくは1000mm以上であり、1800mm以下が好ましく、より好ましくは1700mm以下である。湿式サイクロンの長さHは、出入り部3の長さhに対し、2倍以上が好ましく、より好ましくは7倍以上であり、15倍以下が好ましく、より好ましくは13倍以下である。
缶出液を湿式サイクロンで処理することにより、缶出液から固形不溶物を効率良く除去することが可能となる。必要以上に細かな固形不溶物を分離しようとすると、湿式サイクロンに導入する缶出液の速度をより速くするために湿式サイクロンの形状をより細くする必要が生じる。しかし湿式サイクロンを細くすると、固形不溶物により内部が閉塞して易重合性物質が滞留しやすくなるため、滞留箇所で新たに重合が発生しやすくなる。一方で、第1精製易重合性物質含有液に粒径450μm以上の固形不溶物が多く含まれると、つづく精製工程等において、それに起因した新たな重合物の発生、もしくは配管・機器等の閉塞を誘発する虞がある。そのため、湿式サイクロンでは、比較的粒径の大きな固形不溶物を固形不溶物含有液として分離し、これにより、新たな固形不溶物の生成を抑制しながら、既に生成している固形不溶物を効率良く除去することが望ましい。このような理由から、湿式サイクロンでは、粒径450μm以上の固形不溶物を分離することが好ましく、粒径350μm以上の固形不溶物を分離することがより好ましい。また、粒径450μm以上の固形不溶物の除去率は、例えば、90%以上が好ましく、より好ましくは95%以上であり、更に好ましくは98%以上である。なお本発明において、「粒径450μm以上の固形不溶物の除去率」とは、固形不溶物含有液中の粒径450μm以上の固形不溶物の総重量/缶出液中の粒径450μm以上の固形不溶物の総重量、をいう。
なお固形不溶物の粒径は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置で測定することができる。
分離効率の観点から、湿式サイクロンに缶出液を導入する速度は0.1m・s-1以上が好ましく、より好ましくは0.3m・s-1以上であり、2.0m・s-1以下が好ましく、より好ましくは1.5m・s-1以下である。
また湿式サイクロンの圧力損失は、導入部2の断面積が大きいほど小さくなり、湿式サイクロンの長さHが長いほど大きくなる。本発明では、湿式サイクロンの圧力損失は1〜50kPaが好ましい。
湿式サイクロンは、缶出液の流れ方向の配管上に設置するとよい。蒸留塔の回収部より回収される缶出液の温度は、例えば、70℃より高く120℃未満であり、80℃以上110℃以下が好ましい。また蒸留塔の回収部より回収される缶出液は、湿式サイクロンに導入する前に一時的にタンク等の貯蔵装置に移送させてもよい。貯蔵装置では、通常、冷却操作等は行わないため、湿式サイクロンに導入される缶出液の温度は、蒸留塔より回収される缶出液の温度と同程度、すなわち、70℃より高く120℃未満、より好ましくは80℃以上110℃以下となる。また湿式サイクロンに缶出液を導入するために、蒸留塔と湿式サイクロンとを接続する配管の間には送液用ポンプ28が設けられていることが好ましい。
固形不溶物含有液は、湿式サイクロンの下部排出管を通じて連続的に排出されていてもよいし、湿式サイクロンの下部排出管に設置されたバルブを開閉することで断続的に排出されてもよい。後者の場合、湿式サイクロン下部に一時的に保持された固形不溶物に起因して易重合性物質の重合反応が進行する虞があり、場合によっては洗浄のために装置を停止する必要が生じ、アクリル酸のロスが増大し、精製効率が悪化する可能性がある。そのため本発明では、固形不溶物含有液は湿式サイクロンの下部排出管を通じて連続的に排出される前者態様が好ましい。その場合、下部排出管を通じて排出される固形不溶物含有液の流量は、単位時間あたり、缶出液の0.1%以上が好ましく、より好ましくは1%以上、更に好ましくは2%以上であり、10%以下が好ましく、より好ましくは5%以下である。
なお、第1精製易重合性物質含有液中の易重合性物質は、その後更に蒸留等の操作により精製して製品化してもよい。
2.第2分離工程
本発明では、第1分離工程の後に、更に前記固形不溶物含有液中に存在する易重合性物質の重合物等の固形不溶物の少なくとも一部を分離して第2精製易重合性物質含有液を得る第2分離工程を行うことが好ましい。固形不溶物含有液中の固形不溶物を除去することにより、固形不溶物含有液中に残存する易重合性物質を効率よく回収することができる。
第2分離工程で、固形不溶物含有液から重合物等の固形不溶物の少なくとも一部を分離する方法としては、固体と液体とを固液分離できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、重力沈降法、濾過法、サイクロン法等の固液分離手段30が挙げられ、これらの固液分離手段は複数を組み合わせて用いてもよい。中でも、運転コストが低く、固形不溶物によるフィルターの目詰まりの可能性がなく清掃作業も少なくて済むことから、第2分離工程には重力沈降法が好ましい。
前記重力沈降法を採用する場合は、重力沈降槽を使用するとよい。重力沈降槽は容量が30L以上であることが好ましく、より好ましくは40L以上であり、100L以下が好ましく、より好ましくは80L以下である。また、重力沈降槽の水平投影面積が0.03m2以上であることが好ましく、より好ましくは0.05m2以上であり、0.15m2以下が好ましく、より好ましくは0.1m2以下である。
重力沈降槽における固形不溶物含有液の滞留時間は、長くなると易重合性物質が重力沈降槽内で重合反応してしまう虞があるため、重合防止の観点から48時間以下が好ましく、より好ましくは20時間以下である。また、液体と固体の分離を十分に行うため、固形不溶物含有液の滞留時間は5時間以上が好ましく、より好ましくは10時間以上である。滞留時間が短すぎると、固形不溶物が十分に沈まず、固形不溶物の分離効率が低くなる虞がある。
また前記濾過法では、ストレーナー、ポールフィルター、金網等を用いるとよい。濾過法によれば、径の大きな固形不溶物のみを除去し、液体の大部分を回収できるため好ましい。また固形不溶物含有液は缶出液に対して量が少ないため、濾過法を採用しても、使用する金網等のサイズを小さくすることが可能となる。そのため、缶出液そのものを金網等で濾過する場合に比べ、洗浄時の負荷及び易重合性物質のロスを少なくすることができる。
濾過法におけるフィルターは網状構造体であることが好ましく、網状構造体の網目数は、好ましくは20メッシュ以上が好ましく、より好ましくは30メッシュ以上であり、60メッシュ以下が好ましく、より好ましくは50メッシュ以下である。
また網状構造体の目開きは、1mm以下が好ましく、より好ましくは0.8mm以下、更に好ましくは0.5mm以下であり、0.1mm以上が好ましく、より好ましくは0.2mm以上である。
更に網状構造体の開口率は、20%以上が好ましく、より好ましくは25%以上であり、更に好ましくは30%以上であり、65%以下が好ましく、より好ましくは60%以下、更に好ましくは55%以下である。
なお「網状構造体の網目数(単位:メッシュ)」は、1インチ(25.4mm)間における目数を表し、例えば、下記式(1)で求められる。
網目数(メッシュ)=25.4/(A+W) …(1)
また「網状構造体の開口率(単位:%)」は、例えば、下記式(2)で求められる。
開口率(%)={A/(A+W)}2×100 …(2)
(式(1)及び式(2)中、Aは目開き(mm)、Wは網状構造体の線径(mm)を表す。)
更に前記サイクロン法では、前述した湿式サイクロン等を用いるとよい。第2分離工程おいてサイクロン法を採用する場合には、サイクロン下部の排出弁は開いていても閉じていてもよい。
3.循環工程
また本発明では、前記第2精製易重合性物質含有液を、前記蒸留塔に導入する循環工程を実施することが好ましい。第2精製易重合性物質含有液には、易重合性物質や重合禁止剤が含まれているため、前記第2精製易重合性物質含有液を前記蒸留塔に導入することで易重合性物質のロスを低減できるとともに精製コストを下げることが可能となる。前記第2分離工程での固液分離方法が重力沈降法の場合は、上澄み液を蒸留塔に導入するとよい。また濾過法を採用する場合には、濾過後の濾液を蒸留塔に導入するとよい。
本願は、2014年12月3日に出願された日本国特許出願第2014−245161号に基づく優先権の利益を主張するものである。2014年12月3日に出願された日本国特許出願第2014−245161号の明細書の全内容が、本願に参考のため援用される。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1
蒸留塔として、内径2200mm、段数50段のステンレス製の無堰多孔板を内装した蒸留塔を用い、粗アクリル酸含有液の精留操作を実施した。前記蒸留塔の塔頂部には、低沸点不純物の取出口及び還流液導入口(該還流液導入口は還流液導入管に繋がっている)が存在し、塔底部には、缶出液を排出するための缶出口、及び第2精製易重合性物質含有液を循環するための循環口が存在し、塔頂部と塔底部の間の位置には、粗易重合性物質含有液を供給するための導入配管を接続する処理液供給口が存在する。また缶出液用の配管には、缶出液を一時的に貯蔵するためのタンク、送液用ポンプ、湿式サイクロンを配設した。また蒸留塔には、自然循環型で流体が管側を通過するリボイラー(縦型多管式)を配設した。蒸留塔の塔底部からは缶出液としてのアクリル酸含有液を抜き出し、その缶出液の流量が10,000kg/hとなるようにした。なお缶出液の温度は100℃であり、缶出液の密度は、約1000kg/m3であった。
缶出液は、一時的にタンクに貯蔵し、送液用ポンプにより湿式サイクロン(インダストリア社製「フィルスター(登録商標)」)に移送した。この時、湿式サイクロンに導入する缶出液の速度は、0.98m・s−1であった。湿式サイクロンの上部からは第1精製アクリル酸含有液を、湿式サイクロンの下部からは重合物等を含む固形不溶物含有液を取得した。本実施例では、固形不溶物含有液の排出量が300kg/hとなるように湿式サイクロンの下部排出口に設置されたバルブの開度を調節した。本実施例では、湿式サイクロンにより、缶出液に含まれる粒径450μm以上の固形不溶物の100%を、固形不溶物含有液に回収することができた。なお図2A及び図2Bに示す湿式サイクロンの寸法は、以下の通りであった。
・導入部2の管径a;60mm
・出入り部3の管径d;170mm、長さh;105mm
・ホッパ部4の形状;円筒状、管径D;95mm、長さ880mm
・排出部5の上部排出口6の管径b;60mm
・湿式サイクロンの長さH;1124mm
湿式サイクロン下部より排出される固形不溶物含有液は、別に用意した貯蔵用タンクに移送した。移送された固形不溶物含有液からは、必要に応じて、アクリル酸を回収した。
このような状態で運転を続けて年間8000時間稼働した。その間、湿式サイクロンの詰まり等は起こらず、洗浄は不要であった。8000時間の稼働におけるアクリル酸のロスの総量は約24トンであった。
実施例2
湿式サイクロンより排出される固形不溶物含有液を、40メッシュのストレーナーに通して固形不溶物を除去し、ストレーナーを通過した後の第2精製アクリル酸含有液を蒸留塔に返送した以外は、実施例1と同様の方法で運転を行った。
このような状態で運転を続けて年間8000時間稼働した。その間、湿式サイクロンの詰まり等は起こらず、洗浄は不要であった。また、固形不溶物含有液の送液ラインに配設したストレーナーの洗浄回数は333回/年であった。なお、8000時間の稼働におけるアクリル酸のロスの総量は約2トンであった。
実施例3
実施例2における固形不溶物含有液の送液ラインに配設したストレーナーを、容量50L、水平投影面積0.07m2の重力沈降槽に替えて、上澄み液を蒸留塔に返送するように調整した。前記重力沈降槽は2日に1回の頻度で第2精製アクリル酸含有液の入れ替えを行った。
このような状態で運転を続け年間8000時間稼働した。その間、湿式サイクロンの詰まり等は起こらず、洗浄は不要であった。また、重力沈降槽を導入したことにより重力沈降槽の洗浄も不要であった。なお、8000時間の稼働におけるアクリル酸のロスの総量は約1.8トンであった。
実施例4
実施例2において、固形不溶物含有液の排出量を湿式サイクロンの下部排出口のバルブ開度を調節して300kg/hから90kg/hに変更した以外は実施例1と同様の設備および条件にて運転を行った。その結果、運転開始から約2000、4000、6000時間後(計3回)に、湿式サイクロン下部出口部に重合物による詰まりを確認した。この重合物による詰まりを解消するために、ラインをバイパスに切り替え、湿式サイクロン下部出口部の洗浄を実施した後、再度ラインを元に戻した。8000時間の稼働におけるアクリル酸のロスの総量は約4.8トンであった。
比較例1
湿式サイクロンの代わりに40メッシュのストレーナーを設置したこと以外は実施例1と同様の設備を用いて運転を行い、年間8000時間稼働させたところ、該ストレーナーの洗浄回数は1024回/年であった。8000時間の稼働におけるアクリル酸のロスの総量は約25トンであった。
2 導入部
3 出入り部
4 ホッパ部
5 排出部
6 上部排出口
8 下部排出口
9 バルブ
21 蒸留塔
22 低沸点不純物の取出口
23 還流液導入口
24 還流液導入管
25 処理液供給口
26 缶出口
27 循環口
28 送液用ポンプ
29 湿式サイクロン
30 固液分離手段
31 リボイラー
32 凝縮器

Claims (8)

  1. 不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸のエステル体から選択される少なくとも1以上の易重合性物質の精製方法であって、
    粗易重合性物質含有液を蒸留塔に導入し、
    前記蒸留塔の回収部から抜き出される缶出液を湿式サイクロンに導入して、第1精製易重合性物質含有液と固形不溶物含有液とに分離する第1分離工程を含むことを特徴とする易重合性物質の精製方法。
  2. 湿式サイクロンでは粒径450μm以上の固形不溶物を分離し、
    粒径450μm以上の固形不溶物の除去率が90%以上である請求項1に記載の易重合性物質の精製方法。
  3. 湿式サイクロンに導入する際の缶出液の速度が0.1m・s-1以上2.0m・s-1以下である請求項1または2に記載の易重合性物質の精製方法。
  4. 湿式サイクロンに導入される缶出液の温度が70℃より高く120℃未満である請求項1〜3のいずれか1項に記載の易重合性物質の精製方法。
  5. 固形不溶物含有液の流量が、単位時間あたり、缶出液の10%以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の易重合性物質の精製方法。
  6. 前記固形不溶物含有液中に存在する固形不溶物の少なくとも一部を分離して第2精製易重合性物質含有液を得る第2分離工程を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の易重合性物質の精製方法。
  7. 前記第2精製易重合性物質含有液を、前記蒸留塔に導入する循環工程を含む請求項6に記載の易重合性物質の精製方法。
  8. 前記易重合性物質が、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、またはメタクリル酸エステルである請求項1〜7のいずれか1項に記載の易重合性物質の精製方法。
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