JP6257701B2 - 空気調和システム - Google Patents

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本発明は、湿度調節機能および冷暖房機能を備えた空気調和システムに関する。
従来の空調機器として、生体信号検知手段を備え、睡眠状態指標を算出し、その指標に応じた空調を行ったり、睡眠状態指標から得た睡眠状態情報をリモコンへ転送したりする手段を備えるものがある(例えば、特許文献1)。
特開2012−202659号公報
特許文献1に記載の空気調和装置は、睡眠状態の計測結果および空気調和装置の制御の記録などを表示する手段を備え、使用者に確認させることにしている。しかし、空気調和装置のリモコンは一般的に特定の情報を表示するには煩雑な操作が必要とされる。そのため、起床時に容易な操作で自己の睡眠状態の情報を入手することが難しく、特に、高齢者にとっては情報を確認するのが困難であった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、使用者が睡眠状態の情報を容易に確認することが可能な空気調和システムを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、空気調和システムの湿度調節機は、加湿動作または送風動作を行う加湿部と、使用者の睡眠情報である睡眠の深さを検出する活動状態検出部と、空気調和機に睡眠情報を送信する第1通信部と、睡眠情報に基づいて加湿部の動作を制御する第1制御部と、睡眠情報を表示する表示部と、を備える。また、空気調和システムの空気調和機は、冷房動作または暖房動作を行う空調部と、睡眠情報を受信する第2通信部と、睡眠情報に基づいて空調部の動作を制御する第2制御部と、を備える。空気調和システムは、活動状態検出部が使用者の起床を検出すると睡眠情報を表示部に表示する。
本発明によれば、使用者が睡眠状態の情報を容易に確認することができる、という効果を奏する。
実施の形態にかかる空気調和システムの構成例を示す図 実施の形態にかかる空気調和システムの使用例を示す図 人が睡眠を開始してから起床するまでの睡眠状態の変化の一例を示す図 空気調和システムの動作例を示すフローチャート 実施の形態にかかる空気調和システムが表示する睡眠実感入力画面を示す図 実施の形態にかかる空気調和システムが表示する睡眠結果画面を示す図 実施の形態にかかる空気調和システムが表示する運転内容お知らせ画面を示す図 実施の形態にかかる空気調和システムが表示する終了画面を示す図
以下に、本発明の実施の形態にかかる空気調和システムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態.
図1は、本発明の実施の形態にかかる空気調和システムの構成例を示す図である。
図1に示したように、本実施の形態にかかる空気調和システム100は、寝室200に設置され、冷房および暖房を行う空気調和機である冷暖房ユニット1と、加湿を行う湿度調節機である加湿ユニット2とを備えている。冷暖房ユニット1と加湿ユニット2は別構成であり、冷暖房ユニット1としての機能を実現する電子回路および各種部品等と加湿ユニット2としての機能を実現する電子回路および各種部品等とが異なる筐体にそれぞれ収容されている。また、冷暖房ユニット1と加湿ユニット2とは相互に通信可能となるように構成されている。冷暖房ユニット1と加湿ユニット2が別構成であるため、冷暖房ユニット1を寝室200の上部に配置し、加湿ユニット2を加湿対象の使用者の近くに配置するなど、各ユニット、特に加湿ユニット2の柔軟な配置が可能となる。また、冷暖房ユニット1と加湿ユニット2とが相互に通信して各種データを共有可能であるため、これらのユニットが連携して動作することが可能となる。
冷暖房ユニット1は、冷暖房ユニット1が設置された部屋である寝室200の冷房および暖房を行う空調部11と、寝室200の温度および湿度を検出する温湿度センサ12と、寝室200の床、壁、寝室200に存在している人などの表面温度を検出する表面温度センサ13と、空調部11を制御して冷房動作または暖房動作を実行させる制御部14と、各種データを加湿ユニット2との間で送受信する通信部17とを備える。制御部14は、冷房動作または暖房動作のための演算処理を行う演算部15と、記憶部16とを備える。この冷暖房ユニット1は、例えば、室内機と室外機とにより構成されたセパレート型の空気調和機器が該当するが、セパレート型に限定するものではなく、一体型の空気調和機器であっても構わない。
空調部11は、例えば、圧縮機、熱交換器、インバータなどにより構成されたヒートポンプ装置である。温湿度センサ12は温度センサおよび湿度センサにより構成されている。表面温度センサ13は赤外線センサにより実現可能である。
制御部14を構成している演算部15は、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)ともいう)、システムLSI(Large Scale Integration)などである。演算部15が行う演算処理としては、温湿度センサ12による検出値と表面温度センサ13による検出値とに基づいて空調部11に与える制御データを生成する処理などがある。
制御部14を構成している記憶部16は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリー、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリなどである。記憶部16は、温湿度センサ12で検出された温度および湿度、表面温度センサ13で検出された表面温度、寝室200の温度目標値などを記憶する。また、記憶部16は、演算部15が各種演算処理を行う際の作業用メモリとしても使用される。
通信部17は通信装置などにより構成され、温湿度センサ12による検出値、表面温度センサ13による検出値、制御部14の演算部15による演算結果などの各種データを制御部14から受け取って加湿ユニット2へ送信するとともに、加湿ユニット2から各種データを受信して受信データを制御部14に引き渡す。
加湿ユニット2は、加湿ユニット2が設置された部屋である寝室200に対して加湿を行う加湿部21と、寝室200の温度および湿度を検出する温湿度センサ22と、空気調和の対象空間すなわち寝室200に存在している人の活動状態を検出する活動状態検出部23と、加湿部21を制御して加湿動作を実行させる制御部24と、各種データを冷暖房ユニット1との間で送受信する通信部27と、使用者に対する情報の表示および使用者からの操作受け付けを行うユーザインタフェース部28とを備える。制御部24は、加湿動作のための演算処理を行う演算部25と、記憶部26とを備える。
加湿部21は、水を加熱するためのヒーターなどの加熱手段、水を加熱して生成された水蒸気であるスチームを所望の方向へ送るための風を生成する送風機などの送風手段などにより構成されている。温湿度センサ22は上述した温湿度センサ12と同様のものである。活動状態検出部23は、寝室200に存在している人が睡眠状態か否かを検出し、睡眠状態を検出した場合には、さらに、睡眠の深さを検出するものとする。活動状態検出部23は、赤外線センサ、電波センサなどを利用して実現することができ、これらのセンサで体動を検知することにより、人が睡眠状態か否かの判定、眠りの深さの判定を行う。
制御部24を構成している演算部25および記憶部26は、上述した制御部14を構成している演算部15および記憶部16と同様のものである。演算部25が行う演算処理としては、温湿度センサ22による検出値および活動状態検出部23による検出結果に基づいて加湿部21に与える制御データを生成する処理などがある。記憶部26は、温湿度センサ22で検出された温度および湿度、活動状態検出部23による検出結果などを記憶する。また、記憶部26は、演算部25が各種演算処理を行う際の作業用メモリとしても使用される。
通信部27は通信装置などにより構成され、温湿度センサ22による検出値、活動状態検出部23による検出結果、制御部24の演算部25による演算結果などの各種データを冷暖房ユニット1へ送信するとともに、冷暖房ユニット1から各種データを受信して受信データを制御部24に引き渡す。
ユーザインタフェース部28は、運転設定操作を行う入力部と情報を表示する表示部とからなり、画面と機械式スイッチとで構成してもよいし、タッチパネル式でもよい。
加湿ユニット2は、加湿部21を構成している加熱手段を停止させ、送風機などである送風手段のみを動作させて送風動作のみを行うことが可能なものとする。
このように、空気調和システム100は、冷房機能および暖房機能を有する冷暖房ユニット1と、加湿機能および送風機能を有する加湿ユニット2とが寝室200などの空気調和の対象空間に設置され、各ユニットで得られたデータを各ユニットの通信部17および27が相互に送受信する。すなわち、空気調和システム100は、冷暖房ユニット1と加湿ユニット2とがデータを共有し、冷暖房ユニット1および加湿ユニット2が連動して運転するシステムである。通信部17および27は、有線通信によりデータを送受信してもよいし無線通信によりデータを送受信してもよい。無線通信によりデータを送受信する場合、冷暖房ユニット1と加湿ユニット2の間の配線が不要となり冷暖房ユニット1および加湿ユニット2を設置する際の作業が容易となる。また、設置位置の変更が容易となり利便性が向上する。図1に示した構成例では冷暖房ユニット1と加湿ユニット2とが直接通信する場合を想定しているが、無線LAN(Local Area Network)などのネットワーク経由で通信する構成としても構わない。
次に、冷暖房ユニット1および加湿ユニット2の設置位置の例について説明する。図2は、空気調和システム100の使用例を示す図であり、空気調和システム100を寝室200で使用する場合の冷暖房ユニット1および加湿ユニット2の設置位置の例を示している。
図2では、冷暖房ユニット1を寝室200の上部に配置し、加湿ユニット2を寝室200の下部、具体的には寝具30に近い位置、すなわち就寝者に近い場所に配置した場合の例を示している。加湿ユニット2は、図1では記載を省略しているスチーム吹出し口9および送風吹出し口10を備えており、図2に示した例ではスチーム吹出し口9から吹出されるスチームおよび送風吹出し口10から吹出される風が就寝者の頭部側から足元側に向かうように配置されている。
睡眠時、就寝者が横になるのは寝室200の下部だが、加湿ユニット2には、床と水平方向にスチームを吹出すスチーム吹出し口9および送風吹出し口10が備えられているので、スチームは部屋の上方に向かうことなく、スポット的に、すなわち、就寝者の周りを直接加湿したり、送風したりすることができる。スポット的ではなく部屋全体を加湿するタイプの加湿機の場合、すなわち、部屋の上部など加湿対象の人から離れた場所に配置して使用する加湿機でも人に対して加湿を行い肌の乾燥防止などの効果を得ることはできるが、直接加湿する方式の方が、素早く、少ない水量で人への加湿を効率的に行うことができる。また、壁面や窓への結露を抑制することができる。また、加湿機能を備えた空調機器もあるが、冷暖房を行うユニットと加湿を行うユニットとが一体に構成され、部屋の上部に設置されるのが一般的である。このような加湿機能を備えた空気調和機を使用する場合、部屋の下部の温度および湿度は空調機器の設置位置の温度および湿度とは異なる場合があること、部屋の下部を加湿するには強い気流が必要となることから、睡眠時の使用にはふさわしくない。なお、加湿機の方式としては、スチームを吐出する方式の他に、フィルターを使用した気化式、超音波素子を利用した超音波式などがあるが、気化式では風が強く、超音波式では加湿機周辺が濡れてしまったりするので、睡眠時の使用にはふさわしくない。すなわち、気化式、超音波式の加湿機は、人の近くに配置した場合、風などが快適な睡眠の妨げになる恐れがある。
活動状態検出部23は赤外線センサ、電波センサを用いて人の動きを測定する構成に限定されない。その他の構成としては、カメラで撮像した画像の解析など、非接触で人の動きを測定するものがある。また、寝具30に設置した加速度センサで人の動きを測定するものがある。また、冷暖房ユニット1の表面温度センサ13による測定結果を取得し、取得した測定結果を解析して人の動きの有無を判別するようにしてもよい。
またHEMS(Home Energy Management System)のような制御装置(図示せず)を家に設置した場合には、制御装置が冷暖房ユニット1および加湿ユニット2と相互に通信し、制御を行ってもよい。
ここで、睡眠状態について説明する。図3は、人が睡眠を開始してから起床するまでの睡眠状態の変化の一例を示す図である。図3では、睡眠の深さを示す睡眠深度と、睡眠と関係が深いとされる深部体温、すなわち、体の中心部の温度(直腸温度)の変化と、体動との関係を示している。破線が深部体温の大まかな変化を示している。体動を示す縦線の高さは体動の大きさを示し、高い縦線は大きな体動を示す。
図3に示したように、人が睡眠を開始してから次に目覚めるまでの間には、睡眠深度1、2、3、4の順に睡眠が深くなるように移行し、その後、睡眠深度3、2、1、REM睡眠へと移行するという睡眠サイクルが通常約90分周期で繰り返される。睡眠前半は眠りが深く、気流や温湿度など外的な刺激に鈍感だが、後半は眠りが浅くなり、睡眠深度3、4になることがあまりなくなり、外的な刺激に反応しやすくなる。なお、睡眠が深いほど体動が少なくなるため、体動の頻度から睡眠状態を推定することができる。
例えば、体動を検出した時刻を記憶しておき、過去の一定時間に発生した体動の合計回数と睡眠状態を判別するためのしきい値とを比較し、比較結果から睡眠状態を推定する。体動を検出する時間幅、すなわち体動を検出してから次に体動を検出するまでの時間をしきい値と比較し、比較結果から睡眠状態を推定してもよい。その他の方法で睡眠状態を推定しても構わない。
人の睡眠中の深部体温は、入眠時から徐々に低下し、最低体温になった後はゆるやかに上昇し、活動の準備に入る。
次に、本実施の形態にかかる空気調和システム100の動作について冷房運転を例に説明する。ここでは、図4から図8を用いて寝室での睡眠時の制御を説明する。図4は空気調和システムの動作例を示すフローチャート、図5は睡眠実感入力画面を示す図、図6は睡眠結果画面を示す図、図7は運転内容お知らせ画面を示す図、図8は終了画面を示す図である。
空気調和システム100は、睡眠を開始する使用者から運転指示を受けると運転を開始する(ステップS1)。ここでは、睡眠時の使用を想定した運転モードである快眠制御運転の開始を使用者から指示されたものとする。この指示は、ユーザインタフェース部28を使用して行われ、快眠制御運転を指示する情報は通信部17および通信部27を介して冷暖房ユニット1の制御部14に送信され、冷暖房ユニット1と加湿ユニット2との間で共有される。
快眠制御運転が指示された場合、冷暖房ユニット1が冷房運転、加湿ユニット2が加湿運転または送風運転を開始する。加湿ユニット2が加湿運転と送風運転のどちらを実行するかは室温および湿度の少なくとも一方に基づいて決定してもよいし予め決められた運転、例えば送風運転を実行するようにしてもよい。空気調和システム100が運転を開始すると活動状況検出部23も動作を開始し、寝室200に存在している人の活動状態を検出する。加湿ユニット2の制御部24は、活動状況検出部23による検出結果を取得し、取得した検出結果を記憶部26に一定時間ごとに記録する。
なお、快眠制御運転の場合、冷暖房ユニット1は、睡眠初期に設定温度を下げて入眠を促進する、すなわち、実際の設定温度より室温が下がるよう強めに冷房を行い、入眠を促進する。
快眠制御運転を開始後、冷暖房ユニット1の温湿度センサ12が室内の温度および湿度を検知する(ステップS2)。次に、冷暖房ユニット1の表面温度センサ13が、人の皮膚温を検知する(ステップS3)。人は発熱体のため皮膚温は室温よりも高く、表面温度センサ13は皮膚温を特定することが可能である。また、皮膚温から人の位置を推定することが可能である。皮膚温の検知結果は空調部11が冷気の吹出し方向を、使用者をよける制御などで使用する。
次に、加湿ユニット2の制御部24が、活動状態検出部23の検出結果に基づいて、使用者の睡眠状態すなわち使用者の睡眠が深いか否かを判定する(ステップS4)。ステップS4において、制御部24は、例えば、使用者の睡眠状態が図3に示した睡眠深度3または4の場合、睡眠が深い状態である深睡眠であると判定する。制御部24による判定結果は、冷房ユニット1の制御部14に送信される。すなわち、制御部24による判定結果は、第1通信部である通信部27および第2通信部である通信部17を介して、制御部14に渡される。制御部24から制御部14に渡される判定結果は、使用者の睡眠の深さ示す睡眠情報である。第1制御部である制御部24はステップS4での判定結果である睡眠情報に基づいて加湿部21の動作を制御し、第2制御部である制御部14は、制御部24から受け取った睡眠情報に基づいて空調部11の動作を制御する。
使用者の睡眠が深い場合(ステップS4:Yes)、使用者は周辺環境に鈍感な状態であるため、制御部14は空調部11が強運転となるように制御し、制御部24は加湿部21が強運転となるように制御する(ステップS5)。すなわち、空調部11は、実際の設定温度より室温が下がるよう強めに冷房を行う。この結果、使用者は疲労回復ホルモンを分泌し、良質な睡眠を得ることができる。また、加湿部21は、使用者をしっかり加湿することで、肌、髪の保湿を行い、冷房による乾燥を抑制する。
一方、使用者の睡眠が浅い場合(ステップS4:No)、使用者は気流や音について敏感な状態であるため、気流や温度差の影響を避けるために、制御部14は空調部11が弱運転となるように制御し、制御部24は加湿部21が送風運転となるように制御する(ステップS6)。なお、ここでは、強運転以外の運転状態を弱運転と呼び、室温が設定温度通りとなるように行う運転も弱運転に含める。ステップS6において、空調部11は、室温が実際の設定温度通りまたは実際の設定温度よりも高くなるように冷房を行い、加湿部21は、加湿による温熱感の上昇を抑えるために送風運転を行う。
次に、加湿ユニット2の制御部24が、活動状態検出部23の検出結果に基づいて、使用者の睡眠の進行状況すなわち睡眠が前半か否かを判定する(ステップS7)。図3に示すように、睡眠の後半はほとんど浅い睡眠になってくるため、これを利用して睡眠の進行状況を判断することが可能である。制御部24は、使用者の時間あたりの体動数と睡眠進行状況を判別するためのしきい値とを比較するなどして、使用者の睡眠の進行状況を判断する。
睡眠が前半の場合(ステップS7:Yes)、加湿ユニット2の制御部24は、運転開始から、すなわちステップS1を実行してから一定時間が経過したか否かを確認する(ステップS8)。一定時間が経過していない場合(ステップS8:No)、ステップS2に戻る。一方、一定時間が経過した場合(ステップS8:Yes)、加湿ユニット2の制御部24は、冷暖房ユニット1の制御部14に対して設定温度を変更するように通知し、この通知を受けた制御部14は、空調部11の設定温度を変更する(ステップS9)。睡眠の後半では、前述のとおり、眠りが浅くなること、徐々に体温を上昇させる必要があること、寝冷えを防止する目的などから、ステップS9において、制御部14は設定温度を上昇させる。なお、ステップS8において運転開始から一定時間が経過したか否かを確認するのは、活動状況検出部23の検出エラーなどで体動量が累積されず、ステップS7において睡眠の後半に入ったことを検出できない場合を想定し、経過時間から睡眠の進行状況を判定するためである。
加湿ユニット2の制御部24は、ステップS7において、睡眠が後半に入ったと判定した場合(ステップS7:No)、ステップS9に進む。
ステップS9を実行後、加湿ユニット2の制御部24は、運転を開始してからの経過時間が睡眠終了時間に達したか、または、使用者が起床したかを確認する(ステップS10)。睡眠終了時間は運転開始時に使用者が設定可能な時間とし、例えば8時間とすることが考えられる。空気調和システム100は運転開始からの経過時間が睡眠終了時間に達した時点で自動的に運転を停止する。また、加湿ユニット2の制御部24は、使用者が起床したか否かについては、活動状態検出部23による検出結果すなわち活動状態検出部23が時間あたりに検出した体動数に基づいて判定する。
加湿ユニット2の制御部24は、運転を開始してからの経過時間が睡眠終了時間に達しておらず、かつ、使用者が睡眠中の場合(ステップS10:No)、ステップS10での確認動作を繰り返す。
加湿ユニット2の制御部24は、運転を開始してからの経過時間が睡眠終了時間に達した場合、または、使用者が起床した場合(ステップS10:Yes)、加湿部21の運転を停止させるとともに、冷暖房ユニット1の制御部14に対して運転の停止を指示し、この指示を受けた制御部14は空調部11の運転を停止させる(ステップS11)。
次に、加湿ユニット2の制御部24は、図5に示す睡眠実感入力画面50をユーザインタフェース部28に表示する(ステップS12)。睡眠実感入力画面50は、使用者が情報を入力するための入力部51を含み、使用者がその日の睡眠の実感を入力できるようにしている。入力部51は、「よい」と表示された操作ボタン511と、「ふつう」と表示された操作ボタン512と、「わるい」と表示された操作ボタン513とを含む。また、睡眠実感入力画面50は、入力が面倒な場合のために、次の画面に遷移するための操作ボタン、すなわち「入力せずに結果を見る」と表示された操作ボタン514と、睡眠実感入力画面50の表示を終了させるための操作ボタン、すなわち「おわる」と表示された操作ボタン515とを含んでいる。なお、加湿ユニット2の制御部24は、入力部51の操作ボタン511から515のいずれか一つが操作すなわち選択されるまで、睡眠実感入力画面50を表示させ続ける。
加湿ユニット2の制御部24は、図5に示した睡眠実感入力画面50の入力部51に含まれている、「おわる」と表示された操作ボタン515が選択された場合はユーザインタフェース部28への表示をオフにする。加湿ユニット2の制御部24は、操作ボタン511から514のいずれかが選択された場合、図6に示す睡眠結果画面52をユーザインタフェース部28に表示する(ステップS13)。加湿ユニット2の制御部24は、その日の一定時間ごとに記憶部26に記録した活動状態検出部23の検出結果をグラフ化し、睡眠結果53として睡眠結果画面52に表示する。睡眠結果53は上記のステップS12で表示させる睡眠実感入力画面50のあとに表示するため、ステップS12での睡眠実感入力の際に、ユーザの選択が睡眠結果53に左右されることがない。
また、使用者は、睡眠中は、自分がどのような状態だったかわからないため、一言ポイント54も睡眠結果画面52に表示するようにすると健康管理に役立つ。加湿ユニット2の制御部24は、冷暖房ユニット1の運転内容55および加湿ユニット2の運転内容56についても睡眠結果画面52に表示する。なお、加湿ユニット2の制御部24は、睡眠結果画面52を表示する前に、運転内容55を表示するために必要な情報を冷暖房ユニット1の制御部14から取得する。また、睡眠結果画面52は、睡眠結果画面52の表示を終了させるために操作ボタン57、具体的には、次の画面に遷移するための操作ボタン、すなわち「おしらせをみる」と表示された操作ボタンと、次の画面に遷移することなく表示を終了させる操作ボタン、すなわち「おわる」と表示された操作ボタンとを含んでいる。
加湿ユニット2の制御部24は、図6に示した睡眠結果画面52内の「おわる」と表示された操作ボタンが選択された場合はユーザインタフェース部28への表示をオフにする。加湿ユニット2の制御部24は、睡眠結果画面52内の「おしらせをみる」と表示された操作ボタンが選択された場合、図7に示す運転内容お知らせ画面58をユーザインタフェース部28に表示する(ステップS14)。
冷暖房ユニット1および加湿ユニット2は、使用者に応じた運転を行うため、実際にどういう運転を行っていたかわからない。図6に示す睡眠結果画面52で運転内容55および56を表示するとともに、図7に示す運転内容お知らせ画面58で使用者の状態に応じた運転制御をお知らせすることで、使用者は空気調和システム100に対するありがたみも実感することができる。たとえば、「寝苦しそうだったので、4時から送風しました」、「寝冷えしそうだったので、3時ごろから設定温度を上げました」などの表示を行うことが考えられる。なお、この際、アイコンなどを用いて、家電機器を擬人化することで、空気調和システム100に対するありがたみをより強化することもできる。また、運転内容お知らせ画面58は、複数の操作ボタン591から595を含んで構成された入力部59を含んでいる。使用者は入力部59にて、冷暖房ユニット1および加湿ユニット2の工夫に対し、使用者の実感を入力することができる。
運転内容お知らせ画面58の入力部59に含まれているいずれか一つの操作ボタンが使用者により選択されると、加湿ユニット2の制御部24は、図8に示す運転終了画面60をユーザインタフェース部28に表示し、予め決められた時間が経過すると、運転終了画面60をオフにする(ステップS15)。運転終了画面60では、睡眠のアドバイス、または、睡眠を良くする日中の過ごし方などを表示するようにしてもよい。
図6に示した睡眠結果画面52で表示する睡眠結果53を示す情報である第1の情報、図5に示した睡眠実感入力画面50で使用者が入力した睡眠実感、すなわち操作ボタン511から513の選択結果を示す情報である第2の情報、および、図7に示した運転内容お知らせ画面58で使用者が入力した結果、すなわち操作ボタン591から593の選択結果を示す情報である第3の情報、については、記憶部26に記憶される。記憶部26に記憶された第1の情報、第2の情報および第3の情報は、加湿ユニット2の制御部24および空調ユニット1の制御部14が、使用者の好みを学習して翌日以降の運転制御に活用してもよい。例えば、図7に示した画面において、送風の実行に対して使用者が「わるい」と表示された操作ボタン593を選択した場合、制御部24は、翌日以降の加湿部21の運転制御では、使用者が寝苦しそうにしている場合でも送風を行わないようにする。
また、記憶部26に記憶された第1の情報、第2の情報および第3の情報は、日々の悪習慣を抽出してユーザインタフェース部28に表示する機能を実現する目的で活用するようにしてもよい。例えば、運転お知らせ画面58においては、使用者の好みの学習結果に応じて運転制御をカスタマイズした内容、外気を考慮して使用者の設定を修正したこと、などを表示してもよい。運転終了画面60においては、就寝時間が遅い状態が続いているなど、個人の習慣についてアドバイスする内容を表示してもよい。
このように、本実施の形態にかかる空気調和システム100では、確実に枕元に設置される加湿ユニット2に、活動状態検出部23と、操作入力の受け付けおよび情報の表示を行うユーザインタフェース部28とを設け、空調運転および加湿運転を停止した場合、使用者が睡眠中に行った空調運転および加湿運転の内容と、使用者の睡眠状態の情報とをユーザインタフェース部28へ表示することとした。これにより、使用者はわずらわしい操作をすることなく、空気調和システム100の運転状態および自己の睡眠状態を容易に知ることができる。また、空気調和システム100は、睡眠の質を下げることなく毎日の睡眠情報を取得して管理および学習し、環境制御に反映することができるとともに、使用者の睡眠の意識を高めることができ、健康づくりに寄与することができる。
なお、本実施の形態では、加湿ユニット2にユーザインタフェース部28を設けて操作入力の受け付けおよび情報の表示を行うこととしたが、表示に加えて、音声ガイダンスおよび音声入力を実現する手段を設け、音声による操作入力および情報出力を行うようにしてもよい。これにより、体が不自由な人でも機能を使用しやすくなる。
また、操作入力および情報表示を行うためのユーザインタフェース部28を加湿ユニット2に設けることとしたが、ユーザインタフェース部28に相当する手段を冷暖房ユニット1のリモコン(図示せず)または冷暖房ユニット1に設けてもよい。また、加湿ユニット2と通信する機能を備えたスマートフォンのアプリケーションを使用して操作入力および情報表示を行うようにしてもよい。リモコンまたはスマートフォンのアプリケーションを使用する場合、加湿ユニット2は、リモコンまたはスマートフォンと無線通信を行うための無線通信部を備え、制御部24は、無線通信部を介して、リモコンまたはスマートフォンを使用した操作入力および情報表示を実現するために必要な情報をリモコンまたはスマートフォンへ送信する。無線通信部は、無線LANまたはBluetooth(登録商標)などを使用して、リモコンまたはスマートフォンとの間で必要な情報を送受信する。
ユーザインタフェース部28への表示とリモコンまたはスマートフォンを使用した表示とを並列に行うようにしてもよい。ユーザインタフェース部28への表示とリモコンまたはスマートフォンを使用した表示とを並列に行う場合、ユーザインタフェース部28を使用してユーザが操作を行うと、ユーザインタフェース部28への表示とリモコンまたはスマートフォンへの表示とを操作内容に応じた表示に切り替える。すなわち、ユーザインタフェース部28への表示とリモコンまたはスマートフォンへの表示とを同期させる。同様に、リモコンまたはスマートフォンを使用してユーザが操作を行うと、ユーザインタフェース部28への表示とリモコンまたはスマートフォンへの表示とを操作内容に応じた表示に切り替える。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 冷暖房ユニット、2 加湿ユニット、9 スチーム吹出し口、10 送風吹出し口、11 空調部、12,22 温湿度センサ、13 表面温度センサ、14,24 制御部、15,25 演算部、16,26 記憶部、17,27 通信部、21 加湿部、23 活動状態検出部、28 ユーザインタフェース部、30 寝具、100 空気調和システム、200 寝室。

Claims (9)

  1. 空気調和機と湿度調節機とを備える空気調和システムであって、
    前記湿度調節機は、
    加湿動作または送風動作を行う加湿部と、
    使用者の睡眠情報である睡眠の深さを検出する活動状態検出部と、
    前記空気調和機に前記睡眠情報を送信する第1通信部と、
    前記睡眠情報に基づいて前記加湿部の動作を制御する第1制御部と、
    前記睡眠情報を表示する表示部と、
    を備え、
    前記空気調和機は、
    冷房動作または暖房動作を行う空調部と、
    前記睡眠情報を受信する第2通信部と、
    前記睡眠情報に基づいて前記空調部の動作を制御する第2制御部と、
    を備え、
    前記活動状態検出部が前記使用者の起床を検出すると前記睡眠情報を前記表示部に表示する、
    空気調和システム。
  2. 前記活動状態検出部が前記使用者の起床を検出すると、前記睡眠情報の内容を示す睡眠結果画面および前記使用者がその日の睡眠実感を入力するための睡眠実感入力画面を前記表示部に表示する、
    請求項1に記載の空気調和システム。
  3. 前記活動状態検出部が前記使用者の起床を検出すると、前記睡眠実感入力画面を前記表示部に表示し、前記使用者による操作を検出すると前記睡眠結果画面を前記表示部に表示する、
    請求項2に記載の空気調和システム。
  4. 前記睡眠結果画面では、前記使用者の眠りの深さと、前記使用者が睡眠中に前記加湿部および前記空調部が実行した運転内容とを経時的に表示する、
    請求項2または3に記載の空気調和システム。
  5. 前記湿度調節機は、
    前記活動状態検出部による検出結果を示す第1の情報と、前記睡眠実感入力画面で前記使用者が入力した内容を示す第2の情報と、前記使用者が睡眠中に前記加湿部および前記空調部が実行した運転内容に対する前記使用者の好みを示す第3の情報と、を記憶する記憶部、
    を備え、
    前記湿度調節機および前記空気調和機は、前記第1の情報、前記第2の情報および前記第3の情報に基づいて運転制御を行う、
    請求項4に記載の空気調和システム。
  6. 前記睡眠結果画面を前記表示部に表示した後、前記使用者が睡眠中に前記加湿部および前記空調部が実行した運転内容に対する好みを前記使用者に入力させるための画面を前記表示部に表示する、
    請求項2から5のいずれか一つに記載の空気調和システム。
  7. 前記加湿部および前記空調部の運転内容の一部を前記使用者に対するアドバイスとして前記表示部に表示する、
    請求項1から6のいずれか一つに記載の空気調和システム。
  8. 前記湿度調節機は、
    前記睡眠情報を前記空気調和システムのリモートコントローラまたはスマートフォンへ送信する無線通信部、
    を備え、
    前記リモートコントローラまたは前記スマートフォンが前記睡眠情報を表示する、
    請求項1から7のいずれか一つに記載の空気調和システム。
  9. 前記睡眠情報を音声により前記使用者に伝える、
    請求項1から8のいずれか一つに記載の空気調和システム。
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