JP2016158636A - 睡眠制御装置 - Google Patents

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幸生 山崎
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Tomohiro Koyanagi
智裕 小柳
矢野 裕嗣
Hirotsugu Yano
裕嗣 矢野
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Abstract

【課題】偶然に頼ることなくレム睡眠中に快適に起床させることができる睡眠制御装置を提供する。
【解決手段】睡眠制御装置(1)は、寝具の一部を構成して人体を加熱する加熱部(2)と、人体の発汗量に依存する物理量を検出する発汗検出部(4)と、起床予定時刻の設定を受け付ける設定部と、加熱部(2)を制御する制御回路(5)と、を備え、制御回路(5)は、加熱部(2)を制御して、設定部に設定された起床予定時刻より90〜150分前の所定時刻までは、入床からの所定期間を除いて睡眠時の体温低下を阻害する第1温度以上での加熱を行わず、所定時刻からは、第1温度よりも高い第2温度で加熱を行い、かつ、制御回路(5)は、発汗検出部(4)にて検出された物理量に基づいて、加熱部(2)の出力を調整する。
【選択図】図1

Description

本発明は、体感温度を調整して睡眠を制御する睡眠制御装置に関する。
睡眠には、脳と体の疲れを取る、ストレスの解消、体の成長や老化の防止、病気の予防、記憶の定着・学習効果の効率化などの効果がある。忙しい現代人において、限られた時間の中で効果的に睡眠をとるためには、短時間でも質の高い睡眠をとることが重要である。
また、現代人は、睡眠時間が減少傾向にある一方で、社会活動を推進するために、朝のほぼ決まった時間に起床することを余議なくされている。多くの人々は、目覚まし時計等を使って、音や振動、光に促されて、睡眠状態に関わらず強制的に起床している。そのため、寝不足感、睡眠惰性、および起床直後の行動低下等が生じている。特許文献1には、このような起床時の問題の改善を図る睡眠制御温熱器具が開示されている。
図18は、特許文献1に開示された睡眠制御温熱器具である睡眠制御電気毛布の概略構成を示す図である。毛布本体201は、上部ヒータ202によって人体の上半身を加熱し、下部ヒータ203によって人体の下半身を加熱する。また、上部温度センサ204によって上半身の加熱温度を検知し、下部温度センサ205によって下半身の加熱温度を検知する。コントローラ206は、上部温度センサ204および下部温度センサ205の検知結果に基づいて、上部ヒータ202および下部ヒータ203の加熱温度を調整する。
図19は、特許文献1に開示された睡眠制御電気毛布において、上半身および下半身の加熱温度の変化を表すタイムチャートである。起床45分前から起床までの起床モードにおいて、上半身の加熱温度が37℃〜38℃に調整されると共に、下半身の加熱温度が31℃〜33℃に調整される。これにより、足からの放熱が抑制されて、体幹部の温度が上昇する。睡眠中の人体の覚醒度が徐々に上昇し、ノンレム睡眠からレム睡眠に移行した状態で、睡眠から目覚めることになる。
一方、従来から、夏場の睡眠時に用いられる扇風機や天井扇等の送風装置においては、睡眠の質を上げるための機能を備えるものがある。例えば、特許文献2には、扇風機本体に体温を検出するセンサを内蔵させ、検出された体温に基づいてファンを制御することで、睡眠状態に入るまでは心地よく快適にし、睡眠状態に移行してからも体が冷えすぎないようにする扇風機が記載されている。
また、特許文献3には、天井扇本体に寝返りを検知するセンサを内蔵させ、検知された寝返りに基づいてファンを制御することで、快適な睡眠環境を実現する天井扇が記載されている。
さらに、特許文献4には、装置本体に皮膚表面の熱放熱量を検出するセンサや、室温を検出するセンサを内蔵させ、それらの検出結果に基づいてファンを制御することで、入眠をスムーズにし、しかも入眠後も良質の睡眠を確保できるようにした睡眠誘導装置が記載されている。
また、一定の制御パターンにてファンを制御して、強弱をつけた送風を行う「お休みモード」を搭載した扇風機等も市販されている。
特開2003−125908号公報(2003年5月7日公開) 特開2014−066151号公報(2014年4月17日公開) 特開2012−082764号公報(2012年4月26日公開) 特開平07−225042号公報(1955年8月22日公開)
しかしながら、上記した従来の体感温度を調整して睡眠を制御する装置においては、睡眠を制御するのに十分ではなく、例えば、特許文献1の技術では、睡眠リズムに合わない場合、快適な起床状態を十分に得ることはできないといった問題がある。これについて説明する。
レム・ノンレム睡眠の周期は約90分であり、レム睡眠の継続時間は約20〜30分である。このような睡眠リズムは、人体の持つ固有のものであり、容易に変えられるものではない。そのため、例えば、起床予定時刻の55分前にレム睡眠が発現した場合、その10分後の45分前から加熱を行って覚醒度を上昇させたとしても、起床時間までの55分間もの間、レム睡眠が継続することは考えられない。つまり、特許文献1の技術は、短時間の加熱中にたまたまレム睡眠に移行するといった偶然に頼る部分が多く、快適な起床状態を得るのには不十分である。
本願発明は、このような課題に鑑みなされたもので、その目的は、偶然に頼ることなくレム睡眠中に快適に起床させることができる睡眠制御装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る睡眠制御装置は、寝具内に配置されて人体を加熱する加熱部と、前記人体の発汗量に依存する物理量を検出する発汗検出部と、起床予定時刻の設定を受け付ける設定部と、前記加熱部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記加熱部を制御して、前記設定部に設定された前記起床予定時刻より90〜150分前の所定時刻までは、就寝時の所定期間を除いて第1温度以上での加熱を行わず、前記所定時刻からは、第1温度よりも高い第2温度で加熱を行い、かつ、前記発汗検出部にて検出された前記物理量に基づいて、前記加熱部の出力を調整することを特徴としている。
本発明の一態様によれば、偶然に頼ることなくレム睡眠中に快適に起床させることができる睡眠制御装置を提供できるという効果を奏する。
本発明の実施の形態1に係る睡眠制御装置の概略斜視図である。 上記睡眠制御装置の各部の構成を示すブロック図である。 上記睡眠制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。 上記睡眠制御装置1を用いて就寝した場合における、湿度の時間変化を示す曲線であり、(a)は発汗検出部による発汗量の検出結果に基づいて加熱部による加熱の出力制御を行った場合であり、(b)は発汗検出部による検出結果に基づいた加熱部による加熱の出力制御を行わなかった場合である。 加熱中における湿度の時間変化を示しており、湿度センサの予測値を算出する例を説明するための図である。 上記睡眠制御装置における加熱部の加熱温度と人体の体温の変化を示す図である。 上記睡眠制御装置の効果を検証した結果を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る睡眠制御装置の各部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態3に係る睡眠制御装置の各部の構成を示すブロック図である。 参考例の送風型の睡眠制御装置の、使用中のユーザを含む概略斜視図である。 参考例の睡眠制御装置の各部の構成を示すブロック図である。 入眠から起床までの一般的な人間の睡眠周期を示す図である。 一日の一般的な人間の体温変化を示す図である。 参考例の睡眠制御装置の睡眠導入時の動作を説明するためのフローチャートである。 参考例の睡眠制御装置おけるユーザが深い眠りに達したときの動作を説明するためのフローチャートである。 参考例の睡眠制御装置におけるユーザが深い眠りから浅い眠りに移行する期間の動作を説明するためのフローチャートである。 参考例の睡眠制御装置におけるユーザが深い眠りから浅い眠りに移行する期間の別の動作を説明するためのフローチャートである。 従来の睡眠制御電気毛布の概略構成を示す図である。 上記睡眠制御電気毛布において、上半身および下半身の加熱温度の変化を表すタイムチャートである。
〔発明の前提となる技術〕
本件出願人は、寝具内に配置されて人体を加熱する加熱部を備え、該加熱部にて、起床予定時刻の90〜150分前の加熱開始時刻から起床予定時刻までの間、36〜41℃(第2温度)で加熱すると共に、入床後又は入床後の一定時間経過後から加熱開始時刻までの間に33℃(第1温度)より高い温度では加熱しない睡眠制御装置を試作した。
本装置によれば、起床予定時刻の90〜150分前の加熱開始時刻から起床予定時刻までの間といった、起床予定時刻前のレム睡眠の時間帯において、36〜41℃の体温より高い温度で人体を加熱するので、加熱された人体は、自律神経が活性化されて血流が良い状態となり、身体全体に熱が行き渡って体温が高くなる。これは、起床に適した状態である。つまり、本装置によれば、レム睡眠の時間帯に、人体をこのような起床に適した状態にできることで、ユーザの快適な起床をサポートし、また、起床後の覚醒度を高め、起床後に活動するためのエネルギーをより多く利用できる状態とすることが可能となる。
なお、ここで、起床予定時刻の90〜150分前以外の期間は、33℃よりも高い温度で加熱しない構成としているのは、33℃よりも高い温度で加熱されると、就寝時の体温低下が阻害されて、睡眠効率が悪くなるためである。
ところが、本件出願人が10名の被験者に対して、上記試作の睡眠制御装置の官能評価試験を行ったところ、内2名の被験者より、使用時に「暑い」と感じ、起床予定時刻より早い時刻に覚醒したという感想を得た。このような感想を有する商品は、一部のユーザに不快な覚醒感を与える恐れがあり、商品本来の効果である、快適な覚醒を阻害する要因となり得る。
しかしながら、ユーザが暑いと感じないように、加熱の出力を抑制すると、ユーザの体温上昇度合いも抑制されてしまい、起床後の覚醒度が抑制されてしまう。そのため、加熱
の出力は、ユーザの快適な覚醒度を維持しつつ、暑いと感じないレベルに設定する必要がある。けれども、ユーザが暑いと感じるレベルは、個々のユーザによって異なる。また同じユーザにおいても、就寝時の敷布団や掛布団の種類、寝間着の種類、就寝する部屋の温度や湿度、就寝する部屋の壁面温度等、様々な環境因子により、暑いと感じるレベルは変化してしまう。そのため、最適な加熱レベルを一意に定めることはできない。
本件出願人は、ユーザの個体差・様々な環境因子に関わらず、暑いと感じない状態で快適な起床状態を得ることが可能となるように鋭意検討を行った結果、暑いと感じる条件が床内の湿度に強い相関があることを見出し、以下の睡眠制御装置を発明するに至った。
〔実施の形態1〕
本発明に係る実施の一形態である睡眠制御装置1について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態の睡眠制御装置1の概略斜視図である。図1に示すように、睡眠制御装置1は、本体部10およびこれに接続されたコントローラ部3を備え、本体部10に加熱部2と発汗検出部4が含まれている。
本体部10は、例えば、敷布団25の上方、かつ人体の下方に設置される。本実施の形態では、本体部10は、布や樹脂等のシート状の基材11を有し、該基材11に加熱部2としてのニクロム線(電熱線)が埋設されている。本体部10は、人体の肩口から足までの範囲に対応した矩形状をなし、加熱部2も、人体の肩口から足までの範囲を加熱するよう配設されている。本体部10は、単独で寝具に相当し、したがって、加熱部2は、寝具の一部を構成するものと言える。
人体に熱を加える手法として、エアコン等のように気温そのものを上昇させる手法もある。しかしながら、睡眠中の気温上昇に対して、ユーザは不快と感じてしまい、睡眠途中での覚醒に繋がり、睡眠の質を低下させてしまうことになる。これは、空気の熱容量が小さく、身体全体でなく体表面の一部のみを暖めるのみであり、身体が起床に適した状態となっていないにも関わらず、体表面を暖められ、不快感により覚醒させられるためである。そのため、エアコン等を加熱手段として使用することは不適切である。
これに対し、本実施の形態では、少なくとも空気より熱容量の大きい、加熱部2あるいは加熱部2および本体部10が人体に接触して加熱を行っているので、身体全体が温められて身体が起床に適した状態となり、快適な覚醒をサポートすることができる。
なお、人体に加熱部2あるいは加熱部2および本体部10を接触させるとは、人体と加熱部2又は本体部10とを直接接触させることだけではなく、人体と加熱部2又は本体部10との間に衣類やシーツ類等が介在する場合も含まれる。また、加熱部2又は本体部10が敷布団内に埋め込まれて設置され人体との間に中綿等が介在する場合も含まれる。つまり接触とは模式的に物質が介在する場合を含む。具体的には、衣類やシーツ類等の厚みを合計して1cm以下の空気以外の物質が介在する状況であれば、本発明の効果は発生するが、望ましくは5mm厚以下とするのが良い。
発汗検出部4は、人体の発汗を検知するものである。具体的には、発汗検出部4は、人体の発汗量に依存する物理量を、発汗量として検出する。睡眠制御装置1は、発汗検出部4を備えることで、発汗の状態からユーザが暑いと感じていることを認識し、これを抑制すべく加熱部2の出力を制御することが可能となる。本実施の形態においては、発汗検出部4は、加熱部2と共に本体部10に設けられている。
Figure 2016158636
表1は、起床時における、発汗の有無と、暑さに関する官能評価の相関を表している。評価期間19日の内、起床時に「暑い」と感じ、かつ発汗していた日は10日あった。起床時に「暑い」と感じず、かつ発汗していない日は8日あった。起床時に「暑い」と感じなかったが、発汗していた日は1日あった。起床時に「暑い」と感じたが、発汗していなかった日は1日も無かった。
この表は、「暑さ」と発汗の相関を示しており、この表から、「暑い」と感じなかったが発汗していた1日を考慮しても、「発汗量」を検出し、発汗量が抑制されるように加熱部2を制御することで、ユーザが「暑い」と感じることを防止できることがわかる。なお、「暑い」と感じなかったが発汗していたこの1日は、評価期間19日の内、最も気温が低いことが気象庁の発表より明らかとなっており、寝室の外壁が外気により冷やされ、熱放射により体内の気温上昇が抑制する方向に働いたため、発汗があったにも関わらず暑いと感じなかったと推測される。
発汗検出部4としては、湿度センサや、水分蒸散計等を用いることができる。湿度センサとしては、例えば、Aosong Guangzhou Electronics 社製温湿度センサー(型番:AM
2321)が挙げられる。水分蒸散計としては、例えばCourage+Khazaka(ドイツ)社製TewaMeter(型番TM300MP)が挙げられる。特に湿度センサとして、電子式の湿度センサは
、感湿体として多孔質のセラミックス又は吸湿性の高分子膜を含み、これらの抵抗又は容量が湿度と共に変化する性質を用いて測定する原理となっており、市販品で小型のものがある。したがって、身体の下に配置される本体部10に設置されても、敷布団25内に埋没するため、ユーザにとって不快とならない。
コントローラ部3は、睡眠制御装置1における操作指示全般を受け付けるものである。図2は、睡眠制御装置1の各部の構成を示すブロック図である。コントローラ部3は、CPUからなる制御回路(制御部)5、該制御回路5からの情報に基づいて加熱部2を駆動する駆動回路6、実時間を計測するクロック7、ユーザが起床予定時刻等を入力するための入力器8、および設定条件等を表示する表示器9を備える。
制御回路5は、加熱部2を制御するもので、具体的には加熱部2の出力や作動時間を制御する。制御回路5は、起床予定時刻等の設定条件を記憶するために、図示しないメモリを備えている。該メモリと、入力器8および表示器9等にて、起床予定時刻の設定を受け付ける設定部が構成される。
制御回路5は、加熱部2の出力・作動時間を制御して、設定された起床予定時刻より90〜150分前の所定時刻までは、就寝時の所定期間を除いて33℃(第1温度)よりも高い温度での加熱は行わず、所定時刻から36〜41℃(第2温度)で、起床支援のための加熱を行う。本実施の形態では、制御回路5は、起床支援のための加熱時の温度(デフォルト)を40℃に設定している。
さらに、制御回路5は、発汗検出部4にて検出された物理量に基づいて、加熱部2の出力を調整する。具体的には、制御回路5は、発汗検出部4にて検出された物理量から、ユーザが暑さを感じている状態にあるかを少なくとも判断し、あると判断した場合に、起床支援のための加熱によりユーザが感じる暑さを緩和するように、換言すると、ユーザの発汗量が抑制されるように、加熱部2の出力を制御する。
図3は、睡眠制御装置1の動作を説明するためのフローチャートである。なお、このフローチャートは、加熱部2が、起床支援のための加熱以外は、実施しない場合を例示している。
図3に示すように、就寝する前にユーザが睡眠制御装置1の電源をオンする。これにより、睡眠制御装置1が動作を開始する。
ユーザが入力器8を用いて起床予定時刻を入力すると、制御回路5が入力された起床予定時刻を設定する(S(ステップ)1)。次に、制御回路5は、クロック7を通じて現在時刻の確認を行うと同時に、発汗検出部4にて検出された発汗量(発汗量に依存する物理量)を確認する(S2)。続いて、制御回路5は、S2で確認した現在時刻が起床予定時刻の120分前であるかを判定する(S3)。ここで、Yesの場合はS4へ移行し、Noの場合はS2に戻る。制御回路5は、起床予定時刻の120分前であると判定するまで(S3でYesとなるまで)、S2〜S3を繰り返す。
S4では、制御回路5は、S2で確認した発汗量が、加熱部2の出力下降条件を上回っているかを判定する。ここで、YesであればS5に移行して、加熱部2の加熱開始時の設定出力をデフォルトより下げた後、S6へ移行する。一方、S4でNoの場合は、S5を経由することなくS6へ移行する。
S6では、制御回路5は、S2で確認した発汗量が、加熱部2の出力上昇条件を下回っているかを判定する。ここで、YesであればS7に移行して、加熱部2の加熱開始時の設定出力をデフォルから上げた後、S8へ移行する。一方、S6でNoの場合は、S7を経由することなくS8へ移行する。
S8では、制御回路5は、S4、S6の判定に基づいて、必要に応じてデフォルトから調整した設定出力で加熱部2に加熱を開始させる。具体的には、調整した設定出力を駆動回路6に伝達し、駆動回路6が調整された設定出力で加熱部2を駆動し、加熱部2が加熱を開始する。
加熱を開始すると、制御回路5は、前術したS2の処理と同様に、クロック7を通じて現在時刻の確認を行うと同時に、発汗検出部4にて検出された発汗量を確認する(S9)。次に、制御回路5は、S9で確認した発汗量が、加熱部2の出力下降条件を上回っているかを判定する(S10)。ここで、YesであればS11に移行して、加熱部2の加熱実行中の設定出力を下げた後、S12へ移行する。一方、S10でNoの場合は、S11を経由することなくS12へ移行する。
S12では、制御回路5は、S9で確認した発汗量が、加熱部2の出力上昇条件を下回っているかを判定する。ここで、YesであればS13に移行して、加熱部2の加熱実行中の設定出力を上げた後、S14へ移行する。一方、12でNoの場合は、S13を経由することなくS14へ移行する。
S14では、制御回路5は、S9で確認した現在時刻がS1で設定された起床予定時刻
であるか判定する。ここで、Yesの場合はS15へ移行し、Noの場合はS9に戻る。制御回路5は、起床予定時刻であると判定するまで(S14でYesとなるまで)、S9〜S14を繰り返して、S10、S12の判定に基づいて、必要に応じて加熱部2の加熱実行中の設定出力を調整する。具体的には、調整した出力を駆動回路6に伝達し、駆動回路6が調整された出力で加熱部2を駆動する。
S15では、制御回路5は、加熱部2に加熱を停止させる。具体的には、駆動回路6に加熱停止を伝達し、駆動回路6が加熱部2の駆動を停止する。その後、起床したユーザが、睡眠制御装置1の電源をオフし、これにて、睡眠制御装置1の動作が終了する。
なお、S15において、制御回路5は、必ずしも、起床予定時刻丁度に加熱を停止させる必要はなく、例えば起床予定時刻±30秒〜1分程度のずれがあってもよい。さらに、制御回路5は、ユーザが起床時刻に目覚めたものの再度眠ってしまう、いわゆる二度寝を防止するために、起床時刻から十分な時間が経過するまで、加温を継続するようにしてもよい。二度寝防止のために起床時刻後も継続する加熱時間は、例えば10分〜2時間に設定される。
図4は、睡眠制御装置1を用いて就寝した場合における、湿度の時間変化を示す曲線であり、(a)は発汗検出部4による検出結果に基づいて加熱部2による加熱の出力制御を行った場合であり、(b)は発汗検出部4による検出結果に基づいた加熱部2による加熱の出力制御を行わなかった場合である。なお、曲線において、しばしばみられる不連続は、ユーザの寝返りにより生じたものである。
(b)では、加熱開始後、皮膚から発せられる水蒸気により湿度が100%に到達している。この状態では、水蒸気が結露して汗となり、殆どのユーザは暑いと感じていると考えられる。実際に、ユーザは、湿度が100%に到達している期間中に睡眠深度が浅くなると起床してしまったりする。そして、このような起床は、覚醒して目覚めたものの、汗による不快さを感じる。
これに対し(a)では、加熱開始後、ユーザの皮膚から発せられる水蒸気により湿度が上昇しているが、湿度が一定値に到達した時点(この例では湿度が95%に達した時点)で加熱の出力を下げている。そのため、皮膚から発せられる水蒸気量が抑制され、湿度が100%に達することなく経過している。ユーザの感じる暑さも緩和していると考えられる。そして、起床時刻に達して覚醒するが、湿度が100%に達していないために水蒸気の結露による発汗がなく、快適に起床することができている。また、湿度が100%に到達しない程度に、覚醒に必要な加熱を行っているので、睡眠制御装置1の効果である、ユーザが快適に起床するのをサポートし、また起床後の覚醒度を高め、起床後に活動するためのエネルギーをより多く利用できる状態とする効果も維持することが可能となっている。
図3のフローチャートのS4、S11における、発汗量が加熱部2の出力降下条件を上回っているかどうかの判定方法は、種々考えられる。
1)例えば、加熱開始後、発汗検出部4としての湿度センサの値が一定値(例えば95%)を超えると、発汗度合いが一定量を超えたことを検知した(すなわち、発汗量が加熱部2の出力降下条件を上回っている)と判断し、加熱部2の出力を下げる。
2)あるいは、加熱開始後、発汗検出部4としての湿度センサの予測値が一定値(例えば98%)を超えると、発汗度合いの予測定常値が一定量を超えたことを検知した(すなわち、発汗量が加熱部2の出力降下条件を上回っている)と判断し、加熱部2の出力を下
げる。
図5は、加熱中における湿度の時間変化を示しており、湿度センサの予測値を算出する例を説明するための図である。任意の時刻t、t、t(t、t、tは等間隔)における湿度h、h、hを用いて、次に示す式(1)により予測値h算出する。
=(h−h )/(h+h−2h) … (1)
式(1)は、湿度の時間変化が指数関数に従うと仮定し、h−hが等比数列になることから算出することができる。湿度の時間変化がしたがう関数は、漸近線を有する関数であれば他の関数でも良く、例えば正接関数や、双曲線関数にしたがうと仮定してもよい。また、任意の時刻t、t、tの時間間隔は、短すぎると測定時のノイズを拾うため、正確な予測値を算出することが困難となる。逆に長過ぎると、予測値算出前に湿度が100%に到達してしまい、結露による発汗を生じ、望ましくない。したがって、測定間隔は、最適範囲が存在し、例えば30秒から10分の間が望ましく、例えば1〜2分とするのが良い。
加熱部2の出力下降条件としては、式(1)により算出される予測値hを、現在時刻tから過去にさかのぼって3点分の湿度データh、h、hを用いて随時計算し、求まるhが一定値(例えば98%)を上回る時間が一定時間以上(例えば1分以上)継続すると、出力を下降するアルゴリズムとすれば、湿度の測定誤差による誤動作を防止することができる。なお、前述の通り、ユーザが寝返りを打つたびに湿度曲線は不連続となるため、湿度曲線に不連続が生じるたびに、湿度の予測値を再計算する必要がある。
また、図3のフローチャートのS6、S12における、発汗量が加熱部2の出力上昇条件を下回っているかどうかの判断方法も、種々考えられる。
3)例えば、加熱開始後、発汗検出部4としての湿度センサの値が一定値(例えば80%)を下回ると、発汗度合いが一定量を下回ったことを検知した(すなわち、発汗量が加熱部2の出力上昇条件を下回っている)と判断し、加熱部2の出力を上げる。
4)あるいは、加熱開始後、発汗検出部4としての湿度センサの予測値が一定値(例えば80%)を下回ると、発汗度合いの予測定常値が一定量を下回ったことを検知した(すなわち、発汗量が加熱部2の出力上昇条件を下回っている)と判断し、加熱部2の出力を上げる。
なお、図3のフローチャートにおけるS6,S7およびS12,S13の、発汗量が加熱部2の出力上昇条件を下回っている場合に、加熱部2の出力を上げる処理は、S4,S5およびS10,S11の、発汗量が加熱部2の出力降下条件を上回っている場合に、加熱部2の出力を下げる処理とは異なり、必ず必要というものではない。
しかしながら、発汗量が加熱部2の出力上昇条件を下回っている場合に、加熱部2の出力を上げる処理を行うことで、起床支援のための加熱において、ユーザが暑いと感じない範囲で加熱部2の出力を上げることができ、ユーザを快適に起床させる観点でより効果的である。つまり、これにより、睡眠制御装置1の効果である、ユーザが快適に起床するのをサポートし、また起床後の覚醒度を高め、起床後に活動するためのエネルギーをより多く利用できる状態とする効果を最大限に高めることができるという効果を奏する。
また、制御回路5は、発汗度合い、またはその予測定常値が、加熱開始前から前述の出力下降条件に到達していることを検知すると、加熱部2の開始を中止する構成であっても
よい。これは、ユーザの体調や、寝間着・布団・寝具・環境により、加熱前からユーザが暑いと感じ、発汗している場合に、加熱を行ってさらに発汗を促進すると、ユーザに不快感を与えるためである。なお、この状況下においては、ユーザは既に暑いと感じているのであるから、本発明の睡眠制御装置1が与えようとする起床時の覚醒感を既に得ている状況であり、加熱を中止したとしても、起床に支障を来すことはない。
図6は、睡眠制御装置1における加熱部2の加熱温度と人体の体温の変化を示す図である。図6に示すように、正常な概日リズムを持つユーザであれば、就寝すると、体温は就寝前の体温から下がりはじめ、数時間かけて起床前までに低下し、起床前に再び上昇に転じる(二点鎖線)。これに対し、正常な概日リズムを持たないユーザは、起床前の体温上昇が生じない(一点鎖線)。このような状態では、朝起きるのが苦痛となり、日中の活動量が低下することとなる。
睡眠制御装置1では、起床予定時刻の120分前から加熱部2による加熱を開始するため、加熱部2の昇温と共に体温が高くなり、正常な概日リズムを持たないユーザであっても、起床予定時刻の体温は、一点鎖線の例よりも高い、二点鎖線の例と同等かそれ以上となる。これにより、すっきり目覚めることができるようになり、即ち起床後の覚醒度が高くなる。
また、正常な概日リズムを持ったユーザであれば、起床予定時刻の体温は、二転鎖線の例よりも高い実線の例のようになり、より一層すっきり目覚めることができ、起床後の覚醒度がより一層高くなる。
なお、加熱部2の動作途中に加熱部2の温度が低下しているのは、発汗検出部4が発汗を検知し、制御回路5が加熱部2の出力を下げたためである。この出力を下げた状態であっても、出力がゼロでないため、加熱が無い状態(比較例)と比べて、体温の高い状態が維持されており、起床後の覚醒度が失われることはない。
図7は、睡眠制御装置1の効果を検証した結果を示す図である。ここでは、EIA法(酵素免疫抗体法)を用いて、起床後の覚醒度の指標となる唾液中コルチゾール濃度の測定を行った。睡眠後期において、人は起床に向けた準備の1つとして、副腎皮質ホルモンであるコルチゾールの分泌量を増やすという現象が見られる。コルチゾールは、糖を分解してエネルギー生産を促す作用がある。
図7に示すように、睡眠制御装置1を用いた場合、睡眠制御装置1を用いない場合に比べて起床時の唾液中コルチゾール濃度が高くなる。起床時の唾液中コルチゾール濃度が高いということは、起床後に活動するためのエネルギーをより多く利用できる状態であり、つまり、図7から、睡眠制御装置1を用いることで、起床後の覚醒度を高めて、快適な起床状態を得ていることがわかる。
ところで、本実施の形態では、レム・ノンレム睡眠の周期が約90分であることを前提として、加熱部2は起床予定時刻の120分前から加熱を開始している。120分の内訳は、レム・ノンレム睡眠周期の約90分に、レム睡眠の継続時間の30分を加算した時間である。しかしながら、加熱開始の時刻は、起床予定時刻の120分前に限定されるものではない。
レム・ノンレム睡眠の周期には個人差があり、様々な人に対応することを想定すると、レム・ノンレム睡眠の対応周期として60〜120分の幅を設けておくことが好ましい。レム・ノンレム睡眠の対応周期を60〜120分とするには、加熱部2で加熱を開始させる時刻として、起床予定時刻の90〜150分前という範囲を設けておけばよい。この範
囲内で、それぞれの人の個人差を考慮して、加熱開始時刻を設定すれば良い。
ここで、加熱部2において、起床予定時刻の90〜150分前よりも前の早い時間から加熱を開始すると、快適な睡眠が得られる適正な温度にまで体温が低下せず、中途覚醒が増加するなど睡眠効率が悪くなって、睡眠に支障を来すことになる。また、加熱部2において、起床予定時刻の90〜150分前よりも遅い時間から加熱を開始すると、加熱部2で加熱している時間中にレム睡眠が発現しない場合が起こり得る。
なお、本実施の形態では、加熱部2は、起床支援のための加熱時、40℃で加熱しているが、加熱温度がこれに限定さるものではなく、人の平均体温、および低温火傷しないようにすることを考慮すると、36〜41℃の範囲で加熱すれば良い。
また、本実施の形態では、本体部10を人体の肩口から足までの範囲に対応した形状として、その全域に加熱部2を破折して肩口から足まで加熱する構成としているが、これに限定されるものではない。加熱部2が肩口から臀部までの上半身に及んでいれば良く、足には及んでいなくても良い。また、本体部10が頭部周辺に及んでいて加熱部2にて頭部まで加熱する構成であってもよい。但し、頭部への加熱は不快に感じることがあり、その場合、中途覚醒等を引き起こし易く、睡眠の質を低下させることとなる。
さらに、本実施の形態では、加熱部2を埋設した本体部10を人体の下方の位置となるように設置しているが、これに限定されるものではない。加熱部2が人体に接触して加熱を行っていれば、本体部10を人体の下方の位置に限定する必要はなく、例えば、人体の上方の位置に配置しても良い。その場合に、掛布団の一部となるように本体部10を配置しても良いし、掛布団の上方の位置、つまり人体および加熱手段の間に掛布団が挟まれるように、本体部10を配置しても良い。人体と本体部10との間に掛布団等が挟まれている場合も、加熱部2は、掛布団等を介して人体に接触して加熱していることになる。
但し、人体の上方の位置への配置は、加熱部2と敷布団との間に人体が位置するため、熱対流の原則から放熱しにくくなる。そのため、人体周辺の温度上昇に繋がり、不快に感じる可能性がある。また、人体と加熱部2との間に掛布団等が挟まれるように、本体部10を配置することは、人体に熱が伝わりにくくなるため、本発明の効果が十分に得られなくなる可能性がある。さらに、本実施の形態では、本体部10を敷布団25の上方の位置となるように設置しているが、それに限定されない。例えば、本体部10を敷布団25の内部に設けても良く、あるいは、本体部10の基材11に代えて、加熱部2を敷布団25の中に埋設した構成であってもよい。
また、本実施の形態では、加熱部2としてニクロム線を用いた電熱線にて熱を発生させているが、これに限定されるものではなく、例えば遠赤外線を用いて加熱しても良い。
また、本実施の形態では、実施しないが、制御回路5が、加熱部2を制御して、動作開始直後(睡眠制御装置1の電源がオンされた直後、入床時)の例えば5分間といった短い時間だけ、33℃以上で一時的に加熱する構成として、ユーザに寝具からの冷えを感じさせないようにしてもよい。但し、このような加熱も、できれば、就寝前に予め寝具を、冷えを感じない程度に暖めておくといった観点で行い、睡眠中を通じて加熱を行わない方が中途覚醒を増加させないため、好ましい。
また、本実施の形態では、起床した後に使用者が電源オフして睡眠制御装置1の動作を終了させているが、これに限定されるものではなく、起床後に自動的に電源オフとなっても良い。また、自動で電源がオフとなるタイミングが、起床した直後に限るものではなく、例えば起床後の1時間後であってもよい。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施形態について、図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
実施の形態に係る睡眠制御装置1Aは、図8に示すように、発汗検出部4Aが、加熱部2が設けられた本体部10とは別体のセンサモジュール15に組み込まれている。センサモジュール15で測定された発汗度合いは、有線あるいは無線による通信により、コントローラ部3の制御回路5に伝達される。
図8は、本実施の形態の睡眠制御装置1Aの各部のブロック図である。センサモジュール15には、発汗検出部4Aと、CPUからなる制御回路12と、データ送信インターフェース13が搭載されている。発汗検出部4Aにて検知されたデータは、制御回路12を通してデータ送信インターフェース13に送られ、睡眠制御装置1Aのコントローラ部3Aに有線又は無線(図8の例では無線)でデータ送信される。
図2で示した実施の形態1の睡眠制御装置1と異なり、本体部10Aは、発汗検出部4Aを搭載せず、加熱部2のみ搭載している。また、コントローラ部3Aは、データ受信インターフェース14を新たに備えて入る。データ受信インターフェース14は、センサモジュール15から受信した受信データを制御回路5に送る構成となっている。
本実施の形態の睡眠制御装置1Aにおいては、発汗検出部4Aを、睡眠制御装置1Aの本体部10Aと別体に構成しているので、発汗検出部4Aをユーザの身体に近い位置に配置することが可能となる。これにより、特定の部位の発汗を避けたい皮膚疾患を有するユーザ等向けに適している。
発汗検出部4よりもユーザの身体により近い位置に配置される発汗検出部4Aとしては、上述した湿度センサ、水分蒸散計の他に、カメラや、赤外線検出器、皮膚電位計等も用いることができる。
カメラは、皮膚の近接画像を取得し、画像処理技術により直接的に発汗を検知する。赤外線検出器は、皮膚の放射率が0.98〜0.99に対し、水の放射率が0.92〜0.96と低いことから、発汗すると黒体放射による赤外線量が減少することにより検出する原理である。赤外線カメラを用い、発汗する様子を画像処理により検知してもよい。また、皮膚電位計は、3極を皮膚(例えば前胸部)に接触するように配置し、中央の基準電位に対する電位差を測定することにより、温熱性発汗を検知する原理である。
〔実施の形態3〕
本発明の他の実施形態について、図9に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
実施の形態3に係る睡眠制御装置1Bは、実施の形態1,2に係る睡眠制御装置1,1Aに、さらに、寝具内の除湿を行う除湿機構を備えた構成である。
図9は、本実施の形態に係る睡眠制御装置1Bの各部の構成を示すブロック図である。除湿機構16は、寝具又は寝具近傍の湿度を下げるものである、図9の例では、除湿機構16は、加熱部2および発汗検出部4と共に、本体部10Bに搭載されている。本体部10Bは、基材11に代えて、内部に通気路と、該通気路に風を送り込むファンを備えた通
風機能付マットを備え、該マットが基材11および除湿機構16の機能を有する。加熱部2および発汗検出部4は、通風機機能付マットの表面あるいは内部に配設されている。通風機能付マットとしては、例えば、株式会社アテックス製のエアコンマットSOYOを用いることができる。該マットの表面に、ニクロム線等の加熱部2を配置する。
制御回路5Bは、加熱部2に加えて除湿機構16も制御し、発汗検出部4の検出結果から人体が暑さを感じている状態にあると判断すると、除湿機構16を制御して除湿を行う。具体的には、通気路に風を送り込むファンを駆動させる。
除湿機構16の別の構成として、図示してはいないが、マット内部に送り込まれる空気によって、布団を乾燥させる、布団乾燥機の乾燥マットであってもよい。例えば、シャープ株式会社製の布団乾燥機(型番DI-CD1S)の乾燥マット表面に、ニクロム線等の加熱部
2を配置する。乾燥マット内は、布団乾燥機から送られた温風にて満たされることから、ニクロム線等の加熱部2に代えて、布団乾燥機からの温風によって、起床支援のための加熱を行う構成としても良い。この場合、睡眠制御装置のコントローラ部は、温風を乾燥マットに送り出す布団乾燥機本体側に組み込まれる。
また、除湿機構16のさらなる別の構成として、図示してはいないが、敷布団内に空洞を有するマット構造を挿入すると共に、マットの空洞と連通される吸湿剤が収納されたボックスをマットに設ける構成としてもよい。吸湿剤が収納されたボックスには開閉扉が設けられており、発汗検出部4,4Aにより発汗が検知されると、コントローラ部3,3Aの制御回路5,5Aの制御にて開閉扉が開かれ、寝具内の水分が吸湿剤に吸収される仕組みである。
除湿機構16を有する本実施の形態に係る睡眠制御装置によれば、加熱部2の出力を減少させることなく、寝具内の除湿を行うことにより発汗の結露を防止することができるため、発汗による不快感を防止しつつ、睡眠制御装置の効果である、ユーザが快適に起床するのをサポートし、また起床後の覚醒度を高め、起床後に活動するためのエネルギーをより多く利用できる状態とする効果を最大限に高めることができる。
以上、実施形態1〜3について具体的に説明を行ったが、本発明はそれらに限定されるものではない。上述した3つ実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合せて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る睡眠制御装置1,1A,1Bは、寝具の一部を構成して人体を加熱する加熱部2と、前記人体の発汗量に依存する物理量を検出する発汗検出部4と、起床予定時刻の設定を受け付ける設定部(制御回路5、入力器8、表示器9)と、前記加熱部2を制御する制御部(制御回路5)と、を備え、前記制御回路5は、前記加熱部2を制御して、前記設定部に設定された前記起床予定時刻より90〜150分前の所定時刻までは、入床からの所定期間を除いて睡眠時の体温低下を阻害する第1温度以上での加熱を行わず、前記所定時刻からは、前記第1温度よりも高い第2温度で加熱を行い、かつ、前記制御回路5は、前記発汗検出部4にて検出された前記物理量に基づいて、前記加熱部2の出力を調整する。
上記構成によれば、起床予定時刻より90〜150分前の所定時刻までは、入床からの所定期間を除いて睡眠時の体温低下を阻害する第1温度以上での加熱を行わず、所定時刻からは、第1温度よりも高い第2温度で加熱を行う。人体は、睡眠時に体温が低下した状態で、起床予定時刻前のレム睡眠の時間帯において、第1温度よりも高い第2温度で加熱されることで、起床に適した状態で目覚めることとなる。人体をこのような起床に適した
状態で快適に目覚めさせることで、起床後の覚醒度を高め、起床後に活動するためのエネルギーをより多く利用できる状態とすることが可能となる。
また、第2温度での加熱の際に、暑さを感じると、起床予定時刻よりも前に目覚めたり、発汗による不快さを感じて起床時の快適さが低下するが、上記構成によれば、発汗検出部4が搭載され、加熱部2の出力が発汗量に依存する物理量に基づいて調整される。したがって、暑さを感じることによる、起床予定時刻前の目覚めや、発汗による起床時の不快さの問題を解決できる。
本発明の態様2に係る睡眠制御装置1,1A,1Bは、さらに、前記制御回路5は、前記所定時刻からの加熱時、前記物理量から前記人体が暑さを感じている状態にあると判断すると、前記加熱部2の出力を下げる構成とすることができる。
上記構成によれば、起床予定時刻前の所定時刻からの加熱時に、暑さを感じることによる、起床予定時刻前の目覚めや、発汗による起床時の不快さの問題を解決する、本発明を容易に実現できる。
本発明の態様3に係る睡眠制御装置1,1A,1Bは、さらに、前記制御回路5は、前記所定時刻からの加熱時、前記物理量から前記人体が暑さを感じていない状態にあると判断すると、前記加熱部2の出力を上げる構成とすることができる。
上記構成によれば、第2温度を、暑さを感じない程度にまで上げることができるので、第2温度で加熱して人体を暖めることにより快適に起床させる観点で、より効果的である。
本発明の態様4に係る睡眠制御装置1,1A,1Bは、さらに、前記制御回路5は、前記所定時刻よりも前に、前記物理量から前記人体が暑さを感じていない状態にあると判断すると、前記加熱部2を制御して、前記所定時刻からの加熱を中止する構成とすることができる。
体調や、寝間着・布団・寝具・環境により、所定時刻からの加熱の開始前から暑いと感じ、発汗している場合、加熱を行ってさらに発汗を促進すると、不快感を与える。上記構成においては、このような場合に、加熱が中止されるので、このような不快感を与える事態を確実に回避できる。
本発明の態様5に係る睡眠制御装置1Bは、さらに、前記寝具又は前記寝具近傍の湿度を下げる除湿機構を備え、前記制御回路5は、さらに前記除湿機構16を制御し、前記物理量から前記人体が暑さを感じている状態にあると判断すると、前記除湿機構16を制御して除湿を行う構成とすることもできる。
上記構成によれば、除湿機構にて前記寝具又は寝具近傍の除湿を行うことで、発汗の結露を防止することができる。これにより、第2温度での加熱の際に、暑さを感じることによる、起床予定時刻前の目覚めや、発汗による起床時の不快さの問題を、より効果的に解決することがきる。
本発明の態様6に係る睡眠制御装置1,1A,1Bは、さらに、前記発汗検出部4は、湿度センサ、水分蒸散計、カメラ、赤外線検出器、皮膚電位計の何れかを含んでいる構成とすることができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の
変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
〔参考例〕
特許文献2〜4に記載された従来の送風装置のファン制御では、センサがユーザ(対象者)から離れた位置から検出を行うために、検出精度が悪くなり小さな状態変化を検出することが困難であった。このため、ユーザに送風をあて過ぎることにより必要以上に体温を奪ったり、逆に、送風量が少なくなることにより本来奪わなければならない熱量を奪うことができず、体温が上昇して寝苦しい状態になってしまったりという問題がある。
また、「お休みモード」の使用においても、外部の環境および対象者の睡眠状態に関係なく一定の制御パターンにて送風を行うため、前記と同様に冷やし過ぎたり冷やせなかったりと、上記と同じ状況になる。
本参考例は、扇風機等の送風装置に内蔵したセンサではなく、対象者の睡眠状態を検出できる睡眠センサ(睡眠検出装置)を別途設けて、センシングすることにより対象者の睡眠状態を検出し、その睡眠状態に応じて、送風装置の風量および送風のON/OFFを制
御することで、対象の睡眠状態を制御するものである。
参考例の送風型の睡眠制御装置100について、図面を参照して説明する。図10は、睡眠制御装置100を使用中のユーザを含む概略斜視図である。睡眠制御装置100は、送風装置101と睡眠センサ103を備えている。
送風装置101は、睡眠センサ103から、睡眠センサ103が検出したセンシング情報あるいはセンシング情報に基づいて送風装置101を制御するための制御信号に基づいて送風機能を制御する。送風装置101は、睡眠センサ103との間で、センシング情報あるいは制御信号を通信する通信機能を備えている。
送風装置101において、通信機能および受信したセンシング情報あるいは制御情報に基づいて送風機能を制御する制御機能は、送風装置101に内蔵している構成であっても、通信アダプタを外付けすることで実現される構成であってもよい。また、送風装置101としては、羽根を備える扇風機や天井扇の他、羽根を備えない構成のものでもよい。
睡眠センサ103は、ユーザの睡眠状態を検出するものであり、ユーザの睡眠状態を検出することできるデータを検出し、該データをセンシング情報として、あるいは該センシング情報に基づいて送風装置101を制御する制御信号を生成する。睡眠センサ103は、送風装置101との間で、センシング情報もしくは制御信号を通信する通信機能を備えている。
睡眠センサ103において、ユーザの睡眠状態の検出方式は、特に制限されるものではなく、例えば、体動や脈拍、呼吸、心電などを挙げることができる。また、睡眠センサ103の形態は、図10に例示するように、寝具105の下に挟んで使用する形態や、寝具105に内蔵されたもの、寝具の下に敷き込むマット型、モバイル形態など特に制限されるものではない。睡眠センサ103は、睡眠状態をセンシングできれば如何なる形態であってもよい。
また、睡眠センサ103と送風装置101との間に情報処理端末を介在させ、情報処理装置が、睡眠センサ103からセンシング情報を受け取って送風装置101を制御する制
御信号を生成して、送風装置101に送信する構成としてもよい。
送風装置101と睡眠センサ103との間の通信、あるいは送風装置101と情報処理端末、情報処理端末と睡眠センサ103との間の通信は、有線あるいは無線(光を含む)など、特に制限されるものではない。
図11は、睡眠制御装置100の各部の構成を示すブロック図である。送風装置101は、風を作り出す送風部112、CPUからなる制御回路115、該制御回路115からの情報に基づいて送風部112を駆動する駆動回路116を備える。さらに、送風装置101は、実時間を計測するクロック117、ユーザが送風装置101の動作をON/OF
Fしたり風量を切り換えたり、起床予定時刻等を入力したりするための操作部118、送風装置101の周囲の温度を計測する温度センサ119、送風装置101の周囲の湿度を計測する湿度センサ120、および通信インターフェース121を備える。
制御回路115は、睡眠センサ103から送信され、通信インターフェース121を介して受信したセンシング情報あるいは制御信号にて送風部112の動作を制御する。具体的には、ユーザの睡眠状態をセンシング情報に基づいて検出し、ユーザの睡眠時の周期に応じて、送風部112の動作を後述するように制御する。送風部112の動作を制御するとはつまり、風量(風力)、風向き、送風の開始・停止等を制御することである。また、制御回路115は、起床予定時刻等の設定条件を記憶するために、図示しないメモリを備えている。
睡眠センサ103は、体動や脈拍、呼吸、心電などをセンシングするセンサ部122と、CPUからなる制御回路123と、通信インターフェース124が搭載されているセンサ部122にて検知されたデータは、制御回路123に処理されてセンシング情報あるいは制御情報となり、通信インターフェース124に送られ、送風装置101に有線又は無線で送信される。
なお、以降、睡眠センサ103はセンシング情報を送風装置101に送信し、送風装置101の制御回路115は、睡眠センサ103より受信したセンシング情報に基づいて、送風部112の動作を制御する場合を説明する。
図12は、入眠から起床までの一般的な人間の睡眠周期を示す図である。図12に示すように、人間は入眠から睡眠までの間、浅い眠りと深い眠りを周期的に繰り返す。深い眠りにある場合は、外部からの刺激による反応は小さい。一方、浅い眠りにある場合は、外部からの刺激による反応が大きい。
図13は、一日の一般的な人間の体温変化を示す図である。図13に示すように、人間は、1日の体温リズムを持っており、就寝前から体温が低下し起床前から体温が上昇する。したがって、入眠時に体温が下がることにより快適な睡眠導入を行うことができ、起床時には体温が上昇することにより快適な起床につながる。
つまり、睡眠状態に応じて外部より体温調整を行うことが可能になれば、入眠時に体温を下げるようにして入眠を行いやすくしたり、睡眠途中で覚醒しそうな時に体温を下げて覚醒を防ぎ睡眠状態を維持したり、起床前に体温を上げて快適な起床に導いたり、といった睡眠制御が可能となる。
そこで、参考例の睡眠制御装置100においては、送風装置101の制御回路115が、通信インターフェース121を介して睡眠センサ103から受信したセンシング情報に基づいて、送風部112の動作を以下のように制御する。
(入床から入眠に至る睡眠導入時の制御)
送風装置101は、睡眠センサ103が検出した情報に基づいて、ユーザの入床から最初の深い眠りに至るまでの期間、ユーザに直接もしくは間接的に風を当てる。これにより、ユーザの体温を下げて入眠しやすくできる。入床から入眠に至る過程では、体温が下がる傾向である方が快適な睡眠導入に至りやすい。そのため、入床から入眠に至るまでの期間は、ユーザの体から放熱される熱が除熱されやすいように、ユーザ近辺の風量を上げるように制御する。入床、入眠に至ったことは、睡眠センサ103のセンシング情報より検出できる。
入眠後は、ユーザに直接もしくは間接的に風を当てつつ、室内の空気を撹拌することにより部屋の熱の籠りを防ぐように制御する。あるいは、入眠後は、ユーザへは送風せず、室内の空気を撹拌することにより部屋の熱の籠りを防ぐように制御する。
但し、その一方で、入眠後すぐに送風を停止したり風量を抑えたりすると、体温上昇を起こして覚醒状態に至る可能性が大きい。そのため、入眠後の一定時間Aは、送風を停止したり風量を抑えたりしないように制御することが好ましい。この入眠後の一定時間Aは、例えば、30分〜60分程度が望ましい。
また、入眠後の上記一定時間Aを過ぎた後は、上述したように、部屋全体の空気が撹拌されるような送風を行う。これにより、部屋内部の熱の籠りを解消することができ、外気温の低下に伴い室温もスムーズに低下させることができる。
図14は、睡眠制御装置100における睡眠導入時の動作を説明するためのフローチャートである。なお、送風装置101が、睡眠センサ103からセンシング情報を受信する処理は、当該フローチャートの処理と並行して実施されている。
送風装置101の制御回路115は、睡眠センサ103から受信したセンシング情報に基づいてユーザが入床したことを検出すると、当該フローに入る(S51)。制御回路115は、入床を検出すると、ユーザの体から放熱される熱が除熱されやすいように、ユーザ近辺の風量増で送風を開始する(S52)。
次に、制御回路115は、睡眠センサ103から受信したセンシング情報に基づいて、ユーザが入眠したことを検出したかを判定する(S53)。ここで、NOの場合は、YESと判定するまで、S53を繰り返す。YESの場合は、入眠後に送風を継続する一定時間に相当する所定時間Aの計測を開始する(S54)。
その後、制御回路115は、所定時間Aが経過したかを判定し(S55)、経過したと判定すると、所定時間Aの計測を終了し(S56)、風向きや風量を変更して、室内空気を撹拌するための送風を行う(S57)。
(深い眠りに達したときの制御)
送風装置101は、睡眠センサ103が検出した情報に基づいて、ユーザが深い眠りに達したことを検出した後は、ユーザに直接風が当たらないようにするか、送風を停止する。これにより、ユーザの必要以上の冷やし過ぎを防止することができる。
具体的には、睡眠センサ103のセンシング情報から、ユーザが、外部からの刺激による反応が小さい深い眠りに到達したことを検出すると、制御回路115は、風の向きを変更して、ユーザに風が直接あたらないように風向きを変更するか、もしくは送風を停止する。
但し、その一方で、送風を停止すると、室温によっては、深い眠りであっても寝苦しさを感じる場合がある。そのため、温度センサ119にて測定された室温が、深い眠りであっても寝苦しさを感じると想定される所定温度B、例えば28℃以上あれば、例えば5分〜10分程度の所定時間Cの間、送風を継続することが好ましい。これにより、深い眠りが妨げられず、ユーザは安眠を維持しやすくなる。
図15は、睡眠制御装置100におけるユーザが深い眠りに達したときの動作を説明するためのフローチャートである。
制御回路115は、睡眠センサ103から受信したセンシング情報に基づいてユーザが深い眠りに入ったことを検出すると、当該フローに入る(S61)。制御回路115は、深い眠りに入ったことを検出すると、温度センサ119にて測定された室温を確認し、所定温度B未満であるかを判定する(S62)。ここで、YESの場合は、送風を停止する(S63)。一方、NOの場合は、深い眠りに達した後に送風を継続する一定時間に相当する所定時間Cの計測を開始する(S64)。その後、制御回路115は、所定時間Cが経過したかを判定し(S65)、経過したと判定すると、所定時間Cの計測を終了し(S66)、送風を停止する(S63)。
(深い眠りから浅い眠りに移行する期間の制御(1))
送風装置101は、睡眠センサ103が検出した情報に基づいて、ユーザが深い眠りから浅い眠りに移行し始めたことを検出した後は、眠りの浅い期間で覚醒に近づいた状態を検出すると、ユーザに直接もしくは間接的に風を当てる。これにより、ユーザの体温を下げ、再び睡眠状態へ導くことが可能となる。
具体的には、睡眠センサ103のセンシング情報から、深い眠りから、外部からの刺激による反応が大きい浅い眠りに移行する期間に到達したことを検出すると、制御回路115は、睡眠センサ103のセンシング情報から、ユーザが眠りの浅い期間で覚醒に近づいたかどうかを検出する。覚醒に近づいたことを検出すると、目覚めさせないように、例えば5分〜10分程度の所定時間Dの間、ユーザに直接当たるように、あるいは間接的に当たるように送風を行う。これにより、ユーザの体温および寝具105の温度を下げることができ、安眠を維持しやすくなる。ユーザが覚醒に近づいたかどうかは、例えば睡眠センサ103が検出したユーザの体動より検出できる。ユーザは覚醒に近づくと、動き易くなる。
図16は、睡眠制御装置100におけるユーザが深い眠りから浅い眠りに移行する期間の動作を説明するためのフローチャートである。
制御回路115は、睡眠センサ103から受信したセンシング情報に基づいてユーザが深い眠りから浅い眠りに移行する期間に入ったことを検出すると、当該フローに入る(S71)。制御回路115は、上記移行期間に入ったことを検出すると、続けて、睡眠センサ103から受信したセンシング情報に基づいて、深い眠りに達したことを検出したかを判定する(S72)。深い眠りから浅い眠りに移行する期間に入ったばかりの状態では、深い眠りに達していないために、NOと判定されてS73に進む。これに対し、ユーザが浅い眠りを経て再び深い眠りに達した場合には、S72においてYESと判定され、当該処理を抜ける。
S73においては、制御回路115は、睡眠センサ103から受信したセンシング情報に基づいて、ユーザの体動を検出したかを判定する。ここで、NOの場合は、S72に戻る。一方、YESの場合は、送風を開始すると共に所定時間Dの計測を開始する(S74
)。その後、制御回路115は、所定時間Dが経過したかを判定し(S75)、経過したと判定すると、所定時間Dの計測を終了し(S76)、送風を停止して(S77)、S72に戻る。
(深い眠りから浅い眠りに移行する期間の制御(2))
日の出などの影響により室温が上昇傾向に移行した場合には、正常な概日リズムを持つユーザであれば、起床に向かう準備を開始し、体温が上昇し出す傾向にある。しかしながら、日の出の時刻と帰所時刻との間のずれが大きい場合には、安眠の妨げとなる。そこで、送風装置101は、睡眠センサ103が検出した情報に基づいて覚醒に近づいたことを検出する基準(閾値や条件)を、室温あるいは湿度あるいはその両方に応じて変動させて、覚醒に近づいたと検出しやすくする。
具体的には、睡眠センサ103のセンシング情報から、深い眠りから浅い眠りに移行する期間に到達した場合に、室温の上昇を検出すると、体温を低く維持できるように風量を多くするか、送風開始の閾値を下げて送風回数を増やすか、送風時間を長くするようにする。
例えば、風量増加で対応する場合は、室温上昇のない通常よりも10%から20%程度の増加を目安に行う。送風回数で対応する場合も同様に、室温上昇のない通常よりも10%から20%程度、回数が増えるように閾値を下げるようにする。送風時間で対応する場合も同様に、室温上昇のない通常よりも10%から20%程度、送風時間が長くなるように閾値を下げるようにする。
また、湿度条件も発汗経由の放熱では重要な条件となるため、湿度が上昇している場合も、室温上昇の場合と同じように制御する。
さらに、起床時間を取得することが可能な場合には、起床時間に近い時には送風を行わずに体温の上昇を補助することにより、快適な起床へ導くようにする。
図17は、睡眠制御装置100におけるユーザが深い眠りから浅い眠りに移行する期間の別の動作を説明するためのフローチャートである。
図17のフローチャートでは、図16のフローチャートにおける、ステップS72と73との間に、S81、S82、S83の処理が追加されている。制御回路115は、S72にて、深い眠りに達したことを検出したかを判定した後、続けて、クロック117を通じて現在時刻の確認を行うと共に、メモリに格納された起床予定時刻とを比較して、起床予定時刻に近いかどうかを判定する(S81)。例えば、現在時刻が起床予定時刻の30分前以内である場合に近いと判定する。S81において、起床予定時刻に近い(YES)と判定すると、当該処理を抜ける。一方、S81において、起床予定時刻に近くない(NO)と判定すると、S82に進む。
S82では、制御回路115は、温度センサ119にて測定された室温を確認し、室温の低下が有るかを判定する。例えば、5℃以上温度が下がった場合に、室温低下有りと判定する。S82において、室温低下有り(YES)と判定すると、S73にそのまま進む。一方、S82において、室温低下無し(NO)と判定すると、S83を経てからS73に進む。S83では、体動を検出した場合に、S73にて実施される送風が、室温低下があった場合よりも多い風量で実施されるように、あるいはより小さい体動の検出でも送風が開始されるように(送風回数増)、あるいは送風時間Dが長くなるように、条件を変更する。
なお、図17のフローチャートでは、S82にて室温の上昇が有るかを判定したが、温度に変えて、湿度センサ120にて測定された湿度を確認し、検出された湿度が上昇しているかを判定してもよい。湿度が上昇している場合に、温度と同条件の制御を行う。
以上のように、参考例の睡眠制御装置100は、送風装置101の風量制御において、睡眠センサ103を用いることにより深い睡眠に入るまでは体を基本的に冷やすことで、睡眠導入を助けるようにする。また、深い眠りに入った時点で外界からの刺激に対しては鈍くなるため、風量を落とすもしくは送風を停止することにより、体の冷え過ぎを防ぐようにする。そして、深い睡眠から浅い睡眠に移行すると、外部刺激による覚醒が起きやすくなるため、再度体を冷やすことにより覚醒を防ぐと共に、体温低下により再度睡眠導入を促すようにする。
従来の方法では、睡眠状態の詳細なセンシングは困難であるため、睡眠状態に応じた適切な送風制御を行えなかったが、睡眠センサ103と連携することで詳細な制御が可能となる。
これにより、従来の制御では、制御精度が悪いためによる送風しすぎによる体のだるさや、タイマおよび動作パターンによる送風停止による温度上昇により目が覚めてしまうという欠点があったが、参考例の睡眠制御装置100によれば、睡眠センサ103を使うことで、人間の持っている睡眠周期や体温リズムに合わせて、外部から体温調整を行うことにより、従来の制御ではできなかった睡眠中の状況に応じた制御を可能にすることで、起床までの使用者の体温制御を行うことが可能となり、快適な入眠導入から熟睡状態の維持、そして最後に快適な起床へ導く制御を行うことが可能となる。
睡眠センサ103と送風装置101との連携における利点は、暑苦しい時にのみ体の熱をスポット的に奪えるということがポイントになる。これはエアコンでは部屋の温度を調整するために、使用者の体感温度を変化させる応答性のよい放熱量を制御するのは難しいため、送風装置101による送風による放熱制御により、効果的な放熱制御が可能になるためである。
参考例の睡眠制御装置100の構成は、以下のように表現することもできる。つまり、互いに通信可能な送風装置101と睡眠の状態を検出する睡眠検出装置(睡眠センサ103)とを含み、睡眠センサ103が、センサ部122にて睡眠の状態を検出し、検出した情報を送風装置101に送信し、送風装置101の制御回路115が、睡眠センサ103より受信した情報に基づいて、送風部112の動作を制御する。送風部112の動作の制御とは、送風停止・開始の制御、送付方向の制御、送風量の制御等がある。また、参考例の睡眠制御装置100は、睡眠センサ103と送風装置101とを連携させた、睡眠制御システムとも表現できる。
本発明に係る睡眠制御装置は、電気毛布の如く身体を暖める器具や、ヒータ内蔵型の寝具等に利用することができる。
1,1A,1B 睡眠制御装置
2 加熱部
3 コントローラ部
4,4A 発汗検出部
4A 発汗検出部
5,5A,5B 制御回路
6 駆動回路
7 クロック
8 入力器
9 表示器
16 除湿機構

Claims (5)

  1. 寝具の一部を構成して人体を加熱する加熱部と、
    前記人体の発汗量に依存する物理量を検出する発汗検出部と、
    起床予定時刻の設定を受け付ける設定部と、
    前記加熱部を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記加熱部を制御して、前記設定部に設定された前記起床予定時刻より90〜150分前の所定時刻までは、入床からの所定期間を除いて睡眠時の体温低下を阻害する第1温度以上での加熱を行わず、前記所定時刻からは、前記第1温度よりも高い第2温度で加熱を行い、かつ、
    前記制御部は、前記発汗検出部にて検出された前記物理量に基づいて、前記加熱部の出力を調整することを特徴とする睡眠制御装置。
  2. 前記制御部は、前記所定時刻からの加熱時、前記物理量から前記人体が暑さを感じている状態にあると判断すると、前記加熱部の出力を下げることを特徴とする請求項1に記載の睡眠制御装置。
  3. 前記制御部は、前記所定時刻からの加熱時、前記物理量から前記人体が暑さを感じていない状態にあると判断すると、前記加熱部の出力を上げることを特徴とする請求項2に記載の睡眠制御装置。
  4. 前記制御部は、前記所定時刻よりも前に、前記物理量から前記人体が暑さを感じていない状態にあると判断すると、前記加熱部を制御して、前記所定時刻からの加熱を中止することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の睡眠制御装置。
  5. 前記寝具又は前記寝具近傍の湿度を下げる除湿機構を備え、
    前記制御部は、さらに前記除湿機構を制御し、前記物理量から前記人体が暑さを感じている状態にあると判断すると、前記除湿機構を制御して除湿を行わせることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の睡眠制御装置。
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