JPH07225042A - 睡眠誘導装置 - Google Patents

睡眠誘導装置

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Publication number
JPH07225042A
JPH07225042A JP6290269A JP29026994A JPH07225042A JP H07225042 A JPH07225042 A JP H07225042A JP 6290269 A JP6290269 A JP 6290269A JP 29026994 A JP29026994 A JP 29026994A JP H07225042 A JPH07225042 A JP H07225042A
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JP
Japan
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sleep
output
temperature
human body
breeze
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Withdrawn
Application number
JP6290269A
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English (en)
Inventor
Tatsuya Takahashi
達也 高橋
Masako Kitadou
真子 北堂
Hiroyuki Ibe
浩行 井邉
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 入眠をスムーズにし、しかも入眠後も良質の
睡眠を確保できるようにした睡眠誘導装置の提供。 【構成】 人体温度センサ1 により人体の皮膚表面温度
を検出する皮膚温検出部2 を有する熱特性検出手段A
と、室温センサ3 により寝室の室温を検出する室温検出
部4 と、皮膚温検出部と室温検出部の出力により微風を
コントロールする微風コントロール部5 と微風コントロ
ール部の出力に基づいて微風を出力する微風出力部6 と
皮膚温検出部と室温検出部の出力により冷輻射の冷熱温
度をコントロールする輻射コントロール部7 と輻射コン
トロール部の出力に基づいて輻射を出力する輻射出力部
8 とを有する放熱量制御手段B と、を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、入眠をスムーズにし、
しかも入眠後も良質の睡眠を確保できるようにした睡眠
誘導装置に関する。
【0002】
【従来の技術】夏季における寝室環境は、寝苦しく、安
眠を妨げる大きな要因となっている。この睡眠に対する
悪条件を解消し、深い睡眠状態に早く誘導し熟睡させる
方法として、寝室の室温を下げ、除湿をして寝室の環境
を整えたり、あるいは、使用者がここちよいと感じるよ
うな音刺激や振動刺激を与えると効果的であることが知
られている。特に日本の夏季は高温多湿であるため、寝
室の温湿度を適切に調節することが良質の睡眠を得るの
に効果的である。
【0003】このような知見に基づいて、従来より入眠
をスムーズにし、しかも良質の睡眠を確保するための睡
眠誘導装置として、エアコン(クーラ)や扇風機などが
広く利用されている。エアコンについては、室内の温
度、湿度を適切に調節する方法が考えられており、「お
やすみタイマ」を用いてエアコンにより室温調整を睡眠
に合わせて変化(就寝後にある程度室温を上昇)させる
ようにしたり、人体温度センサから検出した人体表面の
皮膚表面温度のレベルによりエアコンの温調モードを上
昇あるいは維持あるいは低下させるようにしている。
(特願平3−153450号) また、他の睡眠誘導装置として、特開平2−29966
4号公報に開示されているように、輻射熱を発すること
ができる蓄熱材あるいは蓄冷材にて構成された熱輻射板
を就寝者の枕元に設置し、就寝者の顔面を含む頭部付近
に温熱あるいは冷熱を輻射せしめる装置が提案されてい
る。
【0004】ところで、睡眠中は、代謝を最低にする必
要があるため、体内での熱移動をなるべく少なくするこ
とが望ましい。従って、早くスムーズに深い眠りにつけ
るようにするためには、他部位に比べて温度が高く、体
温調節中枢に近い頭部を局所的に冷却することが有効な
手段となることが知られている。しかも、頭部において
温熱感覚を検知するセンサは、有毛部に少なく、無毛部
に多く存在するので、頭部全体というよりも無毛部であ
る顔面に局所的な冷刺激を与えることがよりさらに効果
的と考えられる。
【0005】すなわち、入眠促進効果と顔面からの放熱
量とには、深い関わりがある。前述の通り、入眠促進に
は、他部位に比べて温度が高くて体温調節中枢に近い頭
部を局所的に冷却し、顔面の温度を早く適当な温度まで
下げることが必要である。また、顔面に冷刺激を与える
ことは、顔面から奪う熱量を増やして顔面の温度の下が
りをよくし、その結果平常時(冷刺激なし)と比較して
顔面からの放熱量を多くする。つまり、適度な環境条件
の下で顔面からの放熱量が多くなるよう局所的に冷刺激
を与えれば、顔面の温度の下がりがよくなり、入眠が促
進される。
【0006】また、顔面等の頭部を局所的に冷却する手
段としては、昔から氷嚢、氷枕といったものが使われて
おり、最近では電子冷却枕、冷却輻射板といったような
ものも使われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述した各種機器は、
次のような問題点がある。扇風機はただちに清涼感を得
ることができるという利点はあるが、長くその風に当た
り続けると皮膚表面温度が下がり過ぎ、血液の流れが悪
くなり、けだるさ感が生じたり、顔面麻痺の原因にもな
りうる。また、寝返りをして風の届かない範囲に身体が
移動してしまった場合、効果が無くなってしまう。それ
らを防ぐために扇風機を首振りにするという手段がある
が、今度は首を振っている間、少しの間だが一定の間隔
で風の当たらない部位ができ、その部位が逆に暑く感じ
られたりするという欠点もある。
【0008】エアコンに関しては、送風ファンから吹き
出される冷気は寝室を全体的に冷房することしかできな
いため、睡眠中の全身を一様に冷却し、特に四肢の抹消
部が冷え過ぎるという問題がある。このため、全身から
の代謝量が多くなり過ぎ、中途覚醒を招いたり、起床時
にだるさ感を訴えたりする原因ともなっている。また、
室内の温度、湿度を調整する場合、送風ファンから吹き
出される冷気に伴う強い気流を肌に感じ、それが気にな
って不快感が生じ、睡眠が浅くなったり、覚醒してしま
うことがある。
【0009】また、頭部を局所的に冷却する手段として
の氷嚢や氷枕は、発熱時に使用されるものであって、日
常的に使用されるものではないし、氷が溶けてしまうと
その冷却効果は無くなってしまう。また、健常人が使用
しても温度調節機能が無いため、必要以上に頭部を冷却
することになり、睡眠を阻害してしまう可能性が高い。
これとは別に電子冷却枕は、入眠時の初期温度設定のみ
ができるだけであり、入眠後も頭部の温度変化に関係な
く冷却し続けるので、頭部の温度が下がり過ぎ、中途覚
醒を引き起こす可能性がある。これを解決するために、
エアコンと同様に入眠後タイマなどでスィッチを切るよ
うにしても、スィッチを切った後、体温は上昇してしま
うので、入眠促進には効果があっても、やはり中途覚醒
がおこりやすい。しかも、電子冷却枕は、後頭部つまり
有毛部を冷却するものであるため、その効果は無毛部と
比較して小さい。
【0010】一方、冷却輻射板を就寝者の枕元に配置
し、就寝者の顔面を含む頭部付近に冷熱を輻射せしめる
睡眠誘導装置にあっては、就寝後は朝方まで就寝者の深
部体温が下降を続け、同様に室温も朝方にかけて下降す
るという状況のもとで、時間の経過にかかわらず、輻射
板の温度を一定に保っている。そのため、深睡眠時には
体温調節機能の低下が起こることから、顔面及び頭部付
近の皮膚表面温度度が下がり過ぎ、局部的な冷えを生
じ、そのために睡眠が浅くなったり、覚醒してしまう場
合があるという問題がある。
【0011】これを解決するために、輻射板の温度を睡
眠の第1サイクルが終わる少し前(例えば、入眠後90
分乃至110分間)までは低温度一定に制御し、その
後、経時的に温度が漸増するように制御する温度制御手
段を設けたものも提案されている(特願平3−0516
25号)。しかし、これは例えば、深睡眠時は体温調節
機能が低下し、レム時は自律神経系の機能が乱れるとい
ったような、人間の睡眠中の生理状態が一様でなく周期
的に変化していることに則するまでには至っていない。
従って、この方法により顔面及び頭部付近を局所的に冷
却した場合、入眠後も睡眠リズムに合わせて輻射板の温
度を制御しないことには、やはり皮膚表面温度度が下が
り過ぎ、局所的な冷えを生じ、そのために睡眠が浅くな
ったり、覚醒してしまうことがある。
【0012】仮に、睡眠中における生理状態を考え輻射
板の温度を変化させようとしても、冷却輻射板として蓄
冷材を用いた場合は、その温度の上下変化は容易ではな
い。また、冷却輻射板にペルチェ素子を用いる方法は、
電気的に輻射板の温度を変化させることができるので、
その温度変化は容易であるが、ペルチェ素子は高価なも
のであるし、冷却効果を上げるには排熱用ファンを必要
とし、それに伴う騒音が逆に睡眠の妨げになるという問
題点もある。
【0013】また、冷却輻射板を就寝者の枕元に配置
し、就寝者の顔面を含む頭部付近に冷熱を輻射せしめる
装置にあっては、寝床に入った瞬間に感じられる冷気が
それほど強いものではなく、即座に快適感を得ることは
難しいという問題点も持っている。従って、冷却輻射板
では、冷気による冷却効果は徐々にしか現れてこないも
のであって、入眠促進に関しては効率が悪く、冷輻射の
みでは温度制御や冷却能力に問題があり、入床直後から
効率よく入眠を促進し、入眠後も良質の睡眠を確保する
には、新たな方法が必要となってきている。
【0014】本発明は、かかる事由に鑑みてなしたもの
で、その目的とするところは、入眠をスムーズにし、し
かも入眠後も良質の睡眠を確保できるようにした睡眠誘
導装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、請求項1記載の睡眠誘導装置は、人体表面の熱特
性を計測する計測センサによりその熱特性を検出する熱
特性検出手段と、該熱特性検出手段の出力に基づいて人
体表面からの放熱量を制御する放熱量制御手段と、を有
する構成としている。
【0016】また、請求項2記載の睡眠誘導装置は、請
求項1記載の睡眠誘導装置において、室温センサにより
寝室の室温を検出して放熱量制御手段に入力する室温検
出部を設けるとともに、熱特性検出手段に、人体温度セ
ンサにより人体表面の皮膚表面温度を検出する皮膚温検
出部を設けた構成としている。
【0017】また、請求項3記載の睡眠誘導装置は、請
求項1記載の熱特性検出手段に、人体表面の放熱量を検
出する放熱量検出部を設けた構成としている。
【0018】また、請求項4記載の睡眠誘導装置は、請
求項3記載の睡眠誘導装置において、室温センサにより
寝室の室温を検出して放熱量検出部に入力する室温検出
部を設けるとともに、熱特性検出手段に、人体温度セン
サにより人体表面の皮膚表面温度を検出して放熱量検出
部に入力する皮膚温検出部を設けた構成としている。
【0019】また、請求項5記載の睡眠誘導装置は、請
求項4記載の室温検出部の出力により寝室の室温を制御
する室温コントロール部を設けた構成としている。
【0020】また、請求項6記載の睡眠誘導装置は、請
求項4記載の睡眠誘導装置において、湿度センサにより
寝室の室内温度を検出して放熱量検出部に入力する室内
湿度検出部を設けた構成としている。
【0021】また、請求項7記載の睡眠誘導装置は、請
求項6記載の室内湿度検出部の出力により寝室の湿度を
制御する室内湿度コントロール部を設けた構成としてい
る。
【0022】また、請求項8記載の睡眠誘導装置は、請
求項1乃至7記載の放熱量制御手段に、微風を制御する
微風コントロール部と、微風コントロール部の出力に基
づいて微風を出力する微風出力部と、設けた構成として
いる。
【0023】また、請求項9記載の睡眠誘導装置は、請
求項8記載の微風コントロール部に、風速を制御する風
速制御部を設けた構成としている。
【0024】また、請求項10記載の睡眠誘導装置は、請
求項9記載の風速制御部は、風速を平均風速で0.2〜
1.0m/sになるよう制御する構成としている。
【0025】また、請求項11記載の睡眠誘導装置は、請
求項9記載の睡眠誘導装置において、皮膚温検出部の出
力により、深睡眠到達時点の判定を行う深睡眠到達時点
判定部を設けるとともに、該深睡眠到達時点判定部の出
力により風速制御部を制御した構成としている。
【0026】また、請求項12記載の睡眠誘導装置は、請
求項9記載の睡眠誘導装置において、皮膚温検出部の出
力により、睡眠リズムの判定を行う睡眠リズム判定部を
設けるとともに、該睡眠リズム判定部の出力により風速
制御部を制御した構成としている。
【0027】また、請求項13記載の睡眠誘導装置は、請
求項9記載の風速制御部に、睡眠リズムを設定したタイ
マを設けた構成としている。
【0028】また、請求項14記載の睡眠誘導装置は、請
求項13記載の風速制御部に、就寝時の風速を制御する第
2のタイマを設けた構成としている。
【0029】また、請求項15記載の睡眠誘導装置は、請
求項8記載の微風コントロール部に、微風出力部の風温
を制御する風温制御部を設けた構成としている。
【0030】また、請求項16記載の睡眠誘導装置は、請
求項1乃至7記載の放熱量制御手段に、冷輻射の冷熱温
度を制御する輻射コントロール部と、輻射コントロール
部の出力に基づいて輻射を出力する輻射出力部と、設け
た構成としている。
【0031】また、請求項17記載の睡眠誘導装置は、請
求項1乃至7記載の放熱量制御手段に、熱伝導の冷熱温
度を制御する熱伝導コントロール部と、熱伝導コントロ
ール部の出力に基づいて熱伝導を出力する熱伝導出力部
と、設けた構成としている。
【0032】また、請求項18記載の睡眠誘導装置は、請
求項1乃至17記載の人体表面は、顔面とした構成として
いる。
【0033】また、請求項19記載の睡眠誘導装置は、請
求項18記載の放熱量制御手段は、放熱量が約100W/
2 以上となるよう制御する構成としている。
【0034】また、請求項20記載の睡眠誘導装置は、請
求項18記載の睡眠誘導装置において、顔面の向いている
方向をセンシングする顔面方向認識センサにより顔面方
向を検出する顔面方向検出部を設けるとともに、微風コ
ントロール部に、顔面方向検出部の出力により微風の風
向を制御する風向制御部を設けた構成としている。
【0035】また、請求項21記載の睡眠誘導装置は、請
求項20記載の風向制御部に、顔面方向検出部の出力によ
り微風出力部の位置を変化する風源位置変化部を設けた
構成としている。
【0036】
【作用】請求項1記載の構成によれば、人体表面の熱特
性を検出してその人体表面の放熱量を制御することによ
り、人体表面の皮膚表面温度を最適なレベルにすること
ができる。
【0037】また、請求項2記載の構成によれば、請求
項1の作用に加えて、放熱量制御手段で、寝室の室温と
人体表面の皮膚表面温度の絶対値及び差を考慮した人体
表面の放熱量の制御をすることができるため、さらに人
体表面の皮膚表面温度を最適なレベルにすることができ
る。
【0038】また、請求項3記載の構成によれば、請求
項1の作用に加えて、人体表面の放熱量を検出してその
人体表面の放熱量を制御することができるため、その制
御精度が向上する。
【0039】また、請求項4記載の構成によれば、請求
項3の作用に加えて、寝室の室温と人体表面の皮膚表面
温度とにより放熱量検出部で人体表面の放熱量を検出す
るため、人体表面の放熱量が容易に検出できる。
【0040】また、請求項5記載の構成によれば、請求
項4の作用に加えて、検出した寝室の室温に基づいて寝
室の室温を制御することができる。
【0041】また、請求項6記載の構成によれば、請求
項4の作用に加えて、寝室の湿度も考慮して放熱量検出
部で人体表面の放熱量を検出するため、その放熱量の検
出の精度が向上する。
【0042】また、請求項7記載の構成によれば、請求
項6の作用に加えて、検出した寝室の湿度に基づいて寝
室の湿度を制御することができる。
【0043】また、請求項8記載の構成によれば、請求
項1乃至7の作用に加えて、放熱量制御手段は、微風を
出力することにより人体表面の放熱量を制御するため、
冷刺激の強弱が付けやすく効率よく制御できる。
【0044】また、請求項9記載の構成によれば、請求
項8の作用に加えて、微風の風速を風速制御部で制御す
ることができる。
【0045】また、請求項10記載の構成によれば、請求
項9の作用に加えて、風速を平均風速で0.2〜 1.
0m/sになるよう制御することができる。
【0046】また、請求項11記載の構成によれば、請求
項9の作用に加えて、深睡眠到達時点を皮膚表面温度よ
り判定することにより、深睡眠到達前後で風速を変化さ
せることができる。
【0047】また、請求項12記載の構成によれば、請求
項9の作用に加えて、皮膚表面温度を測定することより
睡眠リズムを把握することで、睡眠リズムに応じた風速
の制御をすることができる。
【0048】また、請求項13記載の構成によれば、請求
項9の作用に加えて、睡眠リズムを予め推定することに
より、睡眠リズムに応じた風速の制御をすることができ
る。
【0049】また、請求項14記載の構成によれば、請求
項13の作用に加えて、入床初期の一定時間の風速を制御
することができる。
【0050】また、請求項15記載の構成によれば、請求
項8の作用に加えて、微風の風温を風温制御部で制御す
ることができる。
【0051】また、請求項16記載の構成によれば、請求
項1乃至7の作用に加えて、放熱量制御手段は、輻射を
出力することにより人体表面の放熱量を制御するため、
冷刺激の強弱が付けやすく効率よく制御できる。
【0052】また、請求項17記載の構成によれば、請求
項1乃至7の作用に加えて、放熱量制御手段は、熱伝導
を出力することにより人体表面の放熱量を制御するた
め、冷刺激の強弱が付けやすく効率よく制御できる。
【0053】また、請求項18記載の構成によれば、請求
項1乃至17の作用に加えて、顔面の放熱量を制御する。
【0054】また、請求項19記載の構成によれば、請求
項18の作用に加えて、放熱量が約100W/m2 以上と
なるよう制御することができる。
【0055】また、請求項20記載の構成によれば、請求
項18の作用に加えて、顔面方向認識センサーにより顔面
の向いている方向を検知することにより、顔面に向けて
微風を当てることができる。
【0056】また、請求項21記載の構成によれば、請求
項20の作用に加えて、微風出力部の位置を変化すること
により、顔面と対面する方向より顔面に向けて微風をあ
てることができる。
【0057】
【実施例】以下、本発明の第1実施例を図1に基づいて
説明する。図1は、睡眠誘導装置の第1実施例を示すブ
ロック図であり、熱特性検出手段A 、放熱量制御手段B
、室温センサ3 、室温検出部4 を主要構成部品として
いる。熱特性検出手段A は、人体C の表面の熱特性を後
述する計測センサを用いて検出するものであり、放熱量
制御手段B は、その熱特性検出手段A の出力に基づいて
人体C の表面からの放熱量を制御する。そして、熱特性
検出手段A は、人体温度センサ1 と皮膚温検出部2 を、
放熱量制御手段B は、微風コントロール部5 と微風出力
部6 と輻射コントロール部7 と輻射出力部8 を有してい
る。
【0058】1 は人体温度センサであり、人体C の表面
の熱特性である皮膚表面温度を検出する計測センサであ
る。人体温度センサ1 は、サーミスタ、熱電対、赤外線
センサなど、温度を検出できる手段であれば何でもよ
く、頭部や顔面や手足等の身体の各部に装着するか、身
体より少し離れた所で人体に向かって設置される。
【0059】2 は皮膚温検出部であり、人体温度センサ
1 の出力を入力して、皮膚表面の温度を検出するもので
ある。
【0060】3 は室温センサであり、寝室等の室温を検
出するセンサである。これも、サーミスタ、熱電対、赤
外線センサなど、温度を検出できる手段であれば何でも
よく、室温を検出できる人体の近傍位置に設置される。
【0061】4 は室温検出部であり、室温センサ3 の出
力を入力して、室温を検出するものである。
【0062】5 は微風コントロール部であり、後述する
微風出力部よりの微風を制御するものである。これに
は、皮膚温検出部2 及び室温検出部4 の出力が入力され
る。この微風コントロール部5 には、風速制御部5aを有
しており、微風出力部が出力する微風の風速を制御す
る。
【0063】6 は微風出力部であり、微風コントロール
部5 の出力が入力されて、人体C に向かって微風を吹き
出すものである。微風出力部6 は、図示していないが、
主に吹き出しノズルと送風ファンにより構成されてい
る。
【0064】7 は輻射コントロール部であり、後述する
輻射出力部よりの出力を制御するものである。具体的に
は、冷輻射の冷熱温度を制御するものである。これに
も、皮膚温検出部2 及び室温検出部4 の出力が入力され
る。
【0065】8 は輻射出力部であり、輻射コントロール
部7 の出力が入力されて、人体C に向かって冷輻射をす
るものである。輻射出力部8 としては、ペルチェ素子や
冷凍機の放熱板などが考えられる。
【0066】次に、本実施例の動作について説明する。
人体温度センサ1 により皮膚温検出部2 で検出した皮膚
表面温度と、室温センサ3 により室温検出部4 で検出し
た室温とを、微風コントロール部5 及び輻射コントロー
ル部7 に入力する。その結果、それらの信号を基に最適
な微風と輻射の制御パターンが決定され、微風出力部6
より微風が、輻射出力部8 より輻射が人体C に向かって
出力され、人体C の表面からの放熱量を制御する。な
お、微風と輻射は、両方同時に出力されても、片方ずつ
別々に出力されてもよい。
【0067】微風の風速は、入眠促進に適切で、かつ睡
眠中も睡眠の質を低下させないために、例えば、平均風
速で0.2〜1.0m/sの範囲になるよう風速制御部
5aで制御される。本発明者による実験によると、室温が
29℃で、顔面の皮膚表面温度が36℃の場合、0.5
m/s程度の風速が最適であることがわかっている。ま
た、室温が高い場合には速い風速の風を出力させ、室温
が低い場合には遅めの風速を出力させるとよい。このよ
うにすることで、入眠促進効果を高めると同時に、入眠
後も良質の睡眠を確保できる。
【0068】次に、本発明の第2実施例を図2乃至4に
基づいて説明する。なお、第1実施例で説明したものと
基本的な機能が同様な部材には、同一の符号を付してお
り、同様の部分の説明は省略する。
【0069】10は顔面方向認識センサであり、顔面の向
いている方向を検出するセンサである。顔面方向認識セ
ンサ10としては、形状認識法、温度分布法、CO2濃度
分布法等による方法が考えられる。形状認識法は顔面に
赤外線を当てて頭部の形状を認識するものであり、温度
分布法はサーモグラフィを用いて頭部の温度分布を測定
して、より温度の高い顔部を認識するものである。CO
2濃度分布法は、呼気がでる、つまりCO2濃度の高い
ほうに顔面が向いていると考え、CO2 濃度検出センサ
を頭部付近に取付、濃度を計測するものである。
【0070】11は顔面方向検出部であり、顔面方向認識
センサ10の出力を入力して、顔面がどちらの方向を向い
ているかを検出するものである。顔面方向検出部11の出
力は微風コントロール部5 に入力される。
【0071】5bは風向制御部であり、微風コントロール
部5 の内部に設けられている。風向制御部5bは、顔面方
向検出部11の出力を受けて、微風出力部6 の風向きを制
御するものである。
【0072】図3及び図4は、睡眠誘導装置の概略斜視
図であり、輻射出力部8 は人体C の頭部の真上に配置
し、顔面を局所的に冷却できるようになっている。輻射
の形としては、ドーム型やパネル型の他についたて型な
どにしたりすることが考えられ、また、ベッドに備付け
型のものや後置きタイプのもの、あるいは、携帯用や折
り畳み式のものなどが考えられる。微風出力部6 は、輻
射出力部8 の内側にあり見えないが、微風が人体C の顔
面に効率よく当たるように配置してある。
【0073】このような構成にすることにより、顔面方
向認識センサ10及び顔面方向検出部11により、顔面の位
置およびその向いている方向を検出し、微風コントロー
ル部5 の風向制御部5bにより、微風出力部6 の風向きを
制御して顔面に向けて微風を出力する。このものは、顔
面に微風を当ててその顔面の放熱量を制御するので、身
体の熱分布のバランスがよく、四肢の末梢部の冷え過ぎ
もなく代謝量を効果的に下げて、より一層入眠促進効果
を高めると同時に、入眠後も良質の睡眠を確保できる。
【0074】次に、本発明の第3実施例を図5及び6に
基づいて説明する。この実施例は、微風出力部6a,6b を
2個設けたものであり、輻射出力部8 の内側の人体C の
頭部の上方に左右に1個ずつ配置している。この結果、
微風が顔面の一方向からではなく、左右2方向から均等
に当たるようになり、入眠時の快適感が増加する。
【0075】次に、本発明の第4実施例を図7及び図8
に基づいて説明する。なお、前述した実施例で説明した
ものと基本的な機能が同様な部材には、同一の符号を付
しており、同様の部分の説明は省略する。
【0076】風向制御部5bは、風源位置判定部13と風源
位置移動部14を有している。風源位置判定部13は、顔面
方向検出部11で検出された顔面位置に微風を当てるため
には、微風出力部6 をどのように移動させれば常に顔面
にあたるかどうかを判断するものである。
【0077】風源位置移動部14は、最適位置に微風出力
部6 を移動するものである。なお、風源位置判定部13と
風源位置移動部14を合わして、風源位置変化部と本発明
では呼ぶ。
【0078】このような構成にすることにより、図8の
ように人体C の顔面が横を向いたような場合、風源位置
判定部13で微風出力部6 の位置を割り出して、風源位置
移動部14の出力により、微風出力部6 を動かすことによ
り、顔面に対して最適な位置から微風を当てることがで
きる。
【0079】次に、本発明の第5実施例を図9及び図10
に基づいて説明する。この実施例は、風源位置変化部の
別の実施例であり、複数の微風出力部6,6,…を有する場
合のものである。そして、風向制御部5bは、対面風源判
定部15と対面風源切替部16を有している。
【0080】対面風源判定部15は、顔面方向検出部11で
検出された顔面位置に微風を当てるためには、どの微風
出力部6,6,…を用いれば微風が常に顔面にあたるかどう
かを判断するものである。
【0081】対面風源切替部16は、最適位置の微風出力
部6 に切替えるものである。なお、対面風源判定部15と
対面風源切替部16を合わしたものも、風源位置変化部と
本発明では呼ぶ。
【0082】このような構成にすることにより、図10の
ように人体C の顔面が横を向いたような場合、対面風源
判定部15で微風出力部6 の位置を割り出して、対面風源
切替部16の出力により、微風出力部6 を切替えることに
より、顔面に対して最適な位置から微風を当てることが
できる。
【0083】次に、本発明の第6実施例を図11及び図12
に基づいて説明する。この実施例は、深睡眠に到達した
かどうかで微風の風速を変化させるものである。
【0084】17は深睡眠到達時点判定部であり、例えば
皮膚温検出部2 で検出した皮膚表面温度により深睡眠に
到達したかどうか判定するものである。また、深睡眠到
達時点判定部17の出力は微風コントロール部5 に送ら
れ、微風を制御する。
【0085】一般に、身体各部の温度分布状態が均一化
される時と深睡眠に到達する時点とは一致することが知
られている(特願平4−130716に記載)。これを
基に、深睡眠到達時点判定部17では身体各部位の温度分
布状態から深睡眠に到達したか否かが判定される。
【0086】例えば、深睡眠にまだ到達していないと判
定された場合には、図12に示すように速めの風速(この
実施例では0.4〜1.0m/s)が、到達したと判定
された場合には、遅めの風速(この実施例では0.2〜
0.5m/s)が出力されるように微風コントロール部
5 で制御される。
【0087】なお、深睡眠到達時点を判定するための生
理指標として、皮膚表面温度だけでなく、心拍センサ
(電極を取り付けるタイプや腕時計タイプ等のように身
体に接触型のものや、ベッドパットタイプなど身体に非
接触のものなど種類はさまざまあるが、いずれのタイプ
でもよい。)の出力から、心拍数やR−R間隔を検出
し、演算させることにより、深睡眠到達時点を推定・判
定することもできるし、脳波からも同様に判定すること
ができるため、これらの指標を皮膚表面温度の代替えと
して利用してもよい。
【0088】次に、本発明の第7実施例を図13及び図14
に基づいて説明する。この実施例は、睡眠リズムに合わ
せて微風の風速を変化させるものである。
【0089】18は睡眠リズム判定部であり、皮膚温検出
部2 で検出した皮膚表面温度より睡眠リズムを演算・判
定するものであり、睡眠リズム判定部18の出力を微風コ
ントロール部5 に入力して、微風を制御することができ
る。
【0090】ところで、額の皮膚表面温度である額温と
睡眠深度との関係は図14に示すとおりであり、睡眠深度
が深くなると額温は低下し、反対に睡眠深度が浅くなる
と額温は上昇して同じようなリズムを描いており、非常
に相関が高い。額温は、睡眠リズムよりも2サイクル目
以降、10〜20分程度の位相のずれ(遅れ)を生じる
が、この位相を補正することにより、睡眠リズムを推定
することができる。
【0091】なお、睡眠リズムを判定するための生理指
標としても、深睡眠到達時点を判定するための生理指標
と同様に、皮膚表面温度だけでなく、心拍や脳波を用い
ることができる。
【0092】次に、本発明の第8実施例を図15及び図16
に基づいて説明する。この実施例は、睡眠リズムを予め
推定して風速を変化させるものである。
【0093】19は就寝モード用タイマであり、入床して
から一定時間、風速を制御するためのタイマである。
【0094】20は睡眠リズム用タイマであり、就寝モー
ド用タイマ19による時間が経過後、予め推定した睡眠リ
ズムに合わせて風速を制御するためのタイマであり、ス
ィッチ21でもって、就寝モードタイマ19と切替えるよう
になっている。睡眠リズム用タイマ20は、睡眠が深くな
ったり、浅くなったり、レム睡眠が出現したりする睡眠
リズムを予測して制御するように構成されている。
【0095】図16に本実施例の動作を示し、説明する。
入床直後から深睡眠時に到達する時点までの例えば30
分間は風速をもっとも速く(約0.8〜1.0m/
s)、そして1サイクル目の深睡眠に到達した時点から
レム期の終了までのおよそ50〜80分間を少し遅く
(約0.2〜0.5m/s)制御する。そして、2サイ
クル目からを、浅睡眠期には入床直後よりは遅いが深睡
眠期やレム期より速くなる(約0.4〜0.8m/s)
ように風速を制御し、深睡眠期に移行した時点からレム
期の終わりにかけては遅くなる(約0.2〜0.5m/
s)ように制御し、これをサイクル毎に繰り返す。
【0096】なお、風の種類については、いずれの実施
例の場合も、単調な一定の風でも、1/f ゆらぎのリズム
をもった風でも、その他の風であってもよい。
【0097】また、いままで記載しなかったが、輻射の
出力レベルについては、本発明のいずれの実施例におい
ても、例えば、図17に示すように行われる。すなわち、
図17のタイプaに示すように、一晩を通じて一定の出力
になるように制御してもよいし、タイプbに示すよう
に、入床直後は少し低めであるが、1サイクル目の深睡
眠時にかけて上昇した後、一晩を通じて一定の出力にな
るように制御してもよい。また、タイプcに示すよう
に、入床直後は少し低めであるが、深睡眠にかけて上昇
した後、レム期の終わりにかけて一定になるように制御
し、2サイクル目からの温度を浅睡眠期には少し温度を
下げるように制御し、深睡眠期に移行する少し前からレ
ム期の終わりにかけて徐々に上昇するように制御し、こ
れをサイクル毎に繰り返すように制御してもよい。
【0098】次に、本発明の第9実施例を図18乃至図20
に基づいて説明する。この実施例は、熱特性検出手段A
に放熱量検出部25を設けて、人体C の放熱量を検出する
ようにしたものである。
【0099】放熱量検出部25は、人体C の表面の放熱量
を検出するものであり、放熱量演算部26と放熱量確定部
27を有している。
【0100】放熱量演算部26は、放熱量を推定演算する
ものであり、皮膚温検出部2 、室温検出部4 及び後述す
る室内湿度検出部の出力が入力される。この放熱量演算
部26は、この各部の出力等を下記の放熱量Q推定演算式
に代入して、演算によって放熱量の概略を求める。
【0101】Q=Hd+Hc+Hr+He Hd:伝導による放熱量 人体c の皮膚表面が空気と接している場合には無視でき
る Hc:対流による放熱量 Hc=hc(Ts−Ta) hc:空気の熱伝達率 Ts:皮膚表面温度 Ta:室温(皮膚表面に近い室温ほど正確) Hr:輻射による放熱量 Hr=hr(Ts−Ta) hr:輻射熱伝達率 He:蒸発による放熱量 He=2.2hc(Ps−Pa)w Ps:皮膚の水蒸気分圧(皮膚表面温度とぬれ率より算
出) Pa:室内の水蒸気分圧(室温と湿度より算出) w :ぬれ面積 そして、放熱量確定部27は、放熱量演算部26の出力を入
力して放熱量を確定し、放熱量制御手段B に入力する。
【0102】28は湿度センサであり、寝室等の湿度を検
出するセンサである。この湿度センサ28は、湿度を検出
できる手段であれば何でもよく、湿度を検出できる人体
の近傍位置に設置される。29は室内湿度検出部であり、
湿度センサ28の出力を入力して、湿度を検出するもので
ある。この室内湿度検出部29の出力は、放熱量演算部26
及び放熱量制御手段B に入力される。
【0103】また、皮膚温検出部2 及び室温検出部4 の
出力は、放熱量演算部26に入力されるだけでなく、室内
湿度検出部29と同様に放熱量制御手段B に入力される。
これは、人体C からの放熱量は、人体C の表面の放熱量
だけでなく、寝室の室温及び室内湿度にも影響を受ける
ためである。
【0104】放熱量制御手段B は、微風コントロール部
5 、微風出力部6 、輻射コントロール部7 、輻射出力部
8 以外に熱伝導コントロール部30と熱伝導出力部31を有
している。
【0105】熱伝導コントロール部30は、熱伝導出力部
31の冷熱温度を制御する。熱伝導出力部31は、熱伝導コ
ントロール部30の制御に基づき人体C に冷熱を熱伝導に
より与える。この熱伝導出力部31は、例えば、温度調節
可能な枕状のもの、ぬれタオルを顔面に当てるような形
態のもの、電子冷却枕やそれらを応用したもの等が考え
られ、これらの冷熱温度が変化する。
【0106】本実施例の動作について説明する。人体温
度センサ1 、室温センサ3 、湿度センサ28で計測された
皮膚表面温度、寝室等の室温、湿度は、それぞれ皮膚温
検出部2 、室温検出部4 、室内湿度検出部29を介して放
熱量検出部25の放熱量演算部26に入力され、人体C の放
熱量が推定演算される。そして、その放熱量は、放熱量
確定部27で確定され、放熱量制御手段B に入力される。
従って、放熱量制御手段B は、その放熱量確定部27の出
力と、室温検出部4 及び室内湿度検出部29の出力に基づ
いて、各コントロール部5,7,30の制御により微風出力部
6 、輻射出力部8 、熱伝導出力部31でもって、人体C の
放熱量を制御する。図19は、人体C を顔面とした場合の
顔面からの放熱量と深睡眠に到達するまでの時間を示し
た図である。深睡眠に到達するまでの時間は、短ければ
短いほど入眠促進効果が大きいといえるが、図より、顔
面からの放熱量が約100W/m2未満では、深睡眠に
到達するまでの時間が長いときもあるが、約100W/
2以上では、常に深睡眠に到達する時間が短くなって
いることがわかる。つまり、常に入眠促進効果を期待す
る場合には、顔面からの放熱量が約100W/m2 以上
必要である。
【0107】また、図20は顔面からの放熱量と入眠促進
効果との関係を示した図であるが、顔面に冷刺激を与え
て、放熱量が多くなるようにすれば、それにつれて入眠
促進効果が大きくなっていくことがわかる。そして、顔
面からの放熱量Qが適切な範囲内、すなわち、Qmin ≦
X≦Qmax にあれば、常に入眠が促進される。このと
き、Qmin が図19で示す約100W/m2 に相当する。
しかし、放熱量がQmaxを越えると、今度は身体温度分
布の部位間に大きな差が生じて代謝量が増えすぎ、逆に
入眠が阻害されることになる。
【0108】次に、本発明の第10実施例を図21及び図22
に基づいて説明する。この実施例は、寝室等の空調を制
御する空調装置32を設けたものである。
【0109】33は室温コントロール部であり、室温検出
部4 の出力に基づき、空調装置32を制御する。34は室内
湿度コントロール部であり、室内湿度検出部29の出力に
基づき、空調装置32を制御する。空調装置32は、エアコ
ン等により形成されるものであって、寝室等の室温、湿
度を制御する。
【0110】このような構成にすることにより、人体C
にとって適当な環境条件となるよう、室温及び湿度が制
御される。この際、例えば、室温32〜33℃、湿度6
0〜70%の高温環境時には、暑苦しくて汗をかきやす
く、中途覚醒も生じやすいので、手足を冷やさない程度
(例えば、室温29℃程度)に室温を制御し、湿度を約
40〜60%程度に制御することにより、一層入眠促進
効果が高まり、入眠後も良質の睡眠を確保することがで
きる。
【0111】また、5cは風温制御部であり、微風コント
ロール部5 の内部に設けられている。この風温制御部5c
は、放熱量検出部25の出力に応じて風温を制御するもの
であり、入眠促進に適切でかつ睡眠中も睡眠の質を低下
させない程度の、室温より若干低い温度の風、例えば2
9℃の部屋では27℃前後の微風が出力される。
【0112】35は放熱量センサであり、放熱量を直接測
定する計測センサである。この放熱量センサ35は、熱貫
流センサ等の計測センサであり、具体的には、例えば熱
伝導率の小さい薄板の両面に熱電対を装着して、その両
面間の温度差を測定することで放熱量を測定することが
できる。さらに、この放熱量センサ35は、放熱量演算部
を利用することなしに、放熱量検出部25の放熱量確定部
27にそのセンサを接続して放熱量を確定する。その際、
放熱量センサ35は、顔面等に直接装着するか、顔面より
少し離れたところで顔面に向かって設置する。このよう
にすることで、簡単な構造で人体C の放熱量を測定する
ことができる。
【0113】なお、第9実施例で放熱量を皮膚表面温度
と室温と湿度より検出したが、皮膚表面温度と室温のみ
でも概略値を検出できる。また、放熱量の計算式は、一
例である。
【0114】
【発明の効果】請求項1記載の睡眠誘導装置は、人体表
面の熱特性を検出してその人体表面の放熱量を制御する
ことにより、人体表面の皮膚表面温度を最適なレベルに
することができるので、入眠促進効果を高めると同時
に、入眠後も良質の睡眠を確保できる。
【0115】また、請求項2記載の睡眠誘導装置は、請
求項1の効果に加えて、放熱量制御手段で、寝室の室温
と人体表面の皮膚表面温度の絶対値及び差を考慮した人
体表面の放熱量の制御をすることができるため、さらに
人体表面の皮膚表面温度を最適なレベルにすることがで
きるので、より一層入眠促進効果を高めると同時に、入
眠後も良質の睡眠を確保できる。
【0116】また、請求項3記載の睡眠誘導装置は、請
求項1の効果に加えて、人体表面の放熱量を検出してそ
の人体表面の放熱量を制御することができるため、その
制御精度が向上するので、より一層入眠促進効果を高め
ると同時に、入眠後も良質の睡眠を確保できる。
【0117】また、請求項4記載の睡眠誘導装置は、請
求項3の効果に加えて、寝室の室温と人体表面の皮膚表
面温度とにより放熱量検出部で人体表面の放熱量を検出
するため、人体表面の放熱量が容易に検出できるので、
装置が簡単となる。
【0118】また、請求項5記載の睡眠誘導装置は、請
求項4の効果に加えて、検出した寝室の室温に基づいて
寝室の室温を制御することができるので、さらに入眠促
進効果を高めると同時に、入眠後も良質の睡眠を確保で
きる。
【0119】また、請求項6記載の睡眠誘導装置は、請
求項4の効果に加えて、寝室の湿度も考慮して放熱量検
出部で人体表面の放熱量を検出するため、その放熱量の
検出の精度が向上するので、さらに入眠促進効果を高め
ると同時に、入眠後も良質の睡眠を確保できる。
【0120】また、請求項7記載の睡眠誘導装置は、請
求項6の効果に加えて、検出した寝室の湿度に基づいて
寝室の湿度を制御することができるので、より一層入眠
促進効果を高めると同時に、入眠後も良質の睡眠を確保
できる。
【0121】また、請求項8記載の睡眠誘導装置は、請
求項1乃至7の効果に加えて、放熱量制御手段は、微風
を出力することにより人体表面の放熱量を制御するた
め、冷刺激の強弱が付けやすく効率よく制御できるの
で、人体表面の放熱量の制御が容易となる。
【0122】また、請求項9記載の睡眠誘導装置は、請
求項8の効果に加えて、微風の風速を風速制御部で制御
することができるので、人体に最適な微風を当てること
で気流による不快感を減少するとともに、さらに人体表
面の放熱量の制御が容易となる。
【0123】また、請求項10記載の睡眠誘導装置は、請
求項9の効果に加えて、風速を平均風速で0.2〜
1.0m/sになるよう制御することができるので、肌
に強く感じるような風速ではなく、気流による不快感が
生じない。
【0124】また、請求項11記載の睡眠誘導装置は、請
求項9の効果に加えて、深睡眠到達時点を皮膚表面温度
より判定することにより、深睡眠到達前後で風速を変化
させることができるので、入床時には早い風速に、深睡
眠に到達すると遅くなるように制御することにより、ス
ムーズに深睡眠状態に誘導でき、体温調節機能の低下す
る深睡眠期以降も身体の冷え過ぎによる中途覚醒を防ぐ
ことができ、一層睡眠の質が向上する。
【0125】また、請求項12記載の睡眠誘導装置は、請
求項9の効果に加えて、皮膚表面温度を測定することよ
り睡眠リズムを把握することで、睡眠リズムに応じた風
速の制御をすることができるので、使用者の睡眠リズム
に合わせて風速を変化させて、身体の温度変化状態及び
体温調節機能の状態に適合した制御がタイミングよくで
きる。
【0126】また、請求項13記載の睡眠誘導装置は、請
求項9の効果に加えて、睡眠リズムを予め推定すること
により、睡眠リズムに応じた風速の制御をすることがで
きるので、皮膚表面温度を測定することなしに、身体の
温度変化状態及び体温調節機能の働きの状態に適合した
風速制御ができる。
【0127】また、請求項14記載の睡眠誘導装置は、請
求項13の効果に加えて、入床初期の一定時間の風速を制
御することができるので、初期の風速を速くすることに
より、皮膚表面温度が速く下がり、入眠促進効果がさら
に高まる。
【0128】また、請求項15記載の睡眠誘導装置は、請
求項8の効果に加えて、微風の風温を風温制御部で制御
することができるので、気流による不快感を減少すると
ともに、さらに人体表面の放熱量の制御が容易となる。
【0129】また、請求項16記載の睡眠誘導装置は、請
求項1乃至7の効果に加えて、放熱量制御手段は、輻射
を出力することにより人体表面の放熱量を制御するた
め、冷刺激の強弱が付けやすく効率よく制御できるの
で、人体表面の放熱量の制御が容易となる。
【0130】また、請求項17記載の睡眠誘導装置は、請
求項1乃至7の効果に加えて、放熱量制御手段は、熱伝
導を出力することにより人体表面の放熱量を制御するた
め、冷刺激の強弱が付けやすく効率よく制御できるの
で、人体表面の放熱量の制御が容易となる。
【0131】また、請求項18記載の睡眠誘導装置は、請
求項1乃至17の効果に加えて、顔面の放熱量を制御する
ので、身体の熱分布のバランスがよく、四肢の末梢部の
冷え過ぎもなく代謝量を効果的に下げて、より一層入眠
促進効果を高めると同時に、入眠後も良質の睡眠を確保
できる。
【0132】また、請求項19記載の睡眠誘導装置は、請
求項18の効果に加えて、放熱量が約100W/m2 以上
となるよう制御することができるので、体温分布の均一
化による代謝の低下をもたらす程度の放熱が顔面からな
されることとなり、より一層入眠促進効果を高めると同
時に、入眠後も良質の睡眠を確保できる。
【0133】また、請求項20記載の睡眠誘導装置は、請
求項18の効果に加えて、顔面方向認識センサーにより顔
面の向いている方向を検知することにより、顔面に向け
て微風を当てることができるので、さらに四肢の末梢部
の冷え過ぎることなしに、温度が高い顔面のみを効率よ
く冷やすことができ、より一層、入眠促進効果を高め、
入眠後も良質の睡眠を確保できる。
【0134】また、請求項21記載の睡眠誘導装置は、請
求項20の効果に加えて、微風出力部の位置を変化するこ
とにより、顔面と対面する方向より顔面に向けて微風を
あてることができるので、少ない風量で効果を高めるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す睡眠誘導装置のブロ
ック図である。
【図2】本発明の第2実施例を示す睡眠誘導装置の要部
のブロック図である。
【図3】本発明の第2実施例を示す睡眠誘導装置の概略
斜視図である。
【図4】本発明の第2実施例を示す睡眠誘導装置の別の
概略斜視図である。
【図5】本発明の第3実施例を示す睡眠誘導装置の概略
斜視図である。
【図6】本発明の第3実施例を示す睡眠誘導装置の動作
図である。
【図7】本発明の第4実施例を示す睡眠誘導装置のブロ
ック図である。
【図8】本発明の第4実施例を示す睡眠誘導装置の動作
図である。
【図9】本発明の第5実施例を示す睡眠誘導装置のブロ
ック図である。
【図10】本発明の第5実施例を示す睡眠誘導装置の動作
図である。
【図11】本発明の第6実施例を示す睡眠誘導装置の要部
のブロック図である。
【図12】本発明の第6実施例を示す睡眠誘導装置の風速
制御の説明図である。
【図13】本発明の第7実施例を示す睡眠誘導装置の要部
のブロック図である。
【図14】本発明の第7実施例を示す睡眠誘導装置の額温
と睡眠深度の関係図である。
【図15】本発明の第8実施例を示す睡眠誘導装置の要部
のブロック図である。
【図16】本発明の第8実施例を示す睡眠誘導装置の風速
制御の説明図である。
【図17】本発明の睡眠誘導装置の輻射制御の説明図であ
る。
【図18】本発明の第9実施例を示す睡眠誘導装置のブロ
ック図である。
【図19】その実施例による顔面からの放熱量と深睡眠に
到達するまでの時間の関係を示した図である。
【図20】その実施例による顔面からの放熱量と深睡眠に
到達するまでの時間の関係を示した別の図である。
【図21】本発明の第10実施例を示す睡眠誘導装置のブロ
ック図である。
【図22】その睡眠誘導装置の要部のブロック図である。
【符号の説明】
A 熱特性検出手段 B 放熱量制御手段 C 人体 1 人体温度センサ 2 皮膚温検出部 3 室温センサ 4 室温検出部 5 微風コントロール部 5a 風速制御部 5b 風向制御部 5c 風温制御部 6 微風出力部 7 輻射コントロール部 8 輻射出力部 10 顔面方向認識センサ 11 顔面方向検出部 13 風源位置判定部 14 風源位置移動部 15 対面風源判定部 16 対面風源切替部 17 深睡眠到達時点判定部 18 睡眠リズム判定部 19 就寝モード用タイマ 20 睡眠リズム用タイマ 21 スィッチ 25 放熱量検出部 28 湿度センサ 29 室内湿度検出部 30 熱伝導コントロール部 31 熱伝導出力部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年2月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0124
【補正方法】変更
【補正内容】
【0124】また、請求項11記載の睡眠誘導装置は、請
求項9の効果に加えて、深睡眠到達時点を皮膚表面温度
より判定することにより、深睡眠到達前後で風速を変化
させることができるので、入床時には速い風速に、深睡
眠に到達すると遅くなるように制御することにより、ス
ムーズに深睡眠状態に誘導でき、体温調節機能の低下す
る深睡眠期以降も身体の冷え過ぎによる中途覚醒を防ぐ
ことができ、一層睡眠の質が向上する。

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人体表面の熱特性を計測する計測セン
    サによりその熱特性を検出する熱特性検出手段と、該熱
    特性検出手段の出力に基づいて人体表面からの放熱量を
    制御する放熱量制御手段と、を有することを特徴とする
    睡眠誘導装置。
  2. 【請求項2】 室温センサにより寝室の室温を検出し
    て放熱量制御手段に入力する室温検出部を設けるととも
    に、熱特性検出手段に、人体温度センサにより人体表面
    の皮膚表面温度を検出する皮膚温検出部を設けたことを
    特徴とする請求項1記載の睡眠誘導装置。
  3. 【請求項3】 熱特性検出手段に、人体表面の放熱量
    を検出する放熱量検出部を設けたことを特徴とする請求
    項1記載の睡眠誘導装置。
  4. 【請求項4】 室温センサにより寝室の室温を検出し
    て放熱量検出部に入力する室温検出部を設けるととも
    に、熱特性検出手段に、人体温度センサにより人体表面
    の皮膚表面温度を検出して放熱量検出部に入力する皮膚
    温検出部を設けたことを特徴とする請求項3記載の睡眠
    誘導装置。
  5. 【請求項5】 前記室温検出部の出力により寝室の室
    温を制御する室温コントロール部を設けたことを特徴と
    する請求項4記載の睡眠誘導装置。
  6. 【請求項6】 湿度センサにより寝室の室内温度を検
    出して放熱量検出部に入力する室内湿度検出部を設けた
    ことを特徴とする請求項4記載の睡眠誘導装置。
  7. 【請求項7】 前記室内湿度検出部の出力により寝室
    の湿度を制御する室内湿度コントロール部を設けたこと
    を特徴とする請求項6記載の睡眠誘導装置。
  8. 【請求項8】 前記放熱量制御手段に、微風を制御す
    る微風コントロール部と、微風コントロール部の出力に
    基づいて微風を出力する微風出力部と、設けたことを特
    徴とする請求項1乃至7記載の睡眠誘導装置。
  9. 【請求項9】 前記微風コントロール部に、風速を制
    御する風速制御部を設けたことを特徴とする請求項8記
    載の睡眠誘導装置。
  10. 【請求項10】 前記風速制御部は、風速を平均風速で
    0.2〜 1.0m/sになるよう制御することを特徴
    とする請求項9記載の睡眠誘導装置。
  11. 【請求項11】 皮膚温検出部の出力により、深睡眠到
    達時点の判定を行う深睡眠到達時点判定部を設けるとと
    もに、該深睡眠到達時点判定部の出力により風速制御部
    を制御したことを特徴とする請求項9記載の睡眠誘導装
    置。
  12. 【請求項12】 皮膚温検出部の出力により、睡眠リズ
    ムの判定を行う睡眠リズム判定部を設けるとともに、該
    睡眠リズム判定部の出力により風速制御部を制御したこ
    とを特徴とする請求項9記載の睡眠誘導装置。
  13. 【請求項13】 前記風速制御部に、睡眠リズムを設定
    したタイマを設けたことを特徴とする請求項9記載の睡
    眠誘導装置。
  14. 【請求項14】 前記風速制御部に、就寝時の風速を制
    御する第2のタイマを設けたことを特徴とする請求項13
    記載の睡眠誘導装置。
  15. 【請求項15】 前記微風コントロール部に、微風出力
    部の風温を制御する風温制御部を設けたことを特徴とす
    る請求項8記載の睡眠誘導装置。
  16. 【請求項16】 前記放熱量制御手段に、冷輻射の冷熱
    温度を制御する輻射コントロール部と、輻射コントロー
    ル部の出力に基づいて輻射を出力する輻射出力部と、設
    けたことを特徴とする請求項1乃至7記載の睡眠誘導装
    置。
  17. 【請求項17】 前記放熱量制御手段に、熱伝導の冷熱
    温度を制御する熱伝導コントロール部と、熱伝導コント
    ロール部の出力に基づいて熱伝導を出力する熱伝導出力
    部と、設けたことを特徴とする請求項1乃至7記載の睡
    眠誘導装置。
  18. 【請求項18】 前記人体表面は、顔面としたことを特
    徴とする請求項1乃至17記載の睡眠誘導装置。
  19. 【請求項19】 前記放熱量制御手段は、放熱量が約1
    00W/m2 以上となるよう制御することを特徴とする
    請求項18記載の睡眠誘導装置。
  20. 【請求項20】 顔面の向いている方向をセンシングす
    る顔面方向認識センサにより顔面方向を検出する顔面方
    向検出部を設けるとともに、微風コントロール部に、顔
    面方向検出部の出力により微風の風向を制御する風向制
    御部を設けたことを特徴とする請求項18記載の睡眠誘導
    装置。
  21. 【請求項21】 前記風向制御部に、顔面方向検出部の
    出力により微風出力部の位置を変化する風源位置変化部
    を設けたことを特徴とする請求項20記載の睡眠誘導装
    置。
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