JP2001004189A - 空気調和システムの制御装置及びその制御方法 - Google Patents

空気調和システムの制御装置及びその制御方法

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JP2001004189A JP11178020A JP17802099A JP2001004189A JP 2001004189 A JP2001004189 A JP 2001004189A JP 11178020 A JP11178020 A JP 11178020A JP 17802099 A JP17802099 A JP 17802099A JP 2001004189 A JP2001004189 A JP 2001004189A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 室内でデスクワークや勉強などを行う際に、
被空調領域内の作業者の疲労度合いに基づいて、この作
業者の疲労の蓄積を少なくさせ、または、回復させる温
熱環境を形成する空気調和システムを提供することを目
的としている。 【解決手段】 空気調和システム1が設置された室内に
おいて、室内の環境状態を検知する室内環境検知手段3
と、この室内における作業者の作業開始からの経過時間
と室内環境検知手段3の検知結果とに基づいて室内の作
業者の疲労度合いの蓄積を少なくする、または、回復す
るように空気調和システムを制御する制御手段とを備え
たものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、空気調和システ
ムの制御に関し、特に、デスクワークや学習等の作業を
行う環境の制御に関わるものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、空気調和システムは、室内を暑
くも寒くもない状態にするために運転されるものであ
り、室内温度を室内の作業者が設定する目標温度にすべ
く制御されるものである。従って、一般の空気調和シス
テムは被空気調和領域内の人の作業適合感(温度・照度
・音圧が要素となっているもの)及び疲労感を考慮して
制御を行ってはいない。
【0003】しかし、自動車内に設置される空気調和シ
ステムは、例えば特開平06−107032号公報に示
される様に、アクセル開度・ステアリング転舵角等の運
転パターンや走行距離などから疲労や眠気の度合いを推
定し、その運転者の疲労度合いに基づいて空調装置を眠
気を覚醒する方向に制御する方法が提案されている。ま
た、特開平05−245122号公報に示される様に、
人体の疲労度を皮膚電位などの生理量を直接検出して、
その検出結果に基づいて人体の疲労回復効果を発揮させ
るべく、空気調和システムおよび芳香制御装置などで鎮
静効果を持つリフレッシュ刺激を発生させるものが提案
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような空気調和システムの構成では、一般的な被空調領
域内であるオフィスや教室、自宅部屋で居住者の疲労度
合いを推定することはできなかった。即ち、一般的な被
空調領域内では自動車内のようにアクセル等の疲労度合
いを推定する適当なツールがなく、また、被空調領域内
の居住者の皮膚に直接皮膚電位を検出する装置を取り付
けることはできない。また、上記の空気調和システムで
は被空気調和領域内の人の温冷感を考慮して空気調和シ
ステムを制御するものではなく、作業者の疲労の蓄積を
少なくさせ、または回復させる温熱環境を形成するまで
には至ってなかった。
【0005】本発明はかかる課題を解決するためになさ
れたものであり、室内でデスクワークや勉強などを行う
際に、被空調領域内の作業者の疲労度合いに基づいて、
この作業者の疲労の蓄積を少なくさせ、または、回復さ
せる温熱環境を形成する空気調和システムを提供するこ
とを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、空気調和シス
テムが設置された室内の環境状態を検知する室内環境検
知手段と、前記室内環境検知手段の検知結果に基づいて
室内の人間の疲労度合いの蓄積を少なくするように前記
空気調和システムを制御する制御手段とを備えたもので
ある。
【0007】また、本発明は、空気調和システムが設置
された室内の環境状態を検知する室内環境検知手段と、
該室内における人間の作業開始からの経過時間と前記室
内環境検知手段の検知結果とに基づいて室内の人間の疲
労度合いの蓄積を少なくするように前記空気調和システ
ムを制御する制御手段とを備えたものである。
【0008】また、本発明は、空気調和システムが設置
された室内の環境状態を検知する室内環境検知手段と、
該室内における人間の作業開始からの経過時間と前記室
内環境検知手段の検知結果とから室内の人間の疲労度合
いを推測する疲労度合い推測手段と、この疲労度合い推
測手段により推測した人間の疲労度合いに基づき前記空
気調和システムを制御する制御手段とを備えたものであ
る。
【0009】また、本発明は、前記疲労度合いの蓄積を
少なくするように前記空気調和システムを制御する制御
手段を、室内のPMV値を下げることとしたものであ
る。
【0010】また、本発明は、前記疲労度合いを少なく
するように前記空気調和システムを制御する制御手段
を、室内の温度、湿度、または放射温度のうちの少なく
とも1つを下げることとしたものである。
【0011】また、本発明は、前記疲労度合いを少なく
するように前記空気調和システムを制御する制御手段
を、室内の気流の風速を上げる、または、風向を変える
こととしたものである。
【0012】また、本発明は、前記疲労度合いを少なく
するように前記空気調和システムを制御する制御手段
を、所定時における室内のPMV値とこのPMV値から
一定値だけ減じた値の間で往復制御するようにしたもの
である。
【0013】また、本発明は、前記室内環境検知手段が
検知する室内の環境状態は温度、湿度、放射温度、及び
気流のうちの少なくとも1つ以上であるものである。
【0014】また、本発明は、前記疲労度合い推測手段
により推測される室内の人間の疲労度合いを、該室内に
おける人間の作業開始からの経過時間と前記室内環境検
知手段の検知結果から算出したPMV値に基づいて推測
したものである。
【0015】また、本発明は、前記空気調和システムを
制御する制御手段は、所定時間室内のPMV値を−0.
5〜−1.5にしたものである。
【0016】また、本発明は、空気調和システムが設置
された室内の環境状態を検知し、該室内における人間の
作業開始からの経過時間と前記室内環境検知手段の検知
結果とから室内の人間の疲労度合いの蓄積を少なくする
ように前記空気調和システムを制御したものである。
【0017】また、本発明は、空気調和システムが設置
された室内の環境状態を検知し、該室内における人間の
作業開始からの経過時間と前記室内環境の検知結果とか
ら室内の人間の疲労度合いを推測し、この推測した人間
の疲労度合いに基づき前記空気調和システムを制御した
ものである。
【0018】さらに、本発明は、空気調和システムが設
置された室内の環境状態を検知し、該室内における温熱
環境状態を変数として室内の人間の作業適合感および疲
労度合いを推測し、この人間の作業適合感に適した温熱
環境と疲労度合いに適した温熱環境とが異なることに基
づき前記空気調和システムを制御したものである。
【0019】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は本発明の実
施の形態1に係わる空気調和システムの制御信号の流れ
を示すブロック図、図2はこの空気調和システムの制御
動作を示すフローチャートである。図3,4,5は熱環
境、視環境、音環境をパラメータにした30条件以上の様
々な環境下で、1実験条件当たり16人、のべ500人
以上の被験者に作業負荷を与えたときの主観申告実験の
結果図である。
【0020】図1において、1は室内の温熱環境等を制
御する空気調和システム、2は使用者と空気調和システ
ムとを繋ぎリモコンまたは操作パネルからなる入力手段
である。2aは使用者が室内の目標室温を入力する目標
室温入力手段、2bは使用者が作業の開始を入力する作
業開始入力手段で、入力手段2はこの目標室温入力手段
2aと作業開始入力手段2bからなる。3は温度センサ
3aと湿度センサ3bから構成される室内環境検知手
段、4はこの空気調和システム1の運転等を制御し例え
ばマイコンからなる制御部、4’は予め行われた主観申
告実験結果等のデータを記憶させておくROM等の記憶
装置、5は室内環境検知手段3の検知結果と記憶装置
4’に記憶されているデータに基づき室内のPMV(予
測平均申告:Predicted Mean Vot
e)値を算出するPMV算出手段、6は作業開始入力手
段2bから得られる作業時間とPMV算出手段5から得
られる室内のPMV値から作業者の疲労度合いを推定す
る疲労度合い推測手段、7は推定された疲労度合いから
この疲労を回復する様に室内のPMV値を変更するPM
V変更手段、8はこのPMV変更手段7から得られる信
号により室内のPMV値を変更すべく目標室温や吹出方
向を変更する空気調和制御手段、9は空気調和制御手段
からの制御信号で運転する送風機・圧縮機等を備えたエ
アコン・加湿器・除湿器・換気装置等のハードな手段で
ある空気調和手段である。
【0021】まず、PMV(予測平均申告:Predi
cted Mean Vote)値について以下に述べ
る。作業時における疲労や作業のしやすさの人間感覚
は、人をとりまく温熱環境(温度、湿度、気流、輻射)
・視環境(照度等)・音環境(音圧等)などの物理環境
要因から構成され、これら環境要因の組み合わせである
複合環境は、そこで働く人の作業適合感や疲労感に影響
を与える。ここで、このなかの温熱環境の快適性を温冷
感として数値で直接評価する指標としてデンマーク工科
大学Fanger教授によるPMV(予測平均申告:P
redicted Mean Vote)値がある。
【0022】このPMV値は、人体の熱負荷と人間の温
冷感を結びつけたものであり、空気温度だけではなく放
射温度(輻射)、湿度、気流の空気環境側の要素と、活
動量、着衣量、平均皮膚温度等の人体側の要素により人
体に関する熱平衡式をたて、その式に人間が快適と感じ
るときの皮膚温度と発汗による放熱量の式を代入してえ
られた式であり、1984年にISO−7730として
国際規格化された。上記の熱平衡式は、次式で与えられ
る。 (M−W)−Ed−Es−Ere−Cre=K=R+C ここで、 M :代謝量 [W/m2] W :機械的仕事量 [W/m2] Ed :不感蒸泄量 [W/m2] Es :皮膚表面よりの汗蒸発熱損失量 [W/m2] Ere:呼吸による潜熱損失量 [W/m2] Cre:呼吸による顕熱損失量 [W/m2] K :衣服を通る熱損失量 [W/m2] R :放射熱損失量 [W/m2] C :対流熱損失量 [W/m2] である。
【0023】この熱平衡式と1300人の被験者実験に
基づいてPMV値は以下のように表せる。 PMV=(0.303e 0.036M+0.028) ×[(M−W)−Ed−Es−Ere−Cre−R−C] 上記式の変数はそれぞれ以下の式から求める。 M=58.15×AL Ed=3.05×10 3×(5733−6.99(M−W)−Pa) Es=0.42(M−W−58.15) Ere=1.7×10-5M(5867−Pa) Cre=0.0014M(34−ta) R=3.96×10-8fcl((tcl+273)4―(tr+273)4) C=fcl×hc(tcl−ta) 上記の各変数は、 AL :活動量 [met] Pa :水蒸気圧[Pa] ta :気温 [℃] fcl:衣服を通る熱損失 [W/m2] tcl:着衣外表面温度 [℃] hc :人体に対する対流熱伝達率 [W/m2・℃] tr :平均放射温度 [℃] である。
【0024】上記式から明らかな様にPMV値は温度、
湿度、放射温度等の温冷感を数値で表しており、このP
MV値のスケールは、−3が「寒い」、−2が「涼し
い」、−1が「やや涼しい」、0が「暑くも寒くもな
い」、1が「やや暖かい」、2が「暖かい」、3が「暑
い」の様に温熱感覚に対応する。つまり、0が暑くも寒
くもない環境、プラス側が暑く感じ、マイナス側が寒く
感じる環境であることを示している。
【0025】次に、このPMV値の具体的な算出方法に
ついて以下に述べる。室内環境検知手段3の温度センサ
3a・湿度センサ3bが検知した室内の温度(気温)t
a、湿度RHが制御部4に入力される。また、活動量A
L、着衣量から求めることができる衣服を通る熱損失f
clは制御部4に組み込まれた記憶装置4’に予め一般
的な値、例えばAL=1(met)等を記憶させてお
く。また、着衣外表面温度tclと人体に対する対流熱
伝達率hcは、衣服を通る熱損失fclと気温taの値
より計算で求めることができ、平均放射温度trは室温
taとほぼ等しいとして、温度(気温)taをそのまま
平均放射温度trとして代用できる。
【0026】従って、制御部4のPMV算出手段5は、
気温ta、湿度RHの入力があると、これらから水蒸気
圧Paを算出し、記憶装置4’に予め記憶している活動
量AL、衣服を通る熱損失fclと、これらから計算さ
れる着衣外表面温度tcl、人体に対する対流熱伝達率
hcとを上記PMV算出式に代入して室内のPMV値を
算出する。
【0027】次に、上記の様に構成されたこの空気調和
システムの制御動作の例を、図2のフローチャートを参
照して説明する。オフィスでデスクワーク等を行う作業
者が作業開始入力手段2bにより作業開始を入力すると
(ステップS1)、作業時間のカウントダウンを開始す
る(ステップS2)。また、このとき、作業者が目標室
温入力手段2aにより好みの目標温度を入力すると目標
室温が設定(ステップS3)され、空気調和システム1
は室内温度を目標温度にすべく運転を開始する。
【0028】目標室温が設定(ステップS3)される
と、制御部4は作業時間のカウントダウン中か否かを判
断する(ステップS4)。作業時間のカウントダウン中
でないと判断すれば(ステップS4のNO)、通常の空
気調和システム同様、室温を目標室温にするためのみの
制御が行われ(ステップS5)、作業時間のカウントダ
ウン中であると判断すれば(ステップS4のYES)、
デスクワーク等を行っている作業者の疲労度合いを推定
すべく疲労度合いの推測を行う(ステップS6)。この
疲労度合いの推測は、カウントされた作業時間及びPM
V算出手段5から出力されるPMV値に基づいて疲労度
合い推測手段6で演算される。
【0029】図3は、上述の主観申告実験において、疲
労感の尺度を1:体が疲れている〜5:どちらでもない
の評価値で、1〜3までを申告したものに対し、不満を
もっていると定義して作成し、疲労の溜まり具合即ち不
満率のパーセンテージ(%)を平面分布で示した実験結
果図である。この図より、作業時間の経過とともに疲労
感は徐々に増加し、不満率が増大するが、温度が高いと
きより低い方が不満率は少ないことがわかる。また、不
満率が高ければ高いほど疲労度合いが大きく、不満率が
少なければ疲労度合いは少なくなるので、この不満率が
平均的な人間の疲労度合いを示すものと考えることがで
きる。従って、例えば、この平面分布のデータを予め記
憶装置4’に入力しておけば、PMV値と作業時間の入
力情報から、疲労度合い推測手段6は現在の作業状況で
作業者の疲労感の不満率が何%〜何%内であるかを判断
することができる。
【0030】疲労度合いを推測すると(ステップS
6)、この推定される疲労度合いが所定の疲労量を超え
るか否かを判断する(ステップS7)。ここで、この所
定の疲労量は、上述の平面分布を用いて予め記憶装置
4’に設定値を記憶させておく。例えば、この平面分布
で不満率が30%を超えるラインを所定の疲労量と設定
すれば、疲労度合い推測手段6で推定した作業者の疲労
度合いと不満率30%である疲労量とが比較される。
【0031】作業者の疲労度合いが所定の疲労量を超え
ない場合(ステップS7のNO)には、通常の空気調和
制御を行う(ステップS5)。ここで図4は、横軸がP
MV値、縦軸が作業のしやすさを作業適合感という1〜
5の数値で表した上記実験の主観申告実験結果である。
この図において、作業適合感のピーク値はPMV値が中
立(PMV=0)となるところであり、暑くも寒くもな
い、すなわち作業者が望む室温において最も作業しやす
いと言える。従って、作業者の疲労が蓄積していない場
合、作業に最も適した環境は、室温を作業者が好む室温
である入力手段目標室温にするように空気調和システム
1の制御を行えばよいことがわかる。また、作業者が入
力した目標室温では、PMVが0とはならない場合に
は、PMV=0となるように空気調和制御手段8で補正
を行わせることもできる。
【0032】また、作業者の疲労度合いが所定の疲労量
を超える場合(ステップS7のYES)には、この疲労
感を回復するための空気調和制御を行う。ここで、図5
は横軸がPMV値、縦軸が疲労度合いを疲労感の1〜5
の評価値で表した上記実験での主観申告実験結果であ
る。この疲労感が少ない、つまり疲労していないピーク
値はPMV=−0.8付近であり、−1(やや涼しい)
に近く、暑くも寒くもない状態よりも若干寒い環境であ
ることがわかる。このことは、作業に適合した温熱環境
と疲労を回復させる温熱環境は異なることを示し、作業
者が疲労感を感じている場合は、作業に適した環境より
もPMV値がマイナス側になるように空気調和システム
1の制御を行えばよいことがわかる。更により良くは、
PMV=−0.8程度になるように空気調和システムの
制御を行えば、作業者の疲労回復に大きく寄与すること
がわかる。即ち、室内の環境状態を変数として作業者の
作業適合感及び疲労感を求められるようにし、かつ、こ
の両者において最適とされる温熱状態が異なることを利
用すれば、作業または学習の効率を上げるとともに作業
者の疲労を回復することができる。
【0033】ここで、このPMV値はつまり作業者が感
じる温冷感であり、体感温度という別の言葉でも表すこ
とができる。例えば、空気温度を変化させずに、作業者
に風をあてて室内の作業域のPMV値を変更させると、
その作業者の体感温度も変化する。ここで、最も疲労を
回復させる効果のある環境を形成するためには、室内の
PMV値を−0.8にすればよく、また、作業者の体感
温度に換算すると暑くも寒くもない温度より約3[de
g]低い温度になる。
【0034】従って、所定の疲労量を超える場合(ステ
ップS7のYES)、PMV値を−0.8にするように
空気調和システム1が運転される(ステップS8)。こ
こで、現在のPMV値はPMV算出手段5で刻々算出さ
れるが、室内温度及び湿度は刻々変化しているため、一
定値をとらないと考えられる。従って、PMV変更手段
7は、現在のPMV値に関わらず、室内のPMV値を−
0.8にすべく空気調和制御手段8に信号を送り、空気
調和制御手段8は室内の温度及び湿度を変更するため空
気調和手段9に信号を送る。
【0035】図6は例えば現在のPMV値が0である場
合に、PMVを−0.8に変更する方法である。図6の
(a)に示す様にステップ状にPMVを変更させるべく
空気調和システム1を運転しても良く、図6の(b)に
示す様に徐々にPMV値を調整すべく、過渡的にPMV
値を一定時間かけて−0.8にするように空気調和シス
テム1を制御しても良い。更に、図6の(c)に示す様
に現在のPMV値とPMV=−0.8の間を繰り返し往
復させて運転するものでも良い。
【0036】本実施の形態では、活動量、着衣量を一定
と擬制しており、気流・空気温度・湿度・放射温度のみ
を空気調和手段9で変えることができる。従って、PM
V値を−0.8にするためには、室内の温度、湿度を変
化させる必要があり、例えば温度のみの変化の場合、空
気調和制御手段8は、既に設定されている目標温度から
3[deg]低い温度に目標室温を変更し、空気調和手
段9にその信号を出力する。また、室内温度及び湿度を
変化させて、室内のPMV値を−0.8にするように空
気調和手段9を制御しても良い。また、湿度のみを変化
させてPMV値を−0.8に変更しても良い。更に、空
気調和システム1が輻射パネル内に水またはブラインを
流過させて熱交換し、輻射パネルの輻射熱を利用して空
気調和を行う場合には、輻射温度を変更させてPMV値
を−0.8にすることも考えられる。
【0037】図7は例えば、現在の温度がt[deg]
でありPMV=0である場合に、温度をt[deg]か
ら3[deg]下げる方法である。つまり図6の場合と
同様に、図7の(a)に示す様にステップ状に温度を下
げるべく空気調和システム1を運転しても良く、図7の
(b)に示す様に徐々に温度を調整すべく過渡的に一定
時間かけて温度を変化させても良い。更に、図7の
(c)に示す様にt[deg]とt−3[deg]の間
を繰り返し往復させて運転するものでも良い。
【0038】このPMV値を−0.8にする運転を所定
時間(約120秒)行った後は作業者の疲労が回復した
ものと判断し、疲労度合いをリセットする(ステップS
10)とともに、作業時間のカウントダウンを新たに開
始する(ステップS11)。その後、再び疲労度合いを
推定して(ステップS6)、推定した疲労度合いが所定
の疲労量を超えると(ステップS7のYES)、再びP
MV値を−0.8にする制御を行う(ステップS8)。
この一連の制御即ち疲労感の評価を繰り返し、または、
経過時間毎に行うことで、空気調和システム1の被空調
領域内の作業者が疲労を感じなくなる作業時間が長くな
り、疲労を感じた場合でもこの疲労を回復させる温熱環
境を形成することができる。
【0039】また、本実施の形態では、作業者が直接作
業開始入力手段2bにより作業開始を入力しているが、
本発明はこれに限られるものではなく、例えば本発明の
空気調和システム1がオフィスや学校で用いられる場合
には、作業が開始する時間を、勤務開始時刻・授業の開
始時刻から予め定めることができ、これを入力して記憶
装置4’に作業開始時間を記憶させておくこともでき、
毎日作業開始を入力する手間を省くことができる。
【0040】実施の形態2.図8は本発明の実施の形態
2に係わる空気調和システムの制御信号の流れを示すブ
ロック図である。なお、実施の形態1と同一又は相当部
分には同じ符号を付し説明を省略する。図8において、
3cは人工網膜チップが組み込まれ画像を検出するとと
もに画像の処理をすることができるイメージセンサ、3
dは赤外線センサである。本実施の形態では、室内環境
検知手段3は、温度センサ3a、湿度センサ3b、イメ
ージセンサ3c、赤外線センサ3dから構成されてい
る。
【0041】実施の形態1では、温度センサ3a、湿度
センサ3bから制御部4に入力される気温(室温)t
a、平均放射温度tr、湿度RHと、記憶装置4’に記
憶させた一般的な活動量AL、衣服を通る熱損失fcl
とからPMV値を算出した。しかし、活動量AL、衣服
を通る熱損失fclは、作業毎にそれぞれ異なり、また
作業者毎の個人差もあるものと考えられる。つまり、多
人数が存在するような大規模空間において均一的に空調
を行う場合は実施の形態1で説明したものが有効である
と考えられるが、小人数の空間あるいは個人の作業空間
を対象とした場合、その個人の作業空間のPMV値が重
要になる。そこで、本実施の形態では、室内環境検知手
段3にイメージセンサ3c・赤外線センサ3dを設け
て、イメージセンサ3cで作業空間における人の位置を
検知し、その検知結果を演算処理して活動量ALを算出
する。また、赤外線センサ3dから検出される熱画像等
の熱移動情報から衣服を通る熱損失fclを算出し、こ
の熱損失fclから着衣外表面温度tclと人体に対す
る対流熱伝達率hcを計算で求めるようにした。これら
すべての値を実施の形態1で説明したPMV算出式に代
入し、室内のPMV値を算出するようにしたので、作業
者がいる領域のPMV値即ち温冷感により対応した空気
調和システムの制御をすることができる。
【0042】次に、上記の様に構成されたこの空気調和
システムの制御動作の例を、図2のフローチャートを参
照して説明する。基本的な動作は実施の形態1と同様で
あるので説明を省略する。
【0043】本実施の形態では、活動量、空気温度、放
射温度(輻射)、気流、着衣量が室内環境検知手段3の
検知結果に基づいて変化する。これらの検知結果からP
MV算出手段でPMV値を算出し、この算出されたPM
V値及びカウントされた作業時間から疲労度合い推測手
段6で作業者の疲労度合いを推測する(ステップS
6)。この作業者の疲労度合いが所定の疲労量を超える
と制御部4が判断した場合(ステップS7のYES)、
PMV値を−0.8にするように空気調和システム1が
運転される(ステップS8)。この、PMV値を−0.
8に変更する手段は、本実施の形態では空気調和手段9
が室内の温・湿度を変化させて制御するのみではなく、
例えば、イメージセンサ3cが、被空調領域内の作業者
の位置を検出するので、その方向に吹出方向を変更し直
接その作業者に風を当ててその個人の温冷感を変化させ
ることができる。また、作業者の居住域を検出して、こ
の方向に吹出方向を変更する制御を行うこともできる。
【0044】具体的にこの吹き出し方向の制御は、例え
ば予めモデル化された実験室(教室)の温熱環境解析を
行い、人間が存在する位置での温度分布及び気流の分布
に基づいて行うことができる。図9は、温熱環境解析に
用いられた7(m)×7(m)×天井高3(m)の実験
室(教室)のモデル図である。また、図11,図12は
被験者周辺温度分布の解析結果図である。この実験室は
左右対象であり中央を対称面として吸音パネル及び机を
配置したものである。図10は吹出風速3(m/s)、
吹出温度27(℃)であり結果として床面温度は22.
5(℃)となった。このときは右側と左側の人間で温度
差が生じ、右側の人間には風速0.2(m/s)以上の
足元気流が生じる。図11は吹出風速2(m/s)、吹
出温度26(℃)であり床面温度は23.5(℃)とな
った。実験室内の人間の周辺には0.15(m/s)を
超える気流は存在せず上下温度分布も1.0[deg]
以内に収まり、室内の温度・気流の均一状態が保たれて
いる。
【0045】上記の解析結果より人間の周辺で風速0.
15(m/s)以下であれば、人間は風を感じることが
なくその温冷感はあまり変わらず、作業者の周辺で風速
0.15(m/s)以上の風を起こせば、作業者の温冷
感に影響を与えることができると考えられる。従って、
例えば、イメージセンサ3cが被空調領域内の作業者の
位置を検出した後、その方向に吹出方向を変更し直接そ
の作業者に吹出風速を例えば3(m/s)以上にして、
作業者の周辺で風速0.15(m/s)以上の風を起こ
すことができれば、気流の変更によって作業者のPMV
値を変更させることが可能である。
【0046】上記のようなPMV値を変更する運転を実
施の形態1と同様に所定時間(約120秒)行った後に
作業者の疲労が回復したものと判断し、疲労度合いをリ
セットする(ステップS10)とともに、作業時間のカ
ウントダウンを開始する(ステップS11)。その後、
再び疲労度合いを推定して(ステップS6)、推定した
疲労度合いが所定の疲労量を超えると(ステップS7の
YES)、PMV値を−0.8にする制御を行う(ステ
ップS8)。実施の形態1同様にこの一連の制御即ち疲
労感の評価を繰り返し、または、経過時間毎に行うこと
で、空気調和システム1の被空調領域内の作業者が疲労
を感じなくなる作業時間が長くなり、疲労を感じた場合
でもこの疲労を回復させる温熱環境を形成することがで
きる。
【0047】実施の形態3.図12は本発明の実施の形
態3に係わる空気調和システムの制御信号の流れを示す
ブロック図である。なお、実施の形態1と同一又は相当
部分には同じ符号を付し説明を省略する。図12におい
て、2cは着衣量を入力する着衣量入力手段、2dは性
別を入力する性別入力手段である。入力手段2は、目標
室温入力手段2a、作業開始入力手段2b、着衣量入力
手段2c、性別入力手段2dから構成されている。
【0048】実施の形態1では、温度センサ3a、湿度
センサ3bから制御部4に入力される気温(室温)t
a、平均放射温度tr、湿度RHと、記憶装置4’に記
憶させた一般的な活動量AL、衣服を通る熱損失fcl
とからPMV値を算出した。しかし、衣服を通る熱損失
fclは被空調領域内の着衣量毎にそれぞれ異なるもの
と考えられる。つまり、多人数が存在するような大規模
空間において均一的に空調を行う場合は実施の形態1で
説明したものが有効であると考えられるが、小人数の空
間あるいは個人の作業空間を対象とした場合、その個人
の着衣量を入力することでより正確にPMV値を算出す
ることができる。そこで、本実施の形態では、入力手段
2に着衣量入力手段2cを設けて、作業者が着衣量を入
力することにより、この信号が制御部4に入力されて、
衣服を通る熱損失fcl、着衣外表面温度tclを計算
しPMV値を算出するようにした。
【0049】また、温冷感(PMV値)は男性・女性の
別(性差)により異なると考えられる。男性よりも女性
の方が敏感であり、快適と感じる体感温度範囲が狭く、
女性の温冷感1℃くらいの幅は男性の5℃くらいの幅に
相当すると考えられる。つまり作業がやり易く快適と感
じる体感温度が男性は20〜25℃くらいに対して、女
性は24〜25℃くらいである。従って、例えば、被空
気調和領域内に女性又は男性しかいない場合、性別入力
手段2dで、男性・女性を入力することで、例えば女性
の場合は快適と感じる体感温度範囲が狭いことを考慮し
て不満率20%を超えたらPMVを−0.8にするとい
うように空気調和制御手段8の制御方法を変更させるこ
とができる。
【0050】実施の形態4.図13は本発明の実施の形
態4に係わる空気調和システムの制御信号の流れを示す
ブロック図である。なお、実施の形態1と同一又は相当
部分には同じ符号を付し説明を省略する。実施の形態1
では、目標とするPMV値を変更する空気調和制御によ
って被空調領域内の作業者の疲労を回復させているが、
温熱環境のみの環境変化で作業者の疲労を回復させるの
とは別に、本実施の形態では作業者自身に休息を促す警
告手段10を備えたものである。従って、作業者の疲労
が所定の疲労量を超えた場合(図2のステップS7のY
ES)、PMV値を−0.8にする空気調和制御を行う
とともに警告手段10で作業者に所定の疲労量を超えて
いることを知らせる警告を行う。この警告は、具体的に
はランプを点灯させる、または、ブザーを鳴らす等で作
業者の視覚または聴覚に訴えることで行う。
【0051】
【発明の効果】以上の発明から明らかなように本発明に
係わる空気調和システムの制御装置は、空気調和システ
ムが設置された室内の環境状態を検知する室内環境検知
手段と、前記室内環境検知手段の検知結果に基づいて室
内の人間の疲労度合いの蓄積を少なくするように前記空
気調和システムを制御する制御手段とを備えたものであ
る。この結果、室内でデスクワークや勉強などを行う際
に、この作業者の疲労の蓄積を少なくさせ、または、回
復させる温熱環境を形成する空気調和システムの制御装
置を提供することができる。
【0052】また、本発明に係わる空気調和システムの
制御装置は、空気調和システムが設置された室内の環境
状態を検知する室内環境検知手段と、該室内における人
間の作業開始からの経過時間と前記室内環境検知手段の
検知結果とに基づいて室内の人間の疲労度合いの蓄積を
少なくするように前記空気調和システムを制御する制御
手段とを備えたものである。この結果、室内でデスクワ
ークや勉強などを行う際に、被空調領域内の作業者の疲
労度合いをこの作業者の温冷感及び作業時間に基づい
て、この作業者の疲労の蓄積を少なくさせ、または、回
復させる温熱環境を形成する空気調和システムの制御装
置を提供することができる。
【0053】また、本発明に係わる空気調和システム
は、空気調和システムが設置された室内の環境状態を検
知する室内環境検知手段と、該室内における人間の作業
開始からの経過時間と前記室内環境検知手段の検知結果
とから室内の人間の疲労度合いを推測する疲労度合い推
測手段と、この疲労度合い推測手段により推測した人間
の疲労度合いに基づき前記空気調和システムを制御する
制御手段とを備えたものである。この結果、室内でデス
クワークや勉強などを行う際に、被空調領域内の作業者
の疲労度合いをこの作業者の温冷感及び作業時間から推
定し、この推定した疲労度合いに基づいて、この作業者
の温冷感及び作業時間に基づいて、この作業者の疲労の
蓄積を少なくさせ、または、回復させる温熱環境を形成
する空気調和システムの制御装置を提供することができ
る。
【0054】また、本発明に係わる空気調和システム
は、前記疲労度合いの蓄積を少なくするように前記空気
調和システムを制御する制御手段を、室内のPMV値を
下げることとしたものである。この結果、室内でデスク
ワークや勉強などを行う際に、被空調領域内の作業者の
疲労度合いに基づいて、この作業者の疲労の蓄積を少な
くさせ、または、回復させる温熱環境を形成する空気調
和システムの制御装置を提供することができる。
【0055】また、本発明に係わる空気調和システム
は、前記疲労度合いを少なくするように前記空気調和シ
ステムを制御する制御手段を、室内の温度、湿度、また
は放射温度のうちの少なくとも1つを下げることとした
ものである。この結果、室内でデスクワークや勉強など
を行う際に、被空調領域内の作業者の疲労度合いに基づ
いて、この作業者の疲労の蓄積を少なくさせ、または、
回復させる温熱環境を形成する空気調和システムの制御
装置を提供することができる。
【0056】また、本発明に係わる空気調和システム
は、前記疲労度合いを少なくするように前記空気調和シ
ステムを制御する制御手段を、室内の気流の風速を上げ
る、または、風向を変えることとしたものである。この
結果、室内でデスクワークや勉強などを行う際に、被空
調領域内の作業者の疲労度合いに基づいて、この作業者
の疲労の蓄積を少なくさせ、または、回復させる温熱環
境を形成する空気調和システムの制御装置を提供するこ
とができる。
【0057】また、本発明に係わる空気調和システム
は、前記疲労度合いを少なくするように前記空気調和シ
ステムを制御する制御手段を、所定時における室内のP
MV値とこのPMV値から一定値だけ減じた値の間で往
復制御するようにしたものである。この結果、室内でデ
スクワークや勉強などを行う際に、被空調領域内の作業
者の疲労度合いに基づいて、この作業者の疲労の蓄積を
少なくさせ、または、回復させる温熱環境を形成する空
気調和システムの制御装置を提供することができる。
【0058】また、本発明に係わる空気調和システム
は、前記室内環境検知手段が検知する室内の環境状態は
温度、湿度、放射温度、及び気流のうちの少なくとも1
つ以上であるものである。この結果、室内でデスクワー
クや勉強などを行う際に、被空調領域内の作業者の疲労
度合いに基づいて、この作業者の疲労の蓄積を少なくさ
せ、または、回復させる温熱環境を形成する空気調和シ
ステムの制御装置を提供することができる。
【0059】また、本発明に係わる空気調和システム
は、前記疲労度合い推測手段により推測される室内の人
間の疲労度合いを、該室内における人間の作業開始から
の経過時間と前記室内環境検知手段の検知結果から算出
したPMV値に基づいて推測したものである。この結
果、室内でデスクワークや勉強などを行う際に、被空調
領域内の作業者の疲労度合いを室内のPMV値及び作業
者の作業時間から推定し、この推定した疲労度合いに基
づいて、この作業者の疲労の蓄積を少なくさせ、また
は、回復させる温熱環境を形成する空気調和システムの
制御装置を提供することができる。
【0060】また、本発明に係わる空気調和システム
は、前記空気調和システムを制御する制御手段は、所定
時間室内のPMV値を−0.5〜−1.5にしたもので
ある。この結果、室内でデスクワークや勉強などを行う
際に、被空調領域内の作業者の疲労度合いを室内のPM
V値及び作業者の作業時間から推定し、この推定した疲
労度合いに基づいて、この作業者の疲労の蓄積を少なく
させ、または、回復させるために所定時間室内のPMV
値をマイナス側に変更制御する空気調和システムの制御
装置を提供することができる。
【0061】また、本発明に係わる空気調和システム
は、空気調和システムが設置された室内の環境状態を検
知し、該室内における人間の作業開始からの経過時間と
前記室内環境検知手段の検知結果とから室内の人間の疲
労度合いの蓄積を少なくするように前記空気調和システ
ムを制御したものである。この結果、室内でデスクワー
クや勉強などを行う際に、被空調領域内の作業者の疲労
度合いをこの作業者の温冷感及び作業時間に基づいて、
この作業者の疲労の蓄積を少なくさせ、または、回復さ
せる温熱環境を形成することができる。
【0062】また、本発明に係わる空気調和システム
は、空気調和システムが設置された室内の環境状態を検
知し、該室内における人間の作業開始からの経過時間と
前記室内環境の検知結果とから室内の人間の疲労度合い
を推測し、この推測した人間の疲労度合いに基づき前記
空気調和システムを制御したものである。この結果、室
内でデスクワークや勉強などを行う際に、被空調領域内
の作業者の疲労度合いをこの作業者の温冷感及び作業時
間に基づいて、この作業者の疲労の蓄積を少なくさせ、
または、回復させる温熱環境を形成することができる。
【0063】さらに、本発明に係わる空気調和システム
は、空気調和システムが設置された室内の環境状態を検
知し、該室内における温熱環境状態を変数として室内の
人間の作業適合感および疲労度合いを推測し、この人間
の作業適合感に適した温熱環境と疲労度合いに適した温
熱環境とが異なることに基づき前記空気調和システムを
制御したものである。この結果、室内でデスクワークや
勉強などを行う際に、被空調領域内の作業者の疲労度合
いをこの作業者の温冷感及び作業時間から推定し、この
推定した疲労度合いに基づいて、この作業者の疲労の蓄
積を少なくさせるとともに作業・学習効率を向上させる
温熱環境を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施形態1の構成を示す空気調和
システムの制御信号の流れを示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施形態1の構成を示す空気調和
システムの制御動作を示すフローチャートである。
【図3】 この発明の実施形態1に係わる疲労感の不満
率を表した実験結果である。
【図4】 この発明の実施形態1に係わる温熱環境と作
業のしやすさとの関係を表した実験結果である。
【図5】 この発明の実施形態1に係わる温熱環境と疲
労度合いとの関係を表す実験結果である。
【図6】 この発明の実施形態1の構成を示すPMV値
の変更動作を示すタイミングチャートである。
【図7】 この発明の実施形態1の構成を示す温度の変
更動作を示すタイミングチャートである。
【図8】 この発明の実施形態2の構成を示す空気調和
システムの制御動作を示すブロック図である。
【図9】 この発明の実施形態2に係わる7(m)×7
(m)×天井高3(m)の実験室(教室)のモデル図で
ある。
【図10】 この発明の実施形態2に係わる被験者周辺
温度分布の解析結果図である。
【図11】 この発明の実施形態2に係わる被験者周辺
温度分布の解析結果図である。
【図12】 この発明の実施形態3の構成を示す空気調
和システムの制御動作を示すブロック図である。
【図13】 この発明の実施形態4の構成を示す空気調
和システムの制御動作を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 空気調和システム、 2 入力手段、 2a 目標
室温入力手段、 2b作業開始入力手段、 2c 着衣
量入力手段、 2d 性別入力手段、 3室内環境検知
手段、 3a 温度センサ、 3b 湿度センサ、 3
c イメージセンサ、 3d 赤外線センサ、 4 制
御部、 4’ 記憶装置、 5 PMV算出手段、 6
疲労度合い推測手段、 7 PMV変更手段、 8
空気調和制御手段、 9 空気調和手段、 10 警告
手段。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気調和システムが設置された室内の環
    境状態を検知する室内環境検知手段と、前記室内環境検
    知手段の検知結果に基づいて室内の人間の疲労度合いの
    蓄積を少なくするように前記空気調和システムを制御す
    る制御手段とを備えたことを特徴とする空気調和システ
    ムの制御装置。
  2. 【請求項2】 空気調和システムが設置された室内の環
    境状態を検知する室内環境検知手段と、該室内における
    人間の作業開始からの経過時間と前記室内環境検知手段
    の検知結果とに基づいて室内の人間の疲労度合いの蓄積
    を少なくするように前記空気調和システムを制御する制
    御手段とを備えたことを特徴とする空気調和システムの
    制御装置。
  3. 【請求項3】 空気調和システムが設置された室内の環
    境状態を検知する室内環境検知手段と、該室内における
    人間の作業開始からの経過時間と前記室内環境検知手段
    の検知結果とから室内の人間の疲労度合いを推測する疲
    労度合い推測手段と、この疲労度合い推測手段により推
    測した人間の疲労度合いに基づき前記空気調和システム
    を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする空気調
    和システムの制御装置。
  4. 【請求項4】 前記疲労度合いの蓄積を少なくするよう
    に前記空気調和システムを制御する制御手段は、室内の
    PMV値を下げるようにしたことを特徴とする請求項1
    〜3記載の空気調和システムの制御装置。
  5. 【請求項5】 前記疲労度合いを少なくするように前記
    空気調和システムを制御する制御手段は、室内の温度、
    湿度、または放射温度のうちの少なくとも1つを下げる
    ようにしたことを特徴とする請求項1〜3記載の空気調
    和システムの制御装置。
  6. 【請求項6】 前記疲労度合いを少なくするように前記
    空気調和システムを制御する制御手段は、室内の気流の
    風速を上げる、または、風向を変えるようにしたことを
    特徴とする請求項1〜3記載の空気調和システムの制御
    装置。
  7. 【請求項7】 前記疲労度合いを少なくするように前記
    空気調和システムを制御する制御手段は、所定時におけ
    る室内のPMV値とこのPMV値から一定値だけ減じた
    値の間で往復制御することを特徴とする請求項1〜3記
    載の空気調和システムの制御装置。
  8. 【請求項8】 前記室内環境検知手段が検知する室内の
    環境状態は温度、湿度、放射温度、及び気流のうちの少
    なくとも1つ以上であることを特徴とする請求項1〜7
    記載の空気調和システムの制御装置。
  9. 【請求項9】 前記疲労度合い推測手段により推測され
    る室内の人間の疲労度合いは、該室内における人間の作
    業開始からの経過時間と前記室内環境検知手段の検知結
    果から算出したPMV値に基づいて推測したことを特徴
    とする請求項3記載の空気調和システムの制御装置。
  10. 【請求項10】 前記空気調和システムを制御する制御
    手段は、所定時間室内のPMV値を−0.5〜−1.5
    にすることを特徴とする請求項4または9記載の空気調
    和システムの制御装置。
  11. 【請求項11】 空気調和システムが設置された室内の
    環境状態を検知し、該室内における人間の作業開始から
    の経過時間と前記室内環境検知手段の検知結果とから室
    内の人間の疲労度合いの蓄積を少なくするように前記空
    気調和システムを制御することを特徴とする空気調和シ
    ステムの制御方法。
  12. 【請求項12】 空気調和システムが設置された室内の
    環境状態を検知し、該室内における人間の作業開始から
    の経過時間と前記室内環境の検知結果とから室内の人間
    の疲労度合いを推測し、この推測した人間の疲労度合い
    に基づき前記空気調和システムを制御したことを特徴と
    する空気調和システムの制御方法。
  13. 【請求項13】 空気調和システムが設置された室内の
    環境状態を検知し、該室内における温熱環境状態を変数
    として室内の人間の作業適合感および疲労度合いを推測
    し、この人間の作業適合感に適した温熱環境と疲労度合
    いに適した温熱環境とが異なることに基づき前記空気調
    和システムを制御したことを特徴とする空気調和システ
    ムの制御装置。
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