JP2019043511A - 局所温調装置の目標温度決定手段 - Google Patents

局所温調装置の目標温度決定手段 Download PDF

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拓也 久保田
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Abstract

【課題】乗員のフィーリングに合わせた局所の冷暖房を行うことができると共に、冷暖房に要するトータルの消費電力を低減することができる局所温調装置の目標温度決定手段を提供する。【解決手段】車両内において乗員Hの局所的な冷暖房を行う局所温調装置(ステアリング温調装置10、臀部シート温調装置11および腰部シート温調装置12)の目標温度決定手段105であって、乗員の周囲環境に基いて、乗員全身の温熱感に対応する全身温熱感判定値を判定する全身温熱感判定手段101と、全身温熱感判断値に基いて、乗員が快適と感じる人体の局所的温熱感を推定する局所温熱感推定手段103と、局所温熱感推定手段で推定された局所温熱感推定値から乗員全身の理想的な体感温度を決定する理想体感温度決定手段104と、局所温調装置に接触する乗員の皮膚温度と、理想体感温度決定値とに基いて、局所温調装置の目標温度を決定する。【選択図】図2

Description

本発明は、乗員の手、臀部、腰部等の局所の冷暖房を行う局所温調装置の目標温度決定手段に関する。
従来から、乗用車に搭載されて、乗員の大腿部、臀部、腰部等をそれぞれ加熱、冷却する局所温調装置に関する技術が種々提案されている(例えば、特許文献1)。
例えば、特許文献1に係る車両用座席加熱装置では、 初期モードと定常モードを有し、移行期に電力が増加しないように分配している。
なお、ここにいう初期モードとは、大腿部の温度を臀部より高くする制御であり、定常モードとは、温度を腰>臀部>大腿とする制御である。
そして、モード切替は、空調のフルホットか否かで判定し、フルホットのときには初期モード、それ以外は定常モードで稼働している。
特許5223357号公報
ところが、前記従来技術では、初期モードと定常モードの切り替えをフルホットで判定しており、乗員のフィーリング(温度感覚)と合わない場合がある。
即ち、前記従来技術では、各ヒータ部の温度高低差については規定されているが、目標温度を決める手段が無いため、環境条件によっては冷暖房の温度が乗員のフィーリングと乖離する虞があった。
また、目標温度を決める手段が無いことから、乗員の手、臀部、腰部等の局所の冷やし過ぎや、温め過ぎを生じ、局所温調装置および車室内空調装置による電力の無駄な消費を招来し、電動自動車等における省電力化の要請を満たすことができなかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、乗員のフィーリングに合わせた局所の冷暖房を行うことができると共に、冷暖房に要するトータルの消費電力を低減することができる局所温調装置の目標温度決定手段を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る温調装置の目標温度決定手段は、車両内において乗員の局所的な冷暖房を行う局所温調装置の目標温度決定手段であって、前記乗員の周囲環境に基いて、乗員全身の温熱感に対応する全身温熱感判定値を判定する全身温熱感判定手段と、前記全身温熱感判断値に基いて、前記乗員が快適と感じる人体の局所的温熱感を推定する局所温熱感推定手段と、該局所温熱感推定手段で推定された局所温熱感推定値から乗員全身の理想的な体感温度を決定する理想体感温度決定手段と、前記局所温調装置に接触する乗員の皮膚温度と、前記理想体感温度決定値とに基いて、該局所温調装置の目標温度を決定することを要旨とする。
本発明によれば、乗員のフィーリングに合わせた局所の冷暖房を行うことができると共に、冷暖房に要するトータルの消費電力を低減することができる局所温調装置の目標温度決定手段を提供することができる。
実施形態に係る目標温度決定手段を適用した局所温調装置の概略構成例を示す概略構成図である。 実施形態に係る目標温度決定手段を含む制御装置の構成例を示すブロック図である。 実施形態に係る目標温度決定手段等で実行される目標温度決定処理の処理手順を示すフローチャートである。 人体の局所の一種としての手に関する温熱感の全身判定値と局所判定値との関係を示すグラフである。 人体の局所の一種としての臀部および腰部に関する温熱感の全身判定値と局所判定値との関係を示すグラフである。 温熱感判定値と等価温度との関係を示すグラフである。 具体例における全身温熱感判定値と室温との相関を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態に係る目標温度決定手段を図面に基づいて説明する。
(実施形態に係る目標温度決定手段を含む制御装置)
図1および図2を参照して、実施形態に係る目標温度決定手段105を含む制御装置M1の概略構成例について説明する。
ここで、図1は、実施形態に係る目標温度決定手段105を適用した局所温調装置(補助温熱デバイスとも云う)10〜12の概略構成例を示す概略構成図、図2は、目標温度決定手段105を含む制御装置M1の構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、車室V内に配置されるステアリングSTには、乗員Hの人体局所の一種として「手」h1の冷暖房を行う局所温調装置(ステアリング温調装置)10が設けられている。
ステアリング温調装置10としては、ステアリングST内に配置されるヒータやペルチェ素子などの熱電素子等が挙げられる。
また、車室V内に配置されたシート500には、乗員Hの人体局所の一種である「臀部」h2等の冷暖房を行う局所温調装置(臀部シート温調装置)11と、乗員Hの人体局所の一種である「腰部」h3等の冷暖房を行う局所温調装置(腰部シート温調装置)12とが設けられている。
局所温調装置11、12としては、シート500の座面シート内や背もたれ内に配置されるヒータや、ペルチェ素子などの熱電素子等が挙げられる。
また、エンジンルームEから熱媒や冷媒をパイプやチューブ等を介して車室V内に導入し、シート500内を循環させるように構成した局所温調装置を用いてもよい。
また、局所温調装置として、電動ファンにより温風や冷風を人体局所に吹き付けるようにしてもよい。
各局所温調装置10〜12の近傍には、温度センサとしてステアリング温度センサSN1、臀部シート温度センサSN2および腰部シート温度センサSN3が配置されている。
なお、図1では、運転席のおける概略構成を示したが、他の乗車席については、ステアリングSTを除いて、同様の構成とすることができる。
また、車室V内のステアリングSTの下方側には、車室V内の温度を測定する室内温度センサSN10が配置されている。
車室Vの前方には、車室V内に入射する太陽光の強度を測定する日射センサ11が配置されている。
また、車両のエンジンルーム等には、外気温度を測定する外気温センサSN12が配置されている。
なお、室内温度センサSN10、外気温センサSN12および日射センサSN11は、2箇所以上に設けるようにしてもよい。
また、室内温度センサSN10、外気温センサSN12および日射センサSN11の設置位置についても、上述の位置に限定されず、車両の任意の位置に設けることができる。
図2に示すように、本実施形態に係る目標温度決定手段105を含む制御装置M1の主要部は、マイクロコンピュータC等で構成されている。
制御装置M1は、乗員Hの周囲環境に基いて、乗員全身の温熱感に対応する全身温熱感判定値を判定する全身温熱感判定手段101と、全身温熱感判断値に基いて、乗員Hが快適と感じる人体の局所的温熱感を推定する局所温熱感推定手段103と、局所温熱感推定手段103で推定された局所温熱感推定値から乗員全身の理想的な体感温度を決定する理想体感温度決定手段104と、局所温調装置10〜12に接触する乗員Hの皮膚温度と、理想体感温度決定値とに基いて、局所温調装置10〜12の目標温度を決定する目標温度決定手段105とを備えている。
局所温熱感推定手段103と目標温度決定手段105には、ステアリング温度センサSN1、臀部シート温度センサSN2および腰部シート温度センサSN3が接続され、各部位における温度情報が入力されるようになっている。さらに、室内温度センサSN10、外気温センサSN12および日射センサSN11が接続され、各部位における環境温度としての温度情報が入力されるようになっている。
また、目標温度決定手段105には、決定された目標温度に基いて、ステアリング温調装置10、臀部シート温調装置11および腰部シート温調装置12の温度制御を行う局所温調装置制御部201が設けられている。
さらに、目標温度決定手段105には、目標温度決定手段105で決定された目標温度に基いて、エアコン装置300の運転制御を行うエアコン装置制御部202が設けられている。
(目標温度決定処理)
次に、図3のフローチャートを参照して、目標温度決定手段105を含む制御装置M1で実行される目標温度決定処理の処理手順について説明する。
この処理が開始されると、まず、各温度センサ(ステアリング温度センサSN1、臀部シート温度センサSN2および腰部シート温度センサSN3)から温度情報を取得してステップS11に移行する。
ステップS11では、各温度センサで取得された温度情報(周囲環境)に基いて、乗員全身の温熱感に対応する全身温熱感判定値を判定し、ステップS12で、全身温熱感判定値を取得する。
より具体的には、車内温度と全身温熱感の相関を表す温熱感推定式(相関式)を用いて局所的温熱感を推定する。
より詳細には、放熱量に基づく代表的な温熱感指標 ISO7730 PMV(Predictive Mean Vote 予測温冷感申告)、ISO14505 Teq(Equivalent Temperature 等価温度)に基いて、人体からの放熱量を推定することができる。
次いで、ステップS13では、全身温熱感判断値に基いて、乗員Hが最も快適と感じる人体の局所的温熱感を推定する。
より具体的には、図4および図5のグラフに基いて、局所温熱感判定値を取得することができる。
ここで、図4は、人体の局所の一種としての「手」に関する温熱感の全身判定値と局所判定値との関係を示すグラフ、図5は、人体の局所の一種としての臀部および腰部に関する温熱感の全身判定値と局所判定値との関係を示すグラフである。
図4、図5では、縦軸に局所判定値(−3〜3)、横軸に全身判定値(−3〜3)が示されている。
なお、−(マイナス)側が冷感、+(プラス)側が温感を示している。
図4に示す例では、全身判定値が「−2」(例えば、かなり寒く感じる)の場合に、手の局所判定値は「1」(例えば、少し暖かく感じる)に対応している。
また、図5に示す例では、全身判定値が「−2」(例えば、かなり寒く感じる)の場合に、腰部の局所判定値は「約0.5」(例えば、若干暖かく感じる)に対応し、臀部の局所判定値は「約1.8」(例えば、暖かく感じる)に対応している。
なお、臀部の局所判定値は、臀部が他の部位に比して感覚が鈍いため、全身判定値「0」以上で略平衡状態となっている。
次に、ステップS14では、等価温度への変換を行い、理想的な体感温度を決定する。
より具体的には、図6に示すグラフに基いて、等価温度への変換を行うことができる。
ここで、図6は、温熱感判定値と等価温度との相関を示すグラフである。
図6に示す例では、温感判定値(例えば、上述の手などの局所判定値)が「1」の場合に、等価温度(℃)は、約40℃と取得することができる。
次いで、ステップS15では、乗員Hの皮膚温度を計算する。
より具体的には、乗員Hの皮膚温度は、式1により算出することができる。
C(dTsk/dt)=K(Tdevice−Tsk)+α(Tcore−Tsk)+h(Tincar−Tsk)+M …式1
但し、C:熱容量、Tsk:皮膚温度、K:皮膚、温熱デバイス間熱伝達率、Tdevice:デバイス温度測定値、α:皮膚−人体内部熱伝達率、Tcore:人体内部温度、h:総合熱伝達率、Tincar:車室内温度、M:皮膚代謝
なお、皮膚温度を連続して計測する場合の差分は、式3を用いて算出することができる。
Tsk’=Tsk+(Δt/C){K(Tdevice−Tsk)}+α(Tcore−Tsk)+h(Tincar−Tsk)+M}…式3
但し、Tsk’:更新後皮膚温度、Tsk:1ステップ前の皮膚温度、Δt:更新ステップ間隔
次いで、ステップS16では、局所温調装置(ステアリング温調装置10、臀部シート温調装置11および腰部シート温調装置12)の目標温度を決定して、ステップS17に移行する。
ステップS17では、決定された目標温度に基いて、局所温調装置(ステアリング温調装置10、臀部シート温調装置11および腰部シート温調装置12)の温度制御を行って処理を終了する。
なお、局所温調装置(ステアリング温調装置10、臀部シート温調装置11および腰部シート温調装置12)の温度制御に併せて、エアコン装置制御部202によるエアコン装置300の温度制御を行うようにしてもよい。
ここで、局所温調装置(ステアリング温調装置10、臀部シート温調装置11および腰部シート温調装置12)の目標温度は、式2により算出することができる。
Tdevice,ref=(h/K)×(Teq,ref−Tsk)−(h/K)×(Tincar−Tsk)+Tsk…式2
但し、Tdevice,ref:温熱デバイス目標温度、K:皮膚−温熱デバイス間熱伝達率、Tsk:皮膚温度、hs:標準環境熱伝達率、h:総合熱伝達率、Tincar:車室内温度、Teq,ref:目標局所等価温度である。
なお、図4、図5から、全身の温熱感を局所温熱感へと変換し、図6にて局所温熱感を局所等価温度に変換している。
(具体例について)
次に、図1〜図7を参照して、実施形態に係る目標温度決定手段105を含む制御装置M1による具体例について説明する。
ここで、図1に示すマイクロコンピュータCは、スイッチ類を備えるコントロールパネルに接続され、ユーザからの操作信号が入力されるようになっている。また、マイクロコンピュータCは、エアコン装置300内の温度情報(エバポレータ温度および水温)を取得できる構成であるものとする。
そして、図3のステップS10で各温度センサ(ステアリング温度センサSN1、臀部シート温度センサSN2および腰部シート温度センサSN3)から温度情報を取得してステップS11に移行する。
ステップS11では、ステップS10でセンシングした値に基いて、乗員Hの全身の温熱感を推定し、ステップS12では全身温熱感判定値を取得する。
ここで、最も単純な全身温熱感の推定方法は、室温と全身温熱感に相関があるものとし、室内温度センサの計測する値を全身温熱感に変換することである。
例えば、図7に示すような室温(℃)と全身温熱感判定値との相関を予め実験で取得してデータ化する。このような相関グラフは、室温を任意の値に保持した恒温槽等で被験者に全身温熱感を申告させることで作成することができる。
さらに、より高精度に全身温熱感を推定したい場合には、人体の放熱量に基づいた温熱感指標を利用することができる。
例えば、ISO7730のPMV(Predicted Mean Vote:快適性評価)、ISO14505のTeqなどがある。
ISO7730のPMVは、比較的扱いが容易であり、気温、風速、輻射温度、湿度、代謝量、着衣量が分かれば求めることができる。
なお、気温は室内温度センサSN10でセンシングした値とする。
風速は、例えばマイクロコンピュータCがエアコン装置300(温風、冷風の流通を制御する複数のドアを有している)に対して指示しているミックスドア角γ_mix(deg)、インテークドア角γ_int(deg)、モードドア角γ_mode(deg)、ファン電圧E_fan(V)の関数として次の式4で求める。
風速V(m/s)=a(γ_mix,γ_int,γ_mode)×E_fan+b(γ_mix,γ_int,γ_mode) …式4
なお、式4は、各ドア角に固定して実際に風速を測定して予め作成しておく。また、輻射温度は内装温度と同義であり、簡単化のため室温と同等とする。湿度は、湿度センサがない場合には50%など代表的な値で固定する。代謝量は、安静時1.1Met〜運転時1.6Met程度とする。着衣量は、暖房時は1Clo以上、冷房時は0.6Clo程度とすればよい。
一方、ISO14505のTeqの場合は、顕熱による放熱量を計算する。
気温、輻射温度、風速、着衣量は上記の通りとし、対流、輻射、伝導、日射による人体表面の放熱量を物理式等で計算して求める。
対流熱伝達率h_cと着衣による表面積の増加率fcl、輻射熱伝達率h_r、伝導熱伝達率K、皮膚温度Tsk、室内温度Tincar、補助温熱デバイス温度Tdevice、日射センサ認識値Sun_sensorとして、
Q_cv=h_c×fcl×(Tsk−Tincar)
Q_rad=h_r×fcl×(Tsk−Tincar)
Q_cd=K×fcl×(Tsk−Tdevice)
Q_sun=f(Sun_sensor)
Q=Q_cv+Qrad+Qcd−Qsun
と求めればよい。
なお、皮膚温度は34℃固定などとし、精度を向上させたい場合には、生理学的なパラメータをもとに時変パラメータとしてリアルタイムで計算して求めるようにしてもよい。
日射については、日射センサSN11の認識値から人体に吸収される量を推定する変換式を予め作成して与える。
ISO14505よりTeqは求めた放熱量と同等の放熱量となる基準環境の作用温度と同義であるので基準環境における放熱式(式5)をもとにTeqを得る。
Teq=Tsk−Q/hs …式5
但し、hs:基準環境の顕熱熱伝達率
そして、最終的に求めたTeqと、予め温熱感に対応付けた変換式をもとに温熱感に換算する。
次いで、ステップS13では、上述のようにして求めた全身温熱感Soと、図4および図5の相関を基に、局所温調装置10〜12に接触している乗員Hの身体部位が最も快適と感じる局所温熱感Sl,refを推定する。
乗員Hの身体部位は、例えばシートヒータ(臀部シート温調装置11、腰部シート温調装置12)の場合は「背中」や「臀部」、ステアリングヒータ(ステアリング温調装置10)の場合は「手」h1が対象部位になる。
図4および図5は、ある全身温熱感のときに、ある身体部位が最も快適となる局所的な温熱感を表しており、例えば全身が寒い時は手や背、臀部を暖かく、全身が暑い時は手と背を涼しくする。また、臀部は中立よりやや暖かい状態にすると手、背、臀部がそれぞれ局所的に最大の快適をとることを表している。
次いで、ステップS14では、ステップS13で求めた局所温熱感Sl,refを等価温度Teq,refに変換する。
等価温度に変換することで、温熱感を物理量に変換することができる。即ち、局所温熱感と等価温度は相関が高く、実験によって図6のような相関が得られるため、この関係を利用して等価温度を求めることができる。
ここで、ステップS13で求めた局所温熱感Sl,refは、乗員Hの身体部位が最も快適と感じる局所温熱感であるため、図6の相関から求めた等価温度は、乗員Hの身体部位が最も快適と感じる等価温度、即ち目標局所等価温度Teq,refとなる。
次に、ステップS15では、式1に基いて皮膚温度Tskを計算する。
C(dTsk/dt)=K(Tdevice−Tsk)+α(Tcore−Tsk)+h(Tincar−Tsk)+M …式1
但し、C:熱容量、Tsk:皮膚温度、K:皮膚、温熱デバイス間熱伝達率、Tdevice:デバイス温度測定値、α:皮膚−人体内部熱伝達率、Tcore:人体内部温度、h:総合熱伝達率、Tincar:車室内温度、M:皮膚代謝
ここで、乗員Hの皮膚温度は、環境条件によって変動しており、また、乗員Hの皮膚を移動する熱量は皮膚温度とデバイス温度の差に比例するため、精度よく目標温度を求めるには皮膚温度の変化を織り込む必要がある。
式1は、乗員Hの生理学的な特徴を取り入れており、皮膚とデバイス間の熱流、皮膚と室内空気間の熱流、皮膚と人体内部の熱流、皮膚の代謝が考慮されている。
マイクロコンピュータCで演算する際は、例えば、初期値を34℃とし、式3に示す差分方程式で各演算ステップごとに皮膚温度を更新すればよい。
Tsk’=Tsk+(Δt/C){K(Tdevice−Tsk)}+α(Tcore−Tsk)+h(Tincar−Tsk)+M} …式3
但し、Tsk’:更新後皮膚温度、Tsk:1ステップ前の皮膚温度、Δt:更新ステップ間隔
次いで、ステップS16では、局所温調装置10〜12の目標温度Tdevice,refを決定する。
等価温度の定義と熱の流れを数式にし、温熱デバイスの温度を求めると式2となる。
Tdevice,ref=(h/K)×(Teq,ref−Tsk)−(h/K)×(Tincar−Tsk)+Tsk…式2
但し、Tdevice,ref:温熱デバイス目標温度、K:皮膚−温熱デバイス間熱伝達率、Tsk:皮膚温度、hs:標準環境熱伝達率、h:総合熱伝達率、Tincar:車室内温度、Teq,ref:目標局所等価温度である。
これより、局所的に最も快適となるデバイス温度が決まる。
次いで、ステップS17では、ステップS18で決定した目標温度となるように局所温調装置(ステアリング温調装置10、臀部シート温調装置11および腰部シート温調装置12)を制御する。
なお、温度制御手法は限定されず、目標温度と測定温度の差分を利用したPI制御や、閾値を用いて目標温度に達するまでONとし、目標温度を越えるとOFFとなるON−OFF制御などを用いることができる。
以上述べたように、本実施の形態に係る局所温調装置の目標温度決定手段105によれば、乗員のフィーリングに合わせた局所の冷暖房を行うことができると共に、決定された目標温度に基いて、局所温調装置(ステアリング温調装置10、臀部シート温調装置11および腰部シート温調装置12)およびエアコン装置300を制御することにより、冷暖房に要するトータルの消費電力を低減することができる。
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載にしたがって解釈すべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、局所温調装置としては、ステアリング温調装置10、臀部シート温調装置11および腰部シート温調装置12に限らず、ドアに組み込んで乗員Hの側部の冷暖房を行う局所温調装置、肘置きに組み込んで乗員Hの腕部の冷暖房を行う局所温調装置、ヘッドレス付近に配置されて乗員Hの首周りの冷暖房を行う局所温調装置等に適用することができる。
M1…制御装置
C…マイクロコンピュータ
10…ステアリング温調装置(局所温調装置)
11…臀部シート温調装置(局所温調装置)
12…腰部シート温調装置(局所温調装置)
101…全身温熱感判定手段
103…局所温熱感推定手段
104…理想体感温度決定手段
105…目標温度決定手段
201…局所温調装置制御部
202…エアコン装置制御部
300…エアコン装置
SN1…ステアリング温度センサ
SN2…臀部シート温度センサ
SN3…腰部シート温度センサ
SN11…日射センサ
SN12…外気温センサ

Claims (3)

  1. 車両内において乗員の局所的な冷暖房を行う局所温調装置の目標温度決定手段であって、
    前記乗員の周囲環境に基いて、乗員全身の温熱感に対応する全身温熱感判定値を判定する全身温熱感判定手段と、
    前記全身温熱感判断値に基いて、前記乗員が快適と感じる人体の局所的温熱感を推定する局所温熱感推定手段と、
    該局所温熱感推定手段で推定された局所温熱感推定値から乗員全身の理想的な体感温度を決定する理想体感温度決定手段と、
    前記局所温調装置に接触する乗員の皮膚温度と、前記理想体感温度決定値とに基いて、該局所温調装置の目標温度を決定することを特徴とする局所温調装置の目標温度決定手段。
  2. 前記乗員の皮膚温度は、式1により算出されることを特徴とする請求項1に記載の局所温調装置の目標温度決定手段。

    C(dTsk/dt)=K(Tdevice−Tsk)+α(Tcore−Tsk)+h(Tincar−Tsk)+M …式1
    但し、C:熱容量、Tsk:皮膚温度、K:皮膚、温熱デバイス間熱伝達率、Tdevice:デバイス温度測定値、α:皮膚−人体内部熱伝達率、Tcore:人体内部温度、h:総合熱伝達率、Tincar:車室内温度、M:皮膚代謝
  3. 前記局所温調装置の目標温度は、式2により算出されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の局所温調装置の目標温度決定手段。

    Tdevice,ref=(h/K)×(Teq,ref−Tsk)−(h/K)×(Tincar−Tsk)+Tsk…式2
    但し、Tdevice,ref:温熱デバイス目標温度、K:皮膚−温熱デバイス間熱伝達率、Tsk:皮膚温度、hs:標準環境熱伝達率、h:総合熱伝達率、Tincar:車室内温度、Teq,ref:目標局所等価温度
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114992706A (zh) * 2022-06-10 2022-09-02 重庆大学 局部供暖下的舒适性能提升调节装置及控制方法
JP2023514133A (ja) * 2020-02-05 2023-04-05 ジェンサーム インコーポレイテッド 搭乗者の温熱生理学に基づく車両のマイクロクライメートのパーソナル化
JP2023516892A (ja) * 2020-02-05 2023-04-21 ジェンサーム インコーポレイテッド 温熱生理学ベースのマイクロクライメート・コントロール・システム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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