JPH06239128A - 着衣状態判定装置および車両用空気調和装置 - Google Patents

着衣状態判定装置および車両用空気調和装置

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JPH06239128A
JPH06239128A JP3085093A JP3085093A JPH06239128A JP H06239128 A JPH06239128 A JP H06239128A JP 3085093 A JP3085093 A JP 3085093A JP 3085093 A JP3085093 A JP 3085093A JP H06239128 A JPH06239128 A JP H06239128A
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JP
Japan
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temperature
clothing
occupant
air
surface temperature
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JP3085093A
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English (en)
Inventor
Masanori Uehara
昌徳 上原
Takeshi Yoshinori
毅 義則
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 乗員の下肢3部位の着衣状態を判定して、乗
員の下肢3部位の温感を充分に反映した空調制御を実現
する。 【構成】 自動車用オートエアコン1に、乗員の下肢3
部位の表面温度の各々を検出する下肢3部位の表面温度
センサ31〜33の信号と、乗員の着衣温より高く、乗
員の皮膚温より低い基準温度を検出する臀部表面温度セ
ンサ34の信号とを比較するCPU37を設けた。な
お、CPU37は、下肢3部位の表面温度の各々より基
準温度の方が低い場合は着衣無しと判定し、基準温度の
方が高い場合は着衣有りと判定する。そして、このよう
な下肢3部位の着衣状態の判定結果から推定した下肢3
部位の温感を基に、ブロワ4、エアミックスダンパ6、
フェイス吹出口23、フット吹出口24の可変ルーバ1
1、12等を制御して、下肢3部位の温感に基づく最適
な温度の空気を有効な部位へ送るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乗員の体の特定部位の
着衣状態を判定する着衣状態判定装置、およびこれを利
用して乗員の体の特定部位の着衣状態を反映した空調制
御を自動コントロールする車両用空気調和装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、特開昭63−74709号公
報においては、車室内の乗員の体を複数の部位に分割
し、それらの各部位の温度分布を検出手段で検出し、各
部位毎の有効な送風位置を判断し、その目標吹出温を算
出することにより、乗員の体の各部位に異なる熱量を与
えて快適な温度環境を提供するようにした車両用空気調
和装置(以下従来の技術と呼ぶ)が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の技術
においては、乗員の体の各部位の表面温度を検出し、送
風位置や目標吹出温等を設定しているが、例えば冬期に
厚着した場合にその特定部位の表面温度(着衣温)が低
くても、特定部位の内部の皮膚温は高く保温されて特定
部位の温感が快適であることが考えられ、必ずしも乗員
の体の各部位の表面温度のみが送風位置や目標吹出温の
指標となるとは言えなかった。したがって、乗員の体の
各部位毎の温感は着衣状態といった要因からも影響を受
けるために、従来の技術では、乗員の体の各部位毎の温
感を充分に反映した空調制御とはなり得ないという問題
点があった。
【0004】本発明は、乗員の体の特定部位の着衣状態
を判定することが可能な着衣状態判定装置の提供を目的
とし、さらにその着衣状態判定装置を利用して、乗員の
体の特定部位の温感を充分に反映した空調制御が可能な
車両用空気調和装置の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、図1
1に示した技術手段を採用した。この発明は、人の体の
特定部位の表面温度を検出する検出手段101と、人の
着衣温より高く、人の体の皮膚温より低い温度に相当す
る基準温度信号を出力する基準温度信号出力手段102
と、検出手段101で検出された人の体の特定部位の表
面温度と基準温度信号出力手段102より出力された基
準温度信号との比較結果に基づいて、人の体の特定部位
の着衣状態を判定する判定手段103とを備えたことを
特徴とする。請求項2の発明は、図12に示した技術手
段を採用した。この発明は、車室内を空調する空調手段
100と、乗員の体の特定部位の表面温度を検出する検
出手段101と、乗員の着衣温より高く、乗員の体の皮
膚温より低い温度に相当する基準温度信号を出力する基
準温度信号出力手段102と、検出手段101で検出さ
れた乗員の体の特定部位の表面温度と基準温度信号出力
手段102より出力された基準温度信号との比較結果に
基づいて、乗員の体の特定部位の着衣状態を判定する判
定手段103と、この判定手段103で判定された乗員
の体の特定部位の着衣状態から乗員の体の特定部位の温
感を求める第1演算手段104と、この第1演算手段1
04で求めた乗員の体の特定部位の温感から目標吹出温
を演算する第2演算手段105と、この第2演算手段1
05で演算した目標吹出温に基づいて、乗員の体の特定
部位へ向けて空調を行うように空調手段100を自動制
御する自動制御手段106とを備えたことを特徴とす
る。
【0006】
【作用】請求項1の発明によれば、判定手段が、検出手
段で検出された人の体の特定部位の表面温度と基準温度
信号出力手段より出力された基準温度信号との比較結果
に基づいて、人の体の特定部位の着衣状態を判定するよ
うにしている。例えば、判定手段が、人の体の特定部位
の表面温度より基準温度信号の方が低い場合は着衣無
し、基準温度信号の方が高い場合は着衣有りと判定する
ことによって、人の体の特定部位の着衣状態が明確に判
定することが可能になる。請求項2の発明によれば、判
定手段が、検出手段で検出された乗員の体の特定部位の
表面温度と基準温度信号出力手段より出力された基準温
度信号との比較結果に基づいて、乗員の体の特定部位の
着衣状態を判定するようにしている。例えば、判定手段
が、乗員の体の特定部位の表面温度より基準温度信号の
方が低い場合は着衣無し、基準温度信号の方が高い場合
は着衣有りと判定する。そして、第1演算手段が、判定
手段で判定された乗員の体の特定部位の着衣状態から乗
員の体の特定部位の温感を求め、続いて第2演算手段
が、第1演算手段で求めた乗員の体の特定部位の温感か
ら目標吹出温を演算する。そして、自動制御手段が、第
2演算手段で演算した目標吹出温に基づいて、乗員の体
の特定部位へ向けて空調を行うように空調手段を自動制
御することによって、乗員の体の特定部位の温感を充分
に反映した空調制御が行われる。
【0007】
【実施例】
〔実施例の構成〕次に、本発明の車両用空気調和装置を
図1ないし図10に示す一実施例に基づいて説明する。
図1は自動車用オートエアコンを示した図である。自動
車用オートエアコン1は、自動車の車室内前方側に装備
したダクト2を有しており、このダクト2内には、その
上流から下流にかけて、内外気切替ダンパ3、ブロワ
4、エバポレータ5、エアミックスダンパ6、ヒータコ
ア7、デフダンパ8、フェイスダンパ9、フットダンパ
10および可変ルーバ11、12が配設されている。
【0008】内外気切替ダンパ3は、サーボモータ13
により駆動され、ダクト2の外気導入口14から室外空
気(外気)を導入する外気導入モードと内気導入口15
から室内空気(内気)を導入する内気循環モードとを切
り替える。ブロワ4は、本発明の空調手段であって、ブ
ロワ駆動回路16により印加電圧が制御されるブロワモ
ータ17の回転速度に応じ、外気導入口14からの外気
または内気導入口15からの内気をダクト2内に空気流
として導入しエバポレータ5、ヒータコア7を介して車
室内に送風する。
【0009】エバポレータ5は、本発明の空調手段であ
って、いわゆる冷凍サイクルの冷媒蒸発器で、その冷凍
サイクルの作動に応じ、ブロワ4により送られてきた空
気を冷却する。なお、冷凍サイクルは、エバポレータ5
の他に、いずれも図示しないコンプレッサ(冷媒圧縮
機)、コンデンサ(冷媒凝縮器)、レシーバ(受液
器)、エキスパンション・バルブ(膨張弁)等を備えた
周知のものである。また、冷凍サイクルの起動は、コン
プレッサの電磁クラッチ(図示せず)への通電(オン)
によりエンジンの回転力がコンプレッサに伝達されるこ
とによって開始される。
【0010】エアミックスダンパ6は、本発明の空調手
段であって、サーボモータ18により駆動されて、その
開度に応じて、ヒータコア7を通過する空気量とヒータ
コア7を迂回する空気量とを調節する。ヒータコア7
は、自動車のエンジン冷却系統からの冷却水の温度に応
じ、通過する空気を加熱してデフダンパ8、フェイスダ
ンパ9およびフットダンパ10に向け流動させる。
【0011】デフダンパ8、フェイスダンパ9およびフ
ットダンパ10は、本発明の空調手段であって、それぞ
れサーボモータ19〜21により駆動され、ダクト2の
デフロスタ吹出口22、フェイス吹出口23、フット吹
出口24を開閉する。なお、フェイスダンパ9およびフ
ットダンパ10は、サーボモータ20、21により選択
的に開閉されることによって、フェイスモード、バイレ
ベルモード、フットモード、フット・デフモード等のよ
うに吹出口モードを切り替える。ここで、フェイスモー
ドとは、フェイス吹出口23から乗員の頭胸部に主に冷
風を送る吹出口モードである。また、バイレベルモード
とは、フェイス吹出口23から乗員の頭胸部に主に冷風
を送り、且つフット吹出口24から乗員の下肢に主に温
風を送る吹出口モードである。さらに、フットモードと
は、フット吹出口24から乗員の下肢に主に温風を送る
吹出口モードである。そして、フット・デフモードと
は、デフロスタ吹出口22およびフット吹出口24から
フロントガラスの内側表面および乗員の下肢にそれぞれ
主に温風を送り、室内暖房とフロントガラスのくもり除
去を行う吹出口モードである。
【0012】可変ルーバ11、12は、本発明の空調手
段であって、それぞれサーボモータ25、26により例
えば上下方向に揺動運動するように駆動され、ダクト2
のフェイス吹出口23、フット吹出口24より吹き出さ
れる空気の風向きをそれぞれ変更する。
【0013】そして、エアコンオートスイッチ、エアコ
ンオフスイッチ、温度設定スイッチ、風量設定スイッ
チ、吹出口切替スイッチ(いずれも図示せず)等を設置
した操作パネルPで選択された選択信号は電子制御装置
(以下ECUと言う)30(図1参照)に読み込まれ
る。このECU30は、操作パネルP、大腿部表面温度
センサ31、下腿部表面温度センサ32、足部表面温度
センサ33、臀部表面温度センサ34および室内空気温
度センサ35よりそれぞれのA/D変換器36を介して
入力する入力信号と予めインプットされた制御プログラ
ムに基づいて、サーボモータ13、ブロワ駆動回路1
6、サーボモータ18〜21、サーボモータ25、26
等の各駆動手段を制御して車室内を空調する。
【0014】また、ECU30は、中央演算処理装置
(以下CPUと言う)37、ROM38、RAM39等
を持ち、それ自体は周知のものである。CPU37は、
本発明の判定手段、第1演算手段、第2演算手段、自動
制御手段であって、入力した入力信号等をROM38に
予め記憶された制御プログラムに基づいて、乗員の体の
下肢3部位の着衣状態(着衣量)の判定、下肢3部位の
温感の推定、吹出口モードの決定、目標吹出温の演算、
エアミックスダンパ6の開度決定およびブロワ電圧の決
定等の処理を行う。ROM38は、目標吹出温TAOの演
算式、エアミックスダンパ6の目標開度SWの演算式、
内外気モード制御マップ、吹出口モード制御マップ、ブ
ロワ電圧制御マップや制御プログラムを記憶保持し、イ
グニッションスイッチ40がオフしてバッテリ41より
電力が供給されなくても記憶が消滅しない読出専用メモ
リである。RAM39は、データを読み込んだり、デー
タを書き込んだりすることできるメモリで、演算結果を
一時的に記憶する。
【0015】大腿部表面温度センサ31は、本発明の第
1温度検出手段であって、乗員の放射エネルギー(赤外
線)を検知する放射温度計が用いられ、乗員の体の大腿
部の表面温度を検出し表面温度検出信号として出力す
る。この実施例の大腿部表面温度センサ31は、例えば
図2および図3(b)に示したように、センターコンソ
ール43の乗員側面において乗員が前席44に着座した
状態で乗員の体の大腿部側面の表面温度、とくに大腿部
側面に中央付近の表面温度が検出できる位置に設置され
ている。なお、自動車の前席44は前後にスライドさせ
ることが可能であるため、大腿部表面温度センサ31に
おける大腿部側面の検出位置が定まらないという問題が
ある。このため、実際には、図3(a)、(b)に示し
たように、前席44を前後にスライドさせても乗員の体
の大腿部の前2/3(図示斜線部分)の範囲の表面温度
が検出可能な位置に設置することが有効である。
【0016】下腿部表面温度センサ32は、本発明の第
1温度検出手段であって、大腿部表面温度センサ31と
同様な構造の放射温度計が用いられている。この下腿部
表面温度センサ32は、例えば図2および図4に示した
ように、センターコンソール43の乗員側面において乗
員が座位状態で足をフットレストに置いた状態から踝の
約15cm程上の下腿部側面の表面温度が検出できる位置
に設置されている。足部表面温度センサ33は、本発明
の第1温度検出手段であって、大腿部表面温度センサ3
1と同様な構造の放射温度計が用いられている。この足
部表面温度センサ33は、例えば図2および図4に示し
たように、センターコンソール43の乗員側面において
乗員が前席44に着座した状態で足をフットレストに置
いたときに踝付近の表面温度が検出できる位置に設置さ
れている。
【0017】臀部表面温度センサ34は、本発明の第2
温度検出手段であって、接触式の温度センサが用いられ
ている。この臀部表面温度センサ34は、人の着衣温よ
り高く、人の体の皮膚温より低い温度、例えば図5に示
したように、前席44の座面において乗員の体の臀部の
表面温度(基準温度)が検出できる位置に設置されてい
る。なお、臀部は、一般に着衣有りと仮定できるので臀
部の表面温度は着衣温と見なすことができる。室内空気
温度センサ35は、車室内の現実の温度を検出し空気温
度検出信号として出力する。A/D変換器36は、大腿
部、下腿部、足部、臀部表面温度センサ31〜34から
の表面温度検出信号、室内空気温度センサ35からの空
気温度検出信号等のアナログ信号をそれぞれデジタル変
換して、乗員の体の各部位の表面温度や空気温度を表す
デジタル信号としてECU30に出力する。
【0018】〔実施例の作用〕次に、この自動車用オー
トエアコン1の作動を図1ないし図11に基づいて簡単
に説明する。図6はCPU37による基本的な制御プロ
グラムを示したフローチャートである。この図6のフロ
ーチャートは、イグニッションスイッチ40のオンまた
はエアコンオートスイッチのスイッチオンと共に開始さ
れ、イグニッションスイッチ40のオフまたはエアコン
オフスイッチのオンと共に終了する。最初に、各種デー
タの変換および制御フラグの初期値を設定する。例えば
イグニッションスイッチ40およびエアコンオートスイ
ッチのオンと共に制御フラグCFをセット(1)する
(ステップS1)。
【0019】次に、臀部表面温度センサ34で検出され
た乗員の体の臀部の表面温度(基準温度)TstをRAM
39に読み込む(ステップS2)。そして、大腿部表面
温度センサ31で検出された乗員の体の大腿部側面の表
面温度T1 、下腿部表面温度センサ32で検出された乗
員の体の下腿部側面の表面温度T2 、足部表面温度セン
サ33で検出された乗員の体の踝付近の表面温度T3 を
RAM39にそれぞれ読み込む(ステップS3)。そし
て、制御フラグがセットされているか否かを判断する。
すなわち、CF=1か否かを判断する(ステップS
4)。
【0020】このステップS4の判断結果がYesの場
合には、すなわち、初回ループのときには乗員の体の下
肢3部位での着衣有無の判定を行う(ステップS5)。
そして、乗員の体の下肢3部位での着衣有無の判定が終
了する(ステップS6)までステップS5の処理を繰り
返す。なお、基準温度Tstの対象部位として用いた臀部
は、比較的着衣と皮膚とが密着している部位で、表面温
度(着衣温)は下肢部で最も高い着衣温(皮膚温に近
い)と見なせる。すなわち、着衣無しの温度よりは低く
着衣有りの温度よりは高い。これを基準温度Tstとして
用い、下肢3部位の表面温度T1 、T2 、T3 とそれぞ
れ比較することで、下肢3部位の表面温度T1 、T2 、
T3 が基準温度Tstより高い場合は、その部位の表面温
度を皮膚温と見なして着衣無し(肌露出)と判定し、逆
に下肢3部位の表面温度T1 、T2 、T3 が基準温度T
st以下の場合は、着衣温と見なして着衣有りと判定す
る。
【0021】次に、乗員の体の下肢3部位での着衣の有
無の組み合わせにより乗員の体の下肢3部位の着衣状態
(着衣量)の判定を行う(ステップS7)。この判定方
法は、例えば図7および表1に示したように、大腿部
(A点)着衣無し、下腿部(B点)着衣無し、足(C
点)着衣無しであれば、乗員(男性)の体の下肢の着衣
状態は、半ズボン、サンダルの組み合わせであると判定
する。また、例えば図8および表1に示したように、大
腿部(A点)着衣有り、下腿部(B点)着衣無し、足
(C点)着衣有りであれば、乗員(女性)の体の下肢の
着衣状態は、スカート、靴の組み合わせであると判定す
る。そして、このような着衣状態の判定により、乗員の
体の下肢の着衣量(着衣熱抵抗)の推定が可能となり、
推定された着衣量(着衣熱抵抗:クロ値)は、着衣の有
る部位の皮膚温の算出に利用する(表2参照)。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】 次に、制御フラグ(CF)をクリア(0)し(ステップ
S8)、2回目以降に乗員の体の3部位の着衣状態(着
衣量)の判定を行わないようにして本ループに戻る。す
なわち、ステップS9の処理に移行する。
【0024】また、ステップS4の判断結果がNoの場
合、あるいはステップS8の処理を終えた場合には、乗
員の体の着衣有りの部位の皮膚温を算出する(ステップ
S9)。この皮膚温の算出には、ステップS5にて着衣
有りと判定された部位でのステップS3で検出された表
面温度(着衣温)と、ステップS7にて得た着衣量(着
衣熱抵抗:クロ値)とを用い、下記の数1式ないし数4
式を解くことで皮膚温を算出する。なお、着衣無しの判
定部位はその特定部位の表面温度センサで検出された表
面温度をそのまま皮膚温Tsn(Ts1、Ts2、Ts3)とし
て採用する。
【0025】
【数1】Qcv=Qclo =Qcd+Qm+Qb−Qe
【数2】
【数3】
【数4】 ここで、図9にも一部示したように、Qcvは対流を示
し、Qclo は着衣熱伝導量を示し、Qcdは人体の皮膚内
熱伝導量を示し、Qmは代謝による体内生産熱量を示
し、Qbは血流を示し、Qeは発汗を示す。また、Icl
o は前記した表1より読み込んだ着衣量(着衣熱抵抗:
クロ値)を示し、Tclo は着衣温を示し、Tsn(Ts1、
Ts2、Ts3)は皮膚温を示し、Aは着衣有りの部位の表
面積を示し、λは皮膚熱伝導率を示し、xは皮膚層厚さ
を示す。なお、図9に示したTair は人体近傍の目標空
気温度を示す。
【0026】次に、ステップS9で算出した乗員の体の
下肢3部位の皮膚温Ts1、Ts2、Ts3を基に、乗員の体
の下肢3部位の温感の算出を行う(ステップS10)。
なお、図10に乗員の温感と乗員の皮膚温との相関を示
したが、乗員の体の特定部位の温感Saが皮膚温Taに
て、下記の数5式のように簡易的に推測可能であること
を本発明者は実験で確認した。この結果を用いて乗員の
体の下肢3部位の温感S1 、S2 、S3 を算出する。す
なわち、数5式を利用して乗員の体の下肢3部位の皮膚
温Ts1、Ts2、Ts3を基に、乗員の体の下肢3部位の温
感S1 、S2 、S3 の算出を行う。
【0027】
【数5】Sn =a×Tsn+b ここで、Sn は乗員の温感を示し、Tsnは乗員の皮膚温
を示し、a、bは補正係数を示す。次に、乗員の体の下
肢3部位の温感S1 、S2 、S3 で最も度合の強い(例
えば最も寒く感じる)部位を基に吹出口モードを決定す
る。すなわち、乗員の体の下肢3部位のうちの送風部位
を決定する(ステップS11)。
【0028】次に、ステップS11で決定した送風部位
での温感とその送風部位の着衣状態を基にブロワ風量の
算出を行う(ステップS12)。例えば送風部位が着衣
無し(肌露出)であれば、ブロワ風量がマイルドになる
ように算出する。また、送風部位が着衣有りであれば、
ブロワ風量がパワフルになるように算出する。次に、ス
テップS11で決定した送風部位の温感を基に目標吹出
温TAOの算出を行う(ステップS13)。すなわち、数
6式および数7式を利用して目標吹出温TAOの算出を行
う。
【0029】
【数6】 ρc(Ts0−Tsn)/Δt=Q−α(Tsn−Tair ) ここで、ρcは生体熱容量を示し、Tsnは皮膚温を示
し、Ts0は目標皮膚温を示し、Δtは到達時間を示し、
Tair は人体近傍の目標空気温度を示し、Qは生体産熱
項(=Qm+Qb+Qe)を示す。αは熱伝達係数を示
し、送風速vの関数{α=f(v)}で表される。この
数6式より到達時間Δt(例えば30秒間)で目標皮膚
温に到達させるために必要な人体近傍の目標空気温度T
air が算出され、この値を数7式に代入して目標吹出温
TAOを算出する。
【0030】
【数7】TAO=K1 ×Tair +C ここで、TAOは目標吹出温を示し、K1 は補正係数を示
し、Tair は人体近傍の目標空気温度を示す。Cは他の
環境因子により決定される変数である。次に、エアコン
オフスイッチがオンされているか否かを判断する(ステ
ップS14)。このステップS14の判断結果がYes
の場合には、空調制御の自動運転を終了する。
【0031】また、ステップS14の判断結果がNoの
場合には、ステップS11で決定した送風部位に応じた
ダクト2のフェイス吹出口23またはフット吹出口24
の可変ルーバ11、12を駆動するサーボモータ25、
26へ制御信号を出力する。また、ステップS11で算
出した目標吹出温TAOを基にエアミックスダンパ6の目
標開度を決定し、その目標開度になるようにエアミック
スダンパ6を駆動するサーボモータ18へ制御信号を出
力する。そして、ステップS13で算出したブロワ風量
を基にブロワ4を駆動するブロワモータ17の印加電圧
を決定し、その印加電圧をブロワモータ17に供給する
(ステップS15)。これにより、可変ルーバ11、1
2のいずれかが、上下方向に揺動運動するように駆動さ
れ、ダクト2のフェイス吹出口23またはフット吹出口
24より送風部位に向かって空気が吹き出される。
【0032】〔実施例の効果〕以上のように、乗員の体
の下肢3部位の表面温度(着衣温または皮膚温)から下
肢3部位の着衣状態および下肢3部位の温感を推定する
ことができるので、有効な部位への送風を行うことがで
きる。そして、その送風部位の温感を基に目標吹出温や
風量を決定できるので、乗員の空調快適性を向上するこ
とができる。したがって、乗員の体の下肢3部位毎の温
感を充分に反映した空調制御を実現することができる。
【0033】〔変形例〕本実施例では、大腿部表面温度
センサ31、下腿部表面温度センサ32、足部表面温度
センサ33をセンターコンソール43の乗員側面に設置
したが、大腿部表面温度センサ31、下腿部表面温度セ
ンサ32、足部表面温度センサ33を前側ドアの内面、
前席の座面、床面、操作パネルの下部等に設置しても良
い。本実施例では、乗員の体の下肢3部位の表面温度を
検出してそれらの表面温度と基準温度との比較結果を基
に空調制御を行ったが、乗員の体の頭胸部の表面温度を
検出してその表面温度と基準温度との比較結果を基に空
調制御を行っても良い。他にサーモグラフィを用い、1
つのセンサで同時に人の体の複数部位の温度検出するこ
とができる。本実施例では、基準温度信号出力手段とし
て臀部表面温度センサ34を用いたが、人の着衣温より
高く人の体の皮膚温より低い温度に相当する基準温度を
記憶しておき、必要時に読み出すことが可能なROMを
基準温度信号出力手段として用いても良い。
【0034】
【発明の効果】請求項1の発明は、人の体の特定部位の
表面温度と基準温度との比較結果に基づいて、人の体の
特定部位の着衣状態を判定するようにしているので、人
の体の特定部位の着衣状態を明確に判定することができ
る。請求項2の発明は、乗員の体の特定部位の表面温度
から特定部位の着衣状態および特定部位の温感を推定す
ることができるので、乗員の体の特定部位の温感を充分
に反映した空調制御を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかる自動車用オートエア
コンを示した構成図である。
【図2】大腿部、下腿部、足部表面温度センサの設置位
置を示した概略図である。
【図3】(a)、(b)は大腿部表面温度センサの検出
位置を示した概略図である。
【図4】下腿部、足部表面温度センサの検出位置を示し
た概略図である。
【図5】臀部表面温度センサの設置位置を示した概略図
である。
【図6】本発明の一実施例にかかる基本的な制御プログ
ラムを示したフローチャートである。
【図7】男性の場合の体の下肢3部位の着衣有無を示し
た説明図である。
【図8】女性の場合の体の下肢3部位の着衣有無を示し
た説明図である。
【図9】人体と熱環境の関係を示した説明図である。
【図10】乗員の温感と皮膚温との関係を示したグラフ
である。
【図11】請求項1の発明の概略構成を示したブロック
図である。
【図12】請求項2の発明の概略構成を示したブロック
図である。
【符号の説明】
1 自動車用オートエアコン(車両用空気調和装置) 4 ブロワ(空調手段) 6 エアミックスダンパ(空調手段) 8 デフダンパ(空調手段) 9 フェイスダンパ(空調手段) 10 フットダンパ(空調手段) 11 可変ルーバ(空調手段) 12 可変ルーバ(空調手段) 31 大腿部表面温度センサ(検出手段) 32 下腿部表面温度センサ(検出手段) 33 足部表面温度センサ(検出手段) 34 臀部表面温度センサ(基準温度信号出力手段) 37 CPU(判定手段、第1演算手段、第2演算手
段、自動制御手段)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)人の体の特定部位の表面温度を検
    出する検出手段と、 (b)人の着衣温より高く、人の体の皮膚温より低い温
    度に相当する基準温度信号を出力する基準温度信号出力
    手段と、 (c)前記検出手段で検出された前記特定部位の表面温
    度と前記基準温度信号出力手段より出力された基準温度
    信号との比較結果に基づいて、前記特定部位の着衣状態
    を判定する判定手段とを備えた着衣状態判定装置。
  2. 【請求項2】 (a)車室内を空調する空調手段と、 (b)乗員の体の特定部位の表面温度を検出する検出手
    段と、 (c)人の着衣温より高く、人の体の皮膚温より低い温
    度に相当する基準温度信号を出力する基準温度信号出力
    手段と、 (d)前記検出手段で検出された前記特定部位の表面温
    度と前記基準温度信号出力手段より出力された基準温度
    信号との比較結果に基づいて、前記特定部位の着衣状態
    を判定する判定手段と、 (e)この判定手段で判定された前記特定部位の着衣状
    態から前記特定部位の温感を求める第1演算手段と、 (f)この第1演算手段で求めた前記特定部位の温感か
    ら目標吹出温を演算する第2演算手段と、 (g)この第2演算手段で演算した目標吹出温に基づい
    て、前記特定部位へ向けて空調を行うように前記空調手
    段を自動制御する自動制御手段とを備えた車両用空気調
    和装置。
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