JP2003185217A - 空気調和機 - Google Patents

空気調和機

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JP2003185217A
JP2003185217A JP2001385485A JP2001385485A JP2003185217A JP 2003185217 A JP2003185217 A JP 2003185217A JP 2001385485 A JP2001385485 A JP 2001385485A JP 2001385485 A JP2001385485 A JP 2001385485A JP 2003185217 A JP2003185217 A JP 2003185217A
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temperature
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Hiroshi Komano
宏 駒野
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良質な睡眠が得られる温熱環境をより確実に
形成し得る空気調和機を提供する。 【解決手段】 室温Ta、湿度Rh、気流速W、壁面の
輻射温度Tr、人体の活動量Mおよび着衣量Cから求ま
る温熱指標SET*が、24.0℃以上、27.0℃以
下の範囲内で保持されるように、睡眠時の目標室温tT
aを求めて制御する(ステップS4〜S7)。これによ
り、例えば、夏場での就寝直前の設定室温が涼感を求め
るためにユーザーによって低めに設定されているとして
も、このような就寝時の前環境によらずに、良質の睡眠
が得られる温熱環境を形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、良質な睡眠が得
られるように空調制御する機能を備えた空気調和機に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】睡眠時における空調制御例として、例え
ば特開平3−274345号公報に記載の方法を挙げる
ことができる。これは、冷房運転時に、入眠に伴う代謝
量の低下を考慮して寝冷えを防止するため、入眠後一定
時間経過後に複数回に分けて、室内温度を就寝時の設定
室温から段階的に上昇させるというものである。しかし
ながら、この場合には一部の生理的な変化に着目してい
るのみで、特に発汗を伴う睡眠中の人体の総熱収支量
(産熱量と放熱量の差)は考慮されていない。したがっ
て、就寝時の設定室温が何度であるのか、また、就寝時
の湿度は何%であるのか等の就寝前環境によらずに、上
記のように一律に室温を上昇させるだけの制御では、良
好な睡眠質や睡眠感が必ず得られるとはいい難い。
【0003】ところで、人体の総熱収支量の観点から室
内の温熱環境を評価する指標として、標準新有効温度
(Standard New Effetive Te
mperature:以下、SET*という)がある。
これは、「任意の非等温環境(気温、相対湿度、風速、
平均輻射温度(=周囲壁面温度平均)、着衣量、代謝
量)にいる人が、対流、放射、蒸発によって皮膚面から
放散する熱と等量の熱を、生理状態として平均皮膚温と
皮膚濡れ面積を等しく保ったままで、椅子座安静(代謝
量1met)、標準着衣量(0.6clo)、無風
(0.10〜0.15m/s)、相対湿度50%、平均
放射温度=気温という標準状態のもとで放散できるよう
な仮想等温環境の気温」を表すもの(中山昭雄、温熱生
理学、理工学社、1981、p65)であり、発汗によ
る体温調節機能を含む人体熱平衡モデルに基づく温熱指
標である新有効温度(New Effective T
emperature:以下、ET*という)におい
て、上記標準状態を仮想の等温環境としたものである。
ET*は、米国空気調和学会(ASHRAE)で、19
71年に室内の快適温度環境設定のための基準として採
用されている。
【0004】その他の温熱指標として、ISO−773
0として国際規格化されている予想平均温冷感申告(P
redicted Mean Vote:以下、PMV
という)が知られているが、このPMVは発汗による体
温調節が考慮されておらず、また、上記したET*で
は、着衣量・代謝量が異なる条件では比較ができない。
現在は、上記したように室温・湿度・気流速・輻射温度
の4つの環境側の条件と、着衣量・活動量の2つの人体
側条件との6因子から、人体の深層部と皮膚層との2層
のモデルにより表現した熱平衡方程式に基づいて求めら
れるSET*が、室内の温熱環境の設定に当たり、最も
優位性のある指標とされている。
【0005】図15に、各種温熱環境について上記熱平
衡方程式から算出されたSET*の一例を示している。
図の場合には、活動量1〜1.2met、相対湿度40
〜60%、気流速0.1〜0.15m/sの環境下にお
いて、着衣量をパラメータとして室温とSET*との関
係を求めたものである。例えば室温25℃の場合のSE
T*は、着衣量が0clo(裸体のとき)で約23℃、
着衣量が0.5clo(半袖、ショートパンツの状態)
で約24.5℃、着衣量が1clo(ワイシャツに背広
を着た状態)で約27℃になる。
【0006】ASHRAEでは、湿度等の条件が同図と
は異なる場合でも、算出されるSET*が図中破線で示
す22.2℃〜25.6℃(72°F〜78°F)の範
囲を、80%以上の人が満足を示す室内環境基準温度範
囲(以下、快適温度範囲という)としている。
【0007】人体は皮膚血流調節によって体熱平衡とな
っている状態、いわゆる熱的中立の状態が、体に最も負
担が少ないことが人体の体温調節の生理から知られてい
る。この熱的中立域を表す指標が上記した快適温度範囲
であり、睡眠時の空調制御においても、人体の総熱収支
量を考慮して求められるSET*が、この温度範囲にな
るように制御することが考えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
温度範囲は活動時の生理データをもとに構築されている
もので、これを睡眠時の空調制御にそのまま適用したと
しても、必ずしも良好な睡眠環境を形成することができ
ないという問題がある。睡眠時に暑かったり寒かったり
して熱的中立の域から外れると、REM睡眠の増加や覚
醒の頻発を引き起こし、睡眠質を悪化させる(睡眠ハン
ドブック:朝倉書店、P150)と言われているが、こ
の睡眠時の熱的中立域がどこにあるのか、これが上記し
た活動時の快適温度範囲に合致するものであるのか、さ
らに、睡眠時における人体の熱収支としてどのような環
境がよいのか等について不明なためである。
【0009】図16に、本願発明者等が行った被験者実
験の結果の1例を示している。就寝時と起床時とにおい
て、被験者が主観的に快適に感じた温熱環境は、就寝時
は22.0≦SET*≦25.0、起床時は24.0≦
SET*≦27.0であった。すなわち、入眠前は涼し
めの環境を快適と感じ、起床時は暖かめの環境を快適と
感じる傾向があって、前記した室内環境基準温度範囲2
2.2℃〜25.6℃とはズレが生じている。したがっ
て、この温度範囲は活動時の快適温度範囲を表すもので
あって、これを睡眠時にそのまま適用しても必ずしも良
好な睡眠環境を形成することはできない。
【0010】一方、就寝時の寝つきに関しては、室温が
高いほど足の血行がよくなり、足部皮膚温度の上昇が早
くなって、体内の熱の放出がすばやく行われるため、入
眠速度が速くなることが明らかとなった。したがって、
寝つきを促進させるという観点では、就寝直後に室温を
上昇させる制御を行うことが考えられる。しかしなが
ら、単にこのように室温を上昇させるだけの制御では、
発汗量が増えて逆に寝苦しくなるような室内環境になっ
てしまうという問題もある。
【0011】この発明は上記従来の欠点を解決するため
になされたものであって、その目的は、良質な睡眠が得
られる温熱環境を形成し得る空気調和機を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで、請求項1の空気
調和機は、室温を検出する室温センサ6と、室内空気の
湿度を検出する湿度センサ7と、室内での気流速を求め
る気流速検出手段5とを備え、室温センサ6で検出され
る検出室温が設定室温で保持されるように、加熱または
冷却した空調空気を室内に送風する空気調和機であっ
て、室温、湿度、気流速、壁面の輻射温度、人体の活動
量および着衣量から求まる温熱指標SET*が、活動時
の快適温度範囲とは異なる睡眠時快適温度範囲内で保持
されるように睡眠時の設定室温を求めて設定する睡眠時
制御手段5を設けていることを特徴としている。
【0013】すなわち、本願発明者等は、睡眠環境につ
いて被験者実験を通じて鋭意検討し、その結果、上記の
ように算出される温熱指標SET*に関して睡眠時の快
適温度範囲を新たに知見したものであり、この温度範囲
内でSET*が保持されるように睡眠時の室温を自動的
に設定する制御構成とすることによって、例えば、夏場
での就寝直前の設定室温が涼感を求めるためにユーザー
によって低めに設定されているとしても、その後に身体
的負荷の少ない温熱環境で保持され、これによって、就
寝時の前環境によらずに、良質の睡眠が得られる環境を
形成することができる。
【0014】この場合の睡眠時快適温度範囲としては、
例えば請求項2のように24.0℃以上、27.0℃以
下の範囲とすることによって、良質の睡眠をより確実に
得ることができる。また、請求項3のように、睡眠時快
適温度範囲を24.0℃以上、25.0℃以下の範囲に
さらに限定すれば、より良質の睡眠がさらに確実に得ら
れる睡眠環境を形成することができる。
【0015】請求項4の空気調和機は、請求項1、2ま
たは3の空気調和機において、睡眠時に、空調空気を室
内に送風する室内ファンの回転数を気流速が所定範囲内
になる回転数に設定し、このときの気流速に基づいて上
記睡眠時の設定室温を求める制御を睡眠時制御手段5が
行うことを特徴としている。
【0016】このような構成によれば、快適睡眠環境を
より確実に形成することが可能となる。つまり、室内へ
の空調空気の送風速度が速い場合、室内での気流速の分
布が均一なものにならずにバラツキを生じ易く、ユーザ
ーが寝ている位置によって、SET*の算出値がユーザ
ー周囲の温熱環境から外れたものになるおそれがある。
そこで、気流速Wを例えば0.2m/S以下の低速にす
るような制御をまず行うことで上記のようなバラツキが
解消され、この状態でSET*の算出を行うことによ
り、ユーザーに良質な睡眠を与え得る睡眠環境をより確
実に形成することが可能になる。
【0017】請求項5の空気調和機は、請求項1〜4の
いずれかの空気調和機において、空調空気の加湿または
除湿を行って室内空気の湿度を設定湿度に保持する湿度
制御手段を備え、睡眠時に、設定湿度を所定範囲内に設
定し、このときの設定湿度に基づいて上記睡眠時の設定
室温を求める制御を睡眠時制御手段5が行うことを特徴
としている。
【0018】このように、設定湿度を例えば40%〜6
0%の所定範囲にする制御を加えることで、さらに快適
な睡眠環境を形成することができる。つまり、睡眠時に
は特に入眠時に発汗活動が増すことが知られており、こ
のため、例えば夏季の就寝時には冷房運転によって温度
を下げすぎるよりも、湿度を下げて体感温度を低くした
方が人体への影響が少ない。そこで、上記のように湿度
を調整することによって発汗に伴う寝苦しさが防止さ
れ、その上でSET*を快適温度範囲内に保持する制御
を行うことで、より良質の睡眠を与えうる睡眠環境を形
成することができる。
【0019】なお、上記請求項1〜5の空気調和機にお
いて、温熱指標SET*を求める際の着衣量について
は、例えば請求項6のように、ユーザーによって着衣量
に対応する値が入力される着衣量入力手段8を設け、こ
の入力値に基づいてSET*を算出するように構成する
ことができる。この場合には、着衣量に関してより確実
な情報が得られるので、精度の高いSET*の算出を行
うことができ、良質の睡眠を与え得る睡眠環境をより確
実に形成することができる。
【0020】一方、請求項7のように、外気温変化に基
づいて着衣量を推定する着衣量推定手段を設け、この着
衣量推定手段での推定値に基づいてSET*を算出する
構成、例えば季節の変化に応じた標準的な着衣量を予め
記憶させておき、検出される外気温から季節を推定して
対応する着衣量を読み出してSET*を算出する構成等
とすることが可能である。この場合には、着衣量の入力
操作をユーザーが行う必要がなくなるので、利便性が向
上する。
【0021】請求項8の空気調和機は、請求項6または
請求項7の空気調和機において、睡眠時以外の運転中に
おける活動時のSET*を求め、この活動時のSET*
が前記睡眠時快適温度範囲内のときには、SET*が上
記活動時のSET*とほぼ同一の値となる室温を求め
て、この温度を睡眠時の設定室温として設定する制御を
睡眠時制御手段5が行うことを特徴としている。
【0022】このような制御によれば、SET*での活
動時の快適温度範囲22.2℃〜25.6℃に対し、睡
眠時の快適温度範囲を例えば前述した24.0℃〜2
7.0℃として制御する場合に、活動時に上記活動時の
快適温度範囲内における24℃よりも高温側で快適と感
じる暑め好みのユーザーに対しては、睡眠時のSET*
が睡眠時快適温度範囲の下限値24℃よりも高い温度で
保持されるように制御される。これによって、ユーザー
の好みにより適合した睡眠環境とすることができる。
【0023】請求項9の空気調和機は、請求項1〜5の
いずれかの空気調和機において、睡眠時以外の運転中、
SET*が活動時の快適温度範囲内にあるとして求めら
れる着衣量を算出し、この算出された着衣量に基づいて
上記睡眠時の設定室温を求める制御を睡眠時制御手段5
が行うことを特徴としている。
【0024】この場合、睡眠時以外の運転中に、SET
*が活動時の快適温度範囲内にあるとして求められる着
衣量には、実際の着衣量からのズレが含まれるものとな
るが、このズレ量は、ユーザーが暑がりまたは寒がり
で、涼しめまたは暖かめが好みであるとのユーザーの涼
暖嗜好が反映されたものになる。そして、この着衣量に
基づいて睡眠時の快適温度範囲になるように制御するこ
とによって、この睡眠時の温熱環境はユーザーの涼暖嗜
好にも対応したものとなる。したがって、良質の睡眠を
さらに確実に与えることが可能になり、またこの場合に
は、ユーザーが着衣量を入力する操作を行う必要がない
ので利便性が向上する。
【0025】請求項10の空気調和機は、請求項9の空
気調和機において、睡眠時以外の運転中におけるSET
*が活動時の快適温度範囲のほぼ中央の値であるとして
着衣量を算出し、この算出された着衣量に基づいてSE
T*が前記睡眠時快適温度範囲のほぼ中央の値となる室
温を求めて、この温度を睡眠時の設定室温として設定す
る制御を睡眠時制御手段5が行うことを特徴としてい
る。
【0026】このような制御によれば、SET*が睡眠
時快適温度範囲のほぼ中央の値となる室温を求めて形成
された温熱環境において、その実際のSET*は、上記
の中央の値に対し、前記したように着衣量に含まれるズ
レ量の大小に応じた量だけずれたものとなる。換言すれ
ば、活動時の快適温度範囲が、ユーザーの涼暖嗜好を反
映したズレを含む着衣量を介して、睡眠時の快適温度範
囲に一意に対応付けされるものとなる。これによって、
睡眠時における実際のSET*が、睡眠時の快適温度範
囲内において、さらにユーザーの涼暖嗜好に合った温度
になるように制御される。したがって、ユーザーの涼暖
嗜好にさらに合致した睡眠時の温熱環境を形成すること
ができる。
【0027】請求項11の空気調和機は、室温を検出す
る室温センサ6と、室内空気の湿度を検出する湿度セン
サ7とを備え、加熱または冷却と共に加湿または除湿を
行った空調空気を室内に送風して、室温を設定室温で、
また湿度を設定湿度でそれぞれ保持すべく運転される空
気調和機であって、就寝時に湿度を許容設定範囲の下限
値まで低下させ、かつ、室温を上昇させる制御を行う睡
眠時制御手段5を設けていることを特徴としている。
【0028】このような構成によれば、就寝時に湿度を
許容設定範囲の下限値まで低下させることによって、前
記したと同様に、就寝直後の発汗に伴う寝苦しさが防止
されてより良質の睡眠が得られる睡眠環境とすることが
でき、しかも、室温を高くすることによって足の血行が
良くなり、足部皮膚温の上昇が早くなって体内の熱の放
出がすばやく行われるために、寝つきや入眠速度が早く
なる。これによって、さらに良質の睡眠が得られる環境
にすることができる。
【0029】請求項12の空気調和機は、請求項11の
空気調和機において、室内での気流速を求める気流速検
出手段5を備え、室温、湿度、気流速、壁面の輻射温
度、人体の活動量および着衣量から求まる温熱指標SE
T*が、湿度を上記下限値まで低下させた状態で睡眠時
快適温度範囲内となる室温を求め、この温度を設定室温
として設定することによって室温を上昇させる制御を上
記睡眠時制御手段5が行うことを特徴としている。
【0030】この構成によれば、温熱指標SET*が睡
眠時快適温度範囲内の状態を保持して、就寝時の湿度の
低下と室温の上昇とが行われるので、人体への負荷が極
力小さく抑えられた温熱環境が形成されることになり、
さらに良質の睡眠が得られる環境を形成することができ
る。
【0031】請求項13の空気調和機は、請求項12の
空気調和機において、就寝時からの時間経過に伴い、湿
度を就寝時前の設定湿度まで段階的または連続的に上昇
させ、かつ、SET*が湿度を前記下限値まで低下させ
た状態のときの値でほぼ維持される室温を湿度の変化時
毎に求めて、この温度を設定室温として設定する制御を
上記睡眠時制御手段5が行うことを特徴としている。
【0032】この構成によれば、就寝時からの時間経過
に伴い湿度が上昇されるので、発汗量が低下した後に例
えば喉の渇きを感じて寝苦しく感じること等が生じるこ
とはなく、しかも、この湿度の上昇は、就寝時前の設定
湿度を上限とすることで、ユーザーの湿度に関する嗜好
も反映される。
【0033】なお、請求項12、13の空気調和機にお
ける睡眠時快適温度範囲としては、これも、請求項14
のように24.0℃以上、27.0℃以下の範囲とする
ことによって、良質の睡眠をより確実に得ることがで
き、また、請求項15のように24.0℃以上、25.
0℃以下の範囲にさらに限定すれば、より良質の睡眠が
さらに確実に得られる睡眠環境とすることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】〔実施形態1〕次に、この発明の
具体的な実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明
する。図4に示すように、本実施形態の空気調和機は、
例えば室内の壁面に取付けられる室内機1と、屋外に設
置される室外機2とが連絡配管3を介して相互に接続さ
れた従来公知の構成を備え、室内機1内には、図示して
はいないが室内熱交換器と室内ファンとが内装されてい
る。室外機2には、室外熱交換器および室外ファンと共
に圧縮機などの冷媒回路機器が内装されている。また、
室内機1には、後述する室温センサ6が付設されてお
り、この室温センサ6で検出される検出室温が設定室温
で保持されるように、室内熱交換器を通して加熱または
冷却した空調空気が、室内ファンの作動に伴って室内に
送風されるようになっている。
【0035】また上記の室内機1には、さらに後述する
湿度センサ7が付設されると共に、例えば再熱ドライ運
転を行って上記の空調空気を除湿する機能、また、室外
機2内で外気から吸着した水分を室内機1へと送って空
調空気を加湿する機能を備えている。これらの除湿・加
湿機能を併用することによって、湿度センサで検出され
る室内空気の湿度が設定湿度で保持されるような運転制
御が行われるようになっている。
【0036】このように室内空気の湿度を設定湿度に保
持する湿度制御手段としての機能を兼用する運転制御装
置(図示せず)に、さらに図5に示すようなSET*算
出装置(睡眠時制御手段)5が設けられている。この装
置5には、上記した湿度センサ6での検出室温Taや、
湿度センサ7での検出湿度Rhが入力されるようになっ
ている。また、図示しないリモコンに、着衣量に対応す
る値がユーザーによって設定される着衣量設定部8が設
けられており、この設定部8で設定された着衣量Cが、
SET*算出装置5に入力されるように構成されてい
る。
【0037】なお、このSET*算出装置5には、前記
した室内ファンの回転数から、室内の気流速Wを換算す
る換算テーブルが記憶されている。後述するように睡眠
時制御が開始されると、前記運転制御装置によって作動
されている室内ファンの回転数が、適宜、この運転制御
装置からSET*算出装置5に読込まれ、このときの気
流速Wが上記換算テーブルから求められる。したがっ
て、このSET*算出装置は、室内での気流速を求める
気流速検出手段としての機能を兼用した構成になってい
る。
【0038】そして、このSET*算出装置5は、前述
した人体熱平衡モデルにより表現した熱平衡方程式SE
T*=f(Ta、Rh、W、Tr、C、M)に基づい
て、SET*の値、さらに、例えば室温Taが未知であ
るとし、SET*に所定の値を設定したときに、このS
ET*を満たす室温Taを逆算して求める機能を有して
いる。なお上記式中、Trは室内壁面の平均輻射温度で
あって、これは、冷房時には室温Taと同じ温度、暖房
時にはTa−2℃とするように設定されている。また、
このSET*算出装置5には、睡眠時における人体の活
動量Mとして所定の値、例えば1.1metが予め記憶
されている。以下、このSET*算出装置5によって行
われる睡眠時の制御手順について、図1を参照して説明
する。
【0039】例えば前記リモコンに設けられているおや
すみ運転の開始スイッチがユーザーによって操作される
と、図1に示す制御が開始され、まず着衣量Cが読込ま
れる(ステップS1)。同時に、室温センサでの検出室
温Ta、湿度センサでの検出湿度Rhが読込まれ、ま
た、気流速Wが求められる(ステップS2)。そしてス
テップS3において、活動量Mを前記のように睡眠時の
1.1metとし、また壁面の輻射温度Trを、前記し
たように冷房時は室温Taと同温度、暖房時はTa−2
℃として、上記の各値C・Ta・Rh・WからSET*
が算出される。
【0040】次いで、この算出されたSET*が、所定
の睡眠時快適温度範囲、例えば24℃〜27℃の温度範
囲内であるか否かが判別される。すなわち、SET*が
ステップS4において上記温度範囲の下限値24℃と比
較され、ステップS5において上限値27℃と比較され
る。S4において24℃よりも低いことが判別されたと
きには、ステップS6で、前述した熱平衡方程式から、
着衣量C・湿度Rh・気流速W・活動量Mについては上
記した各値を用いてSET*=24.0℃を満たす室温
が算出される。そして、この算出された室温が、新たな
目標室温tTaとして設定される。
【0041】一方、ステップS5においてSET*が2
7℃を超えていることが判別されたときには、上記と同
様に、SET*=27.0℃になる目標室温tTaが求
められて設定され、その後、前記ステップS2に戻る処
理が行われる。なお、ステップS3で算出されたSET
*が当初から24℃〜27℃の範囲内である場合には、
設定室温は変更されずに、その時点での設定室温が保持
されてステップS2に戻ることになる。
【0042】以降、ステップS2〜S7の繰返し処理に
よって、その後の湿度Rh・気流速Wの変化が監視さ
れ、これらに変化があれば目標室温tTaが適宜修正さ
れるが、この場合でも、SET*が24℃〜27℃の温
度範囲内で保持されることになる。
【0043】図2・図3には、本願発明者等が行った被
験者実験の結果の一例を示している。図2は睡眠の深さ
について調査したときの深睡眠時間(S3+S4)に関
するデータであり、図3は中途覚醒出現時間の調査デー
タである。SET*が22℃のときの睡眠環境に比べ、
24℃のときには深睡眠が得られる時間が長くなり、ま
た、中途覚醒の出現時間も短くなって、良質の睡眠が得
られることが示されている。さらにこの状態は、SET
*が27℃まで上昇しても、ほぼ同様に良質の睡眠が得
られることが示されている。すなわち、睡眠時における
温熱環境をSET*で表す場合、このSET*が少なく
とも24.0℃〜27.0℃の範囲にある環境が維持さ
れれば良質な睡眠が得られ、したがって、SET*につ
いてこの温度範囲を睡眠時の快適温度範囲とすることが
できる。前記図1に示した制御によれば、睡眠時の全体
を通じて、室内環境がこの快適温度範囲に保持される。
【0044】このように本実施形態においては、例え
ば、夏場での就寝直前の設定室温が涼感を求めるために
ユーザーによって低めに設定されているとしても、その
後に、SET*、すなわち人体の総熱収支量の観点から
室内の温熱環境を評価する指標に基づいて、睡眠時に応
じた身体的負荷の少ない温熱環境に変更されて保持され
るので、就寝時の前環境によらずに、良質の睡眠が得ら
れる温熱環境とすることができる。
【0045】なお、睡眠時の快適温度範囲について、上
記では24.0℃〜27.0℃の範囲に設定したが、図
2・図3を子細に見ると、SET*が27.0℃のとき
は24.0℃のときよりも深睡眠時間が若干短くなり、
また、中途覚醒の出現時間もわずかに長くなっている。
したがって、睡眠時の快適温度範囲を例えば24.0℃
〜25.0℃の範囲にさらに限定した制御を行えば、よ
り良質の睡眠環境を確実に形成することが可能となる。
一方、この実施形態においては、着衣量に関する値がユ
ーザーによって入力されるので、精度の高いSET*の
算出を行うことができ、この結果、良質の睡眠を与え得
る睡眠環境をより確実に形成することができる。
【0046】〔実施形態2〕次に、この発明の他の実施
形態について図6を参照して説明する。この実施形態で
の空気調和機は、睡眠時に、さらに室内の気流速Wを制
限する処理(ステップS11・S12)を付加した点が
前記実施形態1と異なるのみであって、その他の部分は
実施形態1と同一であるので、同一箇所に同じ符号を付
記して詳細な説明は省略する。後述するさらに他の実施
形態においても同様とする。
【0047】この実施形態での睡眠時制御では、ステッ
プS1・S2において、前記同様に着衣量C・室温T
a、湿度Rh、気流速Wの読込みが行われた後、ステッ
プS11でこのときの気流速Wが0.2m/Sを超えて
いることが判別されると、ステップS12で、気流速W
=0.2m/Sになるように、室内ファン回転数を変更
させる制御が行われる。したがって、以降は気流速Wを
0.2m/S以下に保持した環境条件下で、前記同様
に、SET*を睡眠時の快適温度範囲24.0〜27.
0℃内に保持する制御が行われて(ステップS3〜S
7)、この睡眠環境が保持される。
【0048】このように、気流速Wを0.2m/S以下
とすることによって、快適睡眠環境をより確実に形成す
ることが可能となる。つまり、前記室内機1からの空調
空気の吹き出し速度が速い場合、室内での気流速の分布
が均一なものにならずにバラツキを生じ易い。したがっ
て、ユーザーが寝ている位置によって、SET*の算出
値がユーザー周囲の温熱環境から外れたものになるおそ
れがある。そこで、上記のように気流速Wを低速にする
制御をまず行うことによって上記のようなバラツキが解
消され、この状態でSET*の算出を行うことにより、
ユーザーに良質な睡眠を与え得る温熱環境をより確実に
形成することが可能になる。
【0049】〔実施形態3〕図7に、この発明のさらに
他の実施形態における睡眠時の制御手順を示している。
この空気調和機では、前記図6を参照して説明した実施
形態2で気流速Wを調整する手順に代えて、睡眠時の湿
度Rhが所定の範囲、例えば40%〜60%内に保持さ
れるように制御する手順(ステップS21〜S24)を
設けて構成されている。
【0050】すなわち、ステップS1・S2において実
施形態1・2と同様に着衣量C、室温Ta、湿度Rh、
気流速Wの読込みが行われた後、ステップS2で読込ま
れた検出湿度Rhが上記範囲の下限値40%と比較され
(ステップS21)、これよりも低いときには目標湿度
を40%に上げる処理(ステップS22)が行われる一
方、上限値60%と比較して(ステップS23)、これ
よりも高いときには、目標湿度を60%に下げる処理
(ステップS24)が行われる。したがって、以降は湿
度Rhを40%〜60%内に保持した環境条件下で、前
記同様に、SET*を睡眠時の快適温度範囲24.0〜
27.0℃内に保持する制御が行われる(ステップS3
〜S7)。
【0051】このように、湿度Rhを40%〜60%内
に保持する制御を加えることで、さらに快適な睡眠環境
を形成することができる。つまり、睡眠時には代謝の減
少に加え、特に入眠時に発汗活動が増すことが知られて
いる。このような睡眠時の生理特性から、例えば夏季の
就寝時には冷房運転によって温度を下げすぎるよりも、
湿度を下げて体感温度を低くした方が人体への影響が少
ない。そこで、上記のように湿度を60%以下に調整す
ることによって発汗に伴う寝苦しさが解消され、その上
でSET*が快適温度範囲内で保持されることで、さら
に良質の睡眠を与えうる睡眠環境を形成することができ
る。なお、湿度の調整にあたり40%よりも低くする
と、喉の渇きを感じさせて睡眠環境が悪化するおそれが
ある。したがってその下限値を上記のように40%程度
に設定しておくことが望ましい。
【0052】〔実施形態4〕図8に示すさらに他の実施
形態における睡眠時の制御手順では、前記図6を参照し
て説明した実施形態2での気流速Wの制御構成と、図7
を参照して説明した実施形態3での湿度Rhの制御構成
との両者が設けられている。すなわち、ステップS11
〜S12において実施形態2と同様に気流速Wの調整を
行った後、ステップS21〜S24において湿度Rhの
調整が行われる。したがって以降は、気流速Wを前記同
様に0.2m/S以下に保持し、かつ湿度Rhを40%
〜60%内に保持した環境条件下で、前記同様にSET
*を睡眠時の快適温度範囲24.0〜27.0℃内に保
持する制御が行われる。
【0053】このような制御によれば、前記と同様に、
まず、気流速Wを低下させる制御が行われることで、ユ
ーザーが寝ている位置によらずに、ユーザ回りの温熱環
境により合致したSET*の算出が行われ、さらに、湿
度の調整によって入眠時における発汗に伴う寝苦しさが
解消されて、さらに良質の睡眠を与え得る睡眠環境をよ
り確実に形成することができる。
【0054】〔実施形態5〕次に、図9を参照してさら
に他の実施形態における睡眠時の制御手順について説明
する。この実施形態では、まず着衣量C、室温Ta、湿
度Rh、気流速Wの読込みがステップS31・S32で
前記同様に行われた後、この時点前の温熱環境について
のSET*が、活動量Mを睡眠時とは異なる活動時の
1.2metとして算出され、これが活動時温熱指標a
SET*として保存される(ステップS33)。
【0055】その後、このaSET*が前記同様に睡眠
時の快適温度範囲24.0〜27.0℃と比較され、2
4.0℃よりも低い場合にはaSET*の値を24.0
℃に置き換える処理が行われ(ステップS34・S3
5)、27.0℃よりも高い場合にはaSET*の値を
27.0℃に置き換える処理が行われる(ステップS3
6・S37)。なお、aSET*が24.0〜27.0
℃の範囲内であれば、その値がそのまま保持される。
【0056】次いで、ステップS38において、活動量
Mを前記同様に睡眠時の活動量1.1metとし、そし
て、SET*=aSET*となる睡眠時の目標室温tT
aを求めて設定する処理が行われる。以降、ステップS
39でその後の室温Ta、湿度Rh、気流速Wを逐次読
込みながらステップS38に戻る処理が行われる。
【0057】このような制御によれば、活動時における
SET*の値がすでに睡眠時の快適温度範囲24.0〜
27.0℃内にあるときには、睡眠時にもこのときの値
で一定に保持されるような睡眠環境が形成される。
【0058】前記図1を参照して説明した実施形態1に
おいても、上記とほぼ同様な制御が行われているが、こ
の実施形態1では、就寝前のSET*を活動量M=1.
2metとして求めたときに、これが、活動時の快適温
度範囲22.2℃〜25.6℃における中央の温度2
4.0℃よりも高い温度、例えば25℃であったとして
も、睡眠時制御が開始されて、ステップS3において活
動量M=1.1metとして求められるSET*は、活
動量Mを就寝時に合わせて小さくした分、上記25℃よ
りも低い値が算出される。したがって、この実施形態1
での制御では、総じて、SET*=24℃となる目標室
温tTaを求める処理が行われ、この結果、睡眠時の快
適温度範囲の下限値に近い温熱環境で保持する制御が行
われることになる。
【0059】これに対し、図9に示した本実施形態にお
ける制御では、ステップS33において、就寝時の空調
状態におけるSET*が活動時SET*として実際に算
出される。そしてこれが、例えば上記したように25℃
であれば、以降の睡眠時のSET*も25℃となるよう
に制御され、睡眠時の快適温度範囲の下限値よりも高い
温度で保持される。したがってこのような制御によれ
ば、ユーザーが、活動時にその快適温度範囲内において
24℃を超える高温側で快適と感じるような暑め好みの
場合に、睡眠時のSET*が睡眠時快適温度範囲の下限
値よりも高い温度で制御されるので、ユーザーの好みに
より適合した睡眠環境とすることができる。
【0060】〔実施形態6〕次に図10を参照して、さ
らに他の実施形態における睡眠時の制御手順について説
明する。この実施形態では、着衣量Cについて、これを
活動時のSET*から推定する制御を行うようになって
いる。すなわち、睡眠時制御が開始されると、まず室温
Ta・湿度Rh・気流速Wの読込みが行われ(ステップ
S41)、次いでステップS42において、活動時の推
定着衣量Cが求められる。これは、活動量Mを活動時の
1.2metとし、このときのSET*が、前述した活
動時の快適温度範囲22.2℃〜25.6℃のほぼ中央
の値である24.0℃であると仮定して、このときの熱
平衡方程式に、ステップS41での各読込値を代入して
求められる。
【0061】以降は、図1を参照して説明した実施形態
1でのステップS3〜S7と同様の手順にて、活動量M
を睡眠時の1.1metとし、また、上記の推定着衣量
Cを用いてSET*が算出され(ステップS43)、次
いで、この算出されたSET*が睡眠時快適温度範囲2
4℃〜27℃の下限値24℃より低いときには、SET
*=24.0℃を満たす目標室温tTaが新たに求めら
れて設定される(ステップS44・S45)。また上限
値27℃より高いときには、SET*=27.0℃にな
る目標室温tTaが求めて設定される(ステップS46
・S47)。その後、ステップS48で室温Ta、湿度
Rh、気流速Wを逐次読込み、ステップS43に戻る処
理が行われる。
【0062】このような制御によれば、ユーザーの涼暖
嗜好を含めた睡眠時温熱環境が形成される。つまり、ス
テップS42においては、就寝前の室内環境が、活動時
のユーザーにとって熱的中立状態であると仮定し、さら
にこの状態でのSET*が、活動時の快適温度範囲2
2.2℃〜25.6℃のほぼ中央の値である24.0℃
と仮定して推定着衣量Cが求められるが、このとき、例
えばユーザーが寒がりで、上記のような温熱環境下では
標準的な量よりも多くの着衣を着込んだ状態で快適であ
ると感じる人の場合を想定すると、実際のSET*は2
4.0℃よりも高い筈である。これを24.0℃と仮定
して算出された上記推定着衣量Cは、実際の着衣量より
も小さな値になる。なお、睡眠時の着衣量は、特に夏場
においては活動時に比べて殆ど差がないと考えられる。
【0063】そこで、ステップS43における睡眠時の
SET*の算出も、上記の活動時の温熱環境から求めら
れた推定着衣量Cを用いて行うこととしているが、この
推定着衣量Cは、例えば寒がりの人では前記したように
実際よりも小さな値になっていることから、算出される
SET*も実際よりも低めの値となる。この結果、例え
ばステップS45においてSET*=24.0℃となる
目標室温tTaを求めて設定された温熱環境は、実際の
着衣量からすればSET*が24.0℃よりも高い温度
になる。すなわち、寒がりで通常よりも暖かめが好みの
人に対しては、実際にはSET*が24.0℃よりも高
い温度を下限値として睡眠時の温熱環境が制御されるこ
とになる。
【0064】一方、ユーザーが暑がりの人で、より涼し
めの環境を快適であると感じる人に対しては、上記とは
逆に、実際にはSET*が27.0℃よりも低い温度を
上限値として睡眠時の温熱環境が制御される。
【0065】このように、図10に示したこの実施形態
での制御によれば、暑がりや寒がりの個性が反映された
推定着衣量Cが求められて睡眠時の制御が行われるの
で、ユーザーの涼暖嗜好にも対応した睡眠時温熱環境を
形成することができる。またこの場合には、ユーザーが
着衣量を入力する操作を行う必要がないので、利便性が
向上する。
【0066】〔実施形態7〕次に図11を参照して、さ
らに他の実施形態における睡眠時の制御手順について説
明する。この実施形態では、前記図10を参照して説明
した実施形態6と同様に、まず室温Ta・湿度Rh・気
流速Wの読込みが行われ(ステップS41)、次いでス
テップS42において、活動時のSET*がその快適温
度範囲22.2℃〜25.6℃のほぼ中央の値である2
4.0℃であると仮定して、前記同様の推定着衣量Cが
求められる。
【0067】次いでステップS51において、活動量M
を睡眠時の活動量1.1metとし、そしてSET*
が、睡眠時の快適温度範囲24.0〜27.0℃のほぼ
中央の値である25.4℃となる室温を求めて、これが
睡眠時の目標室温tTaとして設定される。なおこのと
きの着衣量として、ステップS42で求めた推定着衣量
Cが使用される。以降、ステップS52でその後の室温
Ta、湿度Rh、気流速Wを逐次読込んで、ステップS
51に戻る処理が行われる。
【0068】このような制御によれば、まず、活動時に
その快適温度範囲22.2℃〜25.6℃内でその中央
の値24.0℃の温度域で最も快適と感じる人に対して
は、睡眠時にその快適温度範囲24.0〜27.0℃内
における中央の値25.4℃で保持する睡眠環境が形成
される。一方、例えば活動時に24.0℃よりも高い温
度で快適と感じる人に対しては、24.0℃からの温度
差が大きいほど、睡眠時にはその快適温度範囲24.0
〜27.0℃内における中央の値25.4℃よりも高い
温度に設定して保持する睡眠環境が形成される。
【0069】つまり、ステップS42で求められる推定
着衣量Cは、前述したように、実際の着衣量に対してユ
ーザーの涼暖嗜好を反映したズレを含んでいる。したが
って、この推定着衣量Cを用いて、ステップS51にお
いて睡眠時のSET*が25.4℃になるように目標室
温tTaを求めて形成された温熱環境は、実際の着衣量
からすると25.4℃からズレたものになるが、そのズ
レ量の大きさは、推定着衣量Cに含まれるズレ量、すな
わちユーザーの涼暖嗜好の度合いに対応した量になる。
例えば活動時に23.5℃で最も快適と感じる人は、睡
眠時には、実際のSET*が25.4℃から0.5℃程
度低い温度で保持されるように制御され、活動時に2
3.0℃で快適と感じる人は、睡眠時には、SET*が
25.4℃から1℃程度低い温度で保持されるように制
御される。
【0070】このように、この実施形態の制御では、活
動時の快適温度範囲22.2〜25.6が、睡眠時の快
適温度範囲24.0〜27.0に一意に対応付けされる
ものとなって、睡眠時における実際のSET*が、快適
温度範囲24.0〜27.0内において、さらにユーザ
ーの涼暖嗜好に合った温度になるように制御される。し
たがって、このような制御によれば、実際の着衣量が不
明でも、着衣量入力誤差、あるいは推定誤差の影響を受
けることなく、ユーザーの涼暖嗜好にさらに合致した睡
眠時の温熱環境を形成することができる。
【0071】〔実施形態8〕次に図12を参照して、さ
らに他の実施形態における睡眠時の制御手順について説
明する。この実施形態では、前記図11を参照して説明
した実施形態7での制御手順において、ステップS42
とS51との間に、気流速Wの調整(ステップS61・
S62)と、時間経過に伴う湿度の調整(ステップS6
1〜S69)とを付加して構成されている。
【0072】すなわち、ステップS41・S42におい
て、室温Ta・湿度Rha・気流速Wの読込みと、活動
時における推定着衣量Cとが実施形態7と同様に求めら
れ、その後、ステップS61において、この時点での気
流速Wが0.2m/sを超えているときには、ステップ
S62で、気流速W=0.2m/sに低下させるように
室内ファンの回転数が設定される。
【0073】次いでステップS63において、就寝時か
らの経過時間が所定時間、例えば2hに達したか否かが
判別され、2hに達するまでは、ステップS64におい
て目標湿度を就寝時の許容設定範囲、例えば40〜60
%の下限値40%に設定してこれを保持する処理が行わ
れる。その後、このように気流速Wと共に湿度を低下さ
せた温熱環境を前提として、SET*=25.4℃とな
る室温が実施形態7と同様に求められて、これが睡眠時
の目標室温tTaとして設定され(ステップS51)、
ステップS52でその後の室温Ta、湿度Rh、気流速
Wを読込んでステップS61に戻る処理が行われる。
【0074】この繰返し処理の仮定で、ステップS63
において就寝時からの経過時間が2hに達したことが判
別されると、さらにステップS67で3.5hを超えた
か否かの判別処理を行った後、ステップS68で、目標
湿度を例えば45%に上げる処理が行われる。さらに、
その後の時間経過に伴ってステップS67で3.5hに
達したことが判別されると、目標湿度を、55%と、前
記ステップS41において当初に読込まれた湿度Rh
a、すなわち就寝前に設定されていた目標湿度とのう
ち、低い方の値を設定して湿度を上昇させる処理が行わ
れる。
【0075】図13には、このような制御に伴う湿度お
よび室温変化を示している。図のように、就寝時にまず
目標湿度を許容湿度範囲の下限値40%まで低下させる
処理が行われ、これに伴い、前記図12のステップS5
1で求められる目標室温tTaは、図13に示されてい
るように、就寝前の室温に対し、特に湿度の低下に伴
い、これよりも高い温度として求められ設定される。さ
らに、2hに達した時点、および3.5hに達した時点
で、それぞれ目標湿度を段階的に上昇させるときにも、
各々の時点でSET*の値を一定に保つようにそれぞれ
求められる目標室温は漸次低下する。
【0076】したがって、本実施形態における睡眠時制
御によれば、睡眠期間の全体にわたってSET*が睡眠
時快適温度範囲に保持されることに加え、就寝直後には
湿度を低下させる処理が行われることによって、前述し
たように、就寝直後に発汗に伴って寝苦しく感じること
が解消されて、より良質の睡眠が得られる睡眠環境が形
成される。しかもこのとき、湿度を許容範囲の下限値ま
で低下させることで室温が適度に高く設定されることに
なり、これによって、寝つきが早くなるような睡眠環境
となる。
【0077】図14に、本願発明者らが行った被験者実
験での入眠潜時に関する調査結果を示している。なおこ
のデータは湿度40%のときのものである。図のよう
に、室温が高いほど入眠潜時の時間は短くなり、したが
って寝つきが良くなることが示されている。すなわち、
室温が高いほど足の血行が良くなり、足部皮膚温の上昇
が早く、体内の熱の放出がすばやく行われるため入眠速
度が早くなる。実際、体幹部皮膚温と足部皮膚温の温度
差が入眠時に小さいと入眠が早いことが明らかになって
いる(Warm feet promote the
rapid onset of sleep,natu
re U.S.A 1999.9)。
【0078】したがって、上記のように就寝直後に湿度
の低下と共に室温を上昇させて高温低湿環境にすること
によって、寝つきが早くなり、また、入眠速度が速くな
って、さらに良質の睡眠が得られる環境になる。また上
記の制御では、就寝後の時間経過に伴って、湿度を段階
的に上昇させる制御が行われ、これによって、発汗量が
低下した後に例えば喉の渇きを感じて寝苦しく感じるこ
と等が生じることもない。さらに睡眠の進行に伴い湿度
を段階的に上昇させる場合でも、就寝時前に設定してい
た湿度を上限とすることで、ユーザーの湿度に関する嗜
好も反映された温熱環境とすることができる。
【0079】以上にこの発明の具体的な実施形態につい
て説明したが、この発明は上記各形態に限定されるもの
ではなく、この発明の範囲内で種々変更することが可能
である。例えば図1〜図9を参照して説明した実施形態
1〜5においては、着衣量Cに関する値をユーザーが入
力するように構成した例を挙げたが、外気温変化に基づ
いて着衣量を推定するような着衣量推定手段を設けて構
成することも可能である。
【0080】例えば、リモコンで時刻設定と共に月日の
設定が行われるものであれば、外気温変化に対応する標
準的な着衣量を各月別に記憶させておき、内蔵する時計
機能で月日が替わるごとに対応する月の着衣量を読み出
す構成とすること、或いは、室外機に外気温を検出する
センサを設け、このセンサで検出される外気温の変化傾
向から季節を判別して、上記同様に季節や月に対応する
標準的な着衣量を読み出す構成等とすることができる。
このような構成とすることで、ユーザーが着衣量に関し
ての入力操作を行う必要がなくなるので、利便性が向上
する。
【0081】また上記各実施形態では、リモコンに設け
られているおやすみ運転の開始スイッチがユーザーによ
って操作された時に、睡眠時制御が開始されるように構
成した例を挙げて説明したが、例えば、焦電型赤外セン
サ等の非接触で体動を検知する検出手段を設け、この体
動検出信号から入眠時点を判別して、この入眠時点で各
睡眠時制御を開始するような構成とすることも可能であ
る。
【0082】また、前記図10〜12を参照して説明し
た実施形態6〜8において、活動時の着衣量を推定する
処理(ステップS41・S42)が睡眠時制御の開始直
後に行われる制御構成を例に挙げたが、この処理につい
ては、就寝前の任意の運転中に求めておくような制御構
成とすることも可能である。
【0083】また、図12を参照して説明した実施形態
8においては、就寝時における湿度の低下と同時に室温
を上昇させる場合に、この時点でのSET*が睡眠時快
適温度範囲内となる温度を求めて設定したが、請求項1
1の範囲においては、この時点では、SET*が睡眠時
快適温度範囲内で保持されるか否かによらずに、例えば
予め設定された温度、或いは就寝時の設定室温から所定
の温度幅だけ高い温度に上昇させるような構成とするこ
とができる。またこの実施形態8では、就寝時からの湿
度の上昇を段階的に行うようにしたが、これを所定時間
経過後から連続的に上昇させるような構成としても良
い。
【0084】
【発明の効果】以上のように、請求項1の空気調和機に
おいては、温熱指標SET*が睡眠時の快適温度範囲、
例えば請求項2のように24.0℃以上、27.0℃以
下の範囲、或いは請求項3のように24.0℃以上、2
5.0℃以下の範囲内で保持されるように室温が制御さ
れるので、例えば、夏場での就寝直前の設定室温が涼感
を求めるためにユーザーによって低めに設定されている
としても、このような就寝時の前環境によらずに、良質
の睡眠が得られる環境を形成することができる。
【0085】請求項4の空気調和機においては、睡眠時
に、室内の気流速が所定範囲内になるように設定した上
で、上記のSET*に基づく制御が行われる。すなわ
ち、気流速を例えば0.2m/S以下の低速にするよう
な制御をまず行うことで、室内における気流速分布のバ
ラツキが解消され、この状態でSET*の算出を行うこ
とにより、ユーザーに良質な睡眠を与え得る睡眠環境を
より確実に形成することが可能になる。
【0086】請求項5の空気調和機においては、睡眠時
に、設定湿度を所定範囲内に設定した上で、上記のSE
T*に基づく制御が行われる。すなわち、湿度を例えば
40%〜60%の所定範囲にする制御を加えることで、
睡眠時の発汗に伴って寝苦しさを感じることが防止さ
れ、その上でSET*が快適温度範囲内で保持されるこ
とで、より良質の睡眠が得られる環境を形成することが
できる。
【0087】請求項6の空気調和機においては、ユーザ
ーによって着衣量に対応する値が入力される着衣量入力
手段が設けられているので、着衣量に関してより確実な
情報が得られ、これによって精度の高いSET*の算出
を行うことが可能になって、良質の睡眠を与え得る睡眠
環境をより確実に形成することができる。
【0088】請求項7の空気調和機においては、外気温
変化に基づいて着衣量を推定する着衣量推定手段が設け
られているので、着衣量の入力操作をユーザが行う必要
がなく、したがって利便性が向上する。
【0089】請求項8の空気調和機においては、活動時
のSET*が睡眠時快適温度範囲内のときに、睡眠時の
SET*が活動時のSET*とほぼ同一の値となる室温
を求めて制御する構成であり、これによって、ユーザの
涼暖嗜好にも合わせた睡眠環境を形成することができ
る。
【0090】請求項9の空気調和機においては、活動時
のSET*が活動時快適温度範囲内にあるとして推定着
衣量が算出され、この推定着衣量に基づいてSET*が
睡眠時快適温度範囲内に保持されるように制御される。
これにより、睡眠時にユーザーの涼暖嗜好にさらに対応
した温熱環境を形成することができる。またこの場合に
も、ユーザーが着衣量を入力する操作を行う必要がない
ので、利便性が向上する。
【0091】請求項10の空気調和機においては、活動
時のSET*が活動時快適温度範囲のほぼ中央の値であ
るとして推定着衣量が算出され、この推定着衣量を用い
て、SET*が睡眠時快適温度範囲のほぼ中央の値とな
る室温を求めて制御する構成である。これにより、活動
時の快適温度範囲が、睡眠時の快適温度範囲に対応付け
されるものとなり、この結果、睡眠時の快適温度範囲内
において、ユーザーの涼暖嗜好にさらにきめ細かく対応
した温熱環境を形成することができる。
【0092】請求項11の空気調和機においては、就寝
時に湿度を許容設定範囲の下限値まで低下させ、かつ、
室温を上昇させる制御が行われるので、就寝直後の発汗
に伴う寝苦しさが防止されてより良質の睡眠が得られる
睡眠環境とすることができ、しかも、室温を高くするこ
とによって入眠が促進される温熱環境とすることができ
る。
【0093】請求項12の空気調和機においては、就寝
時に湿度を上記下限値まで低下させた状態でのSET*
が睡眠時快適温度範囲、例えば請求項14のように2
4.0℃以上、27.0℃以下の範囲、或いは請求項1
5のように24.0℃以上、25.0℃以下の範囲内と
なる室温を求めて、この温度に室温を上昇させる制御が
行われる。すなわち、就寝時の湿度の低下と室温の上昇
とが睡眠時快適温度範囲内にSET*が保持される範囲
内で行われるので、人体への負荷が極力小さく抑えられ
た温熱環境が形成されることになって、さらに良質の睡
眠が得られる環境を形成することができる。
【0094】請求項13の空気調和機においては、就寝
時からの時間経過に伴い、就寝時のSET*の値を保持
して、湿度を就寝時前の設定湿度まで段階的または連続
的に上昇させる制御が行われるので、発汗量が低下した
後に例えば喉の渇きを感じて寝苦しく感じること等が生
じることはなく、しかも、この湿度の上昇は、就寝時前
の設定湿度を上限とすることで、ユーザーの湿度に関す
る嗜好も反映された温熱環境を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における空気調和機での睡
眠時の制御手順を示すフローチャートである。
【図2】被験者実験によって得られた深睡眠時間とSE
T*との関係を示すグラフである。
【図3】被験者実験によって得られた中途覚醒出現時間
とSET*との関係を示すグラフである。
【図4】上記空気調和機の全体構成を示す斜視模式図で
ある。
【図5】上記空気調和機における睡眠制御ブロック図で
ある。
【図6】本発明の他の実施形態における空気調和機での
睡眠時の制御手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明のさらに他の実施形態における空気調和
機での睡眠時の制御手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明のさらに他の実施形態における空気調和
機での睡眠時の制御手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明のさらに他の実施形態における空気調和
機での睡眠時の制御手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明のさらに他の実施形態における空気調
和機での睡眠時の制御手順を示すフローチャートであ
る。
【図11】本発明のさらに他の実施形態における空気調
和機での睡眠時の制御手順を示すフローチャートであ
る。
【図12】本発明のさらに他の実施形態における空気調
和機での睡眠時の制御手順を示すフローチャートであ
る。
【図13】図12の空気調和機における睡眠時の制御に
応じた湿度および室温の変化を示すタイムチャートであ
る。
【図14】被験者実験によって得られた入眠潜時と室温
との関係を示すグラフである。
【図15】SET*と室温との関係を、着衣量をパラメ
ータとして示すグラフである。
【図16】被験者実験によって得られた就寝時および起
床時における温冷的不快感とSET*との関係を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
5 SET*算出装置(睡眠時制御手段、気流速検出
手段) 6 室温センサ 7 湿度センサ 8 着衣量設定部(着衣量入力手段)

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室温を検出する室温センサ(6)と、室
    内空気の湿度を検出する湿度センサ(7)と、室内での
    気流速を求める気流速検出手段(5)とを備え、室温セ
    ンサ(6)で検出される検出室温が設定室温で保持され
    るように、加熱または冷却した空調空気を室内に送風す
    る空気調和機であって、 室温、湿度、気流速、壁面の輻射温度、人体の活動量お
    よび着衣量から求まる温熱指標SET*が、活動時の快
    適温度範囲とは異なる睡眠時快適温度範囲内で保持され
    るように睡眠時の設定室温を求めて設定する睡眠時制御
    手段(5)を設けていることを特徴とする空気調和機。
  2. 【請求項2】 睡眠時快適温度範囲が24.0℃以上、
    27.0℃以下であることを特徴とする請求項1の空気
    調和機。
  3. 【請求項3】 睡眠時快適温度範囲が24.0℃以上、
    25.0℃以下であることを特徴とする請求項1の空気
    調和機。
  4. 【請求項4】 睡眠時に、空調空気を室内に送風する室
    内ファンの回転数を気流速が所定範囲内になる回転数に
    設定し、このときの気流速に基づいて上記睡眠時の設定
    室温を求める制御を睡眠時制御手段(5)が行うことを
    特徴とする請求項1、請求項2または請求項3の空気調
    和機。
  5. 【請求項5】 空調空気の加湿または除湿を行って室内
    空気の湿度を設定湿度に保持する湿度制御手段を備え、
    睡眠時に、設定湿度を所定範囲内に設定し、このときの
    設定湿度に基づいて上記睡眠時の設定室温を求める制御
    を睡眠時制御手段(5)が行うことを特徴とする請求項
    1から請求項4のいずれかの空気調和機。
  6. 【請求項6】 ユーザーによって着衣量に対応する値が
    入力される着衣量入力手段(8)を備え、この入力値に
    基づいて上記睡眠時の設定室温を求める制御を睡眠時制
    御手段(5)が行うことを特徴とする請求項1から請求
    項5のいずれかの空気調和機。
  7. 【請求項7】 外気温変化に基づいて着衣量を推定する
    着衣量推定手段を備え、この着衣量推定手段での推定値
    に基づいて上記睡眠時の設定室温を求める制御を睡眠時
    制御手段(5)が行うことを特徴とする請求項1から請
    求項5のいずれかの空気調和機。
  8. 【請求項8】 睡眠時以外の運転中における活動時のS
    ET*を求め、この活動時のSET*が前記睡眠時快適
    温度範囲内のときには、SET*が上記活動時のSET
    *とほぼ同一の値となる室温を求めて、この温度を睡眠
    時の設定室温として設定する制御を睡眠時制御手段
    (5)が行うことを特徴とする請求項6または請求項7
    の空気調和機。
  9. 【請求項9】 睡眠時以外の運転中、SET*が活動時
    の快適温度範囲内にあるとして求められる着衣量を算出
    し、この算出された着衣量に基づいて上記睡眠時の設定
    室温を求める制御を睡眠時制御手段(5)が行うことを
    特徴とする請求項1から請求項5のいずれかの空気調和
    機。
  10. 【請求項10】 睡眠時以外の運転中におけるSET*
    が活動時の快適温度範囲のほぼ中央の値であるとして着
    衣量を算出し、この算出された着衣量に基づいてSET
    *が前記睡眠時快適温度範囲のほぼ中央の値となる室温
    を求めて、この温度を睡眠時の設定室温として設定する
    制御を睡眠時制御手段(5)が行うことを特徴とする請
    求項9の空気調和機。
  11. 【請求項11】 室温を検出する室温センサ(6)と、
    室内空気の湿度を検出する湿度センサ(7)とを備え、
    加熱または冷却と共に加湿または除湿を行った空調空気
    を室内に送風して、室温を設定室温で、また湿度を設定
    湿度でそれぞれ保持すべく運転される空気調和機であっ
    て、 就寝時に湿度を許容設定範囲の下限値まで低下させ、か
    つ、室温を上昇させる制御を行う睡眠時制御手段(5)
    を設けていることを特徴とする空気調和機。
  12. 【請求項12】室内での気流速を求める気流速検出手段
    (5)を備え、室温、湿度、気流速、壁面の輻射温度、
    人体の活動量および着衣量から求まる温熱指標SET*
    が、湿度を上記下限値まで低下させた状態で睡眠時快適
    温度範囲内となる室温を求め、この温度を設定室温とし
    て設定することによって室温を上昇させる制御を上記睡
    眠時制御手段(5)が行うことを特徴とする請求項11
    の空気調和機。
  13. 【請求項13】 就寝時からの時間経過に伴い、湿度を
    就寝時前の設定湿度まで段階的または連続的に上昇さ
    せ、かつ、SET*が湿度を前記下限値まで低下させた
    状態のときの値でほぼ維持される室温を湿度の変化時毎
    に求めて、この温度を設定室温として設定する制御を上
    記睡眠時制御手段(5)が行うことを特徴とする請求項
    12の空気調和機。
  14. 【請求項14】 睡眠時快適温度範囲が24.0℃以
    上、27.0℃以下であることを特徴とする請求項12
    または請求項13の空気調和機。
  15. 【請求項15】 睡眠時快適温度範囲が24.0℃以
    上、25.0℃以下であることを特徴とする請求項12
    または請求項13の空気調和機。
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