以下、本実施形態の環境制御システム20を図1ないし図3に基づいて説明する。
本実施形態の環境制御システム20は、図1に示すように、制御機器2として、空調装置21と、通風換気装置222とを備えている。本実施形態の環境制御システム20は、通風換気装置222として、自然換気装置22と、機械換気装置23とをそれぞれ備えていることが好ましい。したがって、自然換気装置22と、機械換気装置23とは、いずれも通風換気装置222として機能する。環境制御システム20は、空調装置21と通風換気装置222とを制御する環境制御装置10を備えている。
空調装置21は、所定の空間を冷房する冷房運転が可能なものである。自然換気装置22は、所定の空間と空間の外部との間で自然換気動作を行うことが可能なものである。機械換気装置23は、所定の空間と空間の外部との間で機械換気動作を行うことが可能なものである。したがって、本実施形態の環境制御システム20では、通風換気装置222が自然換気装置22の場合、換気動作とは自然換気動作であり、通風換気装置222が機械換気装置23の場合、換気動作とは機械換気動作を示す。環境制御装置10は、たとえば、所定の空間における人の体感温度に対応する第1の体感温度指標である屋内温度指標T1および空間の外部における人の体感温度に対応する第2の体感温度指標である屋外温度指標T2に基づいて空間の温熱環境を制御する。
環境制御装置10は、屋内温度指標T1の値と屋外温度指標T2の値とを導出する指標導出部16と、コントローラ11とを備えている。環境制御装置10は、時間を計時する計時部15を備えていることが好ましい。環境制御装置10は、屋内温度指標T1の値と屋外温度指標T2の値とを比較した第1の比較結果を得ることができるように構成している。環境制御装置10は、屋内温度指標T1の値と、第1の閾値H1および第1の閾値H1未満である第2の閾値H2を比較した第2の比較結果を得ることができるように構成している。また、環境制御装置10は、屋内温度指標T1の値と、第2の閾値H2未満である第3の閾値H3を比較した第2の比較結果を得ることができるようにも構成していることが好ましい。さらに、環境制御装置10は、屋内温度指標T1の値と、第1の閾値H1未満である第4の閾値(図示していない)を比較した第2の比較結果を得ることができるようにも構成していることが好ましい。本実施形態の環境制御システム20では、環境制御装置10は、第2の閾値H2と第4の閾値とを同じ値に設定しているが、異なる値に設定してもよい。環境制御装置10は、屋外温度指標T2の値と、第5の閾値H5とを比較した第3の比較結果を得ることができるように構成していることが好ましい。コントローラ11は、第1の比較結果と第2の比較結果に基づいて、空調装置21の冷房運転と通風換気装置222の換気動作とを制御する。コントローラ11は、第1の比較結果と第2の比較結果に加え、第3の比較結果に基づいて、空調装置21の冷房運転と通風換気装置222の換気動作とを制御することが好ましい。
コントローラ11は、屋内温度指標T1の上昇により第2の比較結果において屋内温度指標T1の値が、図3に示す第1の閾値H1以上となれば、空調装置21の冷房運転をオン制御および通風換気装置222の換気動作をオフ制御する。コントローラ11は、屋内温度指標T1の下降により第2の比較結果において屋内温度指標T1の値が第2の閾値H2未満となり、第1の比較結果において屋外温度指標T2が屋内温度指標T1より低ければ、冷房運転をオフ制御する。
環境制御システム20は、屋内温度指標T1が上昇するときと、降下するときとで異なる閾値(第1の閾値H1,第2の閾値H2)を基準に冷房運転のオン制御とオフ制御とを切り替え、空調装置21のオン制御とオフ制御とが頻繁に繰り返されることを抑制する。本実施形態の環境制御システム20では、体感温度指標を利用することにより、人が暑さ、寒さを感じる温熱感覚を考慮した空調制御を行うことが可能となる。環境制御システム20は、空調装置21がオン制御とオフ制御とを頻繁に繰り返すことを抑制することにより、ユーザに煩雑な印象を与えることを抑制し、ユーザが不快と感じることを抑制することが可能となる。また、環境制御システム20は、空調装置21のオン制御とオフ制御が頻繁に繰り返されることで生ずる空調装置21の短寿命化を抑制することも可能となる。
以下では、本実施形態の環境制御システム20の構成をより詳細に説明する。
本実施形態の環境制御システム20は、制御機器2と、環境情報検出部3と、環境制御装置10とを備えている。また、環境制御システム20は、目標温度設定部4と、人感検出部5と、表示装置6とを備えていることが好ましい。
制御機器2は、たとえば、戸建て住宅の居室、集合住宅の居室やオフィスなどの所定の空間の温熱環境を制御可能なものである。本実施形態の環境制御システム20では、制御機器2は、空調装置21と、通風換気装置222とを備えている。通風換気装置222は、自然換気装置22と、機械換気装置23とを備えている。通風換気装置222は、自然換気装置22と、機械換気装置23とのいずれか一方を備えていればよい。なお、本実施形態の環境制御システム20では、所定の空間を屋内とすると、空間の外部とは、たとえば、屋外とすることができる。空間の外部とは、屋外だけに限られず、空調を行う所定の空間以外の空間のことであってもよい。以下では、所定の空間を屋内、所定の空間の外部を屋外と称して説明する。
空調装置21は、たとえば、エアコンディショナを用いることができる。空調装置21は、屋内を冷房する冷房運転を行うことができればよく、冷暖房運転を行えるものであってもよい。なお、本実施形態の環境制御システム20は、空調装置21をオン制御して屋内の温度を低下させる。環境制御システム20では、冷房運転のオン制御の開始から計時部15が計時した所定時間の間において冷房運転のオン制御を継続し、屋内情報検出部31で検出した屋内の温度が所定の設定範囲外になっていると、冷房運転をオフ制御するように制御してもよい。また、環境制御システム20は、所定の設定範囲内でも空調装置21のオン制御を、より冷房能力の低い運転に切り替えてもよい。
自然換気装置22は、たとえば、屋内と屋外とに連通する通気孔の開閉を制御することで、通風により屋内と屋外との間で自然換気を行うことが可能な構成とすることができる。自然換気装置22は、通気孔を開くことによって、自然換気動作のオン制御を行うことができる。自然換気装置22は、通気孔を閉じることによって、自然換気動作のオフ制御を行うことができる。自然換気装置22は、たとえば、建物の外壁の窓や通気孔を通して、屋内と屋外の圧力差や、屋内と屋外の温度差から自然に屋内に空気を取り込むことが可能となる。自然換気装置22は、たとえば、空間を構成する壁面や天井面などに設けた開閉可能な窓、ブラインド状の羽根板を平行に取り付けたガラリ、空調装置21の通気孔や機械換気装置23の通気孔などを利用して構成することができる。
自然換気装置22は、たとえば、図示していない蓋体の開閉を制御することで通気孔の開口度を変えて、通気孔から吸込まれる外気量を調節することも可能となる。自然換気装置22は、たとえば、環境制御装置10と、自然換気装置22の蓋体の開閉を制御する駆動モータとを電気的に接続させて構成することができる。自然換気装置22は、駆動モータにより蓋体による通気孔の開閉を制御することで、屋外との通気量を調整することができる。
環境制御システム20では、屋外の温度が屋内の温度よりも高いときと、屋内の温度が屋内の温度よりも低いときに所定のアルゴリズムにもとづいて、コントローラ11が自然換気装置22の自然換気動作を行うことにより不要な外気冷却を抑制することができる。
機械換気装置23は、強制送風によって、屋内と屋外との間で空気を入れ替える機械換気動作を行うことできる。機械換気装置23は、機械換気動作をオン制御すると、吸込み側が大気圧よりも低い負圧領域となるので、屋外と連通する通気孔から屋内に外気を吸込ませることができる。機械換気装置23は、たとえば、換気扇や送風機などの強制送風機器が挙げられる。換気扇は、たとえば、羽根と羽根を回転させる駆動モータとを備えた構成とすることができる。機械換気装置23が行う機械換気動作は、強制換気動作や動力換気動作ともいえる。機械換気装置23は、日本の建築基準法によれば、給気も排気も機械換気で行う第1種の機械換気と、給気を機械換気で行い排気を自然換気で行う第2種の機械換気と、給気を自然換気で行い排気を機械換気で行う第3種の機械換気を行うものに分類できる。機械換気装置23は、第1種の機械換気と、第2種の機械換気と、第3種の機械換気とのいずれの機械換気を行うものを用いてもよい。
通風換気装置222は、自然換気装置22と機械換気装置23とを別体に構成したものだけに限られない。環境制御システム20では、通風換気装置222は、換気扇が設けられた通気孔の開閉を制御可能な蓋体を備え、自然換気装置22と機械換気装置23とを一体的に構成するものでもよい。環境制御システム20は、自然換気装置22の蓋体により通気孔の開口度を小さくして、機械換気装置23をオン制御すると、相対的に機械換気装置23から吸込まれる外気量を少なくすることもできる。環境制御システム20は、所定の時間間隔ごとに通風換気装置222の制御を行えば、所定の空間を、変動する外気温に対応した温熱環境とすることが可能となる。所定の時間間隔としては、たとえば、3分間とすることができる。
環境制御装置10は、屋内における人の体感温度に対応する第1の体感温度指標の値と、屋外における人の体感温度に対応する第2の体感温度指標の値とに基づいて、制御機器2における空調装置21と通風換気装置222とを制御する。
環境情報検出部3は、所定の空間の環境や空間の外部における環境の情報を検出することが可能なものである。本実施形態の環境制御システム20では、環境情報検出部3は、屋内情報検出部31と、屋外情報検出部32と、風速情報検出部33とを備えた構成としている。
屋内情報検出部31は、屋内の環境情報として、たとえば、屋内の温度と屋内の湿度を測定することが可能なものである。屋内情報検出部31は、たとえば、屋内の温度を検知する温度センサや湿度センサを設けて構成することができる。温度センサは、たとえば、サーミスタなどを利用した各種の温度センサを用いることができる。湿度センサは、たとえば、電気式湿度計などを用いることができる。屋内情報検出部31は、測定した屋内の温度と屋内の湿度を環境制御装置10へ出力する。屋内情報検出部31は、屋内の温度や屋内の湿度の情報を環境制御装置10に伝送できるように環境制御装置10と有線や無線で接続できればよい。
屋外情報検出部32は、屋外の環境情報として、たとえば、屋外の温度と屋外の湿度を測定することが可能なものである。屋外情報検出部32は、たとえば、自然換気装置22の通気孔に屋外の温度を検知する温度センサや湿度センサを設けて構成することができる。温度センサは、たとえば、サーミスタなどを利用した各種の温度センサを用いることができる。湿度センサは、たとえば、電気式湿度計などを用いることができる。屋外情報検出部32は、測定した屋外の温度と屋外の湿度の測定データを環境制御装置10へ出力する。屋外情報検出部32は、屋外の温度や屋外の湿度の情報を環境制御装置10に伝送できるように環境制御装置10と有線や無線で接続できればよい。
風速情報検出部33は、屋内の風速を測定することができる。風速情報検出部33は、測定した屋内の風速を屋内環境情報の一部として環境制御装置10へ出力する。また、風速情報検出部33は、屋外の風速を測定することができる。風速情報検出部33は、測定した屋外の風速を屋外環境情報の一部として環境制御装置10へ出力する。風速情報検出部33は、たとえば、風杯型風速計、風車型風速計や超音波式風速計などを利用することができる。風速情報検出部33は、風速情報を環境制御装置10に伝送できるように環境制御装置10と有線や無線で接続できればよい。
本実施形態の環境制御システム20では、環境制御装置10は、コントローラ11と、指標導出部16とを備えている。環境制御装置10は、屋内情報を記憶する第1メモリ12と、屋外情報を記憶する第2メモリ13と、コントローラ11が制御機器2側に出力した制御情報を制御ログとして記憶する第3メモリ14と、時間を計時する計時部15とを備えていることが好ましい。
第1メモリ12は、環境情報検出部3の屋内情報検出部31や風速情報検出部33で測定した屋内環境情報を計時部15で計時している時刻とともに逐一に記憶することができる。第1メモリ12は、指標導出部16の演算処理時に記憶された屋内環境情報をコントローラ11に適宜に出力することができるように構成している。すなわち、第1メモリ12は、屋内情報検出部31から取得した屋内の温度や屋内の湿度の測定データの履歴を記憶することができる。また、第1メモリ12は、風速情報検出部33から取得した屋内の風速の測定データの履歴を記憶することができる。
第2メモリ13は、環境情報検出部3の屋外情報検出部32や風速情報検出部33で測定した屋外環境情報を計時部15で計時している時刻とともに逐一に記憶することができる。第2メモリ13は、指標導出部16の演算処理時に記憶された屋外環境情報をコントローラ11に適宜に出力することができるように構成している。すなわち、第2メモリ13は、屋外情報検出部32から取得した屋外の温度や屋外の湿度の測定データの履歴を記憶することができる。また、第2メモリ13は、風速情報検出部33から取得した屋外の風速の測定データの各履歴を記憶することができる。
第3メモリ14は、コントローラ11が制御機器2側に出力した制御情報を計時部15で計時している時刻とともに逐一に記憶することができる。第3メモリ14は、記憶された制御情報を表示装置6に適宜に出力することができるように構成している。第3メモリ14は、制御機器2の制御履歴を記憶することができる。
指標導出部16は、屋内温度指標T1や屋外温度指標T2を導出する。環境制御装置10は、演算処理機能を有する指標導出部16が、第1メモリ12からの屋内環境情報と、第2メモリ13からの屋外環境情報とに基づいて、演算処理を行う。環境制御装置10は、指標導出部16の演算処理の結果に基づいて、コントローラ11が制御機器2を制御する。環境制御装置10は、コントローラ11や指標導出部16をマイクロコンピュータなどにより構成することができる。環境制御装置10は、コントローラ11や指標導出部16をマイクロコンピュータで構成するものだけでなく、ロジック回路で構成するものでもよい。また、環境制御装置10は、屋内温度指標T1や屋外温度指標T2に基づいてコントローラ11が制御する制御機器2の理想状態を表示装置6に表示することができる。表示装置6は、第3メモリ14を参照して、環境制御装置10による制御機器2の制御状況や制御機器2の制御履歴を表示することができる。表示装置6は、第1メモリ12、第2メモリ13や第3メモリ14に記憶した情報をユーザに表示可能なものである。表示装置6は、たとえば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどの表示画面を備えた構成とすることができる。表示装置6は、環境制御装置10によって表示画面が表示制御される。
ところで、人の体感温度は、温度、湿度や風速に依存する傾向にある。そのため、指標導出部16は、たとえば、次式(1)で屋内温度指標T1の値を導出することができる。
また、指標導出部16は、たとえば、次式(2)で屋外温度指標T2の値を導出することができる。
なお、屋内温度指標T1や屋外温度指標T2の導出式は、湿度が10%増加すると体感温度が1℃上昇し、風速が1(m/s)増加すると体感温度が1℃下降するという説に基づいて設定している。
環境制御装置10では、屋内温度指標T1の導出に用いる屋内の温度や屋内の湿度に、屋内情報検出部31から取得した最新の測定データの値を用いることができる。屋内温度指標T1の導出に用いる屋内の温度や屋内の湿度は、最新の測定データの値だけでなく、第1メモリ12に記憶された所定期間における測定データの平均値を用いてもよい。さらに、屋内温度指標T1の導出に用いる屋内の風速は、風速情報検出部33から取得した最新の測定データの値を用いることができる。屋内温度指標T1の導出に用いる屋内の風速は、最新の測定データの値だけでなく、第1メモリ12に記憶された所定期間における測定データの平均値を用いてもよい。
また、屋外温度指標T2の導出に用いる屋内の温度や屋内の湿度は、屋外情報検出部32から取得した最新の測定データの値を用いることができる。屋外温度指標T2の導出に用いる屋内の温度や屋内の湿度は、最新の測定データの値だけでなく、第2メモリ13に記憶された所定期間における測定データの平均値を用いてもよい。屋外温度指標T2の導出に用いる屋外の風速は、風速情報検出部33から取得した最新の測定データの値を用いることができる。屋外温度指標T2の導出に用いる屋外の風速は、最新の測定データの値だけでなく、第2メモリ13に記憶された所定期間における測定データの平均値を用いてもよい。
なお、環境制御システム20では、屋内温度指標T1の導出式や屋外温度指標T2の導出式は、人の体感温度に対応する式であればよい。本実施形態の環境制御システム20で示した式(1)や式(2)だけに限定するものではない。したがって、指標導出部16は、屋内温度指標T1や屋外温度指標T2を、ミスナール体感温度(℃)の計算式やリンケ体感温度(℃)の計算式を利用して導出することもできる。
本実施形態の環境制御システム20では、指標導出部16は、空間の温度と空間の湿度と空間の風速とに基づいて屋内温度指標T1の値を導出し、空間の外部の温度と空間の外部の湿度と空間の外部の風速とに基づいて屋外温度指標T2の値を導出している。指標導出部16は、温度と湿度と風速とに基づいて、屋内温度指標T1の値や屋外温度指標T2の値を導出するものだけに限られない。指標導出部16は、空間の温度と空間の湿度とに基づいて屋内温度指標T1の値を導出し、空間の外部の温度と空間の外部の湿度とに基づいて屋外温度指標T2の値を導出するものでもよい。
環境制御装置10は、屋内温度指標T1や屋外温度指標T2に基づいて制御機器2をコントローラ11が制御することで、屋内の温熱環境を制御する。制御機器2の空調装置21は、コントローラ11によるオン制御により冷房運転を行う。空調装置21は、コントローラ11によるオフ制御により冷房運転を停止する。制御機器2の自然換気装置22は、コントローラ11によるオン制御により自然換気動作を行う。自然換気装置22は、コントローラ11によるオフ制御により自然換気動作を停止する。制御機器2の機械換気装置23は、コントローラ11によるオン制御により機械換気動作を行う。機械換気装置23は、コントローラ11によるオフ制御により機械換気動作を停止する。
目標温度設定部4は、ユーザの操作によって屋内の目標温度を設定することが可能なものである。目標温度設定部4は、設定された目標温度のデータを環境制御装置10へ出力する。なお、目標温度設定部4は、環境制御装置10とは別体に設けているが、環境制御装置10と一体に設けた構成としてもよい。
人感検出部5は、屋内に人が存在しているか否かを検出し、人の存在の有無に関する検出データを環境制御装置10へ出力する。環境制御装置10は、人感検出部5からの検出データに基づいて、コントローラ11が制御機器2の制御を行うように構成してもよい。人感検出部5は、たとえば、赤外線センサや超音波センサなどを利用することができる。環境制御装置10は、たとえば、人感検出部5からの検出データが人の存在を示すものであれば、コントローラ11が選択した制御モードで制御機器2を制御する。また、環境制御装置10は、人感検出部5からの検出データが人の不在を示すものであれば、コントローラ11が選択した制御モードにかかわらず、制御機器2の動作を停止するように制御することもできる。
表示装置6は、たとえば、環境制御装置10による制御機器2の制御状況、制御機器2の制御履歴、環境情報検出部3の各測定データ、目標温度設定部4で設定された目標温度のデータや人感検出部5の検出結果などを表示画面に表示することができる。また、表示装置6は、たとえば、タッチパネルにより構成することで、各種の情報を表示する表示部と、ユーザによる設定値の入力を行う入力設定部とを一体に備えた構成とすることもできる。入力設定部は、たとえば、ユーザの好みに合わせて第1の体感温度指標や第2の体感温度指標の値を補正することができる。これにより環境制御システム20は、ユーザ側から環境制御装置10に入力可能な入力設定部を目標温度設定部4として備えた構成とすることができる。
以下では、環境制御装置10の動作を図2に示すフローチャート図に基づいて説明する。
環境制御装置10は、動作を開始すると、最初に屋内の環境情報と屋外の環境情報とを第1メモリ12や第2メモリ13から取得する(ステップS1を参照)。環境情報検出部3は、屋内の環境情報として、屋内情報検出部31により屋内の温度と屋内の湿度を測定する。環境情報検出部3は、屋内の環境情報として、風速情報検出部33により屋内の風速を測定する。同様に、環境情報検出部3は、屋外の環境情報として、屋外情報検出部32により屋外の温度と屋外の湿度を測定する。環境情報検出部3は、屋外の環境情報として、風速情報検出部33により屋外の風速を測定する。環境制御装置10は、環境情報検出部3から取得した屋内の温度と湿度と風速とをそれぞれ検出時刻と共に第1メモリ12に記憶している。また、環境制御装置10は、環境情報検出部3から取得した屋外の温度と湿度と風速とをそれぞれ検出時刻と共に第2メモリ13に記憶している。
次に、環境制御装置10は、指標導出部16が第1メモリ12に記憶させた屋内環境情報と第2メモリ13に記憶させた屋外環境情報とを所定のプログラムに従って演算処理して、屋内温度指標T1と屋外温度指標T2とを導出する(ステップS2を参照)。
次に、環境制御装置10は、指標導出部16で導出された屋内温度指標T1と屋外温度指標T2に基づいて、所定のアルゴリズムにより、コントローラ11が制御する制御機器2の制御モードを選択する(ステップS3を参照)。環境制御装置10は、制御モードとして、たとえば、空調モードと、機械換気モードと、自然換気モードと、停止モードとを設定することができる。
環境制御装置10は、選択された制御モードが空調モードであるか否かを判定し、空調モードであればステップS7に進む(ステップS4を参照)。次に、環境制御装置10は、選択された制御モードが空調モードでなければ、選択された制御モードが機械換気モードであるか否かを判定し、機械換気モードであればステップS8に進む(ステップS5を参照)。続いて、環境制御装置10は、選択された制御モードが機械換気モードでなければ、選択された制御モードが自然換気モードであるか否かを判定し、自然換気モードであればステップS9に進む(ステップS6を参照)。次に、環境制御装置10は、自然換気モードでない場合、選択された制御モードが停止モードであると判定してステップS10に進む。
環境制御装置10は、ステップS4において、選択された制御モードが空調モードである場合、コントローラ11が、空調装置21の冷房運転をオン制御する。また、コントローラ11は、空調モードの場合、自然換気装置22の自然換気動作をオフ制御する。さらに、コントローラ11は、空調モードの場合、機械換気装置23の機械換気動作をオフ制御する(ステップS7を参照)。環境制御装置10は、空調モードの場合、空調装置21の冷房運転を行うことで、屋内の温度、屋内の湿度や屋内の風速を人にとって快適な状態に保つことが可能となる。
環境制御装置10では、ステップS5において、選択された制御モードが機械換気モードである場合、コントローラ11が、空調装置21の冷房運転をオフ制御する。また、コントローラ11は、機械換気モードの場合、自然換気装置22の自然換気動作をオン制御する。さらに、コントローラ11は、機械換気モードの場合、機械換気装置23の機械換気動作をオン制御する(ステップS8を参照)。
環境制御装置10では、ステップS6において、選択された制御モードが自然換気モードである場合、コントローラ11が、空調装置21の冷房運転をオフ制御する。また、コントローラ11は、自然換気モードの場合、自然換気装置22の自然換気動作をオン制御する。さらに、コントローラ11は、自然換気モードの場合、機械換気装置23の機械換気動作をオフ制御する(ステップS9を参照)。
環境制御装置10では、ステップS6において、選択された制御モードが停止モードの場合、コントローラ11が空調装置21の冷房運転をオフ制御する。また、コントローラ11は、停止モードの場合、自然換気装置22の自然換気動作をオフ制御する。さらに、コントローラ11は、停止モードの場合、機械換気装置23の機械換気動作をオフ制御する(ステップS10を参照)。
次に、コントローラ11が制御機器2の制御モードを選択する際に用いるアルゴリズムについて、図3を用いて説明する。図3は、コントローラ11のアルゴリズムによる動作選択の説明図を示している。図3は、屋内温度指標T1を縦軸とし、屋外温度指標T2を横軸としている。なお、図3において、直線100は、屋内温度指標T1と屋外温度指標T2とが等しい場合を示している。
図3において、第1領域101は、直線100を境界にして屋内温度指標T1側の太矢印で示す領域としている。第1領域101は、屋内温度指標T1が屋外温度指標T2より高い領域を示している。言い換えれば、第1領域101は、屋内より屋外の方が人にとって温度が低いと感じる領域であることを意味している。また、第2領域102は、直線100を境界にして屋外温度指標T2側の太矢印で示す領域としている。第2領域102は、屋外温度指標T2が屋内温度指標T1より高い領域を示している。すなわち、第2領域102は、屋外より屋内の方が人にとって温度が低いと感じる領域であることを意味している。なお、図3の直線100上は、第1領域101と第2領域102との何れに含めてもよい。
環境制御装置10は、指標導出部16が導出した屋内温度指標T1と屋外温度指標T2とに応じて、コントローラ11が制御機器2の制御モードを選択する。
本実施形態の環境制御システム20では、図3において、屋内温度指標T1に対し、第1の閾値H1と第2の閾値H2と第3の閾値H3とを設定している。本実施形態の環境制御システム20では、図3において、第2の閾値H2と第4の閾値とを同じ値に設定している。第4の閾値は、たとえば、屋内温度指標T1が下降する際の冷房動作のオン制御とオフ制御との切り替えとは別に、機械換気動作と自然換気動作とを切り替える値として設定することができる。また、本実施形態の環境制御システム20では、図3において、屋外温度指標T2に対し、予め第5の閾値H5を設定している。なお、第1の閾値H1と第2の閾値H2との大小関係は、第1の閾値H1が第2の閾値H2よりも大きい値としている。また、第2の閾値H2と第3の閾値H3との大小関係は、第2の閾値H2が第3の閾値H3よりも大きい値としている。屋内温度指標T1には、屋内の人が快適であると感じる快適範囲C1がある。屋内温度指標T1には、たとえば、一般の人の80%が満足する範囲を快適範囲C1に設定することができる。図3では、快適範囲C1の上限の値を第1の閾値H1とし、快適範囲C1の下限の値を第3の閾値H3としている。
本実施形態の環境制御システム20では、屋内の目標温度を、第1の閾値H1と第3の閾値H3との間の範囲内にユーザにとって最適と感じる温度を屋内の目標温度に設定している。環境制御装置10は、屋内の目標温度に第2の閾値H2を設定している。環境制御装置10は、たとえば、第2の閾値H2を自然換気装置22の自然換気動作と機械換気装置23の機械換気動作とを切り替える値として利用することができる。環境制御装置10は、たとえば、屋外温度指標T2に対する第5の閾値H5を空調装置21の冷房運転のオン制御とオフ制御とを切り替える値として利用することもできる。
環境制御装置10では、コントローラ11は、指標導出部16が導出した、屋内温度指標T1と屋外温度指標T2とを比較する。また、コントローラ11は、屋内温度指標T1の値を、第1の閾値H1と、第2の閾値H2と、第3の閾値H3とで比較する。さらに、コントローラ11は、屋外温度指標T2の値を、第5の閾値H5と比較する。
コントローラ11は、図3の一点鎖線の上矢印で示すように、屋内温度指標T1の上昇により第2の比較結果において屋内温度指標T1の値が第1の閾値H1以上となれば、冷房運転をオン制御および換気動作をオフ制御する。コントローラ11は、第2の比較結果において屋内温度指標T1が第1の閾値H1以上である場合、空調モードを選択し、空調装置21の冷房運転をオン制御する。環境制御装置10は、屋内温度指標T1が第1の閾値H1以上である場合、コントローラ11が自然換気装置22の自然換気動作をオフ制御する。環境制御装置10は、屋内温度指標T1が第1の閾値H1以上である場合、コントローラ11が機械換気装置23の機械換気動作をオフ制御する。本実施形態の環境制御システム20は、空調装置21の冷房運転により、屋内の人にとって体感温度が高くなりすぎないようにすることが可能となる。
また、コントローラ11は、第2の比較結果において屋内温度指標T1の値が第1の閾値H1未満、第2の閾値H2以上である場合、次の制御を行う。
ここで、第1の比較結果において屋外温度指標T2が屋内温度指標T1よりも低い場合、屋内温度指標T1と屋外温度指標T2との交点は、図3の第1領域101に属することになる。コントローラ11は、屋内温度指標T1の上昇により屋内温度指標T1と屋外温度指標T2との交点が第1領域101に属している場合、機械換気モードを選択する。機械換気モードを選択したコントローラ11は、空調装置21の冷房運転をオフ制御、自然換気装置22の自然換気動作をオン制御、機械換気装置23の機械換気動作をオン制御する。なお、コントローラ11は、自然換気装置22の自然換気動作をオフ制御させてもよい。コントローラ11は、一点鎖線の下矢印で示すよう、屋内温度指標T1の下降により屋内温度指標T1と屋外温度指標T2との交点が第1領域101に属している場合、別の制御モードを選択する。コントローラ11は、屋内温度指標T1の下降により第2の比較結果において屋内温度指標T1の値が第1の閾値H1以下、第2の閾値H2以上の場合、第1の比較結果において屋外温度指標T2が屋内温度指標T1より低ければ、冷房運転のオン制御を継続する。
次に、第1の比較結果において屋内温度指標T1が屋外温度指標T2よりも低い場合、屋内温度指標T1と屋外温度指標T2との交点は、図3の第2領域102に属することになる。コントローラ11は、屋内温度指標T1と屋外温度指標T2との交点が第2領域102に属している場合、コントローラ11は停止モードを選択することができる。停止モードを選択したコントローラ11は、空調装置21の冷房運転をオフ制御、自然換気装置22の自然換気動作をオフ制御および機械換気装置23の機械換気動作をオフ制御する。
本実施形態の環境制御システム20では、コントローラ11は、屋外温度指標T2の値と、第5の閾値H5とを比較した第3の比較結果に基づいても制御を行うことが好ましい。コントローラ11は、屋外温度指標T2が屋内温度指標T1より高く、屋内温度指標T1の下降により屋内温度指標T1の値が第1の閾値H1未満、第2の閾値H2以上で、屋外温度指標T2の値が第5の閾値H5以上であれば、空調モードを選択することが好ましい。空調モードを選択したコントローラ11は、冷房運転をオン制御、自然換気装置22の自然換気動作をオフ制御および機械換気装置23の機械換気動作をオフ制御する。これにより、環境制御システム20は、屋外温度指標T2が屋内温度指標T1より高く、屋内温度指標T1の値が下降して第1の閾値H1未満、第2の閾値H2以上で、屋外温度指標T2の値が第5の閾値H5以上の場合に空調装置21の冷房運転を継続する。ただし、コントローラ11は、屋内温度指標T1の上昇により屋内温度指標T1の値が第1の閾値H1未満、第2の閾値H2以上で、屋外温度指標T2の値が第5の閾値H5以上であれば、停止モードを選択することが好ましい。停止モードを選択したコントローラ11は、冷房運転をオフ制御、自然換気装置22の自然換気動作をオフ制御および機械換気装置23の機械換気動作をオフ制御する。
また、環境制御装置10では、第2の比較結果において屋内温度指標T1の値が第2の閾値H2未満、第3の閾値H3以上である場合、コントローラ11が次の制御を行う。
ここで、第1の比較結果において屋外温度指標T2が屋内温度指標T1より低い場合、屋内温度指標T1と屋外温度指標T2との交点は、図3の第1領域101に属することになる。コントローラ11は、屋内温度指標T1の上昇により屋内温度指標T1と屋外温度指標T2との交点が第1領域101に属している場合、自然換気モードを選択する。自然換気モードを選択したコントローラ11は、空調装置21の冷房運転をオフ制御、自然換気装置22の自然換気動作をオン制御および機械換気装置23の機械換気動作をオフ制御する。また、コントローラ11は、屋内温度指標T1の下降により第2の比較結果において屋内温度指標T1の値が第2の閾値H2未満となり、第1の比較結果において屋外温度指標T2が屋内温度指標T1より低ければ、冷房運転をオフ制御する。すなわち、コントローラ11は、屋内温度指標T1の下降により冷房運転をオフ制御するまで、空調モードを選択している。コントローラ11は、空調モードを選択した場合、冷房運転をオン制御、自然換気動作をオフ制御および機械換気動作をオフ制御する。これにより環境制御装置10では、空調装置21のオン制御とオフ制御との切替回数を、より少なくすることが可能となる。
また、第1の比較結果において屋内温度指標T1が屋外温度指標T2より低い場合、屋内温度指標T1と屋外温度指標T2との交点は、図3の第2領域102に属することになる。コントローラ11は、屋内温度指標T1と屋外温度指標T2との交点が第2領域102に属している場合、停止モードを選択することができる。停止モードを選択したコントローラ11は、空調装置21の冷房運転をオフ制御、自然換気装置22の自然換気動作をオフ制御および機械換気装置23の機械換気動作をオフ制御する。本実施形態の環境制御システム20では、コントローラ11は、屋外温度指標T2の値と、第5の閾値H5とを比較した第3の比較結果に基づいても制御を行うことが好ましい。コントローラ11は、屋外温度指標T2が屋内温度指標T1より高く、屋内温度指標T1の下降により屋内温度指標T1の値が第2の閾値H2未満、第3の閾値H3以上で、屋外温度指標T2の値が第5の閾値H5以上であれば、空調モードを選択することが好ましい。空調モードを選択したコントローラ11は、冷房運転をオン制御、自然換気装置22の自然換気動作をオフ制御および機械換気装置23の機械換気動作をオフ制御する。すなわち、環境制御システム20は、屋外温度指標T2が屋内温度指標T1より高く、屋内温度指標T1の値が下降して第2の閾値H2未満、第3の閾値H3以上で、屋外温度指標T2の値が第5の閾値H5以上の場合に空調装置21の冷房運転を継続する。ただし、コントローラ11は、屋内温度指標T1の上昇により屋内温度指標T1の値が第2の閾値H2未満、第3の閾値H3以上で、屋外温度指標T2の値が第5の閾値H5以上であれば、停止モードを選択することが好ましい。停止モードを選択したコントローラ11は、冷房運転をオフ制御、自然換気装置22の自然換気動作をオフ制御および機械換気装置23の機械換気動作をオフ制御する。
また、環境制御装置10では、第2の閾値H2未満である第3の閾値H3とも比較する第2の比較結果において屋内温度指標T1の値が第3の閾値H3未満の場合、コントローラ11が次の制御を行う。
ここで、第1の比較結果において屋外温度指標T2が屋内温度指標T1より低い場合、屋内温度指標T1と屋外温度指標T2との交点は、図3の第1領域101に属することになる。コントローラ11は、屋内温度指標T1と屋外温度指標T2との交点が第1領域101に属している場合、停止モードを選択する。停止モードを選択したコントローラ11は、空調装置21の冷房運転をオフ制御、自然換気装置22の自然換気動作をオフ制御および機械換気装置23の機械換気動作をオフ制御する。
また、第1の比較結果において屋内温度指標T1が屋外温度指標T2より低い場合、屋内温度指標T1と屋外温度指標T2との交点は、図3の第2領域102に属することになる。コントローラ11は、屋内温度指標T1と屋外温度指標T2との交点が第2領域102に属している場合、自然換気モードを選択することができる。自然換気モードを選択したコントローラ11は、空調装置21の冷房運転をオフ制御、自然換気装置22の自然換気動作をオン制御および機械換気装置23の機械換気動作をオフ制御する。
環境制御システム20では、たとえば、夜更け頃に屋内温度指標T1が下がって、第2の比較結果において屋内温度指標T1が第3の閾値H3よりも低くなれば、屋内の人が寒く感じる場合がある。環境制御システム20は、屋内温度指標T1が第3の閾値H3よりも低い場合、コントローラ11が停止モードを選択して、自然換気装置22の自然換気動作をオフ制御する。
また、環境制御システム20は、たとえば、コントローラ11が停止モードを選択した後、明け方に外気が温まって屋外温度指標T2が上昇し屋内温度指標T1を上回れば、コントローラ11が自然換気モードを選択する。自然換気モードを選択したコントローラ11は、空調装置21の冷房運転をオフ制御、自然換気装置22の自然換気動作をオン制御および機械換気装置23の機械換気動作をオフ制御する。環境制御システム20は、自然換気装置22の自然換気動作をオン制御して、屋外から温かい外気を屋内に取り込むので、屋内の冷え過ぎを抑制することが可能となる。すなわち、本実施形態の環境制御システム20では、屋内が冷え過ぎているとき、屋内の温熱環境を自然換気動作によって低コストで改善することができる。なお、コントローラ11は、第2の比較結果において屋内温度指標T1の値が第3の閾値H3未満であり、第1の比較結果において屋内温度指標T1が屋外温度指標T2より低くければ、自然換気モードを選択する場合だけでなく停止モードを選択してもよい。
本実施形態の環境制御システム20では、屋内温度指標T1および屋外温度指標T2に基づいてコントローラ11が、制御機器2の空調装置21、機械換気装置23や自然換気装置22それぞれを制御する。本実施形態の環境制御システム20は、人が暑さ、寒さを感じる温熱感覚を考慮した空調制御が行われるので、人の快適性を向上させるための空調制御の精度を向上させることが可能となる。
また、環境制御システム20では、たとえば、天候の急変や屋内と屋外との気温差が大きい場合など環境情報が第2の閾値H2を跨いで変化する場合がある。環境制御システム20は、第2の比較結果において屋内温度指標T1の値が第1の閾値H1以上で空調装置21の冷房運転をオン制御した場合、冷房運転のオン制御の開始から計時部15が計時した所定時間の間において冷房運転のオン制御を継続するのが好ましい。
環境制御システム20は、空調装置21の冷房運転をオン制御してから計時部15が時刻を計時して、図3に示す機械換気モードの領域に入っても計時部15の時刻が所定時間を経過するまで空調装置21の冷房運転のオン制御を継続させている。環境制御システム20は、所定時間の経過後、屋内温度指標T1が第1の閾値H1以上であれば冷房運転をオン制御を継続する。この場合、環境制御装置10は、計時部15の時間をリセットして所定時間を始めからカウントする構成としてもよい。言い換えれば、本実施形態の環境制御システム20は、屋内温度指標T1が上昇する場合と屋内温度指標T1が下降する場合とで、空調装置21の冷房運転のオン制御とオフ制御する温度を変えている。これにより、本実施形態の環境制御システム20は、屋内温度指標T1が第2の閾値H2の前後で頻繁に変化する場合でも、空調装置21における冷房運転のオン制御とオフ制御とが頻繁に繰り返されることを抑制することが可能となる。そのため、本実施形態の環境制御システム20では、ユーザは、空調装置21の頻繁なオン制御とオフ制御により不快と感じることを抑制することが可能となる。なお、環境制御システム20では、所定時間を適宜に設定することができる。所定時間は、たとえば、15分から30分で設定することができる。
コントローラ11は、第2の閾値H2未満である第3の閾値H3とも比較する第2の比較結果において屋内温度指標T1の値が第3の閾値H3未満の場合、所定時間内であっても空調装置21の冷房運転をオフ制御させることがより好ましい。これにより本実施形態の環境制御システム20では、ユーザの体感温度に応じて室温が下がり過ぎないようにすることが可能となる。また、本実施形態の環境制御システム20では、不必要な冷房運転を抑制し省エネルギ化に寄与することが可能となる。