JP6327843B2 - 空気調和システム、空気調和機、空気調和方法、及び、プログラム - Google Patents

空気調和システム、空気調和機、空気調和方法、及び、プログラム Download PDF

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Description

本発明は、実際に得られる睡眠の質とユーザが感じる快適さとを両立する空気調和システム、空気調和機、空気調和方法、及び、プログラムに関する。
冷房、暖房、除湿、送風を行う空気調和機において、睡眠中に室内空間を快適に保ち質の良い眠りを得たいというニーズがある。一方、睡眠中に空気調和機を常時運転していると、温度が下がり過ぎて体が冷えてしまったり、温度が上がりすぎて汗ばんでしまったりして、健康に悪影響を及ぼす可能性がある。
特許文献1には、ユーザが自分の好みを予め入力することで、睡眠中おける空気調和機の運転をユーザに合わせて制御する環境制御装置が開示されている。
特開平9−189442号公報
しかしながら、実際の睡眠の質と、起床時にユーザが体感する主観的な睡眠の質とは、一致しない場合があり、ユーザが快適と感じる設定内容では、実際にはユーザは良く眠れていないことがある、という問題があった。
本発明は、上述の事情のもとになされたもので、実際に得られる睡眠の質とユーザが感じる快適さとを両立する空気調和システム、空気調和機、空気調和方法、及び、プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る空気調和システムは、
室内の空気調和を実行する実行部と、
ユーザの睡眠中における生理量を測定する生理量測定部と、
前記ユーザが睡眠する前記室内の環境を表す環境値を測定する環境値測定部と、
前記測定された生理量に基づいて、前記ユーザの睡眠状態を判別する睡眠状態判別部と、
前記実行部により実行された空気調和に対する前記ユーザの評価の入力を受け付ける入力受付部と、
前記判別された睡眠状態と、前記測定された環境値と、前記入力された評価と、に基づいて、前記室内の空気調和を制御する制御パラメータを計算する計算部と、
を備え
前記計算部は、前記ユーザの睡眠時間を、前記判別された睡眠状態による影響を優先する睡眠状態優先フェーズと、前記入力された評価による影響を優先する評価優先フェーズと、に分け、前記睡眠状態優先フェーズと前記評価優先フェーズのそれぞれについて、前記制御パラメータを計算する。
実際に得られる睡眠の質とユーザが感じる快適さとを両立することができる。
空気調和システムの構成を示す図である。 室内機の斜視図である。 空気調和システムの機能的な構成を示す図である。 運転ログの構成例を示す図である。 運転ログの保存処理の流れを説明するフローチャートである。 空気調和処理の流れを説明するフローチャートである。 運転ログの構成例を示す図である。
(実施形態1)
本実施形態の空気調和システム10は、冷凍サイクル回路100に冷媒が還流することにより、室内の空気調和を行う。空気調和システム10は、図1に示すように、室外機20と室内機30とユーザ端末60とを有する。
室外機20は、部屋の外に設置され、圧縮機21、四方弁22、室外熱交換器23、膨張弁24、これら各部を接続する管状の流路20a、吐出温度センサ25を備えている。流路20aは、圧縮機21の吐出側の流路20bや、膨張弁近傍流路20c(膨張弁24の入口側及び出口側の流路)などを含んで構成される。また、室外機20には、制御ユニット40が配置されている。
圧縮機21は、供給された冷媒を圧縮する機器であり、例えば、ロータリー圧縮機、スクロール圧縮機から構成される。圧縮機21は、圧縮後の高温高圧の冷媒を、圧縮機21の吐出側の流路20bを介して、四方弁22に吐出する。また、この流路20bには、吐出温度センサ25が配置されている。吐出温度センサ25は、圧縮機21から吐出された冷媒の温度(吐出温度)を計測する。
四方弁22は、圧縮機21の下流側に設けられている。四方弁22は、冷媒の還流方向を切り替えることで、暖房運転のサイクルと冷房運転のサイクルとのいずれかに切り換える。四方弁22は、制御ユニット40によって制御される。
室外熱交換器23は、流入した冷媒を、蒸発又は凝縮させることで、空気と熱交換させる。これにより、空気は冷却又は加熱される。例えば、冷房運転時においては、室外熱交換器23は、凝縮器として機能して、流入した冷媒を凝縮させる。また、暖房運転時においては、室外熱交換器23は、蒸発器として機能して、流入した冷媒を蒸発させる。
膨張弁24は、流入した冷媒を膨張させる。このとき、冷媒は等エンタルピ膨張し、低圧の冷媒に変化する(即ち、低圧冷媒が生成される。)。膨張弁24は、生成された低圧冷媒を、流路20cを介して送出する。
上述した圧縮機21、四方弁22、室外熱交換器23、及び膨張弁24は、金属製の筐体に収容されている。
室内機30は、室内に設置され、室内熱交換器31と、送風機32と、酸素濃度センサ33と、温度湿度センサ34と、室温センサ50と、流路30aとを備えている。流路30aは、室内熱交換器31と、室外機20の圧縮機21や膨張弁24を接続する。室内機30は、例えば、ユーザが就寝する部屋の壁に設置されている。
図2は、室内機30の斜視図である。なお、図2において、Y軸方向は、室内機30の長手方向であり、Z軸方向は、鉛直方向である。図2に示すように、上述の各部材(図1で示した室内熱交換器31、送風機32、酸素濃度センサ33、絶対湿度センサ34)は、筐体35に覆われている。筐体35は、Y軸方向を長手方向とするもので、筐体35の前面パネルの下方には、冷風や温風を供給するための吹出口35aが形成されている。また、筐体35の上面には、室内の空気を吸い込むための吸込口35bが形成されている。また、筐体35の側面(+Y側の側面)には、室内の空気を取り入れる開口35cが形成されている。この開口35c近傍には、後述する温度湿度センサ34や室温センサ50が取り付けられている。開口35c近傍に、温度湿度センサ34や室温センサ50が取り付けられることにより、室内の絶対湿度や室温を正確に計測できる。
室内熱交換器31は、パイプを冷媒が通過することで、周囲の空気と熱交換して、冷媒を冷却又は加熱する。例えば、冷房運転時においては、室内熱交換器31は、蒸発器として機能して、流入した冷媒を蒸発させる。これにより、室内熱交換器31は、室内熱交換器31の周囲の空気から熱を吸収し、周囲の空気を冷却する。また、暖房運転時においては、室内熱交換器31は、凝縮器として機能して、流入した気体冷媒を凝縮させる。これにより、室内熱交換器31は、室内熱交換器31の周囲の空気に熱を放出し、周囲の空気を加熱する。
本実施形態においては、室内熱交換器31と流路30aと、上述した室外機20の圧縮機21、四方弁22、室外熱交換器23、膨張弁24、吐出温度センサ25等によって、冷凍サイクル回路が構成される。
送風機32は、送風ファンと、送風ファンを回転するファンモータとを有している。送風機32は、送風ファンの回転により、室内熱交換器31によって熱交換された空気を室内に供給する。また、筐体35の吹出口35aには、複数の風向板が取り付けられている。風向板は、送風機32からの空気の供給方向(風向き)を規定するもので、Y軸方向に対して回転可能に支持されている。送風機32からの空気は、送風機32の下側(−Z側)に形成された風路を通り、この風向板に案内されて室内に吹き出される。
酸素濃度センサ33は、室内機30の筐体35内の酸素濃度を計測する。酸素濃度は、冷凍サイクル回路100からの冷媒の漏洩を検知するために用いられる。制御ユニット40は、例えば、酸素濃度が予め設定された設定値以下となった場合、冷凍サイクル回路100から冷媒が漏洩したと判別する。
温度湿度センサ34は、室内の温度と湿度を計測する。温度湿度センサ34は、筐体35の側面に形成された開口35cの裏側近傍に配置されている。送風機32の送風ファンが回転すると、室内の空気は、筐体35の開口35cから取り入れられるため、温度湿度センサ34は、室内の温度と湿度を精度良く計測できる。
室内機30の筐体35の正面には、異常表示ランプ39が設けられている。この異常表示ランプ39は、例えば、冷媒の漏洩が検知された場合に点滅することによって、空気調和機10のユーザに、冷媒が漏洩した旨を報知する。
上述のように構成された室外機20の流路20aと室内機30の流路30aとは、図1に示すように、接続配管11とフレアナット12とによって接続されている。この接続配管11及びフレアナット12によって、冷凍サイクル回路100は、外部から密閉された回路に構成される。また、室外機20の流路には、閉止弁13が設けられている。閉止弁13は、冷凍サイクル回路100の冷媒の流れを閉止したり、開放したりする。
制御ユニット40は、CPU(Central Processing Unit)、主記憶部、補助記憶部、及びこれら各部を相互に接続するバスを有している。制御ユニット40の主記憶部は、RAM(Random Access Memory)等から構成され、CPUの作業領域として用いられる。補助記憶部は、ROM(Read Only Memory)、半導体メモリ等の不揮発性メモリを含んで構成されている。制御ユニット40の補助記憶部は、CPUが実行するプログラム、及び各種パラメータなどを記憶している。
制御ユニット40には、図1に示すように、ケーブル等を介して、酸素濃度センサ33、温度湿度センサ34、及び、吐出温度センサ25が接続されている。制御ユニット40は、酸素濃度センサ33からの酸素濃度と、温度湿度センサ34からの室内の温度と湿度を示す信号と、吐出温度センサ25から吐出温度を示す信号とを受信する。
制御ユニット40は、四方弁22及び送風機32のファンモータに接続されている。制御ユニット40は、CPUの指示に基づいて四方弁22を制御し、冷媒の還流方向を切り替える。また、制御ユニット40は、CPUの指示に基づいて回転数に応じた電圧を加え、送風機32の送風ファンの回転を制御する。
制御ユニット40は、室内に設置されるユーザ端末60と無線通信により通信する。ユーザは、ユーザ端末60を用いて、空気調和に対する評価や起床予定時間等を入力する。ユーザ端末60は、入力されたデータを制御ユニット40に送信する。
制御ユニット40は、ユーザの睡眠状態を表すパラメータを計測する生理量センサと通信する。生理量には、例えば、ユーザの体動、体温、心拍数、発汗量などがある。
本実施形態では、マトリクス状のサーモパイルが配置されたCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)、CCD(Charge Coupled Device)、赤外線カメラ、もしくは暗視カメラを有する生理量センサが室内に設置されている。制御ユニット40は、撮影された熱画素画像を解析して、ユーザの体動を測定する。なお、空気調和機10が生理量センサを内蔵していてもよい。
制御ユニット40は、温度湿度センサ34によって測定された室内の空気の温度と湿度を取得するだけでなく、室外機20が有する温度湿度センサ(図示せず)から、測定された室外の空気の温度と湿度を取得することができる。
制御ユニット40のCPUは、補助記憶部に記憶されたプログラムを実行し、上記各部の統括的な制御を行う。なお、制御ユニット40は、図1においては室外機20内に配置されているが、これに限られず、例えば、室外制御ユニットと室内制御ユニットとで構成して、室外機20と室内機30とのそれぞれに配置されていてもよい。また、室外機20の外部に配置され、例えば、リモコン等に一体に構成されていてもよい。
上述のように構成された空気調和機10は、送風運転、冷房運転、除湿運転、及び、暖房運転を行うことにより、室内の空気調和を行う。送風運転は、冷凍サイクルを動作させずに、送風機32のみによって、空気を供給する運転である。冷房運転、除湿運転、及び、暖房運転は、冷凍サイクルを動作させつつ、送風機32によって、冷風及び温風を供給する運転である。冷房運転及び除湿運転時の冷凍サイクルの動作は、同等である。
次に、本実施形態の空気調和システム10の機能的な構成について、図3を用いて説明する。
生理量測定部301は、ユーザの生理量を測定する。本実施形態では、生理量測定部301は、就寝中におけるユーザの体動の回数を測定する。体動とは、寝返り等、ユーザが姿勢を変化させる動きである。生理量測定部301は、検出結果を睡眠状態判別部304に入力する。制御ユニット40とユーザの体動を測定する生理量センサとが協働して生理量測定部301として機能する。
環境値測定部302は、室内の環境値と室外の環境値を測定する。環境値には、例えば、室内の空気の温度と湿度、室外の空気の温度と湿度、二酸化炭素の濃度、等がある。本実施形態では、環境値測定部302は、温度湿度センサ34によって室内の空気の温度と湿度を測定し、環境値とする。環境値測定部302は、計測された環境値を示すデータを記録部305に入力する。環境値を示すデータは、制御ユニット40が備える不揮発性メモリに保存される。制御ユニット40と温度湿度センサ34とが協働して、環境値測定部302として機能する。
入力受付部303は、翌朝のユーザの起床予定時間、翌日のユーザの行動予定、睡眠前のユーザの行動、空気調和に対する評価等の入力を、ユーザから受け付ける。入力受付部303は、受け付けた各種の情報を、制御ユニット40が備える不揮発性メモリに保存する。制御ユニット40とユーザ端末60とが協働して入力受付部303として機能する。
ユーザ端末60は、CPU、ROM、RAM、NIC(Network Interface Card)、液晶ディスプレイ等の表示デバイス、タッチパネル等の入力デバイス、スピーカを備える。
ユーザ端末60は、例えば、ノート型のパーソナルコンピュータ(PC)、タブレット型PC、多機能型携帯電話機(いわゆるスマートフォン)等である。本実施形態では、制御ユニット40と無線通信ネットワークで接続されるユーザ端末60の入力インタフェースを介してユーザが評価を入力し、ユーザ端末60から制御ユニット40へと評価が送信される。
空気調和に対する評価とは、具体的には、睡眠の快適さや目覚めの良さ等、ユーザ自身の主観的な感想を表す。入力される具体的な内容には、例えば、今暑いと感じるか又は寒いと感じるか、就寝中に暑いと感じたか又は寒いと感じたか、乾燥していると感じるか又はジメジメしていると感じるか、快適な目覚めか否か、良く眠れたか否か、夜中に目が覚めたか否か、寝起きがすっきりしていると感じるか否か、等の評価がある。評価は、回答の候補となる複数の選択肢がユーザに提示され、ユーザが複数の選択肢の中からいずれか一つを選択することによりなされる。本実施形態では、今暑いと感じるか又は寒いと感じるか、及び、乾燥していると感じるか又はジメジメしていると感じるか、という2つの評価をユーザが入力する。
また、入力受付部303は、ユーザの属性の入力を受け付ける。属性とは、例えば、名前、年齢、性別、身長、体重等である。入力された属性を示すデータは、不揮発性メモリに保存される。
睡眠状態判別部304は、生理量測定部301が測定したユーザの生理量に基づいて、ユーザの睡眠の深さと睡眠のリズムを判別する。本実施形態では生理量として体動の回数が生理量測定部301によって測定されるが、制御ユニット40は、単位時間あたりの体動の回数が多ければ睡眠が浅く、少なければ睡眠が深いと判別する。判別結果は、不揮発性メモリに保存される。制御ユニット40が睡眠状態判別部304として機能する。
ヒトの睡眠は、一般的には、眠りが浅い「REM睡眠」と、眠りが深い「ノンREM睡眠」とに大別される。本実施形態では、睡眠状態は更に細かく分類され、「覚醒」、「REM睡眠」、「睡眠深度1」、「睡眠深度2」、「睡眠深度3」、「睡眠深度4」、の6つの状態が定義される。睡眠深度1から4は、ノンREM睡眠を更に4つの段階に分けたものであり、ノンREM睡眠の中では睡眠深度1が最も眠りが浅いことを示し、睡眠深度4が最も眠りが深いことを示す。本実施形態では、睡眠状態判別部304は、ユーザの睡眠状態が、上記6つの睡眠状態のいずれであるかを判別する。
睡眠中のヒトの体動の様相は、睡眠状態によって変化することが知られている。一般的に、深睡眠中及びREM睡眠中の体動数は少なく、睡眠が浅くなるほど体動数が多くなり、覚醒状態では最も体動数が多くなる。制御ユニット40は、睡眠状態を判別するための体動数の閾値を予め実験等により求めて設定しておき、各閾値との比較により睡眠状態を判別することができる。
記録部305は、図4に示すように、生理量測定部301により測定された生理量を示すデータ、環境値測定部302によって測定された環境値を示すデータ、入力受付部303により受け付けられたユーザによる評価やユーザの属性を示すデータ、睡眠状態判別部304により判別された睡眠状態を示すデータを、記録する日付と時刻(いわゆるタイムスタンプ)と対応付けて、不揮発性メモリに保存する。記録部305によって保存されるデータをまとめて運転ログと言う。記録部305は、予め決められた期間内の運転ログ、例えば直近の数日間分、数ヶ月分、又は数年分の運転ログを、不揮発性メモリに保存する。制御ユニット40が記録部305として機能する。
なお、空気調和システム10内に不揮発性メモリを有するコンピュータを別途設置し、記録部305がこの別途設置されたコンピュータ内の不揮発性メモリに運転ログ等の様々なデータを保存するように構成してもよい。
計算部306は、記録部305によって保存された運転ログに基づいて、ユーザにとって良質且つ快適な睡眠を実現可能な制御パラメータを計算する。制御ユニット40が計算部306として機能する。
具体的には、制御パラメータは、睡眠状態優先フェーズの継続時間、評価優先フェーズの継続時間、各フェーズにおける設定温度もしくは設定温度とのオフセット値、風速、風向(ユーザに風を当てるか避けるか)等である。本実施形態では、評価優先フェーズの継続時間と各フェーズでの設定温度とを制御パラメータとする。
計算部306は、ユーザの睡眠時間帯の全体を、睡眠状態優先フェーズと評価優先フェーズとに分ける。典型的には、ユーザの眠りが浅く印象に残りやすいと推測される時間帯には評価優先フェーズが、それ以外の時間帯には睡眠状態優先フェーズが、それぞれ設定される。運転ログに基づいて制御パラメータが設定されることにより、ユーザにとって睡眠の質が良いと感じられ、且つ、ユーザの評価が高かったときにおける環境値が、空気調和システム10によって実現される。
睡眠状態優先フェーズとは、生理量測定部301によって測定された生理量から客観的に判別される、ユーザの睡眠の質を優先するフェーズである。睡眠状態優先フェーズでは、実行部307により実行される空気調和に用いられる制御パラメータに対する影響度は、ユーザの主観的な評価よりも、睡眠状態の方が大きい。
評価優先フェーズとは、ユーザの主観的な評価を優先するフェーズである。それぞれのフェーズに適した設定温度、湿度、風速、風向が、計算部306によって計算される。評価優先フェーズでは、実行部307により実行される空気調和に用いられる制御パラメータに対する影響度は、睡眠状態よりも、ユーザの主観的な評価の方が大きい。
例えば、制御パラメータの一つである空気調和の設定温度(目標温度)Tは、[式1]によって表される。
T = Wa*Ta + Wb*Tb ・・・[式1]
演算子「*」は乗算を表す。Taは判別された睡眠状態のみに基づいて決定される設定温度であり、Tbはユーザによる評価のみに基づいて決定される設定温度である。WaとWbはそれぞれ重み計数であり、0以上1以下の値である。
睡眠状態フェーズでは、計算部306は、0≦Wb<Wa≦1の関係を満たす重み計数Wa,Wbを設定する。一方、評価優先フェーズでは、計算部306は、0≦Wa<Wb≦1の関係を満たす重み計数Wa,Wbを設定する。
例えば、ある環境において生理学的に理想とされる設定温度が摂氏25度(以下、温度の単位は「摂氏」とする。)であり、一方でユーザによる評価が「暑い。3度低い方が良い。」であったとする。睡眠状態優先フェーズでは、計算部306は、Wa=0.8、Wb=0.2に設定し、設定温度Xが[式2]によって計算される。
X = 0.8*25+0.2*22 =24.4度 ・・・[式2]
また、評価優先フェーズでは、計算部306は、Wa=0.2、Wb=0.8に設定し、設定温度が[式3]によって計算される。
X = 0.2*25+0.8*22 =22.6度 ・・・[式3]
つまり、空気調和システム10は、睡眠状態優先フェーズでは24.4度に設定し、評価優先フェーズでは22.6度に設定する。
計算部306は、湿度、風速、風向についても同様に、重み係数を用いて制御パラメータを計算することができる。
また、制御パラメータの一つである睡眠状態優先フェーズの継続時間Yは、[式4]によって表される。
Y = Wc*Yc ・・・[式4]
Ycはユーザの年齢における一般的なノンREM睡眠の継続時間であり、Wcは0より大きい重み係数である。
評価優先フェーズにおける重み計数Wcは、睡眠状態優先フェーズにおける重み係数Wcよりも相対的に大きい値に設定される。
例えば、ユーザの年齢における一般的なノンREM睡眠の継続時間が90分であり、一方でユーザによる評価が「寝付きが悪い」であったとする。睡眠状態優先フェーズでは、計算部306は、重み計数Wc=1.5に設定して継続時間を長めにし、睡眠状態優先フェーズの継続時間Yが[式5]によって計算される。
Y = 1.5*90 = 135分 ・・・[式5]
計算部306は、睡眠開始時刻からこの計算された継続時間が経過するまでの期間を評価優先フェーズに設定する。また、計算部306は、起床予定時刻よりも継続時間だけ前から起床予定時刻までの期間を評価優先フェーズに設定する。計算部306は、残りの期間を睡眠状態優先フェーズに設定する。
なお、計算部306は、睡眠開始時刻に評価優先フェーズに設定し、継続時間の経過後に睡眠状態優先フェーズに設定し、以降、評価優先フェーズと睡眠状態優先フェーズとを交互に繰り返し設定してもよい。これにより、ヒトの睡眠パターンによりマッチした制御パラメータが計算される。
なお、上述した各数式、及び、重み係数等の具体的な数値は、制御パラメータを計算するための例に過ぎず、適宜変更可能である。
実行部307は、計算部306により計算された制御パラメータを用いて空気調和を実行する。室内機30の各部(室内熱交換器31、送風機32等)、及び、室外機20の各部(制御ユニット40、圧縮機21、四方弁22、室外熱交換器23、膨張弁24等)が協働して、実行部307として機能する。
次に、空気調和システム10によって実行される運転ログの保存処理の流れについて、図5のフローチャートを用いて説明する。本実施形態の保存処理は、後述する空気調和処理と並行して実行される。
まず、制御ユニット40は、ユーザからの入力を受け付ける。具体的には、起床予定時刻、起床した後のユーザの予定等の入力が、ユーザ端末60によって受け付けられる。ユーザ端末60は、入力された起床予定時刻を示すデータ等を、無線通信により制御ユニット40に送信する。制御ユニット40は、起床予定時刻を示すデータ等をユーザ端末60から受信する。
ユーザからの入力があった場合(ステップS501;YES)、制御ユニット40は、受け付けた入力の内容を不揮発性メモリに保存する(ステップS502)。ユーザからの入力が無い場合(ステップS501;NO)、ステップS503に移る。
制御ユニット40は、生理量と環境値を測定するタイミングになったか否かを判別する(ステップS503)。
制御ユニット40は、保存処理を開始すると経過時間の計時を開始し、保存処理を開始した時刻から基準時間が経過した場合には、測定タイミングになったと判別し、基準時間が経過していない場合には、測定タイミングではないと判別する。基準時間は、例えば1分、5分、といったように予め決められる。制御ユニット40は、基準時間おきに繰り返し生理量と環境値を測定する。
測定タイミングではないと判別すると(ステップS503;NO)、制御ユニット40は、測定タイミングになるまでステップS501,S502,S503の処理を繰り返す。測定タイミングであると判別すると(ステップS503;YES)、制御ユニット40は、生理量を測定し(ステップS504)、測定された生理量を不揮発性メモリに保存する。
制御ユニット40は、ステップS504で測定された生理量に基づいて、ユーザの睡眠状態を判別する(ステップS505)。
制御ユニット40は、生理量センサにより取得された熱画素画像を解析し、ユーザの頭部や手足などの部位の位置と姿勢を判別する。制御ユニット40は、各部位の位置と姿勢を表すデータの履歴を不揮発性メモリに保存する。そして、制御ユニット40は、過去の各部位の位置と姿勢と、現在の各部位の位置と姿勢とを比較して、ユーザの体動を判別する。制御ユニット40は、直近にユーザが就寝してからのユーザの体動の回数を計算する。そして、制御ユニット40は、ユーザの体動の回数に基づいて、ユーザの睡眠状態を判別する。
制御ユニット40は、ステップS505で判別した睡眠状態を示す値を不揮発性メモリに保存する(ステップS506)。
また、制御ユニット40は、環境値を測定する(ステップS507)。本実施形態では、制御ユニット40は、室内の温度と湿度を環境値に用いる。睡眠状態が判別された時刻における環境値が得られる。
制御ユニット40は、ステップS507で測定された環境値を不揮発性メモリに保存する(ステップS508)。
制御ユニット40は、起床予定時刻に基づいて、ユーザが起床したか否かを判別する(ステップS509)。制御ユニット40は、生理量センサにより取得された熱画素画像の解析結果に基づいて、ユーザが起床したか否かを判別してもよい。
ユーザが起床していないと判別した場合(ステップS509;NO)、制御ユニット40は、ステップS501〜S509の処理を繰り返す。
ユーザが起床したと判別した場合(ステップS509;YES)、制御ユニット40は、ユーザの評価の入力を受け付ける(ステップS510)。ユーザは、ユーザ端末60を用いて、睡眠に対する評価を入力する。更に、ユーザは、ユーザ端末60を用いて、室内の温度に対する評価を“暑い”“快適”“寒い”の3段階で評価し、また、室内の湿度に対する評価を“乾いている”“普通”“ジメジメしている”の3段階で評価する。
制御ユニット40は、ユーザ端末60によって入力された評価を示すデータを受信し、不揮発性メモリに保存する(ステップS511)。なお、ユーザが起床したと判別してから、予め定めた時間(例えば、10分間)が経過しても、ユーザの評価を示すデータが受信されない場合(即ち、ユーザが評価を入力しない場合)、制御ユニット40は、睡眠、温度及び湿度のそれぞれについて既定の評価を受けたものとみなし、その旨を示すデータを不揮発性メモリに保存する。
以上の保存処理により、運転ログが保存される。保存された運転ログは、次に説明する空気調和処理において用いられる。
次に、空気調和システム10によって実行される空気調和処理の流れについて、図6のフローチャートを用いて説明する。空気調和システム10は、過去の運転ログに基づいて温度や風量等を調整し、ユーザに快適な睡眠を得られる環境を提供する。
まず、制御ユニット40は、不揮発性メモリに保存されている運転ログを取得する(ステップS601)。
制御ユニット40は、運転ログを解析して、空気調和を実行するための制御パラメータを決定する(ステップS602)。本実施形態では、睡眠状態優先フェーズにおける設定温度と、評価優先フェーズにおける設定温度と、評価優先フェーズの継続時間と、の3つを制御パラメータとする。
より詳細には、制御ユニット40は、過去の運転ログを参照し、睡眠状態が規則的に深睡眠とREM睡眠を繰り返していて良質な睡眠が得られ、且つ、外気温と本日の外気温との差が1度以内であったときの過去の室内の温度の平均値を計算する。そして、制御ユニット40は、計算された値を、睡眠状態優先フェーズにおける設定温度に決定する。
また、制御ユニット40は、過去の運転ログを参照し、起床時に温度が暑くも寒くもなく快適と評価され、且つ、外気温と本日の外気温との差が1度以内であった時の過去の室内の温度の平均値を計算する。そして、制御ユニット40は、計算値を、評価優先フェーズにおける設定温度に決定する。
また、制御ユニット40は、過去の運転ログを参照し、質の良い睡眠が得られていたと推測されるにもかかわらずユーザの評価が低かった時の評価優先フェーズの継続時間の最大値に、予め決められた値(本実施形態では10分)を加算する。そして、制御ユニット40は、計算された時間長を、評価優先フェーズの継続時間に決定する。
良質な睡眠が得られていたと推測されるにもかかわらずユーザ評価が低い場合、実際の睡眠状態とユーザの主観とが食い違っていることを表していることになる。制御ユニット40は、起床時の空気調和への評価に反映されやすい評価優先フェーズの継続時間をより長く設定し、且つ、評価優先フェーズにおける設定温度を調整する。
制御ユニット40は、ユーザのスケジュール(より詳細には就寝予定時刻と起床予定時刻)に基づいて、ユーザが睡眠中か否かを判別する(ステップS603)。制御ユニット40は、生理量センサにより取得された熱画素画像の解析結果に基づいて、ユーザが就寝したか否かを判別してもよい。
ユーザが就寝していないと判別された場合(ステップS603;NO)、制御ユニット40は、空気調和処理を待機する。なお、ユーザが就寝していない場合、冷暖房のオン・オフや設定温度の変更等の指示が、ユーザから直接入力される可能性がある。ユーザから直接指示が入力された場合には、制御ユニット40は、入力された指示に従って空気調和システム10を運転させる。
ユーザが就寝したと判別された場合(ステップS603;YES)、制御ユニット40は、現在の睡眠フェーズを判別する(ステップS604)。制御ユニット40は、就寝したと判別した時刻から現在時刻までの時間の長さが、評価優先フェーズの継続時間よりも短い場合には、評価優先フェーズであると判別する。また、制御ユニット40は、現在時刻から起床予定時刻までの時間の長さが、評価優先フェーズの継続時間よりも短い場合には、評価優先フェーズであると判別する。それ以外の場合には、制御ユニット40は、睡眠状態優先フェーズであると判別する。
制御ユニット40は、ステップS604において判別された睡眠フェーズに対応する、空気調和システム10を運転するための制御パラメータを、取得する(ステップS605)。例えば、現在時刻における睡眠フェーズが睡眠状態優先フェーズであれば、ステップS602で決定された制御パラメータのうち、睡眠状態優先フェーズにおける設定温度を、今から用いる制御パラメータとして取得する。
そして、制御ユニット40は、ステップS605で取得した制御パラメータを用いて、空気調和を行う(ステップS606)。例えば、現在の睡眠フェーズが睡眠状態優先フェーズと判別され、且つ、睡眠状態優先フェーズにおける設定温度が24度と計算されたならば、制御ユニット40は、睡眠状態が評価優先フェーズに切り替わるまでの間、設定温度を24度にセットして運転する。
ステップS604〜S606の処理は、ユーザが就寝している間、繰り返し実行される。睡眠フェーズは、時間帯によって睡眠状態優先フェーズと評価優先フェーズのどちらかに設定される。就寝直後であれば評価優先フェーズに設定されるが、上述の継続時間が経過した後には睡眠状態優先フェーズに変更される。また、起床予定時刻に近づけば、再び評価優先フェーズに変更される。つまり、ユーザが快適な睡眠を得られるように、フェーズごとに設定温度、設定風量、設定風向等が逐次変更される。
制御ユニット40は、ユーザが起床したか否かを判別する(ステップS607)。本実施形態では、制御ユニット40は、予め入力された起床予定時刻になればユーザが起床したとみなす。ただし、制御ユニット40は、生理量センサにより取得された熱画素画像の解析結果に基づいて、ユーザが起床したか否かを判別してもよい。
ユーザが起床していないと判別された場合(ステップS607;NO)、制御ユニット40は、ステップS604〜S607の処理を繰り返す。ユーザが起床したと判別された場合(ステップS607;YES)、制御ユニット40は、空気調和処理を終了する。
本実施形態によれば、空気調和システム10は、ユーザに快適な睡眠を提供することができる。空気調和システム10は、睡眠時間を睡眠状態優先フェーズと評価優先フェーズとに分け、それぞれのフェーズにおいて、過去の運転ログに基づいて、ユーザに客観的に質の良い睡眠を提供することができるだけでなく、ユーザが快適と感じることができる睡眠環境を実現することができる。空気調和システム10は、ユーザの個人差に合わせた空気調和を行うことができる。空気調和システム10は、客観的な睡眠の質と、ユーザが起床時に体感する主観的な睡眠の質と、を両立する空気調和を実現することができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。また、上述した実施形態の各構成要素を自由に組み合わせることも可能である。
上記実施形態では、室内機30が温度湿度センサ34を内蔵する。しかし、室内に温度と湿度を計測するセンサを別途設け、制御ユニット40がこのセンサと通信し、都度測定された温度と湿度をセンサから受信してもよい。
制御ユニット40は、室外機20に内蔵された温度湿度センサ34から室外の空気の温度と湿度を取得する代わりに、通信ネットワーク(典型的にはインターネット)上のサーバから、空気調和システム10が設置されている場所付近の温度と湿度を取得してもよい。
制御ユニット40は、ユーザから起床予定時刻等の入力を毎回(就寝のたびに)取得してもよいし、予め決められた繰り返しスケジュールに基づいて起床予定時刻を取得してもよい。
例えば、制御ユニット40は、毎日夜23時を就寝予定時刻とし翌朝7時を起床予定時刻とする繰り返しスケジュールの入力を受け付けると、ステップS501において就寝予定時刻と起床予定時刻の入力がなくても、繰り返しスケジュールによって示される就寝予定時刻になると生理量等の測定タイミングになったと判別し(ステップS504;YES)、繰り返しスケジュールによって示される起床予定時刻になるとユーザが起床したと判別してもよい(ステップS509;YES)。
繰り返しスケジュールは、曜日ごとに繰り返すものであってもよいし、平日のみ繰り返す、あるいは休日のみ繰り返すものであってもよい。
制御ユニット40は、翌日の起床予定時刻の入力を受け付けた時刻を就寝時刻として扱ってもよい。制御ユニット40は、起床予定時刻の入力を受け付けると、ユーザが就寝した(ステップS603;YES)と判別してもよい。この場合、ユーザは、就寝予定時刻あるいは就寝時刻を明示的に入力しなくて済む。
ユーザが深睡眠から目覚まし時計のアラーム等によって起床した場合、一般に、REM睡眠や浅睡眠から起床した場合と比較して、目覚めが悪いとユーザが感じる傾向にある。また、起床直前の睡眠状態によって、ユーザが快適と感じる空調環境が異なることがある。そこで、制御ユニット40は、起床時のユーザの評価と共に起床直前の睡眠状態を運転ログに記録することとし、当日の運転ログと過去の運転ログとを比較してもよい。そして、制御ユニット40は、起床直前のユーザの睡眠状態と類似もしくは合致する過去の睡眠状態における評価に基づいて、制御パラメータを計算してもよい。これにより、起床時の目覚めの良し悪しによる評価のぶれによって快適な空気調和ができない事態を防ぐことができる。
例えば、上述の空気調和処理によって空気調和を実行していて、起床予定時刻より基準時間前(X分前。Xは正の数で任意。)になったときにユーザの睡眠状態が睡眠深度3であり、且つ、過去に睡眠深度3から覚醒になったケースにおけるユーザの評価が「暑い」であったとすると、睡眠深度3のユーザが起きたときに、同じく「暑い」という感想を持つ可能性が高い。そこで、制御ユニット40は、起床予定時刻よりX分前に設定される判別時刻に、空気調和の設定温度を下げる、設定風量を大きくするといった、体感温度を下げる処理を実行する。これにより、ユーザが起床時により快適に感じるように空気調和を行うことができる。勿論、空気調和システム10は、体感温度を上げる処理を行うこともできる。
制御ユニット40は、ユーザの起床直前の睡眠状態と類似もしくは合致する睡眠状態における過去の評価の件数が、予め決められた件数以上の場合には、過去の評価に基づいて制御パラメータを計算して設定し、予め決められた件数未満の場合には、制御パラメータを変更せずにそのまま運転を継続してもよい。
制御ユニット40は、図7に示すように、ユーザを識別するユーザID等と対応付けて、運転ログを保存してもよい。そして、制御ユニット40は、ユーザごとに異なる空気調和処理を行ってもよい。
例えば、ステップS501において、ユーザは自分のユーザ識別情報(ユーザID)を入力し、制御ユニット40は空気調和の対象ユーザを判別する。そして、制御ユニット40は、生理量と環境値と評価値を、入力されたユーザIDと対応付けて不揮発性メモリに保存する。また、ステップS601において、制御ユニット40は、保存されたすべての運転ログのうち、入力されたユーザIDと対応付けられた運転ログを取得する。そして、制御ユニット40は、入力されたユーザIDに対応するユーザごとに適した空気調和処理を実行する。これにより、複数のユーザが空気調和システム10を共有することができ、それぞれのユーザに快適な睡眠を提供することができる。
ユーザを一意に認識できるのであれば、ユーザIDの代わりに、ユーザ名、電子メールアドレス等を用いてもよい。
ユーザごとに異なるユーザ端末60を設け、ユーザが自分専用のユーザ端末60を使用して起床予定時刻や評価等を入力するように構成してもよい。ユーザ端末60は、MAC(Media Access Control)アドレス等、ユーザ端末60ごとに固有の識別情報と共に、起床予定時刻や評価等を制御ユニット40に送信してもよい。そして、制御ユニット40は、ユーザ端末60ごとに固有の識別情報に予め対応付けられるユーザIDを判別し、判別したユーザIDが示すユーザごとに適した空気調和処理を実行してもよい。これにより、ユーザが自身のユーザIDを入力する手間を省くことができる。
上記の空気調和システム10の全部又は一部としてコンピュータを動作させるためのプログラムを、メモリカード、CD−ROM、DVD、MO(Magneto Optical disk)などのコンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これを別のコンピュータにインストールし、上述の手段として動作させ、あるいは、上述の工程を実行させてもよい。
さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
以上のように、上記各実施形態によれば、実際に得られる睡眠の質とユーザが感じる快適さとを両立することができる。
1 エネルギーマネジメントシステム、10 空気調和機、11 接続配管、12 フレアナット、13 閉止弁、20 室外機、20a,20b,20c 流路、21 圧縮機、22 四方弁、23 室外熱交換器、24 膨張弁、25 吐出温度センサ、30 室内機、 30a 流路、31 室内熱交換器、32 送風機、33 酸素濃度センサ、34 温度湿度センサ、35 筐体、35a 吹出口、35b 吸込口、35c 開口、39 異常表示ランプ、40 制御ユニット、50 室温センサ、301 生理量測定部、302 環境値測定部、303 入力受付部、304 睡眠状態判別部、305 記録部、306 計算部、307 実行部

Claims (13)

  1. 室内の空気調和を実行する実行部と、
    ユーザの睡眠中における生理量を測定する生理量測定部と、
    前記ユーザが睡眠する前記室内の環境を表す環境値を測定する環境値測定部と、
    前記測定された生理量に基づいて、前記ユーザの睡眠状態を判別する睡眠状態判別部と、
    前記実行部により実行された空気調和に対する前記ユーザの評価の入力を受け付ける入力受付部と、
    前記判別された睡眠状態と、前記測定された環境値と、前記入力された評価と、に基づいて、前記室内の空気調和を制御する制御パラメータを計算する計算部と、
    を備え
    前記計算部は、前記ユーザの睡眠時間を、前記判別された睡眠状態による影響を優先する睡眠状態優先フェーズと、前記入力された評価による影響を優先する評価優先フェーズと、に分け、前記睡眠状態優先フェーズと前記評価優先フェーズのそれぞれについて、前記制御パラメータを計算する
    空気調和システム。
  2. 前記測定された環境値と、前記判別された睡眠状態と、前記受け付けられた前記ユーザの評価と、を含む運転ログを記録する記録部を更に備え、
    前記計算部は、前記睡眠状態優先フェーズでは、前記記録された運転ログのうち前記判別された睡眠状態による前記制御パラメータへの影響度を相対的に大きく設定し、前記評価優先フェーズでは、前記記録された運転ログのうち前記受け付けられた前記ユーザの評価による前記制御パラメータへの影響度を相対的に大きく設定する、
    求項に記載の空気調和システム。
  3. 前記入力受付部は、前記ユーザの就寝時刻と起床予定時刻の入力を更に受け付け、
    前記計算部は、前記就寝時刻から前記起床予定時刻までの期間を、前記睡眠状態優先フェーズに属する期間と前記評価優先フェーズに属する期間とに分ける、
    求項又はに記載の空気調和システム。
  4. 前記入力受付部は、前記ユーザの起床予定時刻の入力を更に受け付け、
    前記計算部は、前記起床予定時刻の入力を受け付けた時刻から前記起床予定時刻までの期間を、前記睡眠状態優先フェーズに属する期間と前記評価優先フェーズに属する期間とに分ける、
    求項又はに記載の空気調和システム。
  5. 前記測定された環境値と、前記判別された睡眠状態と、前記受け付けられた前記ユーザの評価と、を含む運転ログを記録する記録部を更に備え、
    前記入力受付部は、前記ユーザの起床予定時刻の入力を更に受け付け、
    前記計算部は、前記起床予定時刻の入力を受け付けた時刻から前記起床予定時刻までの期間を、前記睡眠状態優先フェーズに属する期間と前記評価優先フェーズに属する期間とに分け、
    前記計算部は、前記記録されている運転ログのうち、前記起床予定時刻より基準時間前の前記ユーザの睡眠状態が前記判別された睡眠状態と類似もしくは合致する過去の睡眠状態における評価に基づいて、前記制御パラメータを計算する、
    求項に記載の空気調和システム。
  6. 前記入力受付部は、前記ユーザの起床予定時刻の入力を更に受け付け、
    前記計算部は、前記起床予定時刻の入力を受け付けた時刻から前記起床予定時刻までの期間を、前記睡眠状態優先フェーズに属する期間と前記評価優先フェーズに属する期間とに分け、
    前記計算部は、前記記録されている運転ログのうち、前記起床予定時刻より基準時間前の前記ユーザの睡眠状態が前記判別された睡眠状態と類似もしくは合致する過去の睡眠状態における評価に基づいて、前記制御パラメータを計算する、
    求項に記載の空気調和システム。
  7. 前記入力受付部は、前記ユーザを識別するユーザ識別情報の入力を更に受け付け、
    前記測定された環境値と、前記判別された睡眠状態と、前記受け付けられた前記ユーザの評価と、を含む運転ログを、前記ユーザ識別情報と対応付けて記録する記録部を更に備え、
    前記計算部は、前記記録された運転ログのうち、前記受け付けられたユーザ識別情報に対応付けられている運転ログに基づいて、前記制御パラメータを計算する、
    求項1に記載の空気調和システム。
  8. 前記入力受付部は、前記ユーザを識別するユーザ識別情報に予め対応付けられているユーザ端末から前記ユーザの評価の入力を受け付け、
    前記測定された環境値と、前記判別された睡眠状態と、前記受け付けられた前記ユーザの評価と、を含む運転ログを、前記ユーザ識別情報と対応付けて記録する記録部を更に備え、
    前記計算部は、前記記録された運転ログのうち、前記ユーザ端末に対応するユーザ識別情報に対応付けられている運転ログに基づいて、前記制御パラメータを計算する、
    求項1に記載の空気調和システム。
  9. 前記生理量測定部は、前記ユーザの体動の回数を、前記生理量として測定する、
    求項1から8のいずれか1項に記載の空気調和システム。
  10. 前記環境値測定部は、前記室内の温度、前記室内の湿度、室外の温度、前記室外の湿度、のうち少なくともいずれか一つを前記環境値として測定する、
    求項1から8のいずれか1項に記載の空気調和システム。
  11. 室内の空気調和を実行する実行部と、
    ユーザの睡眠中に測定された生理量に基づいて、前記ユーザの睡眠状態を判別する睡眠状態判別部と、
    前記判別された睡眠状態と、前記ユーザが睡眠する前記室内の環境を表す環境値と、前記実行された空気調和に対する前記ユーザによる評価と、に基づいて、前記室内の空気調和を制御する制御パラメータを計算する計算部と、
    を備え
    前記計算部は、前記ユーザの睡眠時間を、前記判別された睡眠状態による影響を優先する睡眠状態優先フェーズと、入力された前記評価による影響を優先する評価優先フェーズと、に分け、前記睡眠状態優先フェーズと前記評価優先フェーズのそれぞれについて、前記制御パラメータを計算する
    空気調和機。
  12. 室内の空気調和を実行する実行ステップと、
    ユーザの睡眠中に測定された生理量に基づいて、前記ユーザの睡眠状態を判別する睡眠状態判別ステップと、
    前記判別された睡眠状態と、前記ユーザが睡眠する前記室内の環境を表す環境値と、前記実行された空気調和に対する前記ユーザによる評価と、に基づいて、前記室内の空気調和を制御する制御パラメータを計算する計算ステップと、
    を備え
    前記計算ステップでは、前記ユーザの睡眠時間を、前記判別された睡眠状態による影響を優先する睡眠状態優先フェーズと、入力された前記評価による影響を優先する評価優先フェーズと、に分け、前記睡眠状態優先フェーズと前記評価優先フェーズのそれぞれについて、前記制御パラメータを計算する
    空気調和方法。
  13. コンピュータを、
    室内の空気調和を実行する実行部、
    ユーザの睡眠中に測定された生理量に基づいて、前記ユーザの睡眠状態を判別する睡眠状態判別部、
    前記判別された睡眠状態と、前記ユーザが睡眠する前記室内の環境を表す環境値と、前記実行された空気調和に対する前記ユーザによる評価と、に基づいて、前記室内の空気調和を制御する制御パラメータを計算する計算部、
    として機能させ
    前記計算部は、前記ユーザの睡眠時間を、前記判別された睡眠状態による影響を優先する睡眠状態優先フェーズと、入力された前記評価による影響を優先する評価優先フェーズと、に分け、前記睡眠状態優先フェーズと前記評価優先フェーズのそれぞれについて、前記制御パラメータを計算する
    プログラム。
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