JP7421370B2 - 快眠住環境支援システム - Google Patents

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この発明は、快眠住環境支援システムに関するものである。
住宅に対し、快適に眠るための住環境が得られるように支援するシステムを備えることが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2007-44201号公報 特開2013-178064号公報
しかしながら、上記特許文献に記載された支援システムは、いずれも、設定した時間に合わせて室温などの住環境を調整するものとなっているが、単純に時間に応じて室温などを調整するだけだと、ユーザーに的確にマッチした快眠環境を提供するのが難しかった。
そこで、本発明は、上記した問題点の改善に寄与することを主な目的としている。
上記課題に対して、本発明は、
睡眠状態を計測する睡眠計測部と、
住環境データを計測して記録する住環境計測部と、
睡眠に対する主観データを取得する主観データ取得部と、
前記睡眠計測部からの前記睡眠状態のデータ、前記住環境計測部からの前記住環境データ、および、快眠のためのアドバイスを提供するアドバイス提供部と、を備え、
前記睡眠計測部は、前記睡眠状態として、睡眠規則性、睡眠効率、入眠潜時を測定し、
前記アドバイス提供部は、前記睡眠状態から睡眠のパターンを判定し、判定された睡眠のパターンと前記住環境データとを考慮して、第1のアドバイスを作成すると共に、
該第1のアドバイスに基づいた住環境が得られるように、住環境調整装置の制御部へ制御信号を送り、
前記主観データ取得部は、睡眠に対する充足感、住環境に対する満足度、要望の少なくとも一つ以上を把握し、
前記アドバイス提供部は、
前記主観データ取得部からの前記主観データに不満がある場合に、
前記住環境データと照らし合わせて、
住環境を改善するように前記アドバイスを作成すると共に、該アドバイスに基づいた住環境が得られるように、前記住環境調整装置の前記制御部へ前記制御信号を送る快眠住環境支援システムを特徴とする。
本発明によれば、上記構成によって、ユーザーに的確にマッチした快眠環境を提供し得るようになる。
実施例にかかる快眠住環境支援システムの構成図である。 この実施例にかかる快眠住環境支援システムの原理または概要を示す図である。 快眠住環境支援システムの動作を示すフローチャートである。 睡眠の質の悪さ(寝苦しさ)の要因が温度の場合の制御例を示すグラフである。このうち、(a)は、夏の寝室における、時間の経過に応じた温度(住環境データ)の変化を示すグラフであり、(b)は、時間の経過に応じた体動(睡眠状態のデータ)を示すグラフである。 睡眠の質の悪さ(寝苦しさ)の要因が湿度の場合の制御例を示すグラフである。このうち、(a)は、夏の寝室における、時間の経過に応じた湿度(住環境データ)の変化を示すグラフであり、(b)は、時間の経過に応じた体動(睡眠状態のデータ)を示すグラフである。 冬における、睡眠の質の悪さ(冷え)の要因が温度の場合の制御例を示すグラフである。このうち、(a)は、冬のリビングにおける、時間の経過に応じた温度(住環境データ)の変化を示すグラフであり、(b)(c)は、時間の経過に応じた体動(睡眠状態のデータ)を示すグラフである((b)は制御を行わなかった場合、(c)は制御を行った場合)。 冬における、睡眠の質の悪さ(冷え)の要因が湿度の場合の制御例を示すグラフである。このうち、(a)は、冬の寝室における、時間の経過に応じた湿度(住環境データ)の変化を示すグラフであり、(b)は、時間の経過に応じた体動(睡眠状態のデータ)を示すグラフである。 睡眠の質の悪さの要因が光環境の場合の制御例を示すグラフである。このうち、(a)は、リビングにおける、時間の経過に応じた照度(住環境データ)の変化を示すグラフであり、(b)(c)は、時間の経過に応じた体動(睡眠状態のデータ)を示すグラフである((b)は制御を行わなかった場合、(c)は制御を行った場合)。 睡眠の質の悪さの要因が寝室の光環境の場合の制御例を示すグラフである。このうち、(a)は、寝室における、時間の経過に応じた照度(住環境データ)の変化を示すグラフであり、(b)は、時間の経過に応じた体動(睡眠状態のデータ)を示すグラフである。 睡眠リズムのズレを修正するための温熱光制御を示すグラフである。このうち、(a)は床温の制御、(b)は照明の制御である。 平日-休日間のズレを示すものである。 平日の連続したズレを示すものである。 日照時間に応じた睡眠時間の変化を示すグラフである。
以下、本実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
図1~図13は、この実施の形態を説明するためのものである。
<構成>以下、快眠住環境支援システムの構成について説明する。
住宅に対し、図1に示すような快眠住環境支援システム1を備えることで、快眠住環境支援システム1によって、快適に眠るための住環境が得られるように、ユーザーを支援させるようにする。
(1)快眠住環境支援システム1は、
(ユーザーの)睡眠状態2を計測する睡眠計測部3と、
住環境データ4を計測して記録する住環境計測部5と、
(ユーザーの)睡眠に対する主観データ6を取得する主観データ取得部7と、
睡眠計測部3からの睡眠状態2のデータ、住環境計測部5からの住環境データ4、および、主観データ取得部7からの主観データ6などの各データに基いて、快眠のためのアドバイス8を提供するアドバイス提供部9と、を備えている。
ここで、快眠住環境支援システム1は、快眠(快適な睡眠)ができる住環境が得られるようにユーザーを支援するためのシステムである。快眠住環境支援システム1は、例えば、快眠住環境支援用ソフトをインストールしたコンピュータなどによって構成される。快眠住環境支援用ソフトには、例えば、AI(人工知能)技術を搭載したものを使用することができる。AIには最適な教師データによって学習済みのAIエンジンが備えられる。
ユーザーは、快眠住環境支援システム1を備えた住宅の住人のことである。
睡眠状態2については後述する。
睡眠計測部3は、例えば、快眠住環境支援用ソフトの機能ブロックとして構成することができる。睡眠計測部3は、例えば、スマートウォッチなどのウェアラブル多機能端末を睡眠計測手段11に用いて睡眠状態2のデータを計測する。スマートウォッチなどのウェアラブル多機能端末は、計時機能の他に、例えば、血圧計、心拍計、歩数計、活動量計、睡眠検測などの様々な機能を有しているため、睡眠計測部3として使うことができる。スマートウォッチなどのウェアラブル多機能端末は、例えば、内蔵されている加速度計などを用いて睡眠時のユーザーの体動などを検出することで、睡眠検測を行うことができる。計測した睡眠状態2のデータは、記憶部12に記録しても良い。記憶部12は、例えば、快眠住環境支援システム1に設けられたメモリ(内部メモリ)や、快眠住環境支援システム1の外部に接続されたメモリ(外部メモリ)などを用いることができる。但し、睡眠計測手段11は、スマートウォッチなどのウェアラブル多機能端末に限るものではない。
住環境は、住宅や寝室などにおける、睡眠に関連する環境のことである。住環境については後述する。住環境データ4は、住環境に関するデータのことである。住環境データ4については後述する。
住環境計測部5は、例えば、快眠住環境支援用ソフトの機能ブロックとして構成することができる。住環境計測部5は、住環境センサー13などの住環境計測手段を用いて住環境データ4を計測し、記憶部12に住環境データ4を記録する。住環境センサー13は、必要な住環境データ4が計測できればどのようなものをどのように用いても良い。
主観データ6は、睡眠に関するユーザーの主観的なデータのことである。主観データ6は、例えば、睡眠に対する充足感や住環境に対する満足度、要望などとすることができる。取得した主観データ6は、記憶部12に記録することができる。
主観データ取得部7は、例えば、快眠住環境支援用ソフトの機能ブロックとして構成することができる。主観データ取得部7は、例えば、チャットボットの機能が搭載されたタブレットなどの多機能端末やAIスピーカーなどの主観データ取得手段14を用いて、例えば、ユーザーとの対話(または対話的手法)によって主観データ6を取得する。ユーザーとの対話は、予め定めておいたシナリオなどに基いて学習しながら行うようにすることができる。
アドバイス8には、ユーザーに対して一般的に出されるものや、特別な状況のときに出されるものなど各種のものが含まれる。アドバイス8には、睡眠に直接関係するものや、食事法や運動法や健康法や日光浴の勧めなどのような睡眠に間接的に関係しているものや、その他のものなどが広く含まれる。アドバイス8については後述する。アドバイス8の提供は、例えば、主観データ6の取得と共に、朝や夜などに定期的に行うことができる。提供するアドバイス8は、記憶部12に記録することができる。
アドバイス提供部9は、睡眠状態2のデータや、住環境データ4や、主観データ6などを処理して、快眠のためのアドバイス8を作成する機能やその他の機能などを備えている。アドバイス提供部9は、例えば、快眠住環境支援用ソフトの機能ブロックとして構成することができる。アドバイス提供部9は、例えば、タブレットなどの多機能端末やAIスピーカーなどのアドバイス提供手段15を用いて快眠のためのアドバイス8をユーザーに提供する。アドバイス提供手段15は、主観データ取得手段14と同じものを用いても良いし、異なるものを用いても良い。
(2)睡眠計測部3は、睡眠状態2として、睡眠規則性、睡眠効率、入眠潜時などの睡眠指標(の少なくとも一つ以上)を測定するようにしても良い。
ここで、睡眠規則性は、睡眠が規則的に行われているかどうかについての睡眠指標である。睡眠規則性は、毎日の起床時間や就寝時間を計測して記録することで得ることができる。
睡眠効率は、睡眠が効率的に行われているかどうかについての睡眠指標である。睡眠効率は、就床時間に対する睡眠時間の割合として表される。就床時間は、寝てから起きるまでの時間であり、起床時間および就寝時間のデータから得ることができる。睡眠時間は、実際に眠った時間である。睡眠効率の悪化原因には、例えば、途中覚醒などがある。よって、睡眠時間は、就床時間から途中覚醒の時間を差し引いたものなどとすることができる。途中覚醒の有無や回数や時間などは、例えば、睡眠計測手段11によって、就寝中のユーザーの体動を計測することで得ることができる。
入眠潜時は、覚醒状態から眠りに入るまでの所要時間(寝付くまでの時間)のことである。入眠潜時は、睡眠計測手段11によって、就寝中のユーザーの体動を計測することで得ることができる。
睡眠指標は、睡眠状態2を判断するための指標のことであり、上記した睡眠規則性、睡眠効率(途中覚醒)、入眠潜時は、現在のところ、学術的に最も重要な睡眠指標とれされているものである。これらの睡眠指標は、上記したように起床時間や就寝時間や就寝中のユーザーの体動などを計測することで得ることができる。起床時間や就寝時間や就寝中のユーザーの体動などは、上記した睡眠計測手段11(スマートウォッチなどのウェアラブル多機能端末)を身につけて就寝することで得ることができる。また、これらの睡眠指標は、主観データ6などからも得ることができる。
(3)住環境計測部5は、住環境データ4として、睡眠に影響のある室温、床温、湿度、照度、色温度など(の少なくとも一つ以上)を、時間と共に計測するようにしても良い。
ここで、室温は、住宅内(例えば、住宅全体またはリビングなど、以下同様)または寝室内の空気温度のことである。
床温は、住宅内または寝室の床面の温度(床面温度、床温度)のことである。
湿度は、住宅内または寝室内の湿度のことである。
照度は、住宅内または寝室の照明の明るさのことである。
色温度は、住宅内または寝室の照明の色調のことである。
時間と共にとは、室温、床温、湿度、照度、色温度などの推移を時間の経過に沿って計測することである。そのために、上記した住環境センサー13には、室温、床温、湿度、照度、色温度などを検知できるもの、例えば、室温センサー、床温センサー、湿度センサー、照度センサー、色温度センサーなどと、時間を計測できるタイマーなどが用いられる。時間の計測機能は、快眠住環境支援システム1全体で使われるため、時間を計測するタイマーは、快眠住環境支援システム1に備えられたものを共同で統一的に使用しても良いし、快眠住環境支援システム1の各部にそれぞれ設けられているものをそれぞれ個別に使用しても良い。
(4)アドバイス提供部9は、睡眠状態2から睡眠のパターンを判定し、判定された睡眠のパターンと住環境データ4とを考慮して、第1のアドバイス8aを作成すると共に、
第1のアドバイス8aに基づいた住環境が得られるように、住環境調整装置21の制御部22へ制御信号23を送るようにしても良い。
ここで、アドバイス提供部9は、少なくとも、睡眠のパターン(睡眠パターン)を判定するための睡眠パターン判定部と、第1のアドバイス8aなどのアドバイス8を作成するためのアドバイス作成部と、住環境調整装置21の制御部22へ制御信号23を送るための制御信号発生部とを有するものとなる。
睡眠のパターンは、例えば、1.快眠、2.睡眠浅い、3.入眠しにくい、4.(睡眠が)浅く入眠しにくい、5.不規則、6.不規則途中覚醒、7.不規則寝付きにくい、8.不規則眠り浅く寝付きにくい、などの8段階に分類することができる。これらのうち、1~4は、規則的な睡眠であり、5~8は、不規則な睡眠である。そして、1が良好な睡眠で、2~8は問題がある睡眠となる。
具体的には、これらの8つの睡眠のパターンは、例えば、上記した睡眠規則性における規則性の有無、睡眠効率の値(例えば、85%以上か、85%未満か)、入眠潜時の値(例えば、5分未満か、5分以上か)の3種類の睡眠指標の内容や結果に基いて分類することができる。但し、睡眠効率や入眠潜時の具体的な値はこれに限るものではない。
例えば、睡眠規則性:有り(規則的)、睡眠効率:85%以上、入眠潜時:5分未満(短い)の場合には、睡眠のパターンは、1.快眠となる。
睡眠規則性:有り(規則的)、睡眠効率:85%未満、入眠潜時:5分未満(短い)の場合には、睡眠のパターンは、2.睡眠浅いとなる。
睡眠規則性:有り(規則的)、睡眠効率:85%以上、入眠潜時:5分以上(長い)の場合には、睡眠のパターンは、3.入眠しにくいとなる。
睡眠規則性:有り(規則的)、睡眠効率:85%未満、入眠潜時:5分以上(長い)の場合には、睡眠のパターンは、4.浅く入眠しにくいとなる。
また、睡眠規則性:無し(不規則)、睡眠効率:85%以上、入眠潜時:5分未満(短い)の場合には、睡眠のパターンは、5.不規則となる。
睡眠規則性:無し(不規則)、睡眠効率:85%未満、入眠潜時:5分未満(短い)の場合には、睡眠のパターンは、6.不規則途中覚醒となる。
睡眠規則性:無し(不規則)、睡眠効率:85%以上、入眠潜時:5分以上(長い)の場合には、睡眠のパターンは、7.不規則寝付きにくいとなる。
睡眠規則性:無し(不規則)、睡眠効率:85%未満、入眠潜時:5分以上(長い)の場合には、睡眠のパターンは、8.不規則眠り浅く寝付きにくいとなる。
そして、1~8の睡眠のパターンは、それぞれに点数を付けて、点数によって客観的に評価できるようにするのが好ましい。例えば、1は0点、2、3は-1点、4、5は-2点、6、7は-3点、8は-4点などとすることができる。この場合、0点に近いほど睡眠の質が良く、マイナスの点数が多いほど睡眠の質が悪いことになる。但し、睡眠のパターンに対する数値付けの仕方は、上記に限るものではない。
第1のアドバイス8aは、快眠住環境支援システム1がユーザーに対して行う、住環境改善などについての一般的な初期提言である。
第1のアドバイス8aは、例えば、
1.快眠の場合には、そのままで良いので、現状を維持するなどとなる。
2.睡眠浅いの場合には、眠りを深くするために、適度の運動および入浴による深部温上昇を行う、などというようなものになる。
3.入眠しにくいの場合には、寝付ける環境にするために、寝る前の冷えをなくすおよび寝る時間の2時間前暗く、朝明るくする、などというようなものになる。
4.浅く入眠しにくいの場合には、寝付ける環境と眠りを深くするために、寝る前の冷えをなくすおよび寝る時間の2時間前暗く、朝明るくする、および、適度の運動および入浴による深部温上昇を行う、などというようなものになる。
5、6、7、8不規則の場合には、規則性を確保するために、室内を決まった時間に暗く、明るくする、などというようなものになる。
住環境調整装置21は、住環境を調整するための装置のことである。住環境調整装置21には、例えば、空調装置(エアコンなど)や、床暖房装置や、照明装置や、その他の装置が含まれる。
空調装置は、室温(室内の空気の温度)や湿度などを調整するための装置である。空調装置には、全館空調装置や、階層別空調装置や、室別空調装置などがある。床暖房装置は、床温を調整するための装置である。床暖房装置は、空調装置と別体となっていても、一体となっていても良い。照明装置は、照明のオンオフや、照明の照度や、照明の色温度などを調整することができる装置である。
これらの住環境調整装置21によって、主に、温熱・光環境などの住環境が調整される。温熱・光環境は、室温、床温、湿度、照度、色温度などのことである。これらの住環境調整装置21は、それぞれ個別の装置として設けても良いし、統一された1つの装置として構成しても良い。なお、室温、床温、湿度、照度、色温度などを計測する住環境センサー13は、空調装置や、床暖房装置や、照明装置などに備えられたものを用いることができるし、または、これらとは別のものを用いることができる。
その他の住環境調整装置21には、例えば、加湿器や、アロマ発生装置や、オーディオ装置や、アラーム装置(目覚ましタイマー)などを含むことができる。その他の住環境調整装置21によって、温熱・光環境以外の住環境の調整やサービスの提供などができるようになる。
制御部22は、空調装置や、床暖房装置や、照明装置や、その他の装置などの住環境調整装置21を個別に、または、集中的に制御するための装置である。
制御信号23は、アドバイス提供部9から制御部22へ送られる指令信号である。制御信号23によって、快適な睡眠にとって必要な温熱・光環境の制御や、その他の住環境やサービスの提供などに関する指示が行われる。制御信号23による住環境調整装置21などの制御は、その場の睡眠や翌日以降の睡眠のために行われる。
(5)アドバイス提供部9は、
主観データ取得部7からの主観データ6に、不満がある場合に、
住環境データ4と照らし合わせて、
住環境に問題がある場合には、住環境を改善するようにアドバイス8bを作成すると共に、アドバイス8bに基づいた住環境が得られるように、住環境調整装置21の制御部22へ制御信号23を送り、
住環境に問題がない場合には、リラックスするための情報やサービスの提供を行うようにしても良い。
ここで、主観データ6の中のユーザーの不満には、例えば、「睡眠が浅い」、「入眠し難い」、「途中覚醒がある」などの主観的な項目が含まれる。
このアドバイス8bは、ユーザーが睡眠に不満を感じている場合に特別に行われる提言である。アドバイス8bには、ユーザーの不満を解消するための住環境改善の具体的な提言などが含まれる。
住環境調整装置21は、住環境問題に対して、温熱・光環境やその他の住環境などを調整することができる。
リラックスは、例えば、ストレスを解消するための対処法などである。リラックスするための情報やサービスには、例えば、入浴法などの情報の提供や、アロマや音楽などのサービスの提供などが含まれる。アドバイス提供部9は、必要な場合には、例えば、アロマ発生装置や、オーディオ装置や、アラーム装置などへも制御信号23を送ってこれらを作動させることができる。
(6)アドバイス提供部9は、
睡眠計測部3からの睡眠状態2のデータに、睡眠リズムのズレがみられる場合には、睡眠リズムのズレを解消するためのアドバイス8cを行うと共に、
住環境調整装置21の制御部22へ制御信号23を送って、睡眠リズムのズレを修正するための温熱光制御を行うようにしても良い。
ここで、睡眠リズムとは、例えば、睡眠中に深い睡眠と浅い睡眠とが交互に起こる変化の状態や、睡眠中にノンレム睡眠とレム睡眠とが交互に起こる変化の状態のことなどである。
睡眠リズムのズレは、睡眠リズムが理想的な状態ではなくなることである。理想的な睡眠リズムを得るためには、例えば、入眠初期に深いノンレム睡眠が起こることなどが重要になる。
このアドバイス8cは、睡眠リズムにズレがある場合に特別に行われる提言や提案である。アドバイス8cには、睡眠リズムのズレを解消するための住環境改善の具体的な提言などが含まれる。
住環境調整装置21による睡眠リズムのズレを修正するための温熱光制御は、例えば、睡眠リズムがズレる前の入眠時間になるように、例えば、睡眠リズムがズレる前の入眠時間の2時間前から、照明を低照度、低色温度・やや高めの室温、床温にすることなどの少なくともいずれかであり、これらによって、生理的に入眠し易い環境を作ることが可能になる。
(7)主観データ取得部7は、
朝起床時の主観データ6を取得して、住環境に対する満足度、要望など(の少なくともどちらか)を把握し、
アドバイス提供部9は、主観データ6で把握した住環境に対する満足度、要望などに基づき、第1のアドバイス8aを修正して(ユーザーにとって)最適と思われる第2のアドバイス8dを作成するようにしても良い。
ここで、朝起床時の主観データ6は、寝起き直後の睡眠充足度やその晩の住環境に対する満足度などが含まれる。
主観データ取得部7が把握する住環境に対する満足度、要望は、その晩の睡眠に対するユーザーの主観的な満足度、要望である。
第2のアドバイス8dは、主観データ6に基いて第1のアドバイス8aを修正したものであり、ユーザーにとっては、より最適化されたより具体的な提言などとなる。
(8)睡眠計測部3は、
睡眠規則性の判断として平日-休日間のズレ、および、平日の連続したズレの少なくとも一方を計測し、
アドバイス提供部9は、睡眠計測部3が計測した睡眠規則性のズレに基いてズレを解消するためのアドバイス8eを行うと共に、
住環境調整装置21の制御部22へ制御信号23を送って、住環境を制御するようにしても良い。
ここで、平日-休日間のズレとは、平日と休日との間に睡眠時間のズレが見られることである。例えば、平日と休日とで平均起床時間や平均就寝時間が、2時間以上ズレていること、あるいは、20%以上ズレていることなどを以て、平日-休日間のズレとすることができる。
平日の連続したズレとは、平日であっても、連続して睡眠時間のズレが見られることである。例えば、平日の数日間(例えば、3日以上)の平均起床時間、平均就寝時間に対して、その後の数日間(例えば、2~3日程度)の平均値や、各日の起床時間や就寝時間が20%以上ズレていることなどを以て、平日の連続したズレとすることができる。
但し、平日-休日間のズレおよび平日の連続したズレの定義や内容などは、必ずしも上記に限るものではなく、例えば、ユーザーやアドバイス提供部9などが、快眠住環境支援システム1を運用しながら状況に応じて自由または任意に設定・変更できるように構成しても良い。
このアドバイス8eは、睡眠規則性にズレがある場合に特別に行われる提言である。アドバイス8eには、睡眠規則性のズレを解消するための住環境改善の具体的な提言などが含まれる。
住環境の制御は、住環境調整装置21による温熱光制御などのことである。
<作用>以下、この実施例の作用について説明する。
図2は、この実施例にかかる快眠住環境支援システム1の原理または概要を示すものである。なお、この原理または概要は、一例にしか過ぎないため、住環境データ4、睡眠状態2のデータ、および、主観データ6などの各データの使い方は、以下の記載に限るものではなく、任意に使うことが可能である。
A)まず、睡眠計測部3(個人の睡眠データを取得する部分)によって得られた睡眠の重要データ(睡眠状態2のデータ)からアドバイス提供部9がユーザーの睡眠のパターンを抽出する。具体的には、現時点で睡眠充足にとって重要なデータとされている(睡眠規則性、睡眠効率(途中覚醒)、入眠潜時)などの睡眠指標を使用して、睡眠のパターンを導出する。
B)次に、アドバイス提供部9は、住環境計測部5(住環境データ4を取得する部分)からの住環境データ4も合わせて、ソリューション(解答)の仮決定を行い、1次的なソリューションを提供する。具体的には、A)で導出した睡眠のパターンと住環境計測部5からの住環境データ4とを併せて、快眠に適した住環境や生活についての1次的なアドバイス8(第1のアドバイス8a)を提案する。
例えば、住環境が最適値に満ちていない場合の第1のアドバイス8aは、
・照明装置の夜の照度が50Lx以上で、入眠潜時が長い場合には、照明装置の夜の照度を50Lxにするなどというものになる。
また、
・空調装置の夜の設定温度が19℃で、入眠潜時が長い場合には、空調装置の夜の設定温度を推奨の21℃にするなどというものになる。
C)そして、最終的に、1次的なソリューションに対する有効性データを、主観データ取得部7を用いて主観データ6として取得し、主観データ6に基いて最適解(最適なソリューション:第2のアドバイス8d)を導くようにする。具体的には、その提案内容の有効性を確認するためにユーザーとの対話(音声対話などを含む)を行う。例えば、ユーザーに睡眠充足感などを聞いて、主観データ6にする一方、睡眠充足感が低い場合は、(予め定めておいたシナリオに基いて)その原因を探るような対話を行い、対話を通じて、最適なソリューションに結びつけるための学習を行っていく。
例えば、住環境が整っている場合のユーザーの意向を反映した第2のアドバイス8dは、
・住環境が効いておらず、入眠潜時が長い場合には、例えば、38℃の半身浴を20分行うことを勧めるというものなどとなる。
また、
・暑いという場合には、例えば、空調装置の夜の設定温度を推奨の21℃から19℃に下げることを勧めるものなどとなる。
・また、他のソリューションを併せて提供することもできる。
最適なソリューション(第2のアドバイス8d)に対しても、以降、主観データ取得部7は、対話によって、ソリューションに対する変化がないかなどの確認を継続して行うようにする。
図3は、快眠住環境支援システム1の動作を示すフローチャートである。
このフローチャートでは、スタートで動作が開始されると、
S1で、アドバイス提供部9は、睡眠計測部3や住環境計測部5からの睡眠状態2のデータや、住環境データ4を読込む。
次に、S2で、アドバイス提供部9は、睡眠状態2のデータや住環境データ4を用いて睡眠のパターンを求める。
睡眠のパターンは、例えば、
1、2、3、4規則的(1.快眠、2.睡眠浅い、3.入眠しにくい、4.浅く入眠しにくい)
5、6、7、8不規則(5.不規則、6.不規則途中覚醒、7.不規則寝付きにくい、8.不規則眠り浅く寝付きにくい)などに分類され、それぞれに対して点数が付けられる。
次に、S3で、アドバイス提供部9は睡眠のパターンに応じて睡眠の質を判断する。
S3で睡眠の質が良いと判断された場合(1.快眠の場合)には、S4で、例えば、「今日も頑張りましょう」とのアドバイス8を行う。そして、S5で、温熱環境については、「設定変更なし」とする。
S3で睡眠の質に問題があると判断された場合(1.快眠の以外の場合)には、S6で、住環境データ4も前提として、シナリオ会話により要因推定を行う。会話は、例えば、朝の起床時や、夜の帰宅時などに行われる。
朝の会話は、睡眠、住環境データ4、ストレスなどに関してのものとなる。これらは、空調、照明設定などに反映される。また、朝の会話では、睡眠時の住環境データ4などに関しても行われる。これらは、空調、照明設定などに反映される。
夜の帰宅時の会話は、例えば、ストレスなどに関してのものとなる。これは、照明、入浴、音楽、アロマなどに反映される。
S7で、温度が要因とされた場合には、S8で、温度設定変更を行い(翌日、リアルタイム)、S6にフィードバックされる。
S9で、湿度が要因とされた場合には、S10で、湿度設定変更を行い(翌日、リアルタイム)、S6にフィードバックされる。
S11で、光環境が要因とされた場合には、S12で、照明装置の照度、色温度の設定を行い、S6にフィードバックされる。
S13で、ストレスが要因とされた場合には、S14で、推奨入浴、音楽、くつろぎ照明などの情報の提供やサービスの提供などを行い、必要な場合には、更にS15で、外部連携サービスの利用を促し、S6にフィードバックされる。
このフローチャートの動作は、毎日行われ、結果は記憶部12に蓄積され、これらの結果を基に学習などが行われて、その日の睡眠や、翌日以降の睡眠のために活用される。
具体的に、図4は、睡眠の質の悪さ(寝苦しさ)の要因が温度の場合の制御例を示すものである。(a)は、夏の寝室における、時間の経過に応じた温度(住環境データ4)の変化を示すグラフであり、(b)は、時間の経過に応じた体動(睡眠状態2のデータ)を示すグラフである。入眠時間は、例えば、23時などとする。
夏場には、例えば、寝室の室温が28℃を超えると寝苦しさを感じるため、空調装置をONにすることが必要になる。図4(a)に示すように、室温は、例えば、最初から28℃を超えている場合(実線a)と、途中から28℃を超える場合(実線b)などがあるが、(破線cのように)室温が28℃を超えないように空調装置を制御するのが快適な睡眠にとって望ましい。
例えば、室温(温度)が途中から28℃を超えるような場合(実線b)には、図4(b)に示すように、入眠時の体動や、睡眠中の寝返りなどの小さな体動などがあった後に、時刻Tで室温が28℃を超えてしばらくした時に体動が増加することになる。
そこで、アドバイス提供部9は、体動の増加と28℃を超える室温の変化とを照らし合せて、環境的な要因で寝苦しさを感じていると判断し、このような体動の増加が起こらないように(体動の増加を検知したら即座に、また、翌日の睡眠に対して)、空調装置を自動的にONにする。これにより、(破線cのように)室温が28℃以下の状態となり、ユーザーの状態に応じたきめ細かい温度の制御が行われて、体動の減少が得られることになる(快眠状態が保たれる)。
図5は、睡眠の質の悪さ(寝苦しさ)の要因が湿度の場合の制御例を示すものである。(a)は、夏の寝室における、時間の経過に応じた湿度(住環境データ4)の変化を示すグラフであり、(b)は、時間の経過に応じた体動(睡眠状態2のデータ)を示すグラフである。なお、室温は、28℃で一定とする。
例えば、湿度が80%以上になると寝苦しさを感じるため、空調装置をONにすることが必要になる。図5(a)では、湿度が途中から80%超える場合(実線)となっている。そのため、(破線のように)湿度が80%を超えないように空調装置を制御するのが快適な睡眠にとって望ましい。
図5(b)に示すように、入眠時の体動の後、湿度が80%を超えてしばらくした時に断続的に体動が増加することになる。そこで、アドバイス提供部9は、体動の増加と80%を超える湿度の変化とを照らし合せて、環境的な要因で寝苦しさを感じていると判断し、このような体動の増加が起こらないように(体動の増加を検知したら即座に、また、翌日の睡眠に対して)、空調装置を自動的にON(除湿モード)にする。これにより、(破線のように)湿度が80%未満の状態となり、ユーザーの状態に応じたきめ細かい湿度の制御が行われて、体動の減少が得られることになる(快眠状態が保たれる)。
なお、上記した制御のしきい値となる温度や湿度の値は、季節に応じて変更することができる。
例えば、図6は、冬における、睡眠の質の悪さ(冷え)の要因が温度の場合の制御例を示すものである。(a)は、冬のリビングにおける、時間の経過に応じた温度(住環境データ4)の変化を示すグラフであり、(b)(c)は、時間の経過に応じた体動(睡眠状態2のデータ)を示すグラフであり、(b)は制御を行わなかった場合、(c)は制御を行った場合である。
冬場には、例えば、床温が19℃より低いと冷えが生じる(冷えは寝つきを悪くする)ため、空調装置や床暖房装置をONにすることが必要になる。そして、例えば、(破線のように)床温が23℃以上となるように制御するのが快適な睡眠にとって望ましいことになる。
例えば、床温(温度)が(実線のように)19℃より低い場合、図6(b)に示すように、体に冷えがあり、体温放散が進まないため、体動が多く見られ、速やかに眠ることができない。
これに対し、アドバイス提供部9は、例えば、入眠時の体動の増加を検知すると、体動の増加と19℃より低い床温とを照らし合せて、環境的に冷えによる寝つきの悪さの要因があると判断し、その場で空調装置や床暖房装置を自動的にONにすると共に、翌日は就寝時間よりも早い時間から空調装置や床暖房装置を自動的にONにして、(破線のように)リビングの床温(温度)を23℃以上にしておく。これにより、図6(c)に示すように、入眠時の体動が少なくなり、速やかに眠ることができるようになる。よって、ユーザーの状態に応じたきめ細かい温度の制御が行われるようになる。
図7は、冬における、睡眠の質の悪さ(冷え)の要因が湿度の場合の制御例を示すものである。(a)は、冬の寝室における、時間の経過に応じた湿度(住環境データ4)の変化を示すグラフであり、(b)は、時間の経過に応じた体動(睡眠状態2のデータ)を示すグラフである。なお、室温は、17℃で一定とする。
例えば、(実線のように)湿度が30%以下になると、のどの渇きや痛みなどによる寝苦しさが生じるため、空調装置をONにして加湿運転を行わせることが必要になる。そして、(破線のように)湿度が30%を超えるように空調装置を制御するのが快適な睡眠にとって望ましいことになる。これにより、のどの渇きや痛みなどによる寝苦しさを軽減できる。
例えば、湿度が30%以下の場合、図7(b)に示すように、のどの渇きや痛みなどによる寝苦しさによって、入眠後に、体動が増加して、速やかに眠ることができなくなる。
これに対し、アドバイス提供部9は、入眠後の体動の増加を検知すると、体動の増加と30%を下回る湿度とを照らし合せて、環境的な要因で寝苦しさを感じていると判断し、その場で、および、翌日に空調装置を自動的にON(除湿モード)にする。これにより、図6(c)の場合と同様に、入眠後の体動が少なくなり、速やかに眠ることができるようになる。よって、ユーザーの状態に応じたきめ細かい湿度の制御が行われるようになる。
図8は、睡眠の質の悪さの要因が光環境の場合の制御例を示すものである。(a)は、リビングにおける、時間の経過に応じた照度(住環境データ4)の変化を示すグラフであり、(b)(c)は、時間の経過に応じた体動(睡眠状態2のデータ)を示すグラフであり、(b)は制御を行わなかった場合、(c)は制御を行った場合である。
図8(a)では、(実線のように)リビングの照度が300Lxとなっていたとする。就寝の前の照度が50Lxよりも高いと、明るすぎて寝付けなくなるので、(破線のように)就寝の一定時間前にリビングの照度を50Lxまで落とし、就寝時にはリビングの照明装置をOFFにするのが快適な睡眠にとって望ましい。例えば、リビングの照度(光環境)がずっと300Lxの場合、図8(b)に示すように、明るすぎのせいでなかなか眠れないことになる。
これに対し、アドバイス提供部9は、入眠時の体動の多さを検知すると、体動の多さとリビングの300Lxの照度とを照らし合せて、環境的に寝つきの悪さの要因があると判断し、翌日は就寝時間よりも早い時間からリビングの照明装置を制御して、(破線のように)就寝の一定時間前にリビングの照度を50Lxまで落とし、就寝時にリビングの照明装置をOFFにする。これにより、図8(c)に示すように、入眠時の体動が少なくなり、速やかに眠ることができるようになる。よって、ユーザーの状態に応じたきめ細かい光環境の制御が行われるようになる。
また、図9は、睡眠の質の悪さの要因が寝室の光環境の場合の制御例を示すものである。(a)は、寝室における、時間の経過に応じた照度(住環境データ4)の変化を示すグラフであり、(b)は、時間の経過に応じた体動(睡眠状態2のデータ)を示すグラフである。
図9(a)は、寝室の照明装置の照度が100Lxとなっており、照明装置をつけっぱなしのまま寝てしまった場合を示している。照明装置がつけっぱなしだと、図9(b)に示すように、室内が明るいため、途中で体動が増加して、目が覚めてしまいそうになる。
これに対し、アドバイス提供部9は、入眠中の体動の多さを検知すると、体動の多さとリビングの100Lxの照度とを照らし合せて、環境的な要因によって途中で目が覚めるおそれがあると判断し、(破線で示すように)寝室の照明装置をその場で自動的にOFFにする。これにより、図8(c)の場合と同様に、入眠中の体動が少なくなり、途中覚醒を防止できるようになる。よって、ユーザーの状態に応じたきめ細かい湿度の制御が行われるようになる。
上記に加えて、アドバイス提供部9は、睡眠の質の悪さの要因が睡眠リズムのズレであると判断した場合には、睡眠リズムのズレを修正するためのアドバイス8cと共に、睡眠リズムのズレを修正するための温熱光制御として、上記した温度や湿度や照度の制御に加えて、例えば、図10(a)(b)に示すものの少なくともいずれかを行わせることができる。
例えば、図10(a)では、就寝(例えば、23時)の一定時間前(例えば、2時間程度前、例えば、21時ごろ)から、リビングの床温(床面温度または床温度)を自動的に高めとなるように設定している。また、例えば、図10(b)では、就寝(例えば、23時)の一定時間前(例えば、2時間程度前、例えば、21時ごろ)から、リビングの照明を短波長(青白)の状態から、自動的に低照度で長波長の光(赤)となるようにしている。これらは、いずれも、入眠初期に深いノンレム睡眠を得るためのモード(快眠モード)として、睡眠リズムのズレを修正するのに有効となる。
また、アドバイス提供部9が、睡眠規則性のズレがある判断した場合についても、睡眠リズムのズレの場合と同様に、睡眠規則性のズレを修正するためのアドバイス8eと共に、温度や湿度や照度の制御、および、図10(a)(b)に示す温熱光制御を行うことができる。睡眠規則性のズレには、例えば、平日-休日間のズレ(図11)や平日の連続したズレ(図12)などがある。
平日-休日間のズレは、どのように規定しても良いが、例えば、図11の場合には、過去一週間の睡眠時間を計測して、その平均睡眠時間(平日平均)を求め、休日(金土)の平均睡眠時間(金土平均)と比較して、±2時間以上のズレ、または、睡眠時間に対して20%以上のズレがある場合に、睡眠規則性のズレ有りと判断するようにしている。
この場合には、金土平均が平日平均に向かって修正されるように、休日の睡眠に対し、平均的な就寝時間の一定時間(例えば、2時間程度)前などのような決まった時間に、図10(a)(b)に示す温熱光制御の少なくともいずれかを、継続的に行わせるのが好ましい。
また、平日の連続したズレは、どのように規定しても良いが、例えば、図12の場合には、過去一週間の睡眠時間を計測して、その平均睡眠時間(平日平均)を求め、一週間のうちに、その平均睡眠時間に対して、±2時間以上のズレ、または、睡眠時間に対して20%以上のズレが2~3日程度以上ある場合に、睡眠規則性のズレ有りと判断するようにしている。
この場合には、平日平均に向かって全ての平日の睡眠が修正されるように、全ての平日の睡眠に対し、平均的な就寝時間の一定時間(例えば、2時間程度)前などのような決まった時間に、図10(a)(b)に示す温熱光制御の少なくともいずれかを、継続的に行わせるのが好ましい。
これらの温熱光制御を、長期間継続的に行わせることにより、睡眠規則性のズレの改善が期待できる。
なお、このような睡眠規則性のズレに対する温熱光制御は、必ずしも1週間を単位として平日平均を求める必要はなく、例えば、3日~1か月の範囲内で、その起床、就寝がし易いように期間設定を行い得るようにするのが好ましい。このように期間設定を可変とすることにより、例えば、図13に示すように、睡眠時間は日照時間に応じて季節ごとに変化しているので(日照時間が短いほど睡眠時間が長くなる傾向にある)、季節ごとに変化する日照時間に応じた睡眠時間の変化をサポートすることなども可能になる。
<効果>以下、この実施例の作用効果について説明する。
(効果 1)快眠住環境支援システム1では、睡眠計測部3が、ユーザーの睡眠状態2を計測する。また、住環境計測部5が、住環境データ4を計測して記録する。更に、主観データ取得部7が、ユーザーの睡眠に対する充足感などの主観データ6を取得する。そして、アドバイス提供部9が、睡眠計測部3からの睡眠状態2のデータ、住環境計測部5からの住環境データ4、および、主観データ取得部7からの主観データ6などの各データに基いて、快眠のためのアドバイス8を作成してユーザーに提供する。
このように、睡眠状態2と住環境データ4とに加えて、ユーザーの主観データ6を用いること、および、快眠住環境支援システム1の側からアドバイス8を行うようにすることで、快眠住環境支援システム1は、ユーザーの睡眠状態2を基調とした対話型のシステムとなり、例えば、睡眠状態2のデータが簡易的に得られたようなものであっても、ユーザーの要望を主観データ6として毎日継続的に取り込んできめ細かく分析し(AIの場合には学習し)、分析結果を蓄積して利用することで、ユーザーを的確に支援できるようになる。これにより、快眠住環境支援システム1は、ユーザーの主観に的確にマッチした快眠のための最適なアドバイス8を、提供することができるようになる。そして、ユーザーは、睡眠充足感を得ることができるようになる。
(効果 2)睡眠計測部3は、睡眠状態2として、睡眠規則性、睡眠効率(途中覚醒)、入眠潜時などの睡眠にとって重要な睡眠指標を測定する。このように、睡眠にとって重要な睡眠指標を睡眠状態2のデータとして使うことで、快眠住環境支援システム1は、有効なアドバイス8(や住環境制御)などを行うことができるようになる。
(効果 3)住環境計測部5は、住環境データ4として、睡眠に影響のある室温、床温、湿度、照度、色温度などを、時間と共に計測する。このように、睡眠に影響のある室温、床温、湿度、照度、色温度などを住環境データ4として使うことで、快眠住環境支援システム1は、有効なアドバイス8(や住環境制御)などを行うことができるようになる。
(効果 4)アドバイス提供部9は、睡眠状態2から睡眠のパターンを判定し、判定された睡眠のパターンと住環境データ4とを考慮して、第1のアドバイス8aを作成することができる。更に、アドバイス提供部9は、第1のアドバイス8aに基づいた住環境が得られるように、住環境調整装置21の制御部22へ制御信号23を送ることができる。このように、制御部22が住環境調整装置21を制御することで、第1のアドバイス8aに基づいた快眠のための住環境(温熱・光環境)が自動的に得られるようになる。
(効果 5)アドバイス提供部9は、主観データ取得部7からの主観データ6に、例えば、睡眠が浅い、入眠し難い、途中覚醒がある等の不満がある場合に、住環境データ4との照らし合わせを行う。そして、住環境に問題がある場合には、不満を解消するための住環境改善についてのアドバイス8bを作成すると共に、アドバイス8bに基づいた住環境が得られるように、住環境調整装置21の制御部22へ制御信号23を送ることができる。このように、制御部22が住環境調整装置21を制御することで、ユーザーの不満を解消して快眠を得るための最適な住環境(温熱・光環境)が自動的に得られるようになる。住環境に問題がない場合には、例えば、入浴法やアロマなどの、リラックスするための情報やサービスの提供を行うようにする。これにより、睡眠に対するユーザーの不満がある場合に、不満の解消を積極的に図ることが可能になる。
(効果 6)アドバイス提供部9は、睡眠計測部3からの睡眠状態2のデータに、睡眠リズムのズレがみられる場合には、睡眠リズムのズレを解消するための住環境改善などについてのアドバイス8cを行うようにする。更に、住環境調整装置21の制御部22へ制御信号23を送って、睡眠リズムのズレを修正するための特別な温熱光制御を行わせるようにする。これにより、睡眠リズムのズレがある場合に、睡眠リズムのズレを積極的に改善することが可能になる。
(効果 7)主観データ取得部7は、朝起床時の睡眠充足度や住環境に対する満足度などの主観データ6を取得して、住環境に対する満足度、要望などを把握する。アドバイス提供部9は、主観データ6で把握した住環境に対する満足度、要望などに基づき、第1のアドバイス8aを修正してユーザーにとってより最適と思われる第2のアドバイス8dを作成する。これにより、快眠住環境支援システム1は、主観データ6に基いて、第1のアドバイス8aよりもユーザーの意向がより反映された快眠のための最適な第2のアドバイス8dを提供し得るようになる。また、第2のアドバイス8dに基づいた快眠のための住環境(温熱・光環境)が自動的に得られるようにすることも可能となる。
(効果 8)睡眠計測部3は、睡眠規則性の判断として平日-休日間のズレ、および、平日の連続したズレなどの少なくとも一方の睡眠規則性のズレを計測する。アドバイス提供部9は、睡眠計測部3が計測した睡眠規則性のズレに基いて、睡眠規則性のズレを解消するための住環境改善などについてのアドバイス8eを行う。そして、アドバイス提供部9は、住環境調整装置21の制御部22へ制御信号23を送って、睡眠規則性のズレが修正されるように住環境を制御する。これにより、睡眠規則性のズレがある場合に、睡眠規則性のズレを積極的に改善することが可能になる。
1 快眠住環境支援システム
2 睡眠状態
3 睡眠計測部
4 住環境データ
5 住環境計測部
6 主観データ
7 主観データ取得部
8 アドバイス
8a 第1のアドバイス
8b アドバイス
8c アドバイス
8d 第2のアドバイス
8e アドバイス
9 アドバイス提供部
21 住環境調整装置
22 制御部
23 制御信号

Claims (2)

  1. 睡眠状態を計測する睡眠計測部と、
    住環境データを計測して記録する住環境計測部と、
    睡眠に対する主観データを取得する主観データ取得部と、
    前記睡眠計測部からの前記睡眠状態のデータ、前記住環境計測部からの前記住環境データ、および、快眠のためのアドバイスを提供するアドバイス提供部と、を備え、
    前記睡眠計測部は、前記睡眠状態として、睡眠規則性、睡眠効率、入眠潜時を測定し、
    前記アドバイス提供部は、前記睡眠状態から睡眠のパターンを判定し、判定された睡眠のパターンと前記住環境データとを考慮して、第1のアドバイスを作成すると共に、
    該第1のアドバイスに基づいた住環境が得られるように、住環境調整装置の制御部へ制御信号を送り、
    前記主観データ取得部は、睡眠に対する充足感、住環境に対する満足度、要望の少なくとも一つ以上を把握し、
    前記アドバイス提供部は、
    前記主観データ取得部からの前記主観データに不満がある場合に、
    前記住環境データと照らし合わせて、
    住環境を改善するように前記アドバイスを作成すると共に、該アドバイスに基づいた住環境が得られるように、前記住環境調整装置の前記制御部へ前記制御信号を送
    ことを特徴とする快眠住環境支援システム。
  2. 睡眠状態を計測する睡眠計測部と、
    空調装置と照明装置の住環境データを計測して記録する住環境計測部と、
    睡眠に対する主観データを取得する主観データ取得部と、
    前記睡眠計測部からの前記睡眠状態のデータ、前記住環境計測部からの前記住環境データ、および、快眠のためのアドバイスを提供するアドバイス提供部と、を備え、
    前記住環境データとして、室温、湿度、照度、色温度を、時間と共に計測し、
    前記睡眠計測部は、睡眠規則性の判断として平日-休日間の睡眠時間のズレ、および、平日の連続した睡眠時間のズレの少なくとも一方を計測し、
    前記睡眠計測部からの前記睡眠状態のデータに、睡眠時間のズレが見られる場合には、
    前記アドバイス提供部は、前記睡眠状態から睡眠のパターンを判定し、判定された睡眠のパターンと前記住環境データとを考慮して、睡眠時間のズレを解消するための前記空調装置と前記照明装置の住環境を改善するように第1のアドバイスを作成し、
    前記主観データ取得部は、睡眠に対する充足感、住環境に対する満足度、要望の少なくとも一つ以上を把握し、
    前記アドバイス提供部は、把握された前記主観データ基づき、前記第1のアドバイスを修正して前記空調装置と前記照明装置の住環境を改善するように第2のアドバイスを作成することを特徴とする快眠住環境支援システム。
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