JP6254016B2 - 非水電解液一次電池 - Google Patents

非水電解液一次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP6254016B2
JP6254016B2 JP2014038364A JP2014038364A JP6254016B2 JP 6254016 B2 JP6254016 B2 JP 6254016B2 JP 2014038364 A JP2014038364 A JP 2014038364A JP 2014038364 A JP2014038364 A JP 2014038364A JP 6254016 B2 JP6254016 B2 JP 6254016B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
positive electrode
negative electrode
lithium
aqueous electrolyte
primary battery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014038364A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015162425A (ja
Inventor
徳 高井
徳 高井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Maxell Holdings Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Maxell Holdings Ltd filed Critical Maxell Holdings Ltd
Priority to JP2014038364A priority Critical patent/JP6254016B2/ja
Publication of JP2015162425A publication Critical patent/JP2015162425A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6254016B2 publication Critical patent/JP6254016B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、重負荷連続放電特性に優れた非水電解液一次電池に関するものである。
非水電解液一次電池では、例えば、比較的軽負荷で、長期間継続して使用されるような機器の駆動電源としての用途に対応した高容量タイプのもの(特許文献1など)がある一方で、パルス放電などが要求される機器用のように瞬間的に重負荷がかかるような用途に対応したタイプのもの(特許文献2など)もある。
また、カメラの電源用電池のように、重負荷のパルス放電(フラッシュ用)と、比較的軽負荷での長期間にわたる定率放電(フラッシュ以外の駆動用)の両者が要求される場合もあり、それに対応した技術開発もなされている(特許文献3、4)。
特開2000−315497号公報 特開昭59−78460号公報 特開2006−216352号公報 特開2006−216354号公報
ところで、非水電解液一次電池では、その用途の広がりを受けて、比較的大きな電流値で(すなわち重負荷で)連続放電を行っても十分な容量を引き出し得る特性(すなわち、重負荷連続放電特性)が優れているが要求されることもある。特許文献3および特許文献4に記載の電池は、パルス放電時には、その放電電流値を大きくしても優れた特性を示し得るが、大きな電流値で連続放電する場合では、引き出し得る容量(すなわち、正極の利用率)に関して未だ改善の余地がある。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、重負荷連続放電特性に優れた非水電解液一次電池を提供することにある。
前記目的を達成し得た本発明の非水電解液一次電池は、正極、負極、セパレータおよび非水電解液を有する非水電解液一次電池であって、前記正極は、正極活物質として、下記一般式(1)
LiMn2y (1)
〔前記一般式(1)中、0.5≦x≦1.5、1≦y≦5である。〕で表されるマンガン酸リチウムを含有する正極合剤により形成された正極合剤層を有するか、または前記正極合剤の成形体であり、前記負極は、リチウム−アルミニウム合金を含有するリチウム金属箔を有しており、前記正極と前記負極とが対向する面における前記正極の平面視での面積a1(mm)と、前記正極合剤層または前記正極合剤の成形体の厚み方向の面の面積a2(mm)との合計により求められる前記正極の反応面積をA(mm)とし、前記正極と前記負極とが対向する面における前記負極の平面視での面積b1(mm)と、前記リチウム−アルミニウム合金を含有するリチウム金属箔の厚み方向の面の面積b2(mm)との合計により求められる前記負極の反応面積をB(mm)としたとき、A>1.05×Bであることを特徴とするものである。
なお、本明細書でいう非水電解液一次電池の「重負荷連続放電」とは、正極と負極が対向する面における正極の平面視での面積当たりで5mA/cm以上の電流値での、60秒以上の連続放電を対象としている。
本発明によれば、重負荷連続放電特性に優れた非水電解液一次電池を提供することができる。
本発明の非水電解液一次電池の一例を模式的に表す縦断面図である。
本発明の非水電解液一次電池に係る正極には、例えば、正極活物質、導電助剤およびバインダなどを含有する正極合剤をペレット状などに成形した正極合剤成形体や、前記正極合剤からなる層(正極合剤層)を集電体の片面または両面に有する構造のものを使用することができる。
正極活物質には、前記一般式(1)で表されるマンガン酸リチウムを使用する。
非水電解液一次電池の正極活物質には二酸化マンガンが汎用されているが、この二酸化マンガンは層状の結晶構造を有しており、電池の放電反応は、負極から放出されたリチウムイオンが二酸化マンガン結晶の層間に入ることで生じる。よって、二酸化マンガンを正極活物質として用いた非水電解液一次電池では、負極から放出されたリチウムイオンのうち、結晶の層と平行な方向に移動するリチウムイオンのみが正極に取り込まれて放電反応が進行する。
これに対し、前記一般式(1)で表されるマンガン酸リチウムは、二酸化マンガンよりもリチウムイオンを取り込み易い構造であるため、前記マンガン酸リチウムを正極活物資として使用した場合には、リチウムイオンの移動速度が大きい大電流での連続放電時においても、正極がより効率的にリチウムイオンを取り込むことができ、正極の利用率が高くなる。よって、前記一般式(1)で表されるマンガン酸リチウムを正極活物質に使用することで、非水電解液一次電池の重負荷連続放電時特性を高めることができる。
正極活物質には、前記一般式(1)で表されるマンガン酸リチウムと共に他の正極活物質を使用することもできる。このような他の正極活物質としては、例えば、二酸化マンガン、チタン酸リチウムなどが挙げられる。
ただし、前記一般式(1)で表されるマンガン酸リチウムを正極活物質として使用することによる前記の効果をより良好に確保する観点からは、前記一般式(1)で表されるマンガン酸リチウムの、正極活物質全量中における含有量は、80質量%以上であることが好ましい〔すなわち、前記一般式(1)で表されるマンガン酸リチウム以外の他の正極活物質の、正極活物質全量中における含有量は、20質量%以下であることが好ましい〕。なお、正極活物質には、前記一般式(1)で表されるマンガン酸リチウムのみを使用してもよいことから、前記一般式(1)で表されるマンガン酸リチウムの、正極活物質全量中における含有量の好適上限値は100質量%である。
正極合剤に係る導電助剤としては、例えば、鱗片状黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンブラックなどが挙げられ、これらのうちの1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
正極合剤に係るバインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、六フッ化プロピレンの重合体などのフッ素樹脂などが挙げられ、これらのうちの1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
正極は、正極合剤の成形体の場合には、例えば、正極活物質、導電助剤およびバインダなどを混合して調製した正極合剤を所定の形状に加圧成形することで製造することができる。
また、正極合剤層と集電体とを有する形態の正極の場合には、例えば、正極活物質、導電助剤およびバインダなどを水またはN−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの有機溶媒に分散させて正極合剤含有組成物(スラリー、ペーストなど)を調製し(バインダは溶媒に溶解していてもよい)、これを集電体上に塗布し乾燥し、必要に応じてカレンダ処理などのプレス処理を施す工程を経て製造することができる。
ただし、正極は、前記の各方法で製造されたものに限定されず、他の方法で製造した者であってもよい。
正極に係る正極合剤中の組成としては、正極活物質の量が80〜90質量%であることが好ましく、導電助剤の含有量が1.5〜10質量%であることが好ましく、バインダの含有量が0.3〜8質量%であることが好ましい。
正極に集電体を用いる場合には、その集電体としては、例えば、SUS316、SUS430、SUS444などのステンレス鋼を素材とするものが挙げられ、その形態としては、平織り金網、エキスパンドメタル、ラス網、パンチングメタル、金属発泡体、箔(板)などが例示できる。集電体の厚みは、例えば、0.05〜0.2mmであることが好ましい。このような集電体の表面には、カーボンペーストや銀ペーストなどのペースト状導電材を塗布しておくことも望ましい。
本発明の非水電解液一次電池に係る負極は、リチウム−アルミニウム合金を含有するリチウム金属箔を有するものである。リチウム−アルミニウム合金を含有するリチウム金属箔は、例えば、リチウム金属箔の表面にアルミニウム金属箔を貼り合わせた積層体を有する負極を用いて組み立てた非水電解液一次電池内において、非水電解液の共存下でリチウム金属箔に係るリチウムの一部とアルミニウム金属箔に係るアルミニウムとが合金化することで形成される。
このようにして負極で生成したリチウム−アルミニウム合金は微粉化するため、負極のリチウム−アルミニウム合金の生成面は、比表面積が増大する。
前記一般式(1)で表されるマンガン酸リチウムは、構造水であるか化学的に吸着した水であるかは定かではないが、正極活物質として電池内に導入されることで、比較的多くの量の水分を電池内に持ち込んでしまう。
このようにして電池内に持ち込まれた正極活物質由来の水分は、電池内で拡散して負極表面に高抵抗の皮膜を形成させることから、この水分量が多いと負極の抵抗が上昇して、特に重負荷での放電が良好に進まなくなる。
しかしながら、リチウム−アルミニウム合金を有する負極の場合には、リチウム−アルミニウム合金の微粉化によって負極の比表面積、すなわち反応面積が大きくなるため、前記のような高抵抗の皮膜が形成されても、負極の抵抗上昇を抑制することができる。よって、本発明の非水電解液一次電池では、前記一般式(1)で表されるマンガン酸リチウムを正極活物質として使用することによる作用を良好に引き出して、高い重負荷連続放電特性を確保することができる。
負極は、例えば、集電体を使用せずに、リチウム金属箔の片面にアルミニウム金属箔を貼り付け、これを用いて電池を組み立てることで、その電池内でリチウム−アルミニウム合金を形成することで製造することができる。
また、負極に集電体を使用する場合には、例えば、リチウム金属箔の片面にアルミニウム金属箔を貼り付けた積層体を、リチウム金属箔面で集電体の片面または両面に貼り付け、これを用いて電池を組み立てることで、その電池内でリチウム−アルミニウム合金を形成することで製造することができる。
負極においては、リチウム−アルミニウム合金の形成による前記の効果をより良好に確保する観点からは、リチウムの量を100質量部としたときに、アルミニウムの量が、2質量部以上であることが好ましく、5質量部以上であることがより好ましい。ただし、負極におけるアルミニウムの量が多くなりすぎると、容量が低下する虞がある。よって、負極においては、リチウムの量を100質量部としたときに、アルミニウムの量が、30質量部以下であることが好ましく、15質量部以下であることがより好ましい。
負極を構成するためのリチウム金属箔の厚みは、0.1〜0.3mmであることが好ましく、また、アルミニウム金属箔の厚みは、6〜20μmであることが好ましい。
負極に集電体を用いる場合には、その集電体としては、例えば、銅、ニッケル、鉄、ステンレス鋼を素材とするものが挙げられ、その形態としては、平織り金網、エキスパンドメタル、ラス網、パンチングメタル、金属発泡体、箔(板)などが例示できる。集電体の厚みは、例えば、0.005〜0.1mmであることが好ましい。このような集電体の表面には、カーボンペーストや銀ペーストなどのペースト状導電材を塗布しておくことも望ましい。
本発明の非水電解液一次電池において、前記の正極(集電体を有する正極)と前記の負極(集電体を有する負極)とは、セパレータを介して積層した積層体(積層電極体)や、この積層体を渦巻状に巻回した巻回体(巻回電極体)、更にこの巻回体を横断面が扁平状となるように成形した扁平状巻回体(扁平状巻回電極体)の形で使用することができる。また、特に後述する扁平形の非水電解液一次電池の場合には、正極合剤の成形体からなる正極と、集電体を有しない負極とを、セパレータを介在させつつ扁平形の電池ケース内に収容して使用することができる。
本発明の非水電解液一次電池においては、正極の反応面積をA(mm)とし、負極の反応面積をB(mm)としたときに、A>1.05×Bの関係を満たしている。
前記一般式(1)で表されるマンガン酸リチウムを正極活物質とする正極と、リチウム−アルミニウム合金を含有するリチウム金属箔を有する負極とを用いた非水電解液一次電池の放電時においては、負極からのリチウムイオンの脱離速度に対して正極でのリチウムイオンの受け入れ速度が小さい。そのため、このような電池で重負荷連続放電を行うと、負極から放出されるリチウムイオンを、正極が十分に受け入れることができず、正極の利用率が低下して、電池が本来有している容量を十分に引き出し得なくなる。
そこで、本発明では、正極の反応面積Aを負極の反応面積Bよりも大きくして、重負荷で連続放電を行った際に、負極から放出されるリチウムイオンを、正極で良好に受け入れ得るようにして、十分に容量を引き出すことができるようにしている。
なお、正極の反応面積A(mm)は、正極と負極とが対向する面における正極の平面視での面積a1(mm)と、正極合剤層または正極合剤の成形体の厚み方向の面の面積(すなわち、正極合剤層または正極合剤の成形体の側面の、側面視での面積)a2(mm)との合計により求められる。本発明の非水電解液一次電池で正極活物質として使用する前記一般式(1)で表されるマンガン酸リチウムは、前記の通り、二酸化マンガンよりもリチウムイオンを取り込みやすい構造を有しているため、正極(正極合剤層または正極合剤の成形体)における負極との対向面のみならず、その側面も反応面として作用する。よって、本発明においては、正極合剤層または正極合剤の成形体の側面の面積も、正極の反応面積として考慮する。
更に、前記の「正極の平面視での面積a1」は、集電体を有する正極の場合には、正極合剤層の平面視での面積を意味しており、電池が巻回電極体を有する場合には、巻回電極体を解いて平らにしたときの正極(正極合剤層)の平面視での面積を意味している。
また、負極の反応面積B(mm)は、正極と負極とが対向する面における負極の平面視での面積b1(mm)と、リチウム−アルミニウム合金を含有するリチウム金属箔の厚み方向の面の(すなわち、前記リチウム金属箔の側面の、側面視での面積)面積b2(mm)との合計により求められる。
更に、前記の「負極の平面視での面積b1」は、集電体を有する負極の場合には、リチウム−アルミニウム合金を含有するリチウム金属箔の平面視での面積を意味しており、電池が巻回電極体を有する場合には、巻回電極体を解いて平らにしたときの負極(前記リチウム金属箔)の平面視での面積を意味している。
本発明の非水電解液一次電池において、正極の反応面積Aと負極の反応面積Bとの関係はA>1.05×Bであり、正極の反応面積Aは負極の反応面積Bの1.05倍を超えているが、正極の反応面積Aは負極の反応面積Bの、1.1倍以上であることが好ましく、また、1.5倍以下であることが好ましい。
また、本発明の非水電解液一次電池においては、正極の容量Pと負極の容量Nとの比(正負極容量比)P/Nが、1よりも大きいことが好ましく、1.1以上であることがより好ましく、また、1.5以下であることが好ましい。正負極容量比P/Nを前記の値とすることで、非水電解液一次電池の重負荷放電特性と軽負荷放電特性とのバランスがより良好となり、より実用性の高い電池とすることができる。
本明細書でいう「正極の容量P」(mAh)は、後述する実施例で記載の方法により求められる値である。
また、本明細書でいう「負極の容量N」(mAh)は、下記式に従って求められる値である。
負極の容量 = 負極の体積(μl)×2.062
また、本発明の非水電解液一次電池においては、正極における正極合剤層または正極合剤の成形体の厚みa3(mm)と、負極が有するリチウム−アルミニウム合金を含有するリチウム金属箔の厚みb3(mm)との比(正負極厚み比)a3/b3が、4.0以上であることが好ましく、4.5以上であることがより好ましい。
通常は、電池の重負荷放電特性を高めるには、電極(その合剤部分)を薄くすることが有利に働く。しかしながら、本発明の非水電解液一次電池で正極活物質として使用する前記一般式(1)で表されるマンガン酸リチウムは、前記の通り、二酸化マンガンよりもリチウムイオンを取り込みやすい構造であるため、正極合剤層や正極合剤の成形体を厚くした場合、これらの側面部分も電池反応の反応面として有効に機能する。よって、正極合剤層や正極合剤の成形体を厚くし、正負極厚み比a3/b3を前記の値に調整することで、非水電解液一次電池の重負荷連続放電特性をより高めることができる。
また、電池に導入する正極と負極とのバランスを良好として、より実用性の高い電池を形成する観点からは、正負極厚み比a3/b3は、8.0以下であることが好ましく、6.0以下であることがより好ましい。
更に、正極合剤層の厚み(集電体の両面に正極合剤層が形成されている場合には、片面当たりの厚み)や正極合剤の成形体の厚みは、0.2mm以上であることが好ましく、0.4mm以上であることがより好ましく、また、5mm以下であることが好ましい。
本発明の非水電解液一次電池に係るセパレータには、従来から知られている非水電解液一次電池で使用されているセパレータ、すなわち、微孔性樹脂フィルムからなるセパレータや樹脂不織布からなるセパレータが使用できる。その材質としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィンの他、耐熱用として、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)などのフッ素樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などが挙げられる。また、前記材質の微孔性フィルムと不織布とを複数積層するか、または微孔性フィルム同士や不織布同士を複数積層することによって構成される複層構造のセパレータを用いることにより、高温環境下で使用する場合の信頼性を高めることもできる。
セパレータの厚みは、例えば、10〜500μmであることが好ましい。また、セパレータの空孔率は、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上であって、好ましくは90%以下、より好ましくは70%以下である。ここでいうセパレータの空孔率は、一定面積の試料を切り出してその質量と厚みを測定し、これらの測定値から算出することで求められる値である。
本発明の非水電解液一次電池に係る非水電解液には、有機溶媒に電解質を溶解させたものが使用できる。有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状炭酸エステル;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートなどの鎖状炭酸エステル;1,2−ジメトキシエタン、ジグライム(ジエチレングリコールジメチルエーテル)、トリグライム(トリエチレングリコールジメチルエーテル)、テトラグライム(テトラエチレングリコールジメチルエーテル)、メトキシエトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフランなどのエーテル;などが挙げられる。特に、前記の炭酸エステルとエーテルとを併用することが好ましい。
非水電解液溶媒として、炭酸エステルとエーテルとを併用する場合には、全溶媒中の炭酸エステルとエーテルとの量比(混合比)は、体積比で、炭酸エステル:エーテル=30:70〜70:30とすることが好ましい。
非水電解液に溶解させる電解質としては、例えば、LiBF、LiPF、LiAsF、LiSbF、LiClO、LiC2n+1SO(n≧1)[LiCFSO、LiCSOなど]、リチウムイミド塩[LiN(CFSO、LiN(CSOなど]、LiC(CFSO、LiCFCO、LiB10Cl10、低級脂肪酸カルボン酸リチウム、LiAlCl、LiCl、LiBr、LiI、クロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウムなどが挙げられ、それらのうちの少なくとも1種が用いられる。
非水電解液中における電解質の濃度は、特に限定されるものではないが、0.2〜2mol/lが好ましく、0.3〜1.5mol/lがより好ましい。
本発明の非水電解液一次電池においては、非水電解液の質量C(mg)と正極合剤層または正極合剤の成形体の質量D(mg)との比(非水電解液−正極合剤質量比)C/Dが、0.3以上であることが好ましい。正極合剤層や正極合剤の成形体は多孔質であり、非水電解液を保持する機能を有しているが、非水電解液−正極合剤質量比C/Dを前記の値とした場合には、正極合剤層や正極合剤の成形体が含有する非水電解液量が多くなって、正極の利用率がより向上する。また、非水電解液−正極合剤質量比C/Dは、0.6以下であることが好ましい。
本発明の非水電解液一次電池において、非水電解液は、通常、液状のまま用いるが、ポリマーなどでゲル化したゲル状のもの(ゲル状電解質)を用いてもよい。
本発明の非水電解液一次電池の形態については特に制限はなく、外装缶と封口板とをガスケットを介してカシメ封口したり、外装缶と封口板とを溶接して封口したりする電池ケースを有する扁平形(コイン形、ボタン形を含む);金属ラミネートフィルムからなる外装体を有するラミネート形;有底筒形の外装缶と封口板とをガスケットを介してカシメ封口したり、外装缶と封口板とを溶接して封口したりする電池ケースを有する筒形〔円筒形、角形(角筒形)〕;など、いずれの形態とすることもできる。
図1に、本発明の非水電解液一次電池の一例を模式的に表す縦断面図を示す。図1に示す非水電解液一次電池1は、コイン形などの扁平形電池の例である。非水電解液一次電池1では、正極2が、ステンレス鋼などを素材とする外装缶5の内側に収容され、その上にセパレータ4を介して負極3が配置されている。また、負極3は封口板6の内面に圧着されている。更に、電池内部には非水電解液(図示しない)が注入されている。
非水電解液一次電池1において、外装缶5は正極端子を兼ねており、封口板6は負極端子を兼ねている。そして、封口板6は、外装缶5の開口部に、樹脂製の絶縁ガスケット7を介して嵌合しており、外装缶5の開口端部が内方に締め付けられ、これにより絶縁ガスケット7が封口板6に当接することで、外装缶5の開口部が封口されて電池内部が密閉構造となっている。すなわち、非水電解液一次電池1は、外装缶5と封口板6と、これらの間に介在する絶縁ガスケット7とで形成され、密閉された電池ケース内に、正極(例えば、正極合剤の成形体からなる正極)2、セパレータ4および負極(リチウム−アルミニウム合金を含有するリチウム金属箔)3を積層した電極体と、非水電解液とが収容されている。
なお、負極3が含有するリチウム−アルミニウム合金は、前記の通り、リチウム金属箔にアルミニウム金属箔を貼り付けた積層体を、アルミニウム金属箔側がセパレータ4側となるように配置した電池ケース内において、非水電解液の共存下でアルミニウム金属箔中のアルミニウムとリチウム金属箔中のリチウムとを合金化させて形成する。
また、図1に示すような扁平形の非水電解液一次電池では、正極合剤の成形体からなる正極2を、その外装缶5側の外周に台座を配して支持することが行われることもあるが、本発明の非水電解液一次電池においては、図1に示すように、正極2を支持する台座は用いないことが好ましい。前記の通り、本発明の非水電解液一次電池では、正極活物質に使用する前記一般式(1)で表されるマンガン酸リチウムの特性から、正極の側面も電池反応の反応面として機能するが、台座を使用した場合には、台座によって保持される正極の側面部分が反応面として機能し難くなるため、重負荷連続放電特性の向上効果が小さくなる虞がある。
本発明の非水電解液一次電池は、これまでに説明してきた構成を採用することで、例えば、20℃の環境下で、正極と負極との対向面の単位面積当たりの電流値を10mA/cmとして定電流放電をした場合に、正極の利用率を20%以上にすることができ、優れた重負荷連続放電特性を有している。よって、本発明の非水電解液一次電池は、こうした特性を生かして、警報機用電源、通信機器用電源、小型モーター用電源などの用途に好適に用い得る他、従来から知られている非水電解液一次電池が採用されている各種用途と同じ用途にも適用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。
実施例1
<正極の作製>
正極活物質であるマンガン酸リチウム〔前記一般式(1)におけるx=1、y=3のもの〕と、導電助剤であるカーボンブラックと、バインダであるポリテトラフルオロエチレンとを、質量比で93:3:4で混合した正極合剤295mgを加圧成形して、平面視で円形の成形体(正極)とした。この正極は、厚みが0.67mmで直径が15.9mmであった。
<負極の作製>
厚みが0.12mmのリチウム金属箔を直径15.8mmの円形に打ち抜き、その片面に、直径11mmに打ち抜いた円形のアルミニウム金属箔(厚み0.006mm)を貼り付けて、負極(電池組み立て用の負極)を得た。
<電池の組み立て>
前記の正極と前記の負極と、セパレータ(PP不織布製、厚み0.30mm)と、非水電解液(PCとDMEの1:1混合溶媒に、過塩素酸リチウムを0.5Mの濃度で溶解させた溶液)128.4mgを用いて、図1に示す構造の非水電解液一次電池(直径20.0mm、厚み1.53mm)を組み立てた。
実施例2
正極合剤の成形体の密度を調整することで、その厚みを0.60mmに変更した以外は、実施例1と同様にして非水電解液一次電池を作製した。
実施例3
正極合剤の成形体の密度を調整することで、その厚みを0.57mmに変更した以外は、実施例1と同様にして非水電解液一次電池を作製した。
実施例4
非水電解液の使用量を85.6mgに変更した以外は、実施例1と同様にして非水電解液一次電池を作製した。
比較例1
正極合剤の成形体の密度を調整することで、その厚みを0.67mmとしつつ正極の直径を15mmに変更した以外は、実施例1と同様にして非水電解液一次電池を作製した。
実施例および比較例の非水電解液一次電池について、下記の方法で重負荷連続放電を行い、正極の利用率を求めた。
実施例および比較例の各非水電解液一次電池に用いたものと同じ正極と、正極の理論容量に対して十分に大きな理論容量の負極(具体的には、リチウム金属箔の厚みを0.24mmに変更した以外は実施例1と同様に作製した負極)とを組み合わせた以外は、実施例1と同様にしてモデルセルを作製し、これらのモデルセルについて20℃で15kΩの条件で2Vになるまで放電を行って放電容量を求め、これらを各正極の容量Pとした。
次に、実施例および比較例の非水電解液一次電池について、正極と負極とが対向する面の面積当たりの電流値を10mA/cmとして連続放電を行って放電容量を求め、これらの放電容量を、前記の方法で求めた各正極の容量Pで除した値を百分率で表して、正極の利用率を算出した。
実施例および比較例の非水電解液一次電池の構成と、前記の方法で求めた正極の利用率とを表1に示す。
表1に示す通り、適正な組成のマンガン酸リチウムを正極活物質とする正極と、リチウム−アルミニウム合金を含有するリチウム金属箔を有する負極とを有し、正極の反応面積Aと負極の反応面積Bとが適正な関係にある実施例1〜4の非水電解液一次電池は、正極の反応面積Aと負極の反応面積Bとの関係が不適な比較例1の電池に比べて、重負荷連続放電時における正極の利用率が高く、優れた重負荷連続放電特性を有していた。
また、実施例1の非水電解液一次電池と実施例4の非水電解液一次電池とは、非水電解液−正極合剤質量比C/Dが異なる以外は同じ構成であるが、このC/Dの値がより好適な実施例1の電池は、実施例4の電池よりも正極の利用率が高く、重負荷連続放電特性がより優れていた。
更に、実施例1〜3の非水電解液一次電池は、正極(正極合剤の成形体)の厚みが異なる以外は同じ構成であるが、これにより、正極の反応面積Aと負極の反応面積Bとの関係がより好適であり、かつ正負極厚み比a3/b3がより好適な実施例1の電池は、実施例2、3の電池よりも正極の利用率が高く、重負荷連続放電特性がより優れていた。
1 非水電解液一次電池
2 正極
3 負極
4 セパレータ
5 外装缶
6 封口板
7 絶縁ガスケット

Claims (6)

  1. 正極、負極、セパレータ、電池缶および非水電解液を有する非水電解液一次電池であって、
    前記正極は、正極活物質として、下記一般式(1)
    LiMn2y (1)
    〔前記一般式(1)中、0.5≦x≦1.5、1≦y≦5である。〕で表されるマンガン酸リチウムを含有する正極合剤により形成された正極合剤層を有するか、または前記正極合剤の成形体であり、
    前記負極は、リチウム−アルミニウム合金を含有するリチウム金属箔を有しており、
    前記正極と前記負極とが対向する面における前記正極の平面視での面積a1(mm)と、前記正極合剤層または前記正極合剤の成形体の厚み方向の面の面積a2(mm)との合計により求められる前記正極の反応面積をA(mm)とし、前記正極と前記負極とが対向する面における前記負極の平面視での面積b1(mm)と、前記リチウム−アルミニウム合金を含有するリチウム金属箔の厚み方向の面の面積b2(mm)との合計により求められる前記負極の反応面積をB(mm)としたとき、A>1.05×Bであり、
    前記非水電解液の質量C(mg)と前記正極合剤層または前記正極合剤の成形体の質量D(mg)との比C/Dが、0.3以上であることを特徴とする非水電解液一次電池。
  2. 前記負極は、リチウム100質量部に対してアルミニウムを2〜30質量部含有している請求項1に記載の非水電解液一次電池。
  3. 前記正極の容量Pと前記負極の容量Nとの比P/Nが、1よりも大きい請求項1または2に記載の非水電解液一次電池。
  4. 前記負極が有するリチウム−アルミニウム合金は、リチウム金属箔の正極との対向面にアルミニウム金属箔を配置して形成したものである請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解液一次電池。
  5. 前記正極合剤層または前記正極合剤の成形体の厚みa3(mm)と、前記負極が有するリチウム−アルミニウム合金を含有するリチウム金属箔の厚みb3(mm)との比a3/b3が、4.0以上である請求項1〜4のいずれかに記載の非水電解液一次電池。
  6. 前記正極の平面視での面積a1(mm)と、前記負極の平面視での面積b1(mm )とが、a1>b1である請求項1〜のいずれかに記載の非水電解液一次電池。
JP2014038364A 2014-02-28 2014-02-28 非水電解液一次電池 Active JP6254016B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014038364A JP6254016B2 (ja) 2014-02-28 2014-02-28 非水電解液一次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014038364A JP6254016B2 (ja) 2014-02-28 2014-02-28 非水電解液一次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015162425A JP2015162425A (ja) 2015-09-07
JP6254016B2 true JP6254016B2 (ja) 2017-12-27

Family

ID=54185381

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014038364A Active JP6254016B2 (ja) 2014-02-28 2014-02-28 非水電解液一次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6254016B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019517722A (ja) * 2016-06-08 2019-06-24 ソリッドエナジー システムズ,エルエルシー 高エネルギー密度、高出力密度、高容量及び室温対応「アノードフリー」二次電池
CN109256548A (zh) * 2018-09-06 2019-01-22 珠海光宇电池有限公司 一种高强度超轻复合锂带及其制备方法
TWI702753B (zh) 2019-08-21 2020-08-21 國立臺灣科技大學 一次電池及其電極組

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000048859A (ja) * 1998-07-31 2000-02-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd 有機電解液電池
JP4326201B2 (ja) * 2002-09-30 2009-09-02 三洋電機株式会社 耐熱性リチウム電池
JP2005340116A (ja) * 2004-05-31 2005-12-08 Hitachi Maxell Ltd 非水電解液電池の製造方法
JP5303138B2 (ja) * 2007-11-21 2013-10-02 Fdkエナジー株式会社 リチウム電池
JP2012079440A (ja) * 2010-09-30 2012-04-19 Panasonic Corp コイン形リチウム電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015162425A (ja) 2015-09-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3959708B2 (ja) リチウム電池用正極の製造方法およびリチウム電池用正極
JP5522844B2 (ja) 電気化学素子用電極およびリチウムイオン二次電池
JP2011081931A (ja) リチウムイオン二次電池
JP2006202647A (ja) 非水電解質二次電池
JP2015130287A (ja) 炭素複合体及び蓄電デバイス
JP2013037999A (ja) 金属空気電池
JP2014022334A (ja) 非水蓄電デバイス用電解液
JP2019160782A (ja) 負極及びリチウムイオン二次電池
JP6178020B2 (ja) 非水電解液一次電池およびその製造方法
CN108352561B (zh) 锂离子二次电池
JP6254016B2 (ja) 非水電解液一次電池
JP6344859B2 (ja) 非水電解液一次電池およびその製造方法
JP2013191390A (ja) リチウムイオン二次電池
JP2010244950A (ja) フィルム外装型非水系電解質二次電池
JP2014022335A (ja) 非水蓄電デバイス用電解液
JP5742402B2 (ja) リチウム二次電池及びその製造方法
JP2005293960A (ja) リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池
CN111052486B (zh) 非水电解质二次电池
JP2013191484A (ja) 負極活物質層、その製造方法及び非水電解質二次電池
WO2014073217A1 (ja) 非水電解質電池の製造方法及び非水電解質電池
JP5636901B2 (ja) 二次電池用負極及び空気二次電池
JP2019169346A (ja) リチウムイオン二次電池
CN110265628B (zh) 正极及锂离子二次电池
JP6386406B2 (ja) 非水電解液一次電池
WO2020054662A1 (ja) 筒形非水電解液一次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161117

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170619

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170622

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170810

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171020

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171102

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171129

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6254016

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250