JP6386406B2 - 非水電解液一次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、良好な放電特性を有し、かつ高温環境下での信頼性に優れた非水電解液電池に関するものである。
現在、非水電解液を有するリチウム一次電池やリチウムイオン二次電池などの非水電解液電池は、種々の分野で適用されているが、その用途の広がりを受けて、各種の特性の向上を図ることが試みられている。
こうした非水電解液電池の特性改善手法の一つとして、非水電解液中に種々の機能を有する添加剤を含有させることが行われている。例えば、特許文献1には、不飽和スルトンを含有する非水電解液を使用することで、非水電解液二次電池の自己放電を小さくしたり、負荷特性や抵抗の劣化を抑制したり、電池内のガス発生量を低減したりする技術が提案されている。
特開2002−329528号公報
ところで、非水電解液電池では、正極活物質に二酸化マンガンなどのマンガン含有酸化物を使用し、負極活物質に金属リチウムまたはリチウム合金を使用したものが知られているが、こうした電池においても、継続的に放電特性を向上させることが求められている。
また、近年では、非水電解液電池をタイヤ内部の圧力センサーの電源用途のように高温に曝される用途に適用することも検討されているが、特にマンガン含有酸化物を正極活物質とする非水電解液電池では、こうした環境下に長時間置かれると内部でガスが発生しやすく、これを抑制することも求められている。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、良好な放電特性を有し、かつ高温環境下での信頼性に優れた非水電解液電池を提供することにある。
前記目的を達成し得た本発明の非水電解液電池は、金属リチウムまたはリチウム合金を含有する負極、正極、セパレータおよび非水電解液を有するものであって、前記正極は、正極活物質としてマンガン含有酸化物を含有しており、前記非水電解液として、少なくとも環状カーボネートを溶媒とし、かつ不飽和環状スルトン化合物を0.7〜10質量%含有する電解液を用いたことを特徴とするものである。
本発明によれば、良好な放電特性を有し、かつ高温環境下での信頼性に優れた非水電解液電池を提供することができる。
本発明の非水電解液電池の一例を模式的に表す縦断面図である。 実施例での高温環境下での信頼性評価の結果を示すグラフである。
本発明の非水電解液電池は、金属リチウムまたはリチウム合金を含有する負極と、マンガン含有酸化物を正極活物質とする正極とを有すると共に、環状カーボネートを溶媒とし、特定量の不飽和環状スルトン化合物を含有する非水電解液を用いている。本発明の非水電解液電池は、例えば不飽和環状スルトン化合物を含有していない非水電解液を用いた電池に比べて、放電特性を高めることができる。
金属リチウムまたはリチウム合金を含有する負極と、マンガン含有酸化物を含有する正極とを有する非水電解液電池においては、正極活物質のマンガンによる電解液の分解およびガス発生が生じやすいとともに、電池内に持ち込まれた水分が負極のリチウムを部分的に失活させ、放電反応に関与し得なくなるようにしてしまう。そのため、この種の非水電解液電池では、正極での反応を抑制するとともに、負極に対する水分の影響も抑制する必要があった。
本発明の非水電解液電池に用いる非水電解液に含有させる不飽和環状スルトン化合物は、電池内で正極や負極の表面に被膜を形成する機能を有している。非水電解液電池においては、不飽和環状スルトン化合物以外にも、非水電解液に含有させることで、電池内で正極や負極の表面に被膜形成し得る添加剤が数多く知られており、飽和環状スルトン化合物である1,3−プロパンスルトンなどの添加剤を有する非水電解液電池も実用化されている。しかし、環状カーボネートを溶媒とする非水電解液に添加された不飽和環状スルトン化合物によって正極や負極の表面に形成される被膜は、他の添加剤により形成される被膜とは異なり、電池内に持ち込まれた水分による負極のリチウムの失活を効果的に抑制することができ、負極のリチウムの利用率を向上させ、そのために電池の放電特性を向上させることができると考えられる。
また、マンガン含有酸化物を正極活物質とする非水電解液電池では、放電が進み負極のリチウムがある程度消費された段階、例えば、放電深度が50%以上になるまで放電された段階の非水電解液電池を高温下で長時間保存すると、ある程度の時間が経過した段階で、電池内でのガス発生が急激に進むことが、本発明者らの検討により明らかとなっている。すなわち、飽和環状スルトン化合物を電解液に添加した電池では、前記の放電深度において高温下で保存した場合に、ある程度の時間までは有効にガス発生を抑制することが可能であるが、一定以上の時間が経過すると、ガス発生を抑制できなくなることが明らかとなっている。
ところが、理由は定かではないが、前記のような放電深度の非水電解液電池であっても、環状カーボネートを含有する非水電解液に添加された不飽和環状スルトン化合物によって正極の表面に形成される被膜であれば、高温下で長時間保存されることで生じ得る非水電解液の分解によるガス発生を良好に抑制することができる。また、不飽和環状スルトン化合物によって負極の表面に形成される被膜は、前記のような放電深度の電池が高温下で長時間保存された場合でも、水分による負極のリチウムの失活を効果的に抑制することができる。
本発明の非水電解液電池は、これらの作用によって、良好な放電特性を有し、かつ高温環境下での信頼性に優れたものとなる。
本発明の非水電解液電池に係る非水電解液には、有機溶媒に電解質を溶解させたものが使用できる。有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状カーボネートのうちの1種または2種以上を使用するが、これらの環状カーボネートと共に、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートなどの鎖状カーボネート;1,2−ジメトキシエタン(DME)、ジグライム(ジエチレングリコールジメチルエーテル)、トリグライム(トリエチレングリコールジメチルエーテル)、テトラグライム(テトラエチレングリコールジメチルエーテル)、メトキシエトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフランなどのエーテル;γ−ブチロラクトンなどの環状エステル;ニトリルなどを併用することもできる。特に、環状カーボネートと共に前記のエーテルを使用することが好ましい。また、環状カーボネートには、PCを使用することがより好ましい。
非水電解液溶媒として、環状カーボネートとエーテルとを併用する場合には、全溶媒中の環状カーボネートとエーテルとの量比(混合比)は、体積比で、環状カーボネート:エーテル=30:70〜70:30とすることが好ましい。
また、非水電解液溶媒にはニトリルを使用することも好ましい。ニトリルは低粘度であり、かつ高誘電率であることから、これを非水電解液溶媒として用いることで、非水電解液電池の負荷特性をより高めることができる。
ニトリルの具体例としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、ベンゾニトリル、アクリロニトリルなどのモノニトリル;マロノニトリル、スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、1,4−ジシアノヘプタン、1,5−ジシアノペンタン、1,6−ジシアノヘキサン、1,7−ジシアノヘプタン、2,6−ジシアノヘプタン、1,8−ジシアノオクタン、2,7−ジシアノオクタン、1,9−ジシアノノナン、2,8−ジシアノノナン、1,10−ジシアノデカン、1,6−ジシアノデカン、2,4−ジメチルグルタロニトリルなどのジニトリル;ベンゾニトリルなどの環状ニトリル;メトキシアセトニトリルなどのアルコキシ置換ニトリル; などが挙げられる。これらの中でも、アセトニトリルが特に好ましい。
非水電解液溶媒にニトリルを使用する場合、非水電解液溶媒全量中のニトリルの含有量は、ニトリルの使用による前記の効果をより良好に確保する観点から、5体積%以上であることが好ましく、8体積%以上であることがより好ましい。ただし、ニトリルは負極のリチウムとの反応性が高いため、ニトリルの使用量をある程度制限して、これらの間での過剰な反応を抑制することが好ましい。よって、非水電解液溶媒全量中のニトリルの含有量は、20体積%以下であることが好ましく、17体積%以下であることがより好ましい。
非水電解液に溶解させる電解質としては、例えば、LiBF、LiPF、LiAsF、LiSbF、LiClO、LiC2n+1SO(n≧1)〔LiCFSO、LiCSOなど〕、リチウムイミド塩〔LiN(FSO、LiN(CFSO、LiN(CSOなど〕、LiC(CFSO、LiCFCO、LiB10Cl10、低級脂肪酸カルボン酸リチウム、LiAlCl、LiCl、LiBr、LiI、クロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウムなどが挙げられ、それらのうちの少なくとも1種が用いられる。
非水電解液中における電解質の濃度は、特に限定されるものではないが、0.2〜2mol/lであることが好ましく、0.3〜1.5mol/lであることがより好ましい。
また、本発明に使用する非水電解液には、不飽和環状スルトン化合物を含有させる。不飽和環状スルトン化合物としては、電解液への溶解性などの点から、5員環〜7員環の化合物が好ましく、下記一般式(1)で表される5員環構造を有するものがより好ましく用いられる。
Figure 0006386406
〔前記一般式(1)中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、フッ素、または炭素数が1〜12で、その一部または全部の水素がフッ素で置換されていてもよい炭化水素基である。〕
前記一般式(1)で表される不飽和環状スルトン化合物の中でも、R、R、RおよびRは、それぞれ水素、フッ素、または炭素数が1〜3で、その一部または全部の水素がフッ素で置換されていてもよい炭化水素基であるものが好ましく、1,3−プロペンスルトン(PRS)がより好ましい。
電池に使用する非水電解液中の不飽和環状スルトン化合物の含有量は、その使用による前記の効果を良好に確保する観点から、0.7質量%以上であり、1質量%以上であることが好ましい。ただし、非水電解液中の不飽和環状スルトン化合物の量が多すぎると、例えば負極表面に形成される被膜が厚くなりすぎて、電池の内部抵抗が大きくなる虞がある。よって、電池に使用する非水電解液中の不飽和環状スルトン化合物の含有量は、10質量%以下であり、5質量%以下であることが好ましく、4質量%以下であることがより好ましい。
また、非水電解液には、必要に応じて、酸無水物などの添加剤を含有させてもよい。酸無水物としては、例えば、無水メリト酸、無水マロン酸、無水マレイン酸、無水酪酸、無水プロピオン酸、無水プルビン酸、無水フタロン酸、無水フタル酸、無水ピロメリト酸、無水乳酸、無水ナフタル酸、無水トルイル酸、無水チオ安息香酸、無水ジフェン酸、無水シトラコン酸、無水ジグリコールアミド酸、無水酢酸、無水琥珀酸、無水桂皮酸、無水グルタル酸、無水グルタコン酸、無水吉草酸、無水イタコン酸、無水イソ酪酸、無水イソ吉草酸、無水安息香酸などが挙げられる。電池に使用する非水電解液中の酸無水物の含有量は、0.5〜5質量%であることが好ましい。
また、非水電解液には、公知のゲル化剤を添加してゲル状としたもの(ゲル状電解質)を用いることもできる。
本発明の非水電解液電池に係る負極は、金属リチウムまたはリチウム合金を含有するものである。金属リチウムを含有する負極としては、金属リチウム箔をそのまま使用できるほか、金属リチウム箔を集電体の片面または両面に圧着した構造のものを使用することもできる。
また、リチウム合金を含有する負極としては、リチウム合金箔をそのまま使用できるほか、リチウム合金箔を集電体の片面または両面に圧着した構造のものを使用することもできる。
更に、リチウム合金を含有する負極の場合、金属リチウム箔などで構成されるリチウム層(リチウムを含む層)の表面にリチウム合金を形成するための合金元素を含む層を圧着するなどして積層した積層体を使用し、この積層体を電池内で非水電解液と接触させることで、前記リチウム層の表面にリチウム合金を形成させて負極とすることもできる。このような負極の場合、リチウム層の片面のみに合金元素を含む層を有する積層体を用いてもよく、リチウム層の両面に合金元素を含む層を有する積層体を用いてもよい。前記積層体は、例えば、金属リチウム箔と合金元素で構成された箔とを圧着することで形成することができる。
また、電池内でリチウム合金を形成して負極とする場合にも集電体を使用することができ、例えば、負極集電体の片面にリチウム層を有し、かつリチウム層の負極集電体とは反対側の面に合金元素を含む層を有する積層体を用いてもよく、負極集電体の両面にリチウム層を有し、かつ各リチウム層の負極集電体とは反対側の面に合金元素を含む層を有する積層体を用いてもよい。負極集電体とリチウム層(金属リチウム箔)とは、圧着などにより積層すればよい。
リチウム合金を形成するための合金元素としては、アルミニウム、鉛、ビスマス、インジウム、ガリウムなどが挙げられるが、アルミニウムが好ましい。
負極とするための前記積層体に係る前記合金元素を含む層には、例えば、これらの合金元素で構成された箔などが使用できる。前記合金元素を含む層の厚みは、1μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましく、20μm以下であることが好ましく、12μm以下であることがより好ましい。
負極とするための前記積層体に係るリチウム層には、例えば、金属リチウム箔などを用いることができる。リチウム層の厚みは、0.1〜1.5mmであることが好ましい。また、金属リチウムを含有する負極とする場合のリチウム層(その形成に使用する金属リチウム箔)の厚みも、0.1〜1.5mmであることが好ましい。
負極集電体としては、銅、ニッケル、鉄、ステンレス鋼を素材とするものが挙げられ、その形態としては、平織り金網、エキスパンドメタル、ラス網、パンチングメタル、金属発泡体、箔(板)などが例示できる。集電体の厚みは、例えば、0.005〜0.1mmであることが好ましい。このような集電体の表面には、カーボンペーストや銀ペーストなどのペースト状導電材を塗布しておくことも望ましい。
本発明の非水電解液電池に係る正極には、例えば、正極活物質、導電助剤、バインダなどを含有する合剤(正極合剤)をペレット状などに成形した成形体や、前記正極合剤からなる層(正極合剤層)を集電体の片面または両面に有する構造のものを使用することができる。
正極活物質にはマンガン含有酸化物を使用する。マンガン含有酸化物の具体例としては、二酸化マンガンなどのマンガン酸化物;LiMn(0<x<2)、LiMnO(0<y<1)などのリチウム含有複合酸化物;などが挙げられ、これらのうちの1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、本発明においては、マンガン含有酸化物と共に他の正極活物質を使用してもよい。マンガン含有酸化物以外の他の正極活物質としては、バナジウム酸化物、ニオブ酸化物、チタン酸化物、二硫化鉄などの硫化物;フッ化黒鉛;などが挙げられる。
マンガン含有酸化物と他の正極活物質とを併用する場合、正極活物質全量中のマンガン含有酸化物の含有量は、80質量%以上であることが好ましい。なお、正極活物質にはマンガン含有酸化物のみを使用できるため、正極活物質全量中のマンガン含有酸化物の含有量の好適上限値は、100質量%である。
また、正極合剤に係る導電助剤としては、例えば、鱗片状黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンブラックなどが挙げられ、これらのうちの1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
更に、正極合剤に係るバインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、六フッ化プロピレンの重合体などのフッ素樹脂などが挙げられ、これらのうちの1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
正極は、正極合剤の成形体の場合には、例えば、正極活物質、導電助剤およびバインダなどを混合して調製した正極合剤を所定の形状に加圧成形することで製造することができる。
また、正極合剤層と集電体とを有する形態の正極の場合には、例えば、正極活物質、導電助剤およびバインダなどを水またはN−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの有機溶媒に分散させて正極合剤含有組成物(スラリー、ペーストなど)を調製し(バインダは溶媒に溶解していてもよい)、これを集電体上に塗布し乾燥し、必要に応じてカレンダ処理などのプレス処理を施す工程を経て製造することができる。
ただし、正極は、前記の各方法で製造されたものに限定されず、他の方法で製造したものであってもよい。
正極に係る正極合剤中の組成としては、正極活物質の量が80〜90質量%であることが好ましく、導電助剤の含有量が1.5〜10質量%であることが好ましく、バインダの含有量が0.3〜10質量%であることが好ましい。
正極合剤の成形体の場合、その厚みは、0.15〜4mmであることが好ましい。他方、正極合剤層と集電体とを有する形態の正極の場合、正極合剤層の厚み(集電体の片面あたりの厚み)は、30〜300μmであることが好ましい
正極に集電体を用いる場合には、その集電体としては、例えば、SUS316、SUS430、SUS444などのステンレス鋼を素材とするものが挙げられ、その形態としては、平織り金網、エキスパンドメタル、ラス網、パンチングメタル、金属発泡体、箔(板)などが例示できる。集電体の厚みは、例えば、0.05〜0.2mmであることが好ましい。このような集電体の表面には、カーボンペーストや銀ペーストなどのペースト状導電材を塗布しておくことも望ましい。
本発明の非水電解液電池において、集電体を有する負極(または負極用の積層体)と集電体を有する正極とを使用する場合は、セパレータを介して積層した積層体(積層電極体)や、この積層体を渦巻状に巻回した巻回体(巻回電極体)、更にこの巻回体を横断面が扁平状となるように成形した扁平状巻回体(扁平状巻回電極体)の形で使用することができる。また、正極合剤の成形体からなる正極と、集電体を有しない負極(または負極用の積層体)とを使用する場合は、これらの間にセパレータを介在させつつ扁平形の電池ケース内に収容して使用することができる。
セパレータには不織布や微多孔膜(微多孔性フィルム)が使用されるが、その素材としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレフィンが使用できるほか、電池の用途との関係で耐熱性が要求される場合には、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)などのフッ素樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリメチルペンテンなども使用することができる。不織布や微多孔膜の素材は、前記例示のもののうちの1種のみをもちいてもよく、2種以上を用いてもよい。また、セパレータとなる不織布や微多孔膜は、前記例示の素材で構成された単層構造のもののほか、例えば、異なる素材で構成された複数枚の不織布や微多孔膜を積層した積層構造のものを用いることもできる。
セパレータの厚みは、電池のエネルギー密度の低下を抑制する観点から、500μm以下であることが好ましく、450μm以下であることがより好ましい。ただし、セパレータが薄すぎると、短絡を防止する機能が低下する虞があることから、その厚みは、不織布を用いる場合は、100μm以上であることが好ましく、150μm以上であることがより好ましい。
本発明の非水電解液電池の形態については特に制限はなく、外装缶と封口板とをガスケットを介してカシメ封口したり、外装缶と封口板とを溶接して封口したりする電池ケースを有する扁平形(コイン形、ボタン形を含む);金属ラミネートフィルムからなる外装体を有するラミネート形;有底筒形の外装缶と封口板とをガスケットを介してカシメ封口したり、外装缶と封口板とを溶接して封口したりする電池ケースを有する筒形〔円筒形、角形(角筒形)〕;など、いずれの形態とすることもできる。
なお、カシメ封口を行う形態の外装体を使用する場合、外装缶と封口板との間に介在させるガスケットの素材には、PP、ナイロンなどを使用できるほか、電池の用途との関係で耐熱性が要求される場合には、PFAなどのフッ素樹脂、ポリフェニレンエーテル(PEE)、ポリスルフォン(PSF)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルスルフォン(PES)、PPS、PEEKなどの融点が240℃を超える耐熱樹脂を使用することもできる。また、電池が耐熱性を要求される用途に適用される場合、その封口には、ガラスハーメチックシールを利用することもできる。
本発明の非水電解液電池は、一次電池の態様をとることも二次電池の態様をとることもでき、放電特性が良好である上に高温環境下での信頼性に優れていることから、こうした特性を生かして、タイヤ内部の圧力センサーの電源用途などの自動車用途のように、特に高温に曝されやすい用途に好適に用い得るほか、従来から知られている非水電解液電池が採用されている各種用途と同じ用途にも適用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。
実施例1
<正極の作製>
正極活物質である二酸化マンガンと、導電助剤であるカーボンブラックと、バインダであるPTFEとを、93:3:4の質量比で混合して調製した正極合剤を成形して、直径16mm、厚み0.73mmの正極(正極合剤成形体)を得た。
<負極用積層体の作製>
厚みが0.24mmのリチウム箔の片面に、厚みが6μmのアルミニウム箔を圧着し、これを直径16mmの円形に打ち抜いて、負極用積層体を得た。
<非水電解液の調製>
PCとDMEとを、体積比1:1で混合した混合溶媒に、LiClOを0.5mol/lの濃度で溶解させ、更に2質量%となる量のPRSを添加して、非水電解液を調製した。
<電池の組み立て>
前記の正極と負極用積層体と非水電解液とを使用し、セパレータにPP製の不織布(厚み170μm)を使用して、図1に示す構造で、直径20mm、高さ1.6mmの非水電解液電池を組み立てた。
図1は、実施例1の非水電解液電池を模式的に表す縦断面図であり、実施例1の非水電解液電池1では、正極2が、ステンレス鋼を素材とする外装缶5の内側に収容され、その上にセパレータ4を介して負極3が配置されている。また、負極3は、リチウム層(リチウム箔)側の面で封口板6の内面に圧着されている。なお、図1では図示していないが、負極3のセパレータ4側の表面には、リチウム−アルミニウム合金が形成されている。更に、電池1の内部には非水電解液(図示しない)が注入されている。
非水電解液電池1において、外装缶5は正極端子を兼ねており、封口板6は負極端子を兼ねている。そして、封口板6は、外装缶5の開口部に、PPS製の絶縁ガスケット7を介して嵌合しており、外装缶5の開口端部が内方に締め付けられ、これにより絶縁ガスケット7が封口板6に当接することで、外装缶5の開口部が封口されて電池内部が密閉構造となっている。すなわち、非水電解液電池1は、外装缶5と封口板6と、これらの間に介在する絶縁ガスケット7とで形成され、密閉された電池ケース内に、正極2、セパレータ4および負極3を積層した電極体と、非水電解液とが収容されている。
比較例1
PRSに代えて1,3−プロパンスルトン(PS)を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液を調製し、この非水電解液を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
比較例2
PRSの添加量を0.5質量%とした以外は実施例1と同様にして非水電解液を調製し、この非水電解液を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
<高温貯蔵後の放電特性評価>
実施例1および比較例1、2の非水電解液電池について、下記の条件で、初度および放電深度が60%の電池に対する高温貯蔵後の放電特性の評価を行った。
組み立て後の各電池を120℃に調整した恒温槽内に入れて保持し、200時間経過した後に各電池を取り出した。次いで、各電池を室温まで冷却させた後、100Ωの抵抗を接続して放電させ、放電開始から0.3秒後の電池の閉回路電圧(CCV)を測定し、初度の電池に対する高温貯蔵後の放電特性を評価した。
また、前記評価に使用したものとは別の電池に対し、15kΩの抵抗を接続して、正極容量に対する放電深度が60%になるまで放電を行った。次いで、放電後の各電池を120℃に調整した恒温槽内に入れ、以下、初度の電池に対する測定と同様の条件で、放電深度が60%の電池に対する高温貯蔵後の放電特性を評価した。
<高温環境下での信頼性評価>
実施例1および比較例1の非水電解液電池について、15kΩの抵抗を接続して、正極容量に対する放電深度が60%になるまで放電を行った。放電後の各電池を120℃に調整した恒温槽内に入れ、表2に示す時間ごとに各電池の高さを測定し、電池製造直後の高さ(1.6mm)からの変化量(電池膨れ量)を求めた。
高温貯蔵後の放電特性の評価結果を表1に示し、高温環境下での信頼性評価結果を表2および図2に示す。
Figure 0006386406
Figure 0006386406
表1に示すように、適量のPRSを含有する非水電解液を使用した実施例1の非水電解液電池は、初度の状態だけでなく、ある程度放電が進んだ状態であっても、閉回路電圧が高く、高温貯蔵後の放電特性の低下を効果的に抑制することができた。
一方、PRSに代えてPSを含有する非水電解液を使用した比較例1の電池、およびPRSの添加量が少なすぎる非水電解液を使用した比較例2の電池では、初度の状態において、高温貯蔵後の放電特性の低下を効果的に抑制することができたが、ある程度放電が進んだ状態では、放電特性の低下を抑制することができなかった。
図2は、前記の高温環境下での信頼性評価の結果を示すグラフであり、放電深度60%の電池を120℃の環境下で貯蔵した時間を横軸に、製造直後からの電池膨れ量を縦軸に示している。表2および図2に示す通り、溶媒に環状カーボネート(PC)を用い、かつ適量のPRSを含有する非水電解液を使用した実施例1の非水電解液電池は、貯蔵時間が経過しても良好に電池膨れが抑制されていたのに対し、PRSに代えてPSを含有する非水電解液を使用した比較例1の電池では、貯蔵時間が305時間を過ぎたあたりで、電池の膨れ量が急激に増大した。
以上の結果より明らかなように、適量の不飽和環状スルトン化合物を含有する非水電解液を用いることにより、電池内において正極や負極の表面に電解液や水との反応を効果的に抑制することのできる被膜を形成することができ、良好な放電特性を有し、かつ高温環境下での信頼性に優れた電池を構成することができる。
1 非水電解液電池
2 正極
3 負極
4 セパレータ
5 外装缶
6 封口板
7 絶縁ガスケット

Claims (4)

  1. 金属リチウムまたはリチウム合金を含有する負極、正極、セパレータおよび非水電解液を有する非水電解液一次電池であって、
    前記正極は、正極活物質として二酸化マンガンを含有しており、
    前記非水電解液として、少なくとも環状カーボネートを溶媒とし、かつ不飽和環状スルトン化合物を0.7〜10質量%含有する電解液を用いたことを特徴とする非水電解液一次電池。
  2. 前記不飽和環状スルトン化合物が、下記一般式(1)で表される化合物である請求項1に記載の非水電解液一次電池。
    Figure 0006386406
    〔前記一般式(1)中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、フッ素、または炭素数が1〜12で、その一部または全部の水素がフッ素で置換されていてもよい炭化水素基である。〕
  3. 前記非水電解液が、有機溶媒として、環状カーボネートとエーテルとを含有する請求項1または2に記載の非水電解液一次電池。
  4. 前記環状カーボネートと前記エーテルとの量比が、体積比で、環状カーボネート:エーテル=30:70〜70:30である請求項3に記載の非水電解液一次電池。
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