JP6251041B2 - シート貼付装置および貼付方法 - Google Patents

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本発明は、被着体に接着シートを貼付するシート貼付装置および貼付方法に関する。
従来、半導体製造工程において、半導体ウエハ(以下、単にウエハという場合がある)に接着シートを貼付するシート貼付装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のシート貼付装置は、下部ケース内に設けられ、ウエハ(被着体)を保持するテーブルと、上部ケース内に設けられ、接着シートを押圧する押圧部および押圧部を接着シートに近接させる変形許容部を備えた押圧部材と、上部ケースに接続された減圧源とを備え、押圧部材を挟んで下部ケース側の第1空間と、上部ケース側の第2空間との圧力差により押圧部材の変形許容部をウエハ側に変形させ、押圧部材の押圧部で粘接着シートをウエハに押圧して貼付するように構成されている。
特開2008−66597号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたような従来のシート貼付装置は、例えば、図3(A)に示すように、押圧部材91の変形許容部91Bの一部のみが変形してしまい、押圧部材91の押圧部91Aの端部が所定の押圧位置よりも内側を押圧し、当該端部に位置する接着シートASがウエハWFの所定位置に貼付されず貼付不良を招来するという不都合がある。また、第2空間SPを加圧して変形許容部91Bを変形させ、押圧部91Aで接着シートをウエハに貼付する場合、図3(B)に示すように、加圧が変形許容部91Bを変形させるために費やされてしまい、押圧部91Aに所望の押圧力が付与されず、貼付不良を招来するという不都合もある。
本発明の目的は、接着シートの貼付不良を防止することができるシート貼付装置および貼付方法を提供することにある。
本発明のシート貼付装置は、接着シートを間に挟んで被着体に対向配置され、当該接着シートを前記被着体に押圧して貼付する押圧部および、当該押圧部に一体に設けられ、変形可能に設けられた変形許容部を有する第1押圧部材と、変形可能に設けられ、前記押圧部を前記接着シートに対向する面の反対側から前記被着体方向に押圧する第2押圧部材とを備えていることを特徴とする。
本発明のシート貼付装置は、前記第1押圧部材および前記第2押圧部材の一方に対して他方を滑らせる滑り手段を備えていることが好ましい。
本発明のシート貼付方法は、接着シートを間に挟んで第1押圧部材の押圧部を被着体に対向配置する工程と、第2押圧部材を前記押圧部方向に変形させ、当該第2押圧部材で前記押圧部を前記接着シートに対向する面の反対側から前記被着体方向に押圧する工程と、前記第2押圧部材で前記第1押圧部材において前記押圧部に一体に設けられた変形許容部を変形させ、前記押圧部で前記接着シートを前記被着体に押圧して貼付する工程とを実施することを特徴とする。
以上のような本発明によれば、第2押圧部材で第1押圧部材の押圧部を押圧するので、当該押圧部で接着シートを確実に被着体に押圧することができ、接着シートの貼付不良を防止することができる。
また、滑り手段を設ければ、第2押圧部材が被着体の外縁方向に変形しようとする力が第1押圧部材に摩擦力となって付与されることを抑制でき、第1押圧部材が被着体の外縁方向に変形することを抑制し、接着シートが外縁方向に伸びながら被着体に貼付されてしまうことを防止することができる。また、第1および第2押圧部材が互いに接着してしまうことを防止することもできる。
本発明の一実施形態に係るシート貼付装置の側面図。 (A)、(B)は、シート貼付装置の動作説明図。 (A)、(B)は、従来のシート貼付装置の不具合例を示す図。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下において、基準となる図を挙げることなく、例えば、上、下、左、右、または、手前、奥といった方向を示した場合は、全て図1を正規の方向(付した番号が適切な向きとなる方向)から観た場合を基準とし、上、下、左、右方向が紙面に平行な方向であり、前が紙面に直交する手前方向、後が紙面に直交する奥側方向とする。
図1において、シート貼付装置10は、被着体としてのウエハWFを支持する支持手段20と、接着シートASをウエハWFに押圧して貼付する押圧手段40とを備えている。
支持手段20は、駆動機器としての直動モータ21と、当該直動モータ21の出力軸21Aに支持され、図示しない電圧印加手段のクーロン力によってウエハWFを保持する図示しない静電チャックを有するテーブル22とを備えている。
押圧手段40は、接着シートASを間に挟んでウエハWFに対向配置され、当該接着シートASをウエハWFに押圧して貼付する押圧部41Aおよび、当該押圧部41Aに連設され、変形可能に設けられた変形許容部41Bを有する第1押圧部材41と、変形可能に設けられ、押圧部41Aを接着シートASに対向する面の反対側からウエハWF方向に押圧する第2押圧部材42と、第1押圧部材41および第2押圧部材42の一方に対して他方を滑らせる滑り手段43と、上面44Aが開口し、底面部44Bで直動モータ21を支持する箱状の下ケース44と、図示しない駆動機器によって昇降可能に設けられるとともに、下面45Aが開口した箱状に形成され、上面部45Bで第2押圧部材42の外縁部を支持する上ケース45と、上ケース45の上面部45Bに支持されるとともに、外周面から内周面に掛けて貫通孔46Aが形成され、下面46Bで第1押圧部材41の外縁部を支持する管状部材46と、上ケース45の上面部45Bと第2押圧部材42とで形成される第1密閉空間SP1(図2)に配管47Aを介して接続され、第1密閉空間SP1を減圧する真空ポンプや真空エジェクタ等の第1減圧手段47と、第1密閉空間SP1の圧力を検知する第1圧力検知手段48と、上ケース45と下ケース44とで形成される第2密閉空間SP2に配管49Aを介して接続され、第2密閉空間SP2を減圧する真空ポンプや真空エジェクタ等の第2減圧手段49と、第2密閉空間SP2の圧力を検知する第2圧力検知手段50とを備えている。なお、第1および第2減圧手段47、49は、第1および第2密閉空間SP1、SP2に大気導入可能に設けられている。また、第1および第2押圧部材41、42は、ゴムや樹脂等の弾性部材で構成されている。
第1押圧部材41は、中央部にウエハWFの外形と略同形状の凸部を有し、中央部と外周部とで厚みが異なる形状で形成され、厚みが厚い部分で押圧部41Aが構成され、厚みが薄い部分で変形許容部41Bが構成される。押圧部41Aには、接着シートASを保持する保持手段30であって、図示しない電圧印加手段のクーロン力によって接着シートASを保持する静電チャック31が設けられている。
滑り手段43は、第2押圧部材42の下面であって、第1押圧部材41と接触する接触面42Aの一部または全部に施され、第1押圧部材41に対する第2押圧部材42の摩擦力を低減するフッ素樹脂コーティングやシリコンコーティング等の表面処理により構成される。
以上のシート貼付装置10において、ウエハWFに接着シートASを貼付する手順について説明する。
先ず、図1中実線で示すように、上ケース45が下ケース44から離れた状態で、人手または多関節ロボット等の図示しない搬送手段でウエハWFをテーブル22上に載置すると、支持手段20が図示しない静電チャックを駆動し、テーブル22でウエハWFを保持した後、直動モータ21を駆動し、テーブル22を上昇させてウエハWFを所定の高さに位置させる。そして、図示しない搬送手段で接着シートASをウエハWFに対向配置された第1押圧部材41の押圧部41Aに当接させると、保持手段30が静電チャック31を駆動し、押圧部41Aで接着シートASを保持する。
次に、押圧手段40が図示しない駆動機器を駆動し、図1中二点鎖線で示すように、上ケース45を下降させてその下面45Aを下ケース44の上面44Aに当接させ、第2密閉空間SP2を形成した後、第1および第2減圧手段47、49を駆動し、第1および第2密閉空間SP1、SP2を同じ減圧率で減圧する。そして、第1および第2密閉空間SP1、SP2が所定の圧力となったことが第1および第2圧力検知手段48、50で検知されると、押圧手段40が第2減圧手段49で第2密閉空間SP2内を所定の圧力に維持しつつ、第1減圧手段47を駆動し、第1密閉空間SP1の減圧を停止した後、第1密閉空間SP1に大気を徐々に導入する。これにより、第2押圧部材42を変形させ、図2(A)に示すように、第2押圧部材42の中心部を第1押圧部材41の押圧部41Aの中心部に押圧する。これにより、変形許容部41Bを変形させ、押圧部41Aを押し下げるとともに、当該押圧部41Aを接着シートAS側に膨出するように変形させ、押圧力が付与された押圧部41Aで接着シートASをウエハWFに貼付する。ここで、押圧部41Aおよび変形許容部41Bは、厚みの差により剛性が異なるため、押圧部41Aが変形許容部41Bよりも大きい曲率半径を有するように変形する。そして、さらに第2密閉空間SP2に大気を徐々に導入することで、第2押圧部材42が変形し続け、これに伴って第1押圧部材41も押圧部41AがウエハWFの被着面に対して平行となるように変形し、図2(B)に示すように、ウエハWFの中心部から外縁方向に向けて徐々に接着シートASを貼付する。このとき、第2押圧部材42は滑り手段43によって第1押圧部材41上を滑りながら変形するので、第2押圧部材42がウエハWFの外縁方向に変形しようとする力が第1押圧部材41に摩擦力となって付与されることを抑制でき、第1押圧部材41がウエハWFの外縁方向に変形することを抑制し、接着シートASが外縁方向に伸びながらウエハWFに貼付されてしまうことを防止することができる。
そして、接着シートASがウエハWFに貼付されると、保持手段30が静電チャック31の駆動を停止した後、押圧手段40が第1減圧手段47を駆動し、第1密閉空間SP1を所定の圧力になるまで減圧する。そして、押圧手段40が第1および第2減圧手段47、49を駆動し、第1および第2密閉空間SP1、SP2に同じ加圧率で大気を徐々に導入して第1および第2押圧部材41、42の形状を図1中二点鎖線で示す形状に復元させる、そして、第1および第2密閉空間SP1、SP2が大気圧になったことが第1および第2圧力検知手段48、50で検知されると、押圧手段40が第1および第2減圧手段47、49の駆動を停止する。その後、押圧手段40が図示しない駆動機器を駆動し、上ケース45を図1中実線で示す位置まで上昇させる。そして、支持手段20が図示しない静電チャックの駆動を停止した後、図示しない搬送手段で接着シートASが貼付されたウエハWFを次工程に搬送し、以降上記同様の動作が繰り返される。
以上のような実施形態によれば、第2押圧部材42で第1押圧部材41の押圧部41Aを押圧するので、当該押圧部41Aで接着シートASを確実にウエハWFに押圧することができ、接着シートASの貼付不良を防止することができる。
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
例えば、支持手段20は、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段や粘着部材でウエハWFを保持してもよい。
また、テーブル22は、下ケース44の底面部44Bに支持されたものであってもよく、この場合、支持手段20は直動モータ21を省略してもよい。
さらに、他の装置でウエハWFを支持する場合、本願発明において支持手段20は不要である。
また、保持手段30は、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段により押圧部41Aで接着シートASを吸着保持してもよいし、押圧部41Aに粘着部材を設けて接着シートASを保持してもよい。
さらに、保持手段30は、押圧部41Aに設けられたものに限らず、上ケース45および下ケース44で保持手段30を構成し、下面45Aと上面44Aとで接着シートASを保持してもよいし、内部にウエハWFを配置可能な環状の支持体で保持手段30を構成し、当該環状の支持体に接着シートASを貼付することで接着シートASを保持してもよい。
また、保持手段30は、帯状の接着シートASを押圧手段40とウエハWFとの間で把持して保持する構成でもよい。
さらに、他の装置で接着シートASを押圧手段40とウエハWFとの間で保持する場合、本願発明において保持手段30は不要である。
押圧手段40は、第1減圧手段47に代え、第1密閉空間SP1を加圧する加圧ポンプやタービン等の加圧手段や第1密閉空間SP1に液体やジェル等の気体以外の流体を供給する流体供給手段を採用し、第1密閉空間SP1を加圧または第1密閉空間SP1に流体を供給することで、第1押圧部材41および第2押圧部材42を変形させてもよい。この場合、押圧手段40は第2減圧手段49および第2圧力検知手段50を省略してもよい。
また、第1押圧部材41および第2押圧部材42は、弾性変形可能なものや弾性変形しないものであってもよく、変形した後に完全に元の形状に戻らないものであってもよい。
さらに、第1押圧部材41および第2押圧部材42は、予め中心部がウエハWF側に膨出したものであってもよい。
また、第1押圧部材41は、均一な厚みの弾性部材であってもよく、内側と外側で弾性部材の硬度を変更することにより押圧部41Aと変形許容部41Bとを形成してもよい。
さらに、変形許容部41Bは、押圧部41Aの外周側に連設されて第1押圧部材41の外周方向に延びる屈曲形状で形成してもよい。
また、第1押圧部材41は、均一な厚みを有する下部シートと、この下部シートの第2押圧部材42側の面に設けられるとともに当該下部シートよりも小さい形状の上部シートとで形成し、上部シートと下部シートとが重なり合う領域で押圧部41Aを形成し、その他の部分で変形許容部41Bを形成してもよい。
滑り手段43は、第1押圧部材41の上面であって、第2押圧部材42と接触する接触面41Cの一部または全部に表面処理を施したものでもよいし、第1押圧部材41および第2押圧部材42のそれぞれの接触面41C、42Aの一部または全部に表面処理を施したものでもよい。
また、滑り手段43は、第2押圧部材42および第1押圧部材41の一方を他方に対して滑らせるものであれば、表面処理に限らず、例えば、第2押圧部材42と第1押圧部材41との間に設けられた樹脂シート、金属シート、ジェル、オイル、水、液体、気体等の滑り部材を採用してもよい。
また、本発明における接着シートASおよび被着体の材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、接着シートASは、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態に限定されることはなく、感熱接着性のものが採用された場合は、当該接着シートASを加熱する適宜な加熱手段を設ければよい。また、このような接着シートASは、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材シートと接着剤層との間に中間層を有するもの、基材シートの上面にカバー層を有する等3層以上のもの、更には、基材シートを接着剤層から剥離することのできる所謂両面接着シートのようなものであってもよく、両面接着シートは、単層又は複層の中間層を有するものや、中間層のない単層又は複層のものであってよい。また、被着体としては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂板等、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、接着シートASを機能的、用途的な読み方に換え、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意の形状の任意のシート、フィルム、テープ等を前述のような任意の被着体に貼付することができる。
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、第1押圧部材は、接着シートを間に挟んで被着体に対向配置され、当該接着シートを被着体に押圧する押圧部および、当該押圧部に連設され、変形可能に設けられた変形許容部を有するものであれば、出願当初の技術常識に照らし合わせ、その技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(他の手段および工程についての説明は省略する)。
また、前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる(実施形態で例示したものと重複するものもある)。
10 シート貼付装置
41 第1押圧部材
41A 押圧部
41B 変形許容部
42 第2押圧部材

Claims (3)

  1. 接着シートを間に挟んで被着体に対向配置され、当該接着シートを前記被着体に押圧して貼付する押圧部および、当該押圧部に一体に設けられ、変形可能に設けられた変形許容部を有する第1押圧部材と、
    変形可能に設けられ、前記押圧部を前記接着シートに対向する面の反対側から前記被着体方向に押圧する第2押圧部材とを備えていることを特徴とするシート貼付装置。
  2. 前記第1押圧部材および前記第2押圧部材の一方に対して他方を滑らせる滑り手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載のシート貼付装置。
  3. 接着シートを間に挟んで第1押圧部材の押圧部を被着体に対向配置する工程と、
    第2押圧部材を前記押圧部方向に変形させ、当該第2押圧部材で前記押圧部を前記接着シートに対向する面の反対側から前記被着体方向に押圧する工程と、
    前記第2押圧部材で前記第1押圧部材において前記押圧部に一体に設けられた変形許容部を変形させ、前記押圧部で前記接着シートを前記被着体に押圧して貼付する工程とを実施することを特徴とするシート貼付方法。
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