JP6249271B2 - ヒートポンプ給湯装置 - Google Patents

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Description

本発明はヒートポンプ給湯装置に関し、特に外装ケースの内部が複数の仕切り板によって送風室と機械室と給湯加熱室とに区画されたものに関する。
従来から、冷媒を利用した熱交換式のヒートポンプ給湯装置が一般に広く普及している。この種のヒートポンプ給湯装置は、冷媒により湯水を加熱するヒートポンプ式熱源機、加熱された湯水を貯留する貯湯タンク、ヒートポンプ式熱源機と貯湯タンクとの間に湯水を循環する加熱循環回路等を備え、貯湯タンク内の湯水を加熱循環回路に循環させてヒートポンプ式熱源機で加熱して、加熱された湯水を貯湯タンク内に戻して貯留し、貯湯タンクから蛇口や風呂等の所望の給湯先に給湯するものである。
上記のヒートポンプ式熱源機は、圧縮機、凝縮熱交換器、膨張弁、蒸発熱交換器が冷媒配管を介して接続されることでヒートポンプ回路を構成し、冷媒配管に封入された冷媒を利用して貯湯運転が行われる。この貯湯運転では、圧縮機と蒸発熱交換器用の送風ファンとが夫々駆動され、凝縮熱交換器によってヒートポンプ回路を流れる冷媒と加熱循環回路を流れる湯水との間で熱交換が行われて湯水が加熱される。
ところで、上記の外装ケース内における圧縮機、凝縮熱交換器、膨張弁、蒸発熱交換器の配置構造に関して、例えば、特許文献1のヒートポンプ給湯装置のような配置構造がある。即ち、特許文献1のヒートポンプ給湯装置では、外装ケースの内部が、複数の仕切り板によって送風ファンと蒸発熱交換器とが配置された送風室と、圧縮機と膨張手段とが配置された機械室と、送風室と機械室の上方に跨がるように形成され且つ凝縮熱交換器が配置された給湯加熱室とに区画されている。
特許文献1のヒートポンプ給湯装置の構造において、給湯加熱室に配置された凝縮熱交換器は、上下に2分割された保温材によって覆われている。この保温材は、凝縮熱交換器の上部を覆う上部保温材と、凝縮熱交換器の下部を覆う下部保温材とを備え、下部保温材には、保温材内と機械室とを連通する開口部が形成され、この開口部を介して機械室側から延びる加熱循環回路や冷媒配管が凝縮熱交換器に接続されている。
特開2013−130343号公報
しかし、特許文献1のヒートポンプ給湯装置のように、外装ケース内の上端側部分の給湯加熱室に凝縮熱交換器を配置した構造では、凝縮熱交換器の湯水循環用配管が損傷して凝縮熱交換器から水漏れが発生した場合、水が凝縮熱交換器を覆う保温材の内側から開口部を介して給湯加熱室の下方にある機械室側へ流れ込み、機械室内に設置された各種機器を制御する為の電装部品等をショートさせてしまう虞がある。
本発明の目的は、ヒートポンプ給湯装置において、凝縮熱交換器から水漏れが発生した場合に、水が機械室側へ流れ込むのを防止可能な構造を備えたもの、水漏れを検知可能な構造を備えたもの、等を提供することである。
請求項1のヒートポンプ給湯装置は、外装ケースの内部が、複数の仕切り板によって送風ファンと蒸発熱交換器が配置された送風室と、圧縮機と膨張手段が配置された機械室と、前記送風室と前記機械室の上方に跨がるように形成され且つ凝縮熱交換器が配置された給湯加熱室とに区画されたヒートポンプ給湯装置において、前記凝縮熱交換器の上部を覆う上部保温材と、前記凝縮熱交換器の下部を覆う下部保温材とを備え、前記下部保温材は、前記機械室に面した位置において配管を通す為の開口部と、この開口部へ水が流入するのを防止する為の仕切り部材とを備え、前記下部保温材には、前記凝縮熱交換器からの漏水を排出する為の漏水排出部が設けられており、前記漏水排出部は、前記蒸発熱交換器に設置された温度検出手段の上方に配置されていることを特徴としている。
請求項1の発明によれば、凝縮熱交換器の上部を覆う上部保温材と、凝縮熱交換器の下部を覆う下部保温材とを備え、下部保温材は、機械室に面した位置において配管を通す為の開口部と、この開口部へ水が流入するのを防止する為の仕切り部材とを備えたので、凝縮熱交換器から水漏れが発生した場合でも、仕切り部材によって水が下部保温材の内側から開口部を通って機械室側へ流れ込むのを防止し、機械室内の電装部品等が損傷するのを防止することができる。
そして、下部保温材には、凝縮熱交換器からの漏水を排出する為の漏水排出部が設けられているので、凝縮熱交換器から水漏れが発生した場合、下部保温材の内側に水を滞留させずに、漏水排出部を介して水を外部に排出することができる。
そして、漏水排出部は、蒸発熱交換器に設置された温度検出手段の上部に配置されているので、凝縮熱交換器から水漏れが発生した場合、水は漏水排出部を介して温度検出手段に向かって流れ、温度検出手段が設置された蒸発熱交換器に達した水は、蒸発熱交換器を伝って下方に流れ、蒸発熱交換器の下方に設置されているドレンパンを介して外部に排出可能である。温度検出手段は、外気温度を検出する為に雨水が接触しても故障しないように防水仕様に構成されているので、凝縮熱交換器から漏れた水を温度検出手段に接触させ、この接触の際に生じる温度変化を利用することで、漏水の発生を検知することができる。
本発明の実施例に係るヒートポンプ給湯装置の概略構成図である。 外装ケースの前側板を取り外した状態のヒートポンプ式熱源機の斜視図である。 凝縮熱交換器と上部保温材と下部保温材の分解斜視図である。 下部保温材の平面図である。 図4のV−V線断面図である。 部分変更形態に係る下部保温材の平面図である。
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
先ず、本発明のヒートポンプ給湯装置1の全体構成について説明する。
図1に示すように、ヒートポンプ給湯装置1は、湯水を貯留する貯湯タンク5を備えた貯湯タンクユニット2、貯湯タンク5の湯水の加熱を行うヒートポンプユニット3、ヒートポンプ給湯装置1を制御する制御ユニット4、貯湯タンクユニット2とヒートポンプユニット3との間に湯水を循環させる循環用配管8a,8b等から構成されている。
図1に示すように、貯湯タンクユニット2は、縦長筒状の外周面を有する貯湯タンク5、各種の配管6,7,8a,8b、湯水循環ポンプ11、開閉弁12、混合弁13、主制御ユニット16、外装ケース17等を備えている。貯湯タンク5は、ヒートポンプユニット3で加熱された高温の湯水(例えば、65〜90℃)を貯留するものである。
貯湯タンク5の下端部には、給水配管6と循環用配管8aとが接続されている。給水配管6には、貯湯タンク5へ低温の上水を供給する為の開閉弁12が設けられている。貯湯タンク5の上端部には、循環用配管8bと出湯配管7とが接続され、循環用配管8bから戻された高温の湯水を貯湯タンク5内に貯留し、給湯時には貯湯タンク5内の高温の湯水を出湯配管7に供給することができる。
貯湯タンク5には、複数の温度センサ5a〜5dが高さ方向所定間隔おきの位置に配置され、温度センサ5a〜5dの温度検出信号が主制御ユニット16に供給される。外装ケース17は、薄鋼板製の箱状に形成され、貯湯タンク5、各種の配管類6,7、循環用配管8a,8bの大部分、湯水循環ポンプ11、開閉弁12、混合弁13、各種の温度センサ15a〜15d、主制御ユニット16等を収容している。
次に、ヒートポンプユニット3について説明する。
図1に示すように、ヒートポンプユニット3は、冷媒により湯水を加熱する為のヒートポンプ式熱源機20、主制御ユニット16に接続され且つヒートポンプ式熱源機20を制御する為の補助制御ユニット33、これらを一体的に収納する為の外装ケース35等を備えている。
ヒートポンプ式熱源機20は、圧縮機21、湯水加熱用の凝縮熱交換器22、高圧の冷媒を急膨張させて温度と圧力を下げる膨張弁23、外気熱吸収用の蒸発熱交換器24を有し、これら機器21〜24が冷媒配管25を介して接続されてヒートポンプ回路を構成し、冷媒配管25に封入された冷媒を利用して貯湯運転を行う。ヒートポンプ式熱源機20は、さらに、送風モータ27aで駆動される蒸発熱交換器用の送風ファン27を有している。
ここで、先ずは、外装ケース35の構造について説明する。
図2に示すように、外装ケース35は、薄鋼板製の箱状に形成され、左右1対の側板41,42と、前側板(図示略)と、後側板44と、天板45と、底板46とを備えている。外装ケース35の内部は、複数の仕切り板47によって送風室51と機械室52と給湯加熱室53とに区画されている。複数の仕切り板47は、垂直な縦仕切り板48と水平な横仕切り板49と有し、夫々が薄鋼板製のものである。
左右1対の側板41,42は、左右対称に設置されている。右側板42には、下側が膨出した形状の配管カバー42aが取り付けられ、この配管カバー42aにより循環用配管8a,8bの内部配管部分と外部配管部分を接続する配管接続部が覆われている。
送風ファン27を駆動すると、左側板41と後側板44に夫々形成された外気取込用開口部から外気が取り込まれ、蒸発熱交換器24で冷媒と熱交換されて低温の空気となり、前側板の空気排出口としての開口部から外部に排出される。前側板の開口部は、金網状のカバー部材で覆われ、内側に空気流をガイドするベルマウスが設けられている。
縦仕切り板48は、底板46の右側約1/3部分から鉛直に立設され且つ左右1対の側板41,42と略平行に設けられている。縦仕切り板48は、外装ケース35内を蒸発熱交換器24や送風ファン27等が配置された左側の送風室51と、圧縮機21や膨張弁23等が配置された右側の機械室52とに区画している。縦仕切り板48の上端側部分には、補助制御ユニット33が装着されている。
横仕切り板49は、縦仕切り板48の上側に天板45と平行に左右方向に延びるように設けられ、その左右両端部が左右1対の側板41,42の内側面に固定されている。横仕切り板49は、外装ケース35内の上端側部分に凝縮熱交換器22が配置された給湯加熱室53を区画している。給湯加熱室53は、送風室51と機械室52の上方に跨がるように形成されている。
次に、外装ケース35内に収納されている各種機器について説明する。
図1に示すように、圧縮機21は、気相状態の冷媒を断熱圧縮して温度上昇させる公知の密閉型圧縮機である。
凝縮熱交換器22は、循環用配管8a,8b間に設置された熱交換器通路部22aと、冷媒配管25の一部となる内部通路22bとを有する二重管で構成されている。この凝縮熱交換器22において、内部通路22bを流れる冷媒と循環用配管8aから熱交換器通路部22aに供給される湯水との間で熱交換され、湯水は加熱され冷媒は冷却され液化する。凝縮熱交換器22は、横仕切り板49の上面側に配置されている。 凝縮熱交換器22は、発泡ポリプロピレン、発泡ポリスチレン等の樹脂を発泡成形した保温材32で覆われている。この保温材32の具体的な構造については後述する。
膨張弁23(膨張手段に相当する)は、液相状態の冷媒を断熱膨張させ温度低下させる。この膨張弁23は、絞り量が可変な制御弁からなる。尚、絞り量が可変な膨張弁23の代わりに絞り量が一定の膨張弁を採用しても良い。
蒸発熱交換器24は、冷媒配管25に含まれる蒸発器通路部24aを有し、この蒸発器通路部24aは伝熱管と複数のフィンとを有している。この蒸発熱交換器24において、蒸発器通路部24aを流れる冷媒と外気との間で熱交換され、冷媒は外気から吸熱して気化する。蒸発熱交換器24は、左側板41と後側板44の内面に沿うように平面視L字状に構成されている(図2参照)。尚、蒸発熱交換器24には、外気温度を検知する為の外気温度センサ31(温度検出手段に相当する)が設置されている(図5参照)。
冷媒配管25は、圧縮機21の吐出側と凝縮熱交換器22の入口側とを接続する冷媒通路25a、凝縮熱交換器22の出口側と膨張弁23の入口側とを接続する冷媒通路25b、膨張弁23の出口側と蒸発熱交換器24の入口側とを接続する冷媒通路25c、蒸発熱交換器24の出口側と圧縮機21の導入側とを接続する冷媒通路25dを備えている。
図1,図2に示すように、送風ファン27は、送風モータ27aと、この送風モータ27aによって回動駆動される複数の羽根部材27bとを有し、支持金具27cを介して底板46と横仕切り板49とに支持されている。
ヒートポンプ式熱源機20の貯湯運転時において、圧縮機21により高圧に圧縮された加熱状態の冷媒は、凝縮熱交換器22に送られ、湯水循環ポンプ11の駆動により貯湯タンク5の下端部から循環用配管8aを経て熱交換器通路部22aに流入した水と熱交換してその水を暖め、温度低下して液化した冷媒は膨張弁23に送られ、加熱された湯水が循環用配管8bを通って貯湯タンクユニット2の貯湯タンク5に貯留され、ヒートポンプ式熱源機20を経由する加熱動作を繰り返すことで貯湯タンク5に高温の湯水が貯留される。
次に、制御ユニット4について説明する。
図1に示すように、ヒートポンプ給湯装置1は、主制御ユニット16と補助制御ユニット33からなる制御ユニット4によって制御される。各種の温度センサ等の検出信号が制御ユニット4に送信され、この制御ユニット4により、貯湯タンクユニット2とヒートポンプ式熱源機20の動作、各種のポンプの作動・停止、各種の弁の開閉状態の切り換え及び開度調整等を制御し、各種運転(貯湯運転、給湯運転等)を実行する。
主制御ユニット16は、ユーザーが操作可能な操作リモコン36との間でデータ通信可能であり、操作リモコン36のスイッチ操作により目標給湯温度が設定されると、その目標給湯温度データが操作リモコン36から主制御ユニット16に送信される。補助制御ユニット33は、主制御ユニット16との間でデータ通信可能であり、主制御ユニット16からの指令に従ってヒートポンプ式熱源機20の各種機器(圧縮機21、膨張弁23、送風モータ27a等)の駆動制御を行う。
次に、本発明に係る保温材32の具体的な構造について説明する。
図3に示すように、保温材32は、上下に2分割された構成であり、左右方向に長い平坦な箱状の下部保温材61であって凝縮熱交換器22の下部を覆う下部保温材61と、この下部保温材61の上面側を覆う蓋状の上部保温材62であって凝縮熱交換器22の上部を覆う上部保温材62とを備えている。
下部保温材61の前後方向幅は、横仕切り板49の前後方向幅より僅かに短く形成され、下部保温材61の左右方向幅は、横仕切り板49の左右方向幅より僅かに短く形成されている。このため、下部保温材61を横仕切り板49に載置した場合、下部保温材61の外周面が、横仕切り板49のフランジ部49a〜49dに近接又は当接した状態で載置される。
図3に示すように、下部保温材61は、矩形板状の平坦板部61aと、この平坦板部61aの上面に形成された筒状部61bとを備えている。平坦板部61aの左端部には、3本の支柱部61cが前後方向に並設状に形成されている。筒状部61bの内側には、保温材32に収納された配管類を案内支持する為の複数の案内支持部61d〜61fが形成されている。筒状部61bの上端部には、下部保温材61に上部保温材62を取り付ける際に上部保温材62の下端部が嵌合される環状の嵌合鍔部61gが形成されている。
さらに、図3〜図5に示すように、下部保温材61は、機械室52に面した位置において配管(循環用配管8a,8b及び冷媒配管25の冷媒通路25a,25b)を通す為の1対の開口部65a,65bと、この1対の開口部65a,65bへ水が流入するのを防止する為の仕切り部材66と、凝縮熱交換器22からの漏水を排出する為の漏水排出部67とを備えている。
次に、開口部65a,65bについて説明する。
図3〜図5に示すように、開口部65a,65bは、下部保温材61の筒状部61b内の右後ろ隅部に形成されている。開口部65a,65bは、平面視にて左右方向に長い長円形状に夫々形成されている。この開口部65a,65bを介して凝縮熱交換器22に接続された循環用配管8a,8bと冷媒通路25a,25bは、保温材32の外部(機械室52)へ延びている。
下部保温材61の裏面側において、開口部65a,65bの共通の外周壁部61hは、横仕切り板49に形成された長円形状の機械室側貫通孔49eを貫通して、機械室52内の上端部に延びている。尚、下部保温材61に1対の開口部65a,65bを形成しているが、1対に限定する必要はなく、後述する仕切り部材66の右側であれば1又は2以上の複数の開口部を形成しても良い。
次に、仕切り部材66について説明する。
図3〜図5に示すように、仕切り部材66は、筒状部61b内の中央部分から右寄り部分(保温材32内の凝縮熱交換器22が配置された部分より右側部分)において、上方に凸となるように且つ前後方向に延びるように設けられている。仕切り部材66は、下部保温材61と一体的に形成されている。仕切り部材66は、例えば10mm程度の高さに設定されるが、特にこの高さに限定する必要はない。
次に、漏水排出部67について説明する。
図4,図5に示すように、漏水排出部67は、筒状部61b内の中央部分から左寄り部分の後端に設けられ、保温材32内から外部に連なる貫通孔67aと、この貫通孔67aを封止するように充填された充填物67bとを備えている。貫通孔67aは、平面視円形状に形成されている。充填物67bは、吸水性の有る和紙又は水解性の有る水解紙等の紙類で構成されている。充填物67bを構成する紙類は通風性が無いので、保温材32に貫通孔67aを設けても保温材32内の保温性を維持することができる。
さらに、図5に示すように、下部保温材61を横仕切り板49に載置した状態で貫通孔67aの下方において、横仕切り板49には、送風室51と給湯加熱室53とを連通する為の送風室側貫通孔49fが形成され、この送風室側貫通孔49fの下方に、外気温度センサ31が設置されている。即ち、漏水排出部67は、横仕切り板49の送風室側貫通孔49fと蒸発熱交換器24に設置された外気温度センサ31の真上(上方)に配置されている。
次に、本発明のヒートポンプ給湯装置1の作用及び効果について説明する。
ヒートポンプ式熱源機20において、凝縮熱交換器22から水漏れが発生した場合、凝縮熱交換器22から下部保温材61の内側に水が流れるが、この水は仕切り部材66によって開口部65a,65b側へは流れず、漏水排出部67の充填物67bを浸透又は溶解しながら貫通孔67aを流れ、貫通孔67aの下方の横仕切り板49の送風室側貫通孔49fを通って送風室51に流れ込む。
送風室51に流れ込んだ水は、送風室側貫通孔49fの真下にある外気温度センサ31に接触し、この外気温度センサ31が外気温度と水との温度差に応じた急激な温度変化を検知することで漏水を検知し、ヒートポンプ式熱源機20の稼動を停止してユーザーに対して漏水の発生を報知する。凝縮熱交換器22で湯水が加熱される構造上、凝縮熱交換器22から漏れた水の温度は外気温度より高い場合が多い。
蒸発熱交換器24の上端部に達した水は、蒸発熱交換器24を伝って下方に流れ、蒸発熱交換器24の下方に設置されたドレンパンを介して外部に排出される。このように、下部保温材61に設けられた仕切り部材66と漏水排出部67とによって、凝縮熱交換器22から漏れた水の排出路を構成している。
以上説明したように、凝縮熱交換器22の上部を覆う上部保温材62と、凝縮熱交換器22の下部を覆う下部保温材61とを備え、下部保温材61は、機械室52に面した位置において配管を通す為の開口部65a,65bと、この開口部65a,65bへ水が流入するのを防止する為の仕切り部材66とを備えたので、凝縮熱交換器22から水漏れが発生した場合でも、仕切り部材66によって水が下部保温材61の内側から開口部65a,65bを通って機械室52側へ流れ込むのを防止し、機械室52内の電装部品等が損傷するのを防止することができる。
また、下部保温材61には、凝縮熱交換器22からの漏水を排出する為の漏水排出部67が設けられているので、凝縮熱交換器22から水漏れが発生した場合、下部保温材61の内側に水を滞留させずに、漏水排出部67を介して水を外部に排出することができる。
さらに、漏水排出部67は、蒸発熱交換器24に設置された外気温度センサ31の上方に配置されているので、凝縮熱交換器22から水漏れが発生した場合、水は漏水排出部67を介して外気温度センサ31に向かって流れ、外気温度センサ31が設置された蒸発熱交換器24に達した水は、蒸発熱交換器24を伝って下方に流れ、蒸発熱交換器24の下方に設置されているドレンパンを介して外部に排出可能である。外気温度センサ31は、外気温度を検出する為に雨水が接触しても故障しないように防水仕様に構成されているので、凝縮熱交換器22から漏れた水を外気温度センサ31に接触させ、この接触の際に生じる温度変化を利用することで、漏水の発生を検知することできる。
次に、前記実施例を部分的に変更した例について説明する。
[1]前記実施例において、仕切り部材66は、筒状部61b内に上方に凸となるように且つ前後方向に延びるように形成されているが、特にこの形状に限定する必要はなく、図6に示すように、開口部65a,65bを囲うように円筒状の仕切り部材66Aを一体的に形成した構造であっても良い。
[2]前記実施例において、仕切り部材66は、下部保温材61と一体的に形成されているが、特に一体的な構造に限定する必要はなく、仕切り部材66を断面視正方形状のゴム製パッキンで構成し、筒状部61b内の仕切り部材66と同じ位置に両面テープ等で貼り付けても良い。
[3]前記実施例において、漏水排出部67を筒状部61b内の中央部分から左寄り部分の後端に形成しているが、特にこの位置に限定する必要はなく、外気温度を検知する為の外気温度センサ31の上方となるように漏水排出部67を筒状部61b内に形成し、外気温度センサ31と漏水排出部67との間の横仕切り板49に送風室側貫通孔49fを形成していれば、その位置関係は適宜変更可能である。
[4]前記実施例において、漏水排出部67の充填物67bは、和紙等の紙類で構成されているが、この材料に限定する必要はなく、貫通孔67aに保温材32内から外部へ水の流れを許容する逆止弁を設置した構造であっても良いし、適宜変更可能である。
[5]前記実施例において、漏水排出部67は、筒状部61b内の1箇所に設けられているが、特に1箇所に限定する必要はなく、筒状部61b内において仕切り部材66より左側であれば複数箇所に設けても良い。
[6]その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態を包含するものである。
1 ヒートポンプ給湯装置
21 圧縮機
22 凝縮熱交換器
23 膨張弁(膨張手段)
24 蒸発熱交換器
27 送風ファン
31 外気温度センサ
35 外装ケース
47 仕切り板
51 送風室
52 機械室
53 給湯加熱室
61 下部保温材
62 上部保温材
65a,65b 開口部
66,66A 仕切り部材
67 漏水排出部

Claims (1)

  1. 外装ケースの内部が、複数の仕切り板によって送風ファンと蒸発熱交換器が配置された送風室と、圧縮機と膨張手段が配置された機械室と、前記送風室と前記機械室の上方に跨がるように形成され且つ凝縮熱交換器が配置された給湯加熱室とに区画されたヒートポンプ給湯装置において、
    前記凝縮熱交換器の上部を覆う上部保温材と、前記凝縮熱交換器の下部を覆う下部保温材とを備え、
    前記下部保温材は、前記機械室に面した位置において配管を通す為の開口部と、この開口部へ水が流入するのを防止する為の仕切り部材とを備え
    前記下部保温材には、前記凝縮熱交換器からの漏水を排出する為の漏水排出部が設けられており、
    前記漏水排出部は、前記蒸発熱交換器に設置された温度検出手段の上方に配置されていることを特徴とするヒートポンプ給湯装置。
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