JP6240075B2 - 骨粗しょう症の治療方法 - Google Patents

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Description

関連出願
本出願は、2011年9月22日に出願された米国仮特許出願第61/538,039号の優先権の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、N−(4−{[6,7−ビス(メチルオキシ)キノリン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキシアミドを用いた骨粗しょう症の治療に関する。
骨粗しょう症は、骨の脆弱化を高めることおよびこれにより生じる骨折リスクの増加を導く低骨質量および骨組織の微小構造の劣化により特徴づけられる病気である。この病気は、骨を脆弱かつもろくし、男性および女性の両方に影響を与える。骨粗しょう症の骨は、最小限の外傷の後に骨折のリスクが増加する。世界的に、3500万人の女性と1400万人の男性が骨粗しょう症または低骨質量であると推定される。アメリカ合衆国では、50歳を超える大人の4人に1人が骨粗しょう症性の骨折に悩まされている。骨粗しょう症とその結果生じる骨折は、広く公衆の健康に負担となり、部分的には、この病気は静かに攻撃するので、患者が骨粗しょう症の骨折であると診断されたときには、骨がすでに損傷している。
骨では継続的にリモデリングと呼ばれるプロセスが行われている。通常のリモデリングプロセスまたは骨代謝が置換するよりも多くの骨を取り除くので、骨減少は骨粗しょう症を引き起こす。骨リモデリングは2つの別個のステージである、骨吸収(破壊)と骨形成を含む。カルシウムは骨に貯蔵される。体内で必要とされるとき、破骨細胞とよばれる骨細胞が骨表面に付着して破壊し、骨内に空洞を残す。その後、骨芽細胞とよばれる骨形成細胞が類骨とよばれる有機マトリックスで空洞を満たす。その後、類骨は、硬い骨を再形成するために、リン酸カルシウムとともに自然に石灰化する。マトリックス内に埋め込まれた骨芽細胞は、骨細胞とよばれる。
加齢および骨量低下のリスクの増加を導く前立腺癌や乳癌の治療中のような他の状態の結果として、または栄養失調の結果として、骨代謝率は男女ともに組織レベルで増加し、個々の骨芽細胞の数の減少および活性の低下により、骨芽細胞の骨形成は破骨細胞の骨吸収より遅くなる(Marie及びKassem, 2011)。骨吸収は骨形成よりも時間がかからない。特定の骨位置での骨吸収は2週間かかり、形成は3ヶ月以上かかる。その結果、リモデリングスペースとよばれる骨の不足が生じる。通常、このことはそれほど重要ではないが、リモデリングサイクルがバランスを崩すと、骨代謝は主に骨減少をもたらす。高い骨代謝が骨折リスクを増加させると考えられる。
その結果、骨粗しょう症の治療方法への必要性が存続している。
これらのおよび他の必要性が骨粗しょう症の治療方法に関する本発明により満たされる。上記方法は、このような治療を必要とする患者に治療に有効な量の化合物を投与することを含む。
本態様および他の態様の一実施例において、前記化合物は、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩であって、
Figure 0006240075
はハロであり、
はハロであり、
は(C−C)アルキルであり、
は(C−C)アルキルであり、かつ
QはCHまたはNである方法。
他の実施例では、前記式Iの化合物は、式Iaの化合物またはその薬学的に許容される塩であって、
Figure 0006240075
はハロであり、
はハロであり、かつ
QはCHまたはNである。
他の実施例では、前記式Iの化合物は、化合物1またはその薬学的に許容される塩である。
Figure 0006240075
化合物1は、N−(4−{[6,7−ビス(メチルオキシ)キノリン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキシアミドおよびカボザンチニブとして知られる。
他の実施例では、前記式Iの化合物、式Iaの化合物、または化合物1が、薬学的に許容される添加剤、希釈剤、または賦形剤を含む医薬組成物として異常な骨代謝への効果を改善するのに十分な量で投与される。
他の実施例では、本発明は、骨量低下の増加リスクを有する患者における骨粗しょう症を治療する方法を提供する。骨量低下の増加リスクを有する患者は、閉経後の女性患者および高齢の男性患者、もしくは前立腺癌や乳癌のような癌の治療を受けたことがあるもしくは受けている患者、または栄養失調の患者を含む。上記方法は、このような治療を必要とする患者に、治療に有効な量の式Iの化合物、式Iaの化合物、または化合物1を投与することを含む。
他の実施例では、本発明は、このような治療を必要とする患者に、治療に有効な量の式Iの化合物、式Iaの化合物、または化合物1を投与することを含む、骨粗しょう症を防止する方法を提供する。
他の実施例では、本発明は、このような治療を必要とする患者に、治療に有効な量の式Iの化合物、式Iaの化合物、または化合物1を投与することを含む、骨粗しょう症の患者の骨密度の増加する方法を提供する。
これらのおよび他の態様において、上記式Iの化合物が骨粗しょう症の重症度を治療し、改善し、または軽減する性質が、様々な血中もしくは尿中マーカーまたは撮像技術を用いて質的および量的の両方で測定される。骨吸収抑制剤で治療を受ける骨粗しょう症患者の個々のモニタリングに有用とされるマーカーは、血清総アルカリホスファターゼ、血清骨特異的アルカリホスファターゼ、血清オステオカルシン、タイプ1プロコラーゲンの血清C末端プロペプチドC1NP、または、タイプIプロコラーゲンの血清N末端プロペプチド(P1NP)(骨形成をモニターする);尿中ヒドロキシプロリン、尿中総ピリジノリン(PYD)、尿中遊離デオキシピリジノリン(DPD)、タイプ1コラーゲンの尿中架橋N末端テロペプチド(NTx)、もしくはタイプ1コラーゲンの尿中または血清架橋C末端テロペプチド(CTx)、骨シアロタンパク質(BSP)、および酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ5b(TRACP−5b)(骨吸収をモニターする);を含む。
上記式Iの化合物、式Iaの化合物、または化合物1が骨粗しょう症の重症度を治療し、改善し、または軽減する性質を評価するのに有用な撮像技術は、磁気共鳴画像診断、陽電子放出断層撮影、コンピュータ断層撮影法(CT)、およびX線吸収分析を含む。
他の態様において、本発明は、対象における骨粗しょう症の予後予測方法であって、
(a)対象からのサンプルにおけるP1NP,CTxまたはTRACP5bのレベルを測定することと、
(b)(a)のステップで測定されたP1NP,CTxまたはTRACP5bのレベルを、P1NP,CTxまたはTRACP5bの標準レベルと比較して、前記対象からの前記サンプルのP1NP,CTxまたはTRACP5bが異常なレベルであるかどうかを決定することと、
(c) P1NP,CTxまたはTRACP5bの異常レベルに基づいて前記式Iの化合物、式Iaの化合物、または化合物1による治療計画を選択すること、または、前記対象における前記骨粗しょう症が抑制されるような前記治療計画に応じて前記式Iの化合物、式Iaの化合物、または化合物1を投与することを含む、前記方法を提供する。
他の態様において、本発明は、式Iの化合物、式Iaの化合物、または化合物1の有効な量を患者に投与することを含む、このような治療を必要とする患者における骨芽細胞分化および/または活性を刺激する方法を提供する。
他の態様において、本発明は、式Iの化合物、式Iaの化合物、または化合物1の有効な量を患者に投与することを含む、このような治療を必要とする患者における骨形成を刺激する方法を提供する。
他の態様において、本発明は、式Iの化合物、式Iaの化合物、または化合物1の有効な量を患者に投与することを含む、このような治療を必要とする患者における破骨細胞分化を抑制する方法を提供する。
他の態様において、本発明は、式Iの化合物、式Iaの化合物、または化合物1の有効な量を患者に投与することを含む、このような治療を必要とする患者における骨形成に向けて骨代謝を調節する方法を提供する。
他の態様において、本発明は、式Iの化合物、式Iaの化合物、または化合物1の有効な量を患者に投与することを含む、卵巣摘出された患者における骨粗しょう症の治療方法を提供する。
他の態様において、本発明は、式Iの化合物、式Iaの化合物、または化合物1の有効な量を患者に投与することを含む、卵巣摘出された患者における骨形成に向けて骨代謝を調節する方法を提供する。
図1は、7日目で測定された破骨細胞分化における化合物1の効果を、培養培地で選択されたTRACP5b活性(U/L)として示す。 図2は、7日目のヒト破骨細胞の再吸収活性における化合物1の効果を、CTX/TRACP5b値として示す。 図3は、8日目の骨芽細胞分化における化合物1の効果を、細胞のALP活性/タンパク質(mg)として示す。 図4は、11日目のマウス骨芽細胞の骨形成活性における化合物1の効果を、培養培地で選択されたPINPとして示す。 図5は、13日目のマウス骨芽細胞の骨形成活性における化合物1の効果を、13日目のカルシウム沈着として示す。 図6は、ラット卵巣摘出(OVXモデル)における骨代謝マーカーにおける化合物1の短期間効果の試験計画を示す。
略語と定義
以下の略語および用語が以下に示される意味を示す。
Figure 0006240075
Figure 0006240075
記号“−”は一重結合を意味し、記号“=”は二重結合を意味する。
化学構造が示されまたは記載されている場合、別途明示されない限り、全ての炭素が4の原子価に一致するように水素置換されることが想定される。例えば、下記の概略図の左側の構造では、9つの水素を含む。この9つの水素は右側の構造に示される。構造中の特定の原子は、置換(明確に定義された水素)、例えば、−CHCH−として水素(複数形を含む)を有する文字式で記載される場合もある。当業者であれば、上記記載方法は、他の複雑な構造式の記載の簡潔化および簡素化を提供するために化学の分野で通常用いられることが理解される。
Figure 0006240075
例えば、式:
Figure 0006240075

のように“R”基が環構造で“変動するもの”として記載される場合、他に記載がない限り、置換基“R”は、環構造のいかなる原子にも属し得、安定な構造が形成される限り、環状の原子の1つから表され、示され、明確に定義された水素の置換が想定される。
例えば、式:
Figure 0006240075
のように“R”基が縮合環構造で“変動するもの”として記載される場合、他に記載がない限り、置換基“R”は、縮合環構造のいかなる原子にも属し得、安定な構造が形成される限り、環状の原子の1つから、記載された水素(例えば、上記式における−NH−)、暗示された水素(例えば、上記化学式における、水素が示されてはいないが存在すると理解される場合)、または明確に定義された水素(例えば、上記式における、“Z”が=CH−である場合)の置換が想定される。示される例においては、“R”基は、縮合環構造の5員または6員環のいずれかに属し得る。“R”基が飽和炭素を含む環構造に存在するとして、例えば、式:
Figure 0006240075
として示される場合、この例では、“y”は2以上とすることができ、各置換は環に表され、示され、明確に定義された水素であると広く想定され、他に定義がされない限り、その結果生じる構造が安定で、2つの“R”が同じ炭素に属し得る。簡易な例としては、Rはメチル基である場合、示される環の炭素上(“環状”炭素)にジェミナルなジメチルが存在し得る。他の例では、同じ炭素における2つのRが環を形成する炭素を含み、これにより、例えば、式:
Figure 0006240075
として示される環でスピロ環(“スピロシクリル”基)構造を形成する。
“ハロゲン”または“ハロ”はフッ素、塩素、臭素、またはヨウ素をさす。
本明細書における各反応の“収率”は、理論収率のパーセンテージとして示される。
本発明の目的における“患者”はヒトおよび他の動物、具体的には哺乳類および他の生物を含む。よって、上記方法は、ヒトへの治療および獣医学的使用の両方に適用される。他の実施例では患者は哺乳類であり、他の実施例では患者はヒトである。
化合物の“薬学的に許容される塩”は薬学的に許容され、親化合物の所望の薬理学的活性を有する塩を意味する。薬学的に許容される塩は非毒性であることが理解される。適切な薬学的に許容される塩の追加的な情報は、参照により本明細書に組み込まれるRemington’s Pharmaceutical Sciences, 17th ed., Mack Publishing Company, Easton, PA, 1985または、ともに参照により本明細書に組み込まれるS. M. Berge, et al., “Pharmaceutical salts,” J. Pharm. Sci., 1977;66:1-19でみつけることができる。
薬学的に許容される酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、りん酸等のような無機酸、並びに、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロパン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、しゅう酸、マイレン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、グルコヘプトン酸、4,4’−メチレンビス−(3−ヒドロキシ−2−エン−1−カルボン酸)、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸、p−トルエンスルホン酸、およびサリチル酸等のような有機酸で形成されたものを含む。
“プロドラッグ”は、上記の式の親化合物を産生するために、例えば、血中での加水分解により、in vivoで(典型的には速やかに)変形した化合物を指す。一般的な例では、これに限定されるものではないが、カルボン酸部分を有する活性形状を有する化合物のエステル型およびアミド型を含む。本発明の化合物の薬学的に許容されるエステルの例は、これに限定されるものではないが、(例えば、約1から約6の炭素を有する)アルキルエステルを含み、アルキル基は直鎖または分岐鎖である。許容されるエステルは、これに限定されるものではないが、ベンジルのようなアリールアルキルエステルおよびシクロアルキルエステルを含む。本発明の化合物の薬学的に許容されるアミドの例は、これに限定されるものではないが、一級アミド、並びに二級および三級アルキルアミドを含む(例えば、約1から約6の炭素を有する)。本発明の化合物のアミドおよびエステルは、従来の方法に従って調製される。プロドラッグについての一通りの議論は、T. Higuchi及びV. Stella, “Pro-Drugs as Novel Delivery Systems,” A.C.S. Symposium SeriesおよびBioreversible Carriers in Drug Design, ed. Edward B. Roche, American 薬学的 Association and Pergamon Press, 1987のVol 14にて提供され、ともに全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
“治療に有効な量”とは、患者に投与したときに病気の症状が改善する本発明の化合物の量である。治療に有効な量とは、骨粗しょう症の重症度の治療、改善、または軽減に効果のある他の有効成分を単体でまたは組み合わせた化合物の量を含むことを意図する。“治療に有効な量”を構成する本発明の化合物の量は、化合物、病気の状態および深刻度、治療を受ける患者の年齢等によって異なる。治療に有効な量は、本開示に関する知識を有する当業者により決定され得るが、一般的には、一日当たり0.1から1000mgの範囲であり、より具体的には一日当たり1から100mgの範囲である。
本明細書で用いられる病気、障害、または症候群の“処置”または“治療”は、(i)ヒトにおける病気、障害、または症候群の発生、つまり、病気、障害、または症候群の臨床症状が、病気、障害、または症候群にさらされるまたはかかりやすいが、まだかかっていない、または、病気、障害、または症候群の症状があらわれていない動物に発生するのを防止すること、(ii)病気、障害、または症候群を抑制すること、つまり、その発生を抑えること、および(iii)病気、障害、または症候群を軽減すること、つまり、病気、障害、または症候群を後退させることを含む。従来知られているように、全身対局所的送達、年齢、体重、一般的な健康状態、性別、食事、投与時間、薬物相互作用、および状態の重症度の調整が必要であり、これらは日常の経験で確認される。
実施例
一実施例では、式Iの化合物は、式Iaの化合物または薬学的に許容される塩であって、
はハロであり、
はハロであり、かつ
QはCHまたはNである。
Figure 0006240075
他の実施例において、式Iの化合物は、化合物1または薬学的に許容される塩である。
Figure 0006240075
上述のように、本明細書では化合物1は、N−(4−{[6,7−ビス(メチルオキシ)キノリン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキシアミドを指す。国際公開第2005/030140号は、化合物1を開示し、かつ、どのように製造されるのかを説明し(例12、37、38、および48)、また、キナーゼのシグナル変換を抑制、制御、および/または調節するための、この化合物の治療活性についても開示している(Assays, Table 4, entry 289)。例48は、国際公開第2005/030140号の段落[0353]に記載されている。
他の実施例において、式Iの化合物、式Iaの化合物、もしくは化合物1、またはその薬学的に許容される塩が、医薬組成物として投与され、前記医薬組成物は、薬学的に許容される担体、賦形剤、または、希釈剤を追加的に含む。
本明細書に記載される式Iの化合物、式Iaの化合物、および化合物1は、上記化合物並びに各異性体および異性体の混合物をともに含む。各例では、式Iの化合物は、上記化合物の薬学的に許容される塩、水和物、および/または溶媒和物、並びにいずれかの異性体またはその異性体の混合物を含む。
他の実施例において、式Iの化合物、式Iaの化合物、または化合物1は、(L)−リンゴ酸塩であってもよい。式Iの化合物および化合物1のリンゴ酸塩は、国際出願第US2010/021194号および米国特許出願第61/325095号に開示されている。
他の実施例において、式Iの化合物は、(D)−リンゴ酸塩であってもよい。
他の実施例において、式Iaの化合物は、リンゴ酸塩であってもよい。
他の実施例において、式Iaの化合物は、(L)−リンゴ酸塩であってもよい。
他の実施例において、化合物1は、(D)−リンゴ酸塩であってもよい。
他の実施例において、化合物1は、リンゴ酸塩であってもよい。
他の実施例において、化合物1は、(D)−リンゴ酸塩であってもよい。
他の実施例において、リンゴ酸塩は、米国特許出願第61/325095号に開示されるように、化合物1の(L)−リンゴ酸塩および/または(D)−リンゴ酸塩のN−1結晶N−1形状である。化合物1のリンゴ酸塩のN−1および/またはN−2結晶形状を含む結晶鏡像異性体の特性に関しては、国際公開第2008/083319号についても参照のこと。製造方法およびそのような形状を特徴づける方法は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際出願第US10/21194号に全て記載されている。
他の実施例において、本発明は、このような治療を必要とする患者に、本明細書に記載されたいずれかの実施例における、治療に有効な量の式Iの化合物を投与することを含む、骨粗しょう症の症状を改善する方法に関する。
他の実施例において、本発明は、このような治療を必要とする患者に、本明細書に記載されたいずれかの実施例における、100mg以下の一日量で式Iの化合物を投与することを含む、骨粗しょう症の症状を改善する方法に関する。具体的な実施例では、式Iの化合物は、化合物1である。本実施例および後述の実施例において、投与量は0mgより多い量である。
他の実施例において、本発明は、このような治療を必要とする患者に、本明細書に記載されたいずれかの実施例における、90mg以下の一日量で式Iの化合物を投与することを含む、骨粗しょう症の症状を改善する方法に関する。具体的な実施例では、式Iの化合物は、化合物1である。
他の実施例において、本発明は、このような治療を必要とする患者に、本明細書に記載されたいずれかの実施例における、80mg以下の一日量で式Iの化合物を投与することを含む、骨粗しょう症の症状を改善する方法に関する。具体的な実施例では、式Iの化合物は、化合物1である。
他の実施例において、本発明は、このような治療を必要とする患者に、本明細書に記載されたいずれかの実施例における、70mg以下の一日量で式Iの化合物を投与することを含む、骨粗しょう症の症状を改善する方法に関する。具体的な実施例では、式Iの化合物は、化合物1である。
他の実施例において、本発明は、このような治療を必要とする患者に、本明細書に記載されたいずれかの実施例における、60mg以下の一日量で式Iの化合物を投与することを含む、骨粗しょう症の症状を改善する方法に関する。具体的な実施例では、式Iの化合物は、化合物1である。
他の実施例において、本発明は、このような治療を必要とする患者に、本明細書に記載されたいずれかの実施例における、50mg以下の一日量で式Iの化合物を投与することを含む、骨粗しょう症の症状を改善する方法に関する。具体的な実施例では、式Iの化合物は、化合物1である。
他の実施例において、本発明は、このような治療を必要とする患者に、本明細書に記載されたいずれかの実施例における、40mg以下の一日量で式Iの化合物を投与することを含む、骨粗しょう症の症状を改善する方法に関する。具体的な実施例では、式Iの化合物は、化合物1である。
他の実施例において、本発明は、このような治療を必要とする患者に、本明細書に記載されたいずれかの実施例における、30mg以下の一日量で式Iの化合物を投与することを含む、骨粗しょう症の症状を改善する方法に関する。具体的な実施例では、式Iの化合物は、化合物1である。
他の実施例において、本発明は、このような治療を必要とする患者に、本明細書に記載されたいずれかの実施例における、20mg以下の一日量で式Iの化合物を投与することを含む、骨粗しょう症の症状を改善する方法に関する。具体的な実施例では、式Iの化合物は、化合物1である。
他の実施例において、本発明は、このような治療を必要とする患者に、本明細書に記載されたいずれかの実施例における、10mg以下の一日量で式Iの化合物を投与することを含む、骨粗しょう症の症状を改善する方法に関する。具体的な実施例では、式Iの化合物は、化合物1である。
他の実施例において、本発明は、このような治療を必要とする患者に、本明細書に記載されたいずれかの実施例における、5mg以下の一日量で式Iの化合物を投与することを含む、骨粗しょう症の症状を改善する方法に関する。具体的な実施例では、式Iの化合物は、化合物1である。
他の実施例において、本発明は、このような治療を必要とする患者に、本明細書に記載されたいずれかの実施例における、0.01mgから25mgまでの一日量で式Iの化合物を投与することを含む、骨粗しょう症の症状を改善する方法に関する。具体的な実施例では、式Iの化合物は、化合物1である。
他の実施例において、本発明は、このような治療を必要とする患者に、本明細書に記載されたいずれかの実施例における、0.1mgから15mgまでの一日量で式Iの化合物を投与することを含む、骨粗しょう症の症状を改善する方法に関する。具体的な実施例では、式Iの化合物は、化合物1である。
他の実施例において、本発明は、このような治療を必要とする患者に、本明細書に記載されたいずれかの実施例における、1mgから10mgまでの一日量で式Iの化合物を投与することを含む、骨粗しょう症の症状を改善する方法に関する。具体的な実施例では、式Iの化合物は、化合物1である。
他の実施例において、本発明は、このような治療を必要とする患者に、本明細書に記載されたいずれかの実施例における、100、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、または5mg以下の一日量で式Iの化合物を投与することを含む、乳癌または前立腺癌の治療を受けたことがあるまたは受けている患者における骨粗しょう症の重症度を軽減する方法に関する。いくつかの実施例では、癌は、乳癌、前立腺癌、骨癌、および/または骨腫瘍である。具体的な実施例では、式Iの化合物は、化合物1である。具体的な実施例では、式Iの化合物は、化合物1であり、投与量は0.01から25mgの間である。
他の実施例において、本発明は、このような治療を必要とする患者に、本明細書に記載されたいずれかの実施例における、1100、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、または5mg以下の一日量で治療に有効な量の式Iの化合物を投与することを含む、骨粗しょう症の増加した骨折、脊髄圧迫、および深刻な骨の痛みに伴う不定形な骨の異常沈着を改善する方法に関する。具体的な実施例では、式Iの化合物は、化合物1であり、投与量は0.01から25mgの間である。
上述のように、骨粗しょう症の重症度を治療し、改善し、軽減する式Iの化合物の性質は、様々な血中または尿中マーカーを用いて質的および量的の両方で測定される。いくつかの実施例では、骨吸収抑制剤で治療を受ける骨粗しょう症患者の個々のモニタリングに有用とされるマーカーは、血清総アルカリホスファターゼ、血清骨特異的アルカリホスファターゼ、血清オステオカルシン、血清タイプ1プロコラーゲン(C末端/N末端)であるC1NPまたはP1NP(骨形成をモニターする);尿中ヒドロキシプロリン、尿中総ピリジノリン(PYD)、尿中遊離デオキシピリジノリン(DPD)、タイプ1コラーゲンの尿中架橋N末端テロペプチド(NTx)、タイプ1コラーゲンの尿中または血清架橋C末端テロペプチド(CTx)、骨シアロタンパク質(BSP)、および酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ5b(骨吸収をモニターする)から選択され得る。
特定の実施例において、マーカーはCTxである。CTxは、骨吸収の際に破骨細胞により切断されたタイプ1コラーゲンの一部であり、よって、その血清レベルは血液サンプルが採取された際の破骨細胞の活性に比例すると考えられる。よって、血清CTxは、ビスホスホネートの骨への効果をモニターするために広く使用される(Marx et al, 2007)。6ヶ月ごとの骨粗しょう症における骨折軽減のデノスマブ評価(FREEDOM)についての骨代謝の下位の研究試験は、6ヶ月ごとに3年間無作為にデノスマブ(60mg)またはプラセボを皮下注射された160人の女性が含まれていた。注射後1ヶ月は、全デノスマブ治療対象における血清CTxが閉経前の基準範囲よりも下のレベルに低下した。さらに、デノスマブ治療対象にて、CTx軽減と増加した骨密度との間で有意な相関性がみられた(Eastell et al, 2011)。CTxにおけるこれらの効果に加えて、第一相試験では、用量依存的様式におけるデノスマブ皮下注射が、最大81%の閉経後の女性に対して6ヶ月もの間尿中NTxを抑制した(Bekker et al, 2004)。
他の実施例では、マーカーはTRACP−5bである。
転移性性腺摘除抵抗性の前立腺癌を有する患者における、化合物1の投与は、対象が以前にビスホスホネートで治療を受けていたかどうかに関わらず、血清CTx減少を伴う(Hussain et al, 2011)。骨粗しょう症である患者の処置のために、以前にビスホスホネートをおそらく使用した、既知の骨転移がない患者には、化合物1と同様の効果がみられた(Gordon et al, 2011)。患者における血清CTxレベルを軽減する化合物1の性質は、以前ビスホスホネート治療を行ったかどうかに関わらず、および転移性骨病変の有無に関わらず、異常な骨代謝を遮断する強力な効果を有することが示唆される。
このように、他の実施例において、本発明は、このような治療を必要とする患者に、本明細書に記載されたいずれかの実施例における、100、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、または5mg以下の一日量で式Iの化合物を投与することを含む、骨粗しょう症の患者における血清CTxを減少させる方法に関する。具体的な実施例では、式Iの化合物は、化合物1であり、投与量は0.01から25mgの間である。
他の態様において、本発明は、対象における骨粗しょう症の予後予測方法であって、
(a)対象からのサンプルにおけるP1NP,CTxまたはTRACP5bのレベルを測定することと、
(b)(a)のステップで測定されたP1NP,CTxまたはTRACP5bのレベルを、P1NP,CTxまたはTRACP5bの標準レベルと比較して、前記対象からの前記サンプルのP1NP,CTxまたはTRACP5bが異常なレベルであるかどうかを決定することと、
(c) P1NP,CTxまたはTRACP5bの異常レベルに基づいて前記式Iの化合物、式Iaの化合物、または化合物1による治療計画を選択すること、または、前記対象における前記骨粗しょう症が抑制されるような前記治療計画に応じて前記式Iの化合物、式Iaの化合物、または化合物1を投与することを含む方法を提供する。
他の実施例において、本発明は、このような治療を必要とする患者に、本明細書に記載されたいずれかの実施例における、一日一回100、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、または5mg以下の一日量で有効な量の式Iの化合物、式Iaの化合物、または化合物1を患者に投与することを含む、骨芽細胞分化および/または活性を刺激する方法を提供する。具体的な実施例では、式Iの化合物は、化合物1であり、投与量は一日一回0.01から25mgの間である。
他の態様において、本発明は、このような治療を必要とする患者に、本明細書に記載されたいずれかの実施例における、一日一回100、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、または5mg以下の一日量で有効な量の式Iの化合物、式Iaの化合物、または化合物1を患者に投与することを含む、骨形成を刺激する方法を提供する。具体的な実施例では、式Iの化合物は、化合物1であり、投与量は一日一回0.01から25mgの間である。
他の態様において、本発明は、このような治療を必要とする患者に、本明細書に記載されたいずれかの実施例における、一日一回100、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、または5mg以下の一日量で有効な量の式Iの化合物、式Iaの化合物、または化合物1を患者に投与することを含む、破骨細胞分化を抑制する方法を提供する。具体的な実施例では、式Iの化合物は、化合物1であり、投与量は一日一回0.01から25mgの間である。
他の態様において、本発明は、このような治療を必要とする患者に、本明細書に記載されたいずれかの実施例における、一日一回100、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、または5mg以下の一日量で有効な量の式Iの化合物、式Iaの化合物、または化合物1を患者に投与することを含む、骨形成に向けて骨代謝を調節する方法を提供する。具体的な実施例では、式Iの化合物は、化合物1であり、投与量は一日一回0.01から25mgの間である。
他の態様において、本発明は、本明細書に記載されたいずれかの実施例における、一日一回100、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、または5mg以下の一日量で有効な量の式Iの化合物、式Iaの化合物、または化合物1を患者に投与することを含む、卵巣摘出された患者における骨粗しょう症の処置方法を提供する。具体的な実施例では、式Iの化合物は、化合物1であり、投与量は一日一回0.01から25mgの間である。
他の態様において、本発明は、本明細書に記載されたいずれかの実施例における、一日一回100、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、または5mg以下の一日量で有効な量の式Iの化合物、式Iaの化合物、または化合物1を患者に投与することを含む、卵巣摘出された患者における骨形成に向けて骨代謝を調節する方法を提供する。具体的な実施例では、式Iの化合物は、化合物1であり、投与量は一日一回0.01から25mgの間である。
他の実施例において、本発明は、本明細書に記載されたいずれかの実施例における、一日一回100、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、または5mg以下の一日量で有効な量の式Iの化合物、式Iaの化合物、または化合物1を患者に投与することを含む、患者における骨粗しょう症の処置方法を提供する。一実施例では、治療は、骨芽細胞分化の刺激をもたらす。他の実施例では、治療は、骨形成の刺激をもたらす。他の実施例では、治療は、破骨細胞分化および/または活性の抑制をもたらす。他の実施例では、治療は、骨形成に向けて代謝の調節をもたらす。これらのおよび他の実施例では、式Iの化合物は、化合物1であり、投与量は一日一回0.01から25mgの間である。
投与
式Iの化合物、式Iaの化合物、もしくは化合物1、またはその薬学的に許容される塩における純粋形または適切な薬学的組成物での投与が、許容された形式での投与または同様の効用をもたらす薬剤のいずれかを介して行われ得る。このように、投与は、例えば、経口的に、経鼻的に、非経口的(静脈内、筋肉内、または皮下)に、局所的に、経皮的に、腟内に、膀胱内に、嚢内に、または直腸内に、例えば、錠剤、坐剤、丸剤、(カプセルまたはタブレットであり得る)軟性および硬ゼラチン投薬、粉末、溶剤、懸濁液、またはエアロゾル等のような固体、半固体、凍結乾燥粉末、または、液体剤形の形態で、具体的には、正確な投薬量を簡易に投与するのに適切な単位剤形でなされ得る。
組成物は、従来の薬学的担体または賦形剤、および活性剤としての式Iの化合物を含み、さらに担体およびアジュバント等を含み得る。
アジュバントは、保存剤、湿潤剤、懸濁剤、甘味剤、香味剤、芳香剤、乳化剤、および分配剤を含む。微生物の活動の防止は、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸等の様々な抗菌剤および抗真菌剤により確保される。例えば、糖類、塩化ナトリウム等の等張剤を含むことも好ましい。注射用剤型の長期の吸収は、吸収を遅らせる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの使用によりもたらされる。
所望であれば、式Iの化合物の医薬組成物は、少量の補助剤、例えば、クエン酸、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミンオレイン酸塩、ブチル化ヒドロキシトルエン等のような湿潤剤、乳化剤、pH緩衝剤、抗酸化剤等を含み得る。
組成物の選択は、薬物投与(例えば、経口投与、錠剤、丸剤、またはカプセル形状の組成物)および原薬の生体有効性のような様々な因子に基づく。近年では、特に、表面積の増加により、つまり、粒子サイズの減少により、生体有効性が増加し得るという原理に基づく低い生体有効性を示す薬物に関する医薬組成物が開発されている。例えば、米国特許第4,107,288号は、10から1000nmの範囲のサイズの粒子を有する医薬組成物であって、活性物質が高分子の架橋マトリクスを支持することを開示する。米国特許第5,145,684号は、医薬組成物の生産であって、表面調節剤の存在下で原薬をナノ粒子(平均粒子サイズは400nm)にまで砕き、その後、液体培地に分散させた、著しく高い生体有効性を示す医薬組成物を産生することを開示する。
非経口注射に適している組成物は、生理学的に許容される無菌の水性もしくは非水系溶液、分散液、懸濁液、または乳化剤、および無菌注射溶液または分散液の再構成用の無菌粉末を含むこととしてもよい。水性および非水系担体、希釈剤、溶剤、またはビヒクルの適切な例は、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等)、これらの適切な混合物、植物油(例えばオリーブオイル)、およびオレイン酸エチルのような注射用有機エステルを含む。適切な流動性が、例えば、レシチンのようなコーティングを用いることにより、分散した際に必要とされる粒子径を維持することにより、および界面活性剤の使用により維持され得る。
1つの具体的な投与の経路は、治療される病気の状態の重症度の程度に応じて調整され得る便利な毎日の投与計画を用いる経口である。
経口投与用の固形剤形は、カプセル、錠剤、丸剤、粉末、および細粒を含む。このような固形剤形では、活性化合物は、クエン酸ナトリウムまたはりん酸二カルシウム または(a)充填剤または増量剤、例えば、でんぷん、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、および珪酸、(b)結合剤、例えば、セルロース誘導体、でんぷん、アルギン酸、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、およびアカシアガム、(c)保湿剤、例えば、グリセロール、(d)崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、ポテトまたはタピオカでんぷん、アルギン酸、クロスカルメロースナトリウム、複雑珪酸塩、および炭酸ナトリウム、(e)溶解遅延剤、例えば、パラフィン、(f)吸収促進剤、例えば、四級アンモニウム化合物、(g)湿潤剤、例えば、セチルアルコール、およびグリセロールモノステアレート、ステアリン酸マグネシウム等、(h)吸着剤、例えば、カオリン、およびベントナイト、並びに(i)潤滑剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、またはこれらの混合物のような、少なくとも1つの通常不活性な賦形剤(または担体)と混合される。カプセル、錠剤、および丸剤の場合には、剤形は緩衝薬をも含むこととしてもよい。
上述のような固形剤形は、コーティングおよび殻、例えば、腸溶コーティングおよび他の公知のもので調製され得る。それらは、鎮静剤を含んでいてもよく、活性化合物または化合物を、遅延する態様で腸管のある部分で放出するような組成物であってもよい。使用され得る埋め込まれた組成物の例は、重合体の物質またはワックスである。活性化合物は、適切であれば一またはそれ以上の上述した賦形剤とともにマイクロカプセル化された形状であってもよい。
経口投与用の液体剤形は、薬学的に許容される乳化剤、溶液、懸濁液、シロップ剤、およびエリキシル剤を含む。そのような剤形は、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩、および、例えば水、食塩水、水溶性デキストロース、グリセロール、エタノール等のような担体、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3ブチレングリコール、ジメチルホルムアミドのような可溶化した薬剤および乳化剤、特に綿実油、落花生油、コーン胚芽油、オリーブオイル、ひまし油、およびごま油のようなオイル、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物等における随意の薬学的アジュバントを、例えば、溶解することにより、分散させること等により、調製し、溶液または懸濁液を形成する。
活性化合物に加えて、懸濁液は、沈殿防止剤、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール、およびソルビタンエステル、微結晶セルロース、アルミニウムメタ水酸化物、ベントナイト、寒天、並びにトラガント、またはこれらの物質の混合物等を含むこととしてもよい。
直腸投与用の組成物は、例えば、式Iの化合物を、常温では固体であって体温では液体となることで、適切な体腔で溶解して活性物質を内部に放出する、ココアバター、ポリエチレングリコール、または坐剤ワックスのような適切な非刺激性賦形剤または担体と混合することにより調製される坐剤である。
式Iの化合物の局所的投与用剤形は、軟膏、粉末、スプレー、および吸入剤を含む。有効成分は、無菌状態で、生理学的に許容される担体、および必要とされる保存剤、緩衝液、または推進剤のいずれかと混合される。眼用組成物、眼用軟膏、粉末、および溶液についても、本開示の範囲内のものであるとして考慮される。
圧縮されたガスが、式Iの化合物を分散させるためにエアロゾルの形態で使用されることとしてもよい。この目的にとって適切な不活性ガスは、窒素、二酸化炭素等である。
一般的に、意図する投与の形態に応じて、薬学的に許容される組成物は、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を、約1重量%から約99重量%を含み、適切な薬学的賦形剤を約99重量%から約1重量%含む。一例では、組成物は、式Iの化合物、式Iaの化合物、もしくは化合物1またはその薬学的に許容される塩を約5重量%から約75重量%含み、その残りが適切な薬学的賦形剤である。
このような剤形を調整する実際の方法は、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed., (Mack Publishing Company, Easton, Pa., 1990)にみられるように、当業者に知られており、または明らかである。投与される組成物は、いずれにしても、本開示の内容に従って、病状を治療するための治療に有効な量の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。
本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物は、用いられる特定の化合物の活性、化合物の代謝安定性と作用の長さ、年齢、体重、一般的な健康状態、性別、食事、投与の方法と時間、排泄率、薬物の組み合わせ、特定の病状の重症度、および治療を受けている者、を含む様々な要素に応じて変化する、治療に有効な量で投与される。式Iの化合物、式Iaの化合物、または化合物1は、一日あたり約0.1から約1000mgの範囲、および一日あたり約1から約150mgの範囲の投与レベルで患者に投与されてもよい。体重70キログラムの正常な成人では、一日に体重1キログラムあたり約0.01から約100mgの範囲の投与が一例である。特定の投与量が用いられるが、変更してもよい。例えば、投与量は、患者の要望、治療状態の重症度、および用いられる化合物の薬理的な活性を含む多くの要素に基づくことができる。具体的な患者の最適な投与量の決定は、当業者によく知られている。
他の実施例において、式Iの化合物、式Iaの化合物、または化合物1は、他の癌治療と同時に患者に投与されてもよい。このような治療は、とりわけ、他の癌の化学療法、ホルモン補充療法、放射線治療、または免疫療法を含む。他の治療の選択は、化合物の代謝安定性と作用の長さ、年齢、体重、一般的な健康状態、性別、食事、投与の方法と時間、排泄率、薬物の組み合わせ、特定の病状の重症度、および治療を受けている者、を含む様々な要素による。
一実施例において、式Iの化合物、式Iaの化合物、または化合物1は、カプセルとして経口的に投与される。他の実施例において、化合物1は、カプセルとして経口的に投与される。カプセルは、化合物1を100、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、または5mg以下で含むこととしてもよい。一実施例において、投与量は、0.01から25mgの間である。
他の実施例において、式Iの化合物、式Iaの化合物、または化合物1は、錠剤として経口的に投与される。
他の実施例において、化合物1または化合物1の薬学的に許容される塩は、以下の表に示されるような錠剤として経口的に投与される。
Figure 0006240075
他の実施例において、化合物1または化合物1の薬学的に許容される塩は、以下の表に示されるような錠剤として経口的に投与される。
Figure 0006240075
他の実施例において、化合物1または化合物1の薬学的に許容される塩は、以下の表に示されるような錠剤として経口的に投与される。
Figure 0006240075
上記錠剤の剤形は、化合物1または化合物1の薬学的に許容される塩の95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、または5mg以下での経口的投与量を提供するために適用される。一実施例において、投与量は、0.01から25mgの間である。
化合物1の調製
N−(4−{[6,7−ビス(メチルオキシ)キノリン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキシアミドおよびその(L)−リンゴ酸塩の調製。
N−(4−[6,7−ビス(メチルオキシ)キノリン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキシアミドおよびその(L)−リンゴ酸塩の調製に用いられる合成径路が図式1に示される。
Figure 0006240075
4−クロロ−6,7−ジメトキシ−キノリンの調製
反応器を連続的に6,7−ジメトキシ−キノリン−4−オル(10.0kg)およびアセトニトリル(64.0L)で装填した。得られた混合物を約65℃まで加熱し、オキシ塩化リン(POCl、50.0kg)を加えた。POClを加えた後に、反応混合物の温度を約80℃まで上昇させた。(高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析法で)出発物質の2%未満が残ったとき、反応が完了したとみなした(約9.0時間)。反応混合物は、約10℃に冷却され、その後、ジクロロメタン(DCM,238.0kg)、30%NHOH(135.0kg)、および氷(440.0kg)の冷却溶液中で急冷した。得られた混合物を暖めて約14℃とし、相を分離した。有機相を水(40.0kg)で洗浄し、溶剤を除去するために、減圧蒸留で濃縮した(約190.0kg)。メチル−t−ブチルエーテル(MTBE、50.0kg)が1回分の分量に追加され、その混合物は、生成物の晶出中に約10℃に冷却された。固形体を、遠心分離により回収し、ヘプタン(20.0kg)で洗浄し、約40℃で乾燥して、標題化合物(8.0kg)を得た。
6,7−ジメチル−4−(4−ニトロ−フェノキシ)−キノリンの調製
反応器を連続的に4−クロロ−6,7−ジメトキシ−キノリン(8.0kg),4−ニトロフェノール(7.0kg),4ジメチルアミノピリジン(0.9kg)、および2,6ルチジン(40.0kg)で装填した。反応器の内容物を約147°Cに加熱した。反応が完了した(HPLC分析法で測定した時、出発物質の5%未満が残る、約20時間)とき、反応器の内容物を約25℃に冷却した。メタノール(26.0kg)を添加し、その後、炭酸カリウム(3.0kg)を添加して、水(50.0kg)中に溶解した。反応器の内容物を約2時間撹拌した。得られた固形体沈殿物を濾過し、水(67.0kg)で洗浄し、25℃で約12時間乾燥して、標題化合物(4.0kg)を得た。
4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−フェニルアミンの調製
ぎ酸カリウム(5.0kg)、ぎ酸(3.0kg)、および水(16.0kg)を含む溶液を、約60℃に加熱したテトラヒドロフラン(THF、40.0kg)の6,7−ジメトキシ−4−(4−ニトロ−フェノキシ)−キノリン(4.0kg)、10%パラジウムの炭素(50%水で湿った、0.4kg)の混合物に添加した。反応混合物の温度が約60℃のままとなるように追加が行われた。HPLC分析法で測定した時、反応が完了したとみなし(出発物質の2%未満が残る、約15時間)、反応器の内容物を濾過した。濾過液を減圧蒸留により約35℃で濃縮してもとの量の半分にし、生成物の沈殿物を生じさせた。生成物を濾過で回収し、水(12.0kg)で洗浄し、約50℃の真空下で乾燥して、標題化合物(3.0kg;97%曲線下面積(AUC))を得た。
1−(4−フルオロ−フェニルカルバモイル)−シクロプロパンカルボン酸の調製
トリエチルアミン(8.0kg)を、市販のシクロプロパン−1,1−ジカルボン酸(2 1,10.0kg)のTHF(63.0kg)の冷却した溶液(約4℃)に、1回分の分量の温度が10℃を超えないような割合で添加した。上記溶液を約30分間撹拌し、その後、塩化チオニル(9.0kg)を添加して、1回分の分量の温度が10℃を超えないように維持した。添加が完了すると、4−フルオロアニリン(9.0kg)のTHF(25.0kg)溶液を、1回分の分量の温度が10℃を超えないような割合で添加した。上記混合物を約4時間撹拌し、その後、酢酸イソプロピル(87.0kg)で希釈した。この溶液を水酸化ナトリウム水溶液(2.0kgを水50.0Lに溶解)、水(40.0L)、および塩化ナトリウム水溶液(10.0kgを水40.0Lに溶解)で連続的に洗浄した。有機溶液を減圧蒸留で濃縮し、その後、ヘプタンを加えて固形体の沈殿物を生じさせた。固形体は、遠心分離により回収し、その後、約35℃の真空下にて乾燥し、標題化合物(10.0kg)を得た。
1−(4−フルオロ−フェニルカルバモイル)−シクロプロパン塩化カルボニルの調製
塩化オキサリル(1.0kg)を、THF(11kg)およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF;0.02kg)混合物の1−(4−フルオロ−フェニルカルバモイル)−シクロプロパンカルボン酸(2.0kg)溶液に、1回分の分量の温度が30℃を超えないような割合で添加した。この溶液をさらに処理することなく次の工程で使用した。
N−(4−{[6,7−ビス(メチルオキシ)キノリン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキシアミドの調製
1−(4−フルオロ−フェニルカルバモイル)−シクロプロパン塩化カルボニルを含む上記ステップからの溶液を、4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−フェニルアミン(3.0kg)および炭酸カリウム(4.0kg)の混合物のTHF(27.0kg)および水(13.0kg)の溶液に、1回分の分量の温度が30℃を超えないような割合で添加した。反応が完了した時(典型的には10分)、水(74.0kg)を添加した。混合物を15から30℃で約10時間撹拌し、生成物の沈殿物を生じさせた。生成物は濾過により回収し、予め作成したTHF(11.0kg)および水(24.0kg)の溶液で洗浄し、約65℃の真空下で約12時間乾燥し、標題化合物(遊離塩基,5.0kg)を得た。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO): δ 10.2 (s, 1H), 10.05 (s, 1H), 8.4 (s, 1H), 7.8 (m, 2H), 7.65 (m, 2H), 7.5 (s, 1H), 7.35 (s, 1H), 7.25 (m, 2H), 7.15(m, 2H), 6.4 (s, 1H), 4.0 (d, 6H), 1.5 (s, 4H). LC/MS: M+H= 502.
N−(4−{[6,7−ビス(メチルオキシ)キノリン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキシアミド,(L)−リンゴ酸塩の調製
L−リンゴ酸(2.0kg)の水(2.0kg)溶液を、1回分の分量の温度が25℃を超えないように維持しながら、シクロプロパン−1,1−ジカルボン酸[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−フェニル]−アミド(4−フルオロフェニル)−アミド遊離塩基(1 5,5.0kg)のエタノール溶液に添加した。炭素(0.5kg)およびチオールシリカ(0.1kg)をその後添加し、得られた混合物を約78℃に加熱し、その時点で水(6.0kg)を添加した。次に、反応混合物を濾過し、その後、イソプロパノール(38.0kg)添加し、約25℃に冷却した。生成物を濾過して回収し、イソプロパノール(20.0kg)で洗浄し、約65℃で乾燥し、標題化合物(5.0kg)を得た。
N−(4−{[6,7−ビス(メチルオキシ)キノリン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキシアミドおよびその(L)−リンゴ酸塩の代替の調製
N−(4−{[6,7−ビス(メチルオキシ)キノリン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキシアミドおよびその(L)−リンゴ酸塩の調製に用いられる代替の合成径路を図式2に示す。
Figure 0006240075
4−クロロ−6,7−ジメトキシ−キノリンの調製
反応器を6,7−ジメトキシ−キノリン−4−オル(47.0kg)およびアセトニトリル(318.8kg)で連続的に装填した。得られた混合物を約60℃に加熱し、オキシ塩化リン(POCl、130.6kg)を添加した。POClを添加した後に、反応混合物の温度を77℃に上昇させた。(高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析法で)出発物質の3%未満が残ったときに反応は完了したとみなした(約13時間)。反応混合物は約2〜7℃に冷却し、その後、ジクロロメタン(DCM,482.8kg),26%NHOH(251.3kg),および水(900L)の冷却溶液内で急冷した。得られた混合物を20〜25℃に暖め、相を分離した。有機相をAW hyflo super−cel NFの濾床を通して濾過し(セライト;5.4kg)、濾床をDCM(118.9kg)で洗浄した。混合された有機相をブライン(282.9kg)で洗浄し、水(120L)で混合した。相を分離し、有機相を減圧蒸留により濃縮して溶剤を除去した(約95Lの残量)。DCM(686.5kg)を有機相を含む反応器に装填し、有機相を減圧蒸留により濃縮して溶剤を除去した(約90Lの残量)。メチルt−ブチルエーテル(MTBE、226.0kg)をその後装填し、混合物の温度を−20から−25℃に調節して、2.5時間維持し、固形体沈殿物中の結果物をその後濾過し、n‐ヘプタン(92.0kg)で洗浄し、約25℃でフィルター上にて窒素下で乾燥し、標題化合物(35.6kg)を得た。
4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−フェニルアミンの調製
N,N−ジメチルアセトアミド(DMA、184.3kg)に溶解した4−アミノフェノール(24.4kg)を、20から25℃で、4−クロロ−6,7−ジメトキシキノリン(35.3kg)、ナトリウムt−ブトキシド(21.4kg)およびDMA(167.2kg)を含む反応器に装填した。その後、混合物を約13時間100〜105℃に加熱した。HPLC分析法で測定して反応が完了したとみなされた後(出発物質の2%未満が残る)、反応器の内容物を15〜20℃に冷却し、水(前もって冷却された、2〜7℃,587L)を、15〜30℃の温度を維持するような割合で装填した。得られた固形体沈殿物を濾過し、水(47L)およびDMA(89.1kg)の混合物で、最後には水(214L)で洗浄した。その後、濾滓をフィルター上で約25℃で乾燥し、粗4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−フェニルアミン(LODに基づいて計算された59.4kgウエット,41.6kgドライ)を得た。粗4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−フェニルアミンを、テトラヒドロフラン(THF、211.4kg)およびDMA(108.8kg)の混合物にて約1時間還流し(約75℃)、その後0〜5℃に冷却し、約1時間経過後に固形体を濾過し、THF(147.6kg)で洗浄し、真空下でフィルター上にて約25℃で乾燥し、4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−フェニルアミンを得た(34.0kg)。
4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−フェニルアミンの代替の調製
4−クロロ−6,7−ジメトキシキノリン(34.8kg)、4−アミノフェノール(30.8kg)、ナトリウムtert5酸化物(1.8等量)88.7kg、35重量%のTHF)、続いてN,N−ジメチルアセトアミド(DMA、293.3kg)を反応器に装填した。その後、この混合物を約9時間105〜115℃に加熱した。HPLC分析法で測定して反応が完了したとみなされた後(出発物質の2%未満が残る)、反応器の内容物を15〜20℃に冷却し、20〜30℃の温度を維持しながら、2時間かけて水(315kg)を加えた。その後、反応混合物を、さらに1時間20〜25℃で攪拌した。粗生成物を濾過して収集し、88kgの水と82.1kgのDMAの混合物で洗浄し、その後175kgの水で洗浄した。生成物をフィルタドライヤーで53時間乾燥した。LODは、1%w/w未満を示した。
代替の手順において、1.6等量のナトリウムtert5酸化物を用いて、反応温度を110〜120℃に上昇させた。さらに、クールダウンした温度を35〜40℃に上昇させ、水追加の開始温度を35〜40℃に調節し、許容される発熱線で45℃にした。
1−(4−フルオロ−フェニルカルバモイル)−シクロプロパンカルボン酸の調製
トリエチルアミン(19.5kg)を冷却した(約5℃)シクロプロパン−1,1−ジカルボン酸(24.7kg)のTHF(89.6kg)溶液に、1回分の分量の温度が5℃を超えないような割合で添加した。その溶液を約1.3時間撹拌し、その後、1回分の分量の温度が10℃を超えないように維持しながら、塩化チオニル(23.1kg)を添加した。添加が完了した時、溶液を、温度を10℃以下に維持しながら約4時間撹拌した。4−フルオロアニリン(18.0kg)のTHF(33.1kg)溶液を、1回分の分量の温度が10℃を超えないような割合で添加した。反応が完了したとみなされた後、混合物を約10時間撹拌した。その後、反応混合物を酢酸イソプロピル(218.1kg)で希釈した。その溶液を、さらに水(415L)で希釈した水酸化ナトリウム水溶液(10.4kg、119Lの水に50%溶解)、その後、水(100L)、そして最後に塩化ナトリウム水溶液(100Lの水に溶解した20.0kg)で連続的に洗浄した。有機溶液を、40℃以下で減圧蒸留により濃縮し(100L残量)、その後、n−ヘプタン(171.4kg)を添加することにより、固形体の沈殿物を得た。その固形体を濾過で回収し、n−ヘプタン(102.4kg)で洗浄し、湿潤した粗1−(4−フルオロ−フェニルカルバモイル)−シクロプロパンカルボン酸(29.0kg)を得た。粗1−(4−フルオロ−フェニルカルバモイル)−シクロプロパンカルボン酸を、約25℃でメタノール(139.7kg)に溶解し、その後、水(320L)を加えて、スラリーを得て、それをフィルターで回収し、水(20L)およびn−ヘプタン(103.1kg)で連続的に洗浄し、窒素下における約25℃でフィルタ上で乾燥し、標題化合物(25.4kg)を得た。
1−(4−フルオロ−フェニルカルバモイル)−シクロプロパン塩化カルボニルの調製
塩化オキサリル(12.6kg)を、1−(4−フルオロ−フェニルカルバモイル)−シクロプロパンカルボン酸(22.8kg)のTHF(96.1kg)とN,N−ジメチルホルムアミド(DMF;0.23kg)との混合物の溶液に、1回分の分量の温度が25℃を超えないような割合で添加した。その溶液を、さらに処理することなく、次の工程で使用した。
1−(4−フルオロ−フェニルカルバモイル)−シクロプロパン塩化カルボニルの代替の調製
反応器に1−(4−フルオロ−フェニルカルバモイル)−シクロプロパンカルボン酸(35kg)、344gDMF、および175kgTHFを装填した。反応混合物を12〜17℃に調整し、その後、反応混合物は、19.9kgの塩化オキサリルを1時間にわたって装填した。反応混合物を12〜17℃で3から8時間撹拌したままとした。その溶液を、さらに処理することなく、次の工程で使用した。
シクロプロパン−1,1−ジカルボン酸[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−フェニル]−アミド(4−フルオロフェニル)−アミドの調製
1−(4−フルオロ−フェニルカルバモイル)−シクロプロパン塩化カルボニルを含む上記工程からの溶液を、化合物4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−フェニルアミン(23.5kg)と炭酸カリウム(31.9kg)との混合物のTHF(245.7kg)と水(116L)の溶液に、1回分の分量の温度が30℃を超えないような割合で添加した。反応が完了した時(約20分で)、水(653L)を添加した。混合物を20〜25℃で約10時間混合し、生成物の沈殿物を得た。生成物を濾過で回収し、予め作成したTHF(68.6kg)と水(256L)の溶液で洗浄し、最初は窒素下における約25℃でフィルタ上で、その後真空下における45℃で乾燥し、標題化合物(41.0kg、38.1kg、LODを基に計算)を得た。
シクロプロパン−1,1−ジカルボン酸[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−フェニル]−アミド(4−フルオロフェニル)−アミドの代替的な調製
反応器を4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−フェニルアミン(35.7kg,1等量)、その後412.9kgTHFで装填した。反応混合物に48.3KCOの169kg水溶液を装填した。上記“1−(4−フルオロ−フェニルカルバモイル)−シクロプロパン塩化カルボニルの代替的な調製”で記載した酸塩化物溶液を、20〜30℃を維持しながら最小で2時間かけて4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−フェニルアミンを含む反応器に移した。反応混合物を、20〜25℃で最小で3時間撹拌した。その後反応温度を30〜25℃に調整し、混合物を撹拌した。撹拌を停止し、混合物の相を分離した。下部水相を除去して破棄した。残りの上部有機相に804kgの水を加えた。反応は、最小で16時間の間、15〜25℃で撹拌したままとした。
生成物が沈殿した。生成物を濾過し、179kgの水と157.9kgのTHF混合物で、2回に分けて洗浄した。粗生成物を、真空下で少なくとも2時間乾燥した。乾燥した生成物に285.1kgのTHFを加えた。得られた懸濁液を、反応容器に移し、懸濁液が透明な(溶解した)溶液になるまで撹拌し、それは30〜35℃の約30分の過熱を必要とした。その後、456kgの水、並びに20kgのSDAG−1エタノール(メタノールで変性したエタノールを、2時間かけて溶液に加えた。混合物を、15〜25℃で少なくとも16時間攪拌した。生成物を濾過し、143kgの水および126.7のTHFの混合物で、2回に分けて洗浄した。生成物を最大40℃の温度設定値で乾燥した。
代替的な方法において、酸塩化物形成中の反応温度を10〜15℃に調整した。再結晶温度を1時間で15〜25℃から45〜50℃に変更し、その後2時間かけて15〜25℃に冷却した。
シクロプロパン−1,1−ジカルボン酸[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−フェニル]−アミド(4−フルオロフェニル)−アミド,リンゴ酸塩の調製
シクロプロパン−1,1−ジカルボン酸[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−フェニル]−アミド(4−フルオロフェニル)−アミド(1−5;13.3kg),L−リンゴ酸(4.96kg),メチルエチルケトン(MEK;188.6kg)および水(37.3kg)を反応器に装填し、混合物を加熱して約2時間還流(約74℃)した。反応器の温度を50〜55℃に低下させ、反応器内容物を濾過した。これらの一連の上記工程を、出発物質(13.3kg)、L−リンゴ酸(4.96kg)、MEK(198.6kg)、および水(37.2kg)と同様の量で開始して、さらに2回繰り返した。混合した濾過液を、MEK(1133.2kg)(残量約711L;KF≦0.5%w/w)を用いて、約74℃の大気圧で共沸乾燥した。反応器内容物の温度を、20〜25℃に低下させて約4時間維持し、固形体沈殿物を得て、それを濾過し、MEK(448kg)で洗浄し、50℃の真空下で乾燥して、標題化合物(45.5kg)を得た。
シクロプロパン−1,1−ジカルボン酸[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−フェニル]−アミド(4−フルオロ−フェニル)−アミド,L−リンゴ酸塩の代替的な調製
シクロプロパン−1,1−ジカルボン酸[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−フェニル]−アミド(4−フルオロフェニル)−アミド(47.9kg),L−リンゴ酸(17.2),658.2kgメチルエチルケトン、および129.1kgの水(37.3kg)を反応器に装填し、その混合物を50〜55で約1〜3時間加熱し、その後、55〜60℃でさらに4〜5時間加熱した。その混合物を、1μmのカートリッジで濾過して不純物を除いた。反応器の温度を20〜25℃に調整し、最大外側温度55℃にて150〜200mmHgで、558〜731Lの範囲の量に真空で減圧蒸留した。
380kgおよび380.2kgメチルエチルケトンの装填で、それぞれ減圧蒸留を、もう2回行った。3回目の蒸留後に、1回分の分量が18v/wのシクロプロパン−1,1−ジカルボン酸[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−フェニル]−アミド(4−フルオロフェニル)−アミドとなるように、159.9kgのメチルエチルケトンを装填することにより、総量が880Lとなるように調整した。245.7メチルエチルケトンを調整することにより、追加の減圧蒸留が行われた。20〜25℃での少なくとも24時間の適度の撹拌で反応混合物が残った。生成物を濾過し、415.1kgメチルエチルケトンで3回に分けて洗浄した。生成物を、真空下にて外側温度設定値45℃で乾燥した。
代替の手順において、追加の手順は、129.9kgの水に溶解した17.7kgL−リンゴ酸の溶液が、シクロプロパン−1,1−ジカルボン酸[4−(6,7−ジメトキシ−キノリン−4−イルオキシ)−フェニル]−アミド(4−フルオロフェニル)−アミド(48.7kg)のメチルエチルケトン(673.3kg)に添加されるように変更する。
破骨細胞および骨芽細胞分化の両方における化合物1の試験、並びにIn Vitroでの活性測定
この試験の目的は、in vitroでのヒト破骨細胞とマウス骨芽細胞の分化および活性における、7種の濃度の化合物1の効果を調査することである。次の濃度:0.004、0.012、0.037、0.11、0.33、1.0、および3.0μM、が試験された。試験は、ウシの骨スライス上で培養されたヒト骨髄由来CD34+破骨細胞の前駆細胞、および骨形成骨芽細胞に分化するように誘導されたKS483マウスの骨前駆細胞を用いて行われた。
試験は4つのパートで行われた。第1のパートでは、ヒト骨髄由来CD34+破骨細胞の前駆細胞を、ウシの骨スライス上で7日間培養し、その後、培地中の酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ5b活性(TRACP5b)を測定することにより、形成された破骨細胞を定量化した。この測定法は、破骨細胞分化への化合物1の効果を証明した。培養系が期待通りに機能することを証明するために、破骨細胞分化の参照阻害物質としてオステオプロテゲリン(OPG)を含めた。
第2のパートでは、ヒト破骨細胞の培地を7日目で新たな培地に交換して、形成された成熟破骨細胞をさらに3日間培養し、それらに骨を再吸収させた。化合物1を7日目に培地に添加した。この測定法は、成熟した破骨細胞の骨再吸収活性における化合物1の効果を証明した。10日目に採取した培地におけるタイプIコラーゲン(CTX)のC末端架橋テロペプチドを測定し、7−10日目の骨吸収を定量化した。化合物1を添加する前に、破骨細胞数を定量化するために、TRACP5bを7日目に測定した。CTX値をTRACP5b値で除算し、平均破骨細胞活性を示す再吸収率を得た。培養系が期待通りに機能することを証明するために、システインプロテアーゼ阻害物質E64を、破骨細胞活性の参照阻害物質として含めた。
第3のパートでは、KS483マウス骨前駆細胞を8日間培養し、その後、細胞内のアルカリホスファターゼ(ALP)活性の量を測定することにより、形成された成熟骨芽細胞を定量化した。この測定法は、骨芽細胞分化における化合物1の効果を証明する。試験では、培養系が期待通りに機能することを証明するために、骨芽細胞分化を刺激する参照化合物として、17β−エストラジオールを含めた。
試験の第4のパートでは、有機的な骨マトリックスの形成に効果があることを証明するために、KS483マウス骨前駆細胞が13日間培養され、その間、培地内に分泌されたタイプIプロコラーゲンのN末端プロペプチド(PINP)を11日目に測定し、かつ、有機的でない骨マトリックスの形成に効果があることを証明するために、形成された骨マトリックス内のカルシウム沈着量を13日目に測定した。この骨芽細胞の活性測定は、骨芽細胞の骨形成活性における、化合物1の効果を証明する。試験では、培養系が期待通りに機能することを証明するために、骨芽細胞分化および活性を刺激する参照化合物として、17β−エストラジオールを含めた。
化合物1は、0.11、0.33、1.0、および3.0μMの濃度で有意に、投与量依存性の破骨細胞分化の抑制を示した。顕微鏡分析は、0.11、および0.33μMの濃度では、破骨細胞分化の特異的な抑制が示唆される、ヘキストおよびTRACP陽性単核細胞の数に影響を及ぼさないことを示した。しかしながら、1.0および3.0μM濃度では、ヘキストおよびTRACP陽性単核細胞の数がともに減少し、これらの濃度で観察された抑制効果は、少なくとも部分的に細胞毒性が示唆された。破骨細胞活性測定では、いかなる効果も観察されなかった。
化合物1は、投与量依存性の骨芽細胞分化および活性への刺激を示した。骨芽細胞分化測定におけるALP値は、化合物1の濃度0.012、0.037、0.11、0.33、および1.0μMでは増加し、濃度3.0μMでは減少した。骨芽細胞活性測定では、濃度0.012および0.037μMではPINP値が増加し、濃度0.004、0.012、0.037、および0.11μMでは、カルシウム値が増加した。濃度0.33、1.0、および3.0μMでは、PINPおよびカルシウム値がともに減少した。これらの結果は、化合物1は、0.004、0.012、0.037、および0.11μMの濃度で、骨細胞、活性化した骨芽細胞の骨形成に有益な効果を有し、骨を再吸収する破骨細胞の形成を抑制する効果を有しないことを証明した。
試験の説明
この試験の目的は、in vitroでのヒト破骨細胞およびマウス骨芽細胞の分化および活性における、依頼者により選択された化合物1の効果を調査することである。破骨細胞への効果は、骨髄由来ヒト破骨細胞の前駆細胞を、ウシの骨スライス上で、破骨細胞分化に好適な状態で7日間培養し、骨を再吸収する破骨細胞に分化させたモデルを用いて試験された。7日目の破骨細胞分化完了後に、培地を除去して、破骨細胞活性に好適な新たな培地をウェルに添加した。成熟した 破骨細胞をさらに3日間培養し、それらに骨を再吸収させた。破骨細胞分化測定では、試験化合物および参照阻害物質オステオプロテゲリン(OPG)を、0日目で培養物に添加した。破骨細胞活性測定では、試験化合物および参照阻害物質E64は、7日目で培養物に添加された。7つの濃度を8回繰り返して両方の測定で試験した。分化期間中に各ウェルで形成された破骨細胞の数の指標として、酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ5b活性(TRACP5b)を7日目に採取した培地から測定した。7日目から10日目の骨吸収を定量するために、タイプIコラーゲンのC末端架橋テロペプチド(CTX)を、10日目に採取した培地から測定した。
骨芽細胞における効果が、誘導して骨形成骨芽細胞に分化し得るKS483マウス骨前駆細胞を用いて試験された。試験では、培養系が骨芽細胞分化および活性への刺激を検出可能なことを証明するために、骨芽細胞分化および活性を刺激する参照化合物として、17β−エストラジオール(E2)を含めた。骨芽細胞分化測定では、細胞は8日間培養され、その後、細胞内のアルカリホスファターゼ(ALP)活性の量を測定することにより、形成された成熟骨芽細胞を定量した。骨芽細胞活性測定では、骨前駆細胞を13日間培養し、その間、有機的な骨マトリックスの形成への効果を証明するために、培地内に分泌されたタイプIプロコラーゲンのN末端プロペプチド(PINP)を11日目に測定し、かつ、非有機的な骨マトリックスの形成への効果を証明するために、形成された骨マトリックスにおけるカルシウム沈着量を13日目に測定した。
試験は、ビヒクルを含む基準群、参照化合物を含むコントロール群、および試験化合物を含む群を含む96ウェルプレートで行われた。試験系が期待通りに機能することを証明するために、参照化合物を含めた。破骨細胞培養では、コントロール群の結果が基準群の結果よりも有意に低い場合に、試験が承認された。骨芽細胞培養では、場合に、コントロール群の結果が基準群の結果よりも有意に高い場合に、試験が承認された。
化合物1
化合物1は、依頼者から固形体化合物として得られた。化合物は、10mMの濃度でDMSOに懸濁し、保存溶液を得た。新鮮な保存溶液を試験前に作成し、遮蔽して室温で保存した。長期にわたる場合(5日間以上)、保存溶液を−70°Cで保存した。適切な希釈液が保存溶液から調整され、所望の試験濃度である0.004μM、0.012μM、0.037μM、0.11μM、0.33μM、1μMおよび3μMを得た。
参照化合物
オステオプロテゲリン(OPG、5nM、PeproTech EC Ltd,London,UKから得られる、カタログ番号450−14)が破骨細胞分化の参照阻害物質として、システインプロテアーゼ阻害剤E64(1M、Sigma−Aldrich,St Louis,MO,USAから得られる、カタログ番号E−3132)が破骨細胞の再吸収活性の参照阻害物質として用いられた。
17β−エストラジオール(E2;10nM、Sigma−Aldrich,St Louis,MO,USAから得られる、カタログ番号E1024)骨芽細胞分化および活性の参照刺激物質として用いられた。
方法
破骨細胞の培養
骨スライス上での破骨細胞培養の方法は、もともとはBoyde and co-workers (1984)およびChambers and co-workers (1984)に記載されている。最初は、顕微鏡で酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ(TRACP)陽性多核細胞の数を計算することにより、破骨細胞の数を測定した。後に、分泌されたTRACP5bの活性がマウス破骨細胞培養における破骨細胞の数を反映することが証明された(Alatalo et al. 2000)。分泌されたTRACP5bの活性は、破骨細胞の数と強い相互関係を示しながらも、TRACP5bは、成熟した多核性破骨細胞に分化する前のTRACP陽性の単核性破骨細胞の前駆細胞によっては分泌されなかった。よって、分泌されたTRACP5bは、成熟した多核性破骨細胞の数の信頼できるマーカーである。
培養における骨吸収の割合は、最初は、位相差対物レンズを有する顕微鏡を用いて、各骨または象牙質スライス上の吸収窩の数をカウントすることにより測定した。後に、骨の再吸収された領域に特異的に結合する小麦胚細胞凝集素であるレクチンを用いて、窩を可視化し、顕微鏡およびコンピュータ支援画像解析システムを用いた総再吸収領域の定量化を可能とした。これらの方法は、2つの欠点がある。それらは時間がかかることと、吸収窩の深さの差を検出することができないので、間違った結果を生じ得ることである。後に、タイプIコラーゲンのC末端架橋テロペプチド(CTX)が、培地中に放出された骨コラーゲン分解生成物を定量化することが証明された(Bagger et al. 1999)。この方法は早くて感度がよく、総再吸収する量(窩の深さを含む)の信頼できるパラメーターである。
ヒト破骨細胞培養系がこの試験に用いられるために開発され、ヒト骨髄(Poietics(登録商標)Human Osteoclast Precusors,Lonza,Walkersville,USA)由来CD34+破骨細胞の前駆細胞を、M−CSFおよびRANKリガンドを含む適切な成長因子の存在下にて、ウシの骨スライス上で培養した(Rissanen et al. 2009)。最初に細胞は成熟した骨再吸収破骨細胞に分化し、形成された破骨細胞はその後骨を再吸収した。試験化合物および参照化合物を、分化および/または再吸収期の初めに培養細胞に添加し、破骨細胞の分化および/または再吸収活性におけるそれらの効果を測定した。
市販の方法(BoneTRAPO,IDS Ltd,Boldon,UK)を用いて、分泌されたTRACP5bを分化期のあとの培地から測定した。分泌したTRACP5bは、分化期の間に各ウェルで形成された破骨細胞の数を正確に示した。再吸収期後の培地から、市販の方法(CrossLapsO for cultures,IDS Ltd,Boldon,UK)を用いてCTXを測定した。CTXは、再吸収期の間に各ウェルの培地に放出された骨コラーゲン分解生成物の量を正確に示した。平均破骨細胞活性を示す再吸収の指標(Rissanen et al. 2009)は、得られた再吸収量(CrossLapsO量)を、破骨細胞の数(BoneTRAPO量)で除算することにより算出した。
骨芽細胞の培養
骨芽細胞は、間葉系幹細胞から生じる骨形成細胞である。骨芽細胞へと発達する間、3つの別個の期間、1)細胞増殖と細胞外マトリックスの分泌(ECM);2)ECM成熟;3)ECM石灰化が定義される。これらの期間中、連続した骨芽細胞表現型マーカーの発現が特徴づけられる。アルカリホスファターゼ(ALP)は、骨細胞の表現型に伴い、骨芽細胞の成熟中に活発に発現する。タイプIプロコラーゲンのN末端プロペプチド(PINP)は、タイプIコラーゲン合成、およびECM生成、並びに前臨床試験における新たな骨粗しょう症薬候補の評価についての関連する測定のマーカーである(Rissanen et al. 2008)。石灰化により、大量のカルシウムとハイドロキシアパタイトが、骨様の結節を形成するために成熟した有機マトリックスに沈着した。以下に示すマーカーにより、培養系での骨芽細胞分化および活性の全ての段階の試験が可能となる。
いくつかのモデル系が骨芽細胞を試験するためにセットアップされた。頭蓋冠から、骨芽細胞の表現型を有する細胞の分離が最初に試みられた。しかし、頭蓋冠の細胞のごく一部のみが骨芽細胞の先駆体であったため、これらの細胞は、骨芽細胞の成熟した段階を示すのみであった(Bellows et al. 1989)。代わりに、間葉系骨髄細胞または前駆細胞系は、骨芽細胞への分化を刺激された。マウス頭蓋冠からクローン化されたKS483細胞は、骨を形成する骨芽細胞に分化し、石灰化した骨の結節をin vitroで形成し得るエストロゲン反応性骨芽細胞先駆体である(Dang et al. 2002)。
タンパク同化性エストロゲン様化合物の骨芽細胞分化および活性における効果を試験するために、in vitroモデルで用い得る培養系が確立された。この培養系では、マウスKS483細胞がまず増殖し、その後、アスコルビン酸およびβ−グリセロホスフェートの存在下で、石灰化した骨の結節を形成する骨芽細胞に分化する(Fagerlund et al. 2009)。培地交換とともに、試験化合物および参照化合物が培養細胞に添加され、骨芽細胞の分化および活性の効果が測定された。上述のように、骨芽細胞分化のマーカー、細胞ALPを細胞溶解物から測定した(Lowry et al. 1954)。有機骨マトリックスの形成のマーカー、分泌したPINPを、市販の方法(Rat/Mouse PINP EIA,IDS Ltd,Boldon,UK)を用いて培地から測定した。カルシウム沈着、非有機的骨マトリックスの形成の指標を市販のカルシウム測定(Roche Diagnostics)を用いて測定した。
手順
破骨細胞分化の測定
この試験では、ヒト骨髄由来CD34+幹細胞(10000細胞/ウェル)培地に懸濁し、96ウェル組織培養プレートにて、ウシ骨スライスに付着させた。培地(10%FBS,OCP BulletKit(登録商標)Lonza,Walkersville,USAを含む)に、M−CSF(33ng/ml,OCP BulletKit(登録商標)Lonza,Walkersville,USA)およびRANKリガンド(66ng/ml,OCP BulletKit(登録商標)Lonza,Walkersville,USA)の200μl培地を含む、破骨細胞分化および活性に好適である適切な量の重要な成長因子を添加した。37℃、95%空気および5%二酸化炭素の加湿雰囲気で7日間、細胞をCO2インキュベーター内でインキュベートした。0日目に、試験化合物および参照化合物OPGを添加した。7日目に収集した上澄を、TRACP5bを分析するまで−70°Cで保存した。VICTOR2(商標)Multilabel Counter(PerkinElmer,Waltham,MA,USA).を用いて、培地(20μl/サンプル)からTRACP5bを測定した。細胞を3%パラホルムアルデヒドで固定し、TRACP活性(Leucocyte acid phosphatase kit;Sigma Aldrich,St Louis,MO,USA)およびヘキスト33258(Sigma Aldrich,St Louis,MO,USA)用に染色した。
以下の群を含む(各群は8回の繰り返しを含む)。
相1:
1) ビヒクル(DMSO)を含む基準群
2) 5nM OPGを含むコントロール群
3) 0.004μM 化合物1
4) 0.012μM 化合物1
5) 0.037μM 化合物1
6) 0.11μM 化合物1
7) 0.33μM 化合物1
8) 1.0μM 化合物1
9) 3.0μM 化合物1
破骨細胞の活性測定
この試験では、ヒト骨髄由来CD34+幹細胞(10000細胞/ウェル)を培地に懸濁し、96ウェル組織培養プレートにて、ウシ骨スライスに付着させた。培地(10%FBS,OCP BulletKit(登録商標)Lonza,Walkersville,USAを含む。)に、M−CSF(33ng/ml,OCP BulletKit(登録商標)Lonza,Walkersville,USA)およびRANKリガンド(66ng/ml,OCP BulletKit(登録商標)Lonza,Walkersville,USA)の200μl培地を含む、破骨細胞分化および活性に好適である適切な量の重要な成長因子を添加した。37℃、95%空気および5%二酸化炭素の加湿雰囲気で、細胞をCO2インキュベーター内でインキュベートした。7日目の破骨細胞分化の完了後、全ての培地を除去し、破骨細胞活性に好適な新たな200μlの培地をウェルに添加した。
成熟した破骨細胞をさらに3日間培養し、骨を再吸収させた。破骨細胞分化期の完了後、7日目に試験化合物および参照化合物E64を添加した。7日目および10日目に収集した上澄を、TRACP5bおよびCTXを分析するまで−70℃で保存した。VICTOR2(商標)Multilabel Counter(PerkinElmer,Waltham,MA,USA)を用いて、7日目に収集した培地(20μl/sample)からTRACP5bを測定し、10日目に収集した培地(50μl/sample)からCTXを測定した。
以下の群を含む(各群は8回の繰り返しを含む)。
相1:
1) ビヒクル(DMSO)を含む基準群
2) 1M E64を含むコントロール群
3) 0.004μM 化合物1
4) 0.012μM 化合物1
5) 0.037μM 化合物1
6) 0.11μM 化合物1
7) 0.33μM 化合物1
8) 1.0μM 化合物1
9) 3.0μM 化合物1
骨芽細胞分化の測定
マウスKS483細胞を、10%チャコール処理ウシ胎児血清を添加したaMEM培地が入ったT−75組織培養フラスコにて、80〜90%コンフルエントになるまで培養した。37℃、95%空気および5%二酸化炭素の加湿雰囲気で、細胞をCO2インキュベーター内でインキュベートした。80〜90%コンフルエントに達した後、継代培養を調製した。トリプシン処理で、フラスコから細胞を除去し、カウントした。骨芽細胞の成熟と骨形成への誘導のために、未成熟の骨芽細胞を、タイプIコラーゲンでコーティングされた96ウェルプレートに播種した。アスコルビン酸(50g/ml)を添加して細胞を8日間培養し、3〜4日間ごとに培地の半分交換した。試験化合物およびコントロール物質(E2)を、培養期の初期および培地交換時に添加した。8日目に、ウェルから培地を取り除くことにより培養を停止し、細胞溶解物を調製した。VICTOR2(商標)MultilabelCounter(PerkinElmer,Waltham,MA,USA)を用いることにより、細胞ALP活性および総タンパク含有量(Protein Assay,Bio−Rad Laboratories Inc,CA,USA)を定量化した。
以下の群を含む(各群は8回の繰り返しを含む)。
相1:
1) ビヒクル(DMSO)を含む基準群
2) 10nM E2を含むコントロール群
3) 0.004μM 化合物1
4) 0.012μM 化合物1
5) 0.037μM 化合物1
6) 0.11μM 化合物1
7) 0.33μM 化合物1
8) 1.0μM 化合物1
9) 3.0μM 化合物1
骨芽細胞の活性測定
マウスKS483細胞を、10%チャコール処理ウシ胎児血清を添加したaMEM培地が入ったT−75組織培養フラスコにて、80〜90%コンフルエントになるまで培養した。37℃、95%空気および5%二酸化炭素の加湿雰囲気で、細胞をCO2インキュベーター内でインキュベートした。80〜90%コンフルエントに達した後、継代培養を調製した。トリプシン処理で、フラスコから細胞を除去し、カウントした。骨芽細胞の成熟と骨形成への誘導のために、未成熟の骨芽細胞を、タイプIコラーゲンでコーティングされた96ウェルプレートに播種した。アスコルビン酸(50g/ml)およびβ−グリセロホスフェート(5mM)を添加して細胞を13日間培養し、3〜4日間ごとに培地の半分交換した。試験化合物およびコントロール物質(E2)を、培養期の初期および培地交換時に添加した。有機的な骨マトリックスの形成のマーカーとして、11日目に、分泌されたPINPを培地から測定した。13日目に、ウェルから培地を取り除き、塩酸を加えることにより、培養を停止した。VICTOR2(商標)Multilabel Counter(PerkinElmer,Waltham,MA,USA)を用いて、形成された骨マトリックスに沈着したカルシウムを定量化した。
以下の群を含む(各群は8回の繰り返しを含む)。
相1:
1) ビヒクル(DMSO)を含む基準群
2) 10nM E2を含むコントロール群
3) 0.004μM 化合物1
4) 0.012μM 化合物1
5) 0.037μM 化合物1
6) 0.11μM 化合物1
7) 0.33μM 化合物1
8) 1.0μM 化合物1
9) 3.0μM 化合物1
統計的分析
全ての関連するデータは、図および/または表(平均、標準偏差(SD)、および統計的有意性)として単位とともに示される。統計解析をOrigin statistical software (OriginLab Corporation,Northampton,MA,USA)で行った。異なる群(基準物質対参照阻害物質、および試験化合物)の間で得られた値が統計学的に異なるのかどうかを試験するために、一元配置分散分析(ANOVA)を用いた(p<0.05として)。一元配置ANOVAが統計的に有意な差異を示した場合には、群間の統計的な比較にt検定が用いられた。
結果
破骨細胞分化における化合物1の効果を、図1に示すように7日目に測定した。結果は、培地に分泌されたTRACP5b活性(U/L)として示される。この図および他の図では、BLが基準(化合物の添加なし)を意味し、Cがコントロール(5.0nM OPG)を意味する。一元配置ANOVAを用いて、結果をBLと比較した(全ての群の間でpは0.001未満)。3つのアスタリスク(***)は、0.001未満のp値で統計的に有意な抑制効果を示す。2つのアスタリスク(**)は、0.01未満のp値で統計的に有意な抑制効果を示す。1つのアスタリスク(*)は、0.05未満のp値であることを示す。図中の括弧内のアスタリスク([***])は、基準レベルに対する有意な差を示す。
結果を表1にてさらに要約する。図面では、3つのアスタリスク([***])は、0.001未満のp値で統計的に有意な抑制効果を示す。図面並びにこの表および他の表では、3つのアスタリスク(***)は、0.001未満のp値で統計的に有意な抑制効果を示し、2つのアスタリスク(**)は、0.01未満のp値で統計的に有意な抑制効果を示し、1つのアスタリスク(*)は、0.05未満のp値であることを示す。図中の括弧内のアスタリスク([***])は、基準レベルに対する有意な差を示す。
Figure 0006240075
ヒト破骨細胞の再吸収活性における化合物1の効果を図2に示す。CTX/TRACP5b値として結果を示す。10日目の再吸収期の終わりに、CTX値を測定し、7日目の再吸収期の初めにTRACP値を測定した。結果を表2にてさらに要約する。
Figure 0006240075
8日目の骨芽細胞分化における化合物1の効果を図3に示す。細胞ALP活性/タンパク質(mg)として結果を示す。結果を表3にてさらに要約する。
Figure 0006240075
マウス骨芽細胞の骨形成活性における化合物1の効果を図4に示す。11日目に培地に分泌されたPINPとして結果を示す。結果を表4にてさらに要約する。
Figure 0006240075
マウス骨芽細胞の骨形成活性における化合物1の効果を図5に示す。13日目のカルシウム沈着として結果を示す。11日目の培地に分泌されたPINPとして結果を示す。結果を表4にてさらに要約する。
Figure 0006240075
結果
参照阻害物質OPGおよびE64は、破骨細胞分化および活性をそれぞれ有意に抑制し、参照刺激物質17β−エストラジオール骨芽細胞分化および活性を有意に刺激し、測定が正常に行われたこと、および得られた結果が信頼できることを示した。化合物1の濃度が0.11、0.33、1.0、および3.0μMでは、破骨細胞分化への投与量依存性の抑制を有意に示した。顕微鏡分析は、化合物1の濃度が0.11および0.33μMでは、ヘキストおよびTRACP陽性単核細胞の数に影響しないことを示し、破骨細胞分化への特異的な抑制を示唆した。しかしながら、濃度が1.0および3.0μMでは、ヘキストおよびTRACP陽性単核細胞の数がともに減少し、これらの濃度でみられる抑制効果が少なくとも部分的に細胞毒性を有することが示唆された。
化合物1は、試験された濃度では、破骨細胞の再吸収活性への効果を有さなかった。化合物1は、濃度が0.012、0.037、0.11、0.33、および1.0μMで、骨芽細胞分化への投与量依存性刺激を示し、濃度が3.0μMで抑制効果を示した。化合物1は、濃度が0.004、0.012、0.037、および0.11μMで、骨芽細胞への骨形成活性の投与量依存性刺激を示し、濃度が0.33、1.0および3.0μMで、抑制効果を示した。結論として、化合物1は、濃度が0.004、0.012、0.037、および0.11μMで骨細胞、活性化した骨芽細胞の骨形成に有益な効果を示し、骨を再吸収する破骨細胞の形成を抑制する効果を有さなかった。
参考文献
Alatalo SL, Halleen JM, Hentunen TA, Monkkonen J, Vaananen HK (2000) Rapid screeningmethod for osteoclast differentiation in vitro that measures tartrate-resistant acid phosphatase 5b activity secreted into the culture medium. Clin Chem 46:1751-1754.
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ラット卵巣摘出(OVX)モデルにおける、骨代謝マーカーでの化合物1の短期的効果
この試験の目的は、閉経後骨粗しょう症用ラット卵巣摘出(OVX)モデルでの予防試験における、骨代謝の生化学的血清マーカーでの化合物1の短期的効果を調査することである。17β−エストラジオール(E2)を参照化合物として使用した。次の5つの実験群が試験に含まれた。
1)ビヒクル(5ml/kg/d p.o.)投与SHAM手術コントロールラット
2)ビヒクル(5ml/kg/d p.o.)投与OVXコントロールラット
3)17β−エストラジオール(4μg/kg/ds.c.)投与OVXコントロールラット
4)試験化合物 化合物1(1mg/kg/d p.o.)投与OVXラット
5)試験化合物 化合物1(3mg/kg/d p.o.)投与OVXラット
各群は、試験のインライフ相(in−life phase)の開始時生後3ヵ月の8匹の雌ラット(Sprague−Dawley)を含んだ。インライフ相(in−life phase)の開始前に、動物を計量し、血液サンプルを採取し、そして、体重およびプロコラーゲンタイプIのN末端プロペプチド(PINP)の血清レベルに基づく階層化により、群を試験するために動物を無作為化した。インライフ相(in−life phase)の開始時に、動物を計量し、手術した。治療は、術後1日目から開始され、1日1回2週間継続した。群1および群2には、ビヒクルとして滅菌水を用いた。治療の1週間後に計量し、これに従って治療投与量を調節した。治療の2週間後に動物を計量し、血液サンプルを採取し、動物を殺処分し、それらの相対的な子宮重さを測定した。治療の短期的効果を分析するために、インライフ相(in−life phase)の開始前と終了時に採取された血清サンプル中の4つの骨の代謝バイオマーカーのレベルを測定した。これらのバイオマーカーは、骨形成マーカーとしてのPINP、一般的な骨代謝マーカーとしてのオステオカルシン(OC)のN末端中フラグメント、骨吸収のマーカーとしてのタイプIコラーゲンのC末端架橋テロペプチド(CTX)、および破骨細胞数のマーカーとしての酒石酸抵抗性酸ホスファターゼアイソフォーム5b(TRACP5b)を含む。−7日目の血清レベルを基準レベルとして用い、14日目の血清レベルを手術および治療の影響を受けたレベルとして用いた。
外科的卵巣摘出は、体重を増加させ、相対的な子宮重さを減少さ、CTX、OCおよびPINPの血清レベルを増加させ、術後2週間後の雌ラットの血清TRACP5b活性を減少させた。これらの骨代謝バイオマーカーの結果は、卵巣摘出が骨吸収を促進させ、骨代謝および骨形成を増加させ、並びに破骨細胞の総数を減少させることを示した。これらの結果は、外科的卵巣摘出が、雌ラットにおける骨代謝率を促進させることを暗示した。
4μg/kg/dの皮下投与量にて17β−エストラジオールで治療したOVX動物を、ビヒクルで治療されたOVX動物と比較することにより、17β−エストラジオールの短期的効果を試験した。17β−エストラジオールの治療は、OVXラットの体重、相対的な子宮重さ、骨代謝バイオマーカーにおいて以下の効果を有した。
・17β−エストラジオールでの治療が、OVX誘導による体重の増加およびOVX誘導による相対的な子宮重さの減少を防止した。
・17β−エストラジオールでの治療が、OVX誘導によるCTX、OCおよびPINPの血清レベルの増加を防止した。
・17β−エストラジオールでの治療が、OVX誘導による血清TRACP5b活性の減少に影響を及ぼさなかった。
骨代謝バイオマーカーの結果は、4μg/kg/dの皮下投与量の17β−エストラジオールでの治療が、治療2週間後のOVXラットにおける、OVX誘導による骨吸収の促進と、OVX誘導による骨代謝および骨形成の増加を防止するが、OVX誘導によるOVXラットの破骨細胞の総数の減少には影響を及ぼさないということを示した。これらの結果は、4μg/kg/dの皮下投与量の17β−エストラジオールでの治療が、OVX誘導による雌ラットの骨代謝率の促進を防止したことを暗示した。
1および3mg/kg/dの経口投与量の化合物1で治療したOVX動物を、ビヒクルで治療したOVX動物と比較することにより、化合物1の短期的効果を試験した。化合物1の治療は、OVXラットの体重、相対的な子宮重さ、骨代謝バイオマーカーにおいて以下の効果を有した。
・1mg/kg/dの経口投与量の化合物1での治療が、OVX誘導による体重の増加を部分的に防止した。
・1および3mg/kg/dの経口投与量の化合物1での治療が、OVX誘導による相対的な子宮重さの減少に効果を及ぼさなかった。
・3mg/kg/dの経口投与量の化合物1での治療が、OVX誘導によるPINPの血清レベルの増加、およびOVX誘導による血清TRACP5b活性の減少を促進した。
・1および3mg/kg/dの経口投与量の化合物1での治療が、OVX誘導によるCTXおよびOCの血清レベルの増加に影響を及ぼさなかった。
骨代謝バイオマーカーの結果は、3mg/kg/dの経口投与量の化合物1での治療が、治療後2週間のOVXラットにおける、OVX誘導による骨形成の増加と、OVX誘導による総破骨細胞総の減少を促進したが、OVX誘導による骨吸収および骨代謝の増加には影響を及ぼさなかったということを示した。総破骨細胞総の減少に伴って促進された骨形成および変化しない骨吸収レベルは、3mg/kg/dの経口投与量の化合物1での治療が、雌ラットにて、OVX刺激による骨代謝を骨形成に向けて変化させたということを示唆した。
説明
ヒト 骨粗しょう症は、骨の脆弱化と骨折リスクの増加を導く低骨質量および骨の微小構造の劣化に特徴づけられる全身性の骨格の病気である(Raisz et al. 2008)。骨粗しょう症の慢性的な性質は、社会にとってますます不経済になる。期待される寿命は増加すると予測されるので、骨粗しょう症の頻度も増加すると予測され、さらなる健康管理への負荷が生じる。骨粗しょう症の治療における効果的な治療が既に可能であるものの、改良された治療の窓口、つまり改良された有効性/安全率を有する新たな治療が必要とされている。骨粗しょう症のための、動物モデルでの前臨床の有効性試験が、臨床試験を行う前に新たな可能性のある治療の効果についての生の情報を提供する(Rissanen and Halleen2010)。薬物投与の監督官庁は、骨減少症にかかった性腺摘出されたラットを、骨粗しょう症の治療における新たな可能性のある前臨床の効果の試験における予測的な小動物モデルとして用いることを承認した。
この試験の目的は、閉経後の骨粗しょう症のための、ラット卵巣摘出(OVX)モデルにおける予防試験での、骨代謝の生化学的血清マーカーにおける化合物1の短期的効果を調査することである。17β−エストラジオール(E2)を参照化合物として使用した(Lindsay and Cosman 2008)。次の5つの試験群が試験に含まれた。
1)ビヒクル(5ml/kg/d p.o.)投与SHAM手術コントロールラット
2)ビヒクル(5ml/kg/d p.o.)投与OVXコントロールラット
3)17β−エストラジオール(4μg/kg/d s.c.)投与OVXコントロールラット
4)化合物1(1mg/kg/d p.o.)投与OVXラット
5)化合物1(3mg/kg/d p.o.)投与OVXラット
各群は、試験のインライフ相(in−life phase)における開始時生後3ヵ月の8匹の雌ラット(Sprague−Dawley)を含んだ。試験の実験計画を図1に示す。インライフ相(in−life phase)の開始1週間前(−7日目)に測定した、体重およびプロコラーゲンタイプIのN末端プロペプチド(PINP)の血清レベルに基づく階層化により、群を試験するために動物を無作為化した。インライフ相(in−life phase)の開始時(0日目)に、動物は計量されて、群2から群5の動物は卵巣摘出し、群1の動物はSHAM手術された。治療は、術後1日目から開始され、1日1回2週間継続した(13日目まで)。群1および群2には、ビヒクルとして滅菌水を用いた。体重を、インライフ相(in−life phase)の開始時(0日目)、インライフ相(in−life phase)の1週間後(7日目)、およびインライフ相(in−life phase)の終了時(14日目)に測定した。得られた最新の体重に従って治療投与量を調節した。治療の2週間後(14日目)に動物を計量し、血液サンプルを採取し、動物を殺処分し、それらの相対的な子宮重さを測定した。治療の短期的効果を分析するために、インライフ相(in−life phase)の開始前(−7日目)と終了時(14日目)に採取された血清サンプル中の4つの骨の代謝バイオマーカーのレベルを測定した。これらの生化学血清マーカーは、PINP、オステオカルシン(OC)のN末端中フラグメント、タイプIコラーゲンのC末端架橋テロペプチド(CTX)、および酒石酸抵抗性酸ホスファターゼアイソフォーム5b(TRACP5b)を含んだ。−7日目の血清レベルを基準レベルとして用い、14日目に得られた血清レベルを手術および治療の影響を受けたレベルとして用いた。
材料および装置
化合物1
固形体の化合物1を、全試験の間は乾燥環境の室温にて保存した。新鮮な化合物1の投与懸濁液を日単位で調製した。以下のように、毎日一定量の固形体化合物を、塩酸(HCl;Merck KGaA,Darmstadt,Germany)を少量含む滅菌水に処方した(Baxter, Deerfield, IL, USA)。
実験群4用 4.5〜5.8mgの化合物1を、22.5〜29.0mlの滅菌水に分散させて、0.2mg/mlの化合物1を含む投与用懸濁液を得た。7.5〜9.7μlの1N HCl投与用懸濁液を添加することにより、剤形の特性が向上した。
実験群5用 10.4〜17.4mgの化合物1を、17.333〜29.0mlの滅菌水に分散させて、0.6mg/mlの化合物1を含む投与用懸濁液を得た。17.3〜29.0μlの1N HCl投与用懸濁液を添加することにより、剤形の特性が向上した。
毎日一定量の固形体 化合物のそれぞれを滅菌水で短時間撹拌した。化合物の分散はウォーターバス(FinnSonic Ultrasonic Cleaner Model m03;FinnSonic,Lahti,Finland)での1分間の超音波処理、その後の5秒のボルテックスにより促進させた。この超音波処理およびボルテックス処理は、最大3から5回繰り返した。少量の1N HClを各投与用懸濁液を添加することにより、剤形の特性が向上した。超音波処理およびボルテックス処理を最大1〜2回繰り返すことにより、化合物の分散はさらに促進した。
化合物の処方後1時間以内に、十分に同質の投与用懸濁液を実験群4および5における動物の治療に使用した。動物の治療を、外科的OVX手術後1日で開始し(1日目)、1日1回2週間継続した(13日目まで)。
5ml/kgの量で投与用懸濁液を経口的に投与し、実験群4における1mg/kg/dでの化合物1の経口投与、および実験群5における3mg/kg/dでの化合物1の経口投与における結果を得た。できるだけ同質の投与用懸濁液で動物を治療するために、投与の間、投与用懸濁液を頻繁に混合した。毎日の投与用懸濁液の余りは各投与の後に適切に廃棄し、固形体化合物1の残りはインライフ相(in−life phase)の後に保存した。
参照化合物の17β−エストラジオール
試験では、参照化合物として17β−エストラジオール(E2;Sigma−Aldrich,St.Louis,MO,USA)を使用した。依頼者により提供された詳細な指示書に従って参照化合物を扱った。17β−エストラジオール保存溶液は、安息香酸ベンジル(Sigma−Aldrich)で、ガラスバイアル内にて慎重に調製された。
17β−エストラジオールを以下のように完全に溶解した。
実験群3用 1.6mgの17β−エストラジオールを、80.0mlの安息香酸ベンジルで溶解し、20μg/mlの17β−エストラジオール含む保存溶液を得た。2週間の間、毎日使用するまで、遮蔽して+4℃で保存溶液を、ガラスバイアルに保存した。保存溶液から、新鮮な投与用溶液を、以下のように毎日調製した。
実験群3用 1mlの保存溶液を、4mlのひまし油(ricinus oil;lot#319108624;cat4702.1;Carl Roth,Karlsruhe,Germany)で希釈し、十分混合し、暗所に置いた。新鮮な投与用溶液は、4μg/mlの17β−エストラジオール含み、ビヒクル組成物として、20%安息香酸ベンジルおよび80%ひまし油を示した。実験群3の動物を治療するために、溶液を使用した。治療は、外科的OVX手術後1日で開始し(1日目)、1日1回2週間継続した(13日目まで)。投与用溶液は、皮下へ1ml/kgで投与し、皮下への17β−エストラジオール投与量が4μg/kg/dとなるようした。毎日の投与用懸濁液の余りは、毎日の各投与後に適切に廃棄し、保存溶液の残りは、インライフ相(in−life phase)の後に廃棄した。
ビヒクル
試験では、試験化合物のビヒクルを投与される2つの群、つまり実験群1および2を含んだ。ビヒクル溶液は、滅菌水であり、2週間の間、毎日使用するまで+4℃で保存した。群1および2の動物の治療は、外科的手術後1日で開始され(1日目)、1日1回2週間継続した(13日目まで)。ビヒクル溶液を5ml/kgの量で経口的に投与し、経口ビヒクル投与量が5ml/kg/dとなった。ビヒクルの余りは、インライフ相(in−life phase)の後に適切に廃棄した。
使用した方法の説明
骨代謝の生化学的マーカーは、骨粗しょう症治療、並びに、骨折リスクの予想および骨密度の長期的変化をモニタリングするのに有用なツールである(Cremers et al. 2008)。この試験では、骨代謝の4つの生化学的マーカー(Rissanen et al. 2008a, Rissanen et al. 2008b)、つまり、骨形成マーカーとして用いられるPINP(Rat/マウス PINP EIA; Immunodiagnostic Systems Ltd,Boldon,UK)、骨代謝の一般的なマーカーとして用いられるOC(Rat−MID Osteocalcin EIA; Immunodiagnostic Systems Ltd)、骨吸収のマーカーとして用いられるCTX(RatLaps[CTX−I]EIA;Immunodiagnostic Systems Ltd)、および破骨細胞数のマーカーとして用いられるTRACP5b(RatTRAP[TRACP5b]ELISA;Immunodiagnostic Systems Ltd)を測定するために、血清サンプルが使用された。骨形成中および骨吸収中の両方で血中に分泌されるので、OCは骨代謝の一般的なマーカーとして用いられた(Cremers et al. 2008)。試験のインライフ相(in−life phase)開始前(7日目)およびインライフ相(in−life phase)試験終了時(14日目)に採取したサンプル中の4つの生化学的マーカーの血清レベルを測定した。7日目に得たレベルを基準レベルとして用い、14日目に得たレベルを手術および治療の影響を受けたレベルとして用いた。測定は、依頼者により提供された指示書に従って行われ、これらの結果は、VICTOR2(商標)Multilabel Counter(PerkinElmer,Waltham,MA,USA)を用いて定量化した。日周変動を避けるために、一晩の絶食後に外側尾静脈から血清サンプル用の血液を収集した。1:5および1:4の割合で、それぞれ希釈した血清サンプル中のPINPおよびTRACP5bのレベルを測定し、いかなるサンプル希釈を行うことなく、血清中のOCおよびCTXのレベルを測定した。結果が測定検出限界よりの低いまたは高いサンプルの測定は繰り返し行うこととしたが、この試験では、そのような結果は得られなかった。群の標準偏差(SD)の2.5倍よりも大きく異なる値を含む、実験群の平均値から大きく異なる値のサンプルの測定は、同様に繰り返し行うこととした。しかしながら、この試験では、そのような値は得られなかった。
手順
インライフ相(in−life phase)の試験
試験のインライフ相(in−life phase)は、動物を収容して扱うこと、外科的OVXおよびSHAM手術、投与、体重および相対的な子宮重さの測定、殺処分、血液サンプルの採取を含む。外科的OVXおよびSHAM手術は、麻酔および背側進入路を用いた無痛法(Peng et al. 1994, Wronski et al. 1986)のもとで行われた。OVX手術では、卵巣が卵管およびわずかな部分の子宮ととともに除去された。メデトミジン(0.6mg/kg s.c.;CP−Pharma Handelsgesellschaft,Burhdorf,Germany)、ケタミン(30mg/kg s.c.;Ketaminol;Intervetn International,Boxmeer,The Netherlands)、およびアチパメゾール(2mg/kg s.c.;Revertor;CP−Pharma Handelsgesellschaft)注射液を用いて麻酔を行った。術後の無痛法を、手術前およびその後の朝にに投与したブプレノルフィン(25〜37.5μg/kg s.c.;Temgesic;Schering−Plough,Kenilworth,NJ,USA)を用いて行った。必要であれば、試験の間、鎮痛剤としてカルプロフェン(5mg/kg s.c.)を用いることとしたが、必要ではなかった。インライフ相(in−life phase)の終了時に(14日目)、動物を、麻酔下でCO−O混合物を用いた窒息、その後の頚椎脱臼により殺処分した。次の5つの試験群が試験に含まれた。
1) ビヒクル(5ml/kg/d p.o.)投与SHAM手術コントロールラット
2) ビヒクル(5ml/kg/d p.o.)投与OVXコントロールラット
3) 17β−エストラジオール(4μg/kg/d s.c.)投与OVXコントロールラット
4) 試験化合物カボザンチニブ(1mg/kg/d p.o.)投与OVXラット
5) 試験化合物カボザンチニブ(3mg/kg/d p.o.)投与OVXラット
各群は、インライフ相(in−life phase)における開始時生後3ヵ月の8匹の雌Sprague−Dawleyラットを含んだ。試験の実験計画を図1に示す。動物の健康は、インライフ相(in−life phase)を通じて、平日に1日2回、および週末に1日1回モニターされた。動物は、インライフ相(in−life phase)開始前に、動物施設環境に11日間順応させた。インライフ相(in−life phase)開始の1週間前に(−7日目)、動物を計量し、血液サンプルを外側尾静脈から採取した。体重および血清PINPレベルに基づく階層化により、群を試験するために動物を無作為化した。
健康状態が悪い動物は、群に割り当てないこととしたが、この試験では、そのような動物はみられなかった。動物を尾へのマークで特定し、同じ実験群から2匹の動物を、温度および光が制御された状態下で、水道水と標準のラット用飼料(Teklad Global Diet 2016;Harlan Laboratories,Madison,WI,USA)へのアクセスが制限されることなく、各ケージに収容した。インライフ相(in−life phase)の開始時(0日目)に、動物を計量し、群2から群5の動物は卵巣摘出し、群1の動物はSHAM手術した。手術は麻酔および無痛法のもとで行った。治療は、術後1日目から開始し、1日1回2週間継続した(13日目まで)。群1および群2には、ビヒクルとして滅菌水を用いた。体重を、インライフ相(in−life phase)の開始時(0日目)、インライフ相(in−life phase)の1週間後(7日目)、およびインライフ相(in−life phase)の終了時(14日目)に測定した。得られた最新の体重に従って治療投与量を調節した。治療の2週間後(14日目)に、動物を計量し、血液サンプルを採取し、動物を殺処分し、それらの相対的な子宮重さを測定した。
試験サンプルの採取と処理
以下のように試験サンプルを採取し、処理し、保存した。全ての状態が、サンプルの一貫性および/または試験を通じてモニターしたサンプルを用いて得られた主なデータの一貫性に影響を及ぼし得た。少なくとも以下の情報:試験番号、治療群番号、動物番号、およびサンプル名、を含むように全てのサンプルにラベルした。
血液サンプル
インライフ相(in−life phase)開始前(−7日目)およびインライフ相(in−life phase)の終了時(14日目)に、0.6mlの量の血液を血清サンプル用に採取した。一晩の絶食後に外側尾静脈から血液の収集が行われ、血液収集および血清処理中の溶血を防いだ。凝固活性剤としてアルミニウムシリカ(Multivette 600;Sarstedt Ag&Co,Numbrecht,Germany)を含む血清ゲルチューブ内に血液を採取した。各サンプルを収集した後、チューブを緩やかに混合し、血液を30〜60分間凝固させた。凝固後に、サンプルを2500gで10分間遠心分離した。得られた血清を分離してきれいなサンプルチューブに移した。各サンプルから30、50、50、および60μlの一定量を分取し、血清PINP、OC、CTXおよびTRACP5bレベルの測定にそれぞれ用いた。これらの分取量および残りの血清を凍結し、−70℃で保存した。
実験的分析
試験の実験計画を図6に示す。試験では、実験的骨測定は、骨代謝バイオマーカーの血清レベルの測定を含んで行われた。これらの分析をPharmatestにより行った。
骨分析
試験で行われた骨分析は、骨代謝バイオマーカーの血清レベルの経過観察を含んだ。これらの骨代謝の生化学的マーカーは、骨形成のマーカーとして用いられるPINP、骨代謝の一般的なマーカーとして用いられるOC、骨吸収のマーカーとして用いられるCTX、および破骨細胞数のマーカーとして用いられるTRACP5bを含んだ。試験のインライフ相(in−life phase)開始前(−7日目)およびインライフ相(in−life phase)の終了時(14日目)に採取した血清サンプル中のこれらのレベルを測定した。−7日目に得たレベルを基準レベルとして用い、14日目に得たレベルを手術および治療の影響を受けたレベルとして用いた。実験分析で試験物質が余った。実験分析からの全ての試験物質の余りは、さらなる分析に用いることとしてもよく、および/または依頼者のリクエストでさらなる測定のために依頼者に届けることとしてもよい。この物質は、試験中に採取した血清サンプルの残りを含み、−70℃で保存した。
統計解析
全ての関連するデータは、図および/または表(平均、SD、および統計的有意性)として、および付属物(個々のデータ)として単位とともに示される。群の平均値からSDの2倍よりも大きい差を示し、処理上の逸脱の原因を有する群内の値は、外れ値と考え、分析からは除くこととした。この試験では、そのような値は得られなかった。
両側検定として、Windows(登録商標)用バージョン19の統計ソフトウェアSPSS(SPSS;Chicago,IL,USA)で統計解析を行った。0.05未満のp値は、統計的に有意であると考えた。変換およびノンパラメトリック試験の使用を仮説統計学的モデルの実験後、つまり、シャピロ‐ウィルク検定によるデータ分布の正規化およびルビーン検定による分散の均一化後に決定した。これらの仮説に反する場合、対数または他の適切な変換(つまり、平方根および逆数)のいずれかを適用した。統計学的モデルの仮説がそれ自体で、または変換後に満たされる場合、パラメトリック一元配置分散分析(ANOVA)を用いて群間の差を評価した。一元配置ANOVAが統計的に有意な差を示す場合、群間で統計学的に比較するために、ダネット検定を用いた。変換後であっても、統計学的モデルの仮説を満たさない場合、群間の差を評価するためにノンパラメトリックなクラスカル・ワーリス検定を用いた。クラスカル・ワーリス検定が統計的に有意な差を示す場合、群間で統計学的に比較するために、マン・ホイットニーのU検定を用いた。
経過観察の測定
試験では、体重の測定と骨代謝バイオマーカーの血清レベルの測定を含む経過観察の測定を行った。各動物の相対的な変化を用いてこれらのデータの統計解析を行った。オンライフ相(on−life phase)の最初の1週間での相対的変化を算出するために、インライフ相(in−life phase)開始後1週間(7日目)で得た値を、インライフ相(in−life phase)の最初(0日目)に得た値で除算した。インライフ相(in−life phase)の間の相対的な変化を算出するために、インライフ相(in−life phase)の終了時(14日目)に得た値を、インライフ相(in−life phase)の最初(0日目)またはインライフ相(in−life phase)開始前(−7日目)に得た値で除算した。
エンドポイント測定
試験では、試験群に対する動物の無作為化に用いるために、相対的な子宮重さの測定と、体重の測定と、血清PINPレベルの測定を含むエンドポイント測定を行った。試験のインライフ相(in−life phase)の終了時(14日目)およびインライフ相(in−life phase)開始の1週間前(−7日目)に得た値を用いてデータの統計解析を行った。
群間の比較
以下の群間の統計学的比較を行った。
・ビヒクルで治療したOVXコントロール動物(群2)を、ビヒクルで治療したSHAM手術コントロール動物(群1)と比較することにより、卵巣摘出の短期的効果を試験した。
・試験および参照化合物で治療したOVX動物(群3〜5)を、ビヒクルで治療したOVXコントロール動物(群2)と比較することにより、治療の短期的効果を試験した。
結果
この試験では、生後3ヵ月の雌Spague−Dawleyラットの卵巣を摘出し、SHAM手術をした。それらの治療は術後1日目に開始し、治療の効果を2週間(インライフ相(in−life phase))追った。化合物1(1〜3mg/kg/d p.o.)を試験化合物として、17β−エストラジオール(E2;4μg/kg/d s.c.)を参照化合物として、および滅菌水をビヒクル(5ml/kg/d p.o.)として用いた。ビヒクルで治療したOVXコントロール動物(群2)を、ビヒクルで治療したSHAM手術コントロール動物(群1)と比較することにより、卵巣摘出の効果を試験した。E2で治療したOVXコントロール動物(群3)を、ビヒクルで治療したOVXコントロール動物(群2)と比較することにより、E2の効果を試験した。カボザンチニブで治療したOVX動物(群4〜5)を、ビヒクルで治療したOVXコントロール動物(群2)と比較することにより、化合物1の治療の効果を試験した。
表5aおよび表5bはその結果を要約する。上向き矢印(↑)は統計的に有意な増加を示し、下向き矢印(↓)は統計的に有意な減少を示す。1つのアスタリスク(*)はp値<0.05で、2つのアスタリスク(**)はp値<0.01で、および3つのアスタリスク(***)はp値0.001で統計的有意性を示す。NSは有意ではないことを示す。
表5bによれば、結果は、外科的卵巣摘出が、卵巣摘出2週間後の雌ラットにおける体重を増加させ、相対的な子宮重さを減少させ、血清CTX、OC、およびPINPレベルを増加させ、並びに血清TRACP5b活性を減少させることを証明する。
Figure 0006240075
Figure 0006240075
バイオマーカーの結果は、外科的卵巣摘出が骨吸収を促進し、骨代謝および骨形成を増加させ、並びに破骨細胞の総数を減少させるということを示す。この結果は、卵巣摘出が雌ラットにおける骨代謝率を促進するということを暗示する。卵巣摘出の短期的効果を説明する結果は、本試験をOVXラットにおける治療の前臨床の効能の評価に用いることができるということを証明する文献に掲載されている結果に即している(Rissanen et al. 2008a, Rissanen et al. 2008b)。
示されるように、骨代謝バイオマーカーの結果が、経口投与量3mg/kg/dの化合物1での治療は、治療後2週間のOVXラットにおいて、OVX誘導による骨形成の増加、およびOVX誘導による総破骨細胞数の減少を促進したが、OVX誘導による骨吸収および骨代謝の増加には影響を及ぼさなかったということを示す。総破骨細胞数の減少に伴う骨形成の促進および変化のない骨吸収のレベルが、経口投与量3mg/kg/dの化合物1での治療は、雌ラットにて、OVX刺激による骨代謝を骨形成に向けて変化させたことを示唆した。
参考文献
Lindsay R and Cosman F (2008) The pharmacology of estrogens in osteoporosis. In: Bilezikian JP, Raisz LG and Martin TJ (eds.) Principles of bone biology. Academic Press, San Diego, CA, USA, pp. 1769-75.
Raisz LG, Bilezikian JP and Martin TJ (2008) Pathophysiology of osteoporosis. In: BilezikianJP, Raisz LG and Martin TJ (eds.) Principles of bone biology. Academic Press, San Diego, CA, USA, pp. 1635-47.
Rissanen JP and Halleen JM (2010) Models and screening assays for drug discovery inosteoporosis. Expert Opin Drug Discov. 5: 1163-74.
Cremers S, Garnero P and Seibel MJ (2008) Biochemical markers of bone metabolism. In:Bilezikian JP, Raisz LG and Martin TJ (eds.) Principles of bone biology. Academic Press, San Diego, CA, USA, pp. 1857-81.
Rissanen JP, Suominen MI, Peng Z and Halleen JM (2008a) Secreted tartrate-resistant acidphosphatase 5b is a marker of osteoclast number in human osteoclast cultures and the rat ovariectomy model. Calcif Tissue Int. 82: 108-15.
Rissanen JP, Suominen MI, Peng Z, Morko J, Rasi S, Risteli J and Halleen JM (2008b) Short-term changes in serum PINP predict long-term changes in trabecular bone in the rat ovariectomy model. Calcif Tissue Int. 82: 155-61.
Peng Z, Tuukkanen J, Zhang H, Jamsa T and Vaananen HK (1994) The mechanical strength of bone in different rat models of experimental osteoporosis. Bone. 15: 523-32.
Wronski TJ, Walsh CC and Ignaszewski LA (1986) Histologic evidence for osteopenia and increased bone turnover in ovariectomized rats. Bone. 7: 119-23.
他の実施例
上記開示は、明確性と理解の目的で、図示および例によりいくつかを詳細に記載した。本発明は、様々な具体的で好ましい実施例および技術を参照で記載した。しかしながら、多くの変更やおよび修正が、本発明の精神および範囲内にあるものとしてなされ得ることが理解されるべきである。変更および修正が添付の特許請求の範囲内で行われ得ることは当業者にとって明らかである。よって、上記記載は、説明を意図するものであって、限定することを意図するものではないことが理解される。
よって、本発明の範囲は、上記記載を参照して決定されるべきではなく、代わりに以下に添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲が権利を与えられるのと同等の全ての範囲に沿って、決定されるべきである。

Claims (13)

  1. 合物1またはその薬学的に許容される塩を含む、骨粗しょう症を治療するための医薬であって化合物1が一日一回0.01から25mgの間で投与される医薬
    Figure 0006240075
    (N−(4−{[6,7−ビス(メチルオキシ)キノリン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキシアミド)
  2. 化合物1がリンゴ酸塩として投与される、請求項1に記載の医薬。
  3. 化合物1、(L)−リンゴ酸塩または(D)−リンゴ酸塩として投与される、請求項1記載の医薬
  4. 化合物1がL)−リンゴ酸塩として投与される請求項1記載の医薬
  5. 合物1またはその薬学的に許容される塩が、薬学的に許容される担体さらに含む医薬組成物として投与される請求項1から4のいずれか一項に記載の医薬
  6. 化合物1を含む、癌の治療を受けたことがあるまたは現在受けている患者における骨粗しょう症治療するための医薬であって、化合物1が一日一回0.01から25mgの間で投与される医薬
    Figure 0006240075
    (N−(4−{[6,7−ビス(メチルオキシ)キノリン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキシアミド)
  7. 化合物1がリンゴ酸塩として投与される、請求項6に記載の医薬。
  8. 化合物1が、(L)−リンゴ酸塩または(D)−リンゴ酸塩として投与される、請求項6に記載の医薬。
  9. 化合物1が(L)−リンゴ酸塩として投与される、請求項6に記載の医薬。
  10. 化合物1を含む、骨粗しょう症の増加した骨折、脊髄圧迫、および深刻な骨の痛みに伴う不定形な骨の異常沈着を改善するための医薬であって、化合物1が一日一回0.01から25mgの間で投与される医薬
    Figure 0006240075
    (N−(4−{[6,7−ビス(メチルオキシ)キノリン−4−イル]オキシ}フェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキシアミド)
  11. 化合物1がリンゴ酸塩として投与される、請求項10に記載の医薬。
  12. 化合物1が、(L)−リンゴ酸塩または(D)−リンゴ酸塩として投与される、請求項10に記載の医薬。
  13. 化合物1が、(L)−リンゴ酸塩として投与される、請求項10に記載の医薬。
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