JP6237631B2 - Led装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はインクジェット塗布組成物を用いたパターニング方法およびLED装置の製造方法に関する。
近年、部材の微細な部分に感光性高分子材料、接着剤、粘着材、光学材料、セラミック前駆体などの機能性材料をパターニングする技術が求められている。部材の微細な部分とは、例えば凸部を有する部材の凸部の上面などであり、より具体的にはLED装置のLEDチップの上面などである。
従来から、部材の表面をパターニングする方法として、転写法が用いられている。転写法には、円形型や凹凸構造の転写用部材などが用いられている。円形型の転写用部材は、例えば、円形型ローラーとその表面に離型層とを有している(特許文献1参照)。また、凹凸構造の転写用部材は、例えば、凹凸構造の金型と、その金型上に離型層とを有している(特許文献2参照)。離型層とは、離型層上に付与された転写材料が転写用部材から均一に離れて被転写部材に転写するのを補助する層であり、例えばシリコーンゴムなどである。転写材料とは、被転写部材にパターニングされる材料であればいかなる材料であってもよく、例えば機能性材料などである。転写用部材を被転写部材に圧着することで、転写材料を被転写部材上にパターニングできる。
このような転写法を用いて、凸部を有する部材の凸部の上面のような微細な部分に、機能性材料をパターニングすることが考えられる。しかしながら、円形型の転写用部材を用いて凸部の上面のみに機能性材料をパターニングする場合、凸部の上面以外への機能性材料の付与を防ぐために、マスクを用いる必要がある。そのため、マスクにも機能性材料が付与されてしまい、機能性材料をロスしてしまう。一方、凹凸構造の転写用部材を用いる方法は、凸部の上面の形状や大きさに合った転写部材を用意する必要があるため、汎用性が低い。
一方、所望の部位に、必要な量の液滴を塗布する方法としてインクジェット法が用いられている。インクジェット法とは、インクが充填されたインクジェットヘッドの微細なノズルから液滴を吐出して部材に着弾させることで、所定の形状の塗布パターンを形成する方法である。この方法を用いると、液滴を吐出するノズルと、部材との相対的な位置を変化させて、所望の場所に液滴を吐出できる。また、ノズル径、液滴の吐出量、及びノズルと、パターニングされる部材との移動速度の相対的な関係によって、形成する塗膜の厚さ等を調整できる。このため、所望の箇所に必要量の液滴を塗布することができる(特許文献3参照)。
特開平6−55827号公報 特開2009−21126号公報 特開2011−47021号公報
前述の通り、機能性材料のロスを減らすためには、凸部を有する部材の凸部の上面のみに機能性材料をパターニングすることが好ましい。そのため、インクジェット法を用いて、機能性材料を含むインクジェット塗布組成物を、所望の場所に必要な量だけ塗布することで、機能性材料のロスを低減できる。また、凸部を有する部材の凸部の上面の形状や大きさに合わせて、転写部材を用意する必要もないため、汎用性が高い。
しかしながら、凸部を有する部材の凸部の側面に対するインクジェット塗布組成物の濡れ性が高すぎる場合には、凸部の上面に塗布されたインクジェット塗布組成物が凸部の側面をつたって流れてしまう。また、凸部を有する部材の凸部の上面に対するインクジェット塗布組成物の濡れ性が低すぎる場合には、インクジェット塗布組成物が凸部の上面ではじかれてしまうなどの問題があった。
本発明の第一は、以下に示すパターニング方法に関する。
[1]凸部を有する部材の凸部の上面に、機能性層を選択的に形成するパターニング方法であって、
凸部を備えた部材を準備する工程と、前記凸部の上面に、機能材料を含むインクジェット塗布組成物をインクジェット塗布して、機能性層を形成する工程とを含み、
前記インクジェット塗布組成物の、前記凸部の上面に対する接触角が10°以下であり、かつ前記凸部の側面に対する接触角が20°以上である、パターニング方法。
[2]前記機能性層形成工程前に、前記凸部の上面の前記インクジェット塗布組成物に対する接触角を低下させる工程、または前記凸部の側面の前記インクジェット塗布組成物に対する接触角を低下させる工程を有する[1]に記載のパターニング方法。
[3]前記凸部が、その上面に複数の粒子を含む空隙層を有する、[1]または[2]に記載のパターニング方法。
本発明の第二は、以下に示すLED装置の製造方法に関する。
[4]基板に実装された凸状のLEDチップと、前記LEDチップの上面のみに成膜された蛍光体粒子を含む波長変換層と、を含むLED装置の製造方法であって、
基板に実装され、上面に蛍光体粒子を含む蛍光体粒子層が配置された凸状のLEDチップを用意する工程と、前記LEDチップの上面に配置された蛍光体粒子層に、インクジェット法でセラミック前駆体含有液を塗布する工程と、前記セラミック前駆体を硬化させて、前記蛍光体粒子層を波長変換層とする工程とを含み、
前記セラミック前駆体含有液の、前記蛍光体粒子層に対する接触角が10°以下であり、かつ前記LEDチップに対する接触角が20°以上である、LED装置の製造方法。
[5]前記セラミック前駆体含有液が、1価のアルコール、多価アルコール、それらの誘導体から選ばれる1種以上をさらに含む、[4]に記載のLED装置の製造方法。
[6]前記セラミック前駆体含有液が、エチレングリコールと2−プロパノールとをさらに含む、[4]に記載のLED装置の製造方法。
本発明によれば、凸部を有する部材の凸部の上面のみに機能性材料を含むインクジェット塗布組成物を塗布することができ、機能性材料のロスの低減などが可能となる。また、凸部の上面に塗布されたインクジェット塗布組成物が凸部の側面をつたって流れてしまうこと等を抑制できる。
本発明のパターニング方法により製造されるLED装置の一例を示す概略断面図である。 LEDチップの上面に蛍光体含有液をスプレー塗布する様子を示す図である。 LEDチップの上面に配置された蛍光体粒子層にセラミック前駆体含有液を塗布する様子を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内であれば種々に変更して実施することができる。
1.本発明のパターニング方法について
本発明は、凸部を有する部材の凸部の上面に、機能性層を選択的に形成するパターニング方法であり、凸部を備えた部材を準備する工程と、前記凸部の上面にインクジェット塗布組成物をインクジェットヘッドから塗布して、機能性層を形成する工程とを含む。
本発明において、凸部を備えた部材とは、微細な凸部を備えた被塗布物をいう。微細な凸部とは、上面の面積が1,000,000μm以下であることが好ましく、100,000μm以下であることが好ましく、50,000μm以下であってもよい。
凸部は、上面の表面物性と、側面の表面物性とが異なることを特徴とする。具体的には、凸部の上面の濡れ性と、側面の濡れ性とが異なることを特徴とする。また、凸部は、上面を構成する物質と側面を構成する物質とが異なっていてもよいし、上面の表面形状(表面粗さなど)と側面の表面形状などが異なっていてもよい。いずれにしても、凸部の上面に塗布する塗布物の、凸部の上面に対する接触角が10°以下となり;かつ凸部の側面に対する接触角が20°以上となるように、凸部の上面の濡れ性と、側面の濡れ性とが調整されていればよい。
このような凸部は、上面に濡れ性を高めるための処理を施して得てもよく、側面に濡れ性を低下させるための処理を施して得てもよい。処理の例には、金属皮膜の形成、非金属皮膜の形成、化成処理液による表面処理、化学研磨、ラミネート加工、赤外線照射、プラズマ照射、コロナ処理などが含まれるが、これらに限定されない。
例えば、凸部の上面の濡れ性は、凸部の上面にCVD法により層を形成したり、凸部の上面のみに赤外線やプラズマを照射したり、コロナ処理することで、高まりやすい。
一方、凸部の上面には、複数の粒子を含む空隙層が形成されてもよい。凸部の上面に複数の粒子から形成される空隙層があると、凸部の上面に塗布物が空隙層に浸透しやすくなる。そのため、凸部の上面のみに塗布物を塗布しやすくなる。
このような凸部を備えた部材の凸部の上面に、機能材料を含むインクジェット塗布組成物をインクジェットヘッド塗布して、機能性層を形成する。塗布後に、塗布組成物に含まれる溶媒を除去したり、塗布組成物に含まれる機能材料を熱硬化または光硬化させてもよい。
インクジェット塗布組成物を塗布するインクジェットヘッドは、ドロップオンデマンド方式であっても、コンティニュアス方式であってもよい。ドロップオンデマンド方式は、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(例えば、スパークジェット型等)等がある。インクジェットヘッドのコストや生産性の観点から、電気−機械変換方式、または電気−熱変換方式のヘッドを用いることが好ましい。
インクジェットヘッドから吐出される液滴の量は、0.5〜60plであればよい。液滴量は、インクジェットヘッドのノズル径や、インクジェットヘッドにかける電圧の大きさやパターンにより調整できる。インクジェット装置は、市販の装置を用いればよく、コニカミノルタIJ社製のインクジェット装置を用いることができる。
インクジェット塗布組成物は、機能性材料を含有する。機能性材料とは、主に熱、光、化学、電気または力学などの機能を発現する材料である。機能性材料の例には、感光性高分子材料、接着剤、粘着材、光学材料などが含まれるが、これらに限定されない。
インクジェット塗布組成物は、溶媒を含有することが好ましい。溶媒の種類と量とによって、被塗布物である凸部の上面に対する濡れ性と、側面に対する濡れ性とを適切に調整することができる。
インクジェット塗布組成物は、射出性の観点から、25℃における粘度が1〜40mPa・sであることが好ましく、5〜40mPa・sであることがより好ましく、5〜20mPa・sであることがさらに好ましい。インクジェット塗布組成物の粘度は、溶媒によって調整することができる。
本発明のパターニング方法は、凸部を備えた部材の上面に機能性材料をインクジェット塗布することで、凸部の上面にのみ機能性層を形成できる。そのため、凸部の上面以外に機能性材料を塗布する必要がないので、使用する機能性材料のロスを低減できる。また、本発明のパターニング方法は、パターニングに応じて専用の転写用部材を用意する必要がないため、汎用性が高い。
2.LED装置の製造方法について
本発明のパターニング方法は、LED装置の製造に適用することができる。図1は、本発明のパターニング方法を用いて製造されたLED装置の例を示す断面図である。
LED装置100は、凹部を有する基板110と、メタル部(メタル配線)120と、基板110の凹部の底面に配置されたLED発光部160と、メタル部120とLED発光部160とを接続する突起電極140とを有する。このように、突起電極140を介してメタル部120とLED発光部160とを接続する態様を、フリップチップ型という。
基板110は、例えば液晶ポリマーやセラミックであるが、絶縁性と耐熱性を有していれば、その材質は特に限定されない。
基板110の凹部の底面に配置されたLED発光部160は、LEDチップ130と、LEDチップ130の上面のみを覆う波長変換層150とを具備する。LEDチップ130は、例えば青色LEDである。例えば青色LEDの構成は、サファイア基板上に積層されたn−GaN系化合物半導体層(クラッド層)と、InGaN系化合物半導体層(発光層)と、p−GaN系化合物半導体層(クラッド層)と、透明電極層との積層体である。
LEDチップ130は、例えば200〜300μm×200〜300μmの上面を有し、LEDチップ130の高さは50〜200μmである。
波長変換層150は、蛍光体粒子がバインダーとしてのセラミックで結着されたセラミック層である。波長変換層150は、その他にも平板状粒子、酸化物微粒子、アルミニウムケイ酸塩(イモゴライト)などの層状ケイ酸塩化合物などを含んでいてもよい。
この波長変換層150の厚みは、5〜200μmであることが好ましく、10〜200μmであることがより好ましく、10〜100μmであることがさらに好ましい。波長変換層150は、図1に示されるように、LEDチップ130の上面だけを選択的に覆うものとする。
波長変換層150は、LEDチップ130から出射される光(励起光)を受けて、蛍光を発する層である。励起光と蛍光とが混ざることで、LED装置100から所望の色の光が発光される。例えば、LEDチップ130からの光が青色であり、波長変換層150からの蛍光が黄色であれば、LED装置100は白色LED発光装置となりうる。
図1に示されるLED装置100には、基板110の凹部に、1つのLED発光部160が配置されているが;LED基板110の凹部に、複数のLED発光部160が配置されていてもよい。
本発明のLED装置の製造方法は、基板に実装された凸状のLEDチップと、前記LEDチップの上面のみに成膜された蛍光体粒子を含む波長変換層と、を含むLED装置の製造方法であり、少なくとも以下の1)〜3)工程を含み、4)工程をさらに含んでもよい。
1)基板に実装され、上面に蛍光体粒子を含む蛍光体粒子層が配置された凸状のLEDチップを用意する工程
2)LEDチップの上面に配置された蛍光体粒子層のみに、インクジェット法でセラミック前駆体含有液を塗布する工程
3)セラミック前駆体を硬化させて、蛍光体粒子層を波長変換層とする工程
4)波長変換層の上をシリコーン樹脂で封止する工程
<工程1)について>
メタル部が配設された基板上に、凸状のLEDチップを実装して、LEDチップの上面のみに蛍光体粒子層を形成する。LEDチップとは、典型的には化合物半導体層の積層体である。LEDチップの実装とは、基板にLEDチップを固定するとともに、基板の配線とLEDチップとを接続することである。
基板に実装されたLEDチップの上面のみに蛍光体粒子層を形成するには、LEDチップの上面に選択的に蛍光体粒子を含む蛍光体含有液を塗布すればよい。蛍光体含有液の塗布は、例えば、スプレーまたはディスペンサーなどを用いて行えばよい。LEDチップの上面のみに蛍光体含有液を塗布するには、通常は、LEDチップの上面以外をマスクして、LEDチップの上面に蛍光体含有液を塗布する。
図2は、蛍光体含有液を収容するスプレー装置を用いて、LEDチップの上面に蛍光体含有液をスプレー塗布する様子を示す図である。塗布装置200は、塗布液タンク210と、連結管230と、ヘッド240と、ノズル250と、を有する。
塗布液タンク210は、蛍光体含有液220を保持可能であれば、特に制限はないが、蛍光体含有液220の攪拌機構を有することが好ましい。塗布前の蛍光体含有液220を常に攪拌することで、蛍光体粒子の沈降を抑止できる。塗布液タンク210の具体例には、アネスト岩田社製PC−51等がある。
ヘッド240及びノズル250は、任意の方向に移動可能であることが好ましい。ノズル250の先端部の孔径は、蛍光体含有液220を均一に吐出可能であれば、特に制限はないが、20μm〜2mmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜1.5mmである。ノズル250の具体例には、アネスト岩田社製スプレーガンW−101−142BPG等がある。
また、ノズル250の下面には、基板310とLEDチップ320とマスク330とが設置されている。マスク330は、例えばLEDチップ320の上面以外を覆うように配置されていればよい。
塗布装置200における、塗布液タンク210内の蛍光体含有液220は、圧力をかけられて連結管230を通じてヘッド240に供給される。ヘッド240に供給された蛍光体含有液220は、ノズル250から吐出される。吐出された蛍光体含有液220はマスク330とLEDチップ320の上面とに塗布される。
蛍光体含有液の塗布後、マスク330を取り外す。その後、LEDチップ320の上面のみに塗布された蛍光体含有液220を乾燥させて、蛍光体粒子層を形成する。蛍光体含有液220の乾燥により、蛍光体含有液220に含まれる溶媒を乾燥させることが好ましい。蛍光体含有液220に含まれる溶媒を乾燥させる際の温度は、通常20〜200℃であり、好ましくは25〜150℃である。20℃未満であると、溶媒を十分に乾燥させにくい。一方、200℃を超えると、LEDチップを劣化させやすい。また、乾燥時間は、製造効率の観点から、通常0.1〜30分であり、好ましくは0.1〜15分である。
蛍光体粒子層の厚さは特に制限されないが、発光強度、膜強度などの観点から5〜200μmであり、より好ましくは、10〜200μmであり、更に好ましくは、10〜100μmである。
蛍光体含有液について
蛍光体含有液には、少なくとも、蛍光体粒子と溶媒とが含まれ、層状ケイ酸塩鉱物や無機粒子をさらに含むことが好ましい。溶媒は、例えば、水や有機溶媒などでありうる。
蛍光体粒子はLEDチップからの出射光の波長(励起波長)により励起されて、励起波長と異なる波長の蛍光を出射するものであればよい。例えば、青色の励起光を受けて黄色の蛍光を発する蛍光体粒子の例には、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)蛍光体が含まれる。YAG蛍光体は、青色LEDチップから出射される青色光(波長420nm〜485nm)を励起光として、黄色(波長550nm〜650nm)の蛍光を出射する。
蛍光体粒子は、例えば1)所定の組成を有する混合原料に、フラックスとしてフッ化アンモニウム等のフッ化物を適量混合して加圧し、成形体を得て、2)得られた成形体を坩堝に詰め、空気中1350〜1450℃の温度範囲で2〜5時間焼成し、焼結体を得ることで製造しうる。
所定の組成を有する混合原料は、Y、Gd、Ce、Sm、Al、La、Gaの酸化物、または高温で容易に酸化物となる化合物を、化学両論比で十分に混合して得られる。あるいは、所定の組成を有する混合原料は、Y、Gd、Ce、Smの希土類元素を化学両論比で酸に溶解した溶液を、シュウ酸で共沈して得られる共沈酸化物と、酸化アルミニウム、酸化ガリウムとを混合して得られる。
蛍光体粒子の種類は、YAG蛍光体に限定されるものではなく、例えばCeを含まない非ガーネット系蛍光体等、他の蛍光体粒子であってもよい。
蛍光体粒子の平均一次粒径は1μm以上50μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましい。蛍光体粒子の粒径が大きいほど発光効率(波長変換効率)は高くなる。一方、蛍光体粒子の粒径が大きすぎると、波長変換層内で蛍光体粒子とセラミックとの密着性が低くなり、波長変換層の強度が低下する。蛍光体粒子の平均一次粒径は、例えばコールターカウンター法によって測定できる。
蛍光体含有液に含まれる蛍光体粒子の量は、蛍光体含有液の固形分全量に対して10〜99質量%であることが好ましく、20〜97質量%であることがより好ましい。蛍光体粒子の濃度を上記範囲とすると、蛍光体含有液内で蛍光体粒子が均一に分散されやすくなる。
溶媒の例には、水、水との相溶性に優れた有機溶媒、または水との相溶性が低い有機溶媒が含まれる。
溶媒に水が含まれると、後述の層状ケイ酸塩鉱物を膨潤させることができる。例えば、親水性の層状ケイ酸塩鉱物と共に水が含まれると、層状ケイ酸塩鉱物の層間に水が入り込む。それにより、蛍光体含有液の粘度が高まり、蛍光体粒子の沈降を抑制できる。ただし、水に不純物が含まれると、層状ケイ酸塩鉱物の膨潤を阻害するおそれがある。そこで、層状ケイ酸塩鉱物を膨潤させる場合には、添加する水を純水とする。
有機溶媒は、蛍光体含有液の濡れ性向上、粘度調整のために用いられる。親水性の層状ケイ酸塩鉱物を膨潤させる場合には、有機溶媒として、水との相溶性に優れたメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類を用いることが好ましい。水を加えることにより粘度が増加するため、水との相溶性に優れた有機溶媒を用いることが好ましい。
層状ケイ酸塩鉱物が蛍光体含有液に含まれることで、蛍光体含有液の粘性を高め、蛍光体粒子の沈降を抑制できる。本発明に用いられる層状ケイ酸塩鉱物は、雲母構造、カオリナイト構造、またはスメクタイト構造を有する膨潤性粘土鉱物が好ましく、膨潤性に富むスメクタイト構造を有する膨潤性粘土鉱物が特に好ましい。層状ケイ酸塩鉱物は、蛍光体含有液中においてカードハウス構造を形成するため、少量で蛍光体含有液の粘度を高める。また、層状ケイ酸塩鉱物は平板状を呈するため、蛍光体粒子層の強度も高める。
粘土鉱物でありうる層状ケイ酸塩鉱物の例には、天然または合成の、ヘクトライト、サポナイト、スチブンサイト、ハイデライト、モンモリロナイト、ノントライト、ベントナイト、ラポナイト等のスメクタイト属粘土鉱物;Na型テトラシリシックフッ素雲母、Li型テトラシリシックフッ素雲母、Na型フッ素テニオライト、Li型フッ素テニオライト等の膨潤性雲母属粘土鉱物;白雲母、金雲母、フッ素金雲母、絹雲母、カリウム四ケイ素雲母等の非膨潤性雲母属粘土鉱物;バーミキュラライト;カオリナイト;またはこれらの混合物が含まれる。粘土鉱物は、表面がアンモニウム塩等で修飾(表面処理)されたものでありうる。アンモニウム塩等で修飾された粘土鉱物が含まれると、粘土鉱物と溶媒との相溶性が高まる。
蛍光体含有液に含まれる層状ケイ酸塩鉱物の量は、蛍光体含有液の固形分全量に対して0.5〜20質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましい。層状ケイ酸塩鉱物の含有量が0.5質量%未満であると、蛍光体含有液の粘性が十分に高まらない。一方、層状ケイ酸塩鉱物の含有量が、20質量%を超えると、相対的に蛍光体粒子の量が少なくなり、蛍光体粒子層から十分な蛍光が発せられない。
無機粒子は、蛍光体と層状ケイ酸塩鉱物の界面に生じる隙間を埋める充填効果、蛍光体含有液の粘度を高める効果を有する。また無機粒子が含まれると、蛍光体粒子層の強度が高まる。
無機粒子の例には、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等の酸化物微粒子等が含まれる。無機粒子の表面は、シランカップリング剤やチタンカップリング剤で処理されていてもよい。表面処理によって、無機粒子と、セラミックバインダとの密着性が高まる。また、無機粒子は、比表面積の大きい多孔質の無機粒子でありうる。
無機粒子の粒径分布は特に制限はない。広範囲に分布していてもよく、比較的狭い範囲に分布していてもよい。なお、無機粒子の粒径は、一次粒径の中心粒径が0.001μm以上50μm以下であることが好ましく、蛍光体の一次粒径より小さいことがより好ましい。また、無機粒子の粒径は、蛍光体乾燥膜の厚さより小さい範囲とする。蛍光体乾燥膜の表面平滑性を高めるためである。無機粒子の平均粒径は、例えばコールターカウンター法によって測定される。
蛍光体含有液に含まれる無機粒子の量は、蛍光体含有液の固形分全量に対して0.5〜70質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜65質量%であり、さらに好ましくは1.0〜60質量%である。無機粒子の含有量が0.5質量%未満であると、相対的に蛍光体粒子等の量が多くなり、蛍光体粒子の分散性が低下することがある。また、蛍光体含有液の塗布時のハンドリング性が悪化する。一方、無機粒子の含有量が70質量%を超えると、相対的に蛍光体粒子の量が少なくなり、十分な蛍光が得られない。さらに、無機粒子によって光が散乱しやすくなり、LED装置からの光取り出し効率が低下する。
蛍光体含有液の粘度は、通常は10〜1000mPa・sであり、12〜500mPa・sであることが好ましく、20〜400mPa・sであることがより好ましく、200〜400mPa・sであることがさらに好ましい。粘度が低すぎると、蛍光体含有液において蛍光体粒子が沈降しやすくなる。一方、粘度が高すぎると、蛍光体含有液の塗布、特にスプレーによる塗布が困難になる。
蛍光体含有液は、蛍光体粒子を溶媒に混合して、必要に応じて、これに層状ケイ酸塩鉱物および無機粒子を添加して調製されうる。
<工程2)について>
工程1)で用意したLEDチップの上面に配置された蛍光体粒子層に、セラミック前駆体含有液をインクジェット法で塗布する。
セラミック前駆体含有液は、蛍光体粒子を結着させるのに必要な量を塗布すればよく、蛍光体粒子層の厚さなどにより調整する。セラミック前駆体含有液の塗布量が過剰であると、形成した波長変換層にクラックが生じやすくなる。一方、セラミック前駆体含有液の量が少なすぎると、蛍光体粒子層内の空隙を埋められず、多数の空隙が残りやすくなる。
図3は、LEDチップの上面に配置された蛍光体粒子層にセラミック前駆体含有液を塗布する様子を示す図である。基板310とLEDチップ320とは、前記1)工程で用意したものであればよい。上面に蛍光体粒子を含む蛍光体粒子層340が配置された凸状のLEDチップ320が基板310に実装されている(図3A)。次いで、セラミック前駆体含有液が充填されたインクジェットヘッド350からセラミック前駆体含有液の液滴360を蛍光体粒子層340に向けて吐出する(図3B)。蛍光体粒子層340に着弾したセラミック前駆体含有液の液滴360は、蛍光体粒子層340内に浸透し、セラミックが硬化する前の波長変換層(セラミック前駆体含有蛍光体粒子層)370を形成する(図3C)。
インクジェット法は、スプレー法等と比べて、セラミック前駆体含有液の塗布時の風圧を抑制できる。そのため、蛍光体粒子層340へのダメージを低減でき、蛍光体粒子がLEDチップ320から剥離することを抑制できる。また、スプレー法などでは液適量が大きいため、蛍光体粒子層中の空隙に液滴が浸透しにくい。一方、インクジェット法では、液滴径を数10μm程度に抑えることができ、蛍光体粒子層の空隙にセラミック前駆体含有液を浸透させやすい。そのため、セラミック前駆体を硬化させて形成される波長変換層の硬度を高めることができる。
また、インクジェット法により、LEDチップ320の上面のみにセラミック前駆体含有液を塗布することで、LEDチップ320の上面のみにセラミック前駆体含有蛍光体粒子層370を形成できる。そのため、円形型の転写用部材を用いる転写法のように、使用するセラミック前駆体のロスを低減できる。また、専用の形状を有する転写用部材を用意する必要がないため、汎用性が高い。
(セラミック前駆体含有液)
工程2)で用いるセラミック前駆体含有液について説明する。セラミック前駆体含有液には、少なくとも、セラミック前駆体と溶媒とが含まれ、酸化物粒子などをさらに含むことが好ましい。
セラミック前駆体とは、焼成処理を受けることによって、蛍光体粒子を結着する材料である。セラミック前駆体は、例えば有機金属化合物である。有機金属化合物は、ゾル−ゲル反応によってセラミック(好ましくはガラスセラミック)となる。生成するセラミックは、蛍光体粒子層に含まれる蛍光体粒子(必要に応じて、層状ケイ酸塩鉱物、無機微粒子)を結着させる。
有機金属化合物の例には、金属アルコキシド、金属アセチルアセトネート、金属カルボキシレート、金属酸化物などが含まれるが、加水分解と重合反応によりゲル化し易い金属アルコキシドが好ましい。透光性のガラスセラミックを形成できるものであれば有機金属化合物の種類は制限されず、複数種の有機金属化合物を組み合わせてもよい。形成されるガラスセラミックの安定性や製造の容易性の観点から、有機金属化合物にはケイ素が含有されていることが好ましい。
セラミック前駆体である金属アルコキシドは、テトラエトキシシランのような単分子のシラン化合物でもよいし、有機シロキサン化合物が鎖状または環状に連結したポリシロキサンでもよいが;ポリシロキサンによれば、セラミック前駆体含有液の粘性を高めることができる。
単分子のシラン化合物は、一般式(1)で示されうる。一般式(1)において、nはORの数を表し、2以上4以下の整数である。また、Rは、それぞれ独立にアルキル基またはフェニル基を表し、好ましくは炭素数1〜5のアルキル基またはフェニル基を表す。
一般式(1):Si(OR)4−n
一般式(1)中、Yは、水素原子またはアルキル基を表す。アルキル基は、炭素数が1〜1000、好ましくは500以下、より好ましくは100以下、さらに好ましくは50以下、特に好ましくは6以下の脂肪族基、脂環族基、芳香族基、脂環芳香族基である。これらは、連結基として、O、N、S等の原子または原子団を有してもよい。これらの中でも特にメチル基が好ましい。Yがメチル基である場合には、セラミック前駆体を硬化させて形成される波長変換層の耐光性及び耐熱性が高まる。
一般式(1)中、Yで表される1価の有機基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、F、Cl、Br、I等のハロゲン原子;ビニル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、スチリル基、メルカプト基、エポキシ基、エポキシシクロヘキシル基、グリシドキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、スルホン酸基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アシル基、アルコキシ基、イミノ基、フェニル基等の有機官能基等が含まれる。
単分子のシラン化合物の例には、以下の4官能のシラン化合物、3官能のシラン化合物、2官能のシラン化合物等とすることができる。
4官能のシラン化合物の例には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラペンチルオキシシラン、テトラフェニルオキシシラン、トリメトキシモノエトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、トリエトキシモノメトキシシラン、トリメトキシモノプロポキシシラン、モノメトキシトリブトキシシラン、モノメトキシトリペンチルオキシシラン、モノメトキシトリフェニルオキシシラン、ジメトキシジプロポキシシラン、トリプロポキシモノメトキシシラン、トリメトキシモノブトキシシラン、ジメトキシジブトキシシラン、トリエトキシモノプロポキシシラン、ジエトキシジプロポキシシラン、トリブトキシモノプロポキシシラン、ジメトキシモノエトキシモノブトキシシラン、ジエトキシモノメトキシモノブトキシシラン、ジエトキシモノプロポキシモノブトキシシラン、ジプロポキシモノメトキシモノエトキシシラン、ジプロポキシモノメトキシモノブトキシシラン、ジプロポキシモノエトキシモノブトキシシラン、ジブトキシモノメトキシモノエトキシシラン、ジブトキシモノエトキシモノプロポキシシラン、モノメトキシモノエトキシモノプロポキシモノブトキシシランなどのテトラアルコキシシラン等が含まれる。これらの中でもテトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが好ましい。
3官能のシラン化合物の例には、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラン、トリペンチルオキシシラン、トリフェニルオキシシラン、ジメトキシモノエトキシシラン、ジエトキシモノメトキシシラン、ジプロポキシモノメトキシシラン、ジプロポキシモノエトキシシラン、ジペンチルオキシルモノメトキシシラン、ジペンチルオキシモノエトキシシラン、ジペンチルオキシモノプロポキシシラン、ジフェニルオキシルモノメトキシシラン、ジフェニルオキシモノエトキシシラン、ジフェニルオキシモノプロポキシシラン、メトキシエトキシプロポキシシラン、モノプロポキシジメトキシシラン、モノプロポキシジエトキシシラン、モノブトキシジメトキシシラン、モノペンチルオキシジエトキシシラン、モノフェニルオキシジエトキシシラン等のモノヒドロシラン化合物;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリペンチルオキシシラン、メチルモノメトキシジエトキシシラン、メチルモノメトキシジプロポキシシラン、メチルモノメトキシジペンチルオキシシラン、メチルモノメトキシジフェニルオキシシラン、メチルメトキシエトキシプロポキシシラン、メチルモノメトキシモノエトキシモノブトキシシラン等のモノメチルシラン化合物;エチルトリメトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリペンチルオキシシラン、エチルトリフェニルオキシシラン、エチルモノメトキシジエトキシシラン、エチルモノメトキシジプロポキシシラン、エチルモノメトキシジペンチルオキシシラン、エチルモノメトキシジフェニルオキシシラン、エチルモノメトキシモノエトキシモノブトキシシラン等のモノエチルシラン化合物;プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリペンチルオキシシラン、プロピルトリフェニルオキシシラン、プロピルモノメトキシジエトキシシラン、プロピルモノメトキシジプロポキシシラン、プロピルモノメトキシジペンチルオキシシラン、プロピルモノメトキシジフェニルオキシシラン、プロピルメトキシエトキシプロポキシシラン、プロピルモノメトキシモノエトキシモノブトキシシラン等のモノプロピルシラン化合物;ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリプロポキシシラン、ブチルトリペンチルオキシシラン、ブチルトリフェニルオキシシラン、ブチルモノメトキシジエトキシシラン、ブチルモノメトキシジプロポキシシラン、ブチルモノメトキシジペンチルオキシシラン、ブチルモノメトキシジフェニルオキシシラン、ブチルメトキシエトキシプロポキシシラン、ブチルモノメトキシモノエトキシモノブトキシシラン等のモノブチルシラン化合物が含まれる。これらの中でも、メチルトリメトキシシランおよびメチルトリエトキシシランがより好ましく、メチルトリメトキシシランがさらに好ましい。
2官能のシラン化合物の具体例には、ジメトキシシラン、ジエトキシシラン、ジプロポキシシラン、ジペンチルオキシシラン、ジフェニルオキシシラン、メトキシエトキシシラン、メトキシプロポキシシラン、メトキシペンチルオキシシラン、メトキシフェニルオキシシラン、エトキシプロポキシシラン、エトキシペンチルオキシシラン、エトキシフェニルオキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルメトキシエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルメトキシプロポキシシラン、メチルメトキシペンチルオキシシラン、メチルメトキシフェニルオキシシラン、エチルジプロポキシシラン、エチルメトキシプロポキシシラン、エチルジペンチルオキシシラン、エチルジフェニルオキシシラン、プロピルジメトキシシラン、プロピルメトキシエトキシシラン、プロピルエトキシプロポキシシラン、プロピルジエトキシシラン、プロピルジペンチルオキシシラン、プロピルジフェニルオキシシラン、ブチルジメトキシシラン、ブチルメトキシエトキシシラン、ブチルジエトキシシラン、ブチルエトキシプロポキシシシラン、ブチルジプロポキシシラン、ブチルメチルジペンチルオキシシラン、ブチルメチルジフェニルオキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルメトキシエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジペンチルオキシシラン、ジメチルジフェニルオキシシラン、ジメチルエトキシプロポキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルメトキシプロポキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルエトキシプロポキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジプロピルジペンチルオキシシラン、ジプロピルジフェニルオキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジブチルジプロポキシシラン、ジブチルメトキシペンチルオキシシラン、ジブチルメトキシフェニルオキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、メチルエチルジプロポキシシラン、メチルエチルジペンチルオキシシラン、メチルエチルジフェニルオキシシラン、メチルプロピルジメトキシシラン、メチルプロピルジエトキシシラン、メチルブチルジメトキシシラン、メチルブチルジエトキシシラン、メチルブチルジプロポキシシラン、メチルエチルエトキシプロポキシシラン、エチルプロピルジメトキシシラン、エチルプロピルメトキシエトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルメトキシエトキシシラン、プロピルブチルジメトキシシラン、プロピルブチルジエトキシシラン、ジブチルメトキシエトキシシラン、ジブチルメトキシプロポキシシラン、ジブチルエトキシプロポキシシラン等が含まれる。これらの中でもジメトキシシラン、ジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシランが好ましい。
セラミック前駆体含有液に含まれる単分子のシラン化合物の量は、セラミック前駆体含有液全量に対して、3〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは3〜40質量%である。単分子のシラン化合物の量が3質量%未満であると、セラミック前駆体の粘度が低く、セラミック前駆体溶液を塗布し難い場合がある。一方、単分子のシラン化合物の量が50質量%を超えると、セラミック前駆体の硬化反応が必要以上に速く進む。そのため、セラミック前駆体が蛍光体層中に入り込む前に硬化してしまい、蛍光体粒子を十分に結着できないおそれがある。
セラミック前駆体であるポリシロキサンは、前述の一般式(1)で表されるシラン化合物を重合させて得られる。
セラミック前駆体含有液に含まれる、セラミック前駆体である鎖状のポリシロキサンは、質量平均分子量が1000〜3000であることが好ましく、1200〜2700であることがより好ましく、1500〜2000であることがさらに好ましい。鎖状のポリシロキサンの質量平均分子量が1000未満であると、セラミック前駆体含有液の粘度が低くなり過ぎることがある。一方、質量平均分子量が3000を超えると、上記粘度が高くなり過ぎてしまう。セラミック前駆体含有液が蛍光体粒子によって形成された隙間に入り込めないことがある。なお、質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定される値(ポリスチレン換算)である。
セラミック前駆体であるポリシロキサンは、基本構成単位が3官能(T単位)である以下の一般式(1’)で表されるシルセスキオキサンであってもよい。
一般式(1’):(R−SiO/2)
一般式(1’)中、Rは、アルキル基またはフェニル基を表し、好ましくは炭素数1〜5のアルキル基、またはフェニル基を表す。また、Siは3個のOと結合し、Oは2個のSiと結合している。
シルセスキオキサンは、カゴ型、はしご型、またはランダム型の立体構造を有する。セラミック前駆体にシルセスキオキサンを用いる場合には、堅牢性を有するカゴ型構造のシルセスキオキサンを用いることが好ましい。カゴ型構造のシルセスキオキサンは偶数個のSiを有し、それぞれのSiがカゴ型構造のシルセスキオキサンの骨格を構成する。カゴ型構造のシルセスキオキサンを構成するSiの数(n)によって、カゴ型構造の形状がさらに分類される。例えば、n=6(T6)の場合、シルセスキオキサンのSiは三角柱の骨格を構成する。また、n=8(T8)、10(T10)、12(T12)、14(T14)の場合、シルセスキオキサンのSiは、それぞれ四角柱、五角柱、六角柱、七角柱の骨格を構成する。
セラミック前駆体含有液におけるポリシロキサンをシルセスキオキサンとすることで、セラミック前駆体含有液の粘度を低めに調整することができる。
また、セラミック前駆体含有液に含まれるセラミック前駆体は、ポリシラザンであってもよい。ポリシラザンは、例えば以下の一般式(2)で表される。
一般式(2):(RSiNR
一般式(2)中、R〜Rは、それぞれ独立して水素原子又はアルキル基、アリール基、ビニル基、シクロアルキル基を表す。また、R〜Rのうち少なくとも1つは水素原子であり、R〜Rの全てが水素原子である場合をパーハイドロポリシラザンという。nは1〜60の整数である。ポリシラザンの分子形状はいかなる形状であってもよく、例えば、直鎖状または環状であってもよい。一般式(2)で表される化合物の中でも、低温度、低湿度で硬化できるパーハイドロポリシラザンが好ましい。
セラミック前駆体含有液におけるポリシロキサン濃度は、1〜40質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましい。セラミック前駆体含有液におけるポリシラザンの含有量は多い方が好ましいが、ポリシラザンの含有量が多すぎると、セラミック前駆体含有液の保存期間が短くなる。そのため、セラミック前駆体含有液におけるポリシラザンの含有量は、セラミック前駆体含有液全量に対して5〜50質量%であることが好ましい。
セラミック前駆体含有液には、セラミック前駆体(特に、ポリシラザン)とともに、反応促進剤が含まれていてもよい。反応促進剤は、酸または塩基などでありうる。反応促進剤の例には、トリエチルアミン、ジエチルアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミンなどの塩基や、塩酸、シュウ酸、フマル酸、スルホン酸、酢酸や、ニッケル、鉄、パラジウム、イリジウム、白金、チタン、アルミニウムを含む金属のカルボン酸塩などが含まれるが、これに限られない。特に好ましい反応促進剤は金属カルボン酸塩である。反応促進剤がポリシラザンとともにセラミック前駆体含有液に含まれる場合、好ましい含有量は、ポリシラザンを基準にして0.01〜5mol%である。ポリシラザンと反応促進剤とを、適切な溶媒に溶かしたセラミック前駆体含有液に、加熱やエキシマー光処理、紫外光処理を行うことでセラミック前駆体含有液を硬化させて、耐熱性、耐光性に優れた波長変換層を形成できる。
セラミック前駆体含有液に含まれる溶媒は、セラミック前駆体含有液の、蛍光体粒子層やLED発光部の側面に対する濡れ性を調整する。溶媒の例には、炭化水素類、エーテル類、エステル類、アルコール類、ケトン類、含窒素類とそれらの誘導体などが含まれる。これらの溶媒は、単独で用いてもよいし、複数混合して用いてもよい。
セラミック前駆体含有液に含まれる溶媒として、より好ましものは1価のアルコールまたは多価のアルコールである。1価のアルコールの例にはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、t−ブタノール、3―メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−ペンタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベンジルアルコール、n−ノニルアルコール、トリデシルアルコール、n−ウンデシルアルコール;多価のアルコールの例には、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1、3−ブタンジオール、1、2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1、2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール等が含まれる。セラミック前駆体含有液に含まれる溶媒は、これらのアルコールの誘導体であってもよい。アルコールの誘導体とは、多価アルコールのヒドロキシル基がエーテル化されたグリコールエーテルなどである。セラミック前駆体含有液には、これらの溶媒が1種類含まれていても、2種類以上含まれていてもよいが、2種類以上含まれることが好ましい。
セラミック前駆体含有液に2種類以上の溶媒が含まれる場合、1)表面張力が20〜30mN/m、かつ粘度が1〜50mPa・sである溶媒と、2)沸点が150〜250℃である溶媒とが併用されることが好ましい。
溶媒の表面張力が20〜30mN/mであると、セラミック前駆体含有液の蛍光体粒子層への濡れ性が高まる。溶媒の表面張力が20mN/m未満であると、インクジェットヘッド表面にセラミック前駆体含有液が付着することや、インクジェットヘッドのノズル内でセラミック前駆体含有液がメニスカスを形成できなくなることで射出性が低下する。一方、溶媒の表面張力が30mN/mを超えると、蛍光体粒子層への十分な濡れ性が得られにくい。なお、溶媒の表面張力(mN/m)は、25℃で測定した表面張力の値であり、測定方法の例には、輪環法(デュヌーイ法)、白金プレート法(ウィルヘルミー法)が含まれる。
さらに、溶媒の粘度が1〜50mPa・sであると、セラミック前駆体含有液の粘度を適度に調節でき、インクジェットヘッドからのセラミック前駆体含有液の射出性が高まる。なお、溶媒の粘度は、回転式、振動式や細管式の粘度計で測定できる。表面張力が20〜30mN/m、かつ粘度が1〜50mPa・sである溶媒の例には、2−プロパノールなどが含まれる。
また、沸点が150〜250℃である溶媒は、インクジェットヘッドに付着したセラミック前駆体含有液の乾燥を抑制できるため、セラミック前駆体含有液の射出性が低下しにくい。沸点が150℃未満であると、インクジェットヘッド表面に付着したセラミック前駆体含有液が乾燥してしまい、ノズルつまり等が生じやくなる。一方、沸点が250℃を超えると、セラミック前駆体含有液の乾燥時間が長くなりすぎたり、乾燥温度が高くなりすぎたりする。そのため、LED装置の生産性が低下したり、高温乾燥によりLED装置が劣化したりする。沸点が150〜250℃である溶媒の例には、エチレングリコールなどが含まれる。
セラミック前駆体含有液に含まれるセラミック前駆体がポリシロキサンである場合には、セラミック前駆体含有液は溶媒として水を含んでもよい。水が含まれると、十分にポリシロキサンが加水分解され、緻密な膜を形成できる。水の含有量は、ポリシロキサン100質量部に対して、10〜120質量部が好ましく、より好ましくは80〜100質量部である。水の含有量が少な過ぎるとポリシロキサンが十分に加水分解されない。一方、水の量が過剰であると、セラミック前駆体含有液の保存安定性が低下する。
セラミック前駆体含有液に対する溶媒の含有量は、セラミック前駆体含有液の粘度が後述の範囲になるようする調整し;かつ、前記蛍光体粒子層に対する接触角が10°以下となり、かつセラミック前駆体含有液のLEDチップに対する接触角が20°以上となるように適宜調整する。
セラミック前駆体含有液には、酸化物粒子をさらに含有させることが好ましい。セラミック前駆体含有液に酸化物粒子を含有させることで、セラミック前駆体を硬化させて形成される波長変換層の強度が高まる。酸化物粒子の例には、酸化ケイ素(SiO)、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ジルコニア(ZrO)等、公知のものが含まれる。なお、セラミック前駆体や有機溶媒との相溶性を考慮して、酸化物粒子の表面をシランカップリング剤やチタンカップリング剤で処理したものを用いてもよい。
セラミック前駆体含有液には、必要に応じてその他添加剤を加えてもよい。その他の添加剤の例には、酸化防止剤、安定化剤、耐電防止剤、レベリング剤、粘度調整剤など、一般的に使用されるものが含まれる。
セラミック前駆体含有液の25℃における粘度は、1〜40mPa・sであることが好ましく、5〜40mPa・sであることがより好ましく、5〜20mPa・sであることがさらに好ましい。セラミック前駆体含有液の粘度が高すぎると、インクジェットヘッドからのセラミック前駆体含有液の射出性が低下しやすい。セラミック前駆体含有液の粘度は、セラミック前駆体含有液に含まれる溶媒の量、酸化物粒子の量等で適宜調整できる。なお、粘度の測定は振動式粘度計で行う。
セラミック前駆体含有液は、150℃における溶媒の揮発時間が15分以下であることが好ましい。これにより、セラミック前駆体含有液の乾燥負荷を低減でき、へのダメージを低減できる。なお、溶媒の揮発時間は、セラミック前駆体含有液に含まれる溶媒を選択することで適宜調整できる。
本発明は、セラミック前駆体含有液の濡れ性が適切に調整されていることを特徴とする。具体的には、セラミック前駆体含有液の蛍光体粒子層に対する接触角を10°以下に設定する。つまり、セラミック前駆体含有液を蛍光体粒子層に濡れやすくする。
セラミック前駆体含有液の蛍光体粒子層に対する接触角は、LEDチップの被塗布物と同じ蛍光体粒子層をスライドガラス上に形成し、その蛍光体粒子層にセラミック前駆体含有液の液滴を一滴(液滴量3μL)滴下し、1秒後に接触角を実測する。接触角の測定には、株式会社協和界面化学製のDM−500を用いることができる。
一方、セラミック前駆体含有液のLEDチップの側面に対する接触角を20°以上、好ましくは30°以上に設定する。これにより、セラミック前駆体含有液をLEDチップの側面に濡れにくくする。これにより、蛍光体粒子層に着弾したインク液滴が、蛍光体粒子層にとどまりやすくなる。
セラミック前駆体含有液のLEDチップに対する接触角は、LEDチップ(化合物半導体)にセラミック前駆体含有液の液滴を一滴(液滴量3μL)滴下し、1秒後に接触角を実測する。接触角の測定には、株式会社協和界面化学製のDM−500を用いることができる。
セラミック前駆体含有液の、蛍光体粒子層に対する接触角が10°以下であり、かつLEDチップに対する接触角が20°以上とすることで、蛍光体粒子層に塗布されたセラミック前駆体含有液が、蛍光体粒子層からLEDチップをつたって流れることを抑制できる。そのため、蛍光体層に塗布されたセラミック前駆体含有液は、蛍光体粒子層に留まることができる。
[セラミック前駆体含有液の調製]
セラミック前駆体含有液は、セラミック前駆体、溶媒、必要に応じて、反応促進剤、酸化物粒子等を混合・攪拌して調製できる。撹拌は、例えば、撹拌ミル、ブレード混練撹拌装置、薄膜旋回型分散機等で行う。
<工程3)について>
工程2)で形成されたセラミック前駆体含有蛍光体粒子層に含まれるセラミック前駆体を硬化させて波長変換層を形成する。
セラミック前駆体を硬化させるには加熱または光照射を行えばよい。セラミック前駆体を硬化させるときの加熱温度は、100℃〜500℃とすることが好ましく、150℃〜350℃とすることがより好ましい。加熱温度が低すぎると、セラミック前駆体の脱水縮合時に生じる水分等を十分に除去できず、波長変換層の耐光性等が低下しやすい。一方、加熱温度が高すぎると、LEDチップや基板等が劣化しやすい。
特にセラミック前駆体としてポリシラザンを用いる場合には、170〜230nmの範囲の波長成分を含むUVU放射線(例えばエキシマ光)を塗膜に照射して硬化させた後に、さらに加熱硬化を行うことで、水分の浸透防止効果をより高める。
<工程4)について>
LEDチップの上面に形成された波長変換層の上をシリコーン樹脂で封止(即ち、シリコーン層で覆う)してもよい。シリコーン樹脂による封止を行う装置には、ディスペンサーなどがある。この封止により、波長変換層の経時的な劣化を抑制することができ、波長変換層のLEDチップへの接着性を高めることができる。
本発明を実施例により更に詳細に説明する。しかしながら、本発明の範囲はこれによって何ら制限を受けない。以下に、各実施例の評価方法を示す。
<LEDチップの基板への実装>
図1に概念的に示される基板110とLEDチップ130とを用意した。具体的には、基板(開口径3mm,底面直径2mm、壁面角度60°)の収容部の中央に、1つの青色LEDチップ(直方体状;200μm×300μm×100μm)をフリップチップタイプで実装した。
<蛍光体粒子の作製>
以下の手順で黄色蛍光体粒子を作製した。下記に示す組成の蛍光体原料を十分に混合した混合物を、アルミ坩堝に充填し、これにフラックスとしてフッ化アンモニウム等のフッ化物を適量混合した。充填物を、水素含有窒素ガスを流通させた還元雰囲気中において1350〜1450℃の温度範囲で2〜5時間焼成して、焼成品((Y0.72Gd0.24Al12:Ce0.04)を得た。
(蛍光体粒子の原料組成)
:7.41g
Gd:4.01g
CeO:0.63g
Al:7.77g
得られた焼成品を粉砕、洗浄、分離、乾燥することで所望の蛍光体を得た。得られた蛍光体を粉砕して10μm程度の粒径の蛍光体粒子とした。得られた蛍光体粒子の組成を調べて、所望の蛍光体であることを確認した。波長465nmの励起光に対する発光波長を調べたところ、おおよそ波長570nmにピーク波長を有していた。得られた蛍光体粒子を、以下の比較例および実施例で用いた。
<蛍光体粒子層の形成>
蛍光体粒子37.0gと、合成スメクタイト(ルーセンタイトSWN コープケミカル社製)3.0gと、純水60.0gとを混合し、蛍光体含有液を調製した。この蛍光体含有液を図2の塗布装置200を用いて、LEDチップ320の上面にスプレー塗布した。このとき、LEDチップ320の上面以外に蛍光体含有液を塗布しないようにマスク330を設置した。スプレー圧は0.2MPa、ノズル250のLEDチップ320に対する相対移動速度は100mm/sとした。その後、LEDチップ320の上面の蛍光体含有液を150℃で20分間乾燥させて、20μmの蛍光体粒子層を形成した。
<セラミック前駆体含有液の調製>
(実施例1)
表1に示す通り、メチルトリエトキシシラン(信越化学製LS−1890)3.0gと、2−プロパノール19.4gと、エチレングリコール77.6gとを混合して、セラミック前駆体含有液を作製した。
(実施例2)
表1に示すとおり、メチルトリエトキシシラン(信越化学製LS−1890)3.0gと、2−プロパノール29.1gと、エチレングリコール67.9gとを混合して、セラミック前駆体含有液を作製した。
(比較例1)
表1に示すとおり、メチルトリエトキシシラン(信越化学製LS−1890)3.0gと、2−プロパノール33.95gと、エチレングリコール63.05gとを混合して、セラミック前駆体含有液を作製した。
(比較例2)
表1に示すとおり、メチルトリエトキシシラン(信越化学製LS−1890)3.0gと、2−プロパノール19.4gと、2−メチル−2,4−ペンタンジオール77.6gとを混合して、セラミック前駆体含有液を作製した。
実施例および比較例で調製したセラミック前駆体含有液の、蛍光体粒子層に対する接触角と、LEDチップに対する接触角とをそれぞれ求めた。
蛍光体粒子層に対する接触角は、前述と同様の蛍光体含有液をスライドガラス上に塗布および乾燥して、20μmの蛍光体粒子層を形成した(面積:200μm×300μm)。形成した蛍光体粒子層に、一滴のセラミック前駆体(液滴量3μL)を滴下し、滴下1秒後に接触角を実測した。接触角の測定には、DM−500(株式会社協和界面化学製)を用いた。
LEDチップに対する接触角を、LEDチップを構成する半導体の半導体ウエハ表面に対する接触角と定義した。LEDチップの表面積が小さすぎるため、通常の接触角の測定方法(液滴量3μL)で測定することが困難なためである。蛍光体粒子層を成膜していない半導体ウエハー(直径6インチ)に、一滴のセラミック前駆体(液滴量3μL)を滴下し、滴下1秒後の液滴の半導体ウエハ表面に対する接触角を実測した。接触角の測定には、DM−500(株式会社協和界面化学製)を用いた。
<パターニングの評価方法>
コニカミノルタ製インクジェット評価装置EB−150とXY−100とに、KM512Lインクジェットヘッドを用意した。実施例1、2および比較例1、2のセラミック前駆体含有液をLEDチップの上面に配置された蛍光体粒子層にそれぞれ塗布した。セラミック前駆体含有液の液滴量と解像度とは、湿潤膜厚(セラミック前駆体含有蛍光体粒子層)が100μmになるように調整した。その湿潤膜を150℃で15分間乾燥させた。その後、150℃で1時間熱処理を加え、セラミック前駆体を焼成してガラスを形成した。蛍光体粒子層のみにセラミック前駆体含有液をパターニングできたかを目視により観察し、以下の基準で評価した。評価結果を表1に示す。
《評価基準》
○:LEDチップの上面に波長変換層を形成できた
×:蛍光体粒子層からセラミック前駆体含有液がLEDチップ側面をつたって流れてしまい、LEDチップの上面に波長変換層を形成できなかった
Figure 0006237631
実施例1および2のセラミック前駆体含有液は、蛍光体粒子層に塗布されたときに、蛍光体粒子層からLEDチップの側面に流れることが抑制された。そのため、セラミック前駆体含有液を蛍光体粒子層に留めることができ、LEDチップの上面に波長変換層を形成できた。
一方、比較例1は、セラミック前駆体含有液の蛍光体粒子層に対する接触角が18.2°であり、セラミック前駆体含有液のLEDチップに対する濡れ性がやや高い状態である。また、比較例2は、セラミック前駆体含有液のLEDチップに対する接触角が2.5°であり、比較例1よりもさらにセラミック前駆体含有液のLEDチップに対する濡れ性が高い。そのため、蛍光体層に塗布されたセラミック前駆体含有液が、LEDチップの側面に流れてしまった。そのため、LEDチップの上面に波長変換層を形成できなかった。
本発明によれば、凸部を有する部材の凸部上面のみに機能性材料を含有するインクジェット塗布組成物を塗布することで、機能性材料のロスの低減等が可能となる。また、凸部上面に塗布されたインクジェット塗布組成物が凸部側面をつたって流れてしまうこと等を抑制できる。
100 LED装置
110 基板
120 メタル部
130 LEDチップ
140 突起電極
150 波長変換層
160 LED発光部
200 塗布装置
210 塗布液タンク
220 蛍光体含有液
230 連結管
240 ヘッド
250 ノズル
310 基板
320 LEDチップ
330 マスク
340 蛍光体粒子層
350 インクジェットヘッド
360 セラミック前駆体含有液の液滴
370 セラミック前駆体含有蛍光体粒子層

Claims (3)

  1. 基板に実装された凸状のLEDチップと、前記LEDチップの上面のみに成膜された蛍光体粒子を含む波長変換層と、を含むLED装置の製造方法であって、
    基板に実装され、上面に蛍光体粒子を含む蛍光体粒子層が配置された凸状のLEDチップを用意する工程と、前記LEDチップの上面に配置された蛍光体粒子層に、インクジェット法でセラミック前駆体含有液を塗布する工程と、前記セラミック前駆体を硬化させて、前記蛍光体粒子層を波長変換層とする工程とを含み、
    前記セラミック前駆体含有液の、前記蛍光体粒子層に対する接触角が10°以下であり、かつ前記LEDチップに対する接触角が20°以上である、LED装置の製造方法。
  2. 前記セラミック前駆体含有液が、1価のアルコール、多価アルコール、それらの誘導体から選ばれる1種以上をさらに含む、請求項に記載のLED装置の製造方法。
  3. 前記セラミック前駆体含有液が、エチレングリコールと2−プロパノールとをさらに含む、請求項に記載のLED装置の製造方法。
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