JP5870736B2 - 蛍光体分散液の製造方法、およびそれを用いてled装置を製造する方法 - Google Patents

蛍光体分散液の製造方法、およびそれを用いてled装置を製造する方法 Download PDF

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Description

本発明は、蛍光体分散液の製造方法、およびそれを用いたLED装置の製造方法に関する。
LEDチップを用いた発光装置(LED装置)は、発光装置の高輝度化および省エネルギーへの要望の高まりに伴い、様々な用途に適用を拡大している。特に、青色LEDチップと、青色光を受けることで黄色光を出射する蛍光体とを組み合わせて、青色光と黄色光とを混色させて白色光を出射する白色LED装置が知られている。このような白色LED装置は、白色光が必要とされる電灯、液晶表示装置のバックライトなどの照明として用いられるようになってきている。
また、LEDチップと蛍光体とを組み合わせた白色LED装置として、さらに、紫外光を出射するLEDチップと、紫外光により青、緑、赤の光を出射する蛍光体とを組み合わせて白色光とする白色LED装置、青色光を出射するLEDチップと、赤、緑の光を出射する蛍光体とを組み合わせて白色光とする白色LED装置なども検討されている。
このようなLEDチップと蛍光体とを組み合わせた白色LED装置は、一つのLEDチップで白色光が得られることから、色の異なる複数のLEDチップを組み合わせて白色光とする白色LED装置と比べて、装置が簡素化できる。また、消費電力も抑制可能であることから、好ましく用いられている。
ところが、LEDチップと蛍光体とを組み合わせた白色LED装置からの光は、LEDチップからの出射光と蛍光体からの蛍光とのバランスが崩れると着色する。また、白色LED装置からの光が着色すると、白色LED装置の観察角度によって色(色度)が異なる「色むら」という問題も発生する。
白色LED装置からの光が着色したり、色むらが生じたりする原因の一つは、LED装置における蛍光体が不均一に存在しているためである。従来は、一般的に、蛍光体粒子が分散している硬化性樹脂組成物を、LEDチップに塗布して硬化させることで、LEDチップの周辺に蛍光体層を設けて、白色LED装置を得ていた。ところが、一般的に、蛍光体は非常に比重の高い無機金属化合物である。そのため、硬化性樹脂組成物中の蛍光体が沈殿して、蛍光体粒子がLEDチップ上に不均一に堆積しやすい。その結果、白色LED装置からの光に着色が生じたり、色むらが生じたりする。
着色や色むらの発生を抑制するために、以下のような技術が検討されている。
白色LED装置の色むらの低減のために、液状の封止材料に、蛍光体粒子と蛍光体粒子の沈降防止材とを含有させる。それにより、比重の重い蛍光体粒子の沈降を防止する技術が開示されている(特許文献1を参照)。さらに、LEDチップ周辺に、蛍光体粒子含有封止層を設けた後、発光装置を回転させながら封止層を硬化させることで、発光装置内における色度差、即ち色むらを低減させる(特許文献1を参照)。
LEDチップの発光面上に蛍光体粒子を堆積させて、白色LED装置を得ることも開示されている(特許文献2を参照)。従来、LEDチップの角部や側面において蛍光体粒子が塗布できず、波長変換効率が低下したり、各方位における色度のずれや色調ムラが発生するという課題がある。これに対し、上記特許文献2の技術では蛍光体を含有した塗布液を霧状且つ螺旋状に回転させながら吹き付けることにより、これらの課題を改善している(特許文献2を参照)。
特開2004−153109号公報 特開2003−115614号公報
上述の技術によれば、1つの白色LED装置内における着色および色むら、すなわち、1つの白色LED装置からの光の角度による色度のズレは、ある程度改善できる。ところが近年、複数の白色LED装置を含む白色照明装置が開発され、高輝度が求められる自動車の照明装置や、色度が特に重要視される店舗用の照明装置などに用いられるようになってきた。そのような白色照明装置において、白色LED装置それぞれにおける色度が、厳密に一致することが重要視されるようになってきている。
LEDチップ上に蛍光体粒子を含む液状物を塗布するために、ディスペンサーやスプレーなどの塗布装置を用いる。これらの塗布装置を用いれば、複数のLED装置を連続的に製造することができる。塗布装置で塗布を行うときに、塗布液タンクに収容されている蛍光体を含む液状物を、塗布装置のヘッドに供給し、ノズルを通してLEDチップ上に塗布する。しかしながら、塗布装置の塗布液タンクに収容されている液状物において、蛍光体が徐々に沈降することがある。それにより、塗布液タンクからヘッドに供給される液状物における蛍光体の濃度が徐々に変化することがあった。そのため、ヘッドから吐出される塗布液中の蛍光体の濃度も、徐々に変化することがあった。このようにして、製造されるLED装置からの発光の色度がばらつくことがあった。またそれだけでなく、長時間分散液を保存した時に、蛍光体が沈降してしまい、このような蛍光体が沈降した塗付液を、塗布装置を用いて塗布したとき、色度がばらつくことがあった。
液状物における蛍光体の沈降を抑制するために、液状物の粘度を上げることが考えられる。ところが、粘度を向上させるために成分組成を調整すると、所望の成分組成に調整できなかったり、液状物を塗布しにくくなったりする。本発明の目的は、蛍光体が分散している蛍光体分散液であって、同一組成を有する従来の蛍光体分散液よりも、蛍光体の沈降が抑制されている蛍光体分散液を提供することを目的とする。また、それを用いてLEDチップの発光面に蛍光体層を成膜することで、色度のばらつきの少ないLED装置(半導体発光装置)を製造することを目的とする。
本発明の第1は、以下に示す蛍光体分散液の製造方法に関する。
[1]蛍光体と無機粒子と溶媒とを含む蛍光体分散液の製造方法であって、蛍光体と無機粒子と第1溶媒とを含む混合液を撹拌して、第1蛍光体分散液を得る工程と、前記第1蛍光体分散液に第2溶媒を添加して、第2蛍光体分散液を得る工程と、を含み、前記第1蛍光体分散液の測定温度25℃でのせん断速度60(1/s)における粘度をη1、前記第1蛍光体分散液の測定温度25℃でのせん断速度1(1/s)における粘度をη2、前記第2蛍光体分散液の測定温度25℃でのせん断速度60(1/s)における粘度をη3としたとき、η1、η2、及びη3が、それぞれ下記式を満たすことを特徴とする、蛍光体分散液の製造方法。
η3<η1<η2
1000(mPa・s)≦η2≦1.0×10(mPa・s)
40(mPa・s)≦η3≦800(mPa・s)
[2]前記第1溶媒および前記第2溶媒は、モノアルコール、ジオールおよびトリオールからなる群から選択される1以上を含む、[1]に記載の蛍光体分散液の製造方法。
本発明の第2は、以下に示すLED装置の製造方法に関する。
[3]前記[1]または[2]に記載の製法で蛍光体分散液を製造する工程と、パッケージと、前記パッケージに配置された発光面を有するLEDチップと、を含むLEDチップ実装パッケージを用意する工程と、前記LEDチップの発光面に、前記蛍光体分散液を塗布して蛍光体層を成膜する工程と、を含む、LED装置の製造方法。
[4]蛍光体と無機粒子と第1溶媒とを含む混合液を撹拌して、第1蛍光体分散液を得る工程と、前記第1蛍光体分散液を塗布装置のタンクに供給する工程と、第2溶媒を前記塗布装置のタンクに供給する工程と、前記塗布装置のタンクの撹拌装置により前記第1蛍光体分散液と第2溶媒を撹拌し、第2蛍光体分散液を得る工程と、パッケージと、前記パッケージに配置された発光面を有するLEDチップと、を含むLEDチップ実装パッケージを用意する工程と、前記LEDチップの発光面に、前記第2蛍光体分散液を塗布して蛍光体層を成膜する工程と、を含み、前記第1蛍光体分散液の測定温度25℃でのせん断速度60(1/s)における粘度をη1、前記第1蛍光体分散液の測定温度25℃でのせん断速度1(1/s)における粘度をη2、前記第2蛍光体分散液の測定温度25℃でのせん断速度60(1/s)における粘度をη3としたとき、η1、η2、及びη3が、それぞれ下記式を満たすことを特徴とする、LED装置の製造方法。
η3<η1<η2
1000(mPa・s)≦η2≦1.0×10(mPa・s)
40(mPa・s)≦η3≦800(mPa・s)
[5]前記LEDチップの発光面に、有機金属化合物を含む溶液を塗布する工程をさらに含む、[3]または[4]に記載のLED装置の製造方法。
[6]前記有機金属化合物を含む溶液を塗布する工程の後に、前記LEDチップの発光面を、シリコーン樹脂で覆う工程を含む、[5]に記載のLED装置の製造方法。
本発明の製法により得られる蛍光体分散液の蛍光体は、同一組成を有する従来の蛍光体分散液の蛍光体よりも、沈降しにくい。そのため、本発明の蛍光体分散液を用いてLEDチップの発光面に蛍光体層を成膜することで、色度のばらつきの少ないLED装置が得られる。
LED装置の断面を概略的に示す図である。 スプレー塗布装置の概要を示す図である。 本発明の蛍光体分散液の製造方法における、第1蛍光体分散液のせん断速度と粘度との関係を示すグラフの一例である。
1.蛍光体分散液の製造方法について
本発明の蛍光体分散液は、蛍光体と無機粒子と溶媒とを含み、さらに任意の添加剤が含まれていてもよい。
[蛍光体について]
蛍光体分散液に含まれる蛍光体は、LEDチップの出射光の波長(励起波長)により励起されて、励起波長と異なる波長の蛍光を発する物質である。LEDチップから青色光が出射される場合には、蛍光体が黄色の蛍光を発することによって、白色LED装置が得られる。黄色の蛍光を発する蛍光体の例には、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)蛍光体が挙げられる。YAG蛍光体は、青色LEDチップから出射される青色光(波長420nm〜485nm)からなる励起光を受けて、黄色光(波長550nm〜650nm)の蛍光を発することができる。
蛍光体は、例えば、1)所定の組成を有する混合原料に、フラックスとしてフッ化アンモニウム等のフッ化物を適量混合して加圧し、成形体を得て、2)得られた成形体を坩堝に詰め、空気中1350〜1450℃の温度範囲で2〜5時間焼成し焼結体を得ることで製造されうる。
所定の組成を有する混合原料は、Y、Gd、Ce、Sm、Al、La、Gaの酸化物、または高温で容易に酸化物となる化合物を、化学量論比で十分に混合して得ることができる。あるいは、所定の組成を有する混合原料は、Y、Gd、Ce、Smの希土類元素を化学量論比で酸に溶解した溶液を、シュウ酸で共沈したものを焼成して得られる共沈酸化物と、酸化アルミニウム、酸化ガリウムとを混合して得ることができる。
蛍光体の種類はYAG蛍光体に限定されるものではなく、例えばCeを含まない非ガーネット系蛍光体などの他の蛍光体を使用することもできる。
蛍光体の平均粒径は1μm以上50μm以下であることが好ましい。蛍光体の粒径が大きいほど発光効率(波長変換効率)は高くなる。一方で、蛍光体の粒径が大きすぎると、蛍光体層において蛍光体とバインダとの界面に生じる隙間が大きくなり、蛍光体層の膜強度が低下する。蛍光体の平均粒径は、例えばコールターカウンター法によって測定することができる。
[無機粒子]
蛍光体分散液に含まれる無機粒子は、以下の2種類が考えられる。第1無機粒子は、層状粘土鉱物微粒子などの粘度鉱物微粒子である。第2無機粒子は、酸化物微粒子やフッ化物粒子などの粒状無機粒子である。
第1無機粒子である粘土鉱物微粒子の例には、層状粘土鉱物微粒子が含まれる。層状粘土鉱物微粒子の主成分は、層状ケイ酸塩鉱物であり、雲母構造、カオリナイト構造、スメクタイト構造などの構造を有する膨潤性粘土鉱物が好ましく、膨潤性に富むスメクタイト構造を有する膨潤性粘土鉱物がより好ましい。層状粘土鉱物微粒子は、蛍光体分散液中においてカードハウス構造として存在し、少量で蛍光体分散液の粘度を大幅に高めることができる。また、層状粘土鉱物微粒子は平板状を呈するため、蛍光体層6(図1参照)の膜強度を向上させることもできる。また、粘土鉱物微粒子としては、層状粘土鉱物以外にも、イモゴライトやアロフェンなどを使用することもできる。
層状粘土鉱物微粒子としては、天然または合成の、ヘクトライト、サポナイト、スチブンサイト、ハイデライト、モンモリロナイト、ノントライト、ベントナイト等のスメクタイト属粘土鉱物や、Na型テトラシリシックフッ素雲母、Li型テトラシリシックフッ素雲母、Na型フッ素テニオライト、Li型フッ素テニオライト等の膨潤性雲母属粘土鉱物およびバーミキュラライトまたはこれらの混合物が挙げられる。
層状粘土鉱物微粒子の市販品の例には、ラポナイトXLG(英国、ラポート社製合成ヘクトライト類似物質)、ラポナイトRD(英国、ラポート社製合成ヘクトライト類似物質)、サーマビス(独国、ヘンケル社製合成ヘクトライト類似物質)、スメクトンSA−1(クニミネ工業(株)製サポナイト類似物質)、ベンゲル(ホージュン(株)販売の天然ベントナイト)、クニビアF(クニミネ工業(株)販売の天然モンモリロナイト)、ビーガム(米国、バンダービルト社製の天然ヘクトライト)、ダイモナイト(トピー工業(株)製の合成膨潤性雲母)、ソマシフ(コープケミカル(株)製の合成膨潤性雲母)、SWN(コープケミカル(株)製の合成スメクタイト)、SWF(コープケミカル(株)製の合成スメクタイト)などが挙げられる。
蛍光体分散液における層状粘土鉱物微粒子の含有量は0.1〜5重量%であることが好ましく、2〜5重量%であることがより好ましい。層状粘土鉱物微粒子の含有量が少ないと、蛍光体分散液の粘度が高めにくく、蛍光体粒子が沈降しやすくなる。一方、層状粘土鉱物微粒子の含有量が多いと、蛍光体層6(図1参照)の膜安定性が低下して、亀裂が生じやすくなったりする。
蛍光体分散液での有機溶媒との相溶性を考慮して、層状粘土鉱物微粒子の表面は、アンモニウム塩等で修飾(表面処理)されていてもよい。
第2無機粒子である粒状無機粒子の例には、酸化ケイ素、酸化チタンおよび酸化亜鉛などの酸化物微粒子、フッ化マグネシウムなどのフッ化物微粒子などが含まれる。粒状無機粒子は、好ましくは酸化物微粒子であり;特に、蛍光体層におけるバインダを、ポリシロキサンなどの含ケイ素有機化合物の硬化物であるセラミックとする場合には、形成されるセラミックに対する安定性の観点から、粒状無機粒子を酸化ケイ素とすることが好ましい。
蛍光体分散液における粒状無機粒子の含有量は、1〜40重量%であることが好ましい。
粒状無機粒子は、バインダと、蛍光体および第1無機粒子(層状ケイ酸塩鉱物)との界面に生じる隙間を埋める充填剤として機能したり、蛍光体分散液の粘性を増加させる増粘剤として機能したり、蛍光体層の膜強度を向上させる膜強化剤などとして機能しうる。
粒状無機粒子の平均粒径は、上述したそれぞれの効果を考慮して0.001μm以上50μm以下であることが好ましい。粒状無機粒子の平均粒径は、例えばコールターカウンター法によって測定することができる。
粒状無機粒子の表面は、シランカップリング剤やチタンカップリング剤で処理されていてもよい。表面処理によって、粒状無機粒子の、有機金属化合物や有機溶媒との相溶性が高まる。
[溶媒]
蛍光体分散液の溶媒は、好ましくはアルコール類を含む。アルコール類の例には、モノアルコール、ジオール、トリオール、それ以上の多価アルコールが含まれる。2価以上のアルコールを分散溶媒として用いれば、蛍光体分散液の粘度を高めやすく、分散質である蛍光体粒子の沈降が防止しやすくなる。また、1価アルコールを分散溶媒として用いれば、塗布膜の乾燥速度を早くすることができ、生産性を高めることができる。
[蛍光体分散液の製造方法]
本発明の蛍光体分散液の製造方法には、第1蛍光体分散液を得る工程と、第2蛍光体分散液を得る工程とを含む。
第1蛍光体分散液は、蛍光体と、無機粒子と、第1溶媒とを含む。蛍光体と無機粒子は、前述の通りである。第1溶媒には、アルコール類が含まれることが好ましい。アルコール類は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの1価アルコールでもよいし;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオールなど、好ましくは、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオールなどのジオールであってもよいし;グリセリンなどのトリオールであってもよいし、それ以上の多価アルコールであってもよい。2種以上のアルコールが含まれていてもよい。
第1蛍光体分散液の粘度は、高せん断速度領域では、スプレー性等の塗布性を確保する上で、低い方が望ましい。一方で、低せん断速度領域では、タンク内等での静置状態での沈降を抑制する上で、高い方が望ましい。
第1蛍光体分散液の測定温度25℃でのせん断速度60(1/s)における粘度η1は、50mPa・s以上1000mPa・s以下が好ましく、より好しくは、120mPa・s以上500mPa・s以下である。
一方、第1蛍光体分散液の測定温度25℃でのせん断速度1(1/s)における粘度η2は、粘度η1の10倍以上であることが望ましい。第1蛍光体分散液の測定温度25℃でのせん断速度1(1/s)における粘度η2は、1000mPa・s以上1.0×10mPa・s以下が好ましく、1000mPa・s以上40000mPa・s以下がより好ましい。
第1蛍光体分散液の各せん断速度での粘度は、HAAKE社製レオストレスRS600により、以下の条件で測定する。センサーは、直径60mmのパラレルプレートセンサーとし、ギャップ(上下プレートの間隔)は0.15mmとする。測定用のサンプル量は1回の測定あたり2ccとし、フローカーブモードで、せん断速度0.1(1/s)を出発点として、100,000(1/s)までの間、等間隔で10点のせん断速度を測定する。各せん断速度における保持時間(せん断速度を変更してから、測定開始するまでの時間)は1分とする。図3に示すように、せん断速度と粘度とをプロットしたグラフから、せん断速度1,000(1/s)における粘度η1、及びせん断速度1(1/s)における粘度η2を読み取り、測定値とする。
第1蛍光体分散液の粘度η2を高粘度とすることで、それを希釈して得る第2蛍光体分散液における蛍光体の沈降が効果的に抑制されうる。混合液を撹拌して、第1蛍光体分散液の粘度η2を1000mPa・s以上にすることで、蛍光体と無機粒子の一部とが密着した状態となり、蛍光体に無機粒子が付着している状態となりうる。粘度η2を1000mPa・s以上に粘度を高めるための撹拌によって、蛍光体および無機粒子に強いせん断力が加わり、両者がこすれあうことによって密着した状態となりうるからである。
このような、粘度のせん断速度依存性は、第1蛍光体分散液を分散作製する際の撹拌装置や分散装置およびこれらの撹拌条件、分散条件を適宜調整することにより得ることができる。
第1蛍光体分散液は、蛍光体と、無機粒子と、第1溶媒を含む混合液を撹拌して得ることができる。混合液の撹拌は、例えば、撹拌ミル、ブレード混練撹拌装置、薄膜旋回型分散機などを用いて行うことができる。
混合液の撹拌に用いられる撹拌装置としては公知のものを全て使用できる。例えば、ウルトラタラックス(IKAジャパン社製)、TKホモミクサー(プライミクス社製)、TKパイプラインホモミクサー(プライミクス社製)、TKフィルミックス(プライミクス社製)、クレアミックス(エム・テクニック社製)、クレアSS5(エム・テクニック社製)、キャビトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工社製)のようなメディアレス撹拌機、ビスコミル(アイメックス製)、アペックスミル(寿工業社製)、スターミル(アシザワ、ファインテック社製)、DMPA・Sスーパーフロー(日本アイリッヒ社製)、エムピーミル(井上製作所社製)、スパイクミル(井上製作所社製)、マイティーミル(井上製作所社製)、SCミル(三井鉱山社製)などのメディア攪拌機等やアルティマイザー(スギノマシン社製)、ナノマイザー(吉田機械社製)、NANO3000(美粒社製)などの高圧衝撃式分散装置が挙げられる。また、超音波分散装置も好適に用いることが可能である。
第1蛍光体分散液に含まれる蛍光体は、非常に硬い粒子であるため、攪拌装置と第1蛍光体分散液とが接する部分の摩耗、及びこれに伴う摩耗粉の混入を避けることが好ましい。具体的には、攪拌装置と第1蛍光体分散液とが接する部分の材質を、チタニア、ジルコニア、アルミナ等のセラミックや、シリコーンカーバイドとすることが挙げられる。また、接液部分を、チタン系酸化物、クロム系窒化物、ダイアモンド・ライク・カーボンでコートすることも好ましい。
第2蛍光体分散液は、第1蛍光体分散液を第2溶媒で希釈して、さらに撹拌することで得られる。第2溶媒は、第1溶媒と同様に、アルコール類が含まれることが好ましい。さらに、第2溶媒は、第1溶媒に含まれるアルコールと同一種のアルコールを含むことが好ましい。例えば、第1溶媒がイソプロパノールを含む場合には、第2溶媒にもイソプロパノールが含まれることが好ましい。第1蛍光体分散液を、第2溶媒によって均一に希釈しやすいからである。
第2溶媒での希釈物を撹拌する手段は特に限定されず、第1蛍光体分散液を得るための撹拌装置と同様の装置を用いうるが、例えば、スターラー、スリーワンモーター、超音波分散装置などが好適に用いられる。第1蛍光体分散液を第2溶媒で希釈する場合には、添加する第2溶媒の全量を、第1蛍光体分散液に一度で添加してしまってもよいが;複数回に分けて添加してもよい。
第1蛍光体分散液の第2溶媒による希釈は、後述の塗布装置の塗布液タンク210(図2参照)内で行ってもよい。例えば、スターラーを設けた塗布液タンク210に第1蛍光体分散液を投入し、さらに第2溶媒を投入して、スターラーで撹拌すればよい。もちろん、第1蛍光体分散液の第2溶媒による希釈は塗布装置の外部で行われてもよく、その場合には、調製した第2蛍光体分散液を塗布装置の塗布液タンク210に投入してもよい。
第2蛍光体分散液の測定温度25℃におけるせん断速度60(1/s)での粘度η3は、40mPa・s以上800mPa・s以下であることが好ましく、さらに好ましくは300mPa・以下である。粘度η3を800mPa・s未満とすることで、第2蛍光体分散液を塗布装置で塗布しやすくなり、成膜される塗布膜を均一としやすくなる。また、40mPa・s以上とすることで、第2蛍光体分散液中の蛍光体が沈降しにくくなる。
このように、粘度の高い第1蛍光体分散液を第2溶媒で希釈して得た第2蛍光体分散液は、蛍光体が沈降しにくいという特性を有する。つまり、蛍光体と無機粒子と溶媒との混合液を撹拌するだけで得た蛍光体分散液と同一組成の本発明の蛍光体分散液とを比較すると、蛍光体が沈降しにくい。この作用は、第1蛍光体分散液において、蛍光体に無機粒子の一部が付着しており、この付着状態が第2蛍光体分散液においても維持されることで得られる。無機粒子は溶媒との親和性が高く分散しやすいので、無機粒子が付着した蛍光体も分散しやすく、沈降が抑制される。
また、蛍光体分散液に硬化してバインダとなる成分であるシリコーン樹脂、有機金属化合物を含んでいる場合、液の調製から時間が経つと蛍光体分散液内のバインダとなる成分が化学反応を起こし液の粘度が時間の経過とともに高くなり、蛍光体分散液としてのポットライフが短くなってしまう場合がある。したがって、第1蛍光体分散液、第2蛍光体分散液はシリコーン樹脂、有機金属化合物などのバインダとなる成分を含まないことが好ましい。これにより、上記化学反応が発生せず、ポットライフが長い、安定した液とすることができる。
[蛍光体分散液の用途]
本発明の蛍光体分散液は、LED装置における蛍光体層を成膜するために用いられうる(後述)。特に、本発明の蛍光体分散液は、バインダ溶液と組み合わされて、LEDチップに塗布されて蛍光体層とされることが好ましい。組み合わされるバインダは、有機樹脂であってもよいし、透明セラミックであってもよい。
2.LED装置について
[LED装置]
LED装置は、パッケージと、LEDチップと、LEDチップの発光面を覆う蛍光体層とを有し、さらに蛍光体層を覆う任意の保護層を有する。図1は、LED装置100の例を示す断面図である。LED装置は、凹部11を有するパッケージ1と、メタル部(メタル配線)2と、パッケージ1の凹部11に配置されたLEDチップ3と、メタル部2とLEDチップ3とを接続する突起電極4とを有する。このように、突起電極4を介してメタル部2とLEDチップ3とを接続する態様を、フリップチップ型という。
パッケージ1は、例えば液晶ポリマーやセラミックであるが、絶縁性と耐熱性を有していれば、その材質は特に限定されない。
LEDチップ3は、例えば青色LEDチップである。青色LEDチップの構成の例には、サファイア基板に積層されたn-GaN系化合物半導体層(クラッド層)と、InGaN系化合物半導体層(発光層)と、p-GaN系化合物半導体層(クラッド層)と、透明電極層との積層体である。
LEDチップ3は、例えば200〜300μm×200〜300μmの面を有し、LEDチップ3の高さは、例えば数十μmである。
図1に示されるLED装置100には、パッケージ1の凹部11に、1つのLEDチップ3が配置されているが;パッケージ1の凹部11に、複数のLEDチップ3が配置されていてもよい。
さらにLED装置100は、LEDチップ3の発光面を覆う蛍光体層6を有する。蛍光体層6とは、蛍光体を含む層である。蛍光体層6は、LEDチップ3の発光面(典型的にはLEDチップの上面)を覆っていればよく、図1に示されているように、LEDチップ3の側面をも覆っていることが好ましい。蛍光体層6の厚みは特に制限されないが、15μm〜300μmであることが好ましく、20μm〜100μmであることがさらに好ましい。
蛍光体層6は、LEDチップ3から出射される光(励起光)を受けて、蛍光を発する層である。励起光と蛍光とが混ざることで、LED装置100から所望の色の光が発光する。すなわち、蛍光体層6は波長変換層として機能する。例えば、LEDチップ3からの光が青色であり、蛍光体層6からの蛍光が黄色であれば、LED装置100は白色LED装置となる。
蛍光体層6には、蛍光体粒子が均一に存在していることが求められる。LED装置100からの発光が色むらのない所望の色になるようにするためである。本発明の蛍光体分散液によれば、蛍光体粒子が均一に存在した蛍光体層6を成膜しやすい。
蛍光体層6には、蛍光体粒子、無機粒子と、バインダと、他の任意成分とが含まれる。無機粒子には、層状微粒子(層状粘土鉱物微粒子)と粒状無機粒子(酸化物微粒子)とが含まれることが好ましい。
蛍光体層6における蛍光体粒子の含有量は、50重量%〜95重量%であることが好ましい。
バインダは、シリコーン樹脂などの透明有機樹脂であってもよいし、ガラスなどの透明セラミックなどであってもよいが;蛍光体層6の耐熱性などを高める点からは、バインダは透明セラミックであることが好ましい。
蛍光体層6におけるバインダ(透明セラミック)の含有量は、2重量%以上50重量%以下であることが好ましく、2.5重量%以上30重量%以下であることがより好ましい。蛍光体層6におけるバインダ(透明セラミック)の含有量が2重量%未満では、バインダとしてのセラミックが少な過ぎるために、加熱焼成後の蛍光体層6の強度が低下する。一方、バインダ(透明セラミック)の含有量が50重量%を超えると、無機粒子(層状粘土鉱物微粒子や粒状無機粒子など)の含有量が相対的に低下する。無機粒子の含有量が相対的に低下すると、蛍光体層6の強度が低下する。また、蛍光体層6における層状粘土鉱物微粒子の含有量が相対的に低下すると、蛍光体分散液における層状粘土鉱物微粒子の含有量も低下しやすく、蛍光体分散液の粘度も低下しやすい。
蛍光体層6における層状ケイ酸塩鉱物の含有量は0.5重量%以上20重量%以下とすることが好ましく、0.5重量%以上10重量%以下がより好ましい。蛍光体層6における層状ケイ酸塩鉱物の含有量が0.5重量%未満になると、蛍光体分散液の粘性を増加させる効果が十分に得られない。一方、層状ケイ酸塩鉱物の含有量が20重量%を超えるとセラミック層の強度が低下する。
蛍光体層6における粒状無機粒子の含有量は0.5重量%以上50重量%以下とすることが好ましく、1重量%以上40重量%以下がより好ましい。蛍光体層6における粒状無機粒子の含有量が0.5重量%未満であるか、または50重量%を超えると、蛍光体層の強度が十分に高まらない。
蛍光体層6は、保護層に覆われていてもよい。例えば、蛍光体層6のバインダが透明セラミックである場合には、蛍光体層6をシリコーン樹脂からなる保護層で覆うことができる。
[LED装置の製造方法]
LED装置は、パッケージにLEDチップが実装されたLEDチップ実装パッケージを用意する工程と、LEDチップの発光面に「蛍光体分散液」と「バインダ溶液」とを塗布して蛍光体層を成膜する工程と、を含むプロセスで製造されうる。
LEDチップ実装パッケージ90は、パッケージ1とそれに配置されたLEDチップ3とを有する(図2参照)。LEDチップ実装パッケージ90のLEDチップ3の発光面に蛍光体分散液とバインダ溶液とを塗布するが、通常は、蛍光体分散液を塗布してから、バインダ溶液を塗布する。蛍光体分散液の塗布とバインダ溶液の塗布とを、複数回ずつ繰り返し行ってもよい。
LEDチップに塗布する蛍光体分散液として、前述の蛍光体分散液を用いることができる。
バインダ溶液
バインダ溶液には、バインダまたはその前駆体が含まれている。前述の通り、バインダはシリコーン樹脂または透明セラミックであることが好ましい。バインダをシリコーン樹脂とする場合には、バインダ溶液にシリコーン樹脂を配合することが好ましい。バインダを透明セラミックとする場合には、バインダ溶液に透明セラミックの前駆体である有機金属化合物を配合することが好ましい。
バインダ溶液に含まれる有機金属化合物は、ゾル−ゲル反応することによって透明セラミック(好ましくはガラスセラミック)となる。生成するセラミックは、蛍光体、無機粒子(層状ケイ酸塩鉱物および粒状無機粒子を含む)を結合させて、LEDチップを封止する蛍光体層を構成する。
有機金属化合物の例には、金属アルコキシド、金属アセチルアセトネート、金属カルボキシレートなどが含まれるが、加水分解と重合反応によりゲル化し易い金属アルコキシドが好ましい。透光性のガラスセラミックを形成可能であれば金属の種類に制限はない。形成されるガラスセラミックの安定性や製造の容易性の観点から、ケイ素を含有していることが好ましい。また、複数種の有機金属化合物を組み合わせてもよい。
金属アルコキシドは、テトラエトキシシランのような単分子でもよいし、有機シロキサン化合物が鎖状または環状に連結したポリシロキサンでもよいが;ポリシロキサンによれば、バインダ溶液の粘性を高めることができる。
有機金属化合物の他の例には、ポリシラザンが含まれる。ポリシラザンは、一般式:(RSiNRで表されうる。式中、R、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子またはアルキル基、アリール基、ビニル基、シクロアルキル基を表すが、R、R、Rのうち少なくとも1つは水素原子であり、好ましくはすべてが水素原子であり、nは1〜60の整数を表す。ポリシラザンの分子形状はいかなる形状であってもよく、例えば、直鎖状または環状であってもよい。
バインダ溶液には、有機金属化合物(特に、ポリシラザン)とともに、反応促進剤が含まれていてもよい。反応促進剤は、酸または塩基などでありうる。反応促進剤の具体例には、トリエチルアミン、ジエチルアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミンなどの塩基や、塩酸、シュウ酸、フマル酸、スルホン酸、酢酸や、ニッケル、鉄、パラジウム、イリジウム、白金、チタン、アルミニウムを含む金属のカルボン酸塩などが含まれるが、これに限られない。特に好ましい反応促進剤は金属カルボン酸塩であり、添加量はポリシラザンを基準にして0.01〜5mol%が好ましい添加量である。
バインダ溶液には、溶媒が含まれていてもよい。溶媒の例には、アルコール類、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン炭化水素、エーテル類、エステル類などが含まれる。好ましい溶媒は、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジメチルフルオライド、クロロホルム、四塩化炭素、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチルブチルエーテルなどである。
バインダ溶液におけるポリシラザン濃度は高い方が好ましいが、ポリシラザン濃度が上昇すると、バインダ溶液の保存期間が短縮する。そのため、バインダ溶液におけるポリシラザンの濃度は、5〜50wt%(重量%)であることが好ましい。
ポリシラザン溶液をバインダ溶液として用いる場合には、バインダ溶液を塗布し、塗膜を加熱するかまたは塗膜に光を照射することで、塗膜をセラミック膜とすることが好ましい。塗膜を加熱する温度は、LEDチップのパッケージとして用いられる液晶ポリマー等の劣化を抑制する観点からは、150℃〜500℃が好ましく、150℃〜350℃とすることがより好ましい。特に、170〜230nmの範囲の波長成分を含むUVU放射線(例えばエキシマ光)を塗膜に照射して硬化させた後に、さらに加熱硬化を行うことで、水分の浸透防止効果をより向上させることができる。
蛍光体分散液やバインダ溶液は、塗布装置によってLEDチップに塗布されて蛍光体層を構成する。塗布装置の例には、スプレー塗布装置やディスペンサー塗布装置などが含まれる。これらの塗布装置を用いれば、複数のLED装置を連続して製造することができる。特に、スプレー装置によれば、薄い蛍光体層を成膜しやすい。
塗布装置は、塗布液(蛍光体分散液またはバインダ溶液)を貯留する塗布液タンクと、塗布液を吐出するためのノズルを有するヘッドと、塗布液タンクとノズルとを連通させる連結管とを有することが好ましい。図2には、塗布液を塗布するためのスプレー塗布装置の概要が示される。
図2に示される塗布装置200における塗布液タンク210には、第2蛍光体分散液が投入されてもよいし;第1蛍光体分散液と第2溶媒とが投入されて、塗布液タンク210内で第2蛍光体分散液が調製されてもよい。
図2に示される塗布装置200における塗布液タンク210内の蛍光体分散液220は、圧力をかけられて連結管230を通じてヘッド240に供給される。ヘッド240に供給された蛍光体分散液220は、ノズル250から吐出されて、塗布対象物(LEDチップ)に塗布される。スプレー塗布装置の場合には、ノズル250からの塗布液の吐出は風圧によって行われる。ノズル250の先端に開閉自在な開口部を設けて、この開口部を開閉操作して、吐出作業のオン・オフを制御する構成としてもよい。
従来は、塗布液タンク210に収容された蛍光体分散液220に分散された蛍光体粒子は、塗布作業の時間の経過と共に、徐々に沈降する可能性があった。蛍光体粒子の比重が大きいからである。蛍光体粒子が沈降すると、ヘッド240に供給される蛍光体分散液220における蛍光体の濃度が変化し;ヘッド240からLEDチップ3に塗布される蛍光体分散液220における蛍光体の濃度も変化する。その結果、塗布作業初期に得られたLED装置からの発光の色度と、塗布作業終期に得られたLED装置100からの発光の色度とが異なることがあった。そのため、製造されるLED装置の発光の色度にばらつきが生じていた。
これに対して本発明の蛍光体分散液は、蛍光体粒子の沈降が生じにくく、均一な分散状態が維持されやすい。そのため、塗布装置200の塗布液タンク210に長時間貯留されても、蛍光体分散液における蛍光体粒子は均一に分散している。その結果、塗布作業初期と終期とで、塗布対象物に塗布される蛍光体分散液における蛍光体の濃度も一定となる。
蛍光体分散液の塗布工程では、下記(1)〜(9)の操作や条件設定などをおこなう。
(1)基本的には、ノズル250の先端部をパッケージ1の直上に配置して蛍光体分散液220をLEDチップ3の真上から噴射する。LEDチップ3は直方体状である場合には、蛍光体分散液220をLEDチップ3の真上から噴射したり、LEDチップ3の斜上方から噴射したりしてもよい。斜め上方から噴射することで、LEDチップ3の角部に蛍光体分散液220を適切に塗布することができる。このようにして、LEDチップ3の側面に対しても蛍光体分散液220を均一に塗布することが好ましい。
(2)蛍光体分散液220の噴射量は一定とし、単位面積当たりの蛍光体量を一定とする。蛍光体分散液220の噴射量の経時的なバラツキは10%以内とし、好ましくは1%以内とする。
(3)ノズル250を温度を調整し、蛍光体分散液220の噴射時の粘度を調整する。好ましくは蛍光体分散液220の温度を40℃以下に調整するか、または蛍光体分散液220の粘度にあわせて調整する。この場合、パッケージ1を室温環境下においてもよいし、温度調整機構を移動台に設けてパッケージ1の温度をコントロールしてもよい。パッケージ1の温度を30〜100℃で高く設定すれば、パッケージ1に噴射された蛍光体分散液220中の有機溶媒を早く揮発させることができ、蛍光体分散液220がパッケージ1から液だれするのを防止することができる。逆に、パッケージ1の温度を5〜20℃と低く設定すれば、溶媒をゆっくり揮発させることができ、蛍光体分散液220をLEDチップ3の外壁に沿って均一に塗布することができる。ひいては蛍光体層6の膜密度や膜強度などを高めることができ、緻密な膜を形成することができる。
(4)塗布装置200の環境雰囲気(温度・湿度)を一定とし、蛍光体分散液220の噴射を安定させる。特に、有機金属化合物としてポリシラザンを使用する場合、ポリシラザンが吸湿性を有しており蛍光体分散液220自体が固化する可能性があるため、蛍光体分散液220を噴射するときは好ましくは湿度を低くする。
(5)塗布装置200とパッケージ1との間にLEDチップ3の形状に応じたマスクを配置し、当該マスクを介して蛍光体分散液220を噴射する。マスクとしては、蛍光体分散液220を構成する有機溶媒に溶解しない材質のものを使用する必要があるが、マスクに付着した蛍光体等の材料の回収の観点から好ましくは可燃性のものを使用する。
(6)1つのパッケージ1への蛍光体分散液220の噴射・塗布が終了したら、その次のパッケージ1に対して、上記と同様の操作を繰り返し、複数のパッケージ1のLEDチップ3上に蛍光体分散液220を順次噴射・塗布する。この場合、パッケージ1の切り替えとは無関係に、蛍光体分散液220を連続的に噴射し続けてもよいし、パッケージ1を切り替えるごとに蛍光体分散液220の噴射を一時的に休止して、蛍光体分散液220を断続的に噴射してもよい。蛍光体分散液220を連続的に噴射し続ければ、各パッケージ1に対する蛍光体分散液220の噴射量を安定させることができる。蛍光体分散液220を断続的に噴射すれば、蛍光体分散液220の使用量を節約することができる。
(7)噴射・塗布工程中は、一定数のパッケージ1への蛍光体分散液220の噴射・塗布が終了するごとに、白色光の色度や輝度を実際に検査し、その検査結果を蛍光体分散液220の噴射量や噴射圧、噴射温度などにフィードバックしてもよい(検査工程)。
(8)噴射・塗布工程中は、ノズル250をクリーニングしてもよい。この場合、スプレー装置200の近傍に、洗浄液を貯留したクリーニングタンクを設置し、蛍光体分散液220の噴射の休止中や白色光の色度・輝度の検査中などにおいて、ノズル250の先端部をクリーニングタンク中に浸漬させ、ノズル250の先端部の乾燥を防ぐ。また、噴射・塗布工程の休止中には、蛍光体分散液220が硬化してノズル250の噴射孔がつまる恐れがあるので、ノズル250をクリーニングタンク中に浸漬させるか、噴射・塗布工程の開始時にノズル250をクリーニングすることが好ましい。
(9)噴射・塗布工程では、蛍光体分散液220をミスト状に噴射するため、蛍光体分散液220中の有機溶媒が揮発すると、蛍光体,無機粒子などの粉体が飛散することもある。そのため、好ましくは塗布装置200の全体をハウジングなどで被覆してフィルタ越しに集塵・排気しながら、噴射・塗布工程や検査工程の処理を実行する。蛍光体をフィルタで捕集すれば、高価な蛍光体を再利用することができる。
このようにして蛍光体層6を成膜して、図1に示されるLED装置100を得る。さらに、蛍光体層6を成膜した後に、さらにシリコーン樹脂などから成る保護層で蛍光体層6を覆ってもよい。保護層の成膜も、スプレー装置やディスペンサー装置を用いればよい。LED装置100には、さらに他の光学部品(レンズなど)が設けられて各種光学部材として用いられる。
以下において、実施例を参照して本発明をより詳細に説明するが、これらの記載によって本発明は限定して解釈されない。
(1)蛍光体粒子の作製
以下の手順で黄色蛍光体粒子を作製した。下記に示す組成の蛍光体原料を十分に混合した混合物を、アルミ坩堝に充填し、これにフラックスとしてフッ化アンモニウム等のフッ化物を適量混合した。充填物を、水素含有窒素ガスを流通させた還元雰囲気中において1350〜1450℃の温度範囲で2〜5時間焼成して、焼成品((Y0.72Gd0.24Al12:Ce0.04)を得た。
[原料組成]
・・・ 7.41g
Gd ・・・ 4.01g
CeO ・・・ 0.63g
Al ・・・ 7.77g
得られた焼成品を粉砕、洗浄、分離、乾燥することで所望の蛍光体を得た。得られた蛍光体を粉砕して約10μmの粒径の蛍光体粒子とした。得られた蛍光体粒子の組成を調べて、所望の蛍光体であることを確認した。波長465nmの励起光に対する発光波長を調べたところ、おおよそ波長570nmにピーク波長を有していた。
(2)第1蛍光体分散液の調製
第1蛍光体分散液の調製には、以下の原料を用いた。
(分散溶媒の有機溶媒)
EG:エチレングリコール
PG:プロピレングリコール
EtOH:エタノール
1,3−BD:1,3−ブタンジオール
iso−PrOH:イソプロピルアルコール
(層状粘土鉱物)
層状粘土鉱物A:(スメクタイト)ルーセンタイトSWN(コープケミカル社製)
層状粘土鉱物B:(合成雲母)ミクロマイカMK−100(コープケミカル製)
層状粘土鉱物C:(モンモリロナイト)クニピアF(クニミネ工業製)
層状粘土鉱物D:(ベントナイト)ベンゲルHVP(ホージュン製)
(粒状無機粒子)
シリカA:(シリカ)AEROSIL RX300(日本アエロジル製)
シリカB:(シリカ)サイリシア470(富士シリシア化学製)
シリカC:(シリカ)VM−2270(ダウコーニング製)
シリカD:(シリカ)SS−50F(日本シリカ製)
アルミナ:AEROXIDE Alu−C(日本アエロジル製)
蛍光体分散液の分散には、エム・テクニック社製クレアミックスCLM−0.8S、IKAジャパン社製ウルトラタラックスT50、スギノマシン社製スターバーストミニ、プライミクス社製TKホモミクサーMARKII2.5型、プライミクス社製フィルミックスFM80−50、吉田機械興業社製ナノマイザーNM2−L200、ギンセン社製超音波分散装置GDS600RATを用いた。また、それぞれの装置における分散条件は、表1に示す。
蛍光体分散液の粘度は、HAAKE社製レオストレスRS600を用いて測定した。
センサーは、直径60mmのパラレルプレートセンサーとし、ギャップ(上下プレートの間隔)は0.15mm、測定温度は25℃とした。また、測定用サンプルの量は1回の測定あたり2ccとした。
フローカーブモードで、せん断速度0.1(1/s)を出発点として、1×10(1/s)までの間、等間隔で10点のせん断速度で粘度測定を行った。各せん断速度における保持時間(せん断速度を変更してから、測定開始するまでの時間)は1分とした。図3に示すように、測定時のせん断速度と粘度との関係をグラフ化し、せん断速度60(1/s)における粘度η1、および、せん断速度1(1/s)における粘度η2、を読み取り、測定値とした。
(2.1)サンプル1
前記蛍光体粒子(90質量部)と、ベンゲルHVP(3質量部)と、RX300(3質量部)とを、エチレングリコール(90質量部)とイソプロピルアルコール(60質量部)とからなる混合溶媒に添加した。それをTKホモミクサーにて混合することで第1蛍光体分散液(サンプル1)を調製した。第1蛍光体分散液(サンプル1)のせん断速度60(1/s)における粘度η1は50mPa・s、せん断速度1(1/s)における粘度η2は1000mPa・sであった。
(2.2)サンプル2
前記蛍光体粒子(90質量部)と、ルーセンタイトSWN(3質量部)と、RX300(3質量部)とを、プロピレングリコール(100質量部)とイソプロピルアルコール(75質量部)とからなる混合溶媒に添加した。それをウルトラタラックスに混合することで第1蛍光体分散液(サンプル2)を調製した。第1蛍光体分散液(サンプル2)のせん断速度60(1/s)における粘度η1は50mPa・s、せん断速度1(1/s)における粘度η2は900mPa・sであった。
(2.3)サンプル3
前記蛍光体粒子(90質量部)と、ルーセンタイトSWN(3質量部)と、RX300(3質量部)とを、プロピレングリコール(100質量部)とイソプロピルアルコール(75質量部)とからなる混合溶媒に添加した。それをTKホモミクサーにて混合することで第1蛍光体分散液(サンプル3)を調製した。第1蛍光体分散液(サンプル3)のせん断速度60(1/s)における粘度η1は100mPa・s、せん断速度1(1/s)における粘度η2は900mPa・sであった。
(2.4)サンプル4
前記蛍光体粒子(90質量部)と、ルーセンタイトSWN(3質量部)と、RX300(3質量部)とを、プロピレングリコール(100質量部)とイソプロピルアルコール(75質量部)とからなる混合溶媒に添加した。それをTKホモミクサーにてサンプル3とは分散条件を変えて混合することで第1蛍光体分散液(サンプル4)を調製した。第1蛍光体分散液(サンプル4)のせん断速度60(1/s)における粘度η1は100mPa・s、せん断速度1(1/s)における粘度η2は1500mPa・sであった。
(2.5)サンプル5
前記蛍光体粒子(90質量部)と、ミクロマイカMK−100(4質量部)と、サイリシア470(3質量部)と、AEROXIDE Alu−C(1質量部)を、エチレングリコール(90質量部)とイソプロピルアルコール(50質量部)とからなる混合溶媒に添加した。それを超音波分散装置にて混合することで第1蛍光体分散液(サンプル5)を調製した。第1蛍光体分散液(サンプル5)のせん断速度60(1/s)における粘度η1は150mPa・s、せん断速度1(1/s)における粘度η2は2000mPa・sであった。
(2.6)サンプル6
前記蛍光体粒子(90質量部)と、ミクロマイカMK−100(4質量部)と、サイリシア470(3質量部)と、AEROXIDE Alu−C(1質量部)を、エチレングリコール(90質量部)とイソプロピルアルコール(50質量部)とからなる混合溶媒に添加した。それをナノマイザーにて混合することで第1蛍光体分散液(サンプル6)を調製した。第1蛍光体分散液(サンプル6)のせん断速度60(1/s)における粘度η1は250mPa・s、せん断速度1(1/s)における粘度η2は5000mPa・sであった。
(2.7)サンプル7
前記蛍光体粒子(100質量部)と、ミクロマイカMK−100(4質量部)と、SS-50F(3質量部)とを、プロピレングリコール(100質量部)とイソプロピルアルコール(60質量部)とからなる混合溶媒に添加した。それをクレアミックスにて混合することで第1蛍光体分散液(サンプル7)を調製した。第1蛍光体分散液(サンプル7)のせん断速度60(1/s)における粘度η1は400mPa・s、せん断速度1(1/s)における粘度η2は12000mPa・sであった。
(2.8)サンプル8
前記蛍光体粒子(100質量部)と、ベンゲルHVP(4質量部)と、サイリシア470(3質量部)とを、1,3−ブタンジオール(100質量部)とイソプロピルアルコール(55質量部)とからなる混合溶媒に添加した。それをウルトラタラックスにて混合することで第1蛍光体分散液(サンプル8)を調製した。第1蛍光体分散液(サンプル8)のせん断速度60(1/s)における粘度η1は500mPa・s、せん断速度1(1/s)における粘度η2は32000mPa・sであった。
(2.9)サンプル9
前記蛍光体粒子(100質量部)と、クニピアF(4質量部)と、VM−2270(3質量部)とを、プロピレングルコール(100質量部)とエタノール(45質量部)とからなる混合溶媒に添加した。それをスターバーストにて混合することで第1蛍光体分散液(サンプル9)を調製した。第1蛍光体分散液(サンプル9)のせん断速度60(1/s)における粘度は600mPa・s、せん断速度1(1/s)における粘度η2は1×10mPa・sであった。
(2.10)サンプル10
前記蛍光体粒子(100質量部)と、クニピアF(4質量部)と、VM−2270(3質量部)とを、プロピレングリコール(100質量部)とエタノール(45質量部)とからなる混合溶媒に添加した。それをフィルミックスにて混合することで第1蛍光体分散液(サンプル10)を調製した。第1蛍光体分散液(サンプル10)のせん断速度60(1/s)における粘度η1は1000mPa・s、せん断速度1(1/s)における粘度η2は1×10mPa・sであった。
(2.11)サンプル11
前記蛍光体粒子(120質量部)と、ルーセンタイトSWN(3質量部)と、SS−50F(4質量部)とを、プロピレングリコール(90質量部)とイソプロピルアルコール(90質量部)とからなる混合溶媒に添加した。それをクレアミックスにて混合することで第1蛍光体分散液(サンプル11)を調製した。第1蛍光体分散液(サンプル11)のせん断速度60(1/s)における粘度η1は1200mPa・s、せん断速度1(1/s)における粘度η2は1×10mPa・sであった。
(2.12)サンプル12
前記蛍光体粒子(120質量部)と、ルーセンタイトSWN(3質量部)と、SS−50F(4質量部)とを、プロピレングリコール(80質量部)とイソプロピルアルコール(90質量部)とからなる混合溶媒に添加した。それをスターバーストにて混合することで第1蛍光体分散液(サンプル12)を調製した。第1蛍光体分散液(サンプル12)のせん断速度60(1/s)における粘度η1は1200mPa・s、せん断速度1(1/s)における粘度η2は1.1×10mPa・sであった。
Figure 0005870736
(3)第2蛍光体分散液の調製
サンプル1〜12を、各種条件で溶媒希釈して、第2蛍光体分散液を得た。
(3.1)実施例1
サンプル1(246質量部)にイソプロピルアルコール(5質量部)を添加して、スターラーで撹拌した。撹拌後のせん断速度60(1/s)における粘度η3は40mPa・sであった。
(3.2)比較例1
サンプル1(246質量部)にイソプロピルアルコール(7質量部)を添加して、スターラーで撹拌した。撹拌後のせん断速度60(1/s)における粘度η3は30mPa・sであった。
(3.3)比較例2
サンプル2(271質量部)に、イソプロピルアルコール(5質量部)を添加して、スターラーで撹拌した。撹拌後のせん断速度60(1/s)における粘度η3は40mPa・sであった。
(3.4)比較例3
サンプル3(271質量部)に、イソプロピルアルコール(7質量部)を添加して、スターラーで撹拌した。撹拌後のせん断速度60(1/s)における粘度η3は60mPa・sであった。
(3.5)実施例2
サンプル4(271質量部)に、イソプロピルアルコール(7質量部)を添加して、スターラーで撹拌した。撹拌後のせん断速度60(1/s)における粘度η3は60mPa・sであった。
(3.6)実施例3
サンプル5(238質量部)に、イソプロピルアルコール(8質量部)を添加して、スターラーで撹拌した。撹拌後のせん断速度60(1/s)における粘度η3は100mPa・sであった。
(3.7)比較例4
サンプル6(238質量部)に、イソプロピルアルコール(28質量部)を添加して、スターラーで撹拌した。撹拌後のせん断速度60(1/s)における粘度η3は30mPa・sであった。
(3.8)実施例4
サンプル6(238質量部)に、イソプロピルアルコール(12質量部)を添加して、超音波分散装置で撹拌した。撹拌後のせん断速度60(1/s)における粘度η3は180mPa・sであった。
(3.9)実施例5
サンプル7(267質量部)に、イソプロピルアルコール(20質量部)を添加して、スリーワンモーターで撹拌した。撹拌後のせん断速度60(1/s)における粘度η3は250mPa・sであった。
(3.10)実施例6
サンプル8(262質量部)に、エタノール(10質量部)を添加して、ウルトラタラックスで撹拌した。撹拌後のせん断速度60(1/s)における粘度η3は250mPa・sであった。
(3.11)実施例7
サンプル9(252質量部)に、プロピレングリコール(30質量部)を添加して、TKホモミクサーで撹拌した。撹拌後のせん断速度60(1/s)における粘度η3は200mPa・sであった。
(3.12)実施例8
サンプル10(252質量部)に、プロピレングリコールとイソプロピルアルコールの混合(質量比1:1)溶媒プ(15質量部)を添加して、フィルミックスで撹拌した。撹拌後のせん断速度60(1/s)における粘度η3は800mPa・sであった。
(3.13)比較例5
サンプル11(307質量部)に、イソプロピルアルコール(15質量部)を添加して、フィルミックスで撹拌した。撹拌後のせん断速度60(1/s)における粘度η3は900mPa・sであった。
(3.14)比較例6
サンプル12(297質量部)に、イソプロピルアルコール(15質量部)を添加して、超音波分散装置で撹拌した。撹拌後のせん断速度60(1/s)における粘度η3は600mPa・sであった。
(4)セラミック前駆体溶液(バインダ溶液)の調製
セラミック前駆体液として、テトラメトキシシランKBM04(信越化学工業社製)15質量部とメチルトリメトシシランKBM13(信越化学工業社製)5質量部と、イソプロピルアルコール40質量部とエタノール40質量部と塩酸2質量部の混合液を用いた。
(5)同一基板内での色度ばらつき(LED装置の製造)
各実施例および比較例で調整した直後の蛍光体第2分散液と、セラミック前駆体溶液とを用いて、以下の手法にてLED装置を製造した。
8行×8列で計64個のLEDチップが実装された基板(LEDチップ実装パッケージ)を1枚用意した。用意した1枚のLEDチップ実装パッケージに、一定条件下でスプレー装置(図2参照)により蛍光体分散液を塗布した。蛍光体分散液の塗布量は、基板1枚当たり1〜2mlとした。蛍光体膜を得た後に、セラミック前駆体含有液を塗布した。セラミック前駆体含有液の塗布量は、1〜2mlとした。蛍光体分散液及びバインダ前駆体含有液の塗布膜を150℃で1時間加熱し、セラミック前駆体を硬化させて蛍光体層を得た。
LEDチップ実装パッケージに形成した64個のLEDチップからの発光の色度;すなわち各LEDチップの出射光と、その上に形成された蛍光体層が発する蛍光との合成光の色度をそれぞれ測定し、CIE表色系でのx値とy値とを求めた。色度の測定は、コニカミノルタセンシング社製分光放射輝度計CS−1000Aで行った。色度は色空間をXYZ座標系で表したCIE−XYZ表色系で表示され、ある点と原点とを結ぶ直線が、平面x+y+z=1と交わる点で定義される。
続いて、上記の64個のx値のばらつき(標準偏差)を求めた。求めた標準偏差に基づいて、以下の基準で塗布ムラ(同一基板内での色度ばらつき)を評価した。
標準偏差が0.01以下である場合:◎(実用上好ましい)
標準偏差が0.01を超え0.015以下である場合:○(実用に耐え得る範囲)
標準偏差が0.015を超える場合:×(実用上好ましくない)
後述の理由で、色度の測定ができなかった:−
(6)基板間での色度ばらつきの評価(LED装置の製造)
各実施例および比較例で得た蛍光体第2分散液と、セラミック前駆体溶液とを用いて、以下の手法にてLED装置を製造した。
8行×8列で計64個のLEDチップが実装された基板(LEDチップ実装パッケージ)を25枚用意した。用意した25枚のLEDチップ実装パッケージに、順番に、一定条件下でスプレー装置(図2参照)を用いて蛍光体分散液とセラミック前駆体溶液とを塗布した。基板1枚当たり、蛍光体分散液およびセラミック前駆体溶液を、それぞれ1〜2ml塗布した。蛍光体膜を得た後にセラミック前駆体を塗布し150℃で1時間の熱処理を行い、セラミック前駆体を硬化させて蛍光体層を得た。
5枚目のLEDチップ実装パッケージ(基板5)に形成した64個のLEDチップからの発光;すなわち各LEDチップの出射光とその上に形成された蛍光体層が発する蛍光との合成光の色度を、それぞれ測定し、CIE表色系でのx値とy値とを求めた。続いて、これらのx値(64個のx値)の平均を求めた。
同様に、10枚目のLEDチップ実装パッケージ(基板10)、15枚目のLEDチップ実装パッケージ(基板15)、20枚目のLEDチップ実装パッケージ(基板20)、25枚目のLEDチップ実装パッケージ(基板25)に形成した64個のLEDチップからについても、それぞれ同様にCIE表色系でのx値とy値とを求めた。そして、各基板について、64個のLED装置からの発光のx値の平均を求めた。次に、基板5、基板10、基板15、基板20、基板25で得られたx値の平均値の標準偏差を求めた。求めた標準偏差に基づいて、以下の基準で基板間での色度ばらつきを評価した。
標準偏差が0.01以下である場合:◎(実用上好ましい)
標準偏差が0.01を超え0.015以下である場合:○(実用上耐え得る範囲)
標準偏差が0.015を超える場合:×(実用上好ましくない)
後述の理由で、色度の測定ができなかった:−
(7)ノズル詰まり
第2蛍光体分散液をスプレーした後、一定時間停止してから再度スプレーを行うことを、繰り返し実施した。停止時間を5分間隔で延ばしていき、ノズル詰まり、すなわち噴射できない状態が発生するまでの時間を測定した。
1時間停止後にスプレーを再開しても、ノズル詰まりが発生しなかった:◎(実用上好ましい)
30分停止後に初めてノズル詰まりが発生した:○
5分停止後にノズル詰まりが発生した:×
Figure 0005870736
比較例1及び4からわかるように、塗布液(第2蛍光体分散液)のせん断速度60(1/s)における粘度η3が低すぎると、基板間の色度のばらつきが大きくなる。つまり、蛍光体が沈降しやすくなる。よって、塗布液(第2蛍光体分散液)のせん断速度60(1/s)における粘度η3は40mPa・s以上であることが好ましい。
次に、実施例8と比較例5を比較すると、第2蛍光体分散液のせん断速度60(1/s)における粘度η3が800mPa・sを超えると、同一基板内での色度ばらつきが大きくなり、塗布時の色むらが生じていることがわかる。これは、スプレーでの噴射が不均一になり、同一基板内での塗布ムラが生じて、LEDチップごとに蛍光体層の厚みがばらき、その結果、色度の測定結果に大きなバラツキが確認されたと考えられる。よって、塗布液(第2蛍光体分散液)のせん断速度60(1/s)における粘度η3が800mPa・s以下であることが好ましい。
以上から、塗布液(第2蛍光体分散液)の測定温度25℃でのせん断速度60(1/s)における粘度η3は、40mPa・s以上、800mPa・s以下であることが好ましい。
また、塗布液(第2蛍光体分散液)の測定温度25℃でのせん断速度60(1/s)における粘度η3は、50mPa・s以上とすることがより好ましい。このような範囲とすることで、基板間での色度ばらつきをより低減することができる。さらに、塗布液(第2蛍光体分散液)の測定温度25℃でのせん断速度60(1/s)における粘度η3は、300mPa・s以下とすることがより好ましい。このような範囲とすることで、同一基板内での色度ばらつきをより低減することができる。
実施例2と比較例3とを比較すると、両者の成分組成は同一でかつ塗布液(第2蛍光体分散液)のせん断速度60(1/s)における粘度η3も同じであるにも係わらず、比較例3は基板間の色度ばらつきが大きくなっている。同様に、実施例1と比較例2を比較すると、塗布液(第2蛍光体分散液)のせん断速度60(1/s)における粘度η3も同じであるにも係わらず、比較例3は基板間の色度ばらつきが大きくなっている。このように、第1蛍光体分散液におけるせん断速度1(1/s)での粘度η2が1000mPa・s未満であると、第2蛍光体分散液のせん断速度60(1/s)における粘度η3が40mPa・s以上であっても基板間での色度のばらつきが生じる、つまり、蛍光体が沈降しやすいことがわかる。
一方、実施例1にあるように第1蛍光体分散液のせん断速度1(1/s)での粘度η2が1000mPa・s以上となるように第1蛍光体分散液を調製し、それを希釈してせん断速度60(1/s)における粘度η3が40mPa・s以上の塗布液(第2蛍光体分散液)とすることで、蛍光体の沈降を抑制することができる。
また、比較例6からわかるように、第1蛍光体分散液におけるせん断速度1(1/s)での粘度η2がが、1×10mPa・sを超えると、スプレーノズルへの液供給ができなくなり、スプレーすることができない。
以上から、第1蛍光体分散液の測定温度25℃でのせん断速度1(1/s)における粘度η2は、1000mPa・s以上、1×10mPa・s以下であることが好ましい。また、第1蛍光体分散液の測定温度25℃でのせん断速度1(1/s)における粘度η2は1000mPa・s以上、40000mPa・s以下とするのがより好ましい。このような範囲とすることで、スプレーの停止時間を1時間としてもノズル詰つまりが発生せず、作業性を向上することができる。
なお、実施例2〜8で示されるように、第1蛍光体分散液を作製する手段は特に限定されないことがわかる。また、実施例2〜8で示されるように、第2溶媒で希釈するときの手段も特に制限されないことがわかる。
本発明の蛍光体分散液は、蛍光体の沈降が抑制されているため、それをLEDチップに塗布して蛍光体層を成膜することで、色度のばらつきのないLED装置が得られる。
1 パッケージ
2 メタル部
3 LEDチップ
4 突起電極
6 蛍光体層
90 LEDチップ実装パッケージ
100 LED装置
200 塗布装置
210 塗布液タンク
220 蛍光体分散液

Claims (5)

  1. 蛍光体と無機粒子と溶媒とを含む蛍光体分散液の製造方法であって、
    蛍光体と無機粒子と第1溶媒とを含む混合液を撹拌して、第1蛍光体分散液を得る工程と、
    前記第1蛍光体分散液に第2溶媒を添加して、第2蛍光体分散液を得る工程と、
    を含み、
    前記無機粒子は、スメクタイト、合成雲母、モンモリロナイト、および、ベントナイトから選択される1種以上の粒子を含む層状粘土鉱物粒子、並びにシリカおよびアルミナから選択される1種以上の粒子を含む粒状無機粒子を含み、
    前記第1溶媒および前記第2溶媒は、エチレングリコール、プロピレングリコール、エタノール、1,3−ブタンジオール、およびイソプロピルアルコールからなる群から選択される1種以上の溶媒を含み、
    前記第1蛍光体分散液の測定温度25℃でのせん断速度60(1/s)における粘度をη1、前記第1蛍光体分散液の測定温度25℃でのせん断速度1(1/s)における粘度をη2、前記第2蛍光体分散液の測定温度25℃でのせん断速度60(1/s)における粘度をη3としたとき、η1、η2、及びη3が、それぞれ下記式を満たすことを特徴とする、蛍光体分散液の製造方法。
    η3<η1<η2
    1000(mPa・s)≦η2≦1.0×10 (mPa・s)
    40(mPa・s)≦η3≦800(mPa・s)
  2. 請求項1に記載の製法で蛍光体分散液を製造する工程と、
    パッケージと、前記パッケージに配置された発光面を有するLEDチップと、を含むLEDチップ実装パッケージを用意する工程と、
    前記LEDチップの発光面に、前記蛍光体分散液を塗布して蛍光体層を成膜する工程と、
    を含む、LED装置の製造方法。
  3. 蛍光体と無機粒子と第1溶媒とを含む混合液を撹拌して、第1蛍光体分散液を得る工程と、
    前記第1蛍光体分散液を塗布装置のタンクに供給する工程と、
    第2溶媒を前記塗布装置のタンクに供給する工程と、
    前記塗布装置のタンクの撹拌装置により前記第1蛍光体分散液と第2溶媒を撹拌し、第2蛍光体分散液を得る工程と、
    パッケージと、前記パッケージに配置された発光面を有するLEDチップと、を含むLEDチップ実装パッケージを用意する工程と、
    前記LEDチップの発光面に、前記第2蛍光体分散液を塗布して蛍光体層を成膜する工程と、
    を含み、
    前記無機粒子は、スメクタイト、合成雲母、モンモリロナイト、およびベントナイトから選択される1種以上の粒子を含む層状粘土鉱物粒子、並びにシリカおよびアルミナから選択される1種以上の粒子を含む粒状無機粒子を含み、
    前記第1溶媒および前記第2溶媒は、エチレングリコール、プロピレングリコール、エタノール、1,3−ブタンジオール、およびイソプロピルアルコールからなる群から選択される1種以上の溶媒を含み、
    前記第1蛍光体分散液の測定温度25℃でのせん断速度60(1/s)における粘度をη1、前記第1蛍光体分散液の測定温度25℃でのせん断速度1(1/s)における粘度をη2、前記第2蛍光体分散液の測定温度25℃でのせん断速度60(1/s)における粘度をη3としたとき、η1、η2、及びη3が、それぞれ下記式を満たすことを特徴とする、LED装置の製造方法。
    η3<η1<η2
    1000(mPa・s)≦η2≦1.0×10 (mPa・s)
    40(mPa・s)≦η3≦800(mPa・s)
  4. 前記LEDチップの発光面に、有機金属化合物を含む溶液を塗布する工程をさらに含む、請求項2または3に記載のLED装置の製造方法。
  5. 前記有機金属化合物を含む溶液を塗布する工程の後に、
    前記LEDチップの発光面を、シリコーン樹脂で覆う工程を含む、請求項に記載のLED装置の製造方法。
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