JP2013258339A - 発光装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】発光素子上に波長変換部を設けた発光素子において、出射される光の輝度を向上させることを目的とする。
【解決手段】所定波長の光を発光面から出射する発光素子と、前記発光面から出射された光により励起されて、当該光とは異なる波長の蛍光を出射する波長変換部と、を備えた発光装置であって、前記波長変換部は、蛍光体、粘土鉱物、及び無機微粒子を含む透光性セラミックを含んで構成され、前記発光素子の発光面の60%以上95%以下の領域を覆っていることを特徴とする発光装置である。
【選択図】図1

Description

この発明は、発光装置において発光素子を封止するための技術に関する。
近年、窒化ガリウム(GaN)系の青色LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)チップの近傍にYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)蛍光体等の蛍光体を配置された白色発光装置を得る技術が広く用いられている。このような白色発光装置では、青色LEDチップから出射される青色光と、蛍光体が青色光を受けて二次発光することにより出射される黄色光との混色により白色光を発光させている。また、青色LEDチップから出射される青色光と、各蛍光体が青色光を受けて二次発光することにより出射される赤色光及び緑色光との混色により白色光を発光させる技術も用いられている。
このような白色発光装置には様々な用途があり、例えば、蛍光灯や白熱電灯の代替品としての需要がある。また、自動車のヘッドライト等の非常に高い輝度が求められる照明装置へも使われつつある。
特開2009−283441号公報 特開2009−283441号公報
このような発光装置では、蛍光体が分散された混合液を発光素子上に塗布し、これを乾燥させることで蛍光体を含む波長変換部を形成する。この波長変換部内の蛍光体が、発光素子である青色LEDから出射された青色光を受けて二次発光する。
例えば、特許文献1には、樹脂に蛍光体を分散し、不透水製の樹脂シートを発光素子上に張り付ける技術が開示されている。また、特許文献2には、蛍光体分散シートを発光素子の周りに落とし込んで張り付ける技術が開示されている。
しかしながら、上記した従来の構成の場合、この二次発光により発生した光や青色光として出射される光(即ち、LEDからの光)の一部が波長変換部に閉じ込められてしまい、波長変換部を設けない場合に比べて輝度が低下してしまう場合がある。
本発明は、発光素子上に波長変換部を設けた発光素子において、出射される光の輝度を向上させることを目的とする。
請求項1に記載の発明は、所定波長の光を発光面から出射する発光素子と、前記発光面から出射された光により励起されて、当該光とは異なる波長の蛍光を出射する波長変換部と、を備えた発光装置であって、前記波長変換部は、蛍光体、粘土鉱物、及び無機微粒子を含む透光性セラミックを含んで構成され、前記発光素子の発光面の60%以上95%以下の領域を覆っていることを特徴とする発光装置である。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発光装置であって、前記波長変換部は、前記発光素子の発光面の70%以上93%以下の領域を覆っていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発光装置であって、前記波長変換部は、前記発光面の中心を覆い、その外縁を覆っていないことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発光装置であって、前記波長変換部は、前記発光面の中心に対応する部分の厚さが、前記発光面の前記外縁に近い部分の厚さよりも厚いことを特徴とする
また、請求項5に記載の発明は、所定波長の光を出射する発光素子と、前記発光素子から出射された光により励起されて、当該光とは異なる波長の蛍光を出射する波長変換部と、を備えた発光装置の製造方法であって、前記発光素子の発光面の60%以上95%以下の領域が露出するように、当該発光面の一部をマスクする工程と、マスク上から、蛍光体、粘土鉱物、無機微粒子、及び溶媒を含む第1の混合液を塗布し、乾燥させることで、蛍光体層を形成する工程と、透光性のセラミック前駆体と溶媒とを含む第2の混合液を、前記蛍光体層上に塗布し、焼成することで、前記蛍光体層を含む波長変換部を形成する工程と、を備えたことを特徴とする発光装置の製造方法
また、請求項6に記載の発明は、所定波長の光を出射する発光素子と、前記発光素子から出射された光により励起されて、当該光とは異なる波長の蛍光を出射する波長変換部と、を備えた発光装置の製造方法であって、蛍光体、粘土鉱物、無機微粒子、及び溶媒を含む第1の混合液を、前記発光素子の発光面の外縁が露出するように前記外縁以外に塗布し、乾燥させることで、蛍光体層を形成する工程と、透光性のセラミック前駆体を溶媒に分散させた第2の混合液を、前記蛍光体層上に塗布し、焼成することで、前記蛍光体層を含む波長変換部を形成する工程と、を備えたことを特徴とする発光装置の製造方法。
この発明は、発光素子上に波長変換部で覆われていない部分を設けている。このような構成とすることで、発光素子から出射される光の一部は、波長変換部に入射せずそのまま出射される。これにより、波長変換部内に閉じ込められる光(即ち、二次発光により発生した光や青色光として出射される発光素子からの光の一部)の割合が低減し、輝度を向上させることが可能となる。
本実施形態に係る発光装置の構成を示した概略的な断面図である。 本実施形態に係る塗布装置の構成を示した概略図である。 各実施例の評価結果を示した表である。 本実施形態に係る発光装置の一態様を示した概略的な断面図である。
(発光装置の構成)
まず図1Aを参照しながら、発光装置100の構成について説明する。発光装置100は、断面凹状のLED基板1を有している。LED基板1の凹部(底部)にはメタル部2が設けられ、メタル部2上には直方体状のLED素子3が配置されている。このLED素子3は、所定波長の光を出射する発光素子の一例である。LED素子3のメタル部2に対向する面には、突起電極4が設けられており、メタル部2とLED素子3とが突起電極4を介して接続されている(フリップチップ型)。なお、ここでは、一つのLED基板1に対して一つのLED素子3が設けられる構成を図示しているが、一つのLED基板1の凹部に複数のLED素子3を設けることとしてもよい。
本実施形態の発光装置100では、LED素子3として青色LED素子が用いられている。青色LED素子は、例えば、サファイア基板上にn−GaN系クラッド層、InGaN発光層、p−GaN系クラッド層、及び透明電極を積層してなる。
LED基板1の凹部には、LED素子3の上面を封止するように波長変換部5が形成されている。波長変換部5は、透光性を有するセラミック層(以降、透明セラミック層と記す)として構成される透光性薄膜である。本実施形態では、LED素子3の上面の60%以上95%以下の領域を、この波長変換部5が覆っている。換言すると、LED素子3の上面の一部は、波長変換部5に覆われずに露出している。このように、LED素子3の上面の一部に波長変換部5を形成する場合には、例えば、マスクを用いるとよい。なお、この上面が「発光面」に相当する。
また、別の方法として、例えば、波長変換部5を形成するための混合液の粘度及び乾燥性を調整し、LED素子3上の所望の部分にこの混合液を滴下して乾燥させることで、LED素子3の上面の一部に波長変換部5を形成してもよい。このように滴下して生成された発光装置の一例を図4に示す。本実施形態に係る発光装置の一態様を示した概略的な断面図である。マスクを用いずに波長変換部5を形成した場合には、波長変換部5の形成に用いた混合液の粘土や乾燥性に応じて、図4に示すように、中心に比べて波長変換部5の外縁の厚さが薄く変形する場合がある。これは、乾燥時に塗布された混合液が、波長変換部5の外縁に相当する部分おいて収縮するためである。
波長変換部5は、蛍光体層と、透光性セラミック層とが、LED素子3上に、この順序で積層されて形成されている。蛍光体層には、蛍光体が含まれている。この蛍光体は、LED素子3の出射光中の所定の波長の光(励起光)により励起されて、励起光の波長とは異なる波長の蛍光を出射する。また、透光性セラミック層は、透光性セラミック材料を含み、バインダとして、蛍光体層をLED素子3上につなぎとめ保護する。この波長変換部5の厚みは、好ましくは、5〜200μmであり、より好ましくは、10〜200μmであり、更に好ましくは、10〜100μmである。
蛍光体層は、蛍光体を含む第1の混合液を塗布して乾燥させることで形成される。また、透光性セラミック層は、蛍光体層上に透光性セラミック材料を含む第2の混合液を付与することで、第2の混合液が蛍光体層に浸透し、これを乾燥・熱処理することで形成される。以下に、第1の混合液及び第2の混合液の組成についてまとめる。
(第1の混合液)
まず、第1の混合液の組成についてまとめる。第1の混合液は、少なくとも、蛍光体と溶剤とを含んで構成される。ここで、「混合液」と記載しているが、後述するように蛍光体50μm以下の粒径を有する焼結体であり、第1の混合液は、この焼結体を一様に分散させた液体であるといえる。したがって、以下の説明では、第1の混合液を「蛍光体分散液」と呼ぶ場合がある。溶剤としては、例えば、水や有機溶剤などが用いられる。また、第1の混合液には、無機微粒子や粘土鉱物を含有することがより好ましい。以下に、第1の混合液に含有されるこれらの詳細についてまとめる。
(蛍光体)
蛍光体は、LED素子3からの出射光の波長(励起波長)により励起されて、励起波長とは異なる波長の蛍光を出射するものである。本実施形態では、青色LED素子から出射される青色光(波長420nm〜485nm)により励起され、黄色光(波長550nm〜650nm)を出射するYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)蛍光体を使用している。
このような、YAG蛍光体を生成するには、先ず、Y、Gd、Ce、Sm、Al、La、Gaの酸化物、または高温で容易に酸化物となる化合物を使用し、これらを化学量論比で十分に混合して混合原料を得る。或いは、Y、Gd、Ce、Smの希土類元素を化学量論比で酸に溶解した溶液からシュウ酸により共沈したものを焼成して得られる共沈酸化物と、酸化アルミニウム、酸化ガリウムとを混合して混合原料を得る。そして、得られた混合原料にフラックスとしてフッ化アンモニウム等のフッ化物を適量混合して加圧し、成形体を得る。得られた成形体を坩堝に詰め、空気中1350〜1450℃の温度範囲で2〜5時間焼成して、蛍光体の発光特性を持つ焼結体を得る。
なお、本実施形態ではYAG蛍光体を使用しているが、蛍光体の種類はこれに限定されるものではなく、例えばCeを含まない非ガーネット系蛍光体等の他の蛍光体を使用することもできる。また、蛍光体の粒径が大きいほど発光効率(波長変換効率)は高くなる反面、有機金属化合物との界面に生じる隙間が大きくなって形成されたセラミック層の膜強度が低下する。従って、発光効率と有機金属化合物との界面に生じる隙間の大きさを考慮し、平均粒径が1μm以上50μm以下のものを用いることが好ましい。蛍光体の平均粒径は、例えばコールターカウンター法やレーザー回折・散乱式粒径測定装置によって測定することができる。
(無機微粒子)
無機粒子は、蛍光体と粘土鉱物との界面に生じる隙間を埋める充填効果、加熱前の混合液の粘性を増加させる増粘効果を有する。本発明に用いられる無機粒子としては、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等の酸化物微粒子等が挙げられる。なお、セラミック材料や溶媒との相溶性を考慮して、無機粒子の表面をシランカップリング剤やチタンカップリング剤で処理したものを適宜用いることもできる。また、比表面積の大きい、多孔質の無機粒子も適宜用いることもできる。
また、第1の混合液における無機粒子の含有量が0.5重量%未満になると、第1混合液中の蛍光体などの固形成分の割合が高くなり、それらの分散性が悪化して塗布時のハンドリングが悪化したり、均一な色度で塗布したりすることが困難になる。一方、無機粒子の含有量が70重量%を超えると無機粒子による励起光の散乱が多く発生し、波長変換部の発光輝度が低下する。従って、第1混合液において無機粒子の含有量は0.5重量%以上70重量%以下とすることが好ましく、0.5重量%以上65重量%以下がより好ましく、1重量%以上60重量%以下がさらに好ましい。
無機粒子には増粘効果があるが、波長変換部中での割合が高ければ混合液の粘度が高くなるわけではなく、混合液の粘度は溶媒、蛍光体など他の成分との比率で決まる。
無機粒子の粒径分布には特に制限はなく、広範囲に分布していてもよいし、比較的狭い範囲に分布していてもよい。なお、無機粒子の粒径としては、一次粒径の中心粒径が0.001μm以上50μm以下であり、蛍光体より小さいものが好ましく、加熱後の波長変換部7の厚さより小さいものを用いる。無機粒子の平均粒径は、例えばコールターカウンター法によって測定することができる。
上記に示した無機微粒子を混合液中に含有させることにより、無機微粒子のアンカー効果により、密着性を高めることが可能となる。
(粘土鉱物)
粘土鉱物としては、層状ケイ酸塩鉱物のほか、イモゴライトやアロフェン等が挙げられる。層状ケイ酸塩鉱物としては、雲母構造、カオリナイト構造、スメクタイト構造などの構造を有する膨潤性粘土鉱物が好ましく、膨潤性に富むスメクタイト構造を有する膨潤性粘土鉱物がより好ましい。層状ケイ酸塩鉱物微粒子は、蛍光体分散液(即ち、第1の混合液)中においてカードハウス構造として存在し、少量で蛍光体分散液の粘度を大幅に高めることができる。また、層状ケイ酸塩鉱物微粒子は平板状を呈するため、蛍光体層の膜強度を向上させることもできる。
このような層状ケイ酸塩鉱物としては、天然または合成の、ヘクトライト、サポナイト、スチブンサイト、ハイデライト、モンモリロナイト、ノントライト、ベントナイト等のスメクタイト属粘土鉱物や、Na型テトラシリシックフッ素雲母、Li型テトラシリシックフッ素雲母、Na型フッ素テニオライト、Li型フッ素テニオライト等の膨潤性雲母属粘土鉱物およびバーミキュラライトやカオリナイトまたはこれらの混合物が挙げられる。
第2の混合液における粘土鉱物の含有量が0.5重量%未満になると混合液中の蛍光体などの固形分成分の割合が多くなり、それらの分散性が悪化する。一方、粘土鉱物の含有量が20重量%を超えると粘土鉱物による励起光の散乱が多く発生し、波長変換部の発光輝度が低下する。従って、0.5重量%以上20重量%以下が好ましい。粘度鉱物は増粘効果があるが、波長変換部中の粘度鉱物の割合が増えれば粘度が増加するわけではなく、粘度は混合液中の溶媒、蛍光体などその他の成分との比率で決まってくる。
なお、溶媒との相溶性を考慮して、粘土鉱物の表面をアンモニウム塩等で修飾(表面処理)したものを適宜用いることもできる。
(溶媒)
第一の分散液に使用する溶媒として、水、または有機溶媒、または水と有機溶媒の両方を混合し、使用することができる。
(水)
粘土鉱物を分散させることにより、混合液の粘度が増加するため、蛍光体の沈降を抑制することができる。なお、水に不純物が含まれていると膨潤を阻害するおそれがあるため、添加する水は不純物を含まない純水を用いる必要がある。
(有機溶媒)
粘土鉱物や無機粒子を分散させることにより混合液の粘度が増加するため、蛍光体の沈降を抑制することができる。溶媒に水も使用する際は水との相溶性に優れたメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類などの有機溶媒の仕様が好ましい。水を使用しないのであれば、難溶性の有機溶媒を用いることもできる。エチレングリコールやプロピレングリコール、ブタンジオールなどの沸点の高い有機溶媒を使用することにより、混合液のポットライフやスプレー塗布時のスプレー先端ノズルのつまり防止などに優位性がある。
(第1の混合液の調製)
第1の混合液の調製手順としては、単に、蛍光体や無機粒子、粘度鉱物、溶媒を混合すればよい。第1の混合液の粘度は10〜1000cPであり、好ましくは12〜800cPであり、さらに好ましくは20〜600cPである。
(第2の混合液)
次に、第2の混合液の組成についてまとめる。第2の混合液は、セラミック前駆体としての金属化合物を溶媒に分散させた溶液である。したがって、以下の説明では、第2の混合液を「セラミック前駆体含有液」と呼ぶ場合がある。セラミック前駆体としての金属化合物は、透光性のセラミックスを形成することができれば金属の種類に制限はない。第2の混合液は、少なくとも、透光性セラミック材料(透明樹脂材料)と溶剤とを含んで構成される。溶剤としては、例えば、有機溶剤などが用いられる。以下に、第2の混合液に含有されるこれらの詳細についてまとめる。
(透光性セラミック前駆体)
セラミック前駆体含有液(即ち、第2の混合液)に含まれる透光性セラミック前駆体は、例えば有機金属化合物である。有機金属化合物は、ゾル−ゲル反応によって透明セラミック(好ましくはガラスセラミック)となる。生成するセラミックは、前述の蛍光体粒子、無機粒子、粘土鉱物粒子を結着させて、波長変換部を構成する。
透光性セラミック前駆体である有機金属化合物の例には、金属アルコキシド、金属アセチルアセトネート、金属カルボキシレート、硝酸塩、金属酸化物などが含まれるが、加水分解と重合反応によりゲル化し易い金属アルコキシドが好ましい。透光性のガラスセラミックを形成可能であれば金属の種類に制限はない。形成されるガラスセラミックの安定性や製造の容易性の観点から、ケイ素を含有していることが好ましい。また、複数種の有機金属化合物を組み合わせてもよい。透光性セラミック前駆体である金属アルコキシドは、テトラエトキシシランのような単分子でもよいし、有機シロキサン化合物が鎖状または環状に連結したポリシロキサンでもよいが;ポリシロキサンによれば、セラミック前駆体含有液の粘性を高めることができる。
透光性セラミック前駆体であるポリシロキサンは、アルコキシシラン、もしくはそのオリゴマー(低分子量ポリシロキサンともいう)を重合して得られる。アルコキシシランは、例えば以下の一般式(I)で表される。
Si(OR)4−n (I)
一般式(I)中、nはアルコキシド(OR)の数を表し、2以上4以下の整数である。また、Rは、それぞれ独立にアルキル基またはフェニル基を表し、好ましくは炭素数1〜5のアルキル基、またはフェニル基を表す。
上記一般式(I)式中、Yは、水素原子またはアルキル基を表す。アルキル基は、炭素数が1〜1000、好ましくは500以下、より好ましくは100以下、さらに好ましくは50以下、特に好ましくは6以下の脂肪族基、脂環族基、芳香族基、脂環芳香族基である。これらは、連結基として、O、N、S等の原子または原子団を有してもよい。これらの中でも特にメチル基が好ましい。Yがメチル基である場合には、波長変換部の耐光性及び耐熱性が良好になる。
上記一般式(I)においてYで表される1価の有機基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、例えば、F、Cl、Br、I等のハロゲン原子;ビニル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、スチリル基、メルカプト基、エポキシ基、エポキシシクロヘキシル基、グリシドキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、スルホン酸基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アシル基、アルコキシ基、イミノ基、フェニル基等の有機官能基等が含まれる。
上記一般式(I)で表されるアルコキシシランは、例えば以下の4官能のシラン化合物、3官能のシラン化合物、2官能のシラン化合物等とすることができる。
4官能のシラン化合物の例には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラペンチルオキシシラン、テトラフェニルオキシシラン、トリメトキシモノエトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、トリエトキシモノメトキシシラン、トリメトキシモノプロポキシシラン、モノメトキシトリブトキシシラン、モノメトキシトリペンチルオキシシラン、モノメトキシトリフェニルオキシシラン、ジメトキシジプロポキシシラン、トリプロポキシモノメトキシシラン、トリメトキシモノブトキシシラン、ジメトキシジブトキシシラン、トリエトキシモノプロポキシシラン、ジエトキシジプロポキシシラン、トリブトキシモノプロポキシシラン、ジメトキシモノエトキシモノブトキシシラン、ジエトキシモノメトキシモノブトキシシラン、ジエトキシモノプロポキシモノブトキシシラン、ジプロポキシモノメトキシモノエトキシシラン、ジプロポキシモノメトキシモノブトキシシラン、ジプロポキシモノエトキシモノブトキシシラン、ジブトキシモノメトキシモノエトキシシラン、ジブトキシモノエトキシモノプロポキシシラン、モノメトキシモノエトキシモノプロポキシモノブトキシシランなどのテトラアルコキシシラン等が含まれる。これらの中でもテトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが好ましい。
3官能のシラン化合物の例には、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラン、トリペンチルオキシシラン、トリフェニルオキシシラン、ジメトキシモノエトキシシラン、ジエトキシモノメトキシシラン、ジプロポキシモノメトキシシラン、ジプロポキシモノエトキシシラン、ジペンチルオキシルモノメトキシシラン、ジペンチルオキシモノエトキシシラン、ジペンチルオキシモノプロポキシシラン、ジフェニルオキシルモノメトキシシラン、ジフェニルオキシモノエトキシシラン、ジフェニルオキシモノプロポキシシラン、メトキシエトキシプロポキシシラン、モノプロポキシジメトキシシラン、モノプロポキシジエトキシシラン、モノブトキシジメトキシシラン、モノペンチルオキシジエトキシシラン、モノフェニルオキシジエトキシシラン等のモノヒドロシラン化合物;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリペンチルオキシシラン、メチルモノメトキシジエトキシシラン、メチルモノメトキシジプロポキシシラン、メチルモノメトキシジペンチルオキシシラン、メチルモノメトキシジフェニルオキシシラン、メチルメトキシエトキシプロポキシシラン、メチルモノメトキシモノエトキシモノブトキシシラン等のモノメチルシラン化合物;エチルトリメトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリペンチルオキシシラン、エチルトリフェニルオキシシラン、エチルモノメトキシジエトキシシラン、エチルモノメトキシジプロポキシシラン、エチルモノメトキシジペンチルオキシシラン、エチルモノメトキシジフェニルオキシシラン、エチルモノメトキシモノエトキシモノブトキシシラン等のモノエチルシラン化合物;プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリペンチルオキシシラン、プロピルトリフェニルオキシシラン、プロピルモノメトキシジエトキシシラン、プロピルモノメトキシジプロポキシシラン、プロピルモノメトキシジペンチルオキシシラン、プロピルモノメトキシジフェニルオキシシラン、プロピルメトキシエトキシプロポキシシラン、プロピルモノメトキシモノエトキシモノブトキシシラン等のモノプロピルシラン化合物;ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリプロポキシシラン、ブチルトリペンチルオキシシラン、ブチルトリフェニルオキシシラン、ブチルモノメトキシジエトキシシラン、ブチルモノメトキシジプロポキシシラン、ブチルモノメトキシジペンチルオキシシラン、ブチルモノメトキシジフェニルオキシシラン、ブチルメトキシエトキシプロポキシシラン、ブチルモノメトキシモノエトキシモノブトキシシラン等のモノブチルシラン化合物が含まれる。これらの中でも、メチルトリメトキシシランおよびメチルトリエトキシシランがより好ましく、メチルトリメトキシシランがさらに好ましい。
2官能のシラン化合物の具体例には、ジメトキシシラン、ジエトキシシラン、ジプロポキシシラン、ジペンチルオキシシラン、ジフェニルオキシシラン、メトキシエトキシシラン、メトキシプロポキシシラン、メトキシペンチルオキシシラン、メトキシフェニルオキシシラン、エトキシプロポキシシラン、エトキシペンチルオキシシラン、エトキシフェニルオキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルメトキシエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルメトキシプロポキシシラン、メチルメトキシペンチルオキシシラン、メチルメトキシフェニルオキシシラン、エチルジプロポキシシラン、エチルメトキシプロポキシシラン、エチルジペンチルオキシシラン、エチルジフェニルオキシシラン、プロピルジメトキシシラン、プロピルメトキシエトキシシラン、プロピルエトキシプロポキシシラン、プロピルジエトキシシラン、プロピルジペンチルオキシシラン、プロピルジフェニルオキシシラン、ブチルジメトキシシラン、ブチルメトキシエトキシシラン、ブチルジエトキシシラン、ブチルエトキシプロポキシシシラン、ブチルジプロポキシシラン、ブチルメチルジペンチルオキシシラン、ブチルメチルジフェニルオキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルメトキシエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジペンチルオキシシラン、ジメチルジフェニルオキシシラン、ジメチルエトキシプロポキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルメトキシプロポキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルエトキシプロポキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジプロピルジペンチルオキシシラン、ジプロピルジフェニルオキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジブチルジプロポキシシラン、ジブチルメトキシペンチルオキシシラン、ジブチルメトキシフェニルオキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、メチルエチルジプロポキシシラン、メチルエチルジペンチルオキシシラン、メチルエチルジフェニルオキシシラン、メチルプロピルジメトキシシラン、メチルプロピルジエトキシシラン、メチルブチルジメトキシシラン、メチルブチルジエトキシシラン、メチルブチルジプロポキシシラン、メチルエチルエトキシプロポキシシラン、エチルプロピルジメトキシシラン、エチルプロピルメトキシエトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルメトキシエトキシシラン、プロピルブチルジメトキシシラン、プロピルブチルジエトキシシラン、ジブチルメトキシエトキシシラン、ジブチルメトキシプロポキシシラン、ジブチルエトキシプロポキシシラン等が含まれる。中でもジメトキシシラン、ジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシランが好ましい。
セラミック前駆体含有液に含まれる、透光性セラミック前駆体であるポリシロキサンは、質量平均分子量が1000〜3000であることが好ましく、1200〜2700であることがより好ましく、1500〜2000であることがさらに好ましい。ポリシロキサンの質量平均分子量が1000未満であると、セラミック前駆体含有液の粘度が低過ぎる場合がある。一方、質量平均分子量が3000を超えると、上記粘度が高くなり、セラミック前駆体含有液が蛍光体粒子どうしの隙間等に入り込めないことがある。質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定される値(ポリスチレン換算)である。
セラミック前駆体含有液におけるポリシロキサン濃度は、1〜40質量%であることが好ましく、2〜30質量%がより好ましい。
セラミック前駆体含有液に含まれる、透光性セラミック前駆体の他の例には、ポリシラザン(シラザンオリゴマーともいう)が含まれる。ポリシラザンは、一般式:(RSiNRで表される。式中、R、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子またはアルキル基、アリール基、ビニル基、シクロアルキル基を表すが、R、R、Rのうち少なくとも1つは水素原子であり、好ましくはすべてが水素原子であり、nは1〜60の整数を表す。ポリシラザンの分子形状はいかなる形状であってもよく、例えば、直鎖状または環状であってもよい。
セラミック前駆体含有液におけるポリシラザン濃度は高い方が好ましいが、ポリシラザン濃度が上昇すると、セラミック前駆体含有液の保存期間が短縮する。そのため、セラミック前駆体含有液におけるポリシラザンの濃度は、5〜50質量%であることが好ましい。
(反応促進剤)
セラミック前駆体含有液(即ち、第2の混合液)には、透光性セラミック前駆体(特に、ポリシラザン)とともに、反応促進剤が含まれていてもよい。反応促進剤は、酸または塩基などでありうる。反応促進剤の具体例には、トリエチルアミン、ジエチルアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミンなどの塩基や、塩酸、シュウ酸、フマル酸、スルホン酸、酢酸や、ニッケル、鉄、パラジウム、イリジウム、白金、チタン、アルミニウムを含む金属のカルボン酸塩などが含まれるが、これに限られない。特に好ましい反応促進剤は金属カルボン酸塩である。ポリシラザンとともに含まれる場合、好ましい含有量は、ポリシラザンを基準にして0.01〜5mol%である。
(溶媒)
セラミック前駆体含有液(即ち、第2の混合液)には、溶媒が含まれてもよい。セラミック前駆体溶液に含まれる溶媒は、透光性セラミック前駆体を分散もしくは溶解可能なものであれば特に制限はない。例えば水との相溶性に優れた水性溶媒であってもよく、また、水との相溶性が低い非水性溶媒であってもよい。具体的には、蛍光体含有液に含まれる溶媒と同様でありうる。
セラミック前駆体含有液に含まれる透光性セラミック前駆体が、ポリシロキサンである場合、セラミック前駆体含有液には、溶媒として水が含まれることが好ましい。水が含まれると、十分にポリシロキサンが加水分解され、緻密な膜が形成される。水の含有量は、ポリシロキサン100質量部に対して、10〜120質量部が好ましく、より好ましくは80〜100質量部である。水の含有量が少な過ぎるとポリシロキサンが十分に加水分解されない。一方、水の量が過剰であると、セラミック前駆体含有液の保存安定性が低下する。
(塗布装置)
次に、第1の混合液及び第2の混合液の塗布に用いる塗布装置について、図2を参照しながら説明する。図2は、本実施形態に係る塗布装置の構成を示した概略図である。この塗布装置は、LED基板1上に設置されたLED素子3に、上述した第1の混合液及び第2の混合液を塗布するための塗布装置である。
図2に示すように、本実施形態に係る塗布装置200は、移動台260と、上述した第1の混合液及び第2の混合液のそれぞれを噴霧可能なスプレー装置240とを含んで構成される。スプレー装置240は、移動台260の情報に配置されている。また、移動台260は、スプレー装置240に対して相対的に、上下、左右、前後に移動可能に構成されている。この移動台260に、LED素子3が設置されたLED基板1が配置される。これにより、LED基板1を、スプレー装置240に対して相対的に、上下、左右、前後に移動させることが可能となる。
スプレー装置240はエアーが送り込まれるノズル250を有しており、ノズル250にはエアーを送り込むためのエアーコンプレッサー(図示を省略する)が接続されている。ノズル250の先端部の孔径は20μm〜2mmであり、好ましくは0.1〜1.5mmである。ノズル250は、移動台260に対して、相対的に上下,左右,前後に移動可能となっている。
ノズル250としては、例えば、アネスト岩田社製スプレーガンW−101−142BPGが使用される。また、コンプレッサーとしては、例えば、アネスト岩田社製OFP−071Cがそれぞれ使用される。
ノズル250は角度調整も可能であり、移動台20(またはこれに設置されるLED基板1)に対し傾斜させることができるようになっている。被噴射物(LED基板1)に対するノズル250の角度は、当該被噴射物から垂直方向を0°とした場合、0〜70°の範囲であることが好ましい。
ノズル250には連結管230を介してタンク210が接続されている。タンク210には塗布物である混合液220(即ち、第1の混合液または第2の混合液)が貯留されている。タンク210には撹拌子が入っており、混合液220が常に撹拌されている。このような構成とすることで、例えば、混合液220としての第1の混合液を撹拌して、比重の大きい蛍光体の沈降を抑止し、蛍光体が第1の混合液中で分散した状態を保持することが可能となる。このタンク210としては、例えば、アネスト岩田社製PC−51が使用される。
(第1の混合液の塗布)
次に、上述した塗布装置を用いて、LED基板1上に配置されたLED素子3に第1の混合液を塗布する方法について説明する。まず、移動台260上に、被塗布物であるLED基板1を配置する。このとき、移動台260上に複数のLED基板1を配置し、1回の塗布工程で複数のLED基板1に対して塗布物(即ち、第1の混合液)を塗布できるようにしてもよい。
移動台260上にLED基板1を配置したら、移動台260及びノズル250を相対的に移動させることで、LED基板1とノズル250との間の位置関係を調整する。具体的には、例えば、LED基板1とノズル250の先端部とを対向配置する。LED基板1とノズル250との距離を離すほど塗布物を均一に塗布することが可能であるが、膜強度が低下する傾向もある。そのため、LED基板1とノズル250の先端部との距離は2〜30cmの範囲に保持することが望ましい。
次に、LED基板1とノズル250とを互いに相対移動させながら、ノズル250から第1の混合液を噴射することで、LED基板1上に設置されたLED素子3上に第1の混合液を塗布する(噴射・塗布工程)。
なお、LED基板1とノズル250との間の相対位置を変更可能であれば、移動台260及びノズル250のいずれ(または双方)を移動させてもよい。また、移動台260の移動方向と直交する方向にLED基板1を複数配置し、ノズル250を移動台260の移動方向と直交する方向に移動させながら塗布する方法も好ましく用いられる。
また、ノズル250にエアーを送り込むことで、混合液220をノズル250の先端部からLED基板1に向けて噴射する。LED基板1とノズル250との距離についてはエアーコンプレッサーの圧力を考慮して上記の範囲で調整する。なお、コンプレッサーの圧力は、例えば、ノズル250の入り口部(先端部)の圧力が0.14MPaとなるように調整する。
なお、LED素子3の発光面上において60%以上95%以下の領域が覆われるように波長変換部5を設けるためには、ステンシルまたはテープのマスク300をLED素子3上に乗せて混合液220を塗布し、後にマスクを除去する方法がある。
また、マスク300を使わずに、波長変換部5に覆われていない箇所を設けることもできる。この場合には、混合液220の粘土や乾燥性を調整し、LED素子3の発光面上において60%以上95%以下の領域が覆われるように混合液220を塗布して、これを乾燥させればよい。このようにマスクを用いない場合には、塗布された第1の混合液が乾燥するまでの間に、波長変換部5で被覆する領域の外部に第1の混合液が流れ出さないように、第1の混合液の粘度及び乾燥性を調整する。また、マスクを用いない場合には、第1の混合液の乾燥性に応じて、第1の混合液が塗布された領域の外縁が乾燥時に収縮し、波長変換部5の外縁の厚さが中心よりも薄く形成される場合がある。そのため、この乾燥による収縮も考慮して、第1の混合液の粘度及び乾燥性を調整するとよい。また、この場合の塗布条件としては、例えば、マスク300を使用する際の塗布条件に比べて、スプレー圧を下げる、距離を短くする、または混合液220の組成を変える方法があり、これらは適宜組み合わせてもよい。
以上の操作により、第1の混合液を、LED素子3の発光面上において60%以上95%以下の領域が覆われるよう(換言すると、LED素子3上に波長変換部5に覆われていない箇所を設けるように)塗布することができる。この塗布後の第1の混合液を加熱し乾燥させることで、波長変換部5中の蛍光体層を形成される。
(第2の混合液の塗布)
第2の混合液を塗布する場合には、第1の塗布液を塗布した場合と同様にして、塗布装置200を用いて第1の混合液を塗布して作成した蛍光体層上に塗布する。この塗布後の第2の混合液を加熱し乾燥させることで、波長変換部5が形成される。
以上のように、第1の混合液中に粘土鉱物を含有することで、第1の混合液を塗布・乾燥させ形成した蛍光体層の強度が向上し、蛍光体層の剥離を防止することができ、ひいては製造後の発光装置100において色度のバラツキの発生を抑制することができる。
なお、塗布装置200に代えて、ディスペンサーやインクジェット装置を用いて第1の混合液及び第2の混合液を塗布(滴下または吐出)するようにしてもよい。
ディスペンサーを使用する場合には、塗布液の滴下量を制御可能であり、蛍光体などのノズル詰まりが発生しないようなノズルを用いることが好ましい。具体的な一例として、武蔵エンジニアリング社製の非接触ジェットディスペンサーや同社のディスペンサーを用いることができる。
インクジェット装置を使用する場合も、塗布液の吐出量を制御可能であり、蛍光体などのノズル詰まりが発生しないようなノズルを用いる。具体的な一例として、コニカミノルタIJ社製のインクジェット装置を用いることができる。
なお、上記では、第1の混合液と第2の混合液とに分けて塗布する場合(2液処方)について説明したが、蛍光体分散液にセラミック前駆体も混合させた混合液を塗布すること(1液処方)で波長変換部5を形成してもよい。この場合においても、上述した塗布装置200及び塗布方法により、混合液を塗布すればよい。
なお、蛍光体、粘土鉱物、及び無機粒子の粒径は加熱後の波長変換部の厚さよりも小さいものを使用することが望ましい。
また、LED基板1の上面に接続用の電極が露出している場合には、その上から波長変換部やセラミック層をスプレーしてしまうと、通電しなくなる場合がある。そのため、このような場合には、LED基板1上にマスクをして必要箇所にのみ塗布することが望ましい。
なお、本発明ではLED素子3の発光面上の一部(5%〜40%)を波長変換部5で覆わない構成としている。そのため、発光装置から出射される光の色度を所望の値(例えば、0.33)に調整する場合には、波長変換部5内での2次発光により出射される光の量を調整する必要がある。具体的には、波長変換部5の厚みを調整する、即ち、波長変換部5の被覆率が低い場合には、波長変換部5の厚みを厚くすることで、波長変換部5から出射される光のうち2次発光による光の量の割合を多くする。例えば、色度を0.33に調整する場合には、LED素子3上の波長変換部5の被覆率が低い場合(例えば、60%以下の場合)には、波長変換部5を厚く形成する必要がある。しかしながら、波長変換部5に閉じ込められて、波長変換部5の外部に出射しない光(即ち、二次発光により発生した光や青色光として出射されるLED素子3からの光の一部)の量が増加して、その分だけ輝度が低下する。一方、被覆率が高すぎる場合(例えば、95%以上の場合)には、青色光が効率良く取り出せず、輝度が低下する。
次に、本発明の実施例について説明する。ここでは、上面のサイズが1mm角のLED素子3を使用し、条件を変えて波長変換部5を形成することで複数のサンプルを生成して、後述する、実施例1〜11、比較例1、及び比較例2とした。
なお、各サンプルは、出射される光の色度が所望の値(ここでは、0.33とした)となるように波長変換部5の厚みを調整する。具体的には、色空間をXYZ座標系で表したCIE−XYZ表色系で、ある点と原点を結ぶ直線が平面x+y+z=1と交わる点で定義される。同一の黄色蛍光体と青色LEDチップを使用した場合、色度は発光波長である黄色と励起波長である青を結ぶ直線にのるため、色度はxの値で示し、yとzは調略する。白色光の色度は(x,y)が(0.33,0.33)であり、色度がこの値に近いほど白色光に近くなる。x座標の値が小さくなると青色がかった白色になり、x座標の値が大きくなると黄色がかった白色になる。
そのうえで、サンプルごとに出射される光の輝度を、分光放射輝度計(CS−1000A、コニカミノルタセンシング社製)を用いて測定して、その測定結果を評価した。なお、輝度の評価方法としては、後述する比較例1を基準として、各実施例及び比較例の輝度を相対評価し、輝度が向上している場合は「○」、同じ場合は「△」、低下している場合は「×」とした。
次に、実施例1〜7、比較例1、及び比較例2のそれぞれについて、サンプルを作製するうえでの具体的な条件と、評価結果についてまとめる。これらの評価結果については、図3にまとめる。図3は、実施例1〜7、比較例1、及び比較例2の各条件と評価結果をまとめた表である。
なお、LED素子3上の波長変換部5による被覆率は、発光素子全体の顕微鏡写真を撮影し、その写真の中で発光素子の縦横をそれぞれ20分割して計400のマス目を作り、そのマス目において、波長変換部がないマス目をx個とし、全マス目中での割合x/400から求める。なお、マス目上に一部でも波長変換部5が存在するものはカウントしないこととしている。
(実施例1)
実施例1におけるサンプルの具体的な作製条件と、その評価結果について説明する。まず、蛍光体(YAG 405C205、粒度分布D50が20.5μm、根本特殊化学社製)1gと、合成雲母(MK−100、コープケミカル社製)0.05g、RX300(1次粒子の平均粒径が7nmシリル化処理無水シリカ、日本アエロジル社製)0.05g、プロピレングリコール1g、IPA0.5gとを混合して、第1の混合液を作成した。
本実施例では、LED素子3上に0.72mm角の穴のあいたマスクをし、この第1の混合液を、上述した塗布装置200(図2参照)を用いて、LED素子3上にスプレー塗布した。なお、このときの塗布条件は、スプレー圧0.2MPa、ステージロボット(移動台260)の移動速度55mm/sとしている。LED素子3上に第1の混合液を塗布したら、マスクを除去してから150℃で15分間乾燥させ蛍光体層を形成した。
蛍光体層を形成したら、ポリシロキサン分散液(ポリシロキサン14質量%、IPA86質量%)からなる第2の混合液を、この蛍光体層の上からスプレー塗布する。このときの塗布条件は、スプレー圧0.1MPa、ステージロボットの移動速度100mm/sとしている。蛍光体層上に第2の混合液を塗布したら、150℃で1時間焼成することで蛍光体層の蛍光体を固着させ、波長変換部5を形成する。この波長変換部5が形成された発光装置100をサンプルとした。
本実施例において、波長変換部5によるLED素子3上の被覆率は、図3に示すように60%である。また、LED素子3の上面の外縁は、波長変換部5により被覆されておらず、この領域はLED素子3が露出している。また、波長変換部5の外縁の厚さは、波長変換部5の中心部と同じである。また、形成された波長変換部5には、一様に蛍光体が分布しており、蛍光体が存在しない空隙部は存在しない。
実施例1の輝度は、後述する比較例1を100%とした場合に、101%であった。即ち、評価結果は「○」である。
(比較例1)
次に、比較例1におけるサンプルの具体的な作製条件について説明する。なお、前述したように、この比較例1が他の実施例を評価する際の基準となる。比較例1では、第1の混合液として、実施例1と同様のものを用いる。これを、上述した塗布装置200(図2参照)を用いて、LED素子3の上面全体が被覆されるように、LED素子3上にスプレー塗布した。なお、このときの塗布条件は、スプレー圧0.2MPa、ステージロボット(移動台260)の移動速度100mm/sとしている。LED素子3上に第1の混合液を塗布したら、50℃で1時間乾燥させ蛍光体層を形成した。
蛍光体層を形成したら、実施例1と同様の組成の第2の混合液を、この蛍光体層の上からスプレー塗布する。このときの塗布条件は、スプレー圧0.1MPa、ステージロボットの移動速度100mm/sとしている。蛍光体層上に第2の混合液を塗布したら、150℃で1時間焼成することで蛍光体層の蛍光体を固着させ、波長変換部5を形成する。この波長変換部5が形成された発光装置100をサンプルとした。
(実施例2)
次に、実施例2におけるサンプルの具体的な作製条件と、その評価結果について説明する。本実施例において使用する第1の混合液及び第2の混合液の組成は、実施例1と同様である。
本実施例では、LED素子3上に0.75mm角の穴のあいたマスクをし、第1の混合液を、上述した塗布装置200(図2参照)を用いて、LED素子3上にスプレー塗布した。なお、このときの塗布条件は、スプレー圧0.2MPa、ステージロボット(移動台260)の移動速度60mm/sとしている。LED素子3上に第1の混合液を塗布したら、マスクを除去してから150℃で15分間乾燥させ蛍光体層を形成した。
蛍光体層を形成したら、第2の混合液を、この蛍光体層の上からスプレー塗布する。このときの塗布条件は、スプレー圧0.1MPa、ステージロボットの移動速度100mm/sとしている。蛍光体層上に第2の混合液を塗布したら、150℃で1時間焼成することで蛍光体層の蛍光体を固着させ、波長変換部5を形成する。この波長変換部5が形成された発光装置100をサンプルとした。
本実施例において、波長変換部5によるLED素子3上の被覆率は、図3に示すように63%である。また、LED素子3の上面の外縁は、波長変換部5により被覆されておらず、この領域はLED素子3が露出している。また、波長変換部5の外縁の厚さは、波長変換部5の中心部と同じである。また、形成された波長変換部5には、一様に蛍光体が分布しており、蛍光体が存在しない空隙部は存在しない。
実施例2の輝度は、比較例1を100%とした場合に、101%であった。即ち、評価結果は「○」である。
(実施例3)
次に、実施例3におけるサンプルの具体的な作製条件と、その評価結果について説明する。本実施例において使用する第1の混合液及び第2の混合液の組成は、実施例1と同様である。
本実施例では、LED素子3上に0.78mm角の穴のあいたマスクをし、第1の混合液を、上述した塗布装置200(図2参照)を用いて、LED素子3上にスプレー塗布した。なお、このときの塗布条件は、スプレー圧0.2MPa、ステージロボット(移動台260)の移動速度65mm/sとしている。LED素子3上に第1の混合液を塗布したら、マスクを除去してから150℃で15分間乾燥させ蛍光体層を形成した。
蛍光体層を形成したら、第2の混合液を、この蛍光体層の上からスプレー塗布する。このときの塗布条件は、スプレー圧0.1MPa、ステージロボットの移動速度100mm/sとしている。蛍光体層上に第2の混合液を塗布したら、150℃で1時間焼成することで蛍光体層の蛍光体を固着させ、波長変換部5を形成する。この波長変換部5が形成された発光装置100をサンプルとした。
本実施例において、波長変換部5によるLED素子3上の被覆率は、図3に示すように70%である。また、LED素子3の上面の外縁は、波長変換部5により被覆されておらず、この領域はLED素子3が露出している。また、波長変換部5の外縁の厚さは、波長変換部5の中心部と同じである。また、形成された波長変換部5には、一様に蛍光体が分布しており、蛍光体が存在しない空隙部は存在しない。
実施例3の輝度は、比較例1を100%とした場合に、103%であった。即ち、評価結果は「○」である。
(実施例4)
次に、実施例4におけるサンプルの具体的な作製条件と、その評価結果について説明する。本実施例において使用する第1の混合液及び第2の混合液の組成は、実施例1と同様である。
本実施例では、LED素子3上に0.8mm角の穴のあいたマスクをし、第1の混合液を、上述した塗布装置200(図2参照)を用いて、LED素子3上にスプレー塗布した。なお、このときの塗布条件は、スプレー圧0.2MPa、ステージロボット(移動台260)の移動速度70mm/sとしている。LED素子3上に第1の混合液を塗布したら、マスクを除去してから150℃で15分間乾燥させ蛍光体層を形成した。
蛍光体層を形成したら、第2の混合液を、この蛍光体層の上からスプレー塗布する。このときの塗布条件は、スプレー圧0.1MPa、ステージロボットの移動速度100mm/sとしている。蛍光体層上に第2の混合液を塗布したら、150℃で1時間焼成することで蛍光体層の蛍光体を固着させ、波長変換部5を形成する。この波長変換部5が形成された発光装置100をサンプルとした。
本実施例において、波長変換部5によるLED素子3上の被覆率は、図3に示すように75%である。また、LED素子3の上面の外縁は、波長変換部5により被覆されておらず、この領域はLED素子3が露出している。また、波長変換部5の外縁の厚さは、波長変換部5の中心部と同じである。また、形成された波長変換部5には、一様に蛍光体が分布しており、蛍光体が存在しない空隙部は存在しない。
実施例4の輝度は、比較例1を100%とした場合に、105%であった。即ち、評価結果は「○」である。
(実施例5)
次に、実施例5におけるサンプルの具体的な作製条件と、その評価結果について説明する。本実施例において使用する第1の混合液及び第2の混合液の組成は、実施例1と同様である。
本実施例では、LED素子3上に0.93mm角の穴のあいたマスクをし、第1の混合液を、上述した塗布装置200(図2参照)を用いて、LED素子3上にスプレー塗布した。なお、このときの塗布条件は、スプレー圧0.2MPa、ステージロボット(移動台260)の移動速度80mm/sとしている。LED素子3上に第1の混合液を塗布したら、マスクを除去してから150℃で15分間乾燥させ蛍光体層を形成した。
蛍光体層を形成したら、第2の混合液を、この蛍光体層の上からスプレー塗布する。このときの塗布条件は、スプレー圧0.1MPa、ステージロボットの移動速度100mm/sとしている。蛍光体層上に第2の混合液を塗布したら、150℃で1時間焼成することで蛍光体層の蛍光体を固着させ、波長変換部5を形成する。この波長変換部5が形成された発光装置100をサンプルとした。
本実施例において、波長変換部5によるLED素子3上の被覆率は、図3に示すように85%である。また、LED素子3の上面の外縁は、波長変換部5により被覆されておらず、この領域はLED素子3が露出している。また、波長変換部5の外縁の厚さは、波長変換部5の中心部と同じである。また、形成された波長変換部5には、一様に蛍光体が分布しており、蛍光体が存在しない空隙部は存在しない。
実施例5の輝度は、比較例1を100%とした場合に、104%であった。即ち、評価結果は「○」である。
(実施例6)
次に、実施例6におけるサンプルの具体的な作製条件と、その評価結果について説明する。本実施例において使用する第1の混合液及び第2の混合液の組成は、実施例1と同様である。
本実施例では、LED素子3上に0.96mm角の穴のあいたマスクをし、第1の混合液を、上述した塗布装置200(図2参照)を用いて、LED素子3上にスプレー塗布した。なお、このときの塗布条件は、スプレー圧0.2MPa、ステージロボット(移動台260)の移動速度85mm/sとしている。LED素子3上に第1の混合液を塗布したら、マスクを除去してから150℃で15分間乾燥させ蛍光体層を形成した。
蛍光体層を形成したら、第2の混合液を、この蛍光体層の上からスプレー塗布する。このときの塗布条件は、スプレー圧0.1MPa、ステージロボットの移動速度100mm/sとしている。蛍光体層上に第2の混合液を塗布したら、150℃で1時間焼成することで蛍光体層の蛍光体を固着させ、波長変換部5を形成する。この波長変換部5が形成された発光装置100をサンプルとした。
本実施例において、波長変換部5によるLED素子3上の被覆率は、図3に示すように85%である。また、LED素子3の上面の外縁は、波長変換部5により被覆されておらず、この領域はLED素子3が露出している。また、波長変換部5の外縁の厚さは、波長変換部5の中心部と同じである。また、形成された波長変換部5には、一様に蛍光体が分布しており、蛍光体が存在しない空隙部は存在しない。
実施例6の輝度は、比較例1を100%とした場合に、102%であった。即ち、評価結果は「○」である。
(比較例2)
次に、比較例2におけるサンプルの具体的な作製条件と、その評価結果について説明する。本実施例において使用する第1の混合液及び第2の混合液の組成は、実施例1と同様である。
本実施例では、LED素子3上に0.65mm角の穴のあいたマスクをし、第1の混合液を、上述した塗布装置200(図2参照)を用いて、LED素子3上にスプレー塗布した。なお、このときの塗布条件は、スプレー圧0.2MPa、ステージロボット(移動台260)の移動速度50mm/sとしている。LED素子3上に第1の混合液を塗布したら、マスクを除去してから150℃で15分間乾燥させ蛍光体層を形成した。
蛍光体層を形成したら、第2の混合液を、この蛍光体層の上からスプレー塗布する。このときの塗布条件は、スプレー圧0.1MPa、ステージロボットの移動速度100mm/sとしている。蛍光体層上に第2の混合液を塗布したら、150℃で1時間焼成することで蛍光体層の蛍光体を固着させ、波長変換部5を形成する。この波長変換部5が形成された発光装置100をサンプルとした。
本実施例において、波長変換部5によるLED素子3上の被覆率は、図3に示すように50%である。また、LED素子3の上面の外縁は、波長変換部5により被覆されておらず、この領域はLED素子3が露出している。また、波長変換部5の外縁の厚さは、波長変換部5の中心部と同じである。また、形成された波長変換部5には、一様に蛍光体が分布しており、蛍光体が存在しない空隙部は存在しない。
比較例2の輝度は、比較例1を100%とした場合に、86%であった。即ち、評価結果は「×」である。
実施例1〜8、及び比較例2を比較した場合、被覆率が75%である実施例4が最も輝度が高い結果となった。また、被覆率が50%である比較例2は、輝度が86%となり、比較例1に比べて低下している。以上の結果から、LED素子3上における波長変換部5の被覆率が60%以上95%以下である場合に輝度が向上し、被覆率が70%以上93%以下である場合がより好ましい。
(実施例9)
次に、実施例9におけるサンプルの具体的な作製条件と、その評価結果について説明する。本実施例において使用する第1の混合液及び第2の混合液の組成は、実施例1と同様である。
本実施例では、LED素子3上に0.18mm角のテープを複数貼り付けることでマスクとし、第1の混合液を、上述した塗布装置200(図2参照)を用いて、LED素子3上にスプレー塗布した。なお、このときの塗布条件は、スプレー圧0.2MPa、ステージロボット(移動台260)の移動速度70mm/sとしている。LED素子3上に第1の混合液を塗布したら、マスクを除去してから150℃で15分間乾燥させ蛍光体層を形成した。
蛍光体層を形成したら、第2の混合液を、この蛍光体層の上からスプレー塗布する。このときの塗布条件は、スプレー圧0.1MPa、ステージロボットの移動速度100mm/sとしている。蛍光体層上に第2の混合液を塗布したら、150℃で1時間焼成することで蛍光体層の蛍光体を固着させ、波長変換部5を形成する。この波長変換部5が形成された発光装置100をサンプルとした。
本実施例において、波長変換部5によるLED素子3上の被覆率は、図3に示すように75%である。また、LED素子3の上面の外縁は、波長変換部5により被覆されている。また、波長変換部5の外縁の厚さは、波長変換部5の中心部と同じである。また、形成された波長変換部5には、蛍光体が存在しない空隙部(テープによりマスクされた部分)が存在する。
実施例5の輝度は、比較例1を100%とした場合に、103%であった。即ち、評価結果は「○」である。
実施例9を実施例2と比較した場合、波長変換部5による被覆率はどちらも75%であるが、その輝度は、本実施例が103%であるのに対して、実施例2が105%である。このことから、LED素子3上面の外縁に、波長変換部5で被覆されていない領域を設ける方が、効率良く輝度を向上させることが可能となることがわかる。
(実施例10)
次に、実施例10におけるサンプルの具体的な作製条件と、その評価結果について説明する。本実施例では、蛍光体1gと、合成雲母0.05g、RX300を0.05g、プロピレングリコール1.3g、IPA0.2gとを混合して、第1の混合液を作成した。なお、蛍光体、合成雲母、及びRX300については、実施例1と同様のものを使用している。また、第2の混合液は、実施例1と同様のものを使用する。
本実施例では、第1の混合液を、上述した塗布装置200(図2参照)を用いて、LED素子3上にスプレー塗布した。なお、このときの塗布条件は、スプレー圧0.2MPa、ステージロボット(移動台260)の移動速度70mm/sとしている。LED素子3上に第1の混合液を塗布したら、マスクを除去してから150℃で15分間乾燥させ蛍光体層を形成した。
蛍光体層を形成したら、第2の混合液を、この蛍光体層の上からスプレー塗布する。このときの塗布条件は、スプレー圧0.1MPa、ステージロボットの移動速度100mm/sとしている。蛍光体層上に第2の混合液を塗布したら、150℃で1時間焼成することで蛍光体層の蛍光体を固着させ、波長変換部5を形成する。この波長変換部5が形成された発光装置100をサンプルとした。なお、本実施例では、第1の混合液及び第2の混合液の乾燥時に、これらの外縁部が収縮し、LED素子3の外縁が波長変換部5に覆われずに露出している。また、この収縮により、波長変換部5の外縁の厚さは、波長変換部5の中心の厚さよりも薄く形成されている。
本実施例において、波長変換部5によるLED素子3上の被覆率は、図3に示すように75%である。また、LED素子3の上面の外縁は、波長変換部5により被覆されておらず、この領域はLED素子3が露出している。また、波長変換部5の外縁の厚さは、波長変換部5の中心部よりも薄く形成されている。また、形成された波長変換部5には、一様に蛍光体が分布しており、蛍光体が存在しない空隙部は存在しない。
実施例10の輝度は、比較例1を100%とした場合に、104%であった。即ち、評価結果は「○」である。
(実施例11)
次に、実施例11におけるサンプルの具体的な作製条件と、その評価結果について説明する。本実施例では、蛍光体粒子1gと合成スメクタイト(ルーセンタイトSWN コープケミカル社製)0.05g、平均粒径10μmのシリル化シリカ(VM−2270、東レダウコーニング社製)0.05g、プロピレングリコール1g、イソプロピルアルコール0.5gとを混合し、第1の混合液を作成した。なお、蛍光体については、実施例1と同様のものを使用している。また、第2の混合液は、実施例1と同様のものを使用する。
本実施例では、LED素子3上に0.8mm角の穴のあいたマスクをし、第1の混合液を、上述した塗布装置200(図2参照)を用いて、LED素子3上にスプレー塗布した。なお、このときの塗布条件は、スプレー圧0.2MPa、ステージロボット(移動台260)の移動速度70mm/sとしている。LED素子3上に第1の混合液を塗布したら、マスクを除去してから150℃で15分間乾燥させ蛍光体層を形成した。
蛍光体層を形成したら、第2の混合液を、この蛍光体層の上からスプレー塗布する。このときの塗布条件は、スプレー圧0.1MPa、ステージロボットの移動速度100mm/sとしている。蛍光体層上に第2の混合液を塗布したら、150℃で1時間焼成することで蛍光体層の蛍光体を固着させ、波長変換部5を形成する。この波長変換部5が形成された発光装置100をサンプルとした。
本実施例において、波長変換部5によるLED素子3上の被覆率は、図3に示すように75%である。また、LED素子3の上面の外縁は、波長変換部5により被覆されておらず、この領域はLED素子3が露出している。また、波長変換部5の外縁の厚さは、波長変換部5の中心部と同じである。また、形成された波長変換部5には、一様に蛍光体が分布しており、蛍光体が存在しない空隙部は存在しない。
実施例11の輝度は、比較例1を100%とした場合に、106%であった。即ち、評価結果は「○」である。
以上のように、この発明に係る発光装置100は、LED素子3上に波長変換部5で覆われていない部分を設けている。このような構成にすることで、LED素子3から出射される光の一部は、波長変換部5に入射せずそのまま出射される。これにより、波長変換部5内に閉じ込められる光(即ち、二次発光により発生した光や青色光として出射されるLED素子3からの光の一部)の割合が低減し、輝度を向上させることが可能となる。
1 LED基板
2 メタル部
3 LED素子
4 突起電極
5 波長変換部
100 発光装置

Claims (6)

  1. 所定波長の光を発光面から出射する発光素子と、
    前記発光面から出射された光により励起されて、当該光とは異なる波長の蛍光を出射する波長変換部と、
    を備えた発光装置であって、
    前記波長変換部は、蛍光体、粘土鉱物、及び無機微粒子を含む透光性セラミックを含んで構成され、前記発光素子の発光面の60%以上95%以下の領域を覆っていることを特徴とする発光装置。
  2. 前記波長変換部は、前記発光素子の発光面の70%以上93%以下の領域を覆っていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記波長変換部は、前記発光面の中心を覆い、その外縁を覆っていないことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の発光装置。
  4. 前記波長変換部は、前記発光面の中心に対応する部分の厚さが、前記発光面の前記外縁に近い部分の厚さよりも厚いことを特徴とする請求項3に記載の発光装置。
  5. 所定波長の光を出射する発光素子と、
    前記発光素子から出射された光により励起されて、当該光とは異なる波長の蛍光を出射する波長変換部と、
    を備えた発光装置の製造方法であって、
    前記発光素子の発光面の60%以上95%以下の領域が露出するように、当該発光面の一部をマスクする工程と、
    マスク上から、蛍光体、粘土鉱物、無機微粒子、及び溶媒を含む第1の混合液を塗布し、乾燥させることで、蛍光体層を形成する工程と、
    透光性のセラミック前駆体と溶媒とを含む第2の混合液を、前記蛍光体層上に塗布し、焼成することで、前記蛍光体層を含む波長変換部を形成する工程と、
    を備えたことを特徴とする発光装置の製造方法。
  6. 所定波長の光を出射する発光素子と、
    前記発光素子から出射された光により励起されて、当該光とは異なる波長の蛍光を出射する波長変換部と、
    を備えた発光装置の製造方法であって、
    蛍光体、粘土鉱物、無機微粒子、及び溶媒を含む第1の混合液を、前記発光素子の発光面の外縁が露出するように前記外縁以外に塗布し、乾燥させることで、蛍光体層を形成する工程と、
    透光性のセラミック前駆体を溶媒に分散させた第2の混合液を、前記蛍光体層上に塗布し、焼成することで、前記蛍光体層を含む波長変換部を形成する工程と、
    を備えたことを特徴とする発光装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012023425A1 (ja) * 2010-08-17 2012-02-23 コニカミノルタオプト株式会社 発光装置の製造方法

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