JPWO2013046674A1 - Led装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
LED素子における蛍光体を、必要な部位にのみ、つまりLEDチップ上に位置選択的に配置することを目的とする。本願発明のLED装置の製造方法では、LEDチップを実装したパッケージ上に、蛍光体粒子を含む蛍光体分散液を塗布し、乾燥することで、蛍光体を配置する工程と;前記LEDチップ上を含む特定部位上に配置された前記蛍光体のみに、バインダー前駆体を塗布し、焼成することで、前記特定部位上の前記蛍光体を固着させて蛍光体層とする工程と;前記特定部位以外の部位上に配置された前記蛍光体を、洗浄により除去する工程とを行う。
Description
本発明は、LED装置の製造方法に関する。
LEDチップを用いた発光素子(LED素子)は、発光素子の高輝度化および省エネルギーへの要望の高まりに伴い、様々な用途に適用を拡大している。特に、青色LEDチップと、青色光を受けることで黄色光を出射する蛍光体とを組み合わせて、青色光と黄色光とを混色させて白色光を出射する白色LED素子が知られている。このような白色LED素子は、白色光が必要とされる電灯、液晶表示装置のバックライトなどの照明として用いられるようになってきている。
また、LEDチップと蛍光体とを組み合わせた白色LED素子として、さらに、紫外光を出射するLEDチップと、紫外光により青、緑、赤の光を出射する蛍光体とを組み合わせて白色光とする白色LED素子、青色光を出射するLEDチップと、赤、緑の光を出射する蛍光体とを組み合わせて白色光とする白色LED素子なども検討されている。
LEDと蛍光体とを組み合わせた照明の構成として、LEDチップを、蛍光体が分散した硬化樹脂層で封止する構成が開発されている。このように硬化樹脂層でLEDチップを封止した照明装置が、高輝度化が求められる照明装置(自動車のヘッドライトなど)に適用されると、硬化樹脂層が熱劣化する恐れがある。LEDチップからの発熱量が増大するためである。
これに対して、LEDと蛍光体とを組み合わせた照明の構成として、LEDチップを、蛍光体が分散したセラミック層で封止する構成も提案されている(特許文献1を参照)。
前述の通り、パッケージに実装されたLEDチップを、蛍光体が分散したセラミック層で封止すると、耐久性に優れたLED素子が提供されうる。しかしながら、特許文献1に提案されたLED素子では、蛍光体がパッケージの内部全体に分散しており、本来は不要な部位にまで蛍光体が配置されている。このような状態では、LEDチップの発光(励起光)が蛍光体層を通過して外部に出てくる際に、LEDチップからの光の出射位置や出射角度によって蛍光体層を通過する距離が異なり、蛍光体によって波長変換されて外部に出てくる光の量と波長変換されずに外部に出てくる光の量が異なるため、LED装置からの発光に色ムラが生じる。
そのためLED素子における蛍光体は、必要な部位にのみ、つまりLEDチップ上に位置選択的に配置されていることが好ましい。微小なLEDチップ上に位置選択的に蛍光体を配置するためには、蛍光体分散液をディスペンサーやインクジェットなどの手法で、位置選択的に塗布することが考えられる。しかしながら、一般的に蛍光体粒子の粒径は10μm〜20μmであるため、インクジェット手法を用いて蛍光体分散液を塗布しようとすると、インクジェットヘッドのノズル詰まりが発生する恐れがある。また、ノズル径の大きいディスペンサーを用いて蛍光体分散液を塗布しようとすると、ノズル詰まりは防止されるが、塗布精度が低下し、不要な部位への塗布が生じる。
本発明の第一は、以下に示すLED装置の製造方法に関する。
[1]LEDチップを実装したパッケージ上に、蛍光体粒子を含む蛍光体分散液を塗布し、乾燥することで、蛍光体を配置する工程と;前記LEDチップ上を含む特定部位上に配置された前記蛍光体のみに、バインダー前駆体を塗布し、焼成することで、前記特定部位上の前記蛍光体を固着させて蛍光体層とする工程と;前記特定部位以外の部位上に配置された前記蛍光体を除去する工程とを含む、蛍光体層を有するLED装置の製造方法。
[1]LEDチップを実装したパッケージ上に、蛍光体粒子を含む蛍光体分散液を塗布し、乾燥することで、蛍光体を配置する工程と;前記LEDチップ上を含む特定部位上に配置された前記蛍光体のみに、バインダー前駆体を塗布し、焼成することで、前記特定部位上の前記蛍光体を固着させて蛍光体層とする工程と;前記特定部位以外の部位上に配置された前記蛍光体を除去する工程とを含む、蛍光体層を有するLED装置の製造方法。
[2]前記蛍光体分散液は、スプレー塗布またはディスペンサーで塗布する、[1]に記載の製造方法。
[3]前記バインダー前駆体は、インクジェットまたはディスペンサーで塗布する、[1]または[2]に記載の製造方法。
[3]前記バインダー前駆体は、インクジェットまたはディスペンサーで塗布する、[1]または[2]に記載の製造方法。
[4]前記蛍光体分散液は、酸化物微粒子または層状粘土鉱物をさらに含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]前記蛍光体分散液は、酸化物微粒子及び層状粘土鉱物をさらに含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]前記バインダー前駆体は、セラミック前駆体としての有機金属化合物である、[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
[5]前記蛍光体分散液は、酸化物微粒子及び層状粘土鉱物をさらに含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]前記バインダー前駆体は、セラミック前駆体としての有機金属化合物である、[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
本発明によれば、LEDチップを実装したLED装置(半導体発光装置)において、LEDチップ上を含む特定部位上に、位置選択的に蛍光体層を形成することができる。そのため、本発明のLED装置では、LEDチップが発する光(励起光)が、均一に蛍光体に照射されうる。よって、色むらのない光を発するLED装置を提供することができる。
1.LED装置について
本発明のLED装置(半導体発光装置)は、LED発光素子と、蛍光体層とを有する。図1は、LED装置100の例を示す断面図である。LED発光素子は、凹部11を有するパッケージ(LED基板)1と、メタル部(メタル配線)2と、パッケージ1の凹部11に配置されたLEDチップ3と、メタル部2とLEDチップ3とを接続する突起電極4とを有する。このように、突起電極4を介してメタル部2とLEDチップ3とを接続する態様を、フリップチップ型という。
本発明のLED装置(半導体発光装置)は、LED発光素子と、蛍光体層とを有する。図1は、LED装置100の例を示す断面図である。LED発光素子は、凹部11を有するパッケージ(LED基板)1と、メタル部(メタル配線)2と、パッケージ1の凹部11に配置されたLEDチップ3と、メタル部2とLEDチップ3とを接続する突起電極4とを有する。このように、突起電極4を介してメタル部2とLEDチップ3とを接続する態様を、フリップチップ型という。
パッケージ1は、例えば液晶ポリマーやセラミックであるが、絶縁性と耐熱性を有していれば、その材質は特に限定されない。
LEDチップ3は、例えば青色LEDである。青色LEDの構成の例には、LED基板1に積層されたn−GaN系化合物半導体層(クラッド層)と、InGaN系化合物半導体層(発光層)と、p−GaN系化合物半導体層(クラッド層)と、透明電極層との積層体である。LEDチップ3は、例えば200〜300μm×200〜300μmの面を有し、LEDチップ3の高さは50〜200μmである。
図1に示されるLED装置100には、パッケージ1の凹部11に、1つのLEDチップ3が配置されているが;パッケージ1の凹部11に、複数のLEDチップ3が配置されていてもよい。
蛍光体層6について
さらに、LED装置100は、LEDチップ3の発光面を覆う蛍光体層6を有する。蛍光体層6は、蛍光体粒子とバインダーとしてのセラミックとを含むセラミック層であり、さらに平板状粒子、酸化物微粒子、アルミニウムケイ酸塩(イモゴライト)などを含んでいてもよい。蛍光体層6は、図1に示されているように、LEDチップ3の発光面(LEDチップ3の上面と側面)を選択的に覆っていればよい。このように蛍光体層6は、LEDチップ3の表面に選択的に形成されており、パッケージ1の凹部11の内部全体に形成されているわけではない。
さらに、LED装置100は、LEDチップ3の発光面を覆う蛍光体層6を有する。蛍光体層6は、蛍光体粒子とバインダーとしてのセラミックとを含むセラミック層であり、さらに平板状粒子、酸化物微粒子、アルミニウムケイ酸塩(イモゴライト)などを含んでいてもよい。蛍光体層6は、図1に示されているように、LEDチップ3の発光面(LEDチップ3の上面と側面)を選択的に覆っていればよい。このように蛍光体層6は、LEDチップ3の表面に選択的に形成されており、パッケージ1の凹部11の内部全体に形成されているわけではない。
蛍光体層6は、LEDチップ3から出射される光(励起光)を受けて、蛍光を発する層である。励起光と蛍光とが混ざることで、LED装置100から所望の色の光が発光する。例えば、LEDチップ3からの光が青色であり、蛍光体層6からの蛍光が黄色であれば、LED装置100は白色LED発光装置となりうる。
蛍光体粒子について
蛍光体層6に含有される蛍光体粒子は、LEDチップ3のLEDからの出射光の波長(励起波長)により励起されて、励起波長と異なる波長の蛍光を発する。LEDチップ3から青色光が出射される場合には、蛍光体粒子が黄色の蛍光を発することによって、白色LED素子が得られる。黄色の蛍光を発する蛍光体の例には、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)蛍光体が挙げられる。YAG蛍光体は、青色LEDチップから出射される青色光(波長420nm〜485nm)からなる励起光を受けて、黄色光(波長550nm〜650nm)の蛍光を発することができる。
蛍光体層6に含有される蛍光体粒子は、LEDチップ3のLEDからの出射光の波長(励起波長)により励起されて、励起波長と異なる波長の蛍光を発する。LEDチップ3から青色光が出射される場合には、蛍光体粒子が黄色の蛍光を発することによって、白色LED素子が得られる。黄色の蛍光を発する蛍光体の例には、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)蛍光体が挙げられる。YAG蛍光体は、青色LEDチップから出射される青色光(波長420nm〜485nm)からなる励起光を受けて、黄色光(波長550nm〜650nm)の蛍光を発することができる。
蛍光体は、例えば、1)所定の組成を有する混合原料に、フラックスとしてフッ化アンモニウム等のフッ化物を適量混合して加圧し、成形体を得て、2)得られた成形体を坩堝に詰め、空気中1350〜1450℃の温度範囲で2〜5時間焼成し焼結体を得ることで製造されうる。
所定の組成を有する混合原料は、Y、Gd、Ce、Sm、Al、La、Gaの酸化物、または高温で容易に酸化物となる化合物を、化学量論比で十分に混合して得ることができる。あるいは、所定の組成を有する混合原料は、Y、Gd、Ce、Smの希土類元素を化学量論比で酸に溶解した溶液を、シュウ酸で共沈したものを焼成して得られる共沈酸化物と、酸化アルミニウム、酸化ガリウムとを混合して得ることができる。
蛍光体の種類はYAG蛍光体に限定されるものではなく、例えばCeを含まない非ガーネット系蛍光体などの他の蛍光体を使用することもできる。
蛍光体粒子の平均一次粒径は1μm以上50μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましい。蛍光体の平均一次粒径が大きいほど発光効率(波長変換効率)は高くなる。一方で、蛍光体の平均一次粒径が大きすぎると、蛍光体層において蛍光体とバインダーとの界面に生じる隙間が大きくなり、蛍光体層の膜強度が低下する。蛍光体の平均一次粒径は、レーザー回折式粒度分布計で測定されるD50の値である。レーザー回折式粒度分布計の例には、島津製作所製のレーザー回折式粒度分布測定装置等がある。
蛍光体層6を構成するセラミック層における蛍光体の濃度は、それに含まれる蛍光体の質量と、平板状粒子の質量と、酸化物微粒子の質量と、バインダーとしてのセラミックの質量との合計質量に対して、60質量%以上95質量%以下であることが好ましい。基本的には、蛍光体粒子含有セラミック層における蛍光体粒子の濃度は高いほど好ましい。セラミック層における蛍光体の濃度を高くすると、バインダーであるセラミックの含有比率が低下するので、セラミック層における蛍光体粒子の分布が均一になりやすいからである。また、蛍光体の濃度が高くすると、セラミック層を薄くしても必要量の蛍光体をLED装置に配置することができるからである。
また、セラミック層における蛍光体粒子の濃度が高いと、蛍光体粒子同士が密着するため、セラミック層の膜強度を高めることができる。さらには、セラミック層における蛍光体粒子の濃度が高いと、蛍光体からの発熱が、セラミック層から放散されやすくなる。
一方で、セラミック層における蛍光体の濃度が高すぎる(95質量%超である)と、バインダーの含有比率が極端に低下して、蛍光体粒子同士が結着することができない場合がある。
蛍光体層6を構成するセラミック層における蛍光体粒子の濃度は、それを成膜するために用いた蛍光体分散液の組成から求めることができる。
平板状粒子について
蛍光体層6を構成するセラミック層に含有されうる平板状粒子の典型例には、層状粘土鉱物微粒子がある。層状粘土鉱物微粒子の主成分は層状ケイ酸塩鉱物であり、雲母構造、カオリナイト構造、スメクタイト構造などの構造を有する膨潤性粘土鉱物が好ましく、膨潤性に富むスメクタイト構造を有する膨潤性粘土鉱物がより好ましい。層状粘土鉱物微粒子は平板状を呈するため、蛍光体層6を構成するセラミック層の膜強度を向上させることもできる。
蛍光体層6を構成するセラミック層に含有されうる平板状粒子の典型例には、層状粘土鉱物微粒子がある。層状粘土鉱物微粒子の主成分は層状ケイ酸塩鉱物であり、雲母構造、カオリナイト構造、スメクタイト構造などの構造を有する膨潤性粘土鉱物が好ましく、膨潤性に富むスメクタイト構造を有する膨潤性粘土鉱物がより好ましい。層状粘土鉱物微粒子は平板状を呈するため、蛍光体層6を構成するセラミック層の膜強度を向上させることもできる。
また、後述するように、セラミック層を成膜するために蛍光体分散液を塗布する。蛍光体分散液に平板状粒子が含まれていると、蛍光体分散液の粘度が高まり、蛍光体分散液中での蛍光体の沈降が抑制される。平板状粒子は、蛍光体分散液中においてカードハウス構造として存在し、少量で蛍光体分散液の粘度を大幅に高めることができる。
蛍光体層6における平板状粒子の含有量は0.5質量%以上20質量%以下とすることが好ましく、0.5質量%以上10質量%以下がより好ましい。蛍光体層6における平板状粒子の含有量が0.5質量%未満になると蛍光体分散液の粘性を増加させる効果が十分に得られない。一方、層状ケイ酸塩鉱物の含有量が20質量%を超えるとセラミック層の強度が低下する。
蛍光体分散液での有機溶媒との相溶性を考慮して、層状粘土鉱物微粒子の表面は、アンモニウム塩等で修飾(表面処理)されていてもよい。
酸化物微粒子について
蛍光体層6に含有されうる酸化物微粒子は、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛などの微粒子でありうる。特に、蛍光体層6におけるバインダーを、シロキサンなどの含ケイ素有機化合物の硬化物であるセラミックとする場合には、形成されるセラミックに対する安定性の観点から、酸化物微粒子を酸化ケイ素とすることが好ましい。
蛍光体層6に含有されうる酸化物微粒子は、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛などの微粒子でありうる。特に、蛍光体層6におけるバインダーを、シロキサンなどの含ケイ素有機化合物の硬化物であるセラミックとする場合には、形成されるセラミックに対する安定性の観点から、酸化物微粒子を酸化ケイ素とすることが好ましい。
酸化物微粒子は、蛍光体層6を構成するセラミック層において、バインダーであるセラミックと、蛍光体および層状ケイ酸塩鉱物との界面に生じる隙間を埋める充填剤となり、蛍光体層6の膜強度を向上させる膜強化剤として機能しうる。
酸化物微粒子の平均一次粒径は、上述したそれぞれの効果を考慮して0.001μm以上50μm以下であることが好ましい。酸化物微粒子の平均一次粒径は、レーザー回折式粒度分布計で測定されるD50の値である。レーザー回折式粒度分布計の例には、島津製作所製のレーザー回折式粒度分布測定装置等がある。
蛍光体層6における酸化物微粒子の含有量は0.5質量%以上20質量%以下がより好ましい。蛍光体層6における酸化物微粒子の含有量が0.5質量%未満であるか、または20質量%を超えると、蛍光体層6を構成するセラミック層の膜強度が十分に高まらない。
酸化物微粒子の表面は、シランカップリング剤やチタンカップリング剤で処理されていてもよい。表面処理によって、酸化物微粒子の、有機金属化合物や有機溶媒との相溶性が高まる。
セラミックについて
蛍光体層6に含有されるセラミックは、蛍光体粒子同士を結着させるバインダーとなる。セラミックは、ガラスなどの透明セラミックなどである。より具体的にセラミックは、ポリシロキサンまたはポリシラザンからなるセラミックなどでありうる。透明セラミックをバインダーとして用いることで、硬化樹脂をバインダーとして用いる場合よりも、蛍光体層6の耐熱性などを高めることができる。
蛍光体層6に含有されるセラミックは、蛍光体粒子同士を結着させるバインダーとなる。セラミックは、ガラスなどの透明セラミックなどである。より具体的にセラミックは、ポリシロキサンまたはポリシラザンからなるセラミックなどでありうる。透明セラミックをバインダーとして用いることで、硬化樹脂をバインダーとして用いる場合よりも、蛍光体層6の耐熱性などを高めることができる。
蛍光体層6におけるセラミックの含有量は、3質量%以上35質量%以下であることが好ましく、10質量%以上30質量%以下であることがより好ましい。蛍光体層6におけるバインダー(透明セラミック)の含有量が3質量%未満では、バインダーとしてのセラミックが少なすぎるために、加熱焼成後の蛍光体層6の強度が低下する。一方、バインダー(透明セラミック)の含有量が40質量%を超えると、層状粘土鉱物微粒子や無機微粒子の含有量が相対的に低下する。無機微粒子の含有量が相対的に低下すると、蛍光体層6の強度が低下する。また、蛍光体層6における層状粘土鉱物微粒子の含有量が相対的に低下すると、蛍光体分散液における層状粘土鉱物微粒子の含有量も低下しやすく、蛍光体分散液の粘度も低下しやすい。
蛍光体層6の膜厚について
蛍光体層6を構成するセラミック層の厚みは、半導体発光素子が必要とする蛍光体の量に応じて設定されるため、特に限定されない。ただし、本発明におけるセラミック層中の蛍光体の濃度は高いため、セラミック層の厚みを150μm以下とすることができ、さらに100μm以下とすることができる。蛍光体層6を構成するセラミック層の厚みが150μmを超えると、通常は、蛍光体層6における蛍光体粒子の濃度が過剰に低くなるので(60質量%未満となり)、蛍光体粒子を均一に分散させにくかったり、膜強度が低かったりする。
蛍光体層6を構成するセラミック層の厚みは、半導体発光素子が必要とする蛍光体の量に応じて設定されるため、特に限定されない。ただし、本発明におけるセラミック層中の蛍光体の濃度は高いため、セラミック層の厚みを150μm以下とすることができ、さらに100μm以下とすることができる。蛍光体層6を構成するセラミック層の厚みが150μmを超えると、通常は、蛍光体層6における蛍光体粒子の濃度が過剰に低くなるので(60質量%未満となり)、蛍光体粒子を均一に分散させにくかったり、膜強度が低かったりする。
蛍光体層6の厚みの下限は特に制限されないが、通常は15μm以上、好ましくは30μm以上である。蛍光体粒子の大きさ(粒径)は、通常10μm以上であるので、蛍光体層6の厚みを15μm未満とすることは困難であることがある。
セラミック層の膜厚は、LEDチップ3の上面に配置されたセラミック層の最大厚みL(図1参照)を意味する。セラミック層の膜厚は、レーザホロゲージを用いて測定することができる。
2.LED装置の製造方法について
LED装置(半導体発光装置)は、1)パッケージ1とLEDチップ3を含むLEDチップ実装パッケージ90を用意する工程(図3のS1)と、2)LEDチップ3を実装したパッケージ1上に、蛍光体分散液を塗布し、乾燥することで、蛍光体10を配置する工程(図3のS2)と、3)前記LEDチップ3の表面上を含む特定部位上に配置された前記蛍光体10のみに、バインダー前駆体を塗布し、焼成することで、前記特定部位上の前記蛍光体10を固着させて蛍光体層6とする工程(図3のS3)と、4)前記特定部位以外の部位上に配置された前記蛍光体10を除去する工程(図3のS4)と、を含むプロセスで製造されうる。
LED装置(半導体発光装置)は、1)パッケージ1とLEDチップ3を含むLEDチップ実装パッケージ90を用意する工程(図3のS1)と、2)LEDチップ3を実装したパッケージ1上に、蛍光体分散液を塗布し、乾燥することで、蛍光体10を配置する工程(図3のS2)と、3)前記LEDチップ3の表面上を含む特定部位上に配置された前記蛍光体10のみに、バインダー前駆体を塗布し、焼成することで、前記特定部位上の前記蛍光体10を固着させて蛍光体層6とする工程(図3のS3)と、4)前記特定部位以外の部位上に配置された前記蛍光体10を除去する工程(図3のS4)と、を含むプロセスで製造されうる。
[蛍光体分散液の塗布および乾燥]
LEDチップ実装パッケージ90は、パッケージ1とそれに配置されたLEDチップ3とを有する(図3のS1参照)。LEDチップ実装パッケージ90の、LEDチップ3の発光面を含むパッケージ1上に蛍光体分散液を塗布する。
LEDチップ実装パッケージ90は、パッケージ1とそれに配置されたLEDチップ3とを有する(図3のS1参照)。LEDチップ実装パッケージ90の、LEDチップ3の発光面を含むパッケージ1上に蛍光体分散液を塗布する。
蛍光体分散液について
蛍光体分散液には、蛍光体粒子と溶媒とが含まれ、さらに平板状粒子、酸化物微粒子、アルミニウムケイ酸塩(イモゴライト)などを含んでいてもよい。蛍光体粒子は比重が大きいため蛍光体分散液中で沈降しやすく、蛍光体粒子が沈降すると蛍光体分散液の塗布が困難になる。平板状粒子および酸化物微粒子は、蛍光体分散液の粘度を調整することができ、蛍光体粒子の沈降を抑制することができる。蛍光体粒子、平板状粒子および酸化物微粒子の種類は、前述した通りである。
蛍光体分散液には、蛍光体粒子と溶媒とが含まれ、さらに平板状粒子、酸化物微粒子、アルミニウムケイ酸塩(イモゴライト)などを含んでいてもよい。蛍光体粒子は比重が大きいため蛍光体分散液中で沈降しやすく、蛍光体粒子が沈降すると蛍光体分散液の塗布が困難になる。平板状粒子および酸化物微粒子は、蛍光体分散液の粘度を調整することができ、蛍光体粒子の沈降を抑制することができる。蛍光体粒子、平板状粒子および酸化物微粒子の種類は、前述した通りである。
蛍光体分散液には、溶媒が含まれている。溶媒には、アルコール類が含まれることが好ましい。アルコール類は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの1価アルコールでもよいし、2価以上の多価アルコールであってもよい。2種以上のアルコールを組み合わせてもよい。2価以上のアルコールを溶媒として用いれば、蛍光体分散液の粘度を高めやすく、分散質である蛍光体粒子の沈降が防止しやすくなる。
溶媒の沸点は、250℃以下であることが好ましい。蛍光体分散液から、溶媒を乾燥しやすくするためである。沸点が高すぎると溶媒の蒸発が遅いので、溶液を塗布して塗膜としたときに、塗膜中で蛍光体が流れてしまう。
2価以上の多価アルコールは、溶媒として用いることができる限り、いずれの多価アルコールでも使用できるが;例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオールなどが挙げられ、好ましくは、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオールなどである。
蛍光体分散液の粘度は、通常は10〜1000cpであり、12〜500cpであることが好ましく、20〜400cpであることがより好ましく、200〜400cpであることがさらに好ましい。粘度が低いと、蛍光体分散液において蛍光体粒子が沈降しやすくなり、上澄み層が発生するまでの時間が短くなる。一方、粘度が低すぎると、蛍光体分散液の塗布、特にスプレーによる塗布が困難になる。
蛍光体分散液の調製について
蛍光体分散液は、蛍光体を溶媒に混合して、必要に応じて、これに平板状粒子および酸化物粒子を添加して調製されうる。
蛍光体分散液は、蛍光体を溶媒に混合して、必要に応じて、これに平板状粒子および酸化物粒子を添加して調製されうる。
蛍光体分散液の塗布
LEDチップ実装パッケージ90のLEDチップ3の発光面を含むパッケージ上に、蛍光体分散液を塗布する。塗布の手段は特に限定されず、ブレード塗布、スピンコート塗布、ディスペンサー塗布、スプレー塗布などが例示されるが、ディスペンサー塗布またはスプレー塗布が好ましい。スプレー塗布は薄い塗布膜を成膜しやすく、従って薄い蛍光体層を形成しやすいために好ましい。一方、ディスペンサー塗布では、蛍光体粒子などのノズル詰まりが発生しないようなノズルを用いつつ、塗布液の滴下量を制御する。ディスペンサー装置の例には、武蔵エンジニアリング社製の非接触ジェットディスペンサーや同社のディスペンサーを用いることができる。
LEDチップ実装パッケージ90のLEDチップ3の発光面を含むパッケージ上に、蛍光体分散液を塗布する。塗布の手段は特に限定されず、ブレード塗布、スピンコート塗布、ディスペンサー塗布、スプレー塗布などが例示されるが、ディスペンサー塗布またはスプレー塗布が好ましい。スプレー塗布は薄い塗布膜を成膜しやすく、従って薄い蛍光体層を形成しやすいために好ましい。一方、ディスペンサー塗布では、蛍光体粒子などのノズル詰まりが発生しないようなノズルを用いつつ、塗布液の滴下量を制御する。ディスペンサー装置の例には、武蔵エンジニアリング社製の非接触ジェットディスペンサーや同社のディスペンサーを用いることができる。
図2には、蛍光体分散液を塗布するためのスプレー装置の概略が示される。図2に示される塗布装置200における塗布液タンク210内の蛍光体分散液220は、圧力をかけられて連結管230を通じてヘッド240に供給される。ヘッド240に供給された蛍光体分散液220は、ノズル250から吐出されて、塗布対象物(LEDチップ3の発光面)に塗布される。ノズル250からの吐出液270の吐出は風圧によって行われる。ノズル250の先端に開閉自在な開口部を設けて、この開口部を開閉操作して、吐出作業のオン・オフを制御する構成としてもよい。
このように、蛍光体分散液をパッケージ上に塗布し、さらに乾燥させることで、蛍光体10をパッケージ1の内部に配置する(図3のS2参照)。
[バインダー前駆体の塗布および焼成]
バインダー前駆体について
バインダー前駆体とは、焼成処理を受けることによって、蛍光体を結着する材料を意味する。バインダー前駆体の典型例は、セラミック前駆体である有機金属化合物であり、有機金属化合はゾル−ゲル反応することによって透明セラミック(好ましくはガラスセラミック)となる。生成するセラミックは、蛍光体(必要に応じて、層状ケイ酸塩鉱物、無機微粒子、アルミニウムケイ酸塩(イモゴライト))を結合させて、LEDチップを封止する蛍光体層を構成する。
バインダー前駆体について
バインダー前駆体とは、焼成処理を受けることによって、蛍光体を結着する材料を意味する。バインダー前駆体の典型例は、セラミック前駆体である有機金属化合物であり、有機金属化合はゾル−ゲル反応することによって透明セラミック(好ましくはガラスセラミック)となる。生成するセラミックは、蛍光体(必要に応じて、層状ケイ酸塩鉱物、無機微粒子、アルミニウムケイ酸塩(イモゴライト))を結合させて、LEDチップを封止する蛍光体層を構成する。
バインダー前駆体は、溶媒に溶解された溶液(バインダー前駆体溶液)としてLEDチップ上の蛍光体に塗布されることが好ましい。バインダー前駆体溶液の溶媒は、蛍光体分散液の溶媒と同様に、アルコール類を含むことが好ましい。
有機金属化合物の例には、金属アルコキシド、金属アセチルアセトネート、金属カルボキシレートなどが含まれるが、加水分解と重合反応によりゲル化し易い金属アルコキシドが好ましい。透光性のガラスセラミックを形成可能であれば金属の種類に制限はない。形成されるガラスセラミックの安定性や製造の容易性の観点から、ケイ素を含有していることが好ましい。また、複数種の有機金属化合物を組み合わせてもよい。
金属アルコキシドは、テトラエトキシシランのような単分子でもよいし、有機シロキサン化合物が鎖状または環状に連結したポリシロキサンでもよいが;ポリシロキサンによれば、バインダー前駆体溶液の粘性を高めることができる。
有機金属化合物の他の例には、ポリシラザン(シラザンオリゴマーともいう)が含まれる。ポリシラザンは、一般式:(R1R2SiNR3)nで表されうる。式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立して水素原子またはアルキル基、アリール基、ビニル基、シクロアルキル基を表すが、R1、R2、R3のうち少なくとも1つは水素原子であり、好ましくはすべてが水素原子であり、nは1〜60の整数を表す。ポリシラザンの分子形状はいかなる形状であってもよく、例えば、直鎖状または環状であってもよい。
バインダー前駆体溶液には、有機金属化合物(特に、ポリシラザン)とともに、反応促進剤が含まれていてもよい。反応促進剤は、酸または塩基などでありうる。反応促進剤の具体例には、トリエチルアミン、ジエチルアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミンなどの塩基や、塩酸、シュウ酸、フマル酸、スルホン酸、酢酸や、ニッケル、鉄、パラジウム、イリジウム、白金、チタン、アルミニウムを含む金属のカルボン酸塩などが含まれるが、これに限られない。特に好ましい反応促進剤は金属カルボン酸塩であり、添加量はポリシラザンを基準にして0.01〜5mol%が好ましい添加量である。
バインダー前駆体溶液におけるポリシラザン濃度は高い方が好ましいが、ポリシラザン濃度が上昇すると、バインダー前駆体溶液の保存期間が短縮する。そのため、バインダー前駆体溶液におけるポリシラザンの濃度は、5〜50wt%(質量%)であることが好ましい。
ポリシラザン溶液をバインダー前駆体溶液として用いる場合には、バインダー前駆体溶液を塗布し、塗膜を加熱するかまたは塗膜に光を照射することで、塗膜をセラミック膜とすることが好ましい。塗膜を加熱する温度は、LEDチップの基板として用いられるガラス材料等の劣化を抑制する観点からは、150℃〜500℃が好ましく、150℃〜350℃とすることがより好ましい。特に、170〜230nmの範囲の波長成分を含むUVU放射線(例えばエキシマ光)を塗膜に照射して硬化させた後に、さらに加熱硬化を行うことで、水分の浸透防止効果をより向上させることができる。
バインダー前駆体は、パッケージ1に配置された蛍光体10のうち、特定部位上に配置された蛍光体10のみに塗布される。特定部位とは、LEDチップ3の表面(上面および側面)を含み、LEDチップ3から一定以上離間した部位を含まない。
バインダー前駆体は、ディスペンサー法またはインクジェット法によって塗布される。これらの手法によれば、マイクロ単位の微細パターニング塗布が可能であるからである。インクジェット装置は、市販の装置を用いればよく、コニカミノルタIJ社製のインクジェット装置を用いることができる。
バインダー前駆体を塗布したら、パッケージ全体を加熱して、特定部位上に配置された蛍光体10に塗布されたバインダー前駆体を焼成してバインダーとする。すなわち、有機金属化合物を透明セラミックに変換する。それにより、特定部位上に配置された蛍光体粒子(および必要に応じて配置された酸化物微粒子、層状粘土鉱物粒子、アルミナケイ酸塩など)が結着して、特定部位上に固着する。その結果、特定部位上には蛍光体層6が形成される(図3のS3参照)。
一方で、パッケージ1における、特定部位以外の部位に配置された蛍光体10には、バインダー前駆体溶液は塗布されない。そのため、パッケージ1の特定部位以外の部位に配置された蛍光体10は、固着されない。
[蛍光体10の除去]
このようにして、パッケージ特定部位上に蛍光体層6が形成され、その他の部位上に固着されていない蛍光体10が残存している状態となる(図3のS3参照)。次に、その他の部位上に残存する蛍光体10を除去する。蛍光体10の除去は、例えば、洗浄または圧空の吹き付けなどにより行うことができる。より具体的には、パッケージを溶媒中に浸漬することで、その他の部位上に残存する蛍光体10を除去すればよい。
このようにして、パッケージ特定部位上に蛍光体層6が形成され、その他の部位上に固着されていない蛍光体10が残存している状態となる(図3のS3参照)。次に、その他の部位上に残存する蛍光体10を除去する。蛍光体10の除去は、例えば、洗浄または圧空の吹き付けなどにより行うことができる。より具体的には、パッケージを溶媒中に浸漬することで、その他の部位上に残存する蛍光体10を除去すればよい。
このようにして、特定部位上にのみ蛍光体層6が成膜されたLED装置100(図1参照)を得る。蛍光体層6を成膜した後に、さらに保護層で蛍光体層6を覆ってもよい。保護層の成膜も、スプレー装置やディスペンサー装置を用いればよい。LED装置100には、さらに他の光学部品(レンズなど)が設けられて各種光学部材として用いられる。
[LEDチップ実装パッケージの製造]
図2に概念的に示されるLEDチップ実装パッケージ90を用意した。具体的には、円形パッケージ(開口径3mm,底面直径2mm、壁面角度60°)の収容部の中央に、1つの青色LEDチップ(直方体状;200μm×300μm×100μm)をフリップチップ実装し、LEDチップ実装パッケージを用意した。
図2に概念的に示されるLEDチップ実装パッケージ90を用意した。具体的には、円形パッケージ(開口径3mm,底面直径2mm、壁面角度60°)の収容部の中央に、1つの青色LEDチップ(直方体状;200μm×300μm×100μm)をフリップチップ実装し、LEDチップ実装パッケージを用意した。
[蛍光体粒子の作製]
以下の手順で黄色蛍光体粒子を作製した。下記に示す組成の蛍光体原料を十分に混合した混合物を、アルミ坩堝に充填し、これにフラックスとしてフッ化アンモニウム等のフッ化物を適量混合した。充填物を、水素含有窒素ガスを流通させた還元雰囲気中において1350〜1450℃の温度範囲で2〜5時間焼成して、焼成品((Y0.72Gd0.24)3Al5O12:Ce0.04)を得た。
以下の手順で黄色蛍光体粒子を作製した。下記に示す組成の蛍光体原料を十分に混合した混合物を、アルミ坩堝に充填し、これにフラックスとしてフッ化アンモニウム等のフッ化物を適量混合した。充填物を、水素含有窒素ガスを流通させた還元雰囲気中において1350〜1450℃の温度範囲で2〜5時間焼成して、焼成品((Y0.72Gd0.24)3Al5O12:Ce0.04)を得た。
[蛍光体粒子の原料組成]
Y2O3 ・・・ 7.41g
Gd2O3 ・・・ 4.01g
CeO2 ・・・ 0.63g
Al2O3 ・・・ 7.77g
Y2O3 ・・・ 7.41g
Gd2O3 ・・・ 4.01g
CeO2 ・・・ 0.63g
Al2O3 ・・・ 7.77g
得られた焼成品を粉砕、洗浄、分離、乾燥することで所望の蛍光体を得た。得られた蛍光体を粉砕して約10μmの粒径の蛍光体粒子とした。得られた蛍光体粒子の組成を調べて、所望の蛍光体であることを確認した。波長465nmの励起光に対する発光波長を調べたところ、おおよそ波長570nmにピーク波長を有していた。得られた蛍光体粒子を、以下の比較例および実施例で用いた。
[比較例1]
3.0gの「バインダー前駆体溶液A:テトラエトキシシラン14重量%,イソプロピルアルコール86重量%)」中に、1.0gのエチレングリコールと、0.42gの蛍光体粒子と、0.05gの(酸化ケイ素 SiO2 日本アエロジル株式会社製RX300,粒径7nm)と、合成雲母(ミクロマイカMK−100、コープケミカル社製)0.02gとを混合して分散液を作製した。
3.0gの「バインダー前駆体溶液A:テトラエトキシシラン14重量%,イソプロピルアルコール86重量%)」中に、1.0gのエチレングリコールと、0.42gの蛍光体粒子と、0.05gの(酸化ケイ素 SiO2 日本アエロジル株式会社製RX300,粒径7nm)と、合成雲母(ミクロマイカMK−100、コープケミカル社製)0.02gとを混合して分散液を作製した。
作製した分散液を、ディスペンサーを用いて、LEDチップ実装パッケージのLEDチップの上面および側面に塗布した。ディスペンサーのノズル内径は500μmとした。塗布後、パッケージを150℃で1時間焼成して、LED装置を得た。
[実施例1]
3.0gのイソプロピルアルコール中に、1.0gのプロピレングリコールと、1.5gの蛍光体粒子と、0.07gの酸化ケイ素(SiO2 日本アエロジル株式会社製RX300,粒径7nm)と、合成雲母(ミクロマイカMK-100、コープケミカル社製)0.1gとを混合して蛍光体分散液を作製した。一方、バインダー前駆体溶液Aを用意した。
3.0gのイソプロピルアルコール中に、1.0gのプロピレングリコールと、1.5gの蛍光体粒子と、0.07gの酸化ケイ素(SiO2 日本アエロジル株式会社製RX300,粒径7nm)と、合成雲母(ミクロマイカMK-100、コープケミカル社製)0.1gとを混合して蛍光体分散液を作製した。一方、バインダー前駆体溶液Aを用意した。
作製した蛍光体分散液を、スプレー塗布方法を用いてパッケージ上に塗布し、150℃で1時間加熱して蛍光体を成配置した。さらに、バインダー前駆体溶液Aを、インクジェットを用いてLEDチップの上面と側面のみに塗布した。塗布後、パッケージを150℃で1時間焼成して蛍光体を固着させた。その後、イソプロピルアルコール中にパッケージを浸漬して、固着されていない蛍光体を除去した。その後、乾燥してLED装置を得た。
[実施例2]
バインダー前駆体溶液Aの塗布を、インクジェットではなく、ノズル内径50μmのディスペンサーを用いて塗布した以外は、実施例1と同様の手法でLED装置を得た。
バインダー前駆体溶液Aの塗布を、インクジェットではなく、ノズル内径50μmのディスペンサーを用いて塗布した以外は、実施例1と同様の手法でLED装置を得た。
[実施例3]
蛍光体分散液を、スプレー塗布ではなく、ノズル内径500μmのディスペンサーを用いて塗布した以外は、実施例1と同様の手法でLED装置を得た。
蛍光体分散液を、スプレー塗布ではなく、ノズル内径500μmのディスペンサーを用いて塗布した以外は、実施例1と同様の手法でLED装置を得た。
[実施例4]
蛍光体分散液を、ノズル内径500μmのディスペンサーを用い、バインダー前駆体溶液Aをノズル内径50μmのディスペンサーを用いた以外は、実施例1と同様な手法でLED装置を得た。
蛍光体分散液を、ノズル内径500μmのディスペンサーを用い、バインダー前駆体溶液Aをノズル内径50μmのディスペンサーを用いた以外は、実施例1と同様な手法でLED装置を得た。
実施例1〜4および比較例1で得られたLED装置からの発光の色むらを、以下の方法で評価した。
[色ムラ評価方法]
LED装置を発光させて、発光(白色照明)の色ムラを、コニカミノルタセンシング社製 2次元色彩輝度計CA2000を用いて測定した。2次元色彩輝度計を用いることで2次元的に照射光を評価することができる。得られた照射光内の色度x値の色度差で、色ムラを評価した。色度差が大きいと、照射光内に色ムラがあることを意味する。例えば、照射光内に色ムラがあり、黄色い部分と青い部分とが存在すると、その部分の色度差が大きくなる。色度差に応じて、以下の基準で評価を行った。
照射光内の色度差 x値の差:0.01未満・・・◎
照射光内の色度差 x値の差:0.01以上0.02未満・・・○
照射光内の色度差 x値の差:0.02以上・・・×
[色ムラ評価方法]
LED装置を発光させて、発光(白色照明)の色ムラを、コニカミノルタセンシング社製 2次元色彩輝度計CA2000を用いて測定した。2次元色彩輝度計を用いることで2次元的に照射光を評価することができる。得られた照射光内の色度x値の色度差で、色ムラを評価した。色度差が大きいと、照射光内に色ムラがあることを意味する。例えば、照射光内に色ムラがあり、黄色い部分と青い部分とが存在すると、その部分の色度差が大きくなる。色度差に応じて、以下の基準で評価を行った。
照射光内の色度差 x値の差:0.01未満・・・◎
照射光内の色度差 x値の差:0.01以上0.02未満・・・○
照射光内の色度差 x値の差:0.02以上・・・×
表1に示されるように、蛍光体とバインダー前駆体とを含む分散液を、ディスペンサーでLEDチップの表面にパターニング塗布した比較例1のLED装置では、発光の色むらが大きいことがわかった(色度差0.058)。これに対して、蛍光体を配置したのち、バインダー前駆体溶液をパターニング塗布した実施例1〜4では、発光の色むらが小さいことがわかった(色度差0.006〜0.016)。
また、バインダー前駆体溶液をインクジェット法でパターニング塗布した実施例1および3のLED装置は、バインダー前駆体溶液をディスペンサーでパターニング塗布した実施例2および4のLED装置よりも、色むらが小さいことがわかった。
[実施例5〜8]
蛍光体分散液に含まれる合成雲母を親水性スメクタイト(ルーセンタイトSWN(コープケミカル社製))に変更した以外は、実施例1〜4と同様にLED装置を作製した。
蛍光体分散液に含まれる合成雲母を親水性スメクタイト(ルーセンタイトSWN(コープケミカル社製))に変更した以外は、実施例1〜4と同様にLED装置を作製した。
[実施例9]
蛍光体分散液に含まれる酸化ケイ素量を0.15gとし、合成雲母を添加しなかった以外は、実施例1と同様にLED装置を作製した。
蛍光体分散液に含まれる酸化ケイ素量を0.15gとし、合成雲母を添加しなかった以外は、実施例1と同様にLED装置を作製した。
[実施例10]
蛍光体分散液に含まれる合成雲母量を0.15gとし、酸化ケイ素を添加しなかった以外は、実施例1と同様にLED装置を作製した。
蛍光体分散液に含まれる合成雲母量を0.15gとし、酸化ケイ素を添加しなかった以外は、実施例1と同様にLED装置を作製した。
[実施例11]
蛍光体分散液に含まれる合成雲母を、親水性スメクタイト(ルーセンタイトSWN(コープケミカル社製))に変更し、酸化ケイ素を添加しなかった以外は、実施例1と同様にLED装置を作製した。
蛍光体分散液に含まれる合成雲母を、親水性スメクタイト(ルーセンタイトSWN(コープケミカル社製))に変更し、酸化ケイ素を添加しなかった以外は、実施例1と同様にLED装置を作製した。
表2に示されるように、蛍光体を配置したのち、バインダー前駆体溶液をパターニング塗布した実施例5〜11では、発光の色むらが小さかった(色度差0.006〜0.019)。
また、バインダー前駆体溶液をインクジェット法でパターニング塗布した実施例5および7のLED装置は、同様のバインダー前駆体溶液をディスペンサーでパターニング塗布した実施例6および8のLED装置よりも、色むらが小さかった。
さらに、蛍光体分散液中に、酸化物粒子及び層状粘土鉱物の両方が含まれる場合(実施例5〜8)のみならず、これらのうち一方のみが含まれる場合(実施例9〜11)にも、発光の色むらが小さかった。
本発明のLED装置は、発光色度のばらつきが少ない。よって、照明などの半導体発光装置として有用である。
1 パッケージ
2 メタル部
3 LEDチップ
4 突起電極
6 蛍光体層
10 蛍光体
90 LEDチップ実装パッケージ
100 LED装置
200 塗布装置
210 塗布液タンク
220 蛍光体分散液
230 連結管
240 ヘッド
250 ノズル
270 吐出液
L 蛍光体層の厚み
2 メタル部
3 LEDチップ
4 突起電極
6 蛍光体層
10 蛍光体
90 LEDチップ実装パッケージ
100 LED装置
200 塗布装置
210 塗布液タンク
220 蛍光体分散液
230 連結管
240 ヘッド
250 ノズル
270 吐出液
L 蛍光体層の厚み
Claims (6)
- LEDチップを実装したパッケージ上に、蛍光体粒子を含む蛍光体分散液を塗布し、乾燥することで、蛍光体を配置する工程と、
前記LEDチップ上を含む特定部位上に配置された前記蛍光体のみに、バインダー前駆体を塗布し、焼成することで、前記特定部位上の前記蛍光体を固着させて蛍光体層とする工程と、
前記特定部位以外の部位上に配置された前記蛍光体を除去する工程と、
を含む、蛍光体層を有するLED装置の製造方法。 - 前記蛍光体分散液は、スプレー塗布またはディスペンサーで塗布する、請求項1に記載の製造方法。
- 前記バインダー前駆体は、インクジェットまたはディスペンサーで塗布する、請求項1に記載の製造方法。
- 前記蛍光体分散液は、酸化物微粒子または層状粘土鉱物をさらに含む、請求項1に記載の製造方法。
- 前記蛍光体分散液は、酸化物微粒子及び層状粘土鉱物をさらに含む、請求項1に記載の製造方法。
- 前記バインダー前駆体は、セラミック前駆体としての有機金属化合物である、請求項1に記載の製造方法。
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