JP6236883B2 - 透光性ジルコニア焼結体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
a)イットリアを2.5〜3.5モル%及びアルミナを0.05〜0.3重量%含み、正方晶率が90重量%以上、かつ、試料厚み1.0mmでの波長600nmの光透過率が30%以上の透光性ジルコニア焼結体。
b)焼結体全体を140℃熱水中に75時間浸漬させた後の焼結体中の単斜晶存在比率が10%以下であることを特徴とする上記a)のジルコニア焼結体。
c)イットリアを2.5〜3.5モル%及びアルミナを0.05〜0.3重量%含み、BET比表面積13〜20m2/g、平均粒径0.4μm以下のジルコニア粉末を成形し、800〜1100℃で加熱して仮焼体を得、次いで、該仮焼体を電磁波加熱によって1150〜1250℃で焼成することによる上記a)またはb)の透光性ジルコニア焼結体の製造方法。
を要旨とするものである。以下、本発明をさらに詳細に説明する。
Im(11−1)+It(111)+I(111)c] (1)
ここで、Iは各反射の面積強度、添字m,t及びcはそれぞれ単斜晶,正方晶,立方晶を示す。
C=0.5195−0.06180X/(100+X) (3)
ρZ=[124.25(100−X)+225.81X]/[150.5(100+X)A2C] (4)
ρ0=100/[(Y/3.987)+(100−Y)/ρZ] (5)
ここで、Xはイットリア濃度(モル%)、Yはアルミナ濃度(重量%)である。
2モル/リットルのオキシ塩化ジルコニウム水溶液4リットルに2モル/リットルのアンモニア水4.8リットルを混合し、蒸留水を加えてジルコニア換算濃度0.8モル/リットルの溶液を調製した。この溶液を還流器付きフラスコ中で攪拌しながら加水分解反応を煮沸温度で150時間行った。
イットリア濃度が2.6モル%及びマイクロ波焼成の温度が1160℃以外は、実施例1と同様の条件でジルコニア焼結体を得た。得られた焼結体の特性と劣化加速試験後の単斜晶率を表2に示す。エージング75時間での単斜晶率が6%であることから、極めて劣化しにくい品質信頼性の高い焼結体であることが確認された。
イットリア濃度が3.4モル%以外は、実施例1と同様の条件でジルコニア焼結体を得た。得られた焼結体の特性と劣化加速試験後の単斜晶率を表2に示す。エージング75時間での単斜晶率が2%であることから、極めて劣化しにくい品質信頼性の高い焼結体であることが確認された。
アルミナ濃度が0.1重量%及びマイクロ波焼成の温度が1240℃以外は、実施例1と同様の条件でジルコニア焼結体を得た。得られた焼結体の特性と劣化加速試験後の単斜晶率を表2に示す。エージング75時間での単斜晶率が7%であることから、極めて劣化しにくい品質信頼性の高い焼結体であることが確認された。
マイクロ波焼成の温度が1160℃以外は、実施例1と同様の条件でジルコニア焼結体を得た。得られた焼結体の特性と劣化加速試験後の単斜晶率を表2に示す。エージング75時間での単斜晶率が3%であることから、極めて劣化しにくい品質信頼性の高い焼結体であることが確認された。
マイクロ波焼成の温度が1240℃以外は、実施例1と同様の条件でジルコニア焼結体を得た。得られた焼結体の特性と劣化加速試験後の単斜晶率を表2に示す。エージング75時間での単斜晶率が6%であることから、極めて劣化しにくい品質信頼性の高い焼結体であることが確認された。
アルミナゾルを添加しない以外は、実施例1と同様の条件でジルコニア焼結体を得た。得られた焼結体の特性と劣化加速試験後の単斜晶率を表2に示す。光透過率が15%と低く、審美性の悪い焼結体であることが確認された。
アルミナ濃度を0.4重量%とした以外は、実施例1と同様の条件でジルコニア焼結体を得た。得られた焼結体の特性と劣化加速試験後の単斜晶率を表2に示す。光透過率が28%と低く、審美性の悪い焼結体であることが確認された。
成形体を電気炉で1100℃×2時間加熱処理を施さない以外は、実施例1と同様の条件でジルコニア焼結体を得た。得られた焼結体の特性と劣化加速試験後の単斜晶率を表2に示す。光透過率が13%と低く、審美性の悪い焼結体であることが確認された。
マイクロ波焼成の代わりに電気炉で昇温600℃/h,1200℃×1時間の条件で行った以外は、実施例1と同様の条件でジルコニア焼結体を得た。得られた焼結体の特性と劣化加速試験後の単斜晶率を表2に示す。光透過率が<1%と極めて低く、審美性の悪い焼結体であることが確認された。
マイクロ波焼成の温度を1300℃とした以外は、実施例1と同様の条件でジルコニア焼結体を得た。得られた焼結体の特性と劣化加速試験後の単斜晶率を表2に示す。劣化加速試験(エージング時間:75時間)後の単斜晶率が17%であり、劣化しやすい焼結体であることが確認された。
0.4モル/リットルのオキシ塩化ジルコニウム水溶液に水酸化カリウム水溶液を添加して、モル濃度比が[OH]/[Zr]=0.02の水溶液を調製した。この溶液を還流器付きフラスコ中で攪拌しながら加水分解反応を煮沸温度で350時間行った。この水和ジルコニアゾルに蒸留水を加えて、ジルコニア換算濃度0.3モル/リットルの溶液を調製した。これを出発溶液に用いて、溶液の5体積%を反応槽から間欠的に排出し、かつ、溶液の体積が一定に保たれるように、その排出量と同量の0.3モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加したオキシ塩化ジルコニウム水溶液([OH]/[Zr]=0.02)を30分毎に反応槽に供給しながら煮沸温度で加水分解反応を200時間行った。
加水分解法で、表1記載の粉末特性を有するジルコニア粉末を合成した。得られた粉末を金型プレスで成形(成形圧68.6MPa)して、電気炉で昇温100℃/h,1350℃×2時間の条件で焼結させた。得られた焼結体の特性と劣化加速試験後の単斜晶率を表2に示す。光透過率が13%と低く、審美性の悪い焼結体であることが確認された。
オキシ塩化ジルコニウムの加水分解によって得られた水和ジルコニアゾルに、塩化イットリウムをイットリア濃度が3モル%になるように添加して乾燥させ、1030℃の温度で2時間加熱した。得られた加熱粉を水洗処理したあとに、平均粒径0.3μmのα−アルミナをアルミナ含有量で0.05重量%及び蒸留水を加えてジルコニア濃度が45重量%のスラリーにした。このスラリーを、直径3mmのジルコニアボールを用いて、振動ミルで24時間粉砕処理して、ジルコニア粉末を得た。得られたジルコニア粉末の特性を表1に示す。
Claims (2)
- イットリアを2.5〜3.5モル%及びアルミナを0.05〜0.3重量%含み、正方晶率が90重量%以上、かつ、試料厚み1.0mmでの波長600nmの光透過率が30%以上であり、焼結体全体を140℃熱水中に75時間浸漬させた後の焼結体中の単斜晶存在比率が10%以下であることを特徴とする透光性ジルコニア焼結体。
- イットリアを2.5〜3.5モル%及びアルミナを0.05〜0.3重量%含み、BET比表面積13〜20m2/g、平均粒径0.4μm以下のジルコニア粉末を成形し、800〜1100℃で加熱して仮焼体を得、次いで、該仮焼体を電磁波加熱によって1150〜1250℃で焼成することによる請求項1記載の透光性ジルコニア焼結体の製造方法
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