JP6221434B2 - ジルコニア焼結体及びその製造方法 - Google Patents
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(1)ゲルマニアを0.5〜3重量%を含むイットリア濃度2〜4モル%のジルコニア焼結体であり、該ジルコニア焼結体の相対密度が99%以上、平均粒径が0.3〜0.5μm、かつ、表面粗さが0.1μm以下のジルコニア焼結体。
(2)ジルコニア焼結体の3点曲げ強度が、1100MPa以上である上記(1)記載のジルコニア焼結体。
(3)BET比表面積6〜20m2/g、平均粒径1μm以下、かつ、ゲルマニアを0.5〜3重量%含有するイットリア濃度2〜4モル%のジルコニア粉末を成形し、該ジルコニア粉末を1350〜1450℃で焼成してジルコニア焼結体を得、次いで、該ジルコニア焼結体の表面粗さが0.1μm以下になるまで鏡面加工することによる上記(1)又は(2)記載のジルコニア焼結体の製造方法。
を要旨とするものである。
A=0.5080+0.06980X/(100+X) (1)
C=0.5195−0.06180X/(100+X) (2)
ρZ=[124.25(100−X)+225.81X]/[150.5(100
+X)A2C] (3)
ρ0=100/[(Y/6.239)+(100−Y)/ρZ] (4)
ここで、XとYは、それぞれイットリア濃度(モル%),ゲルマニア濃度(重量%)を表す。
fm(%)=[Im(111)+Im(11−1)]×100/[Im(111)+Im(11−1)+It(111)+I(111)c+I(111)o] (5)
ここで、Iは各反射の面積強度、添字m,t,c及びoはそれぞれ単斜晶,正方晶,立方晶,菱面体晶を示す。
実施例1
2モル/リットルのオキシ塩化ジルコニウム水溶液2.5リットルに2モル/リットルのアンモニア水1.4リットルを混合し、蒸留水を加えてジルコニア換算濃度0.5モル/リットルの溶液を調製した。この溶液を還流器付きフラスコ中で攪拌しながら加水分解反応を煮沸温度で180時間行った。
実施例2
ゲルマニア濃度が0.6重量%及び焼成温度が1350℃以外は、実施例1と同様の条件でジルコニア焼結体を得た。得られた焼結体の特性と劣化加速試験後の単斜晶率を表2に示す。エージング60時間での単斜晶率が1%であることから、劣化しにくい品質信頼性の高い焼結体であることが確認された。
実施例3
ゲルマニア濃度が2重量%及び焼成温度が1450℃以外は、実施例1と同様の条件でジルコニア焼結体を得た。得られた焼結体の特性と劣化加速試験後の単斜晶率を表2に示す。エージング60時間での単斜晶率が5%であることから、劣化しにくい品質信頼性の高い焼結体であることが確認された。
実施例4
仮焼温度が1060℃,ゲルマニア添加量が1.5重量%及び焼成温度が1420℃以外は、実施例1と同様の条件でジルコニア焼結体を得た。エージング60時間での単斜晶率が8%であることから、劣化しにくい品質信頼性の高い焼結体であることが確認された。
実施例5
塩化イットリウム粉末と共に二酸化ゲルマニウム粉末を水和ジルコニアゾルに添加して乾燥させ、980℃の温度で2時間仮焼した以外は、実施例1と同様の条件でジルコニア焼結体を得た。得られた焼結体の特性と劣化加速試験後の単斜晶率を表2に示す。エージング60時間での単斜晶率が1%であることから、劣化しにくい品質信頼性の高い焼結体であることが確認された。
実施例6
鏡面研磨装置で9→6μmのダイヤモンド砥粒の順に鏡面研磨した以外は、実施例1と同様の条件でジルコニア焼結体を得た。得られた焼結体の特性と劣化加速試験後の単斜晶率を表2に示す。エージング60時間での単斜晶率が12%であることから、劣化しにくい焼結体であることが確認された。
実施例7
鏡面研磨装置で9μmのダイヤモンド砥粒のみで鏡面研磨した以外は、実施例1と同様の条件でジルコニア焼結体を得た。得られた焼結体の特性と劣化加速試験後の単斜晶率を表2に示す。エージング60時間での単斜晶率が15%であることから、劣化しにくい焼結体であることが確認された。
実施例8
鏡面研磨装置でラップ用研磨パッドを用いた以外は、実施例7と同様の条件でジルコニア焼結体を得た。得られた焼結体の特性と劣化加速試験後の単斜晶率を表2に示す。エージング60時間での単斜晶率が21%であることから、劣化しにくい品質信頼性の高い焼結体であることが確認された。
比較例1
焼結体表面を鏡面加工しない以外は、実施例1と同様の条件でジルコニア焼結体を得た。得られた焼結体の特性と劣化加速試験後の単斜晶率を表2に示す。エージング60時間での単斜晶率が70%であることから、劣化しやすい焼結体であることが確認された。
比較例2
ゲルマニア濃度が0.3重量%及び焼結温度が1300℃以外は、実施例1と同様の条件でジルコニア焼結体を得た。得られた焼結体の特性と劣化加速試験後の単斜晶率を表2に示す。曲げ強度が780MPaと低く、機械的特性に劣る焼結体であることが確認された。
比較例3
焼成温度が1500℃以外は、実施例1と同様の条件でジルコニア焼結体を得た。得られた焼結体の特性と劣化加速試験後の単斜晶率を表2に示す。エージング60時間での単斜晶率が71%であることから、劣化しやすい焼結体であることが確認された。
比較例4
ゲルマニア濃度が5重量%以外は、実施例1と同様の条件でジルコニア焼結体を得た。EPMA観察の結果、ゲルマニウムの凝集が観察された。
比較例5
鏡面加工条件が鏡面研磨装置で鏡面研磨しなかった以外は、実施例1と同様の条件でジルコニア焼結体を得た。得られた焼結体の特性と劣化加速試験後の単斜晶率を表2に示す。エージング60時間での単斜晶率が37%であることから、劣化しやすい焼結体であることが確認された。
Claims (3)
- ゲルマニアを0.5〜3重量%を含むイットリア濃度2〜4モル%のジルコニア焼結体であり、該ジルコニア焼結体の相対密度が99.5%以上、平均粒径が0.3〜0.5μm、かつ、表面粗さが0.1μm以下のジルコニア焼結体。
- ジルコニア焼結体の3点曲げ強度が、1100MPa以上である請求項1記載のジルコニア焼結体。
- BET比表面積6〜20m2/g、平均粒径1μm以下、かつ、ゲルマニアを0.5〜3重量%含有するイットリア濃度2〜4モル%のジルコニア粉末を成形し、該ジルコニア粉末を1350〜1450℃で焼成してジルコニア焼結体を得、次いで、該ジルコニア焼結体の表面粗さが0.1μm以下になるまで鏡面加工する請求項1又は請求項2記載のジルコニア焼結体の製造方法。
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