JP6359400B2 - 透光性ジルコニア焼結体の製造方法及びその製造方法によって得られる透光性ジルコニア焼結体、並びに、透光性ジルコニア焼結体作製用の焼結前仮焼体 - Google Patents

透光性ジルコニア焼結体の製造方法及びその製造方法によって得られる透光性ジルコニア焼結体、並びに、透光性ジルコニア焼結体作製用の焼結前仮焼体 Download PDF

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本発明は、透光性ジルコニア焼結体の製造方法及びその製造方法によって得られる透光性ジルコニア焼結体と、透光性ジルコニア焼結体作製用の焼結前仮焼体とに関する。
一般的なジルコニア焼結体の透光性は高くはない。しかしながら、ジルコニア焼結体には、用途によっては高い透光性が求められる。特に、歯科分野では、審美性の面から、高い透光性を有するジルコニア材料の開発が望まれている。例えば、特許文献1には、2〜4モル%のイットリアを含有するジルコニアからなり、相対密度99%以上、結晶粒径が0.15μm以下、600nmの吸収散乱係数が5.0mm-1以下であることを特徴とする透光性ジルコニア焼結体が開示されている。さらに、その製造方法として、特許文献1には、一次粒子の平均粒子径が10〜70nmのジルコニア粉末をプレス成形した後、1200℃以下で熱間静水圧プレス(HIP)処理することが開示されている。
特許文献2には、一次粒子から構成され、完全密度の少なくとも99%の密度を有する半透明ジルコニア焼結体が開示されている。前記半透明ジルコニア焼結体では、前記一次粒子が、正方晶系酸化ジルコニウムである主相と、100nm以下の寸法と、を有している。前記半透明ジルコニア焼結体中に存在する任意の孔の直径は、約25nm以下である。特許文献2には、前記半透明ジルコニア焼結体の製造方法として、50nm以下の平均一次粒子寸法を有するジルコニア粒子を含むジルコニアゾルを乾燥し、得られた未焼結体を1200℃以下で焼結する方法が開示されている。ジルコニアゾルの乾燥方法としては、具体的には、成形型内で室温により水をゆっくり蒸発させ未焼結体を得る方法や、スプレー乾燥が開示されている。
非特許文献1には、一次粒子の粒子径が18nmのジルコニアゾルを石膏型内で乾燥させ、得られた未焼結体を1100℃で焼成して得られる焼結体が開示されている。非特許文献1に開示されているジルコニア焼結体の製造方法は、特許文献2で開示されている半透明ジルコニア焼結体の製造方法と類似している。
特開2008−214168号公報 特表2010−514665号公報
武野伸也、他2名、「ナノ粒子懸濁液の鋳込み成形によるナノ結晶ジルコニア焼結体の作製」、2012年日本セラミックス協会年会講演予稿集、日本セラミックス協会、2012年3月19日、p.57
高い透光性を有するジルコニア焼結体(高透光性ジルコニア焼結体)を得るためには、一般的になるべく一次粒子径の小さい(50nm以下)粒子から得られた未焼結体を焼成して焼結体を得ることが望ましいと考えられる。前述の特許文献1及び2に開示された方法でも、一次粒子径が小さいジルコニア粒子を用いることによって、高透光性ジルコニア焼結体が得られている。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、特許文献1の方法は、焼結に際してHIPを必須のプロセスとしており、生産性に劣る。また、特許文献1に開示されている方法で作製された未焼結体を、HIPを用いずに通常の大気圧下で焼結した場合は、高透光性ジルコニア焼結体を得ることができない。
特許文献2及び非特許文献1に記載されている、ジルコニアゾルを自然乾燥によって乾燥させて未焼結体を得る方法では、ジルコニアゾル中の水を蒸発させるのに非常に時間がかかってしまう。さらにこの方法では、乾燥時にクラックが生じやすいので、比較的サイズの大きい未焼結体を得ることが困難である。また、特許文献2に開示された、ジルコニアゾルをスプレー乾燥で乾燥させることによって得られた粉末を成形後に焼成する方法では、高透光性ジルコニア焼結体を得ることができない。
以上のとおり、従来の方法では、透光性が高く、審美性に優れたジルコニア焼結体を得るためには、焼結時に際してHIPが必用であったり、乾燥に非常に長い時間を要したりしていた。したがって、従来、常圧焼結のような簡便なプロセスで、かつ効率良く、透光性が高く、審美性に優れたジルコニア焼結体を製造することが困難であった。
本発明は、上記のような従来の方法における欠点を解消して、透光性が高く、審美性に優れたジルコニア焼結体を提供することを目的としており、特にそのようなジルコニア焼結体をより簡便なプロセスにより製造することのできる方法の提供を目的とする。
また、高透光性ジルコニア焼結体の用途の1つとして、歯科補綴物が挙げられる。現在、歯科補綴物を成形加工する場合、ジルコニア粉末を圧縮成形した焼結前成形体(焼結前仮焼体)を切削して歯科補綴物の形状に加工した後、それを焼結する方法がとられている。したがって、高透光性ジルコニア焼結体を実現することが可能な焼結前仮焼体の開発も求められている。そこで、本発明は、高透光性ジルコニア焼結体の前駆体となる、焼結前仮焼体を提供することも目的とする。
本発明者らは、ジルコニア粒子の製造方法に着目し、ジルコニアナノ粒子を用いて、高透光性ジルコニア焼結体を実現することが可能な焼結前仮焼体をより簡便に得る方法を鋭意検討した。その結果、ジルコニアナノ粒子を含むジルコニアゾルを、一次粒子がなるべく凝集していない状態のジルコニア粉末が得られるように乾燥させて、得られるジルコニア粉末の粒子径を特定の小さい範囲内とし、そのジルコニア粉末を圧縮成形して得た成形体を焼結させると、たとえ大気圧下で焼結した場合でも透光性が高いジルコニア焼結体が得られることを見出して、本発明を完成するに至った。
本発明は、
(I)安定化剤として2〜4モル%のイットリアを含み、かつ平均一次粒子径が30nm以下の部分安定化ジルコニア微粒子を含むジルコニアゾル(A)を乾燥させて、平均粒子径が3μm以下で、かつ最大粒子径が10μm以下のジルコニア粉末(B)を得る工程と、
(II)前記ジルコニア粉末(B)をプレス成形して、プレス成形体を得る工程と、
(III)前記プレス成形体を900℃〜1200℃で焼成する工程と、
を含む、透光性ジルコニア焼結体の製造方法を提供する。
また、本発明は、上記本発明の製造方法によって得られた透光性ジルコニア焼結体も提供する。
また、本発明は、上記本発明の製造方法における前記工程(I)及び(II)の実施により得られた前記プレス成形体を、650℃〜850℃で仮焼することによって得られた、透光性ジルコニア焼結体作製用の焼結前仮焼体も提供する。
本発明の製造方法によれば、ジルコニア粉末をプレス成形して得られたプレス成形体を焼成する際に、簡便な方法、例えばHIPのような生産性を低下させる原因にもなり得る特殊なプロセスを必須とせずにプレス成形体を作製し、それを通常の大気圧下で焼成する方法を用いる場合であっても、透光性が高く、審美性に優れたジルコニア焼結体を製造することが可能である。すなわち、本発明の製造方法によれば、透光性が高く、審美性に優れたジルコニア焼結体を、より簡便なプロセスにより製造することが可能となる。また、本発明によれば、簡便な焼成プロセスによって、高い透光性を有する、審美性に優れたジルコニア焼結体を実現可能な、焼結前仮焼体を提供することもできる。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の記載は本発明を限定するものではない。
本発明者らは、ジルコニア粉末をプレス成形して得たプレス成形体を焼成してジルコニア焼結体を得る方法において、ジルコニアゾルの乾燥によって得られるジルコニア粉末の粒子径をある特定の粒子径以下に小さくすることにより、たとえプレス成形体がHIPのような特殊なプロセスを必須として得られたものでなく、それを大気圧下で焼成した場合であっても、高透光性ジルコニア焼結体が得られることを見出した。なお、ここでいうジルコニア粉末の粒子径とは、見かけ上の粒子径のことであり、一次粒子が凝集して二次粒子を形成している場合はその二次粒子の粒子径となる。したがって、本発明者らは、ジルコニア粉末の粒子径をある一定以上に小さくするために、一次粒子がなるべく凝集していない状態でジルコニア粉末が得られるようにジルコニアゾルを乾燥させることが望ましいという点にも着目した。
本実施形態の透光性ジルコニア焼結体の製造方法は、
(I)安定化剤として2〜4モル%のイットリアを含み、かつ平均一次粒子径が30nm以下の部分安定化ジルコニア微粒子を含むジルコニアゾル(A)を乾燥させて、平均粒子径が3μm以下で、かつ最大粒子径が10μm以下のジルコニア粉末(B)を得る工程と、
(II)前記ジルコニア粉末(B)をプレス成形して、プレス成形体を得る工程と、
(III)前記プレス成形体を900℃〜1200℃で焼成する工程と、
を含む。
本実施形態の製造方法によれば、相対密度が99%以上で、かつ0.5mm厚さでの波長700nmの光線透過率が25%以上の、透光性ジルコニア焼結体を得ることができる。
以下、本実施形態の製造方法の各工程について、具体的に説明する。
まず、工程(I)について説明する。
工程(I)では、まずジルコニアゾル(A)を準備する。安定化剤として2〜4モル%のイットリアを含み、かつ平均一次粒子径が30nm以下の部分安定化ジルコニア微粒子を含むジルコニアゾル(A)の製造方法として、公知の方法を何ら制限無く用いることができる。例えば、特開平5−170442号公報に開示されているような製造方法を用いることができる。具体的には、オキシ塩化ジルコニウム水溶液と塩化イットリウム水溶液とをあらかじめ混合しておき、該混合溶液を水とアンモニア水と炭酸水素アンモニウムとを含む溶液中に添加し、得られたスラリーを80℃〜200℃の温度で加熱処理し、塩酸を添加後、分離及び洗浄する方法を用いることができる。
本実施形態において、部分安定化ジルコニア微粒子に安定化剤として含まれるイットリアの含有率は、ジルコニアとイットリアとの合計mol数に対して2mol%〜4mol%である。イットリアの含有率のこのような範囲内とすることにより、正方晶系ジルコニアが安定化されるので、高強度及び高透光性を有するジルコニア焼結体を得やすくなる。イットリアの含有率は、2.5mol%〜3.5mol%であることが好ましい。
ジルコニアゾル(A)中のジルコニア微粒子の平均一次粒子径は、30nm以下であり、20nm以下であると好ましく、15nm以下であるとより好ましい。ジルコニアゾル(A)中のジルコニア微粒子の平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて測定される値であり、具体的には、ジルコニアゾル(A)中のジルコニア微粒子をTEMにより写真撮影し、得られた画像上で各粒子の粒子径を測定し、粒子100個の平均値を算出することにより求められる。
このようなイットリアで安定化されたジルコニアナノ粒子を含む水系ゾルとして、ニッケイ・メル社から、イットリア含有率3mol%で、平均一次粒子径11〜12nmの部分安定化ジルコニア微粒子を22〜25重量%含むゾルが市販されており、本実施形態においても好適に用いることができる。
次に、ジルコニアゾル(A)を乾燥させて、ジルコニア粉末(B)を得る。ジルコニアゾル(A)から溶剤を蒸発させる乾燥方法としては、公知の乾燥方法、例えば、自然乾燥、熱風乾燥、凍結乾燥及び超臨界乾燥等が、何ら制限無く用いられる。一般に、ナノ粒子を含むゾルから溶剤を蒸発させることによって得られた粉末は、ナノ粒子同士が凝集して、見かけ上ミクロン〜ミリメートルオーダーの粗大な粒子径を持った粉末として回収されることが通常である。
本実施形態では、ジルコニアゾル(A)を乾燥させて得られるジルコニア粉末(B)の粒子径は、平均粒子径3μm以下で、最大粒子径10μm以下であることが必要であり、好ましくは、平均粒子径1μm以下で、最大粒子径5μm以下であり、さらに好ましくは、平均粒子径0.7μm以下で、最大粒子径3μm以下である。なお、ここでいうジルコニア粉末(B)の粒子径とは、凝集せずに一次粒子として存在している粒子の場合は一次粒子径であり、一次粒子が凝集して二次粒子として存在している二次粒子の場合は二次粒子径となる。すなわち、ジルコニア粉末(B)の粒子径とは見かけ上の粒子径であり、レーザ回折・散乱法による粒度分布測定によって求められる値である。ジルコニア粉末(B)の平均粒子径とは、測定された粒度分布において、小粒子径側からの積算粒度分布が50%(体積基準)となる粒子径(d50)のことである。ジルコニア粉末(B)の最大粒子径とは、測定された粒度分布において、小粒子径側からの積算粒度分布が99%(体積基準)となる粒子径(d99)のことである。
上記のような粒子径が小さいジルコニア粉末(B)を得る方法としては、ジルコニアゾル(A)の溶剤を蒸発させて得られた粉末を、さらに粉砕して微細化し、必要であればさらに分級する方法を用いてもよい。しかし、ジルコニア粉末(B)を得る方法としては、一次粒子の凝集が生じにくく、小さい粒子径を有する粉末を得ることができるという理由により、超臨界乾燥法を用いることが好ましい。
超臨界乾燥法とは、一般に、微細構造体から溶媒を蒸発させる際に、微細構造を収縮や崩壊させることなく、そのままの構造体を維持して溶媒を取り除く乾燥方法として用いられている。
物質は、臨界点以上の高温及び高圧の条件下では気相と液相の区別がつかなくなり、超臨界流体となる。超臨界流体は、気体のように高拡散で、液体のように高い溶解性を示す流体である。超臨界乾燥法とは、超臨界流体のこのような性質を利用して乾燥を行う方法である。具体的には、溶剤成分を超臨界状態とした物質(超臨界流体)に溶解させて、構造体から溶媒を取り除いて乾燥させる方法である。液相から超臨界状態を経由して気相に移行させることにより、通常液相から気相となる段階で働く表面張力を発生させずに、構造体を乾燥させることができる。超臨界乾燥法では、超臨界流体と相溶性の良い溶媒が用いられる。
超臨界乾燥法によるジルコニアゾル(A)の乾燥について、より具体的に説明する。ここでは、ジルコニアゾル(A)が分散媒として水を含む水系ジルコニアゾルであって、該ジルコニアゾル(A)を、超臨界流体として二酸化炭素を用いて超臨界乾燥法で乾燥させる手順の一例について説明する。
まず、ジルコニアゾル(A)中に含まれる水を、有機溶剤(例えばアルコール)で置換する。有機溶剤で置換したジルコニゾル(A)を圧力容器に入れ、該圧力容器を超臨界二酸化炭素抽出装置に繋いだ後、小型圧力容器と予熱管を60℃に加熱したウォーターバスに浸し、80℃まで昇温するとともに25MPaまで圧入する。その後に、所定の条件下で二酸化炭素及びエントレーナーを導入し、所定時間経過後、エントレーナーの導入を停止し、二酸化炭素のみの導入を続ける。そして、さらに所定時間経過後、二酸化炭素の送液を停止し、温度を保持したまま圧力を徐々に下げて常圧に戻した後、小型圧力容器をウォーターバスから出して、常温まで冷却し、開封して処理済みのジルコニア粉末を回収する。
本実施形態においては、ジルコニアゾル(A)を超臨界乾燥する際には、ゾル(A)中の水を有機溶剤で置換し、得られたゾル(A)を超臨界流体として用いる物質の臨界温度及び臨界圧力以上の範囲の高温高圧中で保持して、ゾル(A)中の有機溶剤を超臨界流体に溶解させてゾル(A)から分離して、ジルコニア粉末(B)を得ることが望ましい。この方法によれば、例えば単分散のジルコニア粉末(B)を得ることも可能である。
この時用いる有機溶剤は、超臨界流体への溶解性を考慮すると、炭素数1〜5の低級アルコールからなる群から選ばれる少なくともいずれか1種であることが望ましい。かかる低級アルコールとして、具体的にはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール及びペンチルアルコール等が挙げられる。これらから選ばれた1種あるいは2種以上の組み合わせが、有機溶剤として好適に用いられる。
また、超臨界乾燥に用いられる超臨界流体としては、例えば、二酸化炭素、エタノール、メタノール、プロパノール、ブタノール、メタン、エタン、プロパン、水、アンモニア、エチレン及びフルオロメタン等が用いられる。特に、二酸化炭素は、臨界温度が31.1℃、臨界圧力が約7.4MPaと比較的低温・低圧であるので、容易に処理が可能であるため、本実施形態においては特に好ましく用いられる。
また、二酸化炭素を超臨界流体として用いる場合には、エントレーナーを添加することも好ましい。かかるエントレーナーとしては、メタノール、エタノール及びプロパノール等が好ましく用いられる。
本実施形態の製造方法におけるより好ましい超臨界乾燥の例として、ジルコニアゾル(A)中の水を前記有機溶剤で置換した後、バインダーとなる有機物を添加してから、超臨界流体を用いて超臨界乾燥を行う方法が挙げられる。バインダーを添加することで、より分散状態の良い、粒子径の小さなジルコニア粉末(B)が得られる。
かかるバインダーとなる有機物としては、一般的にジルコニア粉末の製造に使用される公知のバインダーが使用され得る。具体的には、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール及び脂肪酸等が挙げられる。バインダーの添加量は、使用されるバインダーの種類によって適宜選択することができる。アクリル系バインダーの場合、添加量は、イットリア部分安定化ジルコニアに対して0.5wt%〜3wt%であることが好ましく、1wt%〜2.5wt%であることがより好ましい。
また、着色されたジルコニア焼結体を得るために、ジルコニアゾル(A)に着色剤を添加することができる。着色剤としては、セラミックスを着色するために一般的に使用される公知の顔料や、公知の歯科用の液体着色剤を用いることができる。かかる顔料や着色剤としては、例えば、鉄、バナジウム、プラセオジウム、エルビウム、ニッケル又はマンガン等を含む酸化物及び複合酸化物や、Zirkonzahn社製のPrettau Colour Liquid等が挙げられる。着色剤の添加量は、顔料や着色剤の種類によって適宜選択することができるが、通常、ジルコニアゾル(A)中のジルコニアの含有量に対して0.01wt%〜5wt%の範囲内である。
バインダー及び着色剤以外にも、必要に応じて、ジルコニアゾル(A)にpH調整剤、分散剤、滑剤、離型剤等が添加されてもよい。
超臨界乾燥には、市販の超臨界乾燥装置が好ましく用いられる。二酸化炭素を超臨界流体として用いた場合の手順の一例は、上記のとおりである。ここで、通常行われる超臨界乾燥の条件として、好ましい圧力は8〜80MPa、温度は35〜300℃の範囲である。
超臨界乾燥で得られたジルコニア粉末(B)は、必要に応じて、さらに粉砕及び/又は分級を行って、粒子径を調整することもできる。
次に、工程(II)について説明する。工程(II)では、上記のようにして得られたジルコニア粉末(B)をプレス成形して、所望の大きさのプレス成形体を得る。プレス成形の方法としては、公知の方法が何ら制限なく用いられ、一軸プレス法等の公知の方法から適宜好適な方法を選択することができる。本実施形態におけるプレス成形体は、多段階的な成形を施したものでもよく、例えば、プレス成形によって得られたプレス成形体に、さらにCIP(Cold Isostatic Pressing;冷間静水圧プレス)処理を施してもよい。かかるCIP処理におけるプレス圧力は、通常、50〜1000MPaであり、圧力が高いほど緻密な成形体が得られる。本実施形態のプレス成形体においては、該成形体の密度はなるべく高いほうが望ましく、例えば2.95g/cm3以上(好ましくは3.0g/cm3以上、より好ましくは3.1g/cm3以上、さらに好ましくは3.2g/cm3以上)であることが望ましい。
次に、工程(III)について説明する。工程(III)では、ジルコニア粉末(B)のプレス成形体を、900℃〜1200℃の温度で焼成する。これにより、相対密度99%以上の緻密なジルコニア焼結体が得られる。この焼成は、大気圧下で行うことが可能である。このときの焼結条件(温度、昇温速度、係留時間)は、プレス成形体の大きさ、密度、ジルコニア粉末(B)の粒子径、バインダーの添加量や種類等によって最適な条件が変わるが、本発明の属する技術分野の通常の知識を有している技術者であれば、それを容易に見出すことが可能である。一般的には、焼成温度が900℃より低いと、得られるジルコニア焼結体の強度が低くなってしまう。また、焼成温度が1200℃より高いと、結晶粒成長が進み、透光性が低下してしまう。
本実施形態の製造方法によって得られる透光性ジルコニア焼結体(本実施形態の透光性ジルコニア焼結体)は、99%以上の相対密度を有することができる。相対密度が99%よりも低くなると、透光性及び/又は機械的強度が低下する。本実施形態の透光性ジルコニア焼結体の透光性は、波長700nmの可視光において厚さ0.5mmのジルコニア焼結体を通過する光線透過率によって表され、光線透過率25%以上が可能であり、光線透過率30%以上が好ましく、光線透過率35%以上がより好ましい。本実施形態のジルコニア焼結体が光線透過率25%以上を有することにより、該ジルコニア焼結体を歯科用補綴材として用いた場合に、補綴物で治療した歯が白く浮いて見えることがなく、審美性の面から好ましい。また、本実施形態の透光性ジルコニア焼結体は、通常1000MPa以上の曲げ強度を有するので、歯科補綴物として用いられた場合に口腔内で十分な耐久性も有する。
次に、本発明の透光性ジルコニア焼結体作製用の焼結前仮焼体の一実施形態について説明する。本実施形態の焼結前仮焼体は、上述の本実施形態の透光性ジルコニア焼結体の製造方法における工程(I)及び(II)の実施により得られたジルコニア粉末(B)のプレス成形体を、焼結前に仮焼することによって得ることができるものである。このときの仮焼は、プレス成形体を、ジルコニア粉末(B)の焼結温度以下の温度である650℃〜850℃で、適当な時間保持することによって実施できる。仮焼温度は700℃〜850℃とすることが好ましく、保持時間は例えば1時間〜3時間とすることができる。
本実施形態の透光性ジルコニア焼結体の使用用途の一つである歯科補綴物の作製において、好ましい作製方法として歯科用CAD/CAMシステムを用いた切削加工が挙げられる。この場合は、通常、上記の焼結前仮焼体の状態で切削加工が行われて歯科補綴物の形状が出来上がる。かかる歯科補綴物の形状にて、900℃〜1200℃の範囲内の適当な温度条件及び適当な時間条件で焼成することで、最終的な歯科補綴物が完成する。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。本発明は、かかる実施例に限定されるものではない。
本発明の透光性ジルコニア焼結体及び該透光性ジルコニア焼結体の製造に関わる諸物性の測定は以下の方法により行った。
(1)ジルコニア焼結体の光線透過率
光線透過率の測定は、分光光度計(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、「日立分光光度計 U−3900H形」)を用い、光源より発生した光を試料に透過及び散乱させ、積分球を利用して透過率を測定することによって行った。300〜750nmの波長領域で測定を行ったが、本実施例での光線透過率は、可視光線領域の700nmの波長での透過率とした。試料には、両面を鏡面研磨加工した直径約15mm、厚み0.5mmの円盤形状のジルコニア焼結体を用いた。
(2)相対密度
ジルコニア焼結体の相対密度は、電子天秤(メトラー・トレド株式会社製、型式:ML204)を使用してアルキメデス法によりその密度を測定し、理論密度を6.08g/cm3として算出された。
(3)ジルコニアゾル(A)中のジルコニア微粒子の平均一次粒子径
ジルコニアゾル(A)中の平均一次粒子径は、ジルコニアゾル(A)中のジルコニア微粒子をTEMにより写真撮影し、得られた画像上で各粒子の粒子径を測定し、粒子100個の平均値を算出することにより求められた。
(4)ジルコニア粉末(B)の粒度分布、平均粒子径及び最大粒子径
ジルコニアゾル(A)を乾燥させて得られたジルコニア粉末(B)を、0.2%のヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液に分散させ、レーザ回折式粒度分布計(株式会社島津製作所製、型番:SALD−2100型)を用いて粒度分布を測定し、平均粒子径(d50)及び最大粒子径(d99)を求めた。
(5)ジルコニア焼結体の3点曲げ強度
ジルコニア焼結体の3点曲げ強度は、JIS R 1601に準拠して測定された。なお、試料は、後述の80mm×40mm×10mmの板状の成形体をCIP処理して焼結して得られた焼結体を、JIS R 1601に記載されているサイズに加工することによって作製された。
[実施例1](メタノール置換)
平均一次粒子径11〜12nmのジルコニアナノ粒子(ジルコニア微粒子)を含む水系ゾル(ニッケイ・メル社製の「MELox Nanosize 3Y」(ジルコニア濃度23%、イットリア含有量3mol%))約250gを原料ゾルとして用い、以下の手順によりメタノール置換し、水がメタノールで置換されたゾル(メタノール置換ゾル)を得た。具体的には、原料ゾル20mlに対してイソプロパノール180ml[スラリー:イソプロパノール=1:9]とし、これらを遠沈管に入れて十分に混合し、4000rpmで10分間遠心した。その後、白色物の沈降を確認して上清を取り除き、これに再度イソプロパノールを加えて十分に混合し、4000rpmで10分間遠心した。次に、白色物の沈降を確認して上清を取り除き、これにメタノールを加えて全量を20mlとし、十分に混合してメタノール置換ゾルを得た。
得られたメタノール置換ゾルについて、超臨界乾燥装置を用いて、以下の手順により超臨界乾燥を行った。メタノール置換ゾルを圧力容器に入れ、圧力容器を超臨界二酸化炭素抽出装置につなぎ、圧漏れのないことを確認した。その後、圧力容器と予熱管を60℃に加温したウォーターバスに漬け、80℃まで昇温するとともに、25MPaまで加圧して、安定化のため10分静置した。次に、二酸化炭素及びエントレーナーとしてのメタノールを所定条件下(温度:80℃、圧力:25MPa、二酸化炭素の流量:10ml/min、エントレーナー(メタノール)の流量:1.5ml/min)で導入し、2時間経過時点でメタノール導入を停止し、二酸化炭素のみの導入を続けた。二酸化炭素のみの導入が2時間経過した後、二酸化炭素の送液を停止し、温度を80℃に保持したまま圧力を約20分かけて25MPaから徐々に下げて常圧に戻した。圧力容器をウォーターバスから出して常温まで冷却し、開封して処理済み試料50.6gを、ジルコニア粉末(B)として回収した。該粉末の粒度分布は、d50=1.1μm、d99=5.2μmであった。
回収したジルコニア粉末(B)を、一軸プレスにて80mm×40mm×10mmの板状及び直径15mm、厚み1.5mmの円盤状に成形し、その後冷間等方圧加圧(CIP)にて、圧力を170MPaで密度を上げ、ジルコニア粉末(B)のプレス成形体を作製した。引き続き、該プレス成形体を700℃×2hrで仮焼して、焼結前仮焼体を作製した。さらに、該仮焼体を1100℃×2hrで焼成して、透光性ジルコニア焼結体を得た。該焼結体の光線透過率は30.6%、3点曲げ強度は1354MPa、相対密度は99.5%であった。
[実施例2](エタノール置換)
原料ゾルの水をメタノールではなくエタノールで置換した点以外は、実施例1と同様の方法でジルコニア粉末(B)を作製した。得られたジルコニア粉末(B)の粒度分布はd50=1.8μm、d99=6.8μmであった。また、このジルコニア粉末(B)を用いて、実施例1と同じ手順でジルコニア焼結体を作製した。該焼結体の光線透過率は29.6%、3点曲げ強度は1313MPa、相対密度は99.4%であった。
[実施例3](アルコール置換なし)
原料ゾルの水をメタノールで置換することなく、原料ゾルをそのままを用いて超臨界乾燥を行った点以外は、実施例1と同様の方法でジルコニア粉末(B)を作製した。得られたジルコニア粉末(B)の粒度分布は、d50=2.9μm、d99=9.2μmであった。また、このジルコニア粉末(B)を用いて、実施例1と同じ手順でジルコニア焼結体を作製した。該焼結体の光線透過率は26.1%、3点曲げ強度は1290MPa、相対密度は99.2%であった。
[実施例4](バインダー添加有り)
メタノール置換ジルコニアゾルに、ジルコニアに対して2wt%のアクリル系バインダー(中央理化工業株式会社製の「SA−204」)を添加した後で超臨界乾燥を行った以外は、実施例1と同様の方法でジルコニア粉末(B)を作製した。得られたジルコニア粉末(B)の粒度分布は、d50=0.65μm、d99=2.9μmであった。また、このジルコニア粉末(B)を用いて、実施例1と同じ手順でジルコニア焼結体を作製した。該焼結体の光線透過率は38.0%、3点曲げ強度は1382MPa、相対密度は99.8%であった。
[実施例5](超臨界乾燥の温度及び圧力の変更)
平均一次粒子径11〜12nmのジルコニアナノ粒子を含む水系ゾル(ニッケイ・メル社製の「MELox Nanosize 3Y」(ジルコニア濃度23%、イットリア含有量3mol%))約254gを原料ゾルとして用い、実施例1と同様の手順によりメタノール置換して、メタノール置換ゾルを得た。得られたメタノール置換ゾルを、超臨界乾燥装置を用いて、以下の手順により超臨界乾燥を行った。メタノール置換ゾルを圧力容器に入れ、圧力容器を超臨界二酸化炭素抽出装置につなぎ、圧漏れのないことを確認した。その後、圧力容器と予熱管を40℃に加温したウォーターバスに漬け、60℃まで昇温するとともに、20MPaまで加圧して、安定化のため10分静置した。これ以降は実施例1と同様の手順により超臨界乾燥を行って、ジルコニア粉末(B)を作製した。得られたジルコニア粉末(B)の粒度分布は、d50=2.9μm、d99=9.5μmであった。また、このジルコニア粉末(B)を用いて、実施例1と同じ手順でジルコニア焼結体を作製した。該焼結体の光線透過率は25.6%、3点曲げ強度は1211MPa、相対密度は99.2%であった。
[比較例1](スプレー乾燥法)
実施例1で用いた原料ゾルをスプレードライヤー(ビュッヒ製、ミニスプレードライヤーB290)で乾燥し、ジルコニア粉末を得た。得られたジルコニア粉末の粒度分布は、d50=21μm、d99=113μmであった。また、このジルコニア粉末を用いて、実施例1と同じ手順でジルコニア焼結体を作製した。該焼結体の光線透過率は1.6%、3点曲げ強度は878MPa、相対密度は96.8%であった。
[比較例2](凍結乾燥法)
実施例1で用いた原料ゾルを凍結乾燥法で乾燥し、ジルコニア粉末を得た。得られたジルコニア粉末の粒度分布は、d50=56μm、d99=335μmであった。また、このジルコニア粉末を用いて、実施例1と同じ手順でジルコニア焼結体を作製した。該焼結体の光線透過率は0.6%、3点曲げ強度は723MPa、相対密度は92.4%であった。
[比較例3](比較例2のジルコニア粉末をさらに粉砕)
比較例2で得られたジルコニア粉末をボールミルで粉砕し、d50=4.2μm、d99=16.3μmの粉末を得た。また、このジルコニア粉末を用いて、実施例1と同じ手順でジルコニア焼結体を作製した。該焼結体の光線透過率は4.2%、3点曲げ強度は853MPa、相対密度は96.2%であった。
実施例1〜5では、プレス成形体の作製に用いられるジルコニア粉末が、本発明の製造方法で特定されている平均粒子径3μm以下、かつ最大粒子径10μm以下を満たす粒度分布を有している。このようなジルコニア粉末を用いて作製されたプレス成形体を焼成することによって得られた焼結体は、相対密度99%以上及び光線透過率25%以上を満たし、さらに高い曲げ強度も有していた。これに対し、平均粒子径3μm以下、かつ最大粒子径10μm以下を満たしていないジルコニア粉末を用いてプレス成形体を作製し、それを焼成することによって作製された比較例1〜3の焼結体は、相対密度が99%よりも低く、光線透過率も25%より低かった。さらに、曲げ強度も、実施例1〜5の焼結体と比較してかなり低かった。
以上の結果から、本発明の製造方法によれば、99%以上の相対密度と、25%以上の光線透過率とを満たす、透光性が高く、審美性に優れたジルコニア焼結体を提供することが可能であるということが確認された。
また、同じ原料ゾルを乾燥させてジルコニア粉末を作製した実施例3と比較例1及び2とを比較すると、超臨界乾燥法を用いて作製された実施例3のジルコニア粉末は、スプレー乾燥法を用いて作製された比較例1のジルコニア粉末及び冷凍乾燥法を用いて作製された比較例2のジルコニア粉末と比較して、粒子径が小さかった。この結果から、より小さい粒子径を有するジルコニア粉末を得ることができるという点で、超臨界乾燥法が他の乾燥方法よりも優れており、本発明の製造方法において用いられる乾燥方法として好適であるということが確認された。また、比較例1の結果から、一般的なスプレー乾燥法でジルコニアゾルを乾燥させただけでは、本発明の製造方法によって特定されているジルコニア粉末(B)のような小さい粒子径を有するジルコニア粉末は得られないと考えられる。
本発明によれば、透光性が高く、審美性に優れたジルコニア焼結体、及びそのようなジルコニア焼結体を作製できる焼結前仮焼体を提供できる。したがって、本発明は、特に歯科補綴物等の歯科分野に好適に利用できる。

Claims (9)

  1. (I)安定化剤として2〜4モル%のイットリアを含み、かつ平均一次粒子径が30nm以下の部分安定化ジルコニア微粒子を含むジルコニアゾル(A)を乾燥させて、平均粒子径が3μm以下で、かつ最大粒子径が10μm以下のジルコニア粉末(B)を得る工程と、
    (II)前記ジルコニア粉末(B)をプレス成形して、プレス成形体を得る工程と、
    (III)前記プレス成形体を900℃〜1200℃で焼成する工程と、
    を含む、透光性ジルコニア焼結体の製造方法。
  2. 前記透光性ジルコニア焼結体において、相対密度は99%以上であり、かつ0.5mm厚さでの波長700nmの光線透過率が25%以上である、
    請求項1に記載の透光性ジルコニア焼結体の製造方法。
  3. 前記工程(I)において、前記ジルコニアゾル(A)を超臨界乾燥法によって乾燥させて前記ジルコニア粉末(B)を得る、
    請求項1又は2に記載の透光性ジルコニア焼結体の製造方法。
  4. 前記ジルコニアゾル(A)は、分散媒として水を含む水系ジルコニアゾルであり、
    前記工程(I)において、前記ジルコニアゾル(A)中の水を有機溶剤で置換し、得られた前記ジルコニアゾル(A)を超臨界流体として用いる物質の臨界温度及び臨界圧力以上の範囲の高温高圧中で保持して、前記ジルコニアゾル(A)中の前記有機溶剤を前記超臨界流体に溶解させて前記ジルコニアゾル(A)から分離して、前記ジルコニア粉末(B)を得る、
    請求項3に記載の透光性ジルコニア焼結体の製造方法。
  5. 前記工程(I)において用いられる前記有機溶剤が、炭素数1〜5の低級アルコールからなる群から選ばれる少なくともいずれか1種である、
    請求項4に記載の透光性ジルコニア焼結体の製造方法。
  6. 前記工程(I)において用いられる前記超臨界流体が、二酸化炭素である、
    請求項4又は5に記載の透光性ジルコニア焼結体の製造方法。
  7. 前記工程(I)において、
    前記水が前記有機溶剤で置換された前記ジルコニアゾル(A)に、バインダーとなる有機物を添加した後に、前記超臨界流体を用いた前記ジルコニアゾル(A)の超臨界乾燥を行う、
    請求項4〜6のいずれか1項に記載の透光性ジルコニア焼結体の製造方法。
  8. 前記プレス成形体の密度が3.0g/cm3以上である、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の透光性ジルコニア焼結体の製造方法。
  9. (I)安定化剤として2〜4モル%のイットリアを含み、かつ平均一次粒子径が30nm以下の部分安定化ジルコニア微粒子を含むジルコニアゾル(A)を乾燥させて、平均粒子径が3μm以下で、かつ最大粒子径が10μm以下のジルコニア粉末(B)を得る工程と、
    (II)前記ジルコニア粉末(B)をプレス成形して、プレス成形体を得る工程と、
    (III)前記プレス成形体を、650℃〜850℃で仮焼する工程と、
    を含む、透光性ジルコニア焼結体作製用の焼結前仮焼体の製造方法
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