JPH0679965B2 - ジルコニアゾルの製造方法およびジルコニア成形体の製造方法 - Google Patents

ジルコニアゾルの製造方法およびジルコニア成形体の製造方法

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JPH0679965B2
JPH0679965B2 JP3080092A JP8009291A JPH0679965B2 JP H0679965 B2 JPH0679965 B2 JP H0679965B2 JP 3080092 A JP3080092 A JP 3080092A JP 8009291 A JP8009291 A JP 8009291A JP H0679965 B2 JPH0679965 B2 JP H0679965B2
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zirconia
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zirconia sol
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、断熱材、耐火材などの
構造用セラミックス等のみならず固体電解質、センサ
ー、触媒などの機能性セラミックスにも多くの応用分野
が期待されているジルコニアをつくるための素材となる
ジルコニアゾル、あるいはそれを経由してつくられるジ
ルコニア成形体をジルコニウムアルコキシドから製造す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高品質のセラミックスを得るため
の方法として、金属アルコキシドの加水分解による合成
法が盛んに研究されている。金属アルコキシドを用いる
いわゆるゾル−ゲル法は、一般に行なわれている金属酸
化物微粉末を混合し、仮焼を行なう方法に比較して、 1)高純度のものが得られる。
【0003】2)均質性の高いものが得られる。 3)低温製造プロセスが可能である。 4)形状付与の自由性がある。 など多くの利点を有することから高機能性セラミックス
の開発が期待されている。
【0004】この方法により、粒子、繊維、塊状物、膜
などの形態をもったセラミックス製品を得ることができ
る。ジルコニウムアルコキシドを用いるジルコニアの製
造方法においては、ジルコニウムアルコキシドをベンゼ
ン、エタノール、イソプロパノール等の有機溶媒に溶解
させ、加水分解の水の量、pH、熟成の温度、時間を変
えることにより、加水分解速度及び重縮合反応を厳密に
制御することで、塊状ゲルや繊維、コーティングの製造
が行なわれている。
【0005】例えば、斉藤ら(「日本化学会誌」1988、
No9、P1571 〜1577)はジルコニウムアルコキシドの加
水分解を、加水分解水の量、pH、熟成温度、時間を変
えることにより反応速度を制御し、pH=2の系では塊
状物が、pH=10の系では粒状のものが得られることを
報告している。
【0006】また、横尾ら(「ファインセラミックス」
Vol.9、P163〜175(1988))は、Zr(O−nC3 7
4 溶液に酸を加えてかくはん混合し、80℃でエージング
し、生成する粘稠溶液を紡糸してゲル繊維を得、それを
焼成してジルコニアセラミック繊維を得ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法では操作が繁雑で作業の大部分を空気中の水分が
触れないように、例えばグローブボックスのような中で
操作をしなければならなかったり、水をゆっくりと白沈
が起こらないように加えるなどの必要がある。操作が繁
雑なため工業化がなかなか難しい面がある。また、加水
分解の水の量、pH、熟成温度、時間を厳密に制御しな
ければならず、例えばZr(O−nC3 7 4 −C2
5 OH−HCl−H2 O系においての曳糸性を示す領
域は、Zr(O−nC3 7 4 に対して水は 0.7〜1.
5 モル倍、C2 5 OHは4モル倍以上などとかなり領
域が限定されている。
【0008】また、一般的にアルコキシドからのゾル−
ゲル法で未反応のアルキル基が生成物中に残留している
ことがあり、それが焼成過程において残留カーボンとし
て残ることがある。
【0009】本発明者は、上記問題を解決するために先
にジルコニアゾルの製造方法について提案した。即ち、
ジルコニウムアルコキシドまたはその溶液に酸を含む過
酸化水素水を添加して加水分解するか、あるいは過酸化
水素水を添加した後、酸を添加して加水分解してジルコ
ニア前駆体ゾルを製造し、これを成形、焼成してジルコ
ニア成形体を製造することが上記の欠点を解消する上で
有効であることを見い出した(特開平2−293324
号公報参照)。
【0010】しかしながら、上記方法は、残留カーボン
を除去する上で非常に有効であったが、この方法は、ゾ
ルの成形、焼成の過程で詳細は明らかではないが、過酸
化水素水由来と考えられる発泡が生じることがあると言
う欠点があり、所望の成形品を工業化するとき、例え
ば、押し出し式紡糸装置でファイバーを成形すると糸切
れが起こる、バルクゲルを製造するとき発泡がおこるこ
とがあるという問題がある。
【0011】本発明の目的は、上記発泡を防止して、特
に、粒径制御が容易で所望の形状の成形品が容易かつ良
好に製造できる所望の結晶形を有するジルコニア成形品
を製造できる方法および当該ジルコニア成形品を得るた
めのジルコニアゾルの製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の〜
に記載のものであり、これにより上記課題を解決でき
る。
【0013】 ジルコニウムアルコキシドを加水分
解してジルコニアゾルを製造する方法において、ジルコ
ニウムアルコキシドまたはその溶液に酸を含む過酸化水
素水を添加して加水分解するか、あるいは過酸化水素水
を添加した後、酸を添加して加水分解をした透明前駆体
を蒸発乾固させ再び有機溶媒に分散させることを特徴
とするジルコニアゾルの製造方法。
【0014】 前記記載のジルコニアゾルにジルコ
ニアの安定化剤が添加されてなることを特徴とする安定
化ジルコニアゾルまたは部分安定化ジルコニアゾルまた
は正方晶ジルコニアゾルの製造方法。
【0015】 前記または記載の製造方法によ
り、ジルコニアゾル、安定化ジルコニアゾルまたは部分
安定化ジルコニアゾルまたは正方晶ジコニアゾルを製
造した後、所定の形状に成形し、乾燥し、次いで焼成す
ることを特徴とするジルコニア成形体、安定化ジルコニ
ア成形体または部分安定化ジルコニア成形体または正方
晶ジルコニア成形体の製造方法。
【0016】 初めに、記載の発明から説明する。 記載の発明は、酸と過酸化水素水を使用してジルコニ
ウムアルコキシドを加水分解して透明前駆体を形成し、
この透明前駆体を蒸発乾固させ再び有機溶媒に分散す
ることによりジルコニアゾルを形成するものである。
【0017】この発明におけるジルコニアゾルとは、ジ
ルコニアを焼成により形成できるゾルを意味する。該ジ
ルコニアの結晶形は特に限定されないが、通常、正方
晶、単斜晶、あるいはこれらの混在が挙げられる。
【0018】本発明は、該加水分解して生成した透明前
駆体を蒸発乾固させ、その後有機系溶媒にて再分散して
該ジルコニアゾルを形成することを特徴とするものであ
る。ここで、透明前駆体はゾルの形態であり、蒸発乾固
することによりゾル内の水分を除去し、乾固化される。
【0019】該乾固物を再分散する時の有機系溶媒の種
類、量等は、その後のゾルの用途、成形法により適宜選
定され得るが該乾固物が完全に溶解、分散されることが
好ましい。
【0020】本発明は、上記ゾルの蒸発乾固、乾固物の
有機系溶媒への再分散を通じてゾル内に残留する過酸化
水素等の発泡の原因物質が実質的に完全に除去されるた
め及び表面張力の低下により発泡の生じないゾルが得ら
れるものと考えられる。
【0021】本発明において用いるジルコニウムアルコ
キシドとしては、ジルコニウムメトキシド、ジルコニウ
ムエトキシド、ジルコニウムイソプロポシド、ジルコニ
ウムノルマルプロポキシド、ジルコニウムノルマルブト
キシド等が挙げられる。これらのアルコキシドの中に
は、常温で固体のもの、液体のものがあるが固体のもの
は有機溶媒に溶かして溶液として使用することが望まし
い。ジルコニウムアルコキシドを溶かすための有機溶媒
としてはエチルアルコール、イソプロピルアルコール、
ブチルアルコールなどのアルコール、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等、もしくはこれらの混合物を使用するこ
とができる。
【0022】そのジルコニウムアルコキシドまたはその
溶液に、強かくはんをしながら硝酸、塩酸、酢酸、硫酸
のうち、1種または2種以上の酸をジルコニウムアルコ
キシドに対して0.2モル倍以上、好ましくは0.5モ
ル倍から1モル倍程度を含む過酸化水素水を添加して加
水分解を行なう。その過酸化水素水中の過酸化水素の量
は、ジルコニウムアルコキシドに対して2モル倍以上、
好ましくは5〜10モル倍程度である。
【0023】また、ジルコニウムアルコキシドまたはそ
の溶液を強かくはんしながら、それに過酸化水素水を加
えた後、酸を加えても同様な効果が得られる。ジルコニ
ウムアルコキシドまたはその溶液に酸を含む過酸化水素
水を加えた直後、または過酸化水素水を加えた後に酸を
加えた直後はスラリー状となっているが、その後発熱
し、数分あるいはそれ以上強かくはんすることにより透
明な前駆体となる。
【0024】以上の操作は、特に空気に触れずに密閉し
てやる必要はなく、また操作は簡単である。過酸化水素
は強い酸化剤であり、もし未反応のアルキル基があった
としても酸化されてしまい、それが焼成過程において残
留カーボンとして残ることがない。
【0025】その前駆体を真空中で蒸発乾固をさせるな
どの方法で蒸発乾固をし、有機系溶媒に分散させ、ここ
で有機系溶媒は、エチルアルコール、イソプロピルアル
コール、ブチルアルコールなどのアルコール、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等、もしくはこれらの混合物を
使用することができるが、安全性、分散性、経済性等を
考慮すると、エチルアルコールが最も望ましい。
【0026】また、このジルコニアゾルを熟成あるいは
濃縮を行うと粘性の大きな粘性ゾルをつくることが容易
である。この粘性ゾルはドクターブレードなどでシート
化したり、コーティングをしたり紡糸をして繊維を製造
したり、型に鋳込んで塊状ゲル、バルク体を製造するこ
とも可能である。
【0027】次に記載の発明について説明する。記
載の発明は、前記記載のジルコニアゾルにジルコニア
の安定化剤が添加されてなることを特徴とする安定化ジ
ルコニアゾルまたは部分安定化ジルコニアゾルまたは正
方晶ジルコニアゾルの製造方法である。
【0028】該ジルコニアの安定化剤とは、記載のジ
ルコニアゾルと反応および/または混合して該ジルコニ
アゾルと一体化した安定化または部分安定化または正方
晶ジリコニアゾルが形成でき、これを焼成することによ
り、安定化ジルコニアまたは部分安定化ジルコニアを生
成することができる任意の金属系物質を意味する。従っ
て、安定化ジルコニアまたは部分安定化ジルコニアまた
は正方晶ジルコニアは、安定化剤由来の金属元素を有し
ているが、その存在状態は、通常固溶状態と考えられて
いる。
【0029】ここで、安定化ジルコニア、部分安定化ジ
ルコニアおよび正方晶ジルコニアの用語の意味は一般的
に知られている意味であるが、安定化ジルコニアとは、
ジルコニアの高温安定相である蛍石型立方晶が室温で安
定化されているジルコニアを、部分安定化ジルコニアと
は立方晶と正方晶あるいは単斜晶からなるジルコニア
を、正方晶ジルコニアとは微細な粒からなる正方晶ジル
コニアを意味する。
【0030】この安定化剤の使用時期は、上記条件を満
足すれば、特に制限なく任意の時期に添加することがで
き、例えば、前記記載のジルコニアゾルを製造するた
めのジルコニウムアルコキシドを加水分解する前や後、
あるいはジルコニアゾル製造後適当な時に添加すること
ができる。
【0031】該安定化剤の使用量は、ジルコニウムアル
コキシドからなるジルコニアに対し0モル%より大きく
50モル%の範囲から選択することが好ましい。該安定
化剤の好ましい例として、金属塩が挙げられ、例示すれ
ば、イットリウム、マグネシウム、カルシウム、セリウ
ムなどの塩がある。
【0032】また、本発明によって用いる該塩はジルコ
ニアゾルを分散させるために有機溶媒に溶けなくてはな
らない。上記の塩としては、YCl3 ・6H2 O、Y2
(SO4 3 ・8H2 O、Y(NO3 3 ・6H2 O、
2 (CO3 3 ・3H2 O、Y(CH3 COO)3
4H2 O、Y2 (C2 4 3 ・9H2 O、CaCl2
・H2 O、Ca(ClO)2 ・3H2 O、CaSO4
2H2 O、Ca(NO3 2 ・4H2 O、Ca(C2
4 )・H2 O、Ca(CH3 COO)2 ・H2 O、Mg
Cl2 ・6H2 O、Mg(ClO4 )・6H2 O、Mg
SO4 ・H2 O、MgSO4 ・7H2 O、Mg(N
3 2・6H2 O、Mg(CH3 COO)2 ・4H2
O、Mg(C2 4 )・2H2 O、Ce(ClO4 3
・6H2 O、Ce(OH)4 ・H2 O、Ce(SO4
3 ・8H2 O、Ce(NO3 3 ・8H2 O等が挙げら
れ、これらの中から1種または2種以上を適宜選択して
用いることができる。
【0033】このゾルもまた熟成あるいは濃縮を行うこ
とにより、粘性の大きな粘性ゾルをつくることが容易で
ある。この粘性ゾルはドクターブレードなどでシート化
したりコーティングをしたり、紡糸をして繊維を製造し
たり、型に鋳込んで塊状ゲル、バルク体を製造すること
も可能である。
【0034】次にの発明について説明する。の発明
は、前記または記載の製造方法により、ジルコニア
ゾル、安定化ジルコニアゾルまたは部分安定化ジルコニ
アゾルまたは正方晶ジルコニアゾルを製造した後、所定
の形状に成形し、乾燥し、次いで焼成することを特徴と
するジルコニア成形体、安定化ジルコニア成形体または
部分安定化ジルコニア成形体または正方晶ジルコニア成
形体の製造方法である。
【0035】上記の「成形体」とは、粒子、繊維、塊状
物、膜などの形を有するものを指し、プレス加工などに
よる加圧成形品に限るものではない。従って、各ゾルの
成形法は特に制限なく、従来公知の各種成形法を適用で
きる。また、該ゾルは、任意の粘度に調整して粘性ゾル
を作成することができる。従って、ゾルの成形時にその
まま使用してもよいし、希釈してもよいし、あるいは熟
成あるいは濃縮を行うことにより、粘性を大きくしても
よい。該熟成の方法としては、好ましくは、温度20〜
80℃、常圧1atm下で1〜180日間置くことが挙
げられる。濃縮の方法としては、真空中、60℃のエバ
ポレーターを使用した方法が好ましい。
【0036】この粘性ゾルの成形法としては、ディップ
法などで膜化したり、ドクターブレードなどでシート化
したり、コーティングをしたり、紡糸をして繊維を製造
したり、型に鋳込んで塊状ゲル、バルク体を製造する方
法が挙げられる。
【0037】これら成形されたジルコニアゾル、安定化
ジルコニアゾルまたは部分安定化ジルコニアゾルまたは
正方晶ジルコニアゾルの各種ゾルを乾燥させてから焼成
することにより、あるいはゾルをゲル化させ、乾燥させ
てから焼成することにより高純度な各種ジルコニアを得
ることができる。即ち、ゾルまたはゲルを乾燥する前に
繊維、膜などの所定の形状に成形しておけば、焼成によ
り繊維、膜などの形状をもった該各種ジルコニア成形体
を得ることができる。
【0038】 該乾燥法としては、該ゾルまたはゲル内
に含まれる有機溶媒を除去できれば、特に制限はな
く、成形品の使用目的等に応じて適宜選定され、常温、
常圧による乾燥でも、減圧による乾燥でも、超臨界乾
燥、例えば、COを抽出溶媒とした超臨界条件下での
乾燥でもよい。
【0039】該焼成は、400〜1800℃の適当な温
度で公知の方法により行うことができいる。
【0040】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもので
はない。
【0041】実施例1 ジルコニウムノルマルブトキシド(市販90%ブタノール
溶液) 0.052モルを 200mlの丸底フラスコに入れ、それ
を4個用意した。過酸化水素水(過酸化水素31wt%含
有)の中に含まれる過酸化水素がジルコニウムノルマル
ブトキシドに対して3モル倍、4モル倍、5モル倍、10
モル倍となるように、過酸化水素水を秤量して4個の 1
00mlビーカーにそれぞれ入れた。ジルコニウムノルマル
ブトキシドに対して0.75モル倍となるように硝酸を秤量
し、前記の4個の 100mlビーカーにそれぞれ入れ、過酸
化水素水と混合した。
【0042】前記のジルコニウムノルマルブトキシドを
入れた 200mlの丸底フラスコにスターラーを入れ、強か
くはんしながら、それぞれの 100mlビーカー中の硝酸を
含む過酸化水素水を一気に流し込んだ。それぞれに白沈
がまず生成したが、しばらくすると発熱が始まり、その
発熱がおさまった頃にはほぼ透明な前駆体が得られた。
さらに1日かくはんすると、すべて透明な前駆体ゾルが
得られた。
【0043】5モル倍の過酸化水素の入った過酸化水素
水で加水分解したゾルを90℃の温風乾燥器で乾燥をさせ
て製造した粉体をIR(赤外分光度計)、DTA(示差
熱分析装置)、X線回折などで分析した。IRにはアル
キル基などの有機残基によるピークは現れていなかっ
た。DTAでも有機物の分解によると思われる発熱ピー
クなどが観察されなかった。 410℃附近にピークが観察
されたが、それはX線回折の結果などから非晶質から正
方晶ジルコニアの結晶転位に由来するものであった。
【0044】また、5モル倍の過酸化水素の入った過酸
化水素水で加水分解したゾルを60℃、エバポレーター
で蒸発乾固させ、それに100mlのエタノールを加
え、攪拌を行った。透明なエタノールに分散をしたジル
コニアゾルが製造された。
【0045】そのジルコニアゾルを60℃のエバポレー
ターにかけ、ジルコニア固体分として50重量%まで濃
縮をし、粘性ゾルとする。この粘性ゾルはたいへん良好
な曳糸性を示す。攪拌棒を浸漬することで長さ数mの連
続ファイバーを引いた。
【0046】それを1日乾燥後、昇温速度1℃/min
でそれぞれ500℃、750℃、1000℃、1500
℃で焼成した。それらをXRDで結晶相を同定すると、
それぞれ正方晶、正方晶、正方晶+単斜晶、単斜晶のジ
ルコニアとなった。
【0047】SEMで観察をすると断面は円形、直径は
約10μmで、表面はなめらかであった。1000℃焼
成のジルコニアファイバーで粒径は0.1μmと非常に
こまかなものであった。BETで比表面積細孔径分布を
測定するとすべてにおいて0m2 /gに近かったが、特
に1000℃焼成でそれより計算される相対密度は9
9.2%と大きかった。
【0048】実施例2 ジルコニウムノルマルブトキシド(市販90%ブタノール
溶液) 0.1モルを用意した。過酸化水素水(過酸化水素
31wt%含有)の中に含まれる過酸化水素がジルコニウム
ノルマルブトキシドに対して5モル倍となるように過酸
化水素水を秤量し、それに硝酸をジルコニウムノルマル
ブトキシドに対して0.75モル倍添加した。ジルコニウム
ノルマルブトキシド溶液を強かくはんしながら、前記の
硝酸含有の過酸化水素水を一気に添加した。それを一日
攪拌すると、透明な前駆体が得られた。
【0049】その前駆体を60℃のエバポレーターにか
け、前駆体を蒸発乾固させ、エタノールを入れジルコニ
アゾルとした。それに硝酸イットリウムを最終生成物が
8mol% Y2 3 −ZrO2 となるように添加し
た。その安定化ジルコニアゾルが0.5センチポイズと
なるようにエタノールで調整をし、純度99.5%の市
販の2インチ角のアルミナ基板にディップコーティング
を行った。コーティング1回で約0.2μmの厚さのジ
ルコニア膜ができる。
【0050】ディップ→焼成を10回繰り返すことによ
って、約1.5μmのジルコニア膜が作成できた。焼成
を1000℃、1200℃、1350℃で行った膜は、
XRDで結晶相を同定するとすべて立方晶であった。S
EMで観察をするとクラックや欠陥は認められず緻密で
あった。
【0051】この膜に白金ペーストを約5mm間隔で焼
付け電極とし直流二端子法で伝導度を測定したところ、
800℃で6.0×10-2Ω-1・cm-1であった。 実施例3 ジルコニウムエトキシド 0.1モルをそれに対して5モル
倍のエタノールで溶解して溶液とした。過酸化水素水
(過酸化水素31wt%含有)の中に含まれる過酸化水素が
ジルコニウムエトキシドに対して5モル倍となるように
過酸化水素水を秤量し、それに硝酸をジルコニウムエト
キシドに対して0.75モル倍添加した。ジルコニウム
エトキシド溶液を強かくはんしながら前記の硝酸含有の
過酸化水素水を一気に添加した。それを一日かくはんす
ると、透明の前駆体が生成した。
【0052】その前駆体を60℃のエバポレーターにか
け、蒸発乾固させた。それにエタノールを入れ、ジルコ
ニアゾルとし、それに3mol% Y2 3 −ZrO2 となる
ように硝酸イットリウムを加え正方晶ジルコニアゾルと
した。それをポリプロピレン管にそれぞれ鋳込み密封を
し、1ヶ月放置し、湿潤塊状ゲルを生成させた。それぞ
れのポリプロピレン管から湿潤ゲルを取り出し、超臨界
乾燥(CO2 抽出)をし、エアロゲルを作成した。それ
を焼成したところ1000℃×5hr焼成で36m2
g、1200℃焼成で12.6m2 /gの比表面積があ
った。それぞれ結晶形は正方晶であった。
【0053】実施例4 ジルコニウムノルマルブトキシド(市販90%ブタノール
溶液)0.52モルに過酸化水素水(過酸化水素30wt%
含有)の中に含まれる過酸化水素がジルコニウムノルマ
ルブトキシドに対して10モル倍となるように過酸化水素
水を加え、直ちに硝酸をジルコニウムノルマルブトキシ
ドに対して0.75モル倍となるように加えた。強攪拌をす
ると約1時間後に透明な前駆体となった。それに硝酸イ
ットリウムを3mol%Y2 3 −ZrO2 となるよう
に加え、その前駆体をエバポレーターで蒸発乾固をし、
エタノールを加えジルコニアゾルとした。そのゾルを濃
縮することで粘性の強いゾルを得た。その粘性ゾルを押
し出し式の紡糸装置にかけ、連続ファイバーを製造し
た。押し出しノズルの径は100μmであったので、ゲ
ルファイバーの直径は80μmであった。そのゲルファ
イバーを750℃、1000℃、1250℃、1500
℃で昇温速度1℃/min、各温度1時間保持で焼成を
行った。XRDでは750℃、1000℃までは完全に
正方晶であったが、1250℃ではわずかな単斜晶が存
在し、1500℃焼成であると正方晶と単斜晶は約半分
ずつ存在した。BETで比表面積を測定すると1250
℃で最小の値をとった。SEMで観察をすると全ての焼
成品で表面が滑らかであり、断面は円形で直径は約50μ
mであった。粒径は1250℃でも0.1 μm程度であり、大
変細かい。
【0054】
【発明の効果】本発明では、高純度で均質性の高いジル
コニアゾル、安定化ジルコニアゾル、、部分安定化ジル
コニアゾル、および正方晶ジルコニアゾルが得られる。
それは白沈を含まず、均質なものである。このゾルから
曳糸性または賦形性のよい粘性ゾルが得られる。このた
め、このゾルから所定の形状をもった成形体をつくり、
それを焼成することにより粒子、繊維、膜などの各種の
形状をもった各ジルコニア成形体を製造することができ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジルコニウムアルコキシドまたはその溶
    液に酸を含む過酸化水素水を添加してジルコニウムアル
    コキシドを加水分解するか、あるいは過酸化水素水を添
    加した後、酸を添加して加水分解をした透明前駆体を蒸
    発乾固させ再び有機系溶媒に分散させることを特徴とす
    るジルコニアゾルの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のジルコニアゾルにジルコ
    ニアの安定化剤が添加されてなることを特徴とする安定
    化ジルコニアゾルまたは部分安定化ジルコニアゾルまた
    は正方晶ジルコニアゾルの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の製造方法によ
    り、ジルコニアゾル、安定化ジルコニアゾルまたは部分
    安定化ジルコニアゾルまたは正方晶ジコニアゾルを製
    造した後、所定の形状に成形し、乾燥し、次いで焼成す
    ることを特徴とするジルコニア成形体、安定化ジルコニ
    ア成形体(FSZ)または部分安定化ジルコニア成形体
    (PSZ)または正方晶ジルコニア成形体(TZP)の
    製造方法。
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