JP6236644B2 - 放射性セシウムの処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、放射性セシウムを含む汚染物質から放射性セシウムを回収する放射性セシウムの処理方法に関する。
主な除染方法として、焼却、高圧洗浄、削り取りが行われている。
焼却は、主に草木やがれきに対しての方法であり、管理型焼却炉で焼却処理し、処理過程で生じる飛灰に含まれる放射性セシウムはフィルターで捕捉し、焼却灰は仮置き場で管理保管され、その後埋め立てによって処理される。
高圧洗浄は、構造物に対しての方法であり、付着した放射性セシウムを洗い流す。
削り取りは、土壌や砂利に対しての方法であり、土壌などの表面を削り取り、削り取った土壌や砂利を仮置き場で管理保管され、その後埋め立てによって処理される。
ところで、排水から放射性物質を処理する方法が提案され、除去材を電磁力により回収することが提案されている(例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
特表2009−520185号公報 特表2008−501113号公報 特開2000−214293号公報
焼却や削り取りによる除染処理が進む中、汚染物質の保管場所が問題となり、また搬送中に再飛散も問題視されている。
このような状況の中で、減容化や再飛散防止のために、放射性セシウムをゼオライトに吸着させることや、プルシアンブルーが放射性セシウムを吸着しやすいことなどが注目されている。
また、特許文献1から特許文献3では、汚染物質を抽出しているため、減容化を図ることができる。
しかし、吸着材としてゼオライトを用いる場合には、プルシアンブルーに比べると吸着能力は劣り、減容化が十分に行われないだけでなく、吸着した放射性セシウムを放出するという問題がある。
プルシアンブルーは、ゼオライトより放射性セシウムの吸着性能が優れているが、放射性セシウムを除去した水からプルシアンブルーを完全に分離させることが困難なため、排水処理が困難であるという問題がある。
本発明は、減容化を図ると共に、放射性セシウムを除去した排水処理に優れた放射性セシウムの処理方法を提供することを目的とする。
請求項1記載の本発明の放射性セシウムの処理方法は、放射性セシウムを含む汚染物質から前記放射性セシウムを回収する放射性セシウムの処理方法であって、前記汚染物質から前記放射性セシウムを水に溶解する溶解ステップと、前記放射性セシウムが溶け込んだ前記水と吸着材とを接触させ、前記吸着材に前記放射性セシウムを吸着させる吸着ステップと、前記吸着ステップの後に、前記放射性セシウムを吸着させた前記吸着材と、前記放射性セシウムが除去された前記水とを分離する分離ステップと、を有し、前記吸着材が、活性炭、ゼオライト、シリカゲル、アルミナ、金属多孔質体、多孔質粘土鉱物、及びセラミック多孔質体の少なくとも一種を主成分とする多孔質材と、マグネタイト、フェライト、鉄粉、及び磁性ステンレス粉の少なくとも一種を主成分とする磁性体と、を有し、前記吸着ステップでは、非磁性体で構成された容器内に、前記吸着材と前記水を収容して攪拌又は曝気を行い、前記分離ステップでは、前記容器外に配置した電磁石に通電して前記吸着材を前記容器内周面に吸着させた状態で排水し、排水後に前記電磁石への通電を停止して前記吸着材を前記容器外に排出することを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の放射性セシウムの処理方法において、前記多孔質材の粒状物の表面に非水溶性バインダによって前記磁性体を付着させ、前記磁性体を付着させた前記粒状物を、押出成型によって所定長さの棒状若しくは略球状に成型し、または成型後粉砕して前記吸着材としたことを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項2に記載の放射性セシウムの処理方法において、前記吸着材が、プルシアンブルーを有し、前記磁性体を付着させた前記粒状物の表面に、前記非水溶性バインダによって前記プルシアンブルーを付着させ、前記プルシアンブルーを付着させた前記粒状物を前記吸着材としたことを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の放射性セシウムの処理方法において、前記汚染物質を焼却する焼却ステップを有し、前記溶解ステップでは、前記焼却ステップで生じる焼却灰を前記汚染物質としたことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の放射性セシウムの処理方法において、前記溶解ステップにおける前記汚染物質を、地表から削り取った汚染土壌としたことを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の放射性セシウムの処理方法において、前記溶解ステップにおける前記汚染物質を、草木や木材等の可燃物としたことを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の放射性セシウムの処理方法において、前記多孔質粘土鉱物が、セピオライト、スメクタイト、イモゴライト、パリゴルスカイト、カオリン、モンモリロナイト、ゼオライト、ベントナイト、アタパルジャイト、酸性白土、リモナイトから選ばれる少なくとも一種を主成分とすることを特徴とする。
請求項8記載の本発明は、請求項7に記載の放射性セシウムの処理方法において、前記多孔質粘土鉱物を、焼成し、又は焼成した後に粉末にして用いることを特徴とする。
本発明によれば、高い放射能を有する吸着材を、電磁石を利用して遠隔操作によって取り出すことができるため、安全に処理操作を行うことができ、放射性セシウムが除去された水は安全に自然界に戻すことができる。
また、本発明によれば、吸着材としてリモナイトを用いることで、プルシアンブルーと同等の吸着力を有するとともに、プルシアンブルーと比べて濾過が容易であり、排水処理を容易に行うことができ、放射性セシウムが除去された水は安全に自然界に戻すことができる。
本発明の一実施例による放射性セシウムの処理方法を示す処理流れ図 同処理方法に用いる吸着材の写真代用図面 同処理方法に用いる分離装置の概念図 焼却によるセシウム分離を示す構成図
本発明の第1の実施の形態による放射性セシウムの処理方法は、汚染物質から放射性セシウムを水に溶解する溶解ステップと、放射性セシウムが溶け込んだ水と吸着材とを接触させ、吸着材に放射性セシウムを吸着させる吸着ステップと、吸着ステップの後に、放射性セシウムを吸着させた吸着材と、放射性セシウムが除去された水とを分離する分離ステップとを有し、吸着材が、活性炭、ゼオライト、シリカゲル、アルミナ、金属多孔質体、多孔質粘土鉱物、及びセラミック多孔質体の少なくとも一種を主成分とする多孔質材と、マグネタイト、フェライト、鉄粉、及び磁性ステンレス粉の少なくとも一種を主成分とする磁性体とを有し、吸着ステップでは、非磁性体で構成された容器内に、吸着材と水を収容して攪拌又は曝気を行い、分離ステップでは、容器外に配置した電磁石に通電して吸着材を容器内周面に吸着させた状態で排水し、排水後に電磁石への通電を停止して吸着材を容器外に排出するものである。本実施の形態によれば、放射性セシウムを水に溶解した後に吸着材に吸着させるため、放射性セシウムが除去された水は安全に自然界に戻すことができる。また、高い放射能を有する吸着材を、電磁石を利用して遠隔操作によって取り出すことができるため、安全に処理操作を行うことができる。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による放射性セシウムの処理方法において、多孔質材の粒状物の表面に非水溶性バインダによって磁性体を付着させ、磁性体を付着させた粒状物を、押出成型によって所定長さの棒状若しくは略球状に成型し、または成型後粉砕して吸着材としたものである。本実施の形態によれば、加圧せずに吸着材を成型することで、吸着性能を低下させることなく磁性体を付与することができる。
本発明の第3の実施の形態は、第2の実施の形態による放射性セシウムの処理方法において、吸着材が、プルシアンブルーを有し、磁性体を付着させた粒状物の表面に、非水溶性バインダによってプルシアンブルーを付着させ、プルシアンブルーを付着させた粒状物を吸着材としたものである。本実施の形態によれば、放射性セシウムの吸着能力を高めることができる。
本発明の第4の実施の形態は、第1から第3の実施の形態による放射性セシウムの処理方法において、汚染物質を焼却する焼却ステップを有し、溶解ステップでは、焼却ステップで生じる焼却灰を汚染物質としたものである。本実施の形態によれば、焼却によって汚染物質を減容化でき、水への溶解を容易に行うことができる。
本発明の第5の実施の形態は、第1から第3の実施の形態による放射性セシウムの処理方法において、溶解ステップにおける汚染物質を、地表から削り取った汚染土壌としたものである。本実施の形態によれば、土壌表面の放射性セシウムを除去することができる。
本発明の第6の実施の形態は、第1から第3の実施の形態による放射性セシウムの処理方法において、溶解ステップにおける汚染物質を、草木や木材等の可燃物としたものである。本実施の形態によれば、可燃物から放射性セシウムを水に溶解させるため、草木や木材に吸収された放射性セシウムを効果的に除去することができる。
本発明の第7の実施の形態は、第1から第3の実施の形態による放射性セシウムの処理方法において、多孔質粘土鉱物が、セピオライト、スメクタイト、イモゴライト、パリゴルスカイト、カオリン、モンモリロナイト、ゼオライト、ベントナイト、アタパルジャイト、酸性白土、リモナイトから選ばれる少なくとも一種を主成分とするものである。本実施の形態によれば、これらの多孔質粘土鉱物がもつ負電荷の多くはKやNH と結合しているが、Csは、KやNH よりも結合力が大きいため、KやNH に置き換わって多孔質粘土鉱物がもつ負電荷と結合して固定される。
本発明の第8の実施の形態は、第7の実施の形態による放射性セシウムの処理方法において、多孔質粘土鉱物を、焼成し、又は焼成した後に粉末にして用いるものである。本実施の形態によれば、放射性セシウムの固定効果を高めることができる。
以下に本発明の一実施例を図1から図3に示す。
図1は本発明の一実施例による放射性セシウムの処理方法を示す処理流れ図、図2は同処理方法に用いる吸着材の写真代用図面、図3は同処理方法に用いる分離装置の概念図である。
図1に示すように、本実施例による放射性セシウムの処理方法は、放射性セシウムの回収工程と放射能の低減工程からなる。
放射性セシウムの処理方法は、汚染物質が焼却可能な物質である場合には、汚染物質を焼却する焼却ステップS11と、焼却灰から放射性セシウムを水に溶解する溶解ステップS21と、放射性セシウムが溶け込んだ水と吸着材とを接触させ、吸着材に放射性セシウムを吸着させる吸着ステップS30と、吸着ステップS30の後に、放射性セシウムを吸着させた吸着材と、放射性セシウムが除去された水とを分離する分離ステップS40とからなる。
汚染対象物が汚染土壌である場合には、汚染土壌の削り取る削り取りステップS12と、汚染土壌から放射性セシウムを水に溶解する溶解ステップS22と、放射性セシウムが溶け込んだ水と吸着材とを接触させ、吸着材に放射性セシウムを吸着させる吸着ステップS30と、吸着ステップS30の後に、放射性セシウムを吸着させた吸着材と、放射性セシウムが除去された水とを分離する分離ステップS40とからなる。
汚染対象物が草木や木材等の可燃物である場合には、草木や木材等を燃焼するステップS13と、草木や木材等の可燃物から放射性セシウムを水に溶解する溶解ステップS23と、放射性セシウムが溶け込んだ水と吸着材とを接触させ、吸着材に放射性セシウムを吸着させる吸着ステップS30と、吸着ステップS30の後に、放射性セシウムを吸着させた吸着材と、放射性セシウムが除去された水とを分離する分離ステップS40とからなる。
上記処理工程によれば、汚染物質を焼却する焼却ステップS11を有し、溶解ステップS21では、焼却ステップS11で生じる焼却灰を汚染物質としたことで、焼却によって汚染物質を減容化でき、水への溶解を容易に行うことができる。
また、溶解ステップS22における汚染物質を、地表から削り取った汚染土壌としたことで、土壌表面の放射性セシウムを除去することができる。
また、溶解ステップS22における汚染物質を、草木や木材等の可燃物としたことで、可燃物中の放射性セシウムを効果的に除去することができる。
図2に本実施例による放射性セシウムの処理方法に用いる吸着材を示す。
吸着材は、活性炭、ゼオライト、シリカゲル、アルミナ、金属多孔質体、多孔質粘土鉱物、及びセラミック多孔質体の少なくとも一種を主成分とする多孔質材と、マグネタイト、フェライト、鉄粉、及び磁性ステンレス粉の少なくとも一種を主成分とする磁性体とを有する。
また、吸着材は、プルシアンブルーを有していることが好ましい。プルシアンブルーとしては、大日精化製の「紺青」を用いることができる。一般的な組成式は、AyFe[Fe(CN)]x・zHO(Aはセシウムイオンなどの陽イオン)であり、金属錯体や配位高分子と呼ばれる物質群の一種である。プルシアンブルーは、多孔質材に対して5〜10%が適している。
多孔質粘土鉱物は、セピオライト、スメクタイト、イモゴライト、パリゴルスカイト、カオリン、モンモリロナイト、ゼオライト、ベントナイト、アタパルジャイト、酸性白土、リモナイトから選ばれる少なくとも一種を主成分とするものである。
モンモリロナイト、ベントナイト、酸性白土は、二次元の層状結晶構造物をそのまま用いることができ、特に酸性白土の酸処理誘導体である活性白土を用いることができる。活性白土は、酸性白土の酸処理によって酸性白土の層間に含まれる鉄、マグネシウム及び骨格を構成するアルミニウムの一部を溶出させて得られる比表面積が400m/g以下の高活性の酸性白土の粘土鉱物誘導体である。
またケイ酸マグネシウム粘土鉱物では、三次元の鎖状の結晶構造を有するホルマイト系の鎖状粘土鉱物を用いることができる。ホルマイト系の鎖状粘土鉱物はその鎖状構造及びその収束体の間隙にできる空孔がBET法比表面積で60から400m/gの比表面積を有する。
ホルマイト系のケイ酸マグネシウム粘上鉱物の中では、セピオライト、パリゴルスカイト、アタパルジャイト等の繊維状粘土鉱物(鎖状粘土鉱物)を用いることができる。セピオライト粉体としては、比表面積175m/g、細孔容積0.8ml/g、嵩密度0.58g/ml、含水率10.8%のものが市販されている。
これらの多孔質粘土鉱物がもつ負電荷の多くは、KやNH と結合しているが、Csは、KやNH よりも結合力が大きいため、KやNH に置き換わって多孔質粘土鉱物がもつ負電荷と結合して固定される。
多孔質粘土鉱物は、焼成し、又は焼成した後に粉末にして用いることで、放射性セシウムの固定効果を高めることができる。
焼成温度は、100℃〜1000℃、通常は200℃〜600℃が好ましい。また、焼成は成型と同時に行うことができる。
粉末は、ボ−ルミル、ハンマ−ミキサ−での解砕、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサ−、擂解機等での練込み粉砕及びアトマイザ−、ジェットミル等での衝撃粉砕等により粉砕処理で得ることができる。
以下に吸着材の製造方法について説明する。
平均粒径0.1mm程度の多孔質材に、多孔質材に対して2%〜3%重量の非水溶性バインダを加えて攪拌する。この攪拌によって、多孔質材の粒状物の表面に、非水溶性バインダが付着する。
この状態で多孔質材に対して10%〜20%重量の磁性体を加えて攪拌し、磁性体を多孔質材の表面に付着させる。
その後、再び多孔質材に対して2%〜3%重量の非水溶性バインダを加えて攪拌し、スプレードライによってプルシアンブルーを噴霧する。
従って、磁性体を付着させた粒状物の表面に、非水溶性バインダによってプルシアンブルーが付着する。
プルシアンブルーを付着させた粒状物を、押出成型によって所定長さの棒状若しくは略球状に成型し、または成型後粉砕して吸着材を得ることができる。
図2は、このようにして製造した吸着材であり、3mm〜10mm程度の長さで成型される。吸着材は、加圧せずに成型しており、混合や攪拌によって容易に折れるが粉状に崩れることはない程度の硬さである。
加圧せずに押出成型によって製造することで、吸着性能を低下させることなく磁性体を付与することができる。
また、プルシアンブルーを付着させているので、放射性セシウムの吸着能力を高めることができる。
図3は同処理方法における吸着ステップと分離ステップで用いる分離装置の概念図である。
ドラム状の容器60は、硝子や樹脂などの非磁性体で構成し、容器60の外周には電磁石70を配置している。容器60の一方の端部には排水管61が設けられ、容器60の他方の端部には吸着材排出口62が設けられている。
図3(a)は、吸着ステップS30の処理状態を示している。
吸着ステップS30では、容器60内に、吸着材と水を収容して攪拌又は曝気を行う。なお、溶解ステップS21から容器60内で行ってもよい。
図3(b)は、分離ステップS40における排水処理状態を示している。
分離ステップS40では、電磁石70に通電した状態で排水管61から排水する。容器60の一方が低くなるように容器60を所定角度傾けるとともに排水管61を開放する。電磁石70への通電によって、吸着材は容器60内周面に吸着され、排出管61から排出されることはない。
図3(c)は、分離ステップS40における吸着材排出処理状態を示している。
排水後に電磁石70への通電を停止することで、吸着材は容器60内周面から離脱する。容器60は非磁性体で構成されているので、通電停止によって吸着材は確実に容器60内周面から離脱する。そして容器60の他方が低くなるように容器60を所定角度傾けるとともに吸着材排出口62を開放する。従って、吸着材は吸着材排出口62から容器60外に排出される。
本実施例によれば、高い放射能を有する吸着材を、電磁石70を利用して遠隔操作によって取り出すことができるため、安全に処理操作を行うことができる。
以下に本発明の他の実施例を説明する。
本実施例は、図1に示すステップS30において、吸着材としてリモナイトを用いたものである。
リモナイトは、褐鉄鉱とも呼ばれ、鉄の酸化鉱物である。
リモナイトには、例えば、阿蘇山の近隣地域で産出される暗褐色又は黒色の団塊、土状のものがあり、阿蘇山の近隣地域で産出されるものは、70%程度の赤鉄鉱(Fe)、14%程度の珪酸(SiO)、3%程度のアルミニウム(Al)を含む。
リモナイトとして、阿蘇山の近隣地域で産出され、採掘後3年間酸化させ、粉状にしたものを用いて放射性セシウムの吸着性を測定した。比較対象には、放射性セシウムの吸着性能が現在最も高いと言われているプルシアンブルーを用いた。
汚染物質として、Cs137が2,180Bq/kg、Cs134+Cs137が3,570Bq/kg(いずれも測定値)の焼却灰を用いた。
焼却灰800gを2リットルの水に混合し、吸着材として粉状のリモナイトを加えたものを試験区1、吸着材としてプルシアンブルーを加えたものを試験区2とした。リモナイトとプルシアンブルーとはそれぞれ107gとした。
試験区1及び試験区2は、吸着材を混合後、3分攪拌とその後20分静置を3回繰り返して焼却灰の洗浄を行った。
焼却灰の洗浄後、焼却灰を除いて放射性セシウムを測定した。
試験区1では、Cs137が817Bq/kg、Cs134+Cs137が1,340Bq/kg、試験区2では、Cs137が888Bq/kg、Cs134+Cs137が1,460Bq/kgであった。
その後、自然乾燥を行い、乾燥後の放射性セシウムを測定した。
試験区1では、Cs137が1,270Bq/kg、Cs134+Cs137が2,060Bq/kg、試験区2では、Cs137が1,200Bq/kg、Cs134+Cs137が1,960Bq/kgであった。
その後、再び水を加えて攪拌し、濾過を行い、濾過水の放射性セシウムを測定した。
試験区1及び試験区2は、いずれもCs137及びCs134を検出しなかった。しかし、試験区1の濾過水は、加えた水と同等の透明度となったのに対して、試験区2の濾過水は、プルシアンブルーの色が残った。
以上のように、リモナイトはプルシアンブルーと同等の吸着性を示し、プルシアンブルーは濾過では透明性を得られないのに対してリモナイトは透明度の高い濾過水を得ることができた。
図4は、汚染対象物が草木や木材である場合の、焼却によるセシウム分離を示す構成図である。
草木や木材等の可燃物は、投入口1から投入され、燃焼炉2にて燃焼される。燃焼炉2における燃焼空気は、冷却塔3で冷却された後に、分離水槽4に導かれる。なお、図示はしないが、冷却塔3の下流側に送風ボイラーを配置して、燃焼炉2からの燃焼空気を、分離水槽4に導くことが好ましい。
冷却塔3には、冷却水管3aが配置され、燃焼空気を冷却する。冷却水管3aで加熱された熱媒体は、温水ボイラーとして利用される。分離水槽4内は、下部に水を蓄えるとともに、上部から水噴射される。水噴射は、多数のノズル4aによって行われ、ノズル4aには、水用ポンプ4bから水が供給され、空気用ポンプ4cから空気が供給される。
燃焼炉2で有機物とともに燃焼して気化したセシウムは、冷却塔3における冷却によって空気から分離される。また、冷却塔3を通過したセシウムは、分離水槽4内で、水中を通過する際に水に溶け込み、更にノズル4aからの水噴射と接触することで、空気から分離される。
冷却塔3で分離し、また分離水槽4で分離したセシウムは、既に説明したように吸着材に吸着させて処理する。
本発明は、放射性セシウムの処理方法として適しているが、その他の汚染物質の処理にも利用できる。
S11 焼却ステップ
S12 削り取りステップ
S21 溶解ステップ
S22 溶解ステップ
S30 吸着ステップ
S40 分離ステップ
60 容器
61 排水管
62 吸着材排出口
70 電磁石

Claims (8)

  1. 放射性セシウムを含む汚染物質から前記放射性セシウムを回収する放射性セシウムの処理方法であって、
    前記汚染物質から前記放射性セシウムを水に溶解する溶解ステップと、
    前記放射性セシウムが溶け込んだ前記水と吸着材とを接触させ、前記吸着材に前記放射性セシウムを吸着させる吸着ステップと、
    前記吸着ステップの後に、前記放射性セシウムを吸着させた前記吸着材と、前記放射性セシウムが除去された前記水とを分離する分離ステップと、
    を有し、
    前記吸着材が、
    活性炭、ゼオライト、シリカゲル、アルミナ、金属多孔質体、多孔質粘土鉱物、及びセラミック多孔質体の少なくとも一種を主成分とする多孔質材と、
    マグネタイト、フェライト、鉄粉、及び磁性ステンレス粉の少なくとも一種を主成分とする磁性体と、
    を有し、
    前記吸着ステップでは、非磁性体で構成された容器内に、前記吸着材と前記水を収容して攪拌又は曝気を行い、
    前記分離ステップでは、前記容器外に配置した電磁石に通電して前記吸着材を前記容器内周面に吸着させた状態で排水し、排水後に前記電磁石への通電を停止して前記吸着材を前記容器外に排出することを特徴とする放射性セシウムの処理方法。
  2. 前記多孔質材の粒状物の表面に非水溶性バインダによって前記磁性体を付着させ、
    前記磁性体を付着させた前記粒状物を、押出成型によって所定長さの棒状若しくは略球状に成型し、または成型後粉砕して前記吸着材としたことを特徴とする請求項1に記載の放射性セシウムの処理方法。
  3. 前記吸着材が、プルシアンブルーを有し、
    前記磁性体を付着させた前記粒状物の表面に、前記非水溶性バインダによって前記プルシアンブルーを付着させ、
    前記プルシアンブルーを付着させた前記粒状物を前記吸着材としたことを特徴とする請求項2に記載の放射性セシウムの処理方法。
  4. 前記汚染物質を焼却する焼却ステップを有し、
    前記溶解ステップでは、前記焼却ステップで生じる焼却灰を前記汚染物質としたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の放射性セシウムの処理方法。
  5. 前記溶解ステップにおける前記汚染物質を、地表から削り取った汚染土壌としたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の放射性セシウムの処理方法。
  6. 前記溶解ステップにおける前記汚染物質を、草木や木材等の可燃物としたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の放射性セシウムの処理方法。
  7. 前記多孔質粘土鉱物が、セピオライト、スメクタイト、イモゴライト、パリゴルスカイト、カオリン、モンモリロナイト、ゼオライト、ベントナイト、アタパルジャイト、酸性白土、リモナイトから選ばれる少なくとも一種を主成分とすることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の放射性セシウムの処理方法。
  8. 前記多孔質粘土鉱物を、焼成し、又は焼成した後に粉末にして用いることを特徴とする請求項7に記載の放射性セシウムの処理方法。
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