JP2014094336A - セシウム用磁性吸着剤およびその製造方法 - Google Patents

セシウム用磁性吸着剤およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】セシウムの吸着性に優れ、工業的スケールで製造可能なセシウム用磁性吸着剤、およびセシウム用磁性吸着剤の製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも、水不溶性フェロシアン化物、水性樹脂エマルジョン、磁性体粒子およびブロッキング防止剤を含有することを特徴とするセシウム用磁性吸着剤。ブロッキング防止剤の含有率はセシウム用磁性吸着剤全固形分の30質量%以上80質量%以下が好ましい。また、セシウム用磁性吸着剤は、少なくとも、水不溶性フェロシアン化物および水性樹脂エマルジョンを含む水性液Aを調製した後、これを磁性体粒子およびブロッキング防止剤と共に攪拌・混合することにより造粒して製造する方法が挙げられ、少なくとも磁性体粒子およびブロッキング防止剤を攪拌させつつ、上記水性液Aを添加・混合することにより造粒するのが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、セシウム用磁性吸着剤およびその製造方法に関するものである。
重金属イオンや放射性セシウム等の有害成分を含有する溶液からこれらを分離するため、さまざまな手法が検討されてきた。最も簡便には、活性炭やイオン交換樹脂等の吸着剤を利用する方法が広く用いられている。これらの吸着剤を溶液に添加して使用する場合、吸着剤を処理済みの溶液から分離する必要があり、この作業には大きな困難を伴っていた。近年、超伝導磁石や高勾配磁気分離技術が進歩してきたため、磁性を利用して溶液中の有害成分を分離する技術の実用性が高まり、注目を集めるようになってきた。さらに、2011年に起きた福島第一原子力発電所の事故においては、放射性セシウムが広範囲に飛散し、さまざまな物質に付着した放射性セシウムを分離する技術が必要となってきた。
具体的な手法としては、放射性セシウム自体に磁性を持たせる方法、放射性セシウムと磁性体粒子を混合しておいて凝集剤を加え、磁性のあるフロックを形成する方法、活性炭やゼオライトのような吸着剤に磁性を持たせる方法がある。
このうち、放射性セシウム自体に磁性を持たせる方法は汎用性に欠ける。また磁性のあるフロックを形成する方法は、大量の磁性体粒子と凝集剤を必要とすることが多く、むしろ処理が煩雑になるという問題がある。一方、吸着剤に磁性を持たせる方法は、放射性セシウムを効果的に吸着できるというメリットが期待できるものの、吸着剤本来の吸着能力を落とすことなく高い磁性を持たせ、安価に製造する実用的な方法がまだない。
例えば、磁性体の核とこの核を覆いかつ金属イオンを吸着する外皮とを有する磁性吸着剤が提案されている(特許文献1参照)。この吸着剤は、直径1〜10mmの球状磁性体に金属イオン吸着基を持つ高分子化合物を吹き付け、乾燥させて形成しているが、球状物への吹き付けなので当該高分子化合物のロスが大きく、また一度に球状磁性体全面を均一に高分子化合物で被覆することが困難である。別のタイプとして、直径1〜10mmの球状磁性体に対して、アルミノ珪酸塩の結晶としてゼオライトを生成させた吸着剤も示されているが、比表面積が極めて小さいため、吸着容量が低いという問題点がある。また、多孔質ガラスビーズ、シリカゲル、アルミナ、ゼオライト等の無機系多孔質物質に磁性金属と有機物質を担持させ、有機物を熱分解して吸着性能を発現させるタイプの磁性吸着剤が提案されている(特許文献2参照)。この吸着剤においては、担磁のために無機系多孔質物質を鉄系化合物の溶液に含浸させ、さらに熱処理を施しているので、操作が煩雑であるし、鉄系化合物の吸着量には限界があるため、高い磁性を持たせることができないばかりか、無機系多孔質物質の吸着サイトを磁性体が被覆してしまうので、無機系多孔質物質自体が有する吸着能を大きく損なってしまう。
また、シリカゲル、ゼオライト、活性炭等の多孔質吸着剤に酸化鉄を化合させる方法が提案されている(特許文献3参照)。しかしながら、この方法の場合には磁性吸着剤の担持量が低く、磁気による回収を効率良く行うためには多量の酸化鉄を化合させる必要があるため、結果として吸着容量が著しく低下すると共に、製造コストも高くなるという問題がある。また、ゼオライトと磁性体粒子をセメント等の接着剤で結合させた磁性吸着剤も提案されている(特許文献4、5参照)。接着剤にセメントを用いていると、強度を確保するために極めて長期にわたる蒸気乾燥が必要となり、製造上の問題が大きい。
そこで、本発明者らは、吸着剤本来の吸着能力を落とすことなく高い磁性を持たせ、安価に製造する実用的な磁性吸着剤として、磁性体粒子とセシウム吸着性化合物を水溶性樹脂や水性樹脂エマルジョンを用いて結着させた磁性吸着剤を開発した。しかしながら、こうした磁性吸着剤を工業スケールで大量に生産しようとした場合、いくつかの問題が生じた。磁性吸着剤の粉体物を得る方法として、例えば、バインダーからなる水性液中に、磁性体粒子とセシウム吸着性化合物を投入し、混合・攪拌した後、乾燥・粉砕する方法が挙げられるが、バインダーとして特に水溶性のものを用いた場合には、出来上がった磁性吸着剤のセシウム吸着能の面では優れるものの、耐水性等の強度を確保するためには当該バインダーの分子量は高い方が好ましく、そうなると水溶液は高粘性となるので、バインダー溶液の固形分濃度を低下させなければならず、乾燥に時間がかかるとともに、乾燥工程で莫大な熱エネルギーが必要となり、作業効率の低下が大きいものとなっていた。この点で水性樹脂エマルジョンは高濃度でも粘性は低く、乾燥効率において水溶性樹脂を用いた場合より優れるが、それでも上記撹拌・混合液を一挙に乾燥すると、乾燥物は当然大きな塊となり、粉砕して使用可能な粉体物とするために、乾燥装置から粉砕装置への移し換え等の作業効率の悪化を招いていた。
特開平10−99843号公報 特開2002−233754号公報 特開2005−137973号公報 特開平1−194940号公報 特開2005−177709号公報
本発明では、セシウムの吸着性に優れ、工業的スケールで比較的容易に製造可能なセシウム用磁性吸着剤、およびセシウム用磁性吸着剤の製造方法を提供する。
上記課題を鋭意研究し、少なくとも、水不溶性フェロシアン化物、水性樹脂エマルジョン、磁性体粒子およびブロッキング防止剤を含有することを特徴とするセシウム用磁性吸着剤により、セシウムの吸着性に優れ、工業的スケールで比較的容易に製造できることを見いだして、本発明に到達した。
セシウム用磁性吸着剤におけるブロッキング防止剤の含有率は、全固形分の30質量%以上80質量%以下であることが好ましい。
また、本発明のセシウム用磁性吸着剤は、少なくとも、水不溶性フェロシアン化物および水性樹脂エマルジョンを含む水性液Aを調製した後、これを磁性体粒子およびブロッキング防止剤と共に攪拌・混合することにより造粒して製造できる。
また、本発明のセシウム用磁性吸着剤は、少なくとも磁性体粒子およびブロッキング防止剤を攪拌させつつ、上記水性液Aを添加・混合することにより造粒する製造方法が好ましい。
さらに、上記水不溶性フェロシアン化物が、可溶性フェロシアン化物と、遷移金属イオン溶液あるいはアルカリ土類金属イオン溶液とを反応させて、水不溶性フェロシアン化物としたものであることが好ましい。
本発明のセシウム用磁性吸着剤は、少なくとも、水不溶性フェロシアン化物、水性樹脂エマルジョン、磁性体粒子およびブロッキング防止剤を含有することを特徴とする。こうすることで、セシウムの吸着性に優れることはもちろん、工業的スケールで比較的容易にセシウム用磁性吸着剤を製造することが可能となる。また、本発明のセシウム用磁性吸着剤の製造方法は、少なくとも、水不溶性フェロシアン化物および水性樹脂エマルジョンを含む水性液Aを調製した後、これを磁性体粒子およびブロッキング防止剤と共に攪拌・混合することにより造粒して製造することを特徴とする。こうした製造方法とすることで、効率良く、工業的スケールで製造できる。
以下に、本発明のセシウム用磁性吸着剤およびその製造方法を詳細に説明する。
本発明者らは、少なくとも、水不溶性フェロシアン化物、水性樹脂エマルジョンおよび磁性体粒子を含む磁性吸着剤は、セシウム吸着能に優れることは既に確認しているが、工業スケールでの製造において、上記課題について鋭意検討し、各種造粒法を用いて造粒物を得ることに着目した。これにより、製造過程の上記混合分散液の固形分濃度を高めても均一な混合が達成されるが、セシウム吸着性化合物である水不溶性フェロシアン化物、磁性体粒子および水性バインダーを単に造粒法によって造粒しようとしても均一で小粒径の造粒物は得られず、混合物が餅状の大きな塊となる問題を生じた。餅状の大きな塊は、小さいもので最大径50mm程度の塊であり、造粒装置のベッセル全体に及ぶこともある。この餅状となった大きな塊を使用可能な粉体物とする際に、運搬・粉砕時の取り扱い性に劣り、作業効率の悪化を招いている。そこで、セシウム用磁性吸着剤の配合について鋭意検討した結果、水性バインダーとして水性樹脂エマルジョンを使用すること、造粒に際してブロッキング防止剤を併用することにより、造粒法で安定した造粒物を得ることが可能となることを見出し、本発明に至った。これにより、造粒時に餅状の大きな塊とならず、取り扱い性、粉砕効率に優れ、作業効率の向上を図ることが可能となる。
本発明のセシウム用磁性吸着剤は、少なくとも、水不溶性フェロシアン化物、水性樹脂エマルジョン、磁性体粒子およびブロッキング防止剤を含有することを特徴とし、ブロッキング防止剤の含有率がセシウム用磁性吸着剤全固形分の30質量%以上80質量%以下であることが好ましい。
本発明のセシウム用磁性吸着剤において、水不溶性フェロシアン化物、ブロッキング防止剤、磁性体粒子とを結着させるバインダーとして、水性樹脂エマルジョンを使用する。水性樹脂エマルジョンは、水不溶性フェロシアン化物、ブロッキング防止剤、磁性体粒子のいずれとも親和性を持ち、安定な磁性吸着剤を形成できる。また、水性樹脂エマルジョンは、水溶性樹脂、無機系バインダー等に比べ固形分濃度を高くすることができ、水不溶性フェロシアン化物、ブロッキング防止剤、磁性体粒子および水性バインダーを攪拌・混合して得られる混合物の水分を少なくすることができ、乾燥物を得る際の乾燥工程での時間短縮、作業効率の向上を図ることが可能となる。さらに、水性樹脂エマルジョンを使用した場合、造粒法にてセシウム用磁性吸着剤を製造した際に、造粒物の粒径がさらに小さくできるとともに大きさが均一な造粒物を安定して得ることが可能となり、取り扱い性、粉砕効率に優れ、作業効率の向上を図ることが可能となる。
本発明に係る水不溶性フェロシアン化物は、セシウム吸着性化合物の中でセシウムに対する選択性が高く、良好な吸着能を示す。水不溶性フェロシアン化物の具体例としては例えば、一般式[M][Fe(CN)(ただし、MはCu、Co、Ni、Zn、Cd、Mn、Fe等の遷移金属、あるいはCa、Sr、Ba、Ra等のアルカリ土類金属であり、aとbはMの価数×a=4×bを満たす整数である)で表されるフェロシアン化物、またはMの一部が、一価の陽イオンにより置換されているフェロシアン化物や遷移金属がMo、Ti、W等の酸化物で置き換わったフェロシアン化物で、水に不溶のものを挙げることができる。これらの中で、安価で安全性が高く、セシウムの吸着性に優れる点で、フェロシアン化鉄が好ましい。
水不溶性フェロシアン化物としては、予め合成し、必要により乾燥しておいた水不溶性フェロシアン化物を、水性樹脂エマルジョン、磁性体粒子およびブロッキング防止剤と共に造粒、乾燥、粉砕することにより磁性吸着剤を得ることもできるが、水性液中で水不溶性フェロシアン化物を合成し、次いで水性樹脂エマルジョン、磁性体粒子およびブロッキング防止剤と造粒、乾燥、粉砕する方法を採ることもできる。後者の方法によると、水不溶性フェロシアン化物が微粒子の状態で安定に存在し、その比表面積が大きくなることから高いセシウム吸着能が発現するのでセシウム用磁性吸着剤として有利であるばかりか、水不溶性フェロシアン化物合成時の水分除去が不要となり、水性樹脂エマルジョン等との混合時に水性樹脂エマルジョン由来の水分が利用できるために好ましい。
水性液中で水不溶性フェロシアン化物を合成する方法としては、水中に可溶性フェロシアン化物を溶かしておき、攪拌しつつここへ遷移金属イオン溶液および/またはアルカリ土類金属イオン溶液等を添加するか、あるいは逆に、水中に遷移金属イオン溶液および/またはアルカリ土類金属イオン溶液等を溶かしておき、攪拌しつつここへ可溶性フェロシアン化物溶液を添加すればよい。水中に水性樹脂エマルジョンを予め混合しておいても構わない。水性樹脂エマルジョンに遷移金属イオンあるいはアルカリ土類金属イオンを溶かすと、ゲル状物が分離することがあるので、水中で水不溶性フェロシアン化物を合成した後、バインダー液を添加する、あるいは水中に可溶性フェロシアン化物およびバインダー液を混合した後、遷移金属イオン溶液、アルカリ土類金属イオン溶液等を添加する方法が好ましい。
可溶性フェロシアン化物としては、フェロシアン化ナトリウム、フェロシアン化カリウム等が挙げられる。水不溶性フェロシアン化物が一般式[M][Fe(CN)で表される場合、可溶性フェロシアン化物中のフェロシアン化物イオンのモル数と、遷移金属イオン溶液、アルカリ土類金属イオン溶液中の各金属イオンの価数とモル数の積との比率が1:4のときに、過不足なく反応が行われる。一般式[M][Fe(CN)のMの一部が三価のイオンであり、残りが一価の陽イオン1個で置き換わった水不溶性フェロシアン化物の場合、可溶性フェロシアン化物中のフェロシアン化物イオンのモル数と、遷移金属イオン溶液、アルカリ土類金属イオン溶液中の各金属イオンの価数とモル数の積との比率が1:3のときに、過不足なく反応が行われる。また、一般式[M][Fe(CN)のMの一部が二価のイオンであり、残りが一価の陽イオン2個で置き換わった水不溶性フェロシアン化物の場合、可溶性フェロシアン化物中のフェロシアン化物イオンのモル数と、遷移金属イオン溶液、アルカリ土類金属イオン溶液中の各金属イオンの価数とモル数の積との比率が1:2のときに、過不足なく反応が行われる。可溶性フェロシアン化物中のフェロシアン化物イオンのすべてが反応するように、両者の比率を調整することが好ましい。具体的には1:2〜1:8が好ましく、1:3〜1:6がより好ましく、1:4〜1:5が特に好ましい。
本発明に係る水不溶性フェロシアン化物の含有率は、セシウム用磁性吸着剤全固形分の2〜40質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましく、4〜20質量%が特に好ましい。水不溶性フェロシアン化物の含有率が2質量%を下回るとセシウムの吸着効率の低下は否めない。逆に、水不溶性フェロシアン化物の含有率が40質量%を上回っても、セシウムの吸着効率の向上は期待できないばかりか、セシウム吸着時の機械的撹拌等により水不溶性フェロシアン化物のセシウム含有液中への漏出が起こりやすくなる。また、水性液中で合成された水不溶性フェロシアン化物の分散液を使用する場合、合成時に使用する水量が増えるため、各成分の混合物あるいは造粒物を乾燥させてセシウム用磁性吸着剤を得る際に、蒸発させる水の量が増え、製造時の効率が下がる場合がある。
本発明の目的を妨げない範囲において、水不溶性フェロシアン化物以外のセシウム吸着性化合物を使用することもできる。例えば、ゼオライト、結晶質四チタン酸、スメクタイト、リンモリブデン酸アンモニウム、リンタングステン酸アンモニウム、シリコチタネート等を挙げることができる。
本発明に係わる水性樹脂エマルジョンの例としては、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ(スチレン/ブタジエン)樹脂、ポリ(アクリロニトリル/ブタジエン)樹脂、ポリ(エチレン/酢酸ビニル)樹脂、およびこれら樹脂を構成する単量体の1種以上とそれら以外の単量体の1種以上を共重合した非水溶性の樹脂等の非水溶性樹脂を水中に分散させたものが挙げられる。
本発明に係る水性樹脂エマルジョンの含有率は、セシウム用磁性吸着剤全固形分の2〜30質量%が好ましく、4〜20質量%がより好ましく、5〜15質量%が特に好ましい。水性樹脂エマルジョンの含有率が2質量%を下回るとセシウム用磁性吸着剤構成成分が結着できなくなるか、結着できても物理的強度が低下してセシウム吸着時の機械的撹拌により崩壊する可能性が高くなる。逆に、水性樹脂エマルジョンの含有率が30質量%を上回ると、結着性や機械的強度は申し分ないが、それに伴う水分量増加による乾燥負荷や造粒粒径に悪影響があり、セシウムの吸着効率も低下しやすくなる。本発明の目的を妨げない範囲で、水性樹脂エマルジョン以外に、水溶性樹脂、無機系バインダー等を併用しても良い。
本発明に係る磁性体粒子としては特に制限はなく、磁性を示すあらゆる材料を用いることができる。例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の金属またはこれらを主成分とする磁性合金の粉末、四三酸化鉄、三二酸化鉄、コバルト添加酸化鉄、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等の金属酸化物系磁性体の粉末が挙げられる。磁性体粒子の含有率は、セシウム用磁性吸着剤全固形分の5〜60質量%が好ましく、8〜50質量%がより好ましく、10〜40質量%が特に好ましい。磁性体粒子の含有率が5質量%を下回ると、磁気分離の効率が低下しやすい。逆に、磁性体粒子の含有率が60質量%を上回ると、相対的に水不溶性フェロシアン化物や水性樹脂エマルジョンの含有率が低くなるため、セシウム吸着性の低下、セシウム用磁性吸着剤としての物理的強度の低下を招きやすい。また、磁性体粒子の粒径は、取り扱い性や混合均一性等から0.1〜100μmが好ましい。
本発明に係るブロッキング防止剤とは、造粒法によりセシウム用磁性吸着剤を製造する際に、均一で小粒径の造粒物が得られず、混合物が餅状の大きな塊となることを抑止する効果を有し、径が均一で安定した造粒物を製造することを可能とする材料である。本発明者らは、造粒法によっても均一で小粒径の造粒物を製造可能とする添加剤を鋭意検討した結果、合成または天然のシリカ、アルミナ、ゼオライト等のアルミニウムシリケート、カオリン、タルク、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、天然または合成の膨潤または非膨潤の雲母類、珪藻土等の無機微粒子、ポリメチルメタアクリル酸架橋物等の有機微粒子等が当該ブロッキング防止剤として利用可能であることが判明した。ブロッキング防止剤は適度に吸水性があり、造粒法で製造した際に、セシウム用磁性吸着剤の各成分を攪拌・混合して得られる混合物中のみかけの水分を少なくすることができ、安定して造粒物を製造することに寄与しているのではないかと推定される。
これらブロッキング防止剤のうち、餅状の大きな塊の生成を抑制する効果が大きく、セシウム用磁性吸着剤としての繰り返し使用時の耐久性の点で、無機微粒子が好ましく使用される。特に、シリカ、アルミナ、アルミニウムシリケート等の、多数の細孔を有し、適度な吸水性を有する無機微粒子がより好ましく、セシウム吸着性をも有するゼオライトが好適に使用される。
本発明に係るブロッキング防止剤の含有率は、大塊状物生成抑制効果が発現する最低量が好ましく、セシウム用磁性吸着剤全固形分の30〜80質量%が好ましい。ブロッキング防止剤の含有率が30質量%より少ないと、造粒法で製造した場合、餅状の大きな塊となりやすく、安定して造粒物を得ることが困難となる。ブロッキング防止剤の含有率が80質量%より多いと、相対的に他のセシウム用磁性吸着剤構成成分の含有率が低くなるから、磁気分離効率が低下したり、本発明に係るブロッキング防止剤がセシウム吸着性を示さなければセシウム吸着能の低下が起きたり、さらにブロッキング防止剤自体も水性樹脂エマルジョンによって結着させなければならないので、セシウム用磁性吸着剤としての物理的強度の低下を招きやすくなる。本発明に係るブロッキング防止剤の含有率は50〜75質量%がより好ましく、60〜75質量%が特に好ましい。
また、本発明に係るブロッキング防止剤の粒子径は50μm以下が好ましい。粒子径が50μmより大きいと、造粒法で製造時の造粒物を安定に得る効果が小さくなりやすい。しかしながら、あまり粒子径が小さいと、取り扱いが煩雑になりやすいので、ブロッキング防止剤の粒子径は0.05〜30μmがより好ましく、0.1〜20μmが特に好ましい。本発明において、ブロッキング防止剤は単一種でも、二種類以上を組み合わせて用いても良い。また、二種類以上を併用する場合は、その混合比率やそれぞれの粒径は適宜選定可能である。
次いで、本発明のセシウム用磁性吸着剤の製造方法について説明する。本発明のセシウム用磁性吸着剤の製造方法は、少なくとも、水不溶性フェロシアン化物および水性樹脂エマルジョンを含む水性液Aを作製する工程と、磁性体粒子、ブロッキング防止剤、前記水性液Aを攪拌・混合することにより造粒する工程とを含み、水不溶性フェロシアン化物および水性樹脂エマルジョンを含む水性液Aを調製した後、これを磁性体粒子およびブロッキング防止剤と共に攪拌・混合することにより造粒する。このように、セシウム用磁性吸着剤の造粒物を作製することにより、取り扱い性、粉砕効率に優れ、効率良く、工業的スケールでセシウム用磁性吸着剤を製造することが可能となる。
水不溶性フェロシアン化物および水性樹脂エマルジョンを含む水性液Aを作製する工程としては、予め合成し、必要により乾燥しておいた水不溶性フェロシアン化物を湿式(水中)または乾式で、単独であるいは分散剤等と共に粉砕した後、水性樹脂エマルジョンを添加・混合する方法、水分を含んだ水性樹脂エマルジョンに、必要により分散剤等を添加・混合した後、予め合成し、必要により乾燥しておいた水不溶性フェロシアン化物を添加・粉砕・混合する方法、水中で水不溶性フェロシアン化物を合成した後、水性樹脂エマルジョンを添加・混合する方法、水性樹脂エマルジョンを含む水性液中で水不溶性フェロシアン化物を合成する方法等が挙げられる。これらの中で、水中で水不溶性フェロシアン化物を合成した後、水性樹脂エマルジョンを添加・混合する方法、水性樹脂エマルジョンを含む水性液中で水不溶性フェロシアン化物を合成する方法によると、水不溶性フェロシアン化物が微粒子の状態で安定に存在し、その比表面積が大きくなり、高いセシウム吸着能が発現するので有利である。
中でも、水中で水不溶性フェロシアン化物を合成した後、水性樹脂エマルジョンを添加・混合する方法が、高いセシウム吸着能に加え、製造工程でのゲル状物の発生等の問題が起こりにくく、好ましい。水中で水不溶性フェロシアン化物を合成する方法としては、水不溶性フェロシアン化物の説明部分で詳述したが、可溶性フェロシアン化物と、遷移金属イオン溶液あるいはアルカリ土類金属イオン溶液とを反応させて、水不溶性フェロシアン化物としたものである。
磁性体粒子、ブロッキング防止剤、前記水性液Aを攪拌・混合することにより造粒する工程としては、磁性体粒子およびブロッキング防止剤を含む粒子を乾式でまたは少量の水分と共に湿式で攪拌させつつ、水性液Aを添加・混合する方法、水性液Aを攪拌させつつ、磁性体粒子及びブロッキング防止剤を含む粒子を添加・混合する方法等が挙げられる。水性液Aに磁性体粒子及びブロッキング防止剤を含む粒子を添加する場合、磁性体粒子及びブロッキング防止剤は予め混合しておいても、同時に添加しても、何れか一方の添加・混合を終えてから他方を添加・混合しても、何れでも良い。これらの中で、磁性体粒子およびブロッキング防止剤を含む粒子を攪拌させつつ、水性液Aを添加・混合する方法が効率的にセシウム用磁性吸着剤の造粒物を得ることができ、好ましい。
磁性体粒子およびブロッキング防止剤を含む粒子を攪拌させつつ、水性液Aを添加・混合する方法としては、例えば、攪拌造粒法、流動層造粒法、押出造粒法、転動造粒法、転動流動造粒法、圧縮造粒法、破砕造粒法、噴霧造粒法などが挙げられる。これらの中で、造粒作業が効率的に行うことができ、均一な粒子径が得られる攪拌造粒法が好ましい。
攪拌造粒法とは、ベッセル(容器)内に固形原材料を入れ、攪拌羽根で撹拌しながらバインダー液を滴下し、攪拌羽根を高速回転させ練合する湿式造粒方法である。本発明のセシウム用磁性吸着剤の製造方法においては、少なくとも磁性体粒子およびブロッキング防止剤をベッセルに入れ、攪拌による混合を行った後、水不溶性フェロシアン化物および水性樹脂エマルジョンを含む水性液Aを、一括もしくは間欠的に添加し、攪拌する。磁性体粒子やブロッキング防止剤は水性液に濡れ始めると徐々に造粒が始まる。攪拌造粒法の場合は、攪拌の速度や、攪拌羽根の形状、付随する解砕機(造粒過程で生じる粉塊を解砕する)の速度を調整することにより、造粒粒子の粒子径をコントロールできる。攪拌造粒装置としては、ヘンシェル、バグミル、アイリッヒ、スパイラル等が挙げられる。
本発明のセシウム用磁性吸着剤は、各成分を混合・乾燥した後、機械的に粉砕するなどにより適宜粒子径を調整される。造粒法にてセシウム用磁性吸着剤を製造する場合は、造粒物を粉砕し、粒子径を調整した後、乾燥を行っても良い。セシウム用磁性吸着剤の粒子径は20mm以下が、セシウム溶出液への投入、攪拌、回収等の作業性の点で好ましい。より好ましくは0.5〜10mm、特に好ましくは1〜7mmである。
本発明のセシウム用磁性吸着剤は、少なくとも放射性セシウムを含有する水からセシウムを除去することを対象とする。少なくとも放射性セシウムを含有する水としては、少なくとも放射性セシウムを含む固形物を水中に投入・攪拌し、放射性セシウムを溶出させたセシウム溶出水も含まれる。溶出を行う水には、固形物からのセシウムの溶出性を高めるため、セシウム溶出剤を含有させても良いし、水を加熱しても良い。
セシウムを水中に溶出したのち固形物を水中から除去を行う方法としては、スクリュープレス、フィルタープレス、ローラープレス、真空脱水機、遠心濃縮脱水機、ベルトプレス、ベルトスクリーン、振動ふるい、多重板波動フィルター、多重円板脱水機等の脱水装置により脱水する方法等が挙げられる。
セシウム用磁性吸着剤の投入に関しては、固形物をセシウム含有溶液から除去したのちセシウム用磁性吸着剤を投入しても良いし、該固形物を除去せずにセシウム用磁性吸着剤を投入しても良いが、セシウムの除去率を高める点で前者の方法が好ましい。セシウム溶出液とセシウム用磁性吸着剤の接触方法としては、セシウム溶出液にセシウム用磁性吸着剤を投入・攪拌するバッチ処理、攪拌器を備えた水槽中にセシウム用磁性吸着剤を投入しておき、セシウム含有溶液を連続して投入・排出を行う連続処理のいずれも使用することができる。
セシウム含有溶液に対する本発明のセシウム用磁性吸着剤の添加量に制限はなく、セシウムが目的とするレベルまで除去される添加量を、セシウムの濃度に応じて実験的に定めれば良い。具体的には、セシウム用磁性吸着剤の総吸着容量が、被処理液内に存在するセシウム量の2〜100倍となるように加えることが好ましい。セシウム量に対し、セシウム用磁性吸着剤量が2倍を下回ると、セシウムの除去が不十分となることがある。また、100倍以上を加えてもセシウム除去レベルには変化がなく不経済であると共に、場合によっては攪拌や磁気分離作業に対して支障となることがある。
セシウム含有溶液中でのセシウム用磁性吸着剤の攪拌方法としては、攪拌羽根で攪拌する方法、エアレーションなど曝気による方法、電磁石制御により磁性吸着剤を攪拌する方法などが挙げられる。セシウム溶出液中でセシウム用磁性吸着剤を攪拌する時間は、10分〜5時間が好ましい。接触時間が10分より短いと、セシウムの吸着が不十分となることがある。5時間より長く接触させても、吸着がすでに平衡に達しているため作業効率上好ましくない上に、長時間の攪拌がセシウム用磁性吸着剤の機械的な強度に悪影響を与えることがある。
セシウムを吸着したセシウム用磁性吸着剤は、永久磁石、電磁石、超電導磁石によって短時間に集磁され、被処理液から分離される。磁気分離装置としては、例えば特開2010−36113号公報に開示される装置等が挙げられるが、これに限定されず、特に制限はない。
以下に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものでない。なお、実施例中の百分率は、質量基準である。
実施例1
フェロシアン化カリウム3水和物2.4kgを水9.6kgに溶解させ、攪拌しつつ40%の塩化鉄(III)水溶液3.4kgを添加し、10分間攪拌した。さらに、水性樹脂エマルジョンであるポリ塩化ビニルエマルジョン(日信化学工業(株);ビニブラン985;37%)を8kg添加して10分間攪拌し、水不溶性フェロシアン化鉄および水性樹脂エマルジョンを含む水性液Aを作製した。ベッセル容量150Lのヘンシェル攪拌造粒機に、磁性体粒子である平均粒子径5μmの四三酸化鉄を6kg、ブロッキング防止剤である平均粒子径10μmの合成シリカを20kg入れ、攪拌しながら水性液Aを添加し、添加後10分間攪拌し、造粒物を作製した。造粒物を観察したところ、造粒物の粒子径は最大のもので12mmであった。ベッセルの下部にある排出孔から造粒物を排出したところ、特に問題なく排出することができた。得られた造粒物をカッターミルで粉砕して、2mmのふるいを通した後、105℃で24時間乾燥し、セシウム用磁性吸着剤を得た。このセシウム用磁性吸着剤中の合成シリカの含有率は65.1%であった。
実施例2
実施例1と同様にして、水不溶性フェロシアン化鉄および水性樹脂エマルジョンを含む水性液Aを作製した。ベッセル容量150Lのヘンシェル攪拌造粒機に、平均粒子径5μmの四三酸化鉄を3.4kg、平均粒子径10μmの合成シリカを22.6kg入れ、攪拌しながら水性液Aを添加し、添加後10分間攪拌し、造粒物を作製した。造粒物を観察したところ、造粒物の粒子径は最大のもので10mmであった。ベッセルの下部にある排出孔から造粒物を排出したところ、特に問題なく排出することができた。得られた造粒物をカッターミルで粉砕して、2mmのふるいを通した後、105℃で24時間乾燥し、セシウム用磁性吸着剤を得た。このセシウム用磁性吸着剤中の合成シリカの含有率は73.6%であった。
実施例3
実施例1と同様にして、水不溶性フェロシアン化鉄および水性樹脂エマルジョンを含む水性液Aを作製した。ベッセル容量150Lのヘンシェル攪拌造粒機に、平均粒子径5μmの四三酸化鉄を2kg、平均粒子径10μmの合成シリカを24kg入れ、攪拌しながら水性液Aを添加し、添加後10分間攪拌し、造粒物を作製した。造粒物を観察したところ、造粒物の粒子径は最大のもので9mmであった。ベッセルの下部にある排出孔から造粒物を排出したところ、特に問題なく排出することができた。得られた造粒物をカッターミルで粉砕して、2mmのふるいを通した後、105℃で24時間乾燥し、セシウム用磁性吸着剤を得た。このセシウム用磁性吸着剤中の合成シリカの含有率は78.2%であった。
実施例4
実施例1と同様にして、水不溶性フェロシアン化鉄および水性樹脂エマルジョンを含む水性液Aを作製した。ベッセル容量150Lのヘンシェル攪拌造粒機に、平均粒子径5μmの四三酸化鉄を1kg、平均粒子径10μmの合成シリカを25kg入れ、攪拌しながら水性液Aを添加し、添加後10分間攪拌し、造粒物を作製した。造粒物を観察したところ、粒状物の粒子径は最大のもので9mmであった。得られた造粒物をカッターミルで粉砕して、2mmのふるいを通した後、105℃で24時間乾燥し、セシウム用磁性吸着剤を得た。このセシウム用磁性吸着剤中の合成シリカの含有率は81.4%であった。
実施例5
実施例1と同様にして、水不溶性フェロシアン化鉄および水性樹脂エマルジョンを含む水性液Aを作製した。ベッセル容量150Lのヘンシェル攪拌造粒機に、平均粒子径5μmの四三酸化鉄を10kg、平均粒子径10μmの合成シリカを16kg入れ、攪拌しながら水性液Aを添加し、添加後10分間攪拌し、造粒物を作製した。造粒物を観察したところ、造粒物の粒子径は最大のもので17mmであった。ベッセルの下部にある排出孔から造粒物を排出したところ、特に問題なく排出することができた。得られた造粒物をカッターミルで粉砕して、2mmのふるいを通した後、105℃で24時間乾燥し、セシウム用磁性吸着剤を得た。このセシウム用磁性吸着剤中の合成シリカの含有率は52.1%であった。
実施例6
実施例1と同様にして、水不溶性フェロシアン化鉄および水性樹脂エマルジョンを含む水性液Aを作製した。ベッセル容量150Lのヘンシェル攪拌造粒機に、平均粒子径5μmの四三酸化鉄を12kg、平均粒子径10μmの合成シリカを14kg入れ、攪拌しながら水性液Aを添加し、添加後10分間攪拌し、造粒物を作製した。造粒物を観察したところ、造粒物の粒子径は最大のもので25mmであった。ベッセルの下部にある排出孔から造粒物を排出したところ、特に問題なく排出することができた。得られた造粒物をカッターミルで粉砕して、2mmのふるいを通した後、105℃で24時間乾燥し、セシウム用磁性吸着剤を得た。このセシウム用磁性吸着剤中の合成シリカの含有率は45.6%であった。
実施例7
実施例1と同様にして、水不溶性フェロシアン化鉄、水性樹脂エマルジョンを含む水性液Aを作製した。ベッセル容量150Lのヘンシェル攪拌造粒機に、平均粒子径5μmの四三酸化鉄を16kg、平均粒子径10μmの合成シリカを10kg入れ、攪拌しながら水性液Aを添加し、添加後10分間攪拌し、造粒物を作製した。造粒物を観察したところ、造粒物の粒子径は最大のもので40mmであった。ベッセルの下部にある排出孔から造粒物を排出したところ、特に問題なく排出することができた。得られた造粒物をカッターミルで粉砕して、2mmのふるいを通した後、105℃で24時間乾燥し、セシウム用磁性吸着剤を得た。このセシウム用磁性吸着剤中の合成シリカの含有率は32.6%であった。
実施例8
実施例1と同様にして、水不溶性フェロシアン化鉄および水性樹脂エマルジョンを含む水性液Aを作製した。ベッセル容量150Lのヘンシェル攪拌造粒機に、平均粒子径5μmの四三酸化鉄を18kg、平均粒子径10μmの合成シリカを8kg入れ、攪拌しながら水性液Aを添加し、添加後10分間攪拌し、造粒物を作製した。造粒物を観察したところ、一部で大きな塊の生成が見られ、造粒物の粒子径は最大のもので54mmであった。ベッセルの下部にある排出孔から造粒物を排出したところ、一部の塊状物が排出されずに残ったが、ほとんどの造粒物を排出することができた。得られた造粒物をカッターミルで粉砕して、2mmのふるいを通した後、105℃で24時間乾燥し、セシウム用磁性吸着剤を得た。このセシウム用磁性吸着剤中の合成シリカの含有率は26.1%であった。
実施例9
実施例1において、合成シリカを平均粒子径10μmのアルミナに変更して、セシウム用磁性吸着剤を得た。造粒物を観察したところ、造粒物の粒子径は最大のもので14mmであった。
実施例10
実施例1において、合成シリカを平均粒子径10μmのカオリンに変更して、セシウム用磁性吸着剤を得た。造粒物を観察したところ、造粒物の粒子径は最大のもので20mmであった。
実施例11
実施例1において、合成シリカを平均粒子径10μmのポリメチルメタアクリル酸架橋物に変更して、セシウム用磁性吸着剤を得た。造粒物を観察したところ、造粒物の粒子径は最大のもので23mmであった。
実施例12
フェロシアン化カリウム3水和物2.4kgを水9.6kgに溶解させ、攪拌しつつポリ塩化ビニルエマルジョン(日信化学工業(株);ビニブラン985;37%)を8kg添加し、10分間攪拌した。さらに、40%の塩化鉄(III)水溶液3.4kgを添加、10分間攪拌し、水不溶性フェロシアン化鉄、水性樹脂エマルジョンを含む水性液Aを作製した。こうして得た水性液Aを用いた以外は、実施例1と同様にして、セシウム用磁性吸着剤を得た。攪拌造粒後の造粒物を観察したところ、造粒物の粒子径は最大のもので15mmであった。ベッセルの下部にある排出孔から造粒物を排出したところ、特に問題なく排出することができた。このセシウム用磁性吸着剤中の合成シリカの含有率は65.1%であった。
実施例13
実施例1と同様にして、水不溶性フェロシアン化鉄および水性樹脂エマルジョンを含む水性液Aを作製した。たらい状容器の容量150Lの転動造粒機に、平均粒子径5μmの四三酸化鉄を6kg、平均粒子径10μmの合成シリカを20kg入れ、回転させながら水性液Aを添加し、添加後10分間回転し、造粒物を作製した。造粒物を観察したところ、造粒物の粒子径は最大のもので16mmであった。容器の下部にある排出孔から造粒物を排出したところ、特に問題なく排出することができた。得られた造粒物をカッターミルで粉砕して、2mmのふるいを通した後、105℃で24時間乾燥し、セシウム用磁性吸着剤を得た。このセシウム用磁性吸着剤中の合成シリカの含有率は65.1%であった。
実施例14
実施例1と同様にして、水不溶性フェロシアン化鉄および水性樹脂エマルジョンを含む水性液Aを作製した。押出造粒機の原料投入口に、平均粒子径5μmの四三酸化鉄を6kg、平均粒子径10μmの合成シリカを20kgの混合物を投入し、バインダー投入口に水性液Aを投入・混練後、8mmのスクリーンを用いて押出・カッティングを行い、造粒物を作製した。得られた造粒物をカッターミルで粉砕して、2mmのふるいを通した後、105℃で24時間乾燥し、セシウム用磁性吸着剤を得た。このセシウム用磁性吸着剤中の合成シリカの含有率は65.1%であった。
実施例15
フェロシアン化カリウム3水和物2.4kgを水20kgに溶解させ、攪拌しつつ40%の塩化鉄(III)水溶液3.4kgを添加し、10分間攪拌した。さらに、ポリ塩化ビニルエマルジョン(日信化学工業(株);ビニブラン985;37%)を8kg、平均粒子径5μmの四三酸化鉄を6kg、平均粒子径10μmの合成シリカを20kgを順番に添加し、添加後30分間攪拌した。この分散物をプラスチック容器に広げ、105℃で36時間乾燥した。乾燥物を木槌で大まかに粉砕した後、カッターミルで粉砕し、2mmのふるいを通してセシウム用磁性吸着剤を得た。このセシウム用磁性吸着剤中の合成シリカの含有率は65.1%であった。
実施例16
ベッセル容量150Lのヘンシェル攪拌造粒機に、フェロシアン化鉄(大日精化工業(株);MILORI BLUE 905)1.74kg、平均粒子径5μmの四三酸化鉄を6kg、平均粒子径10μmの合成シリカを20kg入れ、攪拌しながらポリ塩化ビニルエマルジョン(日信化学工業(株);ビニブラン985;37%)を8kg添加し、10分間攪拌し、造粒物を作製した。造粒物を観察したところ、造粒物の粒子径は最大のもので14mmであった。ベッセルの下部にある排出孔から造粒物を排出したところ、特に問題なく排出することができた。得られた造粒物をカッターミルで粉砕して、2mmのふるいを通した後、105℃で24時間乾燥し、セシウム用磁性吸着剤を得た。このセシウム用磁性吸着剤中の合成シリカの含有率は65.1%であった。
比較例1
フェロシアン化カリウム3水和物2.4kgを水9.6kgに溶解させ、攪拌しつつ40%の塩化鉄(III)水溶液3.4kgを添加し、10分間攪拌した。この液に、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール10%水溶液28.2kgを添加し、10分間攪拌した。さらに、40%グリオキザール水溶液を350g加えて10分間攪拌し、水不溶性フェロシアン化鉄、水溶性樹脂を含む水性液Aを作製した。ベッセル容量150Lのヘンシェル攪拌造粒機に、平均粒子径5μmの四三酸化鉄を6kg、平均粒子径10μmの合成シリカを20kg入れ、攪拌しながら水性液Aを添加し、10分間攪拌したところ、餅状の大きな塊が生成し、ベッセルの下部にある排出孔から生成物を取り出すことはできなかった。この餅状の大きな塊をベッセルの上部から小型のスコップでプラスチック容器に移し、105℃で2日間乾燥した。乾燥物を木槌で大まかに粉砕した後、カッターミルで粉砕し、2mmのふるいを通してセシウム用磁性吸着剤を得た。このセシウム用磁性吸着剤中の合成シリカの含有率は65.1%であった。
比較例2
フェロシアン化カリウム3水和物2.4kgを水20kgに溶解させ、攪拌しつつ40質量%の塩化鉄(III)水溶液3.4kgを添加し、10分間攪拌した。さらに、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール10%水溶液28.2kg、平均粒子径5μmの四三酸化鉄を6kg、平均粒子径10μmの合成シリカを20kg、40%グリオキザール水溶液を350gを順番に添加し、添加後30分間攪拌した。この分散物をプラスチック容器に広げ、105℃で2日間乾燥した。乾燥物を木槌で大まかに粉砕した後、カッターミルで粉砕し、2mmのふるいを通してセシウム用磁性吸着剤を得た。このセシウム用磁性吸着剤中の合成シリカの含有率は65.1%であった。
比較例3
フェロシアン化カリウム3水和物13kgを水52kgに溶解させ、攪拌しつつ40%の塩化鉄(III)水溶液18.5kgを添加し、10分間攪拌した。さらに、ポリ塩化ビニルエマルジョン(日信化学工業(株);ビニブラン985;37%)を4kg添加し、10分間攪拌し、水不溶性フェロシアン化鉄、水性樹脂エマルジョンを含む水性液Aを作製した。ベッセル容量150Lのヘンシェル攪拌造粒機に、平均粒子径5μmの四三酸化鉄を4kg入れ、攪拌しながら水性液Aを添加し、10分間攪拌したところ、餅状の大きな塊が生成し、ベッセルの下部にある排出孔から生成物を取り出すことはできなかった。この餅状の大きな塊をベッセルの上部から小型のスコップでプラスチック容器に移し、105℃で4日間乾燥した。乾燥物を木槌で大まかに粉砕した後、カッターミルで粉砕し、2mmのふるいを通してセシウム用磁性吸着剤を得た。
比較例4
ベッセル容量150Lのヘンシェル攪拌造粒機に、平均粒子径5μmの四三酸化鉄を6kg、平均粒子径10μmのゼオライトを22kg入れ、攪拌しながらポリ塩化ビニルエマルジョン(日信化学工業(株);ビニブラン985;37%)を8kg添加し、10分間攪拌し、造粒物を作製した。造粒物を観察したところ、造粒物の最大のもので径11mmであった。ベッセルの下部にある排出孔から造粒物を排出したところ、特に問題なく排出することができた。得られた造粒物をカッターミルで粉砕して、2mmのふるいを通した後、105℃で24時間乾燥し、セシウム用磁性吸着剤を得た。
<造粒物の取り扱い性>
セシウム用磁性吸着剤を造粒法で製造した実施例1〜14、16および比較例1、3、4について、造粒物の取り扱い性を以下の基準で判定した。結果を表2に示す。
○:容器の排出孔から問題なく、造粒物の排出が可能。
△:造粒物の一部が排出孔から排出できず、手作業による排出が必要となるが、大部分は排出孔からの排出が可能。
×:容器の排出孔からほとんど排出されない。
<乾燥時間>
乾燥時間を24時間、36時間、2日間、3日間、4日間と振って、セシウム用磁性吸着剤の混合物、造粒物の乾燥を行った。乾燥物の水分率が1質量%以下となった時点を乾燥の終了とした。混合物、造粒物の乾燥時間を表2に示す。
<放射性セシウムの吸着性能評価>
放射性セシウムを含む焼却飛灰を5質量倍の水で洗浄したのち濾過して得た、放射能濃度385Bq/kgの溶出水(A)200Lに、磁性吸着剤を7kg添加し、スリーワンモーターにて30分間、強攪拌した。その後、磁石を当てて磁性吸着剤を集め、処理液を得た。新たに上記と同じ溶出水(A)200Lを用意し、回収した磁性吸着剤を添加・攪拌し、磁性吸着剤の除去、処理液の取得の操作を10回繰り返した。初回処理液、10回繰り返し時の処理液の放射能濃度を測定した。
実施例、比較例で得られたセシウム用磁性吸着剤の製造条件を表1に、各セシウム用磁性吸着剤で処理した処理液の放射能濃度を表2に示す。
Figure 2014094336
Figure 2014094336
実施例に示すように、少なくとも、水不溶性フェロシアン化物、水性樹脂エマルジョン、磁性体粒子およびブロッキング防止剤を含有させることで、セシウムの吸着性に優れ、工業的スケールで製造可能なセシウム用磁性吸着剤とすることができる。実施例1〜8の比較より、ブロッキング防止剤の含有率が該吸着剤全固形分の30質量%以上80質量%以下である実施例1〜3、5〜7は、攪拌造粒時に大きな造粒物が生成せず取り扱い性が良好であり、初期および繰り返し使用時のセシウム吸着性に優れ、好ましい。ブロッキング防止剤の含有率が50〜75質量%である実施例1、2、5は、上記特性が一段と良好であり、特に好ましい。ブロッキング防止剤の含有率が81.4質量%である実施例4は、取り扱い性は優れるものの、相対的に磁性体粒子の含有率が低下し、磁石によるセシウム用磁性吸着剤の回収率が低下するせいか、初回、繰り返し使用時の処理液の放射性濃度がやや高くなっている。実施例1、9〜11の比較より、ブロッキング防止剤が合成シリカ、アルミナである実施例1、9は攪拌造粒時に大きな造粒物が生成せず、取り扱い性がいっそう良好であり、好ましい。
実施例1、12〜16の比較より、少なくとも、水不溶性フェロシアン化物、水性樹脂エマルジョンを含む水性液Aを作製する工程、磁性体粒子、ブロッキング防止剤、前記水性液Aを攪拌・混合することにより造粒する工程、とを含む方法で製造した実施例1、12〜14、16は、造粒物に大きな塊が生成せず、取り扱い性に優れる。特に、水性液中で可溶性フェロシアン化物と、遷移金属イオン溶液あるいはアルカリ土類金属イオン溶液とを反応させて、水不溶性フェロシアン化物の分散液を作製する工程を含む実施例1、12〜14は、さらに初期、繰り返し使用時のセシウム吸着性に優れ、処理液の放射性濃度を低くでき、好ましい。造粒法によらず、各成分を水性液中で混合・攪拌、乾燥を行った実施例15は、セシウム吸着性は良好であるが、分散物の移し変えや乾燥に時間がかかり、乾燥物の粉砕作業も煩雑となる。
一方、ブロッキング防止剤を含有しているものの、バインダーに水溶性樹脂を用いた比較例1は、攪拌造粒時に餅状の大きな塊が生成した。同配合で混合物を水性液中で攪拌、乾燥した比較例2とともに、混合物の水分も高く、混合物の取り扱い性、乾燥効率といった作業性に劣る。セシウム吸着性化合物として水不溶性フェロシアン化物のみを用いた比較例3は、攪拌造粒時に餅状の大きな塊が発生するとともに、混合物の水分が高く、取り扱い性、乾燥効率に劣る。また、繰り返し使用時のセシウム吸着性の低下が大きい。セシウム吸着性化合物としてゼオライトのみを用いた比較例4は、初期のセシウム吸着性は良好だが、繰り返し使用時のセシウム吸着性の低下が大きい。
本発明のセシウム用磁性吸着剤は、少なくとも、水不溶性フェロシアン化物、水性樹脂エマルジョン、磁性体粒子およびブロッキング防止剤を含有し、セシウムの吸着性に優れ、工業的スケールで製造可能なセシウム用磁性吸着剤を提供することができる。本発明は放射性セシウムで汚染された水、さらには汚泥、土壌、焼却灰の除染に有効であると考えられる。

Claims (5)

  1. 少なくとも、水不溶性フェロシアン化物、水性樹脂エマルジョン、磁性体粒子およびブロッキング防止剤を含有することを特徴とするセシウム用磁性吸着剤。
  2. ブロッキング防止剤の含有率が該吸着剤全固形分の30質量%以上80質量%以下である請求項1記載のセシウム用磁性吸着剤。
  3. 少なくとも、水不溶性フェロシアン化物および水性樹脂エマルジョンを含む水性液Aを調製した後、これを磁性体粒子およびブロッキング防止剤と共に攪拌・混合することにより造粒することを特徴とするセシウム用磁性吸着剤の製造方法。
  4. 少なくとも磁性体粒子およびブロッキング防止剤を攪拌させつつ、上記水性液Aを添加・混合することにより造粒する請求項3記載のセシウム用磁性吸着剤の製造方法。
  5. 上記水不溶性フェロシアン化物が、可溶性フェロシアン化物と、遷移金属イオン溶液あるいはアルカリ土類金属イオン溶液とを反応させて、水不溶性フェロシアン化物としたものである請求項3または4記載のセシウム用磁性吸着剤の製造方法。
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