JP5250140B1 - 磁性吸着剤粒子 - Google Patents

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Abstract

【課題】セシウムを含有する溶液から、効率良く分離する方法を提供することにある。
【解決手段】磁性体粒子、セシウム吸着性化合物、バインダーを含有する複合体からなる磁性吸着剤を用いてセシウムを分離する。
【選択図】なし

Description

本発明は、少なくともセシウムを含有する溶液から、効率良くセシウムを分離する方法に関するものである。
セシウムは、試薬、光電変換素子、光学結晶、光学ガラス等の製造に用いられているレアメタルであり、地熱水等からセシウムを分離回収する技術は、資源確保の観点から重要である。また、原子力利用施設から発生する廃液中には放射性セシウムが含まれており、このものを効率良く分離する技術が開発されてきた。さらに2011年に起きた福島第一原子力発電所の事故においては、放射性セシウムが広範囲に飛散し、様々な物質に付着した放射性セシウムを分離する技術が必要となってきた。
放射線セシウムや重金属等の有害成分を含有する溶液からこれらを分離するため、様々な手法が検討されてきた。最も簡便には、活性炭やイオン交換樹脂等の吸着剤を利用する方法が広く用いられている。特に放射性セシウムの吸着剤としては、ゼオライト、結晶質四チタン酸、スメクタイト、不溶性フェロシアン化物、リンモリブデン酸アンモニウム、シリコチタネート等が古くから知られている。しかし、これらの吸着剤を溶液に添加して使用する場合、吸着剤を処理済みの溶液から分離する必要があり、具体的な方法として、吸着剤とセシウム含有溶液を一定時間接触させてから濾別する方法、吸着剤をカラムに充填して、その中にセシウム含有溶液を流す方法等がある。いずれの場合においても、セシウム含有溶液が何らかの夾雑物を含む場合には、予めこれらを除く必要があり、この除去作業は多大な労力を要する。結果として、夾雑物を含むセシウム溶液から、これまで知られてきた吸着剤単体を用いる方法によりセシウムを分離することは極めて困難であった。
一方、近年、超伝導磁石や高勾配磁気分離技術が進歩してきたため、磁性を利用して溶液中の有害成分を分離する技術の実用性が高まり、注目を集めるようになってきた。具体的な手法としては、有害成分自体に磁性を持たせる方法、有害成分と磁性体粒子を混合しておいて凝集剤を加え、磁性のあるフロックを形成する方法、活性炭やゼオライトのような吸着剤に磁性を持たせる方法がある。
このうち、有害成分自体に磁性を持たせる方法は汎用性に欠ける。また磁性のあるフロックを形成する方法は、大量の磁性体粒子と凝集剤を必要とすることが多く、むしろ処理が煩雑になるという問題がある。一方、吸着剤に磁性を持たせる方法は、有害成分を効果的に吸着できるというメリットが期待できるものの、吸着剤本来の吸着能力を落とすことなく高い磁性を持たせ、安価に製造する実用的な方法がまだない。
例えば、磁性体の核とこの核を覆いかつ金属イオンを吸着する外皮とを有する磁性吸着剤が提案されている(特許文献1参照)。この吸着剤は、直径1〜10mmの球状磁性体に対して、金属イオン吸着基を持つ高分子化合物を吹き付け、乾燥させて合成されており、吹き付けにおける材料ロスが大きいため高価であり、実用性がない。別のタイプとして、直径1〜10mmの球状磁性体に対して、アルミノ珪酸塩の結晶としてゼオライトを生成させた吸着剤も示されているが、比表面積が極めて小さいため、吸着容量が低いという問題点がある。また、多孔質ガラスビーズ、シリカゲル、アルミナ、ゼオライト等の無機系多孔質物質に磁性金属と有機物質を担持させ、有機物を熱分解して吸着性能を発現させるタイプの磁性吸着剤が提案されている(特許文献2参照)。この吸着剤においては、担磁のために無機系多孔質物質を鉄系化合物の溶液に含浸させた後、熱処理を施している。操作が煩雑なため製造コストが高いうえ、鉄系化合物の吸着量には限界があるため、高い磁性を持たせることができず、実用性がない。さらに、シリカゲル、ゼオライト、活性炭等の多孔質吸着剤に酸化鉄を化合させる方法が提案されている(特許文献3参照)。しかしながら、この方法の場合には磁性吸着剤の担持量が低く、磁気による回収を効率良く行うためには多量の酸化鉄を化合させる必要があるため、結果として吸着容量が著しく低下し、製造コストも高くなるという問題がある。加えて、ゼオライトと磁性体粒子を接着剤(セメント)で結合させた磁性吸着剤も提案されている(特許文献4、5参照)。接着剤にセメントを用いているため、強度を確保するために長期にわたる蒸気乾燥が必要となり、製造上の問題が大きい。
特開平10−99843号公報 特開2002−233754号公報 特開2005−137973号公報 特開平1−194940号公報 特開2005−177709号公報
本発明の課題は、セシウムを含有する溶液から、磁気分離技術を用いて効率良くこれら有害成分を分離することが可能であり、かつ比較的簡単な手法により製造可能な磁性吸着剤粒子を提供することにある。
上記課題を鋭意研究し、水溶性樹脂の存在下で合成された不溶性フェロシアン化物が、磁性体粒子とともに、水溶性樹脂で結着されていることを特徴とする磁性吸着剤粒子を用いることにより、セシウムを含有する溶液から効率良くセシウムを分離することができることを見出して、本発明に到達した。
本発明においては、水溶性樹脂の存在下で合成された不溶性フェロシアン化物が、磁性体粒子とともに、水溶性樹脂で結着されていることを特徴とする磁性吸着剤粒子をセシウム含有溶液に分散させたのち、磁気分離により回収する。セシウム吸着性化合物である不溶性フェロシアン化物を含有する磁性吸着剤粒子は、速やかにセシウムを吸着することができるので吸着処理時間は短くて済む。また、セシウム含有溶液が夾雑物を含んでいても、予めこれらを除くことなく吸着処理を行い、セシウムを吸着した磁性吸着剤粒子だけを磁気分離により回収することができる。夾雑物が汚泥、土壌、焼却灰等に由来する物質であっても、磁気分離には何ら影響しない。その結果、本発明においてはセシウム含有溶液から、極めて短時間かつ簡単な操作によりセシウムを分離することが可能になる。
本発明に用いられる磁性体粒子としては特に制限はなく、磁性を示すあらゆる材料を用いることができる。例えば鉄、ニッケル、コバルト等の金属またはこれらを主成分とする磁性合金の粉末、四三酸化鉄、三二酸化鉄、コバルト添加酸化鉄、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等の金属酸化物系磁性体の粉末が挙げられる。磁性体粒子の粒径は0.1〜100μmが好ましい。0.1μm未満では、取り扱いに困難が生じることがあり、100μmを超えると、セシウム吸着性化合物との混合がスムースに進まない場合がある。本発明の磁性吸着剤粒子におけるこれら磁性体粒子の含有率は10〜80質量%が好ましく、特に20〜70質量%となるようにするのが好ましい。含有率が10質量%を下回ると磁気分離の効率が低下するので好ましくない。また、含有率が80質量%を上回ると、セシウム吸着性化合物の含有率が低くなるため、セシウム吸着性が低下するので好ましくない。
本発明に係るセシウム吸着性化合物としては、少なくとも水溶性樹脂の存在下に合成した不溶性フェロシアン化物を用いる。本発明においては、この不溶性フェロシアン化物とともに、モルデナイト、クリノプチロライト、アナルサイム、シャバサイト、フェリエライト等の天然ゼオライト、ゼオライトA(A型)、ゼオライトX(X型)、フィリップサイト(P型)等の人工ゼオライト、結晶質四チタン酸、スメクタイト、上記の方法で合成したもの以外の不溶性フェロシアン化物、リンモリブデン酸アンモニウム、リンタングステン酸アンモニウム、シリコチタネート、黒雲母、白雲母、金雲母、鉄雲母等の天然雲母やNa型合成雲母等の合成雲母の雲母類、バーミキュライト等を併用しても良い
水溶性樹脂の存在下に合成した不溶性フェロシアン化物とその他のセシウム吸着性化合物を併用する場合において、その他のセシウム吸着性化合物を粉体として入手し、磁性体粒子およびバインダーと結着させて本発明の磁性体粒子を得る場合、セシウム吸着性化合物の粒径は0.1〜100μmが好ましい。0.1μm未満では、取り扱いに困難が生じることがあり、100μmを超えると、磁性体粒子との混合がスムースに進まない場合がある。本発明の磁性吸着剤粒子におけるこれらセシウム吸着性化合物の含有率は10〜80質量%が好ましく、特に20〜70質量%となるようにするのが好ましい。含有率が10質量%を下回るとセシウムの吸着効率が低下するので好ましくない。また80質量%を上回ると、磁性体粒子の含有率が低くなるために磁気分離の効率が低下するので好ましくない。
本発明に用いられる不溶性フェロシアン化物は、セシウムに対する選択性が高いことから好ましく用いられる。不溶性フェロシアン化物の具体例としては例えば、一般式[M]a[Fe(CN)]b(ただし、MはCu、Co、Ni、Zn、Cd、Mn、Fe等の遷移金属であり、aとbはMの価数×a=4×bを満たす整数である)で表わされるフェロシアン化物、またはこれらのMの一部が、一価の陽イオンにより置換されているフェロシアン化物や遷移金属がMo、Ti、W等の酸化物で置き換わったフェロシアン化物で、水に不溶のものを挙げることができる。これらの中では、MとしてCu、Co、Ni、Feの少なくとも1種を含有する不溶性フェロシアン化物が、高いセシウム吸着性を有することから好ましい。
本発明に用いられる水溶性樹脂としては、具体的には例えば、デンプン、ゼラチン、キトサン類、ポリビニルアルコール系樹脂(ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体、ポリビニルアセタール等)、セルロース系樹脂(メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等)、ポリアクリル酸系樹脂、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等の有機系水溶性樹脂を挙げることができる。また、本発明の磁性吸着剤粒子を製造するに当たり、本発明に係る不溶性フェロシアン化物と磁性体粒子を結着させるバインダーとして、上記水溶性樹脂と共に造粒、成形分野において知られているバインダーを併用することができる。具体的には例えば、ポリウレタン系エマルジョン、ポリアクリル酸エステル系エマルジョン、ポリ酢酸ビニル系エマルジョン、ポリ(エチレン/酢酸ビニル)共重合エマルジョン、ポリ(スチレン/ブタジエン)共重合エマルジョン、ポリ塩化ビニル系樹脂エマルジョン、シリコーン樹脂エマルジョン等の有機系水性樹脂エマルジョン、ポリアクリル酸系樹脂、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等の有機系水溶性樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ニトリルゴム等の有機系非水系樹脂を挙げることができる。
これらのバインダーの中で、本発明の磁性吸着剤粒子における不溶性フェロシアン化物を包含するセシウム吸着性化合物の吸着能の悪化が比較的少なく、容易に磁性体粒子にセシウム吸着性化合物を接着させることができることから、水性樹脂エマルジョン、耐水化された水溶性樹脂が好ましく用いられる。
水性樹脂エマルジョンの中でも耐水性の高い磁性吸着剤粒子を与えることから、ポリ(スチレン/ブタジエン)共重合体エマルジョン、ポリ塩化ビニル系樹脂エマルジョン、シリコーン樹脂エマルジョンがより好ましく用いられ、さらに好ましくは、放射性セシウムを夾雑物から効率良く抽出するため、放射性セシウムを含有する液を加熱する場合においても使用可能な耐熱性を有するポリ塩化ビニル系樹脂エマルジョン、シリコーン樹脂エマルジョンが好適に用いられる。
水溶性樹脂においては、磁性体粒子とセシウム吸着性化合物の双方に親和性を持って安定な磁性吸着剤粒子を形成できる点からポリビニルアルコール系樹脂が好ましい。また、その中でも耐水性の点でエチレン−ポリビニルアルコール共重合体がより好ましい。耐水化処理法としては特に制限はなく、各種アルデヒド化合物、メチロール化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物による架橋反応等を利用することができる。
本発明の磁性吸着剤粒子におけるバインダーの含有率は5〜50質量%が好ましく、特に10〜30質量%となるようにするのが好ましい。含有率が5質量%を下回ると磁性吸着剤粒子の物理的強度が低下して、磁性吸着剤粒子が分解しやすくなるので好ましくない。含有率が50質量%を上回ると、セシウムの吸着効率が低下するので好ましくない。水溶性樹脂には耐水化処理を施しても良い。
本発明の磁性吸着剤粒子の製造方法としては、磁性体粒子とセシウム吸着性化合物とをバインダー溶液またはエマルジョンと共に混合、乾燥、粉砕する方法がある。別の方法として、磁性体粒子とセシウム吸着性化合物とをモノマーと共に塊状重合させ、乾燥、粉砕する方法もあるが、製造工程の制御のしやすさやコストの点から、前者の方法が有利である。各工程において用いられる装置について、特に制限はない。
セシウム吸着性化合物として不溶性フェロシアン化物を用いる場合には、予め合成し乾燥しておいた不溶性フェロシアン化物を、磁性体粒子およびバインダーと共に混合、乾燥、粉砕することにより磁性吸着剤を得ることもできるが、不溶性フェロシアン化物をバインダーの存在下に合成し乾燥せずに、そのまま磁性体粒子と混合、乾燥、粉砕する方法を取ることもできる。後者の方法においてバインダーとして水溶性樹脂を用いると、不溶性フェロシアン化物が微粒子の状態で安定に存在し、その比表面積が大きくなることから高いセシウム吸着能が発現するので有利であるので、本発明においてはセシウム吸着性化合物として水溶性樹脂の存在下でされた不溶性フェロシアン化物を用いる。水溶性樹脂の存在下に不溶性フェロシアン化物を合成するには、水溶性樹脂の溶液に可溶性フェロシアン化物を溶かしておき、攪拌しつつここへ遷移金属イオン溶液を添加するか、あるいは逆に、水溶性樹脂の溶液に遷移金属イオンを溶かしておき、攪拌しつつここへ可溶性フェロシアン化物溶液を添加すれば良い。水溶性樹脂の溶液に遷移金属イオンを溶かすと、ゲル状物が分離することがあるので、前者の合成法が好ましい。
セシウムを含む溶液と本発明の磁性吸着剤粒子の接触方法としては、溶液に磁性吸着剤粒子を投入して攪拌するバッチ処理が、簡便な装置で実施できるので好ましい。攪拌方法としては、攪拌羽根で攪拌する方法、エアレーション等曝気による方法、電磁石制御により磁性体粒子を攪拌する方法等を例示することができる。セシウムを含む溶液と磁性吸着剤粒子の接触時間は、10分〜2時間が好ましい。接触時間が10分より短いと、セシウムの吸着が不十分となることがある。2時間より長く接触させても、吸着がすでに平衡に達しているため作業効率上好ましくないうえに、長時間の攪拌が磁性吸着剤粒子の機械的な強度に悪影響を与えることがある。
セシウムを含む溶液に対する、本発明の磁性吸着剤粒子の添加量に制限はなく、セシウムが目的とするレベルまで除去される添加量を、セシウムの濃度に応じて実験的に定めれば良い。例えばセシウム濃度が0.001質量%(10ppm)の場合、90%以上のセシウムを分離するためには、磁性吸着剤粒子に含まれるセシウム吸着性化合物のセシウム吸着容量が、被処理液内に存在するセシウム量の2〜100倍となるように加えることが好ましい。磁性吸着剤粒子量が2倍を下回るとセシウムの除去が不十分となることがある。また、100倍以上を加えてもセシウム除去レベルには変化がなく、不経済であると共に、場合によっては攪拌や磁気分離作業に対して支障となることがある。
セシウムを吸着した磁性吸着剤粒子は、永久磁石、電磁石、超電導磁石によって短時間に集磁され、セシウムが除かれた溶液から分離される。用いられる磁気分離装置に関して特に制限はない。
以下に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものでない。なお、実施例中の百分率は、質量基準である。
参考磁性吸着剤粒子1製造
平均粒径5μmの四三酸化鉄(1g)とフェロシアン化鉄(大日精化工業(株);MILORI BLUE 905;0.35g)を、シラノール変性ポリビニルアルコール((株)クラレ;R1130)10%水溶液2.3gと共に乳鉢で混練し、シャーレに広げて80℃で3時間乾燥させた。得られた乾燥固形物をミニブレンダーで粉砕して、参考磁性吸着剤粒子1を1.4g得た。
参考磁性吸着剤粒子2製造
シラノール変性ポリビニルアルコールを固形分量で同量のポリウレタン樹脂(DIC(株)製;ハイドランCP−7020)に置き換える他は、参考磁性吸着剤粒子1製造と同様に操作して、参考磁性吸着剤粒子2を1.3g得た。
参考磁性吸着剤粒子3製造
シラノール変性ポリビニルアルコールを固形分量で同量のポリウレタン樹脂(DIC(株)製;ハイドランWLS−206)に置き換える他は、参考磁性吸着剤粒子1製造と同様に操作して、参考磁性吸着剤粒子3を1.3g得た。
参考磁性吸着剤粒子4製造
フェロシアン化鉄をフェロシアン化ニッケル(合成品;0.35g)に置き換える他は、参考磁性吸着剤粒子1製造と同様に操作して、参考磁性吸着剤粒子4を1.3g得た。
参考磁性吸着剤粒子5製造
フェロシアン化鉄をリンモリブデン酸アンモニウム水和物(和光純薬工業(株);0.35g)に置き換える他は、参考磁性吸着剤粒子1製造と同様に操作して、参考磁性吸着剤粒子5を1.3g得た。
参考磁性吸着剤粒子6製造
フェロシアン化鉄をリンタングステン酸アンモニウム3水和物(和光純薬工業(株);0.35g)に置き換える他は、参考磁性吸着剤粒子1製造と同様に操作して、参考磁性吸着剤粒子6を1.3g得た。
<磁性吸着剤粒子7製造
シラノール変性ポリビニルアルコール((株)クラレ;R1130)10%水溶液2.3gに、フェロシアン化カリウム3水和物(0.42g)の水溶液1.7mlを加え、攪拌しつつ硫酸ニッケル6水和物(0.26g)の水溶液1mlを添加し10分かき混ぜて、不溶性フェロシアン化物を合成した。その後、平均粒径5μmの四三酸化鉄(1g)を加えてさらに5分かき混ぜ、シャーレに広げて80℃で3時間乾燥させた。得られた乾燥固形物をミニブレンダーで粉砕して、磁性吸着剤粒子7を1.4g得た。
<磁性吸着剤粒子8製造
硫酸ニッケル6水和物を硫酸第一鉄7水和物(0.28g)に置き換える他は、磁性吸着剤粒子7製造と同様に操作して、磁性吸着剤粒子8を1.4g得た。
<比較吸着剤粒子1製造
四三酸化鉄をシリカゲル(メルク(株)製;シリカゲル60)に置き換える他は、参考磁性吸着剤粒子1製造と同様に操作して、比較吸着剤粒子1を1.3g得た。
<比較吸着剤粒子2の製造>
フェロシアン化鉄を加えない点を除いては、参考磁性吸着剤粒子1製造と同様に操作して、比較吸着剤粒子2を1.2g得た。
参考
塩化セシウム6.33mgを蒸留水500mlに溶かして、セシウム濃度が0.001%(10ppm)の水溶液を調製した。この液50mlに参考磁性吸着剤粒子1を100mg加え、30分攪拌した。容器の底に磁石を当てて磁性吸着剤粒子を集め、水相をデカンテーションにより別のビーカーに移した。この水相のセシウム濃度をICP−MSで求めたところ1.5ppmであり、85%のセシウムが分離されていた。
参考
参考磁性吸着剤粒子1の替わりに参考磁性吸着剤粒子2を用いる以外は、参考と同様に操作した。セシウムの分離率は82%であった。
参考
参考磁性吸着剤粒子1の替わりに参考磁性吸着剤粒子3を用いる以外は、参考と同様に操作した。セシウムの分離率は81%であった。
参考
参考磁性吸着剤粒子1の替わりに参考磁性吸着剤粒子4を用いる以外は、参考と同様に操作した。セシウムの分離率は91%であった。
参考
参考磁性吸着剤粒子1の替わりに参考磁性吸着剤粒子5を用いる以外は、参考と同様に操作した。セシウムの分離率は75%であった。
参考
参考磁性吸着剤粒子1の替わりに参考磁性吸着剤粒子6を用いる以外は、参考と同様に操作した。セシウムの分離率は70%であった。
実施例
参考磁性吸着剤粒子1の替わりに磁性吸着剤粒子7を用いる以外は、参考と同様に操作した。セシウムの分離率は99%であった。
実施例
参考磁性吸着剤粒子1の替わりに磁性吸着剤粒子8を用いる以外は、参考と同様に操作した。セシウムの分離率は98%であった。
比較例
参考磁性吸着剤粒子1の替わりに比較吸着剤粒子1を用い、濾紙を用いた濾過操作によって水相と比較吸着剤粒子1の分離を行う以外は、参考と同様に操作した。セシウムの分離率は81%であった。
比較例
参考磁性吸着剤粒子1の替わりに比較吸着剤粒子2を用いる以外は、参考と同様に操作した。セシウムの分離率は0%であった。
参考6及び実施例1、2の結果から、本発明によればセシウムを含有する水相から、簡単な操作により短時間にセシウムを分離できることが分かる。参考と比較例の結果から、磁気分離を用いて簡単にセシウムを分離するためには、吸着剤に磁性体粒子とセシウム吸着性化合物の両方を含めることが必須であることが分かる。また参考の比較からセシウム吸着性化合物としては不溶性フェロシアン化物が好ましいこと、さらに参考実施例2の比較、参考実施例1の比較から、不溶性フェロシアン化物が水溶性樹脂の存在下に製造されているとさらに高いセシウム分離率が果たせることが分かる。

Claims (1)

  1. 水溶性樹脂の存在下で合成された不溶性フェロシアン化物が、磁性体粒子とともに、水溶性樹脂で結着されていることを特徴とする磁性吸着剤粒子
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