JP2013176729A - 磁性吸着剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】重金属イオンや放射性セシウム等の有害成分を含有する溶液から、これらを効率良く分離する方法を提供することにある。
【解決手段】磁性体粒子とセシウム吸着性化合物が、バインダーにより結着されている磁性吸着剤において、セシウム吸着性化合物を磁性吸着剤の表面に局在化させた磁性吸着剤により、効率良くこれら有害成分を分離する。
【選択図】なし
【解決手段】磁性体粒子とセシウム吸着性化合物が、バインダーにより結着されている磁性吸着剤において、セシウム吸着性化合物を磁性吸着剤の表面に局在化させた磁性吸着剤により、効率良くこれら有害成分を分離する。
【選択図】なし
Description
本発明は、少なくともセシウムを含有する溶液から、効率良くセシウムを分離する方法に関するものである。
重金属イオンや放射性セシウム等の有害成分を含有する溶液からこれらを分離するため、さまざまな手法が検討されてきた。最も簡便には、活性炭やイオン交換樹脂等の吸着剤を利用する方法が広く用いられている。これらの吸着剤を溶液に添加して使用する場合、吸着剤を処理済みの溶液から分離する必要があり、この作業には大きな困難を伴っていた。近年、超伝導磁石や高勾配磁気分離技術が進歩してきたため、磁性を利用して溶液中の有害成分を分離する技術の実用性が高まり、注目を集めるようになってきた。さらに、2011年に起きた福島第一原子力発電所の事故においては、放射性セシウムが広範囲に飛散し、さまざまな物質に付着した放射性セシウムを分離する技術が必要となってきた。
具体的な手法としては、有害成分自体に磁性を持たせる方法、有害成分と磁性体粒子を混合しておいて凝集剤を加え、磁性のあるフロックを形成する方法、活性炭やゼオライトのような吸着剤に磁性を持たせる方法がある。
このうち、有害成分自体に磁性を持たせる方法は汎用性に欠ける。また磁性のあるフロックを形成する方法は、大量の磁性体粒子と凝集剤を必要とすることが多く、むしろ処理が煩雑になるという問題がある。一方、吸着剤に磁性を持たせる方法は、有害成分を効果的に吸着できるというメリットが期待できるものの、吸着剤本来の吸着能力を落とすことなく高い磁性を持たせ、安価に製造する実用的な方法がまだない。
例えば、磁性体の核とこの核を覆いかつ金属イオンを吸着する外皮とを有する磁性吸着剤が提案されている(特許文献1参照)。この吸着剤は、直径1〜10mmの球状磁性体に対して、金属イオン吸着基を持つ高分子化合物を吹き付け、乾燥させて合成されており、吹き付けにおける材料ロスが大きいため高価であり、実用性がない。別のタイプとして、直径1〜10mmの球状磁性体に対して、アルミノ珪酸塩の結晶としてゼオライトを生成させた吸着剤も示されているが、比表面積が極めて小さいため、吸着容量が低いという問題点がある。また、多孔質ガラスビーズ、シリカゲル、アルミナ、ゼオライト等の無機系多孔質物質に磁性金属と有機物質を担持させ、有機物を熱分解して吸着性能を発現させるタイプの磁性吸着剤が提案されている(特許文献2参照)。この吸着剤においては、担磁のために無機系多孔質物質を鉄系化合物の溶液に含浸させ、さらに熱処理を施している。操作が煩雑なため製造コストが高くつき、実用性がない。また鉄系化合物の吸着量には限界があるため、高い磁性を持たせることができない。さらに、シリカゲル、ゼオライト、活性炭等の多孔質吸着剤に酸化鉄を化合させる方法が提案されている(特許文献3参照)。しかしながら、この方法の場合には磁性吸着剤の担持量が低く、磁気による回収を効率良く行うためには多量の酸化鉄を化合させる必要があるため、結果として吸着容量が著しく低下し、製造コストも高くなるという問題がある。ゼオライトと磁性体粒子を接着剤(セメント)で結合させた磁性吸着剤も提案されている(特許文献4、5参照)。接着剤にセメントを用いているため、強度を確保するために極めて長期にわたる蒸気乾燥が必要となり、製造上の問題が大きい。
このような問題を解決し、セシウム吸着量を上げ、磁気による回収効率を改善した方法として、磁性体粒子とセシウム吸着性化合物がバインダーを用いて結着されている磁性吸着剤を提唱した。しかし、単に磁性体粒子とセシウム吸着性化合物をバインダーで結着させるだけでは、セシウム吸着性化合物が磁性吸着剤内部に取り込まれることにより、セシウム吸着性化合物の吸着能力を十分に発揮できないという問題を抱えていた。
本発明の課題は、重金属イオンや放射性セシウム等の有害成分を含有する溶液から、磁気分離技術を用いて、効率良くこれら有害成分を分離することが可能な磁性吸着剤、及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を鋭意研究し、磁性体粒子とセシウム吸着性化合物が、バインダーにより結着されている磁性吸着剤において、セシウム吸着性化合物を磁性吸着剤の表面に局在化させることにより、磁気分離技術を用いて重金属イオンや放射性セシウム等の有害成分を含有する溶液から、効率良くこれら有害成分を分離できることを見出し、本発明に至った。
本発明においては、磁性体粒子とセシウム吸着性化合物を、バインダーにより結着させた磁性吸着剤を、重金属イオンや放射性セシウム等の有害成分を含有する溶液に分散させたのち、磁気分離により回収する。セシウム吸着性化合物を磁性吸着剤の表面に局在化させることにより、セシウム吸着性化合物の有効な吸着能力が発揮され、吸着容量が上がるとともに、速やかに有害成分を吸着することが可能となり、吸着処理時間は短くて済む。また、有害成分を吸着させた後、磁石等の磁気により磁性吸着剤だけを回収することが可能であるため、有害成分含有溶液が夾雑物を含んでいても、予めこれらを除くことなく吸着処理を行うことができる。夾雑物が汚泥、土壌、焼却灰等に由来する物質であっても、磁気分離には何ら影響しない。その結果、本発明においては有害成分含有溶液から、極めて短時間かつ簡単な操作により有害成分を分離することが可能になる。
以下に本発明の磁性吸着剤を詳細に説明する。
本発明の磁性吸着剤は、セシウム吸着性化合物を磁性吸着剤の表面に局在化させたものである。セシウム吸着性化合物を磁性吸着剤の表面に局在化させる方法としては、例えば、予め磁性体粒子とバインダーを混合した分散液を大量の粉体状のセシウム吸着性化合物に混入し、乾燥させた後、磁性体粒子とセシウム吸着性化合物がバインダーで結着した粒子を、永久磁石、電磁石、超電導磁石等の磁石で回収する方法が挙げられる。
本発明の磁性吸着剤は、セシウム吸着性化合物を磁性吸着剤の表面に局在化させたものである。セシウム吸着性化合物を磁性吸着剤の表面に局在化させる方法としては、例えば、予め磁性体粒子とバインダーを混合した分散液を大量の粉体状のセシウム吸着性化合物に混入し、乾燥させた後、磁性体粒子とセシウム吸着性化合物がバインダーで結着した粒子を、永久磁石、電磁石、超電導磁石等の磁石で回収する方法が挙げられる。
具体的な方法として、ミキサーの下部から熱風によりセシウム吸着性化合物を巻き上げながら、上部より磁性体粒子とバインダーの混合液を散布して、バインダーの乾燥を行いながら結着させる流動層造粒法、ミキサーでセシウム吸着性化合物を攪拌しながら上部より磁性体粒子とバインダーの混合液を滴下し、攪拌の後、乾燥処理を行い、磁性体粒子とセシウム吸着性化合物をバインダーで結着せしめる攪拌造粒法、予め磁性体粒子とバインダーを混合、乾燥し、磁性体表面にバインダーを結着させたものを解砕し、過剰のセシウム吸着性化合物の存在中に投入し、バインダーが流動性を示す温度に加熱しながら、混練する方法などが挙げられるが、特に制限がない。
混練した磁性吸着剤の乾燥方法、粉砕方法に特に制限はなく、また各工程において用いられる装置についても特に制限はない。
本発明に用いられる磁性体粒子としては特に制限はなく、磁性を示すあらゆる材料を用いることができる。例えば鉄、ニッケル、コバルト等の金属またはこれらを主成分とする磁性合金の粉末、四三酸化鉄、三二酸化鉄、コバルト添加酸化鉄、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等の金属酸化物系磁性体の粉末が挙げられる。磁性体粒子の粒径は1〜5000μmが好ましい。1μm未満では、取り扱いに困難が生じるだけでなく、セシウム吸着性化合物を結着させるべき表面積が小さくなり、磁性吸着剤中のセシウム吸着性化合物が少なくなるだけでなく、磁性体粒子とセシウム吸着性化合物の結着安定性が損なわれる場合がある。また、5000μmを上回ると、重金属イオンや放射性セシウム等の有害成分を含有する溶液に分散させた場合、底に沈殿しやすく、攪拌にエネルギーを要する場合がある。本発明の磁性吸着剤におけるこれら磁性体粒子の含有率は10〜70質量%が好ましく、特に20〜60質量%となるようにするのが好ましい。含有率が10質量%を下回ると磁気分離の効率が低下するので好ましくない。また、70質量%を上回ると、セシウム吸着性化合物の含有率が低くなるために有害成分吸着性が低下するので好ましくない。
本発明に用いられるセシウム吸着性化合物としては特に制限はなく、公知のものを用いることができる。例えば、ゼオライト、結晶質四チタン酸、スメクタイト、不溶性フェロシアン化物、リンモリブデン酸アンモニウム、リンタングステン酸アンモニウム、シリコチタネート等を挙げることができる。セシウム吸着性化合物を粉体として入手し、磁性体粒子及びバインダーと結着させて本発明の磁性体粒子を得る場合、セシウム吸着性化合物の粒径は0.1〜5000μmが好ましい。0.1μm未満では、取り扱いに困難が生じることがある。また、5000μmを上回ると、重金属イオンや放射性セシウム等の有害成分を含有する溶液に分散させた場合、底に沈殿しやすく、攪拌にエネルギーを要する場合がある。本発明の磁性吸着剤におけるこれらセシウム吸着性化合物の含有率は10〜80質量%が好ましく、特に20〜70質量%となるようにするのが好ましい。含有率が10質量%を下回るとセシウムの吸着効率が低下するので好ましくない。また80質量%を上回ると、磁性体粒子の含有率が低くなるために磁気分離の効率が低下するので好ましくない。
本発明に用いられるバインダーの種類に特に制限はなく、造粒、成形分野において知られているバインダーを用いることができる。具体的には例えばセメント、石膏、水ガラス、鉱物等の無機系バインダー、デンプン、カゼイン、ゼラチン、キトサン類等の天然有機系水溶性バインダー、ポリビニルアルコール系樹脂(ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール等)、セルロース系樹脂(メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等)、ポリアクリル酸系樹脂、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等の合成有機系水溶性バインダー、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ(スチレン/ブタジエン)樹脂、ポリ(エチレン/酢酸ビニル)樹脂、ニトリルゴム等の非水溶性樹脂を水中に分散させたバインダー等が挙げられ、これらのうちの1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用することもできる。さらに、これらの樹脂を変性した変性樹脂のエマルジョンも使用できる。
これらのバインダーの耐水性を向上するには、架橋剤を使用する方法や加熱により結晶化を促進する方法がある。架橋剤としては特に制限はなく、公知のものを用いることができる。例えば、オキサゾリンポリマー、水溶性エポキシ化合物、水溶性メラミン化合物、水分散ブロックイソシアネート、水系アジリジン化合物、チタン化合物、ジルコニウム化合物、ケイ素化合物、アルデヒド化合物、ホウ酸等を挙げることができる。
本発明の磁性吸着剤におけるバインダーの含有率は1〜50質量%が好ましく、特に1〜20質量%となるようにするのが好ましい。含有率が1質量%を下回ると磁性吸着剤の物理的強度が低下して、磁性体粒子とセシウム吸着性化合物が分離しやすくなるので好ましくない。含有率が50質量%を上回ると、有害成分の吸着効率が低下するので好ましくない。
有害成分を含む溶液と本発明の磁性吸着剤の接触方法としては、溶液に磁性吸着剤を投入して攪拌するバッチ処理が、簡便な装置で実施できるので好ましい。攪拌方法としては、攪拌羽根で攪拌する方法やエアレーションなど曝気による方法などを例示することができる。有害成分を含む溶液と磁性吸着剤の接触時間は、10分〜2時間が好ましい。接触時間が10分より短いと、有害成分の吸着が不十分となることがある。2時間より長く接触させても、吸着がすでに平衡に達しているため作業効率上好ましくないうえに、長時間の攪拌が磁性吸着剤の機械的な強度に悪影響を与えることがある。
有害成分を含む溶液に対する、本発明の磁性吸着剤の添加量に制限はなく、有害成分が目的とするレベルまで除去される添加量を、有害成分の濃度に応じて実験的に定めればよい。
有害成分を吸着した磁性吸着剤は、永久磁石、電磁石、超電導磁石等の磁石によって短時間に集磁され、有害成分が除かれた溶液から分離される。用いられる磁気分離装置に関して特に制限はない。
以下に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものでない。なお、実施例中の百分率は、特にことわりのない場合、質量基準である。
<磁性吸着剤1の合成>
微少流動層造粒装置(ダルトン製)にゼオライト(新東北化学工業(株);ゼオフィルCP;50g)を入れ、そこに平均粒径2μmの四三酸化鉄(10g)、ポリアクリル酸エステル系エマルジョン(日信化学工業(株);ビニブラン2680;固形分30%;6.7g)、水10gと混合した分散液をスプレーして流動層造粒(吸気温度:100℃、スプレー速度0.2g/min、スプレー空気量10l/min)し、得られた粉体をシャーレに広げて80℃で3時間乾燥させた後、磁性体粒子と結着していない、ゼオライトを分離するため、磁石で磁性吸着剤を集磁し、磁性吸着剤1を21g得た。電子顕微鏡で観察すると、ゼオライト粒子が四三酸化鉄表面に局在化された構造が確認できた。
微少流動層造粒装置(ダルトン製)にゼオライト(新東北化学工業(株);ゼオフィルCP;50g)を入れ、そこに平均粒径2μmの四三酸化鉄(10g)、ポリアクリル酸エステル系エマルジョン(日信化学工業(株);ビニブラン2680;固形分30%;6.7g)、水10gと混合した分散液をスプレーして流動層造粒(吸気温度:100℃、スプレー速度0.2g/min、スプレー空気量10l/min)し、得られた粉体をシャーレに広げて80℃で3時間乾燥させた後、磁性体粒子と結着していない、ゼオライトを分離するため、磁石で磁性吸着剤を集磁し、磁性吸着剤1を21g得た。電子顕微鏡で観察すると、ゼオライト粒子が四三酸化鉄表面に局在化された構造が確認できた。
<磁性吸着剤2の合成>
平均粒径2μmの四三酸化鉄(10g)にジアセトン変性ポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール(株);DF−17)の10%水溶液(20g)を乳鉢で混合した後、シャーレに広げて80℃で3時間乾燥させた。得られた乾燥固形物をミニブレンダーで粉砕し、ゼオライト(新東北化学工業(株);ゼオフィルCP;50g)に添加し、スプレーで水10gを噴霧(スプレー速度0.2g/min)しながら、乳鉢で混練し、その後、シャーレに広げて80℃で3時間乾燥させた。得られた乾燥固形物をミニブレンダーで粉砕した後、磁性体粒子と結着していない、ゼオライトを分離するため、磁石で磁性吸着剤を集磁し、磁性吸着剤2を23g得た。
平均粒径2μmの四三酸化鉄(10g)にジアセトン変性ポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール(株);DF−17)の10%水溶液(20g)を乳鉢で混合した後、シャーレに広げて80℃で3時間乾燥させた。得られた乾燥固形物をミニブレンダーで粉砕し、ゼオライト(新東北化学工業(株);ゼオフィルCP;50g)に添加し、スプレーで水10gを噴霧(スプレー速度0.2g/min)しながら、乳鉢で混練し、その後、シャーレに広げて80℃で3時間乾燥させた。得られた乾燥固形物をミニブレンダーで粉砕した後、磁性体粒子と結着していない、ゼオライトを分離するため、磁石で磁性吸着剤を集磁し、磁性吸着剤2を23g得た。
<比較吸着剤1の合成>
平均粒径2μmの四三酸化鉄(10g)、ゼオライト(新東北化学工業(株);ゼオフィルCP;50g)、ポリアクリル酸エステル系エマルジョン(日信化学工業(株);ビニブラン2680;固形分30%;6.7g)を同時に混合し、乳鉢で混練した後、シャーレに広げて80℃で3時間乾燥させた。得られた乾燥固形物をミニブレンダーで粉砕した後、磁石で磁性吸着剤を集磁し、比較吸着剤1を21g得た。
平均粒径2μmの四三酸化鉄(10g)、ゼオライト(新東北化学工業(株);ゼオフィルCP;50g)、ポリアクリル酸エステル系エマルジョン(日信化学工業(株);ビニブラン2680;固形分30%;6.7g)を同時に混合し、乳鉢で混練した後、シャーレに広げて80℃で3時間乾燥させた。得られた乾燥固形物をミニブレンダーで粉砕した後、磁石で磁性吸着剤を集磁し、比較吸着剤1を21g得た。
実施例1
塩化セシウム6.33mgを蒸留水500mlに溶かして、セシウムイオン濃度が0.001%(10ppm)の水溶液を調製した。この液50mlに磁性吸着剤1を10mg加えて30分攪拌したのち、水相の一部を取り出し、水相に残留しているセシウムイオン濃度をICP−MSで求めたところ0.8ppmであり、92%のセシウムイオンが除去されていることが分かった。サンプルを取り出した残りはさらに24時間攪拌を続けたのち、容器外部から磁石を当てて集磁物と溶液のようすを目視により観察したところ、集磁されない成分は認められず、磁性吸着剤の分解がないことが確認できた。
塩化セシウム6.33mgを蒸留水500mlに溶かして、セシウムイオン濃度が0.001%(10ppm)の水溶液を調製した。この液50mlに磁性吸着剤1を10mg加えて30分攪拌したのち、水相の一部を取り出し、水相に残留しているセシウムイオン濃度をICP−MSで求めたところ0.8ppmであり、92%のセシウムイオンが除去されていることが分かった。サンプルを取り出した残りはさらに24時間攪拌を続けたのち、容器外部から磁石を当てて集磁物と溶液のようすを目視により観察したところ、集磁されない成分は認められず、磁性吸着剤の分解がないことが確認できた。
実施例2
磁性吸着剤1の替わりに磁性吸着剤2を用いた以外は、実施例1と同様に操作した。残留セシウムイオン濃度は1.3ppmであり、除去率は87%であった。
磁性吸着剤1の替わりに磁性吸着剤2を用いた以外は、実施例1と同様に操作した。残留セシウムイオン濃度は1.3ppmであり、除去率は87%であった。
比較例1
磁性吸着剤1の替わりに比較吸着剤1を用いた以外は、実施例1と同様に操作した。残留セシウムイオン濃度は3.8ppmであり、除去率は62%であった。
磁性吸着剤1の替わりに比較吸着剤1を用いた以外は、実施例1と同様に操作した。残留セシウムイオン濃度は3.8ppmであり、除去率は62%であった。
実施例1、2、比較例1の結果から、本発明によれば有害成分を効率的に分離できることが示された。
本発明によれば、有害成分含有溶液に磁性吸着剤を添加し、一定時間後に磁性吸着剤を磁気分離により取り出すことで、有害成分を分離することができる。有害成分含有溶液が汚泥、土壌、焼却灰等を含有していても、磁気分離にはほとんど影響しないことから、本発明はこれらを含有する有害成分含有溶液の浄化に有効であると考えられる。
Claims (1)
- 磁性体粒子とセシウム吸着性化合物が、バインダーにより結着されている磁性吸着剤において、セシウム吸着性化合物を磁性吸着剤の表面に局在化させた磁性吸着剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012041955A JP2013176729A (ja) | 2012-02-28 | 2012-02-28 | 磁性吸着剤 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2012041955A JP2013176729A (ja) | 2012-02-28 | 2012-02-28 | 磁性吸着剤 |
Publications (1)
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JP2012041955A Pending JP2013176729A (ja) | 2012-02-28 | 2012-02-28 | 磁性吸着剤 |
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JP (1) | JP2013176729A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015064339A (ja) * | 2013-08-30 | 2015-04-09 | 国立大学法人愛媛大学 | セシウム吸着材及びその製造方法並びにそれを用いた環境処理方法 |
-
2012
- 2012-02-28 JP JP2012041955A patent/JP2013176729A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015064339A (ja) * | 2013-08-30 | 2015-04-09 | 国立大学法人愛媛大学 | セシウム吸着材及びその製造方法並びにそれを用いた環境処理方法 |
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