JP6825193B1 - 放射性物質吸着材及びその製造方法 - Google Patents

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【課題】放射性物質を速効的に吸着し、かつ吸着後に例え野晒しの環境下であっても長期に亘り吸着した放射性物質を溶出しない放射性物質吸着材を得る。【解決手段】本発明の放射性物質吸着材は、クロライトを単位体積あたり少なくとも8%、イライトを単位体積あたり少なくとも5%、シルトを単位体積あたり多くとも80%を含有することを特徴とする。【効果】放射性セシウムに対しては、ゼオライト粉末、バーミキュライト粉末、単体と同等の吸着率、雨水、海水に対する溶出率も同等とすることができた。一方、放射性ストロンチウムに対しては吸着率がゼオライト粉末、バーミキュライト粉末、単体と同等とすることができ、放射性ストロンチウムの雨水及び海水における溶出率がゼオライト粉末、バーミキュライト粉末単体に較べて低下させることができた。【選択図】なし

Description

本発明は、放射性物質を速効的に吸着し、かつ吸着後に例え野晒しの環境下であっても長期に亘り吸着した放射性物質を溶出しない放射性物質吸着材に関する。
放射性セシウム等の放射性物質の除去と退避処理の対策に関して以下の特許文献1〜4が知られている。例えば特許文献1(特開2013−68438号公報)では、アルギン酸金属塩を含有した粒径1mm以上の多孔質体粒状体を基体粒子とし、粘土鉱物、難溶性フェロシアン化合物、活性炭及びゼオライトからなる群のうちから選ばれる1つ以上の放射性物質除去材が前記基体粒子の表面及び内部に散在してなる粒子を含有する放射性物質除去材が提案されている。
また、例えば特許文献2(特開2013−113721号公報)では、緑泥岩粉粒体を放射能汚染物に接触させて、放射性成分を吸着・除去すること、さらに、その緑泥粉粒体の平均粒径が50〜5000μmであること、また、緑泥粉粒体が緑泥岩を300〜500℃で仮焼してなることが提案されている。
さらに、例えば特許文献3(特開2013−231683号公報)では、放射性セシウムで汚染された物質と、粘土と、セメントと、水とを混練することにより、混練物を生成するステップと、前記の混練物を容器に収容し、この容器を閉じるステップと、該容器の外面全体をコーティングするステップを有する手法が提案されている。
また、例えば特許文献4(特開2015−21802号公報)では、汚染物質から放射性セシウムを水に溶解する溶解ステップと、放射性セシウムが溶け込んだ水と吸着材とを接触させ、吸着材に放射性セシウムを吸着させる吸着ステップと、吸着ステップの後に、放射性セシウムを吸着させた吸着材と、放射性セシウムが除去された水とを分離する分離ステップと、を有し、吸着材が、活性炭、ゼオライト、シリカゲル、アルミナ、金属多孔質体、多孔質粘土鉱物、及びセラミック多孔質体の少なくとも一種を主成分とする多孔質材と、マグネタイト、フェライト、鉄粉、及び磁性ステンレス粉の少なくとも一種を主成分とする磁性体と、を有し、吸着ステップでは、非磁性体で構成された容器内に、吸着材と水を収容して攪拌又は曝気を行い、分離ステップでは、容器外に配置した電磁石に通電して吸着材を容器内周面に吸着させた状態で排水し、排水後に電磁石への通電を停止して吸着材を容器外に排出する手法が提案されている。
さらに、例えば特許文献5(特開2015−114267号公報)では、300〜550℃で焼成した粘土を主成分とする放射性物質吸着材が提案されている。
しかしながら、上記特許文献1〜5はそれぞれ、以下の問題があった。特許文献1は、アルギン酸が有機物質であることから、使用後に、特段の措置を講じずにそのまま放置、あるいは雨水や海水に晒される環境下に放置しておくと、有機物質が酸化により分解(腐敗)して放射性物質を除去した上記でいえばゲル膜が散乱する可能性があり、結局は、特許文献1と同じく、厳密な管理や適切な処理を行う必要が生じ、溶出せずに安定的に吸着状態を維持する対策の抜本的解決とはならないという問題がある。
特許文献2は、具体的には緑泥岩を「仮焼」することで、放射性物質の吸着・除去を行うものであるが、吸着した放射性物質の不溶出については言及されておらず(実用レベルとはならなかった)、汚染土壌に散布しても、これを集めて隔離保管する必要があり、(散布したまま)露天放置などできないという問題がある。
特許文献3は、粘土が放射性セシウムを吸着すること、セメントが(強)アルカリ性であること、また、雨水が酸性であることから、一旦吸着した放射性セシウムがコンクリートから溶出してしまうことに着目して、放射性セシウムで汚染された物質と粘土鉱物の一種とをセメントの骨材として混合させたコンクリート塊を作成し、吸着後に容器に収容して密閉して貯蔵し、半減期を迎える手法を提案したが、容器に放射性セシウムで汚染された物質を移載したり、容器を貯蔵地まで移動するという危険作業が伴ったりしてしまうこととなるから、吸着後、自然環境下に晒された状態で溶出せずに安定的に吸着状態を維持する対策の抜本的解決とはならないという問題がある。
特許文献4は、汚染物質を特許文献4の手法を実施可能な設備へ移動する必要があり、その設備に移動する際の汚染物質の拡散も考慮する必要があると共に、吸着材に関しては保管場所の減容化を主題としていることからは、やはり溶出可能性があると推測でき、よって放射性物質の安定した吸着状態を維持する対策の抜本的解決とはならないという問題がある。
特許文献5は、特許文献1〜4にはない、放射性物質を高効率で吸着してさらに自然環境下に晒された状態で溶出せずに安定的に吸着状態を維持することについて鋭意研究されているが、なお改良と研究の余地があった。
特開2013−68438号公報 特開2013−113721号公報 特開2013−231683号公報 特開2015−21802号公報 特開2015−114267号公報
本発明が解決しようとする問題は、従来では、容器に収容したり、該容器を貯蔵したりしたとしても雨や海水に晒されるなど悪環境下で安定して吸着状態を維持できない可能性がある他、容器への移載、容器の移動に被爆の危険が伴っていた点であり、吸着の速攻性は当然のこととして、特に不溶出の確実性に優れた放射性物質の吸着材が存在しなかった点である。
上記課題を解決するため、本発明の放射性物質吸着材は、クロライトを単位体積あたり8%、イライトを単位体積あたり5%、シルトを単位体積あたり8%含有したことを主要な特徴とする。
本発明の放射性物質吸着材であれば、放射性セシウムや放射性ストロンチウムに対して、その汚染場所に散布するだけで、迅速に吸着し、かつ一旦吸着した後は、少なくとも雨
水に晒された過酷な自然環境下であっても溶出することがない。
本発明は、放射性物質、例えば放射性セシウム、放射性ストロンチウムの速攻的吸着と、長期的不溶出を可能とする吸着材を得るべく、クロライトを単位体積あたり8%、イライトを単位体積あたり5%、シルトを単位体積あたり8%含有することとした。
鉱物に対する放射性核種の吸着機構は、鉱物の層間構造に放射性核種(陽電荷)が侵入し、層間内の二酸化ケイ素構造の陰電荷とイオン吸着するとされている。したがって、鉱物に放射性核種を効果的に吸着・保持するためには層間の大きさと層間内の陰電荷吸着サイトの数が重要となる。
放射性セシウムや放射性ストロンチウムの陽イオンのイオン半径と鉱物の層間の大きさから、これら陽イオンが侵入可能な鉱物としては、バーミキュライト、クロライト(緑泥石)、イライト(雲母)が知られている。
層間内の陰電荷の吸着サイトについては、天然鉱物の場合はすでに水分子、有機物質、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ元素が吸着していることが多く、これを除去する必要がある(これを「吸着サイトを活性化する」という)。
この吸着機序は、クロライトやイライトの層状構造の層間距離が、放射性セシウムや放射性ストロンチウムのイオン半径と適合しているので、放射性セシウムなどの陽イオンは、二酸化ケイ素のSi-O結合の四面体シートとそこに貫入しているマグネシウム原子によるMg-O結合の八面体シートによって形成される層間に侵入して、その場の酸素原子の電子吸引性に基づく陰電荷とイオン吸着して、固定される。
また、一般的には、放射性セシウム、放射性ストロンチウムに対する吸着材としてゼオライトが使われることが多い。ゼオライトはSi-O結合とAl-O結合からなる環状の多孔性構造を持つので、これも強い陰イオン性と大きい吸着容量を持つ。従って、ゼオライトには、多くの不特定の陽イオンが、多孔性環状構造内に貫入できるが、吸着する陽イオンに対する選択性は期待できない。
本発明の吸着材は、自然環境中で使用されることを目指すので、自然環境中に高濃度に存在するカリウム、アンモニウム、ナトリウム、カルシウムなどの陽イオン性が強い元素やイオン性有機化合物と競合して、放射性セシウムや放射性ストロンチウムが吸着材と吸着反応を起こす必要がある。即ち、ゼオライトは多孔性環状構造のために、放射性セシウムなどに対する吸着の選択性が劣るのに比べて、クロライトやイライトを含有する吸着材は、その層状構造の為に高い選択性が期待できるので、ゼオライトに比べて吸着性能が優れていると考えてよい。
ここで、鉱物の層間構造の吸着と離脱の機序は、吸着しようとする物質の大きさと層間との関係で決まり、その吸着性は放射性セシウム、放射性ストロンチウムのイオン直径と層間距離、及びその層間の陰イオン性の強度に依存する。1:2型鉱物であるクロライトやイライトの層間構造は、Si-OとMg-Oからなる二層のシートから構成されており、その層間は強い陰イオン性を持つので、侵入した放射性セシウムや放射性ストロンチウムの陽イオンをイオン吸着して、強く保持する。従って、クロライトとイライトが、放射性セシウム、放射性ストロンチウムを選択的に吸着し、容易に溶出しない(つまり不溶出である)適切な鉱物であることが判明した。
以上に基づいて、本発明の放射性物質吸着材は、クロライトを単位体積あたり少なくとも8%、イライトを単位体積あたり少なくとも5%、シルトを単位体積あたり多くとも80%を含有することとしているが、クロライトとイライトの単位体積あたりの総量が13%より少ないと、大きさ(体積)に対して放射性物質の吸着率が悪く、全体として無駄にスペースを使うこととなってしまう。
一方、シルトを単位体積あたり80%より多く含有すると、結局、クロライトとイライトの単位体積あたりの総量が相対的に少なくなるから上記と同じこととなる他、シルト中の不要な物質が放射性物質の吸着の妨げとなる可能性がある。
ちなみにシルトは砂よりも小さい(化学的・鉱物的定義では2μm以下の粒子の集合体)微砂であるが、本発明の放射性物質吸着材においては、クロライトを単位体積あたり少なくとも8%、イライトを単位体積あたり少なくとも5%、シルトを単位体積あたり多くとも80%を、水を加えて混錬し、焼結して製造することで、用途に応じて自由に成形することができる。また、シルトが単位体積あたり多くとも80%程度含有していることで、機械的強度を維持することができる。
さらに、より詳細には、クロライトとイライトの単位体積あたりの最低含有割合は13%(クロライト:単位体積あたり最低で8%、イライト:単位体積あたり最低で5%)であるが、クロライトとイライトの最低含有割合に関しては前記の逆であると、また、クロライトが単位体積あたり8%より少ないと、また、イライトは単位体積あたり5%より少ないと、シルトとの関係で機械的強度に優れるものの、放射性セシウムと放射性ストロンチウムの「両者」に対する吸着効率が悪くなると共に雨水や海水に晒した環境下で容易に溶出する可能性がある。
また、焼結温度は、300〜600℃とするのが望ましい。300℃より低い温度であると、クロライト、イライトの層間に不純物として侵入している水分子や有機物質が除去されないため、放射性セシウムなどの層間への侵入やイオン吸着を阻害する。また、低温ではペレット中の成分同士の焼結が不十分となり、機械的強度が低下する。一方、600℃より高温で焼結すると、鉱物中の結晶水の脱離によって、クロライト、イライトの層状構造が変化したり、破壊されたりして、目的とする放射性物質吸着材としての吸着と保持(不溶出)の機能を維持できない。
以下、本発明の実施例により放射性物質吸着材の効果を確認するために行った実験について説明する。
実験方法は、次の通りである。平均粒径0.1mm以下のほぼ純度100%に調製した、ゼオライト、バーミキュライト、クロライト、イライトの単体の各粉末(加熱無、以下、粉末という)、及びクロライト8%とイライト5%及びシルト80%を含有する粉末(以下、混合粉末という)のそれぞれ4gを試験管に入れ、そこに適当な濃度に調製した標準放射性核種である放射性セシウム(Cs134)あるいは放射性ストロンチウム(Sr90)の溶液20mlを添加し、300rpmで120分間振とうした。次いで、2000rpmで10分間遠心分離したのち、上澄み液を孔径0.45μmのメンブランフィルタでろ過し、そのろ過液の放射能濃度をCs134はガンマ線、Sr90はベータ線をNaI(TI)シンチレーション検出器で計測して、吸着率を算出した。
また、放射性物質を吸着した状態の各条件の粉末、混合粉末をそれぞれ試験管に挿入し、試験管に水(純水)、天然海水と同じ組成に調製した人工海水をそれぞれ20ml添加し、各々300rpmで120分振とうした。そして、上記吸着率と同様、2000rpmで10分間遠心分離した後、上澄み液を孔径0.45μmのメンブランフィルタでろ過し、ろ過液の放射能濃度をNaI(Tl)シンチレーション検出器で計測して、溶出率を算出した。この結果を表1に示す。
Figure 0006825193
表1に示すとおり、ゼオライト粉末は、放射性セシウムと放射性ストロンチウムの吸着率が極めて高く、溶出率も低かった。バーミキュライト粉末は、放射性セシウムと放射性ストロンチウムの吸着率が極めて高く、放射性セシウムの溶出率が極めて低かったが、放射性ストロンチウムの溶出率は高かった。
一方、クロライト粉末、イライト粉末は、吸着率、溶出率の全般的にゼオライト粉末、バーミキュライト粉末よりは劣っていた。しかし、混合粉末は、放射性セシウムの吸着率がほぼ100%となり、海水に対する溶出率は最大でも1.9%となった。
また、混合粉末は、放射性セシウムに関しては、吸着率99.7%でほぼ100%となり、溶出率も1.9%と抑制された。この結果は、クロライト粉末、イライト粉末、単体より良好であり、鉱物の混合による相乗効果によると考えられる。放射性ストロンチウムに対しては、イライト粉末単体よりは吸着率が上がるがクロライト粉末単体よりは吸着率が下がり、海水における溶出率はクロライト粉末、イライト粉末、単体程度となった。
続いて、混合粉末に対し、若干の水を加えて混練し、この混練時で4g、大きさ直径約1cm、高さ約2cmの平面視4枚花形の「花形柱状」ペレットと、直径1cmで高さ2cmの平面視円形の「円柱状」のペレットを焼結した(以下、両者を総称するときは焼結ペレットという)。形状を変えたのは吸着率、溶出率に及ぼす焼結ペレットの表面積と形状の効果を確認するためである。
そして、花形柱状のペレットと円柱状のペレットのそれぞれを試験管に入れ、そこに適当な濃度に調製した標準放射性核種である放射性セシウム(Cs134)あるいは放射性ストロンチウム(Sr90)の溶液20mlを添加し、300rpmで120分間振とうした。次いで、これを2000rpmで10分間遠心分離したのち、上澄み液を孔径0.45μmのメンブランフィルタでろ過し、そのろ過液の放射能濃度をCs134はガンマ線、Sr90はベータ線をNaI(TI)シンチレーション検出器で計測して、吸着率を算出した。
また、放射性物質を吸着した状態の花形柱状のペレットと円柱状のペレットのそれぞれを試験管に挿入し、この試験管に、天然雨水(pH 5.6)、人工海水をそれぞれ20ml添加し、各々300rpmで120分振とうした。そして、上記吸着率と同様、2000rpmで10分間遠心分離した後、上澄み液を孔径0.45μmのメンブランフィルタでろ過し、ろ過液の放射能濃度をNaI(Tl)シンチレーション検出器で計測して、溶出率を算出した。この結果を表2に示す。なお、表2には、比較対象として表1の混合粉末の(表1の)結果を示した。
Figure 0006825193
表2の結果、花形柱状ペレット、円柱状ペレットの両方で、放射性セシウム、放射性ストロンチウムの吸着率はほぼ100%となり、形状の影響は認められなかった。また、自然環境での使用を考慮して、雨水、海水に対する溶出率を検討したが、焼結ペレットからの放射性セシウム、放射性ストロンチウムの溶出を、陽イオン濃度の高い海水でもほぼ抑制することができた。
海水に対する放射性ストロンチウムの溶出がわずかに認められるのは、海水中に高濃度に含まれるカルシウムイオンが、ペレット表面に吸着した放射性ストロンチウムと置換していることを示唆している。溶出率から考えて、この置換反応の結合エネルギーレベルは非常に低いと予想される。従って、この溶出は実用上の使用では問題ないと考える。
この焼結ペレットは表1に示したゼオライト粉末、バーミキュライト粉末単体よりも高い吸着率を示し、特筆すべきは、放射性ストロンチウムの雨水及び海水の溶出率が表1のゼオライト粉末、バーミキュライト粉末単体の結果と較べて低下している点であり、放射性物質吸着材として優れた性能を示している。なお、ペレット成型時に微量のセメントを混入すれば、放射性ストロンチウムの溶出は完全に抑制できる。
従来から使用されている放射性物質吸着材の多くは、含水率が高いスラリー状であり、現場での使用や保管に多くの難点がある。本願発明による焼結ペレットは、機械的強度が高く、従来のスラリー状のものと較べて現場での使用性に優れて、また、使用後の保管処理も容易である。
なお、現状での汎用法は、放射性セシウムをコンクリートで固化し、保管する方法であるが、コンクリートは強アルカリ性であるために、アルカリ元素である放射性セシウムは、固化したコンクリート中から雨水等によってイオン化し、容易に溶出することが実験的に確認されている。本焼結ペレットは、このような再溶出のリスクが極めて小さいので、保管管理も容易である。
本願発明は、放射性物質の速効的で完璧な吸着性と、長期に亘り雨水や海水に晒された環境下においても、吸着した放射性セシウム、放射性ストロンチウムを再溶出させない保持性の点で、放射能汚染の拡散防止、除染処理、保管管理に極めて大きな意味があり、原子力産業上、有益である。

Claims (2)

  1. クロライトを単位体積あたり8%、イライトを単位体積あたり5%、シルトを単位体積あたり8%含有することを特徴とする放射性物質吸着材。
  2. 単位体積あたり8%のクロライト、単位体積あたり5%のイライト、単位体積あたり80%のシルトを、水を加えて混錬し、焼結したことを特徴とする放射性物質吸着材の製造方法。
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