JP6233579B2 - インクジェット捺染用のインク組成物および捺染方法 - Google Patents
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Description
出すことは非常に困難である。
本発明に係るインクジェット捺染用のインク組成物の一態様は、
下記条件A、B、Cを満たすそれぞれの染料と、1気圧下での沸点が190℃以上260℃未満である2種類以上の溶媒と、水と、を含んでなるインク組成物であって、
前記溶媒は、含窒素複素環式化合物を前記インク組成物の全質量に対して5質量%以上と、アルキルポリオールを前記インク組成物の全質量に対して5%質量%以上と、を含むことを特徴とする。
A:最大吸収波長が550nm以上750nm以下の範囲
B:最大吸収波長が450nm以上500nm未満の範囲
C:最大吸収波長が400nm以上450nm未満の範囲
適用例1のインクジェット捺染用のインク組成物において、
前記条件Aを満たす染料が、C.I.リアクティブブラック39、C.I.リアクティブブルー49、およびC.I.リアクティブブルー72のうち少なくとも1種を含んでもよく、
前記条件Bを満たす染料が、C.I.リアクティブオレンジ13、およびC.I.リアクティブブラウン11の少なくとも一方を含んでもよく、
前記条件Cを満たす染料が、C.I.リアクティブオレンジ12、C.I.リアクティブオレンジ99、およびC.I.リアクティブイエロー95のうち少なくとも1種を含んでもよい。
適用例1又は適用例2のインクジェット捺染用のインク組成物において、
前記インク組成物の全質量に対して、前記条件Aを満たす染料の含有量が10質量%以上であり、かつ前記染料の総量が13質量%以上であることができる。
適用例1ないし適用例3の何れか一例のインクジェット捺染用のインク組成物において、
1気圧下での沸点が260℃以上のアルキルポリオールを実質的に含有しなくてもよい。
適用例1ないし適用例4の何れか一例のインクジェット捺染用のインク組成物において、
前記条件A、B、Cを満たすそれぞれの染料を10ppmの濃度で含む水溶液とした場
合の最大吸収波長における吸光度が、それぞれ、0.3以上であることができる。
適用例1ないし適用例5の何れか一例のインクジェット捺染用のインク組成物において、
最大吸収波長が500nm以上550nm未満の範囲にある染料をさらに含んでもよい。
適用例1ないし適用例6の何れか一例のインクジェット捺染用のインク組成物において、
前記最大吸収波長が500nm以上550nm未満の範囲にある染料が、C.I.リアクティブレッド3:1、C.I.リアクティブレッド24、およびC.I.リアクティブレッド218のうち少なくとも1種を含んでもよい。
本発明に係る捺染方法の一態様は、
アルカリ剤およびヒドロトロピー剤の少なくとも一方を用いて前処理された布帛に対して、適用例1ないし適用例7の何れか一例に記載のインクジェット捺染用のインク組成物を用いて印捺する工程を含む。
本発明の一実施形態に係るインクジェット捺染用のインク組成物は、下記条件A、B、Cを満たすそれぞれの染料と、1気圧下での沸点が190℃以上260℃未満である2種類以上の溶媒と、水と、を含んでなるインク組成物であって、前記溶媒は、含窒素複素環式化合物を前記インク組成物の全質量に対して5%質量%以上と、アルキルポリオールを前記インク組成物の全質量に対して5%質量%以上と、を含むことを特徴とする。
A:最大吸収波長が550nm以上750nm以下の範囲
B:最大吸収波長が450nm以上500nm未満の範囲
C:最大吸収波長が400nm以上450nm未満の範囲
、水、その他の添加剤の順に説明する。
本実施形態に係るインクジェット捺染用のインク組成物は、上記の条件A、条件B、条件Cを満たすそれぞれの染料を含有する。以下、上記条件Aを満たす染料を「染料A」、上記条件Bを満たす染料を「染料B」、上記条件Cを満たす染料を「染料C」として説明する。
彩度(C*)={(a*)2+(b*)2}1/2 ・・・(i)
染料Aは、最大吸収波長が550nm以上750nm以下の範囲にある染料である。染料Aの最大吸収波長は、550nm以上750nm以下の範囲にある必要があるが、好ましくは600nm以上700nm以下の範囲にあるものである。染料Aの最大吸収波長が上記範囲内にあることで、他の染料(染料Bや染料C)と相補的に作用して、ブラックの色調の再現性に優れたインク組成物を得ることができる。一方、染料Aの最大吸収波長が550nm未満であると、ブラックの色調を良好に再現することが困難になる。
染料Bは、最大吸収波長が450nm以上500nm未満の範囲にある染料である。染料Bの最大吸収波長は、450nm以上500nm未満の範囲にある必要があるが、好ましくは460nm以上490nm以下の範囲にあるものである。染料Bの最大吸収波長が上記範囲内にあることで、他の染料(染料Aや染料C)と相補的に作用して、ブラックの色調の再現性に優れたインク組成物を得ることができる。一方、染料Bの最大吸収波長が上記範囲外にあると、ブラックの色調を良好に再現することが困難になる。
染料Cは、最大吸収波長が400nm以上450nm未満の範囲にある染料である。染料Cの最大吸収波長は、400nm以上450nm未満の範囲にある必要があるが、好ましくは400nm以上430nm以下の範囲にあるものである。染料Cの最大吸収波長が上記範囲内にあることで、他の染料(染料Aや染料B)と相補的に作用して、ブラックの色調の再現性に優れたインク組成物を得ることができる。一方、染料Cの最大吸収波長が上記範囲外にあると、ブラックの色調を良好に再現することが困難になる。
発色性が優れたものとなる。
本実施形態に係るインクジェット捺染用のインク組成物は、最大吸収波長が500nm以上550nm未満の範囲にある染料(以下、「染料D」ともいう。)をさらに含有することが好ましい。染料Dの最大吸収波長は、500nm以上550nm未満の範囲にある必要があるが、520nm以上550nm以下の範囲にあることが好ましい。上記染料A,染料B,染料Cに加えて、最大吸収波長の範囲が上記範囲にある染料Dを含有することで、ブラックの色調の再現性および発色性が一層優れたものとなる。
本実施形態に係るインクジェット捺染用のインク組成物は、1気圧下での沸点(標準沸点)が190℃以上260℃未満である2種類以上の溶媒を含有し、当該溶媒は、窒素複素環式化合物と、アルキルポリオールと、を少なくとも含む。
性と保湿性のバランスが一層良好になる傾向がある。
標準沸点が190℃以上260℃未満である含窒素複素環式化合物は、上述した染料の溶解性に優れ、かつ、インク組成物の固化や乾燥を抑制するという機能を備える。
標準沸点が190℃以上260℃未満であるアルキルポリオールは、インク組成物の固化や乾燥を抑制するという機能を備える。
リオールの具体例としては、トリエチレングリコール[287℃]、グリセリン[290℃]等が挙げられる。
標準沸点が190℃以上260℃未満の溶媒は、上記の含窒素複素環式化合物およびアルキルポリオール以外の溶媒をさらに含んでいてもよい。このような溶媒としては、特に制限されないが、例えば、標準沸点が190℃以上260℃未満のグリコールエーテルやラクトンが挙げられる。グリコールエーテルおよびラクトンは、インクの濡れ性や浸透速度を良好に制御できるため、画像の発色性を向上できる場合がある。標準沸点が190℃以上260℃未満のグリコールエーテルとしては、例えばジエチレングリコールモノブチルエーテル[230℃]が挙げられる。標準沸点が190℃以上260℃未満のラクトンとしては、例えばγ−ブチロラクトン[204℃]が挙げられる。なお、括弧内の数値は標準沸点を表す。
本実施形態に係るインクジェット捺染用のインク組成物は、水を含有する。水は、インク組成物の主となる液媒体である。水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水又は超純水のようなイオン性不純物を極力除去したものであることが好ましい。水の含有量は、インク組成物の全質量に対して、例えば50質量%以上とすることができる。
本実施形態に係るインクジェット捺染用のインク組成物は、必要に応じて、界面活性剤、尿素類、糖類、pH調整剤、キレート化剤、防腐剤、防かび剤、防錆剤等を含有してもよい。
界面活性剤は、インク組成物の表面張力を低下させ記録媒体との濡れ性を調整する機能を備える。界面活性剤の中でも、アセチレングリコール系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、およびフッ素系界面活性剤を好ましく用いることができる。
ましく挙げられる。当該ポリシロキサン系化合物としては、特に限定されないが、例えばポリエーテル変性オルガノシロキサンが挙げられる。当該ポリエーテル変性オルガノシロキサンの市販品としては、例えば、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−348(以上商品名、BYK社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(以上商品名、信越化学工業社製)が挙げられる。
尿素類は、インクの保湿剤として機能したり、染料の染着性を向上させる染着助剤として機能する。尿素類の具体例としては、尿素、エチレン尿素、テトラメチル尿素、チオ尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。尿素類を含有する場合には、その含有量は、インク組成物の全質量に対して、1質量%以上10質量%以下とすることができる。
糖類は、インクの固化、乾燥を抑制する保湿剤として機能する。糖類の具体例としては、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール(ソルビット)、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、およびマルトトリオース等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、アンモニア、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、トリスヒドロキシメチルアミノメタン(THAM)、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)、モルホリノエタンスルホン酸(MES)、カルバモイルメチルイミノビス酢酸(ADA)、ピペラジン−1,4−ビス(2−エタンスルホン酸)(PIPES)、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、コラミン塩酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸(TES)、アセトアミドグリシン、トリシン、グリシンアミド、ビシン等のグッドバッファー、リン酸緩衝液、トリス緩衝液などが挙げられる。
キレート化剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸およびそれらの塩類(エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム塩等)等が挙げられる。
防腐剤、防かび剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンゾイソチアゾリン−3−オン(ゼネカ社のプロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL.2、プロキセル
TN、プロキセルLV)、4−クロロ−3−メチルフェノール(バイエル社のプリベントールCMK等)などが挙げられる。
防錆剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
上記以外の成分として、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、溶解助剤など、インクジェット捺染用のインク組成物において通常用いることができる添加剤を含有してもよい。
本実施形態に係るインク組成物は、前述した成分を任意な順序で混合し、必要に応じて濾過等をして不純物を除去することにより得られる。各成分の混合方法としては、メカニカルスターラー、マグネチックスターラー等の撹拌装置を備えた容器に順次材料を添加して撹拌混合する方法が好適に用いられる。濾過方法としては、遠心濾過、フィルター濾過等を必要に応じて行なうことができる。
本実施形態に係るインク組成物は、画像品質とインクジェット捺染用のインク組成物としての信頼性とのバランスの観点から、20℃における表面張力が20mN/m以上40mN/mであることが好ましく、23mN/m以上38mN/m以下であることがより好ましい。なお、表面張力の測定は、例えば、自動表面張力計CBVP−Z(商品名、協和界面科学株式会社製)を用いて、20℃の環境下で白金プレートをインクで濡らしたときの表面張力を確認することにより測定することができる。
本実施形態に係る捺染方法は、上述したインクジェット捺染用のインク組成物を布帛に印捺する工程(以下、「印捺工程」ともいう。)を含む。以下、本実施形態に係る捺染方法に含む工程および含み得る工程について、工程毎に説明する。
本実施形態に係る捺染方法は、布帛にアルカリ剤およびヒドロトロピー剤の少なくとも一方を含有する前処理液を付与する前処理工程を備えていてもよい。これにより染料の染着性が一層向上する。
本実施形態に係る捺染方法は、上述したインクジェット捺染用のインク組成物を布帛に印捺する印捺工程を含む。具体的には、インクジェット記録方式により吐出されたインク滴を布帛に付着させて、布帛に画像を形成する。インクジェット記録方式としては、いずれの方式でもよく、荷電偏向方式、コンティニュアス方式、オンデンマンド方式(ピエゾ式、バブルジェット(登録商標)式)などが挙げられる。これらのインクジェット記録方式の中でも、ピエゾ式のインクジェット記録装置を用いる方式が特に好ましい。
本実施形態に係る捺染方法は、上記のインク組成物が印捺された布帛を熱処理する熱処理工程を含んでもよい。熱処理工程を行うことにより、染料が繊維に良好に染着する。熱処理工程は従来公知の方法を用いることができ、例えば、HT法(高温スチーミング法)
、HP法(高圧スチーミング法)、サーモゾル法等が挙げられる。
本実施形態に係る捺染方法は、印捺物を洗浄する洗浄工程を含んでもよい。洗浄工程は、上記の熱処理工程の後に行うことが好ましく、繊維に染着していない染料を効果的に除去することができる。洗浄工程は、例えば水を用いて行うことができ、必要に応じてソーピング処理を行ってもよい。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1の組成になるように各成分を容器に入れて、マグネチックスターラーで2時間混合および攪拌した後、孔径5μmのメンブランフィルターで濾過することで、実施例および比較例に係るインク組成物を得た。なお、表1中の数値は、質量%を示し、イオン交換水はインク組成物の全質量が100質量%となるように添加した。
・R.B.49(C.I.リアクティブブルー49、最大吸収波長:587nm、最大吸収波長における吸光度:0.16)
・R.B.72(C.I.リアクティブブルー72、最大吸収波長:668nm、最大吸収波長における吸光度:0.524)
・R.R.3:1(C.I.リアクティブレッド3:1、最大吸収波長:535nm、最大吸収波長における吸光度:0.288)
・R.R.24(C.I.リアクティブレッド24、最大吸収波長:535nm、最大吸収波長における吸光度:0.359)
・R.R.218(C.I.リアクティブレッド218、最大吸収波長:548nm、最大吸収波長における吸光度:0.440)
・R.O.13(C.I.リアクティブオレンジ13、最大吸収波長:489nm、最大吸収波長における吸光度:0.448)
・R.B.11(C.I.リアクティブブラウン11、最大吸収波長:463nm、最大吸収波長における吸光度:0.287)
・R.O.12(C.I.リアクティブオレンジ12、最大吸収波長:420nm、最大吸収波長における吸光度:0.348)
・R.O.99(C.I.リアクティブオレンジ99、最大吸収波長:420nm、最大吸収波長における吸光度:0.323)
・R.Y.95(C.I.リアクティブイエロー95、最大吸収波長:422nm、最大吸収波長における吸光度:0.375)
・DEGmBE(ジエチレングリコールモノブチルエーテル、標準沸点230℃)
・オルフィンPD−002W(商品名、日信化学工業社製、アセチレングリコール系界面活性剤)
・プロキセルXL2(商品名、アーチ・ケミカルズ社製)
ポリオキシエチレンジイソプロピルエーテル(オキシエチレン=30モル)を5質量部、エーテル化カルボキシメチルセルロースを5質量部、尿素(ヒドロトロピー剤)100質量部、m−ベンゼンスルホン酸ナトリウム10質量部をよく混合した後、イオン交換水1000質量部に少量ずつ添加しながら60℃下で30分攪拌する。その後、炭酸ナトリウム(アルカリ剤)30質量部を攪拌されている溶液にさらに加えて10分攪拌し、この溶液を孔径10μmのメンブレンフィルターで濾過することにより前処理液を得た。
3.3.1.発色性(発色濃度)
上記のようにして得られた前処理液を布帛(綿100%)に塗布して、マングルにてピックアップ率20%で絞って乾燥させた。その後、インクジェットプリンターPX−G930(セイコーエプソン株式会社製)のカートリッジに上記のインク組成物を充填し、前処理を行った布帛にインク組成物を付着させて画像を印捺した。画像解像度は1440×720dpiとした。画像の印捺された布帛に対して102℃で10分間スチーミングを行った後、ラッコールSTA(明成化学株式会社製、界面活性剤)を0.2質量%含む水溶液を用いて90℃で10分間洗浄し、乾燥させたものを評価サンプルとした。
B:OD値が1.65以上1.7未満
C:OD値が1.6以上1.65未満
D:OD値が1.6未満
上記の「3.3.1.発色性(発色濃度)」で得られた評価サンプルを用いて、測色器(商品名「Gretag Macbeth Spectrolino」、X−RITE社製)で画像のL*、a*、b*値を測定し、得られた値に基づいて、色相の判定を行った。
B:−4<a*<4、−4<b*<4、かつC*<5.5
C:−5<a*<5、−5<b*<5、かつC*<7
D:5≦|a*|、5≦|b*|、または7≦|C*|
インクジェットプリンターPX−G930(セイコーエプソン株式会社製)のカートリッジに上記のインク組成物を充填した。充填後、ノズルチェックパターンを印刷して充填不良・ノズル目詰まりのないことを確認してから、ヘッドをホームポジションに戻した状態(すなわちヘッドノズル面にヘッドキャップをした状態)にして、35℃/40%RHの環境下で一週間放置した。放置後、ノズルチェックパターンを印刷してノズルの吐出状況を観察することで、インク組成物のインクジェットヘッドの目詰まり性を評価した。そ
の評価基準を以下に示すと共に、その評価結果を表1に示す。
B:クリーニング動作が2回〜5回の範囲内で、全ノズルからインク組成物が正常吐出された
C:クリーニング動作が6回〜10回の範囲内で、全ノズルからインク組成物が正常吐出された
D:全ノズルからインク組成物が正常吐出されるまでにクリーニング動作が11回以上必要、あるいはクリーニング動作を11回以上行っても正常吐出されないノズルがあった
上記の「目詰まり信頼性」の評価と同様に、インクジェットプリンターPX−G930(セイコーエプソン株式会社製)のカートリッジに上記のインク組成物を充填し、ノズルチェックパターンを印刷して充填不良・ノズル目詰まりのないことを確認した。そして、本試験では、プリンターヘッドのキャップを外した状態(すなわちヘッドノズル面が乾燥しやすい状態)にして、25℃/40%RHの環境下で一週間放置した。放置後、必要に応じてクリーニング動作を行ってノズルチェックパターンを印刷してノズルの吐出状況を観察することで、インク組成物のインクジェットヘッドの目詰まり性を評価した。その評価基準を以下に示すと共に、その評価結果を表1に示す。
B:クリーニング動作が2回〜5回の範囲内で、全ノズルからインク組成物が正常吐出された
C:クリーニング動作が6回〜10回の範囲内で、全ノズルからインク組成物が正常吐出された
D:全ノズルからインク組成物が正常吐出されるまでにクリーニング動作が11回以上必要、あるいはクリーニング動作を11回以上行っても正常吐出されないノズルがあった
インクジェットプリンターPX−G930(セイコーエプソン株式会社製)のカートリッジに上記のインク組成物を充填後、A4判普通紙に1000枚の連続ベタ印字を行い、クリーニング動作を行なわずに連続で印刷できる枚数の平均値を求め、下記判定基準により評価した。また、評価結果を表1に示す。
<試験方法>
(1)印刷中、印刷不備(ドットの乱れ、抜け、曲り)が発生した段階で印刷を中断し、クリーニング動作を行い回復させる。回復に複数回のクリーニングを要した場合は、複数回のクリーニング動作を合わせて不備1回とみなす。
(2)インクカートリッジのインクエンドによる印刷の一時停止の場合、または明らかにインクエンドが原因と判断できる印刷不備の場合はノーカウントとし、速やかにインクカートリッジを交換して、印刷を再開させる。
<判定基準>
A:平均連続印刷枚数が、80枚以上
B:平均連続印刷枚数が、40枚以上80枚未満
C:平均連続印刷枚数が、20枚以上40枚未満
D:平均連続印刷枚数が、20枚未満
上記の評価試験の結果を表1に示す。
Claims (7)
- 下記条件A、B、Cを満たすそれぞれの染料と、1気圧下での沸点が190℃以上260℃未満である2種類以上の溶媒と、水と、を含んでなるインク組成物であって、
前記条件A、B、Cを満たすそれぞれの染料を10ppmの濃度で含む水溶液とした場合の最大吸収波長における吸光度が、それぞれ、0.3以上であり、
前記溶媒は、含窒素複素環式化合物を前記インク組成物の全質量に対して5質量%以上と、アルキルポリオールを前記インク組成物の全質量に対して5質量%以上と、を含むことを特徴とする、インクジェット捺染用のインク組成物。
A:最大吸収波長が550nm以上750nm以下の範囲
B:最大吸収波長が450nm以上500nm未満の範囲
C:最大吸収波長が400nm以上450nm未満の範囲 - 前記条件Aを満たす染料が、C.I.リアクティブブラック39、C.I.リアクティブブルー49、およびC.I.リアクティブブルー72のうち少なくとも1種を含み、
前記条件Bを満たす染料が、C.I.リアクティブオレンジ13、およびC.I.リアクティブブラウン11の少なくとも一方を含み、
前記条件Cを満たす染料が、C.I.リアクティブオレンジ12、C.I.リアクティブオレンジ99、およびC.I.リアクティブイエロー95のうち少なくとも1種を含む、請求項1に記載のインクジェット捺染用のインク組成物。 - 前記インク組成物の全質量に対して、前記条件Aを満たす染料の含有量が10質量%以上であり、かつ前記染料の総量が13質量%以上である、請求項1又は請求項2に記載のインクジェット捺染用のインク組成物。
- 1気圧下での沸点が260℃以上のアルキルポリオールを実質的に含有しない、請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載のインクジェット捺染用のインク組成物。
- 最大吸収波長が500nm以上550nm未満の範囲にある染料をさらに含む、請求項1ないし請求項4の何れか一項に記載のインクジェット捺染用のインク組成物。
- 前記最大吸収波長が500nm以上550nm未満の範囲にある染料が、C.I.リアクティブレッド3:1、C.I.リアクティブレッド24、およびC.I.リアクティブレッド218のうち少なくとも1種を含む、請求項5に記載のインクジェット捺染用のインク組成物。
- アルカリ剤およびヒドロトロピー剤の少なくとも一方を用いて前処理された布帛に対して、請求項1ないし請求項6の何れか一項に記載のインクジェット捺染用のインク組成物を用いて印捺する工程を含む、捺染方法。
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