JP6232824B2 - 軒先構成体 - Google Patents
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しかし、台風などの風雨が強い天候のときには、強風に煽られた雨水が家屋の外壁にぶつかったり廻り込んだりして、通気孔105から鼻隠し化粧板101の内側に浸入することがある。また、風雨によらなくとも、濃霧が発生しやすい季節や地域では、霧が通気孔105から入り込んで鼻隠し化粧板101の内側を濡らすことがある。
通気孔105が屋外に露出している以上、通気孔105から軒先の内部に雨水が浸入することは避けられないが、雨水の付着や滞留による軒先構成部材の劣化や腐食の進行を抑止するには、雨水が軒先構成部材に付着したり内部に滞留したりすることがないような手段を軒先内部に講じておくことが肝要である。
家屋側の端部を下向きに折り曲げた水切り板を前記鼻隠し下地材に取り付けて鼻隠し下地材の下部を水切り板で覆うとともに、この水切り板の前記折り曲げた側の端部を、前記鼻隠し化粧板に形成された通気孔の上方であって通気孔よりも家屋側に寄った位置に配置した構成を有することを特徴とする。
風雨が強いときなどに通気孔から雨水が浸入することがあるが、鼻隠し下地材に水切り板を取り付けて鼻隠し下地材の下部を水切り板で覆ってあるので、通気孔から鼻隠し化粧板の内部に浸入した雨水が鼻隠し下地材の下部に付着して鼻隠し下地材を劣化させることはない。また、水切り板はその折れ部側の端部が通気孔よりも家屋側に寄った位置に配置されているので、強風により噴霧状の雨水が通気孔から浸入しても、その殆どが水切り板に衝突して屋根裏空間へと入り込むことを防ぎ、軒先構成部材の雨水の付着による劣化や腐食の進行を抑えることができる。
鼻隠し化粧板の底面部は、後方へ屈曲した折れ面部と斜め上方へ折れた傾斜面部により形成されており、通気孔は家屋側に面した傾斜面部の面内に形成されているので、軒下から軒先を見上げたときに通気孔が目立たず、また、鼻隠し化粧板の表面を伝う雨水が傾斜面部に回り込んで通気孔から化粧板内部に入り込むことはない。
通気孔は傾斜面部の面内に当該化粧板の長手方向に沿って細幅に複数並設させて形成してあるので、通気孔から化粧板内に雨水が浸入しても、雨水は傾斜面部の内面を伝いつつ通気孔から外部に排出されて、化粧板の内部に滞留することはない。
鼻隠し化粧板の底面部を折れ面部と通気孔が並設された傾斜面部により形成する場合、排水孔は折れ面部の面内に形成することができ、前述の如く化粧板内に浸入した雨水が通気孔から排出されることと相俟って排水孔からも雨水が排出されることにより、化粧板の内部に雨水が滞留することを確実に防止することができる。
図1〜図4は本発明の一実施形態の軒先構成体を取り付けた家屋の軒先を示しており、これは軒先部材である鼻隠し下地材2に沿って軒樋支持具3で軒樋4が支持されているととともに、屋根側端部に沿って破風化粧板5が取り付けられた軒先1に本形態の軒先構成体6を取り付けて、屋根裏空間9の換気が行えるように構成されたものである。同図中、符号10,11はそれぞれ軒天部材である軒天板と軒天留付材である。
また、通気孔72cの隙間72c2は凹段部72c1の両側に位置しているため、風雨が通気孔72に吹き付けたときに、凹段部72c1の表面が雨水を遮蔽する遮蔽板として機能し、凹段部72c1に衝突した雨水がその表面に付着し水滴となって下方へ流れ落ち、通気孔72cから鼻隠し化粧板7の内部への雨水の浸入を抑止して、隙間72c2から外気を効率的に流入させることができるようになっている。また、通気孔72cは傾斜面部72bに形成してあるので、仮に通気孔72cから鼻隠し化粧板7内に雨水が浸入しても、雨水は傾斜面部72bの内面を伝い下方へ流れ落ちて通気孔72cから外部へと排出されるようになっている。
図5に示されるように、軒先1に取り付けられた軒先構成体6は、下面22に水切り板8が取り付けられた鼻隠し下地材2の下部を、鼻隠し化粧板7の前側取り付け面部71,底面部72及び後側取り付け面部73の各面部で囲い、鼻隠し下地材2の下側に中空な換気室を形成し、この換気室内で水切り板8は、その折れ部81が前記傾斜面部72bに設けられた通気孔72cの直上よりも家屋側に寄った位置に配置される。
さらに、鼻隠し化粧板7の底面部72に排水孔72dを複数設けてあるので、通気孔72cから内部に雨水が浸入しても、雨水は排水孔72dから外部へと排出されるので、鼻隠し化粧板7の内部に雨水が滞留することはなく、滞留により化粧板内部が腐蝕するようなこともない。
また、図7はさらに他の軒先1の構成を示しており、これは、軒の出が比較的短い軒下に軒天板10を水平に取り付ける形態に対応させて、水平な軒天板10の端部が係合するように鼻隠し化粧板7の後側取り付け面部73を形成した構成のものである。
Claims (2)
- 鼻隠し下地材に取り付けた鼻隠し化粧板で当該鼻隠し下地材の下部を囲い、前記鼻隠し化粧板の底面部に形成された通気孔を介して家屋の外側と屋根裏空間とを連通させた構成を有する軒先構成体において、
家屋側の端部を下向きに折り曲げた水切り板を前記鼻隠し下地材に取り付けて鼻隠し下地材の下部を水切り板で覆い、この水切り板の前記折り曲げた側の端部を、前記鼻隠し化粧板に形成された通気孔の上方であって通気孔よりも家屋側に寄った位置に配置するとともに、
前記鼻隠し化粧板の底面部の面内に、鼻隠し化粧板の内部に浸入した雨水を排出するための排水孔を複数設けた構成を有することを特徴とする軒先構成体。 - 鼻隠し化粧板は、鼻隠し下地材の前面に取り付け固定される前側取り付け面部と、前側取り付け面部の下端部で後方へ屈曲した折れ面部と折れ面部の端部から斜め上方へ折れた傾斜面部を有する底面部と、底面部の端部で上方へ折れていて軒天留付材に取り付け固定される後側取り付け面部とを有し、前記底面部の傾斜面部の面内に細幅の通気孔を並設して形成された構成を有することを特徴とする請求項1に記載の軒先構成体。
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