図1は前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面図、図2は前扉を180度開いた状態を示すスロットマシンの正面図を示す。
図1及び図2中、100はスロットマシンを示すもので、このスロットマシン100は、図1に示すように、スロットマシン本体120と、このスロットマシン本体120の前面片側にヒンジ等により開閉可能に取り付けられた前扉130とを備えている。前記前扉130の前面には、図1に示すように、ほぼ中央にゲーム表示部131を設け、ゲーム表示部131の右下隅部に、遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口132を設け、メダル投入口132の下側には、メダル投入口132から投入され、詰まってしまったメダルをスロットマシン100外に強制的に排出するためのリジェクトボタン133が設けられている。
また、前記ゲーム表示部131の左下方には、ゲームを開始するためのスタートスイッチ134を設けてあり、3つの回胴のそれぞれに対応して3つのストップボタン140を設けてある。前扉130の下端部中央には、メダルの払出し口135を設けてある。前記ゲーム表示部131の上側には、液晶表示装置LCDが設けてある。
スロットマシン本体120の内部には、図2に示すように、その内底面に固定され、内部に複数のメダルを貯留して、貯留したメダルを前扉130の前面に設けた払出し口135に1枚ずつ払い出すためのホッパ装置121が設置されている。このホッパ装置121の上部には、上方に向けて開口し、内部に複数のメダルを貯留するホッパタンク122を備えている。スロットマシン本体120の内部には、前扉130を閉めたときにゲーム表示部131が来る位置に三個の回胴からなるリール(回胴)ユニット203が設置されている。リールユニット203は、外周面に複数種類の図柄が配列されている3つの回胴(第1回胴〜第3回胴)を備えている。ゲーム表示部131には開口部が設けられていて、それを通して遊技者が前記リールユニット203の各回転回胴の図柄を見ることができるようになっている。ホッパ装置121の左側には電源部205が設けられている。
前記前扉130の裏面には、図2に示すように、メダル(コイン)セレクタ1が、前扉130の前面に設けられたメダル投入口132の裏側に取り付けられている。このメダルセレクタ1は、メダル投入口132から投入されたメダルの通過を検出しながら、当該メダルをホッパ装置121に向かって転動させ、外径が所定寸法と違う異径メダルや、鉄又は鉄合金で作製された不正メダルを選別して排除するとともに、1ゲームあたりに投入可能な所定枚数以上のメダルを選別して排除するための装置である。
また、メダルセレクタ1の下側には、図2に示すように、その下部側を覆って前扉130の払出し口135に連通する導出路136が設けられている。メダルセレクタ1により振り分けられたメダルは、この導出路136を介して払出し口135から遊技者に返却される。
図3は発明の実施の形態に係るスロットマシン100の機能ブロック図を示す。
この図において電源系統についての表示は省略されている。スロットマシンは商用電源(AC100V)から直流電源(+5Vなど)を発生するための電源部205を備える。
スロットマシン100は、その主要な処理装置としてメイン基板(処理部)10とこれからコマンドを受けて動作するサブ基板20とを備える。なお、少なくともメイン基板10は、外部から接触不能となるようにケース内部に収容され、これら基板を取り外す際に痕跡が残るように封印処理が施されている。
メイン基板10は、遊技者の操作を受けて内部抽選を行ったり、リールの回転・停止やメダルの払い出しなどの処理(遊技処理)を行うためのものである。メイン基板10は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。
サブ基板20は、メイン基板10からコマンド信号を受けて内部抽選の結果を報知したり各種演出を行うためのものである。サブ基板20は、前記コマンド信号に応じた予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。コマンドの流れはメイン基板10からサブ基板20への一方のみであり、逆にサブ基板20からメイン基板10へコマンド等が出されることはない。
メイン基板10には、ベットスイッチBET、スタートスイッチ134,ストップボタン140,リールユニット(リール駆動装置を含む)203,リール位置検出回路71、ホッパ駆動部80、ホッパ81及びホッパ81から払い出されたメダルの枚数を数えるためのメダル検出部82(これらは前述のホッパ装置121を構成する)が接続されている。サブ基板20には液晶表示装置の制御用の液晶制御基板200、スピーカ基板201、LED基板202などの周辺基板(デバイス制御基板)が接続されている。周辺基板とは、サブ基板20により制御されるものであり、主に映像、光、音響により演出を行うものである。なお、以下の説明では、便宜上、液晶制御基板200とその他の周辺基板を区別して説明を行う。
メイン基板10には、さらに、メダルセレクタ1のメダルセンサS1及びS2が接続されている。
メダルセレクタ1には、メダルを計数するためのメダルセンサS1及びS2が設けられている。メダルセンサS1及びS2は、メダルセレクタ1に設けられた図示しないメダル通路の下流側(出口近傍)に設けられている(メダル通路の上流側はメダル投入口132に連通している)。2つのメダルセンサS1とS2は、メダルの進行方向に沿って所定間隔を空けて並べて設けられている。メダルセンサS1、S2は、例えば、互いに対向した発光部と受光部とを有して断面コ字状に形成され、その検出光軸をメダル通路内に上方から臨ませて位置するフォトインタラプタである。各フォトインタラプタにより、途中で阻止されずに送られてきたメダルの通過が検出される。なお、フォトインタラプタを2つ隣接させたのは、メダル枚数を検出するだけでなく、メダルの通過が正常か否かを監視するためである。すなわち、フォトインタラプタを2つ隣接させて設けることにより、メダルの通過速度や通過方向を検出することができ、これによりメダル枚数だけでなく、逆方向に移動する不正行為を感知することができる。
ホッパ駆動部80は、ホッパ81を回転駆動して、メイン基板10によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。遊技機は、メダルを1枚払い出す毎に作動するメダル検出部82を備えており、メイン基板10は、メダル検出部82からの入力信号に基づいてホッパ81から実際に払い出されたメダルの数を管理することができる。
投入受付部1050は、メダルセレクタ1のメダルセンサS1とS2の出力を受け、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートスイッチ134に対する第1リール〜第3リールの回転開始操作を許可する処理を行う。なお、スタートスイッチ134の押下操作が、第1リール〜第3リールの回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。また、遊技状態に応じて規定投入数を設定し、通常状態およびボーナス成立状態では規定投入数を3枚に設定し、ボーナス状態では規定投入数を1枚に設定する。
メダルが投入されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。あるいは、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットスイッチBETが押下されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。メダルの投入を受け付けるかどうかは、メイン基板10が制御する。メダルの投入を受け付ける状態になっていないときは(許可されていないときは)、メダルを投入してもメダルセンサS1、S2でカウントされず、そのまま返却される。同様に、メイン基板10はベットスイッチBETの有効/無効を制御する。ベットスイッチBETが有効になっていないときは(許可されていないときは)、ベットスイッチBETを押下しても、それは無視される。
メイン基板10は、乱数発生手段1100を内蔵する。乱数発生手段1100は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
内部抽選手段1200は、遊技者がスタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う。すなわち、メイン基板10のメモリ(図示せず)に記憶されている抽選テーブルを選択する抽選テーブル選択処理、乱数発生手段1100から得た乱数の当選を判定する乱数判定処理、当選の判定結果で大当たりなどに当選したときにその旨のフラグを設定する抽選フラグ設定処理などを行う(図6及びその説明参照)。
抽選テーブル選択処理では、図示しない記憶手段(ROM)に格納されている複数の抽選テーブルのうち、いずれの抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役(ベル、チェリー)、レギュラーボーナス(RB:ボーナス)、およびビッグボーナス(BB:ボーナス)などの各種の役が対応づけられている。また、遊技状態として、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態が設定可能とされ、さらにリプレイの抽選状態として、リプレイ無抽選状態、リプレイ低確率状態、リプレイ高確率状態が設定可能とされる。
複数の抽選テーブルのいずれを選択するかに用いられるのが設定値である。設定値は、例えば1〜6のいずれかであり、この数値に対応してメイン基板10のROM内に予め記憶されている6つの抽選テーブルからいずれかひとつが選択される。
設定値は、遊技機の扉を開け、電源部205に設けられた設定キースイッチをオンにした後に電源スイッチをオフからオンにし、設定変更可能なモードに移行した後、設定変更スイッチを押す等の所定の操作手順により設定される。設定値は、メイン基板10に記憶される。
乱数判定処理では、スタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、遊技毎に乱数発生手段1100から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について前記抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役の抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。抽選フラグの設定情報は、記憶手段(RAM)に格納される。
入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されていることがある。この場合、前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、レギュラーボーナス(RB)およびビッグボーナス(BB)があり、それ以外の役(例えば、小役、リプレイ)は後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でレギュラーボーナスに当選すると、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態を、レギュラーボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行い、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このときメイン基板10は、内部抽選機能により、レギュラーボーナスやビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、レギュラーボーナスおよびビッグボーナス以外の役(小役およびリプレイ)についての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているレギュラーボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定し、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
リプレイ処理手段1600は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。リプレイが入賞した場合には、遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに前回の遊技と同じ規定投入数のメダルが自動的に投入状態に設定される自動投入処理が行われ、遊技機が前回の遊技と同じ入賞判定ラインを有効化した状態で次回の遊技における回転開始操作(遊技者によるスタートスイッチ134の押下操作)を待機する状態に設定される。
リプレイ処理手段1600は、所定条件下で内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる制御を行うことがある。リプレイの抽選状態として、リプレイが内部抽選の対象から除外されるリプレイ無抽選状態、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されるリプレイ低確率状態、およびリプレイの当選確率が約1/6に設定されるリプレイ高確率状態という複数種類の抽選状態を設定可能とされている。リプレイの抽選状態を変化させることにより、内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる。
リール制御手段1300は、遊技者がスタートスイッチ134の押下操作(回転開始操作)によるスタート信号に基づいて、第1リール〜第3リールをステッピングモータにより回転駆動して、第1リール〜第3リールの回転速度が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)に達した状態において回転中のリールにそれぞれ対応する3つのストップボタン140の押下操作(停止操作)を許可する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リール〜第3リールを抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じて停止させる制御を行う。
また、リール制御手段1300は、3つのストップボタン140に対する押下操作(停止操作)が許可(有効化)された状態において、遊技者が3つのストップボタン140を押下することにより、そのリール停止信号に基づいて、リールユニット203のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リール〜第3リールの各リールを停止させる制御を行う。
すなわち、リール制御手段1300は、3つのストップボタン140の各ボタンが押下される毎に、第1リール〜第3リールのうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている停止制御テーブル(図示せず)を参照して3つのストップボタン140の押下タイミングや押下順序等(停止操作の態様)に応じた第1リール〜第3リールの停止位置を決定し、決定された停止位置で第1リール〜第3リールを停止させる制御を行う。
ここで停止制御テーブルでは、ストップボタン140の作動時点における第1リール〜第3リールの位置(押下検出位置)と、第1リール〜第3リールの実際の停止位置(または押下検出位置からの滑りコマ数)との対応関係が設定されている。抽選フラグの設定状態に応じて、第1リール〜第3リールの停止位置を定めるための停止制御テーブルが用意されることもある。
遊技機では、リールユニット203がフォトセンサからなるリールインデックス(図示せず)を備えており、リール制御手段1300は、リールが1回転する毎にリールインデックスで検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度(ステップモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわち、メイン基板10は、ストップボタン140の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
リール制御手段1300は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールを停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止するように(当選した役を入賞させることができるように)リールを停止させる制御処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止しないように(当選していない役を入賞させることができないように)リールを停止させる制御処理である。すなわち本実施形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、抽選フラグの設定状態、ストップボタン140の押下タイミング、押下順序、既に停止しているリールの停止位置(表示図柄の種類)などに応じて各リールの停止位置が変化するように停止制御テーブルが設定されている。このように、メイン基板10は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第1リール〜第3リールを停止させる制御を行っている。
本実施形態の遊技機では、第1リール〜第3リールが、ストップボタン140が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタン140に対応する回転中のリールを停止させる制御状態に設定されている。すなわち回転している各リールの停止位置を決めるための停止制御テーブルでは、ストップボタン140の押下時点から各リールが停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で設定されている。
入賞判定手段1400は、第1リール〜第3リールの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リール〜第3リールの全てが停止した時点で入賞判定ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
入賞判定手段1400は、その判定結果に基づいて、入賞時処理を実行する。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合にはホッパ81を駆動してメダルの払出制御処理が行われるか、あるいはクレジットの増加され(規定の最大枚数例えば50枚まで増加され、それを超えた分だけ実際にメダル払い出される)、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理が行われ、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが入賞した場合には遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
払出制御手段1500は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパ駆動部80でホッパ81を駆動して払い出させる。この際に、ホッパ81に内蔵される図示しないモータに電流が流れることになる。
メダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパ81によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段(RAM)のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
また、メイン基板10は、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる制御を行うことがある(遊技状態移行制御機能)。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を他の遊技状態へ移行させることができる。
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナスあるいはレギュラーボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、通常状態における内部抽選でビッグボーナスが当選した場合、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、通常状態における内部抽選でレギュラーボーナスが当選した場合、レギュラーボーナスが入賞するまでレギュラーボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持される。ボーナス状態では、ボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、入賞したボーナスの種類に応じて予め定められた払出上限数を超えるメダルが払い出されると、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる。
リールユニット203は、図示しない3つのリールを備えるが、3つのリールそれぞれにひとつづつステッピングモータが取り付けられている。ステッピングモータは、回転子(ロータ)として歯車状の鉄心あるいは永久磁石を備え、固定子(ステータ)として複数の巻線(コイル)を備え、電流を流す巻線を切り替えることによって回転動作させるものである。すなわち、固定子の巻線に電流を流して磁力を発生させ、回転子を引きつけることで回転するものである。回転軸を指定された角度で停止させることが可能なことから、スロットマシンのリールの回転駆動に使用されている。複数の巻線がひとつの相を構成する。相の数として、例えば、2つ(二相)、4つ(4相)、5つ(5相)のものもある。
次に、遊技機における遊技処理について図4を参照して説明を加える。
一般的に、遊技機において、メダルの投入(クレジットの投入)に始まり、払い出しが終了するまで(又はクレジット数の増加が終了するまで)が一遊技である。一遊技が終了するまでは次回の遊技に進めないという決まりがある。
先ず、規定枚数のメダルが投入されることでスタートスイッチ134が有効になり、図4の処理が開始される。
ステップS1において、スタートスイッチ134が操作されることにより、スタートスイッチ134がONとなる。そして、次のステップS2に進む。
ステップS2において、メイン基板10により抽選処理が行われる。そして、次のステップS3に進む。
ステップS3において、第1リール〜第3リールの回転が開始する。そして、次のステップS4に進む。
ステップS4において、ストップボタン140が操作されることにより、ストップボタン140がONとなる。そして、次のステップS5に進む。
ステップS5において、第1リール〜第3リールのうち押下されたストップボタン140に対応するリールについて回転停止処理が行われる。そして、次のステップS6に進む。
ステップS6において、三個のリールに対応するストップボタン140の操作が行われたか否かが判定される。そして、三個のリールに対応する3つのストップボタン140すべての操作が行われたと判定された場合、次のステップS7に進む。
ステップS7において、抽選フラグ成立中に当該抽選フラグに対応する入賞図柄が有効入賞ライン上に揃ったか否か、すなわち、入賞が確定したか否かが判定される。そして、入賞が確定したと判定された場合、次のステップS8に進む。なお、入賞が確定しなかったときは、抽選フラグが成立していてもメダルの払い出しは行われない。
ステップS8において、入賞図柄に相当するメダルが払い出される。
メダルの投入からステップS8の実行完了までが、一遊技である。ステップS8の待機処理が終了すると、処理はフローチャートの最初に戻る。言い換えれば、次の遊技が可能な状態になる(次遊技へ移行する)。
図5は、サブ基板20とその周辺基板(デバイス制御基板)の接続の説明図である。図3に示すように、サブ基板20には、液晶制御基板200、スピーカ基板201、LED基板202が接続されている。これらは、サブ基板20の周辺基板と言うべきものである。
これら複数の周辺基板は、図5のように接続されている。すなわち、複数の周辺基板が共通のバスに接続され、当該バスを通じてサブ基板20と通信を行う。当該バスを流れる信号は、パラレル信号(例えば8ビットの線で信号を伝送するもの)あるいはシリアル信号(例えば、I2C(Inter-Integrated Circuit)のようにデータ線とクロック線の2本の線で信号を伝送するもの)である。なお、図5の例ではサブ基板20から出た信号がサブ基板20に戻っているが、これは一例であり、一般的なバス構造のように接続端の反対側の端が開放されていてもよい。
サブ基板20から周辺基板へは、アドレスを指定してデータを送る。例えば、周辺基板としての液晶制御基板200へデータを送る場合は、液晶制御基板200に予め対応づけられているアドレスを指定してデータをバスに流す。液晶制御基板200は、アドレスにより自分宛のデータであることを認識すると、アドレスに引き続くデータをラッチに取り込む。取り込んだデータに従って所定の動作を行う。取り込んだデータが、液晶制御基板200で取得したあるいは取得可能なデータをサブ基板20へ送信するコマンドであれば、当該データをサブ基板20へ送信する(所定のデータ受信後は、予め定められたデータを常にサブ基板20へ送信するようにもできる)。
図6は、発明の実施の形態に係る遊技機のサブ基板20のブロック図である。本発明の実施の形態の動作説明に必要な部分のみを示し、他の要素は省略している。
2004は共通抽選テーブルである。共通抽選テーブル2004は、前述の複数の動作の状態(例えば、いわゆるAT抽選における当選確率が相対的に低い低確率状態(低確時)とAT抽選における当選確率が相対的に高い高確率状態(高確時))においてそれぞれ異なる抽選を行う場合でも、複数の状態に係る抽選のいずれにも使用することができる。共通抽選テーブル2004に順番に記憶されている複数の数値を「配列a(i)」と表記する。ただし、nを2以上の整数として、i=1、・・・、nである。共通抽選テーブル2004の内容については後述する。
2003は、共通抽選テーブル2004に基づき抽選を行う抽選処理部である。例えば、抽選処理部2003は、8種類の演出1乃至演出8のいずれかをランダムに選択する(この処理については後述する)。抽選処理部2003は、乱数を発生する乱数発生部2003aと演出選択テーブル2003bとを含んでいる。乱数発生部2003aは例えばハードウエア又はソフトウエアで実現されるカウンタである。例えば、乱数発生部2003aは0乃至1000の範囲の整数を発生し、いずれかひとつの整数が所定のタイミングでランダムに取得され、これが乱数(乱数値)として扱われる。演出選択テーブル2003bは、抽選結果としての数値(後述の加算回数)に基づき対応する演出を選択するためのテーブルである。演出選択テーブル2003bは、図11及び図13のS21において用いられる。その例を図10に示す。図10(a)は加算回数の昇順に演出1〜8が昇順で対応付けられ、図10(b)は加算回数の昇順に演出8〜1が降順で対応付けられている。
2005は、複数の動作の状態が変化するとき、つまり低確時(第1の状態)又は高確時(第2の状態)の一方から他方へ変わるときに、共通抽選テーブル2004の配列a(i)の読み出しの順番をiの昇順から降順へ又は降順から昇順へ反転するアクセス順序反転部である。アクセス順序反転部2005により、ひとつの抽選テーブルを用いつつ、発明の実施の形態に係る遊技機において、低確時と高確時という複数の動作の状態についてそれぞれ異なる抽選結果を得ることができる。
図6の構成によれば、アクセス順序反転部2005を抽選処理部2003の外部に設けているので、図6の抽選処理部2003として、従来の図14の抽選処理部2003と同じものを使用することができる。このため比較的簡単に図6の構成を実現できると予想される。
共通抽選テーブル2004の内容の例を図7及び図8に示す。
共通抽選テーブル2004に順番に記憶されている複数の数値の配列a(i)に係る図7の例では、数値の数nを8として、i=1、・・・、8のいずれかであり、a(1)=300、a(2)=100、・・・、a(8)=50である。
共通抽選テーブル2004の配列a(i)は、その累積値が乱数発生部2003aの発生する乱数の範囲に一致するように定められている。例えば、乱数発生部2003aが0乃至1000の範囲の整数を発生するものであれば、配列a(i)の全ての累積値は1000である。
また、共通抽選テーブル2004の配列a(i)は、同じiについて、配列a(i)の昇順の累積値と降順の累積値が異なるように定められている。言い換えれば、図8の昇順の累積値のグラフと、降順の累積値のグラフが一致しないようになっている。後述するように、乱数発生部2003aで取得した乱数値を閾値とし、累積値をこれと比較し、累積値が閾値以上となったときの加算回数をパラメータとして演出を選択する。例えば、閾値が550であるとき、昇順では加算回数=3で閾値以上となって演出3が選択され、降順では加算回数=6で閾値以上となって演出6が選択される。
図8の2つのグラフの間隔が広いほど、低確時と高確時という複数の動作の状態について、より異なる抽選結果を得ることができると言えるが、グラフの間隔が広くなると選択確率の偏りが生じるようになる。この点について図9を参照して考察を加える。
図9の符号ウとエは、a(1)=1000、a(2)=・・・=a(8)=0という極端な例を示す。この例では乱数値が0乃至1000のいかなる値であっても、昇順(符号ウ)では加算回数=1で累積値≧閾値となってこれに対応する演出が選択され、降順(符号エ)では加算回数=8で累積値≧閾値となってこれに対応する演出が選択される。昇順と降順で両極端の選択が行われるので、低確時と高確時という複数の動作の状態について大きく異なる抽選結果を得ることができるものの、選択される演出はそれぞれ1種類である(昇順のとき演出1、降順のとき演出8)。これでは抽選の意味が無い。
図9の符号オは、a(1)=a(2)=・・・=a(8)=125という、符号ウとエとは正反対の極端な例を示す。この例では昇順と降順で同じ選択が行われる(昇順と降順のグラフが一致し、それらの間隔がゼロ)ので、低確時と高確時という複数の動作の状態についてそれぞれ異なる抽選結果を得ることができないが、反面、複数の演出の選択確率には偏りがなくなる(演出1乃至演出8の選択確率はいずれも同じになる)。共通抽選テーブル2004は符号オを含まない。言い換えれば、図6の装置による複数の演出の抽選確率は一様でなく、偏りがある(高選択確率の演出と低選択確率の演出がある)ことを前提としてよい。
昇順と降順で同じ選択が行われるのは図9の符号オに限らず、他に配列の数値が当該配列の中央に対して対称であるとき、つまり、a(1)=a(8)、a(2)=a(7)、a(3)=a(6)、a(4)=a(5)の場合である。共通抽選テーブル2004はこのような対称に配列された数値も含まない。
図8及び図9の例に基づき推測すると、共通抽選テーブル2004の内容は次のように設定されると考えられる。
(1)配列a(i)の前方側(iの小さい方の側)の任意の数値は、後方側(iの大きい方の側)の任意の数値よりも大きい(対称の配列としないため)。
(2)累積方向が昇順である動作状態(低確時、第1の状態)において高選択確率の演出を加算回数の少ない側に対応付ける(図8の符号ア)。図8のグラフの傾きが大きいほど選択確率が高くなると考えられるので、その位置の加算回数に最も高い選択確率の演出を対応付ける。図8の符号アでは特に、加算回数=1の演出1、加算回数=3の演出3の選択確率が高くなる。
(3)累積方向が降順である動作状態(高確時、第2の状態)において高選択確率の演出を加算回数の多い側に対応付ける(図8の符号イ)。(2)と同様に、図8のグラフの傾きが大きいほど選択確率が高くなると考えられるので、その位置の加算回数に最も高い選択確率の演出を対応付ける。図8の符号イでは特に、加算回数=6の演出6、加算回数=8の演出8の選択確率が高くなる。
あるいは次のように設定される。
(1’)配列a(i)の前方側(iの小さい方の側)の任意の数値は、後方側(iの大きい方の側)の任意の数値よりも小さい。
(2’)累積方向が昇順である動作状態(低確時、第1の状態)において低選択確率の演出を加算回数の少ない側に対応付ける。
(3’)累積方向が降順である動作状態(高確時、第2の状態)において低選択確率の演出を加算回数の多い側に対応付ける。
図11のフローチャートを参照して、発明の実施の形態に係る演出の抽選処理について説明を加える。
S10:アクセス順序反転部2005が、動作の状態に応じてアクセス順序、すなわち共通抽選テーブル2004から数値を昇順で読みだすか、それとも降順で読み出すかを選択する。
動作の状態として、低確時(第1の状態)と高確時(第2の状態)があるが、これは一例であり、他の公知の動作の状態とすることもできる。動作の状態とアクセス順序の対応関係も任意であり、以下で説明する対応関係に限定されない。
S11:乱数発生部2003aで乱数値を取得する。これをS16で使用する判定の閾値とする。
例えば、取得された乱数値が550であるとし、これを閾値とする。
S12:S10での選択に従い、アクセス順序反転部2005は、S13Uの昇順の処理又はS13Dの降順の処理を行う。
S13U:アクセス順序反転部2005は、累積を求める際の初期値として配列a(i)の先頭を指定するためにi=1とする。
S13D:アクセス順序反転部2005は、累積を求める際の初期値として配列a(i)の末端を指定するためにi=nとする。図7の例ではn=8である。
S14:アクセス順序反転部2005は、共通抽選テーブル2004から、S13U又はS13Dで設定されたiを用いてa(i)の数値を読み出し、抽選処理部2003へ送る。
S15:抽選処理部2003は、アクセス順序反転部2005から受けたa(i)を累積値とするとともに、加算回数を1とする。なお、iの初期値は0に設定されている。
S16:抽選処理部2003は、累積値を閾値と比較する。
累積値が閾値以上になったとき、S21を実行する。累積値が閾値より小さいとき、S17乃至S20を実行する。
S17:S10での選択に従い、アクセス順序反転部2005は、S18Uの昇順の処理又はS18Dの降順の処理を行う。
S18U:アクセス順序反転部2005は、累積を求めるために配列の次の数値を昇順で読み出すべく、iに1を加え、これを改めてiとする。
S18D:アクセス順序反転部2005は、累積を求めるために配列の次の数値を降順で読み出すべく、iから1を引き、これを改めてiとする。
S19:アクセス順序反転部2005は、S18U又はS18Dで設定されたiに基づき、次の数値a(i)を読み出し、抽選処理部2003へ送る。
S20:抽選処理部2003は、アクセス順序反転部2005から受けたa(i)を累積値に加え、これを改めて累積値とする。同時に、加算回数に1を加え、これを改めて加算回数とする。そしてS16に戻る。
S21:抽選処理部2003は、演出選択テーブル2003bを参照して、累積値が閾値以上になったときの加算回数(S15又はS20で設定されたもの)に対応付けられている演出を選択する。
例えば、図10(a)に示すように、kを加算回数として演出(k)を選択する。具体的には、加算回数が1であれば演出1、加算回数が2であれば演出2、・・・、加算回数が8であれば演出8を選択する。
あるいは、図10(b)に示すように、加算回数=kのとき、演出(n−k)を選択する。具体的には、加算回数が1であれば演出8、加算回数が2であれば演出7、・・・、加算回数が8であれば演出1を選択するようにしてもよい。
図11の処理によれば、配列a(i)の数値を加算していき、所定の基準値を超えた時点の加算回数をパラメータ(オフセット)として用いるやり方において、低確時(第1の状態)では上側の数値から順に加算し(昇順)、高確時(第2の状態)では数値を下から順々に加算し(降順)、基準となる数値以上になったときの加算回数をパラメータにとし、これに基づき演出を選択する。
共通抽選テーブル2004の内容は、低確時に頻度が高い演出を上側に設定し、高確時に頻度が高い演出を下側に設定するようにする。
例えば、基準となる数値が550であるとして、共通抽選テーブル2004の配列を昇順で加算する低確時において、加算した回数が3回で累積値が700となり閾値の550以上となる(図7参照)。そのときの数値に対応付けられている「演出3」が選択される(図10(a)参照)。
また、共通抽選テーブル2004の配列を降順で加算する高確時において、加算した回数が6回で累積値が600となり閾値の550以上となる(図7参照)。そのときの数値に対応付けられている「演出6」が選択される(図10(a)参照)。
以上のように、発明の実施の形態に係る遊技機によれば、従来の遊技機と同様に低確時と高確時という複数の動作の状態について、同じ乱数値を所得した場合でもそれぞれ異なる抽選結果を得ることができる。従来の遊技機は2つの抽選テーブルを必要としていたが、発明の実施の形態に係る遊技機は1つの抽選テーブルのみを使用する。したがって、発明の実施の形態によれば、抽選テーブルのデータ容量が大きくならず、多くのメモリを消費してしまうという問題が生じない。
図12は、発明の実施の形態に係る変形例を示す。図6ではアクセス順序反転部2005は、抽選処理部2003とは別に設けられていた。図6によれば従来の抽選処理部2003を流用できるというメリットがあるが、新たに設計する場合には、図12に示すように、抽選処理部2003’の内部にアクセス順序反転部2005を設けるようにできる。
図13は、図12の装置の処理フローチャートである。
S10:アクセス順序反転部2005が、動作の状態に応じてアクセス順序、すなわち共通抽選テーブル2004から数値を昇順で読みだすか、それとも降順で読み出すかを選択する。
S12:S10での選択に従い、抽選処理部2003’は、S11U乃至S20Uの昇順の処理、又は、S11D乃至S20Dの降順の処理のいずれかを行う。
S11U:抽選処理部2003’は、乱数発生部2003aで乱数値を取得する。これをS16Uで使用する判定の閾値とする。
S14U:抽選処理部2003’は、共通抽選テーブル2004から先頭にあるiに対応する値である数値a(i)を読み出す。
S15U:抽選処理部2003’は、読み出したa(1)を累積値とするとともに、加算回数を1とする。
S16U:抽選処理部2003’は、累積値を閾値と比較する。
累積値が閾値以上になったとき、S21を実行する。累積値が閾値より小さいとき、S19UとS20Uを実行する。
S19U:抽選処理部2003’は、累積を求めるために配列の次の数値を求める。iに1を加え、これを改めてiとするとともに、これによる増加後のiの値に対応する値である数値a(i)を読み出す(更新されたiに基づき次の数値a(i)を読み出す)。
S20U:抽選処理部2003’は、読み出したa(i)を累積値に加え、これを改めて累積値とする。同時に、加算回数に1を加え、これを改めて加算回数とする。そしてS16Uに戻る。
S11D:抽選処理部2003’は、乱数発生部2003aで乱数値を取得する。これをS16Dで使用する判定の閾値とする。
S14D:抽選処理部2003’は、共通抽選テーブル2004から末尾にあるiに対応する値である数値a(n)を読み出す(例えばn=8)。
S15D:抽選処理部2003’は、読み出したa(n)を累積値とするとともに、加算回数を1とする。
S16D:抽選処理部2003’は、累積値を閾値と比較する。
累積値が閾値以上になったとき、S21を実行する。累積値が閾値より小さいとき、S19DとS20Dを実行する。
S19D:抽選処理部2003’は、累積を求めるために配列の次の数値を読み出す。iから1を引き、これを改めてiとするとともに、これによる減少後のiの値に対応する値である数値a(i)を読み出す(更新されたiに基づき次の数値a(i)を読み出す)。
S20D:抽選処理部2003’は、読み出したa(i)を累積値に加え、これを改めて累積値とする。同時に、加算回数に1を加え、これを改めて加算回数とする。そしてS16Uに戻る。
S21:抽選処理部2003’は、演出選択テーブル2003bを参照して、累積値が閾値以上になったときの加算回数(S15U又はS20U、あるいはS15D又はS20Dで設定されたもの)に対応付けられている演出を選択する。
図12及び図13の変形例は、図6乃至図11の装置と同様の効果を奏する。
変形例について説明を加える。
発明の実施の形態は、演出抽選ではなく、メイン基板10の当選役抽選に適用することもできる。この場合、図10の演出選択テーブルに代えて「当選役選択テーブル」を用いる。当選役選択テーブルの構造自体は演出選択テーブルと同様のものであり、図10における演出内容の代わりに、加算回数と当選役が対応付けられるようになる。低確率状態だとボーナス役が当たりにくく、高確率状態だとボーナス役が当たり易いように、図10(a)のように昇順にした場合にはボーナス役を当選役選択テーブルの下側に置き、図10(b)のように降順にした場合にはボーナス役を当選役選択テーブルの上側に置くようにしてもよい。
発明の実施の形態は、演出抽選ではなく、AT抽選に適用することもできる。この場合、図10の演出選択テーブルに代えて「AT選択テーブル」を用いる。AT選択テーブルの構造自体は演出選択テーブルと同様のものであり、図10における演出内容の代わりに、加算回数とATの獲得ゲーム数(ゲーム数がOだとハズレ)が対応付けられるようになる。低確率状態だとATが当たりにくく、高確率状態だとATが当たり易いように、図10(a)のように昇順にした場合にはATのゲーム数が1以上のもの及び獲得ゲーム数の多いATをAT選択テーブルの下側に置き、図10(b)のように降順にした場合にはAT選択テーブルの上側に置くようにしてもよい。
以上の説明において、スロットマシンを例に取り説明を加えたが、本発明の実施の形態はパチンコ機のような他の遊技機にも適用することができる。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。