図1は前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面図、図2は前扉を180度開いた状態を示すスロットマシンの正面図を示す。
図1及び図2中、100はスロットマシンを示すもので、このスロットマシン100は、図1に示すように、スロットマシン本体120と、このスロットマシン本体120の前面片側にヒンジ等により開閉可能に取り付けられた前扉130とを備えている。前記前扉130の前面には、図1に示すように、ほぼ中央にゲーム表示部131を設け、ゲーム表示部131の右下隅部に、遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口132を設け、メダル投入口132の下側には、メダル投入口132から投入され、詰まってしまったメダルをスロットマシン100外に強制的に排出するためのリジェクトボタン133が設けられている。
また、前記ゲーム表示部131の左下方には、ゲームを開始するためのスタートスイッチ134を設けてあり、3つの回胴のそれぞれに対応して3つのストップスイッチ140を設けてある。前扉の下端部中央には、メダルの払出し口135を設けてある。前記ゲーム表示部131の上側には、液晶表示装置LCDが設けてある。
スロットマシン本体120の内部には、図2に示すように、その内底面に固定され、内部に複数のメダルを貯留して、貯留したメダルを前扉130の前面に設けた払出し口135に1枚ずつ払い出すためのホッパ装置121が設置されている。このホッパ装置121の上部には、上方に向けて開口し、内部に複数のメダルを貯留するホッパタンク122を備えている。スロットマシン本体120の内部には、前扉130を閉めたときにゲーム表示部131が来る位置に三個の回胴からなるリール(回胴)ユニット203が設置されている。リールユニット203は、外周面に複数種類の図柄が配列されている3つの回胴(第1回胴〜第3回胴)を備えている。ゲーム表示部131には開口部が設けられていて、それを通して遊技者が前記リールユニット203の各回胴の図柄を見ることができるようになっている。ホッパ装置121の左側には電源部205が設けられている。
前記前扉130の裏面には、図2に示すように、メダル(コイン)セレクタ1が、前扉130の前面に設けられたメダル投入口132の裏側に取り付けられている。このメダルセレクタ1は、メダル投入口132から投入されたメダルの通過を検出しながら、当該メダルをホッパ装置121に向かって転動させ、外径が所定寸法と違う異径メダルや、鉄又は鉄合金で作製された不正メダルを選別して排除するとともに、1ゲームあたりに投入可能な所定枚数以上のメダルを選別して排除するための装置である。
また、メダルセレクタ1の下側には、図2に示すように、その下部側を覆って前扉130の払出し口135に連通する導出路136が設けられている。メダルセレクタ1により振り分けられたメダルは、この導出路136を介して払出し口135から遊技者に返却される。
図3は発明の実施の形態に係るスロットマシン100の機能ブロック図を示す。
この図において電源系統についての表示は省略されている。図示しないが、スロットマシンは商用電源(AC100V)から直流電源(+5Vなど)を発生するための電源部を備える。
スロットマシン100は、その主要な処理装置としてメイン基板(処理部)10とこれからコマンドを受けて動作するサブ基板20とを備える。なお、少なくともメイン基板10は、外部から接触不能となるようにケース内部に収容され、これら基板を取り外す際に痕跡が残るように封印処理が施されている。
メイン基板10は、遊技者の操作を受けて内部抽選を行ったり、回胴の回転・停止やメダルの払い出しなどの処理を行うためのものである。メイン基板10は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。
サブ基板20は、メイン基板10からコマンド信号を受けて内部抽選の結果を報知したり各種演出を行うためのものである。サブ基板20は、前記コマンド信号に応じた予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。コマンドの流れはメイン基板10からサブ基板20への一方のみであり、逆にサブ基板20からメイン基板10へコマンド等が出されることはない。
メイン基板10には、ベットスイッチBET、スタートスイッチ134,ストップボタン140,リール(回胴)ユニット203、ホッパ駆動部80、ホッパ81及びホッパ81から払い出されたメダルの枚数を数えるためのメダル検出部82(これらは前述のホッパ装置121を構成する)が接続されている。サブ基板20には液晶表示装置の制御用の液晶制御基板200、スピーカ基板201、LED基板202などの周辺基板(ローカル基板)が接続されている。
メイン基板10には、さらに、メダルセレクタ1のメダルセンサS1及びS2が接続されている。
メダルセレクタ1には、メダルを計数するためのメダルセンサS1及びS2が設けられている。メダルセンサS1及びS2は、メダルセレクタ1に設けられた図示しないメダル通路の下流側(出口近傍)に設けられている(メダル通路の上流側はメダル投入口132に連通している)。2つのメダルセンサS1とS2は、メダルの進行方向に沿って所定間隔を空けて並べて設けられている。メダルセンサS1、S2は、例えば、互いに対向した発光部と受光部とを有して断面コ字状に形成され、その検出光軸をメダル通路内に上方から臨ませて位置するフォトインタラプタである。各フォトインタラプタにより、途中で阻止されずに送られてきたメダルの通過が検出される。なお、フォトインタラプタを2つ隣接させたのは、メダル枚数を検出するだけでなく、メダルの通過が正常か否かを監視するためである。すなわち、フォトインタラプタを2つ隣接させて設けることにより、メダルの通過速度や通過方向を検出することができ、これによりメダル枚数だけでなく、逆方向に移動する不正行為を感知することができる。
リールユニット203は、3つの回胴40a〜40cと(図4参照)、これらをそれぞれ回転させるステッピングモータ155a〜155cと、それらの位置をそれぞれ検出する回胴位置検出器(インデックスセンサ)159a〜159cとを備える(なお、ステッピングモータ155a〜155cを単にモータ155あるいはモータと記すことがある)。
遊技機では、後述のように(図5及びその説明参照)、リールユニット203は、インデックス160と、これを検知するインデックスセンサ(インデックスセンサ:フォトインタラプタ)159とを備えており、回胴制御手段1300は、回胴40a〜40cそれぞれが1回転する毎にインデックスセンサ159で検出される基準位置信号に基づいて、回胴40の基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度を求める(ステップモータの回転軸の回転ステップ数をカウントする)ことによって、現在の回胴40の回転状態を監視することができるようになっている。すなわち、メイン基板10は、回胴40の基準位置からの回転角度を求めることにより、ストップボタン140の作動時における回胴40の位置を得ることができる。
図4は、リールユニット203を示す斜視図である。
各回転リール(回胴)40a〜40cがリールユニット203の主要部である。各回転リール(回胴)40a〜40cは、フレーム151にブラケット152を介して取り付けられている。各回転リール(回胴)40a〜40cはそれぞれドラム153の外周に帯154が貼られたものである。帯154の外周面には21個の図柄(図示せず)が描かれている。また、各ブラケット152にはステッピングモータ155が設けられており、各回転リール(回胴)40a〜40cはこれらステッピングモータ155a〜155cで駆動されて回転する。
図5(a)は、回胴40a〜40cの構造を示す斜視図である。
帯154の背後のドラム153内部にはランプケース156が設けられており、このランプケース156の3個の各部屋にはそれぞれバックランプ157a,157b,157cが取り付けられている。これらバックランプ157a〜157cは図5(b)に示すように基板158に実装されており、この基板158がランプケース156の背面側に取り付けられている。また、ブラケット152にはフォトインタラプタ(インデックスセンサ)159が取り付けられている。フォトインタラプタとは、1つのケースの中に発光素子(発光ダイオードなど)と受光素子(フォトトランジスタ、フォトダイオードなど)を対向配置し、その間に検出用の溝を設け、当該検出溝間を物体が通過したことを非接触で検知するものである。このフォトインタラプタ159は、ドラム153に設けられたインデックス(遮蔽板)160がドラム153の回転に伴ってフォトインタラプタ159を通過するのを検出する。
各バックランプ157a〜157cは図示しないランプ駆動回路によって個別に点灯制御される。各バックランプ157a〜157cの点灯により、帯154に描かれた図柄のうち、各バックランプ157の前部に位置する3個の図柄が背後から個別に照らし出され、図柄表示窓131にそれぞれ3個ずつの図柄が映し出される。
なお、以下の説明において、任意のひとつ又は複数の回胴を示すときは符号40を使用し、3つの回胴をそれぞれ区別して示すときは符号40a〜40cを使用することにする。
ホッパ駆動部80は、ホッパ81の図示しない回転ディスクを回転駆動して、メイン基板10によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。遊技機は、メダルを1枚払い出す毎に作動するメダル検出部82を備えており、メイン基板10は、メダル検出部82からの入力信号に基づいてホッパ81から実際に払い出されたメダルの数を管理することができる。
投入受付部(投入受付手段)1050は、メダルセレクタ1のメダルセンサS1とS2の出力を受け、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートスイッチ134に対する第1回胴〜第3回胴の回転開始操作を許可する処理を行う。なお、スタートスイッチ134の押下操作が、第1回胴〜第3回胴の回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。また、遊技状態に応じて規定投入数を設定し、通常状態およびボーナス成立状態では規定投入数を3枚に設定し、ボーナス状態では規定投入数を1枚に設定する。
メダルが投入されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。あるいは、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットスイッチBETが押下されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。メダルの投入を受け付けるかどうかは、メイン基板10が制御する。スタートスイッチ134が押下され各回胴の回転が開始した時点(遊技開始時点)から3つのストップスイッチ140が押下され各回胴の回転が停止した時点(入賞した場合はメダル払い出しが完了した時点)(遊技終了時点)の間であって、メダルの投入を受け付ける状態になっていないときは(許可されていないときは)、メダルを投入してもメダルセンサS1、S2でカウントされず、そのまま返却される。同様に、メイン基板10は、メダルの投入を受け付ける状態か否かに応じて、ベットスイッチBETの有効/無効を制御する。また、前記遊技終了時点から前記遊技開始時点までの間でベットスイッチBETは有効となるが、これ以外の期間においては(BETスイッチの押下が許可されていないときは)、ベットスイッチBETを押下しても、それは無視される。
メイン基板10は、乱数発生手段1100を内蔵する。乱数発生手段1100は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
内部抽選手段1200は、遊技者がスタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う。すなわち、メイン基板10のメモリ(図示せず)に記憶されている抽選テーブル(図示せず)を選択する抽選テーブル選択処理、乱数発生手段1100から得た乱数の当選を判定する乱数判定処理、当選の判定結果で大当たりなどに当選したときにその旨のフラグを設定する抽選フラグ設定処理などを行う。
抽選テーブル選択処理では、図示しない記憶手段(ROM)に格納されている複数の抽選テーブル(図示せず)のうち、いずれの抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役(ベル、チェリー)、レギュラーボーナス(RB:ボーナス)、およびビッグボーナス(BB:ボーナス)などの各種の役が対応づけられている。また、遊技状態として、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態が設定可能とされ、さらにリプレイの抽選状態として、リプレイ無抽選状態、リプレイ低確率状態、リプレイ高確率状態が設定可能とされる。
乱数判定処理では、スタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、遊技毎に前記乱数発生手段(図示せず)から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について前記抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役の抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。抽選フラグの設定情報は、記憶手段(RAM)に格納される。
入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されていることがある。この場合、前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、レギュラーボーナス(RB)およびビッグボーナス(BB)があり、それ以外の役(例えば、小役、リプレイ)は後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でレギュラーボーナスに当選すると、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態を、レギュラーボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行い、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このときメイン基板10は、内部抽選機能により、レギュラーボーナスやビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、レギュラーボーナスおよびビッグボーナス以外の役(小役およびリプレイ)についての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているレギュラーボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定し、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
リプレイ処理手段1600は、所定条件下で内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる制御を行うことがある。例えば、ストップボタン140の操作によってリールを停止させた際に所定の出目が表示されるとリプレイの当選確率が変動する。リプレイ処理手段1600については、後に再度説明を加える。リプレイの抽選状態として、リプレイが内部抽選の対象から除外されるリプレイ無抽選状態、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されるリプレイ低確率状態、およびリプレイの当選確率が約1/6に設定されるリプレイ高確率状態という複数種類の抽選状態を設定可能とされている。リプレイの抽選状態を変化させることにより、内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる。
回胴制御手段1300は、遊技者のスタートスイッチ134の押下操作(回転開始操作)によるスタート信号に基づいて、第1回胴〜第3回胴をステッピングモータにより回転駆動させ、第1回胴〜第3回胴の回転速度が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)に達した状態において回転中の回胴にそれぞれ対応する3つのストップボタン140の押下操作(停止操作)を許可する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1回胴〜第3回胴を抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じて停止させる制御を行う。
また、回胴制御手段1300は、3つのストップボタン140に対する押下操作(停止操作)が許可(有効化)された状態において、遊技者が3つのストップボタン140を押下することにより、その回胴停止信号に基づいて、リールユニット203のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1回胴〜第3回胴の各回胴を停止させる制御を行う。
すなわち、回胴制御手段1300は、3つのストップボタン140の各ボタンが押下される毎に、第1回胴〜第3回胴のうち押下されたボタンに対応する回胴の停止位置を決定して、決定された停止位置で回胴を停止させる制御を行っている。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている停止制御テーブル(図示せず)を参照して3つのストップボタンの押下タイミングや押下順序等(停止操作の態様)に応じた第1回胴〜第3回胴の停止位置を決定し、決定された停止位置で第1回胴〜第3回胴を停止させる制御を行う。
ここで停止制御テーブルでは、ストップボタン140の作動時点における第1回胴〜第3回胴の位置(押下検出位置)と、第1回胴〜第3回胴の実際の停止位置(または押下検出位置からの滑りコマ数)との対応関係が設定されている。抽選フラグの設定状態に応じて、第1回胴〜第3回胴の停止位置を定めるための停止制御テーブルが用意されることもある。
遊技機では、リールユニット203がフォトセンサからなるインデックスセンサを備えており、回胴制御手段1300は、回胴が1回転する毎にインデックスセンサで検出される基準位置信号に基づいて、回胴の基準位置(インデックスセンサによって検出されるコマ)からの回転角度(ステップモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在の回胴の回転状態を監視することができるようになっている。すなわち、メイン基板10は、ストップスイッチ140の作動時における回胴の位置を、回胴の基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
回胴制御手段1300は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とを回胴を停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止するように(当選した役を入賞させることができるように)回胴を停止させる制御処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止しないように(当選していない役を入賞させることができないように)回胴を停止させる制御処理である。すなわち本実施形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、抽選フラグの設定状態、ストップボタン140の押下タイミング、押下順序、既に停止している回胴の停止位置(表示図柄の種類)などに応じて各回胴の停止位置が変化するように停止制御テーブルが設定されている。このように、メイン基板10は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第1回胴〜第3回胴を停止させる制御を行っている。
遊技機では、第1回胴〜第3回胴が、ストップボタン140が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中の回胴を停止させる制御状態に設定されている。すなわち回転している各回胴の停止位置を決めるための停止制御テーブルでは、ストップボタン140の押下時点から各回胴が停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で設定されている。
入賞判定手段1400は、第1回胴〜第3回胴の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1回胴〜第3回胴の全てが停止した時点で入賞判定ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
入賞判定手段1400は、その判定結果に基づいて、入賞時処理を実行する。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合にはホッパ81を駆動してメダルの払出制御処理が行われるか、あるいはクレジットの増加され(規定の最大枚数例えば50枚まで増加され、それを超えた分だけ実際にメダル払い出される)、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理が行われ、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが入賞した場合には遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
払出制御手段1500は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパ駆動部80でホッパ81を駆動して払い出させる。この際に、ホッパ81に内蔵される図示しないモータに電流が流れることになる。
メダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパ81によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段(RAM)のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
リプレイ処理手段1600は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。リプレイが入賞した場合には、遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに前回の遊技と同じ規定投入数のメダルが自動的に投入状態に設定される自動投入処理が行われ、遊技機が前回の遊技と同じ入賞判定ラインを有効化した状態で次回の遊技における回転開始操作(遊技者によるスタートスイッチ134の押下操作)を待機する状態に設定される。
また、メイン基板10は、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる制御を行うことがある(遊技状態移行制御機能)。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を他の遊技状態へ移行させることができる。
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナスあるいはレギュラーボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、通常状態における内部抽選でビッグボーナスが当選した場合、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、通常状態における内部抽選でレギュラーボーナスが当選した場合、レギュラーボーナスが入賞するまでレギュラーボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持される。ボーナス状態では、ボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、入賞したボーナスの種類に応じて予め定められた払出上限数を超えるメダルが払い出されると、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる。
リールユニット203は、3つの回胴40a〜40cを備えるが、3つの回胴40a〜40cそれぞれにひとつづつステッピングモータ155a〜155cが取り付けられている。ステッピングモータ155は、回転子(ロータ)として歯車状の鉄心あるいは永久磁石を備え、固定子(ステータ)として複数の巻線(コイル)を備え、電流を流す巻線を切り替えることによって回転動作させるものである。すなわち、固定子の巻線に電流を流して磁力を発生させ、回転子を引きつけることで回転するものである。回転軸を指定された角度で停止させることが可能なことから、スロットマシンの回胴の回転駆動に使用されている。複数の巻線がひとつの相を構成する。相の数として、例えば、2つ(二相)、4つ(4相)、5つ(5相)のものもある。
ステッピングモータは、各相の巻線への電流の与え方を変えることにより、特性を変えることができる(励磁モードが変わる)。二相型については次の通りである。
・一相励磁
常に巻線一相のみに電流を流す。位置決め精度は良い。
・二相励磁
二相に電流を流す。一相励磁の約2倍の出力トルクが得られる。位置決め精度は良く、停止したときの静止トルクが大きいため、停止位置を確実に保持できる。
・一−二相励磁
一相と二相を交互に切り替えて電流を流す。一相励磁・二相励磁の場合のステップ角度の半分にすることができるので、滑らかな回転を得られる。
なお、ステッピングモータを「駆動する」とは、当該モータを上記励磁により回転させることとともに、所望の位置で停止させその位置を保持するために各相を励磁することも含むものとする。
スロットマシンでは、例えば、4相の基本ステップ角度1.43度のステッピングモータを使用し、パルスの出力方法として一−二相励磁を採用している。
図6は、スロットマシンのステッピングモータの駆動回路のブロック図である。この図では、説明を簡単にするために2相のモータを示しているが、4相の場合でも同様である。なお、図6では、各回胴の位置を検出するためのインデックスなど要素は省略している。
同図において、1310−1〜3はステッピングモータ203M−1〜3のコイル203(A相のコイル)A−1〜3とコイル(B相のコイル)203B−1〜3のオンオフ(電流を流すかどうか)を切り替える駆動回路である。1320−1〜3は、駆動回路1310−1〜3の出力に従いコイル203A−1〜3と203B−1〜3へ電流を流す励磁回路である。なお、コイル203A−2、3と203B−2、3の表示は省略している。
コイル203A−1〜3はA相のコイルであり、Aと/Aの2種類のコイルを含む。各相は、A端子と/A端子の他に共通端子COMを含むが、その図示は省略している。コイル203B−1〜3はB相のコイルであり、Bと/Bの2種類のコイルを含む。A相のコイルとB相のコイルは、例えば、A、B、/A、/B、・・・のように交互に配置されている。A→B→・・・の順に励磁するとモータは正回転し、B→A→・・・の順に励磁すると逆回転を行う。各相の励磁を切り替える間隔を短くすればモータは速く回り、間隔を長くすると遅く回る。ここで励磁する相を切り替えずに同じステータに電流を流し続けると、ロータが同じステータの位置に固定され、モータが現在の位置を保持しつづけることになる。
図9(a)は、スロットマシンのステッピングモータの駆動方法の説明図である。同図は一−二相励磁の例を示している。同図の表の○はコイルに電流を流していることを示す。同図の表のステップ1、2、・・・、8の順番でコイルに電流を流すとモータは回転し、逆の順番にするとモータは逆回転する。
ステップ1、2、・・・、8によるコイルの電流のオンオフのパターンを励磁パターンと呼ぶことにする。図9(a)の例は8つの励磁パターンの組み合わせを示し、図9(b)は16個の励磁パターンの組み合わせを示す。図9(a)(b)は励磁パターンテーブルの内容を示す。励磁パターンテーブルは、駆動回路1310又はモータ駆動パターン選択部303に設けられるか、あるいは、これらとは独立に設けられる。
回胴を所望の位置に停止させる際は、所望の位置になった時点あるいはその直前で電流を流すコイルの切替を停止する。これで回胴は停止するが、前述のように、二相に電流を流すことで一相励磁の約2倍の出力トルクが得られるから、停止位置を確実に保持するために二相に電流を流すことがある。多相の場合は全ての相(コイル)に電流を流すとよいが、全ての相の2以上の相に電流を流しても、停止位置を確実に保持する点で一定の効果を奏する。以下、このことを、多数の相を備える場合においてその2以上の相に電流を流すことを含めて(全ての相に電流を流さず一部の相にのみ電流を流す場合を含む)、全相励磁と呼ぶ。全相励磁では、多くのコイルに電流を流すので、ステッピングモータの消費電流は最大になる。回胴停止後、一定時間はステッピングモータに電流が流され続けている。
図7は、発明の実施の形態に係る回胴演出制御部300のブロック図である。回胴演出制御部300は、例えば、回胴制御手段1300の一部であり、メモリやコントローラなどのハードウエア又はプログラムによるソフトウエアで実現される。
301は、外部から回胴演出に関する命令を受け(例えば、内部抽選手段1200から内部抽選の結果を受ける)、これに従って複数ある回胴演出パターンのいずれかを選択する回胴演出パターン選択部である。
回胴演出に関する命令として、(1)前記内部抽選手段による内部抽選の結果が出たことの通知(そのときの回胴演出は当該抽選の結果に対応する)、(2)メイン基板10で行われるAT(アシストタイム)のゲーム数を決定するための抽選の結果が出たことの通知(そのときの回胴演出は当該抽選の結果に対応する)、(3)メイン基板10によって予め定められている回胴演出を実行する旨の命令(そのときの回胴演出は、当該タイミングにおいて実行された回胴演出パターンを決定するための抽選の結果に対応する)、などがある。
302は、選択された回胴演出パターンを読み出し、そのデータ列のデータを順次モータ駆動パターン選択部303へ送る回胴演出パターン読出部である。回胴演出パターン読出部302は、先ずデータ列の先頭を読み出して送るとともに、予め定められた条件を満たしたとき(例えば、(1)図示しないタイマーを備え、予め定められた時間を経過したとき、言い換えれば一定時間間隔で、(2)回胴が一定角度回転した、一定時間停止したなど回胴が予め定められた動作を完了したとき)、データ列から次のデータを読み出してモータ駆動パターン選択部303へ送る。以上の動作を繰り返す。
303は、回胴演出パターン選択部302から受けたデータに従ってモータ駆動パターンテーブル305から対応する駆動データを読みだすとともに、その駆動データを駆動回路1310へ送るモータ駆動パターン選択部303である。
304は、複数の回胴演出パターンを予め記憶している回胴演出パターンテーブルである。図7の例では、データ列1(演出パターン1)〜データ列4(演出パターン4)の4種類の演出パターンを記憶している。
305は、回胴演出に用いられる全ての回胴の動作(一定時間停止することを含む)をそれぞれ実現するための複数の駆動データを予め記憶しているモータ駆動パターンテーブルである。図7の例では、駆動データA〜駆動データFの6種類のデータを記憶している。図7の例では、回胴演出として最大6通りの基本動作が可能である。なお、これは一例であり、駆動データの数を増減することで、回胴演出の種類を任意に増減することができる。
図8は、回胴演出パターンテーブルとモータ駆動パターンテーブルの説明図である。
図8(a)は、回胴演出パターンテーブル304の具体例である。同図の例では、データ列1=ACACACである。他のデータ列も同図に示されたとおりである。AやCはひとつの演出パターンデータ(基本動作)を示しており、例えば、Aは回胴を上方向(逆方向)へ高速回転させることを意味し、Cは回胴を下方向(順方向)へ高速回転させることを意味する。他のC〜Fの意味については、図8(c)を参照されたい。図8(c)で示された動作A〜Fは、それぞれ演出に係る回胴の基本動作である。
つまり、データ列1は、上方向(逆方向)へ高速回転させた後、回胴を下方向(順方向)へ高速回転させる。そして、このセットを合計3回繰り返す回胴演出を意味する。他のデータ列2〜4についても、それぞれ、そのデータが対応する図8(c)の意味する回胴演出を行う。
図8(a)のデータ列の一つのデータ(例えばA)は最小単位(例えば1バイト)のデータであり、そのデータ容量は小さい。
図8(b)は、モータ駆動パターンテーブル305の具体例である。回胴演出パターンデータテーブルのデータ列を構成する各データに対応する駆動データの具体例を示している(例えばAに対応する7、7、7、3)。この駆動データは例えば4バイトであり、3つのリール40a〜40cそれぞれの励磁パターン更新数と、そのウエイト時間を示している。7、7、7、3は、順に、リール40aの励磁パターン更新数、リール40bの励磁パターン更新数、リール40cの励磁パターン更新数、ウエイト時間を示している。
励磁パターン更新数は、ステッピングモータを駆動するための励磁パターン(図9(a)参照)を更新するための値である。0の場合は励磁パターンが更新されないため(例えば、図9(a)のステップ1の励磁パターンが継続する、言うまでもなく、ステップ1は例示である(以下同様))、モータは動かない。1の場合は励磁パターンを一つづつ+方向へ動かすことを意味し、回胴は順方向へ回転する。例えば、図9(a)のステップ1からステップ2、ステップ3、・・・のように励磁パターンが順次切り替わる。7(補数表現で−1)の場合は励磁パターンを一つづつ−(マイナス)方向へ動かすことを意味し、回胴は逆方向へ回転する。例えば、図9(a)のステップ1からステップ8、ステップ7、・・・のように励磁パターンが順次切り替わる
以上の励磁パターンの更新処理は、励磁パターンを示す値に図8(b)の励磁パターン更新数を加算することで実現できる。
ウエイト時間は、その駆動データを継続する時間を意味する。図8(b)の例では、制御可能な最小時間単位は0.1秒であり、3は0.3秒間だけ駆動データAに従って励磁パターンを更新することを意味する。
なお、図8(b)において、3つのリールの励磁パターン更新数は同じであるが、回胴ごとに異なるようにしてもよい。この場合、3つの回胴はそれぞれ別の動きすることになる。
なお、駆動データAとCは高速であり、駆動データBとDは低速である。高速と低速の切替は例えば次のいずれかのように行う。
(1)高速用(通常)の励磁パターンテーブル(図9(a))と低速用(回胴演出専用)の励磁パターンテーブル(図9(b))をそれぞれ用意する。後者のテーブルは同じ励磁パターンが2回繰り返されているので、上述の励磁パターンの更新処理を行うと通常よりもモータの回転が小さくなる(半分になる)。繰り返し回数を増やすことで回胴の回転速度をさらに遅くすることができる。
(2)低速において、励磁パターン更新数の加算繰り返し間隔を長くする。具体的には、低速の場合、モータ駆動パターン選択部303が、駆動回路1310へ励磁パターン更新数である+1又は+7を送り出す間隔を高速の2倍にする。あるいは、駆動回路1310が励磁パターン更新数の加算を行う場合、低速の場合、+1又は+7の演算を繰り返す間隔を高速の2倍にするようにしてもよい。
回胴演出パターンのデータ列の各データは、モータ駆動パターンの駆動データよりも小さい(上記例では前者が1バイトに対して後者は4バイト)。
次に、図10及び図11を参照して、回胴演出制御部300の処理について説明を加える。
S1:回胴パターンテーブル304から演出に使用するデータ列を選択する。
どの演出を行うかの指令を受けてデータ列を選択する。例えば、高速で上下に動かす演出を行うときはデータ列1を、低速で上下に動かす演出を行うときはデータ列2を選択し、高速で上下に動かした後に一定時間回胴を呈するときはデータ列3を選択し、単に一定時間回胴を停止するときはデータ列4を選択する。
S2:選択したデータ列に基づき、モータ駆動パターンテーブル305から駆動データを読み出す。
例えば、S1でデータ列2が選択されたとき、駆動データB、D、B、Dの順番で読み出す。
S3:読み出した駆動データに従ってステッピングモータを駆動する。
例えば、読み出した駆動データがBであれば、回胴を上方向へ低速で動かす。
S4:回胴演出が終了したら(YES)、図10の処理を終了する。
例えば、最後の駆動データDによる駆動が終了したら、YESとなる。
図11に基づき、上記S2〜S4の処理を具体的に説明する。
S10:選択したデータ列の先頭のデータを読み出す。
例えば、駆動データB、D、B、Dの先頭のBを読み出す。
S11:読み出したデータに対応するモータ駆動パターンを読み出す。
例えば、駆動データB=7、7、7、9を読み出す。
あるいは、駆動データD=1、1、1、9を読み出す。
S12:読み出したモータ駆動パターンに基づきモータを制御する。
例えば、駆動データB=7、7、7、9のときは、図9(b)の励磁パターンテーブルに一定時間間隔で繰り返し7を加算して(−1減算に相当)、励磁パターンを変化させる。同図の例では、励磁パターンは例えば・・・、1、16、15、14、・・・となる。
駆動データD=1、1、1、9のときは、図9(b)の励磁パターンテーブルに一定時間間隔で繰り返し1を加算して、励磁パターンを変化させる。同図の例では、励磁パターンは例えば・・・、1、2、3、4、・・・となる。
なお、高速回転A,Cの場合は、図9(a)の励磁パターンテーブルが使用される。
S13:制御終了したかどうか判定する。
例えば、S12の処理が一定時間(0.9秒)続いたときにYESとなる。これに満たないとき(NO)はS12の処理を繰り返す。
S14:データ列のデータを全て読み出したかどうか判定する。
例えば、駆動データB、D、B、Dの最後のDを読み出したときにYESとなる。
読み出していないデータがあるとき、次のデータを読み出し(S15)、S11〜S13の処理を繰り返す。
以上の処理により、回胴演出を行うことができる。演出の種類を増やすには、回胴演出パターンテーブルのデータ列を増やせばよい。データ列の内容は、駆動データの組み合わせによるものであれば任意であり、種類を無数に増やすことができる。また、データ列のデータの数を増やすことで演出における回胴の動きを増やすことができる。演出に用いる駆動の種類は駆動データを増やせばよい。例えば、左回胴は上回転、右回胴は下回転、中央の回胴は停止という駆動を行うには、駆動データを7、0、1、3とすればよい。駆動データの内容は、ステッピングモータで可能なものであれば任意に採用できるが、実際は、図8(c)に示した6種類でほぼ十分であると思われる。
本発明の実施の形態に係る遊技機を実現するために必要なデータ量について検討する。
回胴演出パターンテーブル304について、データ列1(演出パターン1):6バイト、データ列2(演出パターン2):4バイト、データ列3(演出パターン3):7バイト、データ列4(演出パターン4):4バイトであるから、合計21バイトである。
モータ駆動パターンテーブル305について、駆動データA〜Fの6種類で各4バイト、つまり6×4バイト=24バイトである。
2つのテーブル304、305の合計は、21+24=45バイトである。
これに対し、従来のやり方によれば、図8(a)の演出パターン1を実現するためには、ひとつの駆動データについて4バイト必要であり駆動を6回行うことから、6×4バイト=24バイト必要である。同様に、演出パターン2:4×4バイト=16バイト、演出パターン3:7×4バイト=28バイト、演出パターン4:4×4バイト=16バイトとなり、合計84バイトである。
すなわち、本発明の実施の形態によれば、従来のやり方に比べて約半分のデータ量で済む。回胴演出パターンテーブル304の演出パターンのひとつのデータ(例えばA)のデータ量が、モータ駆動パターンテーブル305のひとつの駆動データのデータ量よりも小さければ、本発明の実施の形態は、従来のやり方よりもデータ量が少なくなると言える。このことは、データ列の種類が多いほど、データ列に含まれるデータの数が増えるほど顕著になる。
仮に、回胴演出の動きが1つでデータ列1しかないとすれば、本発明の実施の形態のデータ量は6+24=30バイトであるのに対し、従来例のデータ量は24バイト(データ列1のみ)と従来例のほうが少なくなる。しかし、データ列1と2の2種類になると、本発明の実施の形態のデータ量は6+4+24=34バイトであるのに対し、従来例のデータ量は24+16=40バイトと発明の実施の形態のほうが少なくなる。演出に係る回胴の基本動作は、例えば図8(c)に示すように複数あり(ひとつでは演出としての意味がなくなる)、また、当選役の報知を行うことからデータ列がひとつということはあり得ないから、本発明の実施の形態は、常に、従来のやり方よりもデータ量が少なくなるといってよい。
この発明の実施の形態によれば、回胴演出のためのデータ量を削減することができ、従来技術においてデータ量が増え、他のプログラムやデータの領域を圧迫するという課題を解決することができた。
以上の説明では、回胴演出パターンテーブルとモータ駆動パターンテーブルの2つを備える例を説明したが、回胴演出に係る制御データを複数に分解し、上述の回胴演出パターンテーブルとモータ駆動パターンテーブルの関係のような階層構造を持たせるようにしてもよい。図12に示すように、回胴演出パターンテーブルとモータ駆動パターンテーブルの層L1の上に、回胴演出パターンテーブル1〜4の層L2〜L4を積み上げるようにしてもよい。
例えば、L2の回胴演出パターンテーブル1が同じ演出の繰り返し回数(例えば3回)を予め記憶し、L1の回胴演出パターンテーブルの演出パターン(例えばAC)をその回数だけ繰り返すことで、上述の回胴演出パターンテーブル304のデータ列1と同じ演出を行うことができる。この場合、L1の回胴演出パターンテーブルのデータは2バイトであり、図8(a)に示した場合(6バイト)よりもデータ量は小さくなる。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。